【かんざしProject 02】 かんざし「軸」部分のデザインによって「キープ力」に差はあるの??

 

待ち針?かんざしです◎

 

先日、初めて東京の「高円寺」に行きました。多分、初めてだったと思います。

台風が通り過ぎた直後だったので、空気が澄んでいた。だから空の青さがすごくクリアーで綺麗だったわけです。
だけど、高円寺を歩いていて感じたのは「東京の空は小っちゃいな」ということでした。(アーケード街を歩いていたので、そりゃ、空が小っちゃいわけですが)

 

現代に生きる私たちは、「かつてはあったはずの繋がり」をいつの間にか見失っている。
自身の生活を振りかえってみると、そう感じることがあるのです。

 

「もうちょっと」でいいから「木」や「森」「山」に近づいた方がよさそうだな…と思う。そうじゃないと「私」という「殻」がどんどん厚く、硬くなっていくような気がする。ソリッドな個体となり、孤独になり、息苦しくなる。

 

流動性を取り戻す。関係性を取り戻す。
「簪かんざしプロジェクト」もそんな試みの一つなのです◎ 多分。

 

↑Made by 鳩

 

 

 

簪の髪まとめキープ力、付け心地の実験


 

髪の長い久恒さんに実際に簪をつけてもらって「実験」をしました。

↓テストとして作った簪です。

↑Made by 鳩

  • 左端……【玉部分】 骨董ガラス/ちょい重め 【軸部分】 桜の木/六面体/無塗装
  • 真ん中…【玉部分】 鹿の角/ちょい軽め 【軸部分】 桜の木/六面体/漆塗り
  • 右端……【玉部分】 ヤクの骨/軽め 【軸部分】 鉄木/円柱/漆塗り

 

僕の予想(希望的)としては軸は「ツルツル」した漆塗りよりも、少し「ザラザラ」した木地のままの質感の方がキープ力がある。円柱の軸よりは多角形。細い軸よりは太い軸。軽めの玉部分よりかたは少し重めの玉……の方が「断然」キープ力があるのではないか?と密かに予想していました。

 

このあたりの予想が当たった場合、従来の一本簪の作り方を強烈に「否定」することができます。
そして「こういう理由で私たちの作る簪は優れているのです!」と、皆さんにその優位性を強くアピールできます。ブランディングがやりやすくなるな~フフフフ…と「ワルな目」をしながらニヤニヤしてました。

 

 

 

で、実際に使ってもらいました。

ガラスのトンボ玉+無塗装の木の軸(八角形)

 

左画像が簪を付けたばかりのものです。朝、仕事に出かける前。
右画像が仕事を終えて家に帰って来てから撮った写真です。(およそ8時間後)

今回は簪の「キープ力」を知りたかったので、「途中で髪をまとめ直す」ということを控えてもらいました。朝、セットしたらその後一切触らない…ということです。

ちょっと髪のセットが崩れていますね。髪の乱れは心の乱れ…

 

次に↓こちらの簪のテスト。

鹿の角の玉+漆塗りの木の軸(八角形)

 

はい、こんな感じです。

 

最後に↓こちら。

ヤクの骨の玉+漆塗りの軸(円柱)

 

 

結果としましては…一番最初の「トンボ玉+木の軸」が一番キープ力がありました!と言いたかったのですが、そんなことはありませんでした(笑)

「キープ力は全部、ほとんど同じ感じ」「大して差がない」
が結論となりました。

「鳩の勘」はからッきし冴えてなかった!ううう…ちょっと凹みますね。(うそ。全然凹んでない。ぜんぜん…うう)

 

それ以外にも久恒さん自身が持っている市販の簪を使った場合の感想も聞きました。

金属の簪、軸が「四角形」の簪、などなどテストしてもらいましたが、「そこに大きな差は無さそう」…と言うのが感想でした。

つまり「何でもいいから棒状のものを突っ込めば髪はまとまる!」ということなのかもしれません。(言い方が汚いかしら?)

となると、この結果をポジティブに捉えるなら、軸の形状のデザイン、表面塗装に関して、「何の制約も無い」と考えてよさそうです◎

ほほー。ナルホド。ん?ってことは今回の「実験」は何の意味も無かったってこと??

いやー、それを言われちゃうとですね~寂しくなりますね◎ (言っちゃ、ダメよ)

 

 

次回、ブチコさん(陶芸家さん)から送られてきた「玉」部分のテストピースをご紹介します◎

 

金継ぎのやり方

 

 

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【かんざしProject 01】 スタート!

ちょんまげ?かんざしです◎

 

満を持して「簪かんざしProject」がスタートしました◎

何々?かんざしプロジェクトって??鳩屋さん、かんざしを作るわけ???

そです、かんざし、作ります◎ チャレンジします。
何でかんざしを作るの?

 

↑Made by 鳩

何ででしょうね?
何となく槍も作っているところを考えると、一本スッと立っているモノに対する興味があるんですかね。

 

そう言えば、草原にポツンと立つ木を見ると気分がいいです。この感覚、伝わりますか?

チベットで信者が祈りを捧げる柱なんかもすごく惹かれます。トーテムポールも格好いいと思います。

 

何なんでしょうね。天と地とを繋ぐ「結束点」って感じがします。人々の祈りが集積する「磁場」のようにも感じます。

「こちらの世界」と「あちらの世界」を繋ぐ「結び目」。「私の世界」と「あの人の世界」との境界面に立ち上がる「ささやかな徴」。

 

日常生活を送るなか、私たちは「自分とは違う世界」が併存していことを認識するのは難しい。どうしても「自分の世界観=世の中全て」というように思いこんでしまいます。そうゆう意識に慣れてしまうから、「異物」を感知するためのセンサーが働かない。

 

私たちは境界線を示す「徴」を見た時、初めてそこに立ち上がっている「別の世界」を意識できるのかもしれません。

 

実は簪を作ってみたいな…と十年前くらいから考えていたんです。
けど、男の僕にとってはハードルが高かった。髪は短いし、だいち、簪を使うことがないわけです。
そうなると、どういったものが使いやすいのか?どんなデザインだと洋服や、使われる場面(結婚式、パーティー、日常などなど)に相応しくなるのか?そういったことがイメージしづらかった。

そんな折、「WEB金継ぎ教室」の生徒さんをやってもらっている久恒さんが、学生時代の友人で陶芸家の大渕さんと「山」や「森」をテーマに商品の共同開発をしようとしているのを聞いて、「”かんざし”を作ることに興味はありませんか?」と提案してみたところ、「あっ!それいいですね。面白そう」という話になりました◎

 

 

 Project Member 


  • 大渕 由香利 さん(通称:ブチコさん)…陶芸家 ▸ Instagram
  • 久恒 まゆ さん…林業会社社員&木工家
  • 深澤 勇人(鳩屋)…金継ぎ図書館館長
  • 角谷 啓男 さん…陶芸家(たまにアドバイザー的な立ち位置で関与してもらう感じでしょうか)

プロジェクト・メンバーの紹介は後日また◎

 

陶芸家のブチコさんに、簪トップの「玉」部分の試作をお願いし、僕と久恒さんは簪の「軸」の部分の研究を進めています。

 

 

「目指す簪は?」というと、もちろんビジュアルのデザインを素敵にしたいですが、それと同時に「付けていてフィジカルに心地よい」ことを追求したいと考えています。

ゴムなどで髪を留めていると、頭皮が引っ張られて疲れる。簪だったら引っ張ることなく緩やかに留めることができる。それでいて緩みづらい…というようなものが作れたら、簪を付けた人はストレスなく一日中自然体でいられる。
そのあたりを目指して作っていきたいと思っているのです。

 

↑左4本は久恒さんが持っていた簪で、一番右は久恒さん自身が「クヌギ」の木から彫り出したものです。

左端の簪…素材:ステンレス(?)/軸:円柱、ストレート
左から二番目…素材:真鍮/軸:四角柱、ストレート
真ん中…素材:木/軸:円柱、ストレート
右から二番目…素材:木/軸:円柱、ストレート
右端…素材:クヌギの木/軸:円に近い多面体、湾曲

 

使ったこともないくせに、僕が勝手に想像していたのは「材質、表面塗装、形状、重さ」によって髪のまとまり具合(緩みやすさ)が変わるのではないか?ということです。

例えば材質が同じ「木」であったとしても軸の形状が「つるっとした円柱」だと、つるつる滑ってしまい、結った髪が緩みやい。「少しざらっとした多面体」の軸だと髪が軽く引っ掛かり、緩みづらい…などの差があるかもしれないと思ったわけです。

この辺りの「鳩の勘」は何処から来ているの?というと、それはお箸やスプーンなどなど、自分の手で作ってきた経験から導き出されたものです。当てずっぽだけど、意外と当たりそうな気もしているのです◎

 

↑Made by 鳩

 

【鳩屋の勝手な予想】


緩みやすい条件…
表面塗装がつるつる/円柱の軸/重量が軽い/軸がストレート

緩みにくい条件…
表面に少し抵抗感がある/多面体の軸/重量が重い/軸が緩やかに湾曲している

 

…ってことは、つまり「既製品」についていうと、そのほとんどが「緩みやすい条件」でしか作られていないと予想しています。
製造コストを下げるために行なわれている様々な加工が、デメリットになっているのではないかと考えています。

 

この「鳩の予想」を元に実証実験を行ったのですが…予想、大ハズレでした(涙)

次回、そのご報告をします◎

 

 

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▸ キープ力テスト結果

 

 

金継ぎのやり方

 

 

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韓国のアート・ビエンナーレに出品してます!/2017清州工芸ビエンナーレ

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藝術の秋よん!

 

「アニョン」って、それ、韓国の挨拶でしょ?
しかも写真に写っている文字がハングル文字っぽい…ですね。どうしたっていうの??

はい、なんと金継ぎ図書館、海外進出第二弾です!(第一弾はベトナムのフリーペーパーに掲載されました◎ きっと誰も覚えていないと思いますが)

今回は韓国の芸術展示会に作品を出品しました◎

 

2017清州工芸ビエンナーレ」という、工芸の全分野(金属、陶磁器、木工芸、繊維、ガラスなど)にまたがる国際総合芸術展示会です。
9月13日から韓国中部の忠清北道清州市で開幕。10月22日まで旧清州タバコ製造工場で行われます。

 

今年のビエンナーレのテーマは、「Hands+ 抱く」。「Hands+」…は「手で工芸以上のものを作り出す」という意味です。
18カ国・地域から約780人が参加し、約4000点の作品が展示されています。

 

作品は金継ぎした「器」ではなくて、「器」という漢字の語源をコンセプトにした、「槍」の作品です(墓標のような作品も一つありますが)。全部の作品に金継ぎした痕跡があります。

 

↑一応、作品のコンセプトがこちらに書かれています。僕は読めません。

 

なぜに韓国のアート・ビエンナーレに出品しているの?と言いますとですね、それは「Studio 仕組」さんという日本の会社からお声が掛かったからなのであります。(もともと、Studio仕組さんの方にビエンナーレ組織委員会から出品依頼が来たのです)

Studio仕組さんは日本の伝統工芸を活性化させ、次世代に伝えることをミッションとし、アーティストや職人と組んで様々な活動をしている組織なのです。

 

それじゃ、そのStudio仕組さんのお眼鏡にかない、数多いる工芸アーティストさんの中から、鳩屋さんに白羽の矢が立った…ってことね◎

ふふふふ…そう思っておいていただけたら有り難いです。(実は裏ルートでお声がかかったのですが。おほほほ…)

 

だけど、↑こんなお墓みたいな作品を韓国まで持っていって大丈夫なのでしょうか?

 

↑こっちは「槍」だし…。

 

韓国の人たちにも好意的に受け取ってもらえたら有り難いのですが、でも
「武器」ってなると~(笑) あまり「よい印象」は抱かないかもしれませんね。アートということで、いろいろ深読みしてくれたらと思います◎

 

ちなみにStudio仕組さんは「日本刀」も扱っています。本物の日本刀です。海外で売ったり、銀座シックスの蔦屋さんのフロアーにもお店があります。

 

ところで、日本人のこの「刃物」に対する接し方って何なのでしょうね?

 

ただの「人殺しの道具」とは捉えていませんよね。
日本の伝統的な武器を「他者の命の奪いとるための効率的な道具」と考えてしまうと、「ではなぜにそこまで美しさを追い求めたのか??」への読み筋が全く見えなくなってしまします。

「日本刀はアートだ」とか、「日本では、人を殺す武器でさえも芸術の域まで高めてしまった、世界的に見ても稀有な文化である」といったフレーズをよく聞きますが、これを聞いたところで何も合点がいかないですよね。
↑これって「金継ぎとは…」と同じ話法のような感じですね~。日本人はあまりよく理解できていない自国の文化をこうやって説明したがる癖がありますね。

 

鳩屋の「読み筋」としては、「当時の日本人は”自他の境界”が無くなる境地を至上のものとしていた」、だからその境界を無化する「究極の道具」として日本刀を捉え、ただの人殺しの道具という範疇を遥かに超えて洗練していった。そう読んでいます。

 

武士の勃興の時代と重なるように盛んになった文化としては「禅」「茶」「能」などがあると思います。(金継ぎも同じような時代ですかね~)

これらの文化は「自分と他者の境界線」を無化したり、「生と死の境界線」を超えようとする思想を孕んでいると思います。さらにはそれらを身体的に実感することも、一つの重要なゴールとして持っている気がします。

 

とすれば、日本刀をはじめとした武器に関しても同じ哲学が貫かれている可能性が高いと思うのです。

この辺りの「武士道」の精神性は日本人自体が解明できていないところだと思います。でも海外の人たちがすごく興味をもっており、知りたい思想でもあると思います。

 

当時の日本人の精神性を考究して、何とかまとめ、それが作品化できればと思っています。

相変わらず意味が分からんぞ、鳩屋!

 

 

 

金継ぎのやり方

 

 

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宮下先生へ/「爪盤」の相談(個人的メールです◎)

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 おーい、宮きちくーん!!

 

※ 9月23日(土曜日)に神楽坂でやっている宮下先生の金継ぎ教室に鳩屋がお邪魔します!

【9月放課後金継ぎ研究室】(宮下先生主催)

日時: 9月23日(土)/18時30分~20時30分ころまで
場所: 神楽坂一水寮 悠庵/東京都新宿区横寺町31  (東西線神楽坂駅から徒歩2分ほど)
参加費: 500円(道具作りですのでお代をいただきます)
定員: 12名ほど

 

 

↑ちょっと分かりづらいところにあるのでご注意ください◎

 

↑正確にはここになります。すごく細い路地に入り、さらに一水寮の「裏手」からお入りください。

 

ご興味のある方は宮下さんのHPをチェックしてみてください◎(お問い合わせも宮下さんのHPで御願いします)
▸ みやっちHPへゴー

以下はそこでおこなうワークショップの企画案です。

 

 

このページは宮下さん個人宛のメールのようなページです。
なぜ、個人メールをブログでやるの!?それ、ブログの使い方、間違っているわよ。
いやー、そうですね◎ そう思います。なのですが、いろいろ考えて「ま、ブログで書いちゃえ!」って結論になりました。

爪盤、爪盤、爪盤、…の作り方を宮下先生に相談させてもらいます。きっと金継ぎでもすごく役に立つと思います。また近いうちに作り方をまとめ直して金継ぎ図書館のコンテンツとしてアップしたいと思います。
まだテスト段階ですー。

 

↑この「爪盤」の上に少量の漆を出して使います。器などを持ちながらも使えます。

 

爪盤つめばん

蒔絵を描く際に左手の親指につけ、この上に漆をだして小さなパレットの役割を果たす用具。水牛の角、べっ甲、セルロイド製などがある。(漆芸辞典/光芸出版 p249)

 

 

みやっち先生へ


ども、宮下先生。先ほどはお電話ありがとうございました。

それではさっそく「爪盤」のご相談です◎
以下の道具・材料、それから手順を考えています。チェックのほど、よろしくお願いします。

 

【爪盤を作るのに使う道具・材料】
道具 ①糸鋸(もしくは普通のノコギリ+彫刻刀(平)) ②ゴム手袋 ④刻苧ベラ ⑤大きめの釘 ⑦水を入れる豆皿
材料 ③百均のペラペラ木のスプーン ⑥エポキシパテ 〇水 〇紐(指に引っ掛ける用) 〇ペーパー#240

 

スプーンは↑こんな感じのものです。ペラペラです◎
パテは「木部用パテ」がよろしいかと考えています。

 

スプーンの裏にパテを付けるのですが、そのパテを付ける範囲の目印を描いておきます。おおよそです。

 

スプーンのネックの部分を切るので、その目印も描いておきます。

 

糸鋸でネック部分を切ります。その後、切り口をペーパーでやすります。

この作業は「普通のノコギリ」で切って、そのあと彫刻刀の平で削るのでもいいのですが、ヘッド部分が小さいので、それを手でもって削り作業をするのは初心者の人ではちょっと厳しいかな?と考えています。

 

パテを練り合わせます。

 

まずは少量のパテを千切って、ヘッドの裏側に付けます。

 

パテと木地との初期接着が結構弱いので、刻苧べらを使って少量のパテをしっかりと押し付けます。
ガッチリ接着させます。

 

ヘラにパテがべたべたくっついてきやすいので、その場合はヘラに水を付けるとヘラ離れがよくなります。ちょくちょくヘラを水に浸けます。

 

 

パテの真ん中に入っている溝は無視してください。順番を間違えました◎

両サイドにパテを付け足して高く盛り上げます。

 

もっこりしました◎
ヘラを使って最初につけたパテにしっかりと圧着させます。

 

こんな感じです。

 

次に釘(適度な太さの棒であれば何でもオッケーです)を使うのですが、パテが剥がれやすいようにあらかじめ水を付けておきます。

 

パテの中心に釘をグリグリ押し込みます。半回転させながら作業をすると押し込みやすい感じがしました◎

 

オケオケ◎

 

両サイドの部分に更にパテを盛ります。ある程度、厚みをもって釘を完全に覆うようにします。
この部分に紐を通すので強度が必要です。薄くなり過ぎないように気を付けます。

 

 

ヘラで押さえてしっかりと圧着させます。

 

ヘラで押さえて、ひとまず全体の形を綺麗に整えます。

 

窪みに親指を添えながら、成形作業をすると、綺麗に整えやすい気がします。

 

↑こんな感じです。

 

釘をグリグリと左右にちょっと揺らし、穴を大きくします。

 

左手の親指の付け根周辺に水を付けて濡らします。

 

爪盤を置いて、フィッテングです。

上からちょっと押したりして、指のカーブにある程度合うようにします。あまり厳密にやる必要はありません。そこそこでオッケーです。

 

こんな感じです。

 

釘を抜きます。
ちょっと回転させたりすると抜きやすくなります◎

 

穴が空いています。

 

そこそこのフィット感です◎

 

作業をしてるうちに、形が崩れてくるので、整え直します。穴もさぎゅ宇宙に潰れていたら、釘を差し込んで穴を大きくしてください。

 

これでひとまず終了です。
ワークショップはここまでやる予定です。

 

 

パテが硬化したら、ここからは漆の作業に入ります。

 

一度、漆で固めてから作業をした方がいいかな?
できたらもう少し凹みが弱い方がいいので、凹みの強い部分を錆などでちょっと埋めていきます。

ヘラの先がカーブしたものを用意します。

 

錆付け→ペーパー研ぎ→錆付け→…
を3回くらい繰り返します。

 

漆の下地で綺麗に成形できたら、漆の塗りに入ります。(↑これは下地作業をしていません。いきなり塗りに入っています)

 

 

生徒さんは宮ッちの金継ぎ教室の時に、余った錆でちょくちょく下地作業をして完成させてもらえたらいいかな?と思っています。

どでしょう??改善点などなど、ありましたらアドバイスもらえたら有り難いです。よろしくお願いします◎

 

 

 

 

 

 

金継ぎのやり方

 

 

 

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蒔絵教室レポート4日目(その③)/L子先輩の蒔絵修正

 

 

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   修行のお時間!!

 

 

 

今日もやってきました。練馬区の桜台という駅です。何線だろ?西武池袋線でした。池袋駅から電車で4駅目です。12分くらいかな。

 

駅から徒歩10分くらいで師匠のアトリエ到着◎
↑の文字は右から読んでください。左から読んじゃうと「つげうこうぼうこしるう」になります。意味わかりません。

 

漆工房皎月は東京の「駒込」「練馬」「青梅市」「あきる野市」金継ぎ教室も開催しています。
輪島で蒔絵の修行をされたかめ師匠と、東京藝大出身の福田さん(女性、僕の先輩です)の二人体制で丁寧に教えてくれます。至れり尽くせり!
都内で金継ぎ教室をお探しの方、金継ぎ図書館が100%の自信をもっておススメします◎(はっきり言って、最強の金継ぎ教室だと思います。)

詳しくは皎月さんのHPでチェックしてください。
▸ 漆工房 皎月Facebookページ

 

 

 

ぷち備忘録/


 

 

↑同門のL子先輩の蒔絵手板です。

これ、何??かと言いますと、「板チョコ」です。はい。本当です。
何で板チョコ作ってんの??と言いますと、L子先輩が近々、吉祥寺でグループ展に作品を出品する予定で、そのグループ展の今回の「お題」が「チョコレート」なのだそうです。(合ってましたっけ?)

これは「研ぎだし蒔絵」という方法で制作している途中段階です。
漆を塗り重ねる途中段階(最後の”上塗り”をする前に)で蒔絵をします。そのあと蒔絵の上から漆を一回塗って(上塗り)、乾いてから慎重に研いで、蒔絵粉を研ぎだしていきます。

 

前回(三日目)のL子先輩は↑この作業までをやりました。格子状に線を描いて蒔絵を行いました。
で、よく見てもらえるとわかると思うのですが(画質が悪くて済みません!)、ただの「格子状」の線です。一本の太い線の中に細かい「抜けの線」や、クロスした「抜けの線」が入っていないのです。さらに所々微妙に線のアウトラインが歪んでいたりする。

 

それが何と4日目には↑このようにビシッと線のアウトラインが直線に揃って、太い線の中にも細い「抜けの線」が入っています!!
(この「抜けの線」が入っただけで、全然「見え方」が変わりますね!驚きです。こう、ビシッと画面が締まったといいますか、シャープさがいきなり出ましたね~。スゴイです◎)

何で?どーやったの??って思いますよね。

これはですね、「針木砥はりきどという道具を使って「お掃除(修正)」したからなのです。

針…木…砥………何だろう??聞いたことありませんよね。実はかなり単純な道具です◎

 

(蒔絵 高野松山/P32)

空木うつぎ製4寸程(約12㎝)の丸箸状のもの。細い一方に木綿針をつけ、他の方を斜めに削った形状のもの。

この針の部分を定規に当てて直線を出しつつ、蒔いた金属粉を削っていきます。そう、蒔絵を削ってしまうのです。そうやって「修正」することができるのです◎
とはいえ、針木砥で修正するとちょっと「汚く」なる感じもします。やはり蒔絵筆でビシっと引いた線と、針木砥で修正して作られた線とでは、その線の緊張感が明らかに違ってきます。
なので、なるべく修正は必要最小限になるよう、筆でしっかりと描いておくことが肝要です。

 

↑こちら鳩屋が作ってみた針木砥です。空木は持っていなかったので、ヒノキで作りました。木綿針の先っちょは砥石で丸くしました。
次回、この針木砥をかめ師匠に見てもらって、「問題無し」のお墨付きをいただけたら、その制作方法をご紹介したいと思います。簡単です◎

 

ちなみにL子先輩は家で「修正作業」をしてきたので、実際のところどうやって削ったのかは見ていません(涙)
そのうちまた同じような作業があるかもしれませんので、その時、記録を取ってご紹介します◎

一応、ポイントとしては「蒔絵があまり硬くなり過ぎないうちに修正作業をする」ということです。
蒔絵作業の後、時間が経つほど漆がどんどん硬化していきます。硬化して接着が強くなり過ぎるときれいに修正作業ができなくなります。
ですので、蒔絵をした次の日とか、二日後くらいには作業をした方がいいようです◎

 

↑こちらは木綿針ではなく「竹」の針木砥です。空木ではなく竹を使っています。竹の棒の先っちょを細く削って、火で炙り、油を抜いています。「炭化」する程には炙っていないそうです。

針と竹は、どう使い分けるの??

ナルホド◎ どうでしょう?針は細いのでピンポイントで攻める時、竹はもうちょっと広いラインを修正する時…ってことなんでしょうか?次回、師匠に詳しく訊ねてみます。
針は金属だから、漆の塗り面(蒔絵を施している、その下の面)が傷つきやすいので、必要最小限にする。竹の方が「当たり」がソフトなので、竹を使う方がよろしい…と言っていたような気もします。
いや、でもうる覚えです(笑) 確認しておきます。

 

 

ちなみにL子先輩はこの「研ぎだし蒔絵」を完成させた後、

チョコレートの上に↑この小っちゃな「アリンコ」を高蒔絵する予定です◎

ナルホド!それ、素敵ですね~。
チョコの上をアリンコがいると、いきなり「物語り」が生まれますよね。画面が動き出しますね!
さすがL子先輩っす◎

 

 

漆工房皎月は東京の「駒込」「練馬」「青梅市」「あきる野市」金継ぎ教室も開催しています。
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蒔絵教室レポート4日目(その②)/平目粉と梨地粉って?

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   修行のお時間!!

 

※鳩屋が蒔絵の技術を習いに蒔絵師さんのところに通い始めました◎
そこで習ったことをひとまず備忘録的な感じでまとめ、その情報を多くの方とシェアしよう…というがこのシリーズです。

※作業工程や説明が間違っていたら、後日、師匠や同門の生徒さんからツッコミが入ると思います(苦笑) そうしたら訂正してきます。

 

 

 

 

かめばかむほど蒔絵の奥深さよ

金継ぎ図書館は現在、「漆工房 皎月こうげつ」の↑かめ師匠のところで修行中です◎

 

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ぷち備忘録/①


 

↑こちらは「梨地粉なしじふん」と呼ばれる蒔絵粉です。

粉の厚みが「薄い」です。平目粉を薄く延ばして細かくしたものです。この蒔絵粉はこの上に「梨地漆」という透明で黄色味が強い漆を塗ります。上に塗った漆を通して粉を見せます。
基本的には研ぎ出しません。

「銀」の梨地粉を蒔いても上に塗った黄色味のある梨地漆を通して見るので、見え方としては「金色」に見えます◎

「金」の梨地粉を蒔いた場合は少し研ぎ出しても見え方はきれいですが、「銀」を蒔いた場合、研ぎ出してしまうと、その研ぎ出た頭だけ「銀色」に見えてしまいます。

 

 

↑こちらは「平目粉ひらめふん」と呼ばれる蒔絵粉です。

粉に「厚み」があり、黄色味が強く、キラキラしています。
厚みがあるので、こちらは粉を蒔いた後にその上に漆を塗ってから「研ぎ出す」ことができます。

 

二つの蒔絵粉を並べてみると、その差が分かります。
明らかに平目粉の方が黄色味が強いですね~。この写真ではわかりづらいですが、「キラキラ度」も平目粉の方が強いです。

 

 

 

 

ぷち備忘録/②


 

L子先輩の仕事道具のご紹介です。

 

↑これ、何だと思いますか?シャープペンですよね。どう考えてもシャープペンだと思うんです。
が、違うんです。これ、「砥石」なんです!

 

芯の部分に細い砥石が仕込まれているんです!こんな道具があるんですね~。
これはL子先輩の自作ってわけじゃなくて、新宿のプラモデルとかを売っているホビーショップのようなところで買ったそうです。ですが、残念なことにNN子先輩が最近買いに行ったところ、もう取り扱いがなかったようです。

この細~い砥石で器の「ひび」などを研いで、漆の食いつきをよくします。

ちなみに本来の使い方…というのはどういう感じなのでしょうね?これで何を研ぐんだろう??
プラモデル作りなどで使う道具類は意外と金継ぎにも使えたりするので、覗いてみると楽しそうですね。金継ぎ界ではまだ誰も知らない便利な道具が眠っているかもしれません◎

 

 

 

今日の鳩さんぽ


 

関東はすっかり秋っぽくなったので気持ちがいいです。
日差しが強くても夏とは違って空気が涼しいので大変有難いです。鳩屋は作業に飽きると家の周りを自転車でぶらぶら徘徊します。

 

先日、5,6年ぶりくらいに「アドマーニ」というイタリアンレストランに行ってきました◎
埼玉県の鴻巣市と北本市の二カ所にあるレストランで、どちらも荒川沿いにあります(確か…)。アクセスがすごく不便だけどその分、木々に囲まれた雰囲気のいい場所にあります。

ここの「本日のランチ」がすごく美味しいのです◎
新鮮な野菜中心の料理で、石窯で焼いたピザも美味しいし、肉もうまーいのです。ボリューム満点で¥1200-です。
土日のお昼時は地元のおばさま方で超満員。憩いの場ですね~。

 

この日は予約をしていなかったので、昼過ぎの14時くらいに行きました。この時間帯なら余裕で座れました◎ ランチ営業は11:00~14:30です。

器好きの方で北本市の「ギャラリーやいち」に行かれる方は、ちょっと遠いですがアドマーニにも足を延ばしてみてはどうでしょ?おススメです◎

 

 

金継ぎ教室INFO


漆工房皎月は東京の「駒込」「練馬」「青梅市」「あきる野市」で金継ぎ教室も開催しています。
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蒔絵教室レポート4日目(その①)/「粉盤」はどうすればいいのでしょう??

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   修行のお時間!!

 

※鳩屋が蒔絵の技術を習いに蒔絵師さんのところに通い始めました◎
そこで習ったことをひとまず備忘録的な感じでまとめ、その情報を多くの方とシェアしよう…というがこのシリーズです。

※作業工程や説明が間違っていたら、後日、師匠や同門の生徒さんからツッコミが入ると思います(苦笑) そうしたら訂正してきます。

 

 

 

 

かめばかむほど蒔絵の奥深さよ

金継ぎ図書館は現在、「漆工房 皎月こうげつ」の↑かめ師匠のところで修行中です◎

 

漆工房皎月は東京の「駒込」「練馬」「青梅市」「あきる野市」で金継ぎ教室も開催しています。
輪島で蒔絵の修行をされたかめ師匠と、東京藝大出身の福田さん(女性・僕の先輩です)の二人体制で丁寧に教えてくれます。至れり尽くせり!
都内で金継ぎ教室をお探しの方、金継ぎ図書館が100%の自信をもっておススメします◎(はっきり言って、最強の金継ぎ教室だと思います。)

詳しくは皎月さんのFacebookページでチェックしてください。
▸ 漆工房 皎月Facebookページ

 

 

 

 

ぷち備忘録/その①


粉盤ふんばん

蒔絵作業をするとき、粉を回収しやすいように下に敷く作業盤。

 

 

↑これですが、「漆塗りのお盆」でいいそうです◎ ナルホド。目から鱗です。

この四角い箱を漆で作ろうとすると、相当やっかいだな~(涙)って思っていたのです。
箱を制作するのも大変だし、漆を塗るのも大変。仕上げの手間を考えると「塗り立て(漆の塗りっ放し)」にしたいところなのですが、僕レベル塗りでは「刷毛目」が立ってしまう(刷毛を通した際の筋がついてしまい、細かい凹凸ができる)。
それじゃ、漆を塗った後にしっかりと研げばいいじゃない?ってことになるのですが、この「研ぎ・磨き」をやろうとすると相当な手間になるわけで、それだけは勘弁して欲しいのです。

「粉盤、どーしたらいいッスかね~。何とかなんないですかね~」ってぼやいていたら、かめ師匠、NN子先輩アドバイスのお陰で問題解決です◎

「”漆塗りのお盆”でいけるよ」
ということです◎ 師匠の粉盤(このシリーズで出てくる粉盤)も骨董屋さんで見つけた入れ子のお盆を使っているとのことです。(なんと、お盆だったのか!)

骨董市や古道具屋さんに行けば、漆のお盆なんて結構、安く売っているものです。

40㎝角弱の大きさがあれば、用途としてはほとんどの蒔絵に対応できるのではないでしょうか?(どでかいアート作品を作る方はちょっと無理ですが)

 

それで、なんでわざわざ「粉盤」なんてものを使わなくちゃならないの??と言いますと…

蒔いた粉が周りに飛び散るからなのです…(涙)
これ、回収しないと、積り積れば結構な量になるのです。

 

 

簡易的な「代用粉盤」としては、木などの板の上に「ツルツルした紙…パラフィン紙、クッキングシートなど」をテープで固定して使うのもありかなと。
クッキングシートなどだと、粉が少しくっついてしまい、漆のお盆ほどには効率的に回収できませんが、それでも無いよりかは使った方が断然、よいです◎

 

↑こちらが蒔絵師さんたちが使う「粉箪笥」。

なになに?何に使うの??作務衣でも入れるの??

ノー。違います◎
この箪笥一段一段が「粉盤」なんだそうです。蒔絵粉の種類や大きさによって使い分ける(ってことでいいのでしょうか?師匠?)。

ナルホド。鳩屋は初めて知りました!本職の蒔絵師さんはこんなに多くの蒔絵粉を使うってことですよね。スゴイですね~。
まだまだ僕たちの知らない「蒔絵師グッズ」がありそうですね。また見せてもらいましょう◎

 

 

ぷち備忘録/その②


そう、これも備忘録に付けておきます。忘れないように◎

 

NN子パイセンの差し入れです◎ 
一口サイズのたい焼き(←桃林堂のお菓子)、ラズベリー味、プレーン、紅茶味。

こういうお菓子は僕は全く買わないので(館長はスナック菓子ばかり食べています)、久々に美味しいお菓子を頂きました。

 

この鯛焼き、結構、どんくさいフォルムで可愛らしい。
なんでしょう?いろいろツッコミたくなる作り込みですよね。桃林堂だったらもっとシャープな形が作れるはず!ってことは、このどん臭さは狙ったのかな??
いやー、とにかく、美味しかったです◎

 

 

本日はこれにて終了です◎

えっ!?ページの内容が少ない…。

はいー◎ そうです。今までよりも、もうちょっとコンテンツを細切れにして、更新頻度を上げていこうかな??と考えています。
この方が作業効率がいいかもしれないので、しばらく試させてください。もちろん、「長め」のページで詳しく解説する時もありますので、ご安心ください。

 

 

 

 

 

 

Pocket

蒔絵教室レポート1日目(その2)/蒔絵に使う筆(もちろん金継ぎにも◎)

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   修行のお時間!!

 

※鳩屋が蒔絵の技術を習いに蒔絵師さんのところに通い始めました◎
そこで習ったことをひとまず備忘録的な感じでまとめ、その情報を多くの方とシェアしよう…というがこのシリーズです。

※作業工程や説明が間違っていたら、後日、師匠や同門の生徒さんからツッコミが入ると思います(苦笑) そうしたら訂正してきます。

 

 

今回は「筆に関するプチ情報」のみです。
本当はこういった情報もしっかりまとめ、内容の精度も上げた後にWEBにアップした方がいいとは思うのですが、そんなことを考えているといつまで経っても情報発信ができなくなるので、ひとまず書いちゃいます◎

 

かめばかむほど蒔絵の奥深さよ

金継ぎ図書館は現在、「漆工房 皎月こうげつ」の↑かめ師匠のところで修行中です◎

 

 

漆工房皎月は東京の「駒込」「練馬」「青梅市」「あきる野市」金継ぎ教室も開催しています。
輪島で蒔絵の修行をされたかめ師匠と、東京藝大出身の福田さん(女性・僕の先輩です)の二人体制で丁寧に教えてくれます。至れり尽くせり!
都内で金継ぎ教室をお探しの方、金継ぎ図書館が100%の自信をもっておススメします◎(はっきり言って、最強の金継ぎ教室だと思います。)

詳しくは皎月さんのHPでチェックしてください。
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ぷち備忘録/その①


金継ぎをやっている皆さん、ならびに漆を習っている学生さん(←学生さんでこのHPを見ている人はいなそうですが)、「”筆”ってどれを買ったらいいんですか??おススメがあったら教えてください」という方は多いのではないでしょうか?
金継ぎ図書館にもたまにそういったご質問が来ます。(けど、今まできちんと答えられませんでした(涙))

で、かめ師匠に聞きました!蒔絵師の師匠に教わったお薦めの「蒔絵筆」です。

「しっかりと蒔絵をやりたい」という人ならとりあえずこの3本!
(値段は箕輪漆行/2017-09-03 現在)

  • 黒軸根朱替り筆くろじくねじがわりふで/¥5,292-
  • 黒軸丸筆(中)くろじくまるふで/¥7,020-
  • 赤軸根朱替わり筆(20㎜)あかじくねじがわりふで/¥3,996-

久野製」がおススメ。他に大野製、村田製(通称:むらく)などがあります。

うっ…。いきなり3本も買うのはちょっと負担です…(涙) という方。
ひとまず初心者が一本買うなら「黒軸根朱替わり筆」です◎ 一番よく使う筆です。

 

 

 □ 黒軸根朱替り筆くろじくねじがわりふで/¥5,292-

  • 初心者の始めの一本
  • 線を描く、点を打つ、自在に使える
  • 低い線(薄い線)が描ける
  • 模様を塗り込むときのアウトラインを描く(塗り絵でいうところの縁取り)

 

 

 □ 黒軸丸筆(中)くろじくまるふで/¥7,020-

  • 面を塗る(黒軸根朱替わり筆で模様のアウトラインを描いた後、その内側を斑なく薄く塗る)
  • 他の筆と同様に毛先が細く見えるが、漆をつけると毛先が横に広がり、漆をある程度の幅で薄く塗ることができる
  • 「中」は「小」を兼ねるので、ひとまず「中」一本でよい

↑画像の筆は僕が学生時代(15年くらい前)から使っている筆です。師匠にチェックしてもらったら、「これ…もう、ダメね◎」ってことでした。
手入れもあまりちゃんとやっていなかったので、毛先のまとまりが悪くなっていました。
この「丸筆」も使用頻度が高いので、少しでも「使いづらい」とすごくストレスが溜まるし、だいいち、早くて綺麗な仕事がしづらくなる…とのことです。
ということで、この筆は諦めて、箕輪漆行さんで購入したいと思います。うー、高いよー(涙)

 

 

 □ 赤軸根朱替わり筆(20㎜)あかじくねじがわりふで/¥3,996-

  • 線を描く。細くて高い線(漆が盛り気味になる。フチ高になる)
  • 高蒔絵のとき、特に使う

 

 

【蒔絵筆の長さの調節】

実は蒔絵筆の構造というのは以下のようになっています。

(「蒔絵 高野松山」p118より)

↑こんなことになっているのです。
図じゃわからない…。ナルホド◎

↑こんなことになるのです。穂先が引っこ抜けるのです。
皆さんがお使いの蒔絵筆の先が引っこ抜けたとしても不良品じゃないので、ご安心ください◎ というか引っこ抜けないといけないのです。(安価な筆は抜けないものもあります)

麻紐で毛を結わえてあって、それが竹製の小軸の中に仕込まれているのです。(恐るべし!蒔絵筆作りの職人技!!)

それで、なんでわざわざ「引っこ抜ける」ように作ってあるのか?と言いますと、「毛先の長さを自分で調節できるように」なのです◎

 

↑こんな感じに麻紐を親軸にぐるっと巻いて、引っ張ります。そうすると毛が引っ込んで短くなります。

引っ張り過ぎて、短くなったら…どうするのでしょう??
漆屋さんで聞いた話だと、その場合は引っ張り切ってしまって、一度、根元の方から抜いてしまいます。そして再度、小軸の先っちょの方から麻紐の先を通して、また根元の方に引っ張っていく…ということでした。

僕はこの「引っ張り込んで、抜いてしまう」ということは試したことがありません。万が一、上手く入らなかったら…悲しいので。
ということで、穂先を短くするときは慎重におこなった方がいいと思います◎

 

↑師匠が引っ張っています◎

だけど、どのくらい短くしたらいいのか…分かりませんよね。
人それぞれ、自分が使いやすいと感じた長さで留めればいいようです。ただ、初心者の人は「短い方が使いやすい」と感じることが多いのですが、あまり短くし過ぎない方がいいと思います。

基本的には穂先が「長い=腰が柔らかい」「短い=腰が強い」となります。

 

 

ぷち備忘録/その②


わたし、初心者なのですが、いきなり蒔絵筆は高すぎる!もっと安価で、それでもそこそこ使えるようなおススメの筆はありませんか??

オッケー◎ かめ師匠に教わりました。初心者の方にお薦めのリーズナブルな筆です。金継ぎ初心者にもおススメです◎

 

インターロン」という名前の筆です。「世界堂」という画材屋さんに置いてあります(←すごい名前ですね~)。基本的には水彩画用の筆だと思うので、きっと街の画材屋さんにも置いてあるんじゃないでしょうか。

【インターロン】
穂の毛質…ナイロン毛
ナイロン毛の内側にカールをつけてある。そのため穂先が外側にバラつかず、しなやかなうえに適度な腰の強さと抜群の耐久性がある

…ということです。「内側にカール」って、よくわかりませんがスゴイですね◎

 

↑こちがが【丸0号】という大きさ…¥370-
これで細い線を描きます。

 

↑こちがが【丸2号】という大きさ…¥450-
こちらはちょっと広めの面積を塗ります。

この2本があればひとまずオッケーです◎

「いきなり蒔絵筆は値段的にもハードルが高い…(涙)」という方はこれで蒔絵の線を描いたり、面を塗ったりしてください。

「いやいや、蒔絵の筆はやっぱり高くても”蒔絵筆”を使います!」という方でも、蒔絵粉を蒔いた後の「粉固め作業」にはこれがおススメとのことです。
蒔絵粉は金属の粒子なので、それ自体がじゃりじゃりしている「ヤスリ」のようなものです。その上を筆で擦るとどうしても毛先が痛むのが早くなります。なので「粉固め作業」に蒔絵筆を使うのはちょっと勿体ないということです。

 

実は僕自身、この筆は使ったことがありません。かめ師匠の教室に来て、初めてこの筆のことを知りました。
今まで初心者の方にお薦めするのにちょうどいい安価な筆を探していたのですが、決定打に欠けていたんです。安価だと使い勝手がイマイチな筆しか見つけられずにいました。
ということで、蒔絵師の先生から教えていただいて助かったな~と思っています◎

この筆ですが、自分自身で使い心地を検証したら、またご報告したいと思います。

 

 

 

 

漆工房皎月は東京の「駒込」「練馬」「青梅市」「あきる野市」で金継ぎ教室も開催しています。
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蒔絵レポート1日目(その1)/鳩屋は【蒔絵教室】に行ってきました

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   修行のお時間!!

 

※鳩屋が蒔絵の技術を習いに蒔絵師さんのところに通い始めました◎
そこで習ったことをひとまず備忘録的な感じでまとめ、その情報を多くの方とシェアしよう…というがこのシリーズです。

※作業工程や説明が間違っていたら、後日、師匠や同門の生徒さんからツッコミが入ると思います(苦笑) そうしたら訂正してきます。

 

はい、今さらですが、「蒔絵教室・初日」のレポートです。済みません、時間軸があべこべです。

 

 

金継ぎ教室・蒔絵教室を開催している「漆工房皎月こうげつ」さん

練馬区でやっている「ガチの職人系蒔絵師さん」が教えてくれる蒔絵教室です。
いわゆる「作家系」の蒔絵師さんが教えてくれる教室は結構あると思いますが、「職人上がり」の蒔絵師さんの教室というのは少ないと思います。

「作家系」の蒔絵師さんというのは公募展(日展や伝統工芸展)や個展に向けて蒔絵作品を作ることが多いので、基本的には自分でデザインを練り、一品に時間をかけて仕上げる感じです。
それに対して「職人系」の蒔絵師さんは、こなす「仕事量」が半端じゃない。ガンガン作品(商品)を制作していくわけです。ということで僕の認識としては「職人系」の先生の技術・経験・知識はハンパない…と考えています。

今の自分にまだまだ欠けているのが、この「蒔絵の技術・経験・知識」なので、「職人系」の蒔絵師さんの元で習わせていただくことにしました。

 

 

かめばかむほど蒔絵の奥深さよ

 

漆工房皎月は東京の「駒込」「練馬」「青梅市」「あきる野市」金継ぎ教室も開催しています。
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本日の蒔絵 Memo-01/


【使った道具・材料】
道具: 漆の手板、駿河炭、砥石(1000番)、ウエス
材料: 水

蒔絵教室初日は、これから教わる蒔絵の種類と、技法の手順、必要な道具類の説明を聞き、その後、早速作業に取りかかりました。
今回は蒔絵を施すための板(画面)の下準備です。

 

「塗り立て(塗りっ放し)」の漆の手板(150㎜×120㎜×11㎜)…¥700-
石川県の輪島の漆業者さん

こうゆう漆塗りの「手板ていた」が漆塗りの産地・輪島で売っています。この手板で何をするのかと言いますと、この板の上に蒔絵の練習をするわけです。

もちろん自分でこういった漆の板を作ることもできますが、結構な手間と時間がかかります。
蒔絵をする場合は「平滑面」が綺麗に出ていないと、蒔いた粉を簡単に研ぎ破ってしまったります。(←研ぎ破る=粉が無くなる=蒔絵が消えてしまうということです(涙))
その「平滑面」をしっかりと作るのが結構、厄介なわけです。

今回、かめ師匠の蒔絵教室では練習用に4枚の手板が必要だったので、2枚はこの手板を買い、もう2枚は自作することにしました。(漆の板の作り方はそのうち金継ぎ図書館のコンテンツとして詳しくご説明します)

この「漆の板」は「蒔絵の練習専用」っていうわけではありません。蒔絵で作品が作ってみたいという人にも、もちろん使えます。この板のサイズに合った額縁もいろいろあるとのことで(お値段もピンキリ)、額縁をつければ一丁前の作品っぽくなります◎

 

 

 

 

この漆の手板に蒔絵をするための下拵えをします。

漆の塗り面を「炭」で研ぎます◎ (ナント!)

駿河炭するがずみ 300g=¥6,480-  ▸ 箕輪漆行

アマチュア蒔絵師さんだったら、300gあれば一生使い切らないかもしれません。この一袋、あれば十分◎
アマチュア用に、もっと小分けがあるといいんですけどね。

赤味のエノキあるいは油桐を硬質に焼いた炭 (漆芸辞典/p223)

 

炭の粗さ(番手)はペーパーなどでいうところの「#800~1200」くらいといわれています。
自然物なので、一つ一つ粗さが違うんでしょうね。

炭にも「良し悪し」があります。
木目が密な方が良質で、すぱすぱ研げます◎ 目が粗いとなかなか研げません。

 

炭は金工用の金切り鋸の刃で切ります。ホームセンターなどで売っているノコギリの刃です。

 

↑これです。これ◎ 刃の部分だけが別売りであるので、それを手に入れればオッケーです。

 

細かい炭は細かい研ぎ作業に使えます。金継ぎの研ぎにも使えます(漆の研ぎ)。

 

手板の平滑面を出すために炭で研ぎます。購入した漆手板ですが、「おおよそ」平滑な面は出ていますが、それでもやっぱりなだらかな凹凸があります。それを研いでいきます。

平面の出ている砥石(#1000)に擦り合わせて、炭の方も平面にします。砥石にはちょくちょく擦り合わせて、炭の平面を維持します。

炭は「木口こぐち」を使います。丸太の断面の方です。こちがで研ぐと、よく研げます◎

炭を擦り合わせていると、砥石の方も凹んできます。ですので、砥石全体を満遍なく使います。(一か所だけ集中的に使うと、そこだけえらく凹んでしまい、悲しくなります)

砥石全体を満遍なく使っていても必ず砥石の平面は崩れます。はい。必ず。
なので、砥石の平面を維持するには砥石を3枚用意しなくてはなりません。(もしくは砥石修正用にダイヤモンド砥石(!)を用意するか、もしくはもしくはダイヤモンド砥石自体を炭の平面維持用に使うか。←話がややこしいですね。済みません。ちなみにダイヤモンド砥石もそのうち平面が崩れてきたり、研磨力が次第に落ちてきます)

砥石は3枚用意しなくてはならない理由は…説明が上手くできないし、結構長くなりそうなので、ググってみてください◎ きっと説明上手な方が検索上位に来ていると思います。

 

研ぎます。ウエスなどを下に敷いて作業すると、滑り止めになりますし、研ぎ汁の汚れも吸い取ってくれます。

 

炭の年輪に「直行」する方向に炭を動かすとよく研げます。

くるくる回しながら全体を研いでいきます。

 

研ぎ汁をちょくちょく拭き取りつつ、研ぎ具合をチェックします。研げてない部分(炭が当たっていない箇所)を確認します。
研げていない部分を重点的に研いでいきますが、だからと言ってそこばかり研いでいると、その部分だけ凹んでしまい、さらには研ぎ破ってしまいます。なので、その周辺、全体も研ぎつつ、当たっていない箇所を多めに研いでいく…といった感じです。

基本的には全てに炭が当たるまで研ぎ続けます。結構、面倒です。けど、「炭で研ぐ」って言うのは、ほとんどの人にとって「未知の世界」だと思いますので、意外と愉しいかもしれません。ペーパーや砥石で研ぐのとは丸っきり違う感覚がします。ちょっと不思議な研ぎ感覚です◎

 

結構、マニアックな情報になりますが…

【研出蒔絵、肉合研出ししあいとぎだし蒔絵の下準備】
→駿河炭で研ぐ→生漆で擦り漆を一回(擦り漆は拭ききる)→蒔絵に入る

【平蒔絵、高蒔絵の下準備】
→駿河炭で研ぐ→生漆で擦り漆→クリスタル砥石#1500→生漆で擦り漆→クリスタル砥石#2000→ク生漆で擦り漆→リスタル砥石#3000→生漆で擦り漆→蒔絵に入る

※ クリスタル砥石は「合わせ砥(仕上げ砥石)」に当てて、目詰まりを取り、平面維持をおこなう。
※ 砥石それぞれの番手によって、水、ウエスを替える。(例えば#1500で使った水、ウエスには#1500の砥石の粒子が含まれているので、その水、ウエスを使って#2000の砥石で研ぎをおこなった場合、#1500の傷がついてしまう…ということです。伝わったでしょうか?)

 

 

今後の予定としては…

↑まずは、この二枚をやります。
左側が「平蒔絵」で、右側が「高蒔絵」の途中段階です。高蒔絵の花の「しべ」は螺鈿(貝)を入れる予定とのことです◎

それから…

↑こういった「家紋」をやります。同一画面の中に3つの家紋を描く予定です。研出蒔絵で1つ、平蒔絵で1つ、高蒔絵で1つ、描きます。

さて何の家紋にしようかしら?金継ぎ図書館には家紋がないし…、自分の家の家紋は分からないし。

そこで、かめ師匠お持ちの「紋典(家紋の辞典)」を見せてもらうことに。(家紋の辞典…なんてものがあるんですね!スゴイ!!)
そしたら鳩発見!ナイス!

 

これらを参考に金継ぎ図書館の家紋を考案しようかと計画中◎ (←後に、挫折しました◎)

 

 

 

 

ぷち備忘録/その①


 

 

↑これ、「天秤」です。
先生が骨董市で¥3,000-くらい(だったかな?)で買ったそうです。これは0.01gまで計れるようです。

何に使うのか?と言いますと、これで「使った蒔絵粉の重量」を計ります。
蒔絵教室で使う粉の種類は多種多様なので、生徒個人がそれを全部用意するのが難しくなります(お金がかかっちゃう!)。ですので、先生の持っている蒔絵粉を使った分だけ「量り売り」してもらう…ということなのです◎

ちなみに蒔絵で使う金粉は1g=¥9,000-くらいです。
粉の形状の種類としては「丸粉」「平粉」「平目粉」「梨地粉」「消し粉」などがあり、丸粉などは粒子の大きさの種類が17種類あります。さらに「金」「銀」「プラチナ」「青金(←何それ??)」などなど金属の種類もいろいろあるわけです。
そうなると、初心者にとっては多くの種類を取りそろえるのは結構な負担になりますよね。ということで師匠の教室では使った分だけ料金を徴収する「量り売り制度」を取っているのです。
ナルホド、それ、いいですね~◎

 

今のところ、僕はこの天秤の使い方を全くわかっておりません。からっきしです。竿の中央の紐がついている「支点」を移動すると、どう変わるのか??分かりません。

↑こういう天秤も「0.01~数グラムを計る用」とか、「1~100gを計る用」とかがあるようです(←この単位は適当です)。一個の天秤でオールマイティーにはこなせないんですね。これ、当たり前なんですかね。

 

 

 

 

 

 

ぷち備忘録/その②


 

↓これが「蒔絵粉」が入っている袋です。

↑これはL子先輩の持ち物。蒔絵粉をいっぱい持っています◎

金継ぎ図書館はあまり蒔絵粉を持っていません。資金不足です。はい。

 

↑こちらはNN子先輩。持ってますね~。

現在、金粉1g当たり、大体¥9,000-弱といったところでしょうか。ちなみに15年前くらいの金粉の価格は1g=¥3,000-程度だったようです。そんなに価格が上がるものなのですね。私も安いうちにもっと買っておけばよかった(涙)

蒔絵師匠のおすすめ蒔絵粉屋さんは「吉井商店」です。
▸ 吉井商店

 

 

 

 

 

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金継ぎのやり方

 

 

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蒔絵レポート3日目(その2)/鳩屋は【蒔絵教室】に行ってきました

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   修行のお時間!!

 

※鳩屋が蒔絵の技術を習いに蒔絵師さんのところに通い始めました◎
そこで習ったことをひとまず備忘録的な感じでまとめ、その情報を多くの方とシェアしよう…というがこのシリーズです。

※作業工程や説明が間違っていたら、後日、師匠や同門の生徒さんからツッコミが入ると思います(苦笑) そうしたら訂正してきます。

 

 

前の作業工程を見る

▸ 3-1 高蒔絵/高上げ一回目の絵漆を塗るまで

 

 

「漆工房 皎月こうげつ」の蒔絵教室


 

かめばかむほど蒔絵の奥深さよ

金継ぎ図書館は現在、「漆工房 皎月こうげつ」の↑かめ師匠のところで修行中です◎

 

漆工房皎月は東京の「駒込」「練馬」「青梅市」「あきる野市」金継ぎ教室も開催しています。
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本日の蒔絵 Memo-02/銀粉を蒔く


【使った道具・材料】
道具: 紛筒、粉盤、粉匙ふんさじ、粉鎮、粉塵取り、あしらい毛棒(片斬り)
材料: 銀の丸紛7号

 

前のページでは高蒔絵の「高上げ一回目」の作業で、弁柄漆(絵漆)を使い抑揚を付けて線描きしました。

 

その作業の続きをおこないます。

 

 

 

漆の線描きが終わったら手早く「粉蒔き」作業に入ります。

 

漆塗りの施された(できれば磨き上げられた)箱の上で作業をします。この箱のことを「粉盤ふんばん」と言います。

粉盤の上で粉蒔き作業をすれば、飛散した蒔絵粉がきれいに回収できます◎

 

蒔絵粉の包み紙を広げ、「粉鎮(文鎮みたいな金属製の重石)」で両端を押えます。粉鎮は何で代用してもいい気がしますが、蒔絵粉が飛び散って付着した際に、なるべく簡単に掃除できるものの方がよさそうです。「金粉」を使った時は、できるだけ回収したいですよね◎

あしで作った「粉筒」の中に蒔絵粉を入れます。銀や竹で作った「粉匙」を使って入れます。

これらの道具は自作します。銀の匙は「銀の棒」を彫金屋さんで買ってきて、叩いて延ばしたり、広げたりして作るそうです。(僕は作ったことがありません)
先生は竹製の粉匙を使っています。

 

粉筒のおしり(?)の方に蒔絵粉を入れたので、ひとまず筒を叩いて、筒の先っちょに粉を移動させます。

粉筒を叩く…??ってどうやって??
と言いますと、粉筒を持っている手の中指や薬指で筒をはじくようにするのです。

 

先ほど漆の線描きをした手板を粉盤の上に持ってきます。この粉盤の上で蒔き作業をします。

 

粉筒の先っちょを下に向けます。この先っちょには布の「メッシュ」が貼ってあります。麻布だったかな?次回、先生に確認します。

粉筒は蒔く粉の大きさによって、それに適した粗さのメッシュが必要になります。何本も(何十本も)粉筒が必要ということになります。
細かい粉を蒔くときに粗いメッシュのものを使うと、ドバっと一気に粉が落ちてしまいます。蒔く…って感じに作業ができません。
かたや大きい粉を蒔くときに細かいメッシュのものを使うと、目が詰まって粉が出てこない…ってことになります。

粉筒に使うメッシュはどうやって手に入れるのかというと…よく分かりません(笑)
どうやら適当に(?布屋さんや骨董市で??)「ほどよい粗さのメッシュを見つける」ってことだと思います。これも後日、先生や先輩方に確認してみます。

 

薬指でビシバシしばきながら、粉を落としていきます。↑画像のNN子先輩は薬指でしばいています。僕は中指を使います。

この粉蒔き作業は「一気に、手早くおこなう」のが肝要です◎

 

漆の線描きをした箇所にどんどん蒔絵粉を蒔いていきます。
躊躇しちゃダメです◎

「粉筒を指で弾く」…というのが、初心者にとっては難しいところだと思います。僕も初めのころは全然、弾けませんでした。指がスムーズに動かないのです(涙)
だけど、これも慣れだと思います。だんだん弾けるようになってきますし、この粉筒を使った蒔絵作業というのは結構、楽しいです◎

 

全体に粉が蒔けました◎

粉筒はいろいろな大きさ(太さ)のものがあると便利です。太い葦、細い葦などなど。素材としては葦以外では、竹や鳥の軸を使うようです。この「鳥の軸」…ってどういうことでしょうね?? 次回、先生に確認を取っておきます。

 

蒔絵粉を手早く粉筒で蒔いたら、続いて「あしらい毛棒」を使って、蒔いた粉を漆で描いた線の上に掃いていきます。

この作業も「手早く」おこないます。

 

サササっと粉を掃いて漆の線の上に乗せます。「乗せる」といっても、線の上にぼってりと乗せたままにしちゃダメです。線の上を「通す」といった感じです。

 

 

乗せっ放しにすると、Ⓐのように漆が周りの蒔絵粉にじわじわと滲んでいって、線が太く、低くなります。
Ⓑのように漆の線の上を通し、漆の周りに粉を残さないようにすると、描いた漆の線どおりの太さ、高さになります◎

ということでよかったでしょうか?先生?

 

掃いていきます、掃いていきます。
これは手前に掃いています。

 

今度は奥の方に掃いています。
この作業を手早くおこないます。

 

そして、蒔絵粉が入っている包み紙に粉を落とします。

 

おっけーおっけー◎

暫く待つと(3~5分くらい?)、漆の中に粉が沈んでいきます。そうしたらもう一度、この作業を繰り返します。(粉を蒔いて、毛棒で掃く)

 

蒔き終わったら、湿した風呂に入れて硬化させます。

ちなみに↑これはNN子先輩の手板です。

 

↑画像の手前の手板が私のもの、奥が先輩のです。先輩のとは微妙に線の抑揚や太さが違います。
きっと、作業が進むにつれてどんどん見え方が違ってくると思います(笑)

 

今日の作業はここまでなので、掃除をします。

作業中に粉盤に落ちた蒔絵粉を回収します。
この回収に使うのが「粉塵取り」です。小っちゃいです(笑)

 

あしらい毛棒を使って、粉塵取りの中に粉を回収していきます。

 

回収した蒔絵粉は包み紙の中に戻します。おー、無駄が出ない◎

 

この粉塵取りは先生が作ったものです。柘植つげの木を削って作られています。削ってから拭き漆を5回くらい重ねたそうです。

粉塵取り」に必要な条件としては塵取りの先っちょ(地面と接するライン)がビシッと綺麗なラインが出ていることと、塵取りの肌がすべすべ・ツルツルしていること…でしょうか。(今、思いつく限りではこんなところです)

何で塵取りの先っちょを「ほんのり」カーブさせた方がいいかと言いますと、地面(粉盤の底板)が「完璧な平面」ということは、ほぼあり得ないわけです。やんわり凹んでいるかもしれないし、部分的にほんのちょっとデコボコしているかもしれない。 
それに対して塵取りの先っちょを「完璧に近い直線」にしてしまった場合、先っちょが地面に接しない可能性が出てくる。ちょっと隙間ができちゃうわけです。そうすると細かい蒔絵粉がどうしても回収できなくなる。
…のではないかな??と考えています。これが「カーブ」させる理由です◎ハズレているかもしれませんが。

 

 

包み紙を押さえていた粉鎮をどかして、包み紙を元に畳んで終了です◎

 

 

 

ぷち備忘録/その①


「炭」です。はい。
先生のところで↓これを見せてもらいました。

「朴ほおの木」を焼いて作った「朴炭」です。漆塗りした塗り面を研ぐ時に使います。そう、「炭」って「研げる」んです!びっくりですね~◎何で研げるんでしょうね?意味わかりませんね。

「硬くて粗質。漆の下塗りや中塗りの研ぎに用いる」(漆芸辞典p281/光芸出版より)

僕は今まで「駿河炭するがずみ」という炭と「呂色炭ろいろずみ」という炭しか使ったことがありませんでした。下塗りや中塗りの研ぎには砥石を使ったり駿河炭を使っていたので、とくに朴炭はいらないでしょーと思っていました。

 

けど、↑この「大きさ」を見て、これは試してみたい!と思ったんです。直径7,8㎝くらい(?)ありました。

大きな塗り面(仏像の台座など)を研ぐ場合に駿河炭ではちょっと小さい気がしていたんです(駿河炭は朴炭よりもっと小さいのです)。炭が小さいと「平滑な面」が作りづらいと思うわけです。

特に上塗り研ぎの時、「研ぎ始め~7,8割」くらいまで「朴炭」で研いで平滑面をしっかり作り、その後は「駿河炭」を使って、朴炭の研ぎ足をとっていく…という作業手順でやってみようと思います。

ちなみに「朴炭…粗い砥石のようなもの」「駿河炭…細かい砥石のようなもの」と考えてください。でも、こう書くと「それじゃ、砥石でいいんじゃない??」って思いますよね。
いや、でも、そこは違うんです。炭の場合は「ピタっと」吸い付くように研ぎ面を「切っていく」感じがします。刃物みたいな感じです。
なので、炭で研ぐと研ぎ面も「ピタッと」した平滑面が出ている気がします。

砥石の場合は「紙ヤスリがすごく硬くなったもの」というような感覚がします。小さな粒子でゴリゴリ研ぎ面を擦っていく感じでしょうか。

↑このへんの解説、意味わからないですよね。はい。済みません。
僕もよく分かっていません(苦笑) もうちょっと考察がしっかりできたら、また書きたいと思います。

 

 

ぷち備忘録/その②


蒔絵師さんが使う漆は「種類が多く、量が少ない」ので、漆の保存に小さな「御猪口」を使います。(お椀などを塗る塗師さんは飯碗やどんぶりを使います)

漆は外気に触れていると硬化していってしまうので、空気と遮断するためにラッピングをします。その際、蒔絵師さんたちはパラフィン紙(薬包紙)などを使います。御猪口などの小さい器のラッピングは、パラフィン紙を使うとすごく便利です◎
(現在、漆を扱う人のほとんどが「サランラップ」を使っています)

パラフィン紙でラッピングする際の手順はまたの機会に説明します◎ 今回は写真を撮り忘れました(涙) 済みません。

 

 

ぷち備忘録/その③


↑これは何かというと簡易的な「回転研ぎ機」なんです。小っちゃい!!電動です。このくらい小さいと持ち運びが簡単にできて、いいですね~◎(僕はもっとデカい回転研ぎ機を持っているのですが、それは持ち運び…たくないです(苦笑))

回転部分にいろいろな番手のペーパーを装着することができます。電動工具の「ディスクグラインダー」と同じような感じです。

ちょっとした「研ぎ」を手っ取り早く済ませたい時にすごく便利です。↑の画像では「木綿針」の先っちょを丸く研いでいます。蒔絵の「掃除」に使うのですが…また、今度ご説明します◎

結構、古いもので、今も現役で使っているそうです。かめ先生、物持ちがいい◎

 

 

漆工房皎月は東京の「駒込」「練馬」「青梅市」「あきる野市」金継ぎ教室も開催しています。
輪島で蒔絵の修行をされたかめ師匠と、東京藝大出身の女性(僕の先輩です)の二人体制で丁寧に教えてくれます。至れり尽くせり!
都内で金継ぎ教室をお探しの方、金継ぎ図書館が100%の自信をもっておススメします◎(はっきり言って、最強の金継ぎ教室だと思います。)

詳しくは皎月さんのHPでチェックしてください。
▸ 漆工房 皎月Facebookページ

 

 

 

 

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蒔絵レポート3日目(その1)/鳩屋は【蒔絵教室】に行ってきました

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   修行!!

金継ぎ図書館は生きていた!

※いきなり「3日目」で済みません。近日中に「1,2日目」の方もページを作ってアップします。

 

 

「鳩屋は【蒔絵教室】に行ってきましたの」シリーズとは


わたくし、鳩屋が蒔絵の技術を習いに蒔絵師さんのところに通い始めました◎
そこで習ったことをひとまず備忘録的な感じでまとめ、その情報を多くの方とシェアしよう…というがこのシリーズです。

 

金継ぎ教室・蒔絵教室を開催している「漆工房皎月こうげつ」さん

このシリーズは、ひとまず「メモ」のような感じのままで情報発信をします。
本来であれば一般の方でも分かるように手順をまとめ、それを解説していく…というコンテンツを作っていきたいところなのですが、現状では蒔絵についての詳しい手順や解説をするだけの経験値・力量が私にないのです(涙) まだまだ「まとめる」力がないのです。
それでもせっかくの機会を私一人で「消費」してしまうには勿体なさすぎると思い、蒔絵手順をまとめられずとも「今日は~をやりました」くらいは皆さんにお伝えしようと考えたわけです。
それにこういう情報を発信することで、「蒔絵をかじったことがある」もしくは「金継ぎをある程度やっている」…という人にとっては役に立ったり、ヒントになるのではないかな?と思っています。

えっ?それじゃ「初心者」は置いてけぼり…??
えーっと、済みません。そうなる部分も多いと思います。が、ビギナーの方にも少しでも楽しんでもらえるようにちょこちょこ解説していきたいと思っています◎

それで半年、一年くらい先になると思いますが、私が蒔絵をしっかり習得した後に、金継ぎシリーズと同様、「初心者でもわかる」ようなコンテンツに落とし込んで、「ビギナーでもできる蒔絵シリーズ」を作りたいと思っています。

ちなみに、蒔絵を教えてくれる先生は蒔絵教室で習ったことの情報発信について快諾してくれています◎
←これ、スゴイですよね!普通の先生は技術や知識を隠します。もしくは「換金」できる場合のみ情報発信を認める…という人が多いと思います。
そもそもこの蒔絵を教えてくれる先生は金継ぎの教室や修理業もやっています。ということは、「金継ぎを生業にしている人」…つまり、私に技術や知識を教えるということは同業者を「育ててあげる」ということになります。

同業者の私に受講を許し、さらにはその授業内容を公開することを快諾してくれる…いやー、いい先生に出会えたのです◎

 

 

金継ぎ師なのに、何で蒔絵を習っているの?


↑師匠の手板(蒔絵サンプル)

 

ところで、なんで「金継ぎ」の人が蒔絵を習いに行き出したわけ??

それはですね、金継ぎは「最後の仕上げの工程」で金や銀を蒔いて装飾するわけです。この時に用いられる技術が「蒔絵」という技術なのです。

この「蒔絵」という技術は奥が深く、「蒔絵」という工程だけを専門職する「蒔絵師」という職業があるくらいなのです。

私自身、大学で蒔絵を習いました。とはいえ、蒔絵師さんが長い年月をかけて磨いてきた技術に比べたら、はっきり言って「素人レベル」です。
ということで、「さらなる高見を目指して蒔絵スキルをブラッシュアップすべく蒔絵師さんの元で学び始めました!」…と格好をつけたいところですが、全然、そういう感じではなく、要するに私の蒔絵技術が恥ずかしいくらいに低いから…というのが本音なのです。

でも…ですね、これは「よい」点もあるわけなんです。私の現状が「初心者に毛が生えた程度」だとすると、蒔絵を学んでいく工程が「初心者目線」に近いことになります。
そうなると、なるべく近い時期にまとめようと考えている「初心者向け蒔絵シリーズ」がよりわかりやすいコンテンツになる可能性が高くなります。これ、よさそうですよね◎ 楽しみにしていてください。

 

 

蒔絵師匠


↑師匠です。漆塗りの本場・輪島で修行された蒔絵職人さんです。
いえ、中央の人ではなく、左にいらっしゃる「かめさん」が師匠です。はい◎

 

漆器の産地で本気の修行をされた「職人」の漆先生です。
ところで「美大系」の漆先生と「職人系」の漆先生とでは何が違うかと言いますと、美大系は基本的に「デザインができる、アイデアを出せる」…というところが特徴で、職人系は「高い技術、豊富な知識」を持っている…と考えればいいと思います。(もちろん個人差はあると思いますけど)

残念ながら美大を卒業しただけではあまり高い技術は習得できません。(特に不真面目な学生時代を過ごした人は。…あたしかしら??)

 

それで、この「かめ師匠」は手先が(異常なほど)器用なのはもちろんなのですが、「気づき」がスゴイのです◎

例えば↑この鉛筆!(ネズミにかじられたわけじゃない。そうではない。削っていたら割れちゃったわけでもない。そんなわけない)

 

これは「意図的」に削られているのです。
何のために??と言いますと、このように削ると、立体物のアウトラインを紙に写し取るときにすごく便利なのです◎

 

例えば↑のようなことです。
気に入ったバターナイフがあり、その図面を書き起こしたいとき、普通はシャープペンなりを使ってバターナイフのアウトラインを紙に写していくわけです。

 

でも、そうするとですね、↑画像の左側のようにバターナイフとの隙間ができてしまいます。シャープペンの「芯とホルダーの外周までの距離」分の隙間ができてしまいます。書き写したバターナイフは一回り「でかく」なってしまうのです(涙)

ところが↑画像の右側のように「ホルダー部分が削ってある」とピタリとバターナイフのアウトラインに沿わせることができます。(厳密にいえば多少の隙間はできますが、それを言っちゃあ御終いよ)

こういった「ちょっとしたこと」に気が付ける師匠なわけです。
この「気付き」には正直ビビりました!ホント。いやー、これってスゴい気づきだと思うんですよね。何か、「核心」部分にも触れているような気がします。何の核心かはわからないのですが。

 

ちなみに漆工房皎月は東京の「駒込」「練馬」「青梅市」「あきる野市」金継ぎ教室も開催しています。都内で金継ぎ教室をお探しの方、金継ぎ図書館が100%の自信をもっておススメします◎
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本日の蒔絵 Memo-01/絵漆で線描き


【使った道具・材料】
道具: 爪盤、赤軸根朱替わりあかじくねじがわり筆、筆洗いベラ
材料: 絵漆(弁柄漆)、菜種油(筆の掃除用)

 

高蒔絵」と呼ばれる蒔絵の工程です。今日は「肉付け」の一回目の作業をしていきます。

「高蒔絵」とは簡単に言うと「レリーフ状に立体感のある蒔絵」のことです。立体にするためには漆などを数回に分けて塗り(漆は一回で厚塗りできませんので)、少しずつ「高低差」を作っていくのです。

 

師匠にデモンストレーションをしてもらいます。

「変なもの」が師匠の手についています。

 

↑これは何かというと「爪盤つめばん」と呼ばれる小さな漆用のパレットのことです。爪盤の下に紐が括りつけてあり、そこに親指を通して使います。これ、便利です◎

爪盤は3センチ角程の「皿状」のものです。素材は水牛の角やべっ甲、要らなくなったメガネレンズ(!)などです。木を削って、それを漆で塗ってもいいと思います。

金継ぎでもこれがあると塗り作業がやりやすそうですね~◎

 

師匠にやってもらいます。

 

↑これが何回か漆などを重ねて盛り上げた状態です(未完成です)。これを目指しての、今回は第一回目ということです。

 

最終的には↑こんな感じのレリーフ状の立体的な蒔絵になります。

ちなみに今のところ、金継ぎ図書館館長はおぼろげにしか、この作業工程の意味が分かっていません。はい。

 

漆の板に「手脂」がつかないように「指サック」を装着します◎
油、大敵です。

 

さくさく線描きが進んでいきます。手が早いです。しかも線がぶれません。スゴイです。はい。

ちなみに今回使っているのは「赤軸根朱替りあかじくねじがわり」という筆です。なんか凄い名前ですね。意味わかりませんね。(ネジ=ネズミ…という意味だとも言われているようです)

この筆は「細くて、厚みのある線」が描ける筆とのことです。

 

キュッキュッツと描き進んでいきます。師匠はいとも簡単そうに描き進めていくので、ついつい「俺でもできそうだな~」って思ってしまいます。
が、いやいや、これはこれですごく奥が深いのです。

何気なく漆の線を描いているように見えて、実は一本の線の中に「抑揚」をつけているのです。

 

最終的な完成のレリーフ状の凹凸をイメージして漆の厚みに「抑揚」をつけます。

「厚い」部分、「薄い」部分、「急激に厚く」「なだらかに薄く」…とさまざまな高低差をつけていきます。

漆を厚くしたい部分は筆に含ませる漆の量を多目にして、さらに、筆を「ゆっくり」と進めながら描きます。
逆に漆を薄くしたい部分は、筆に含ませる漆を少なくし、さらに、筆は「早く」進めます。

 

高上げ一回目の漆の線描きは↑こんな感じで完了です。この後すぐに「銀の丸紛7号」を蒔きます。
丸紛を蒔くことで、漆だけで塗り重ねて高くしていくより、「エッジを断たせる(ぴりっとした感じ)」ことができます。

うー…、↑画像ですけど、全部のアウトラインを漆の線で括るわけじゃないんですか??描いていないところがいっぱいありますけど。

えーっとですね、多分、「レリーフで一番高くしたいところ」を今回、線描きしたんだと思います◎ (←館長、イマイチ理解していないのです(笑))

この後、銀粉を蒔きます!
つづきは、また次回で◎
さようならー

 

 

次の作業工程を見る

▸ 3-2 高蒔絵/高上げ一回目の粉蒔き

 

 

 

漆工房皎月は東京の「駒込」「練馬」「青梅市」「あきる野市」金継ぎ教室も開催しています。
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辺境図書館、WEBマガジンに掲載◎

 

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 マガジーン!!

 

おう、金継ぎ図書館。最近、「金継ぎ」を載せていないじゃないか。どした?夏休みか?それとも人気が無いから閉館か??

はいー、そうですね。最近、めっきり金継ぎコンテンツを載せていませんでした。近々、再開しますので、しばしお待ちください◎

 

今回はWEBマガジーンに金継ぎのやり方を掲載してもらったので、そのアナウンスです。

団体信用生命保険という保険を扱っているカーディフ生命とカーディフ損保という会社が運営している「スマイルすまい」というウェブマガジンに掲載されました◎

 

出典:https://www.danshin-smile.com/kintsugi-1/

住まいと暮らしのちょっとしたヒントを載せているウェブサイトです。
▸ てづくりの楽しみ 金継ぎ編

作家の吉本ばななさんや、元・暮らしの手帳編集長・松浦弥太郎さんら著名人のインタビューも載っています。スゴイですね~◎

 

出典:https://www.danshin-smile.com/kintsugi-1/

もちろん金継ぎ図書館はそういった有名人と同格のコーナーではありません◎
「手づくりの楽しみや、自分で作ったものを使う幸せ」を皆さんにお伝えする「つくる」というコーナーで扱ってもらっています。

 

出典:https://www.danshin-smile.com/kintsugi-1/

3ページにわたって掲載してもらっています。

載せていただいた記事の特徴としては、金継ぎの具体的な作業の手順を詳しく載せてある…というよりは、「金継ぎ作業ってどんな感じ?楽しいの??」ってところをコンパクトにまとめてある…という感じです。

 

 

取材は私の自宅で行われ、編集者さん、ライターさん、カメラマンさんの三人に来てもらいました。

編集者さんが実際にワークショップ形式で作業をしつつ、ライターさんが私の話を書き留め、カメラマンさんが写真と動画を撮影していきました。

 

出典:https://www.danshin-smile.com/kintsugi-1/

編集者さんの前職が大手家電量販店とのことだったので、「実のところ、3年保証って、入っておいた方が得なんですかね?」とか、「裏事情」の話を伺いました。
カメラマンさんの方は昔、チベットに行ったことがあったということで、チベット話をしたり(僕も昔、行ったことがあったので)、「雑誌などのカメラマンさんの撮影のギャラってどんなもんなんですか??」と、他業種のブラックボックスに見えるところの話を聞くことができました。

だいたいこういった取材の時は金継ぎの話だけになるのですが(それが普通ですが)、今回の取材は金継ぎの話だけではなく、いろいろな話(雑談ですが)も聞くことができ、楽しい取材となりました。
(僕は他業種の方の裏話を聞くのが取材の楽しみなわけです◎)

ご興味がある方はぜひこちらのウェブサイトを覗いてみてください。
▸ てづくりの楽しみ 金継ぎ編

 

 

 

金継ぎのやり方

 

 

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カマチの追い込み!…というか追い込まれました

 

size19ファイツ!!

 

只今、仏像の台座を制作中です。

ひたすら「研ぎ」の毎日…ツラい(泣)

 

研ぎのお供は「サカナクション」!今回のチョイスは「アルクアラウンド」

 

研いでいます。
ん…?何を使って研いでいるの??
はいー、「炭」です◎
え!炭で研ぐの??炭で研げるの???
はいー、研げるのです◎ 不思議ですね。

「駿河炭(するがずみ)」というちょっと特殊な炭を使っています。何の木だったか…忘れました。ノートを見直せばすぐに分かるのですが、サボって見ないことにします。

水を付けながら炭の断面をスリスリ擦りつけると研げるのです。スゴイですよね◎
基本的にはぐるぐる回しながら研ぎます。バターにならないように気を付けます。はい。

Aの白っちゃけている箇所はすでに炭が当たっている部分で、Bの黒くてピカッとしている部分はまだ炭が当たっていません。

 

研ぎ続けます。何時間も…(泣)

Aの箇所が研ぎ終わった部分です。Bの部分はまだ研いでいません。

炭は時々、砥石に当てて平面を維持させます。さらに、炭の底に溝を切ると水捌けがよくなります。これ、やった方がいいと思います。学生のみなさん、メモッといてください◎(このサイトをみている人はいない気がしますがー)。 僕は学生時代、知りませんでした。

 

炭研ぎが終わったら、次は「クリスタル砥石」というもので研いでいきます。名前が怪しいですよね。「クリスタル」って、ちょっと、ね。

クリスタル砥石の#1500、#2000といった細かい番手の砥石を入念に当てていきます。炭の「研ぎ足」を取っていきます。←ちょっと意味わからないですよね。そのうち、詳しくご説明します。ご興味は無いと思いますが、こういうのは一方的に押し付けるのがマナーですよね◎

 

で、今はリアルタイムに↑この作業をしています。
細かい研磨剤で磨いています。歯磨き粉みたいなもので磨いています。

サカナクションに飽きたので、今は録音したラジオ番組(traveling without moving)をエンドレスに流しています。

 

磨き粉を薄く敷いて、脱脂綿を小さくちぎったもので磨いていきます。

脱脂綿は汚れたら、どんどん換えていきます。この作業もエンドレスな感じなので、結構、ツラいのです(泣)

この磨き作業で、クリスタルの研ぎ足を消してきます。消えるまでひたすら研ぎ続ける…ということです。これ、大変なのです。

電動機械のポリッシャーを使えば簡単、楽ちんなのですが…ひたすら「手研ぎ」「手磨き」でやっています。

単純に、「傷一つない綺麗な鏡面に仕上げる」…というのであれば機械の方が圧倒的に優れていると思います。が、「よい磨き」というのは、実はそういうことではないのではないか?と思っているのです。

これは僕独自の見解なので、共感は得られないと思うところなのですが、実は「薄っすらと傷が残って見える方が”よく見える”」のではないか…と考えています。
「傷の残し方」というのがすごく重要になるのですが、例えばデッサンでいうところの「ハッチング」のように残すとしたら、それは魅力的な「線」になると思うのです。

意味、分かりませんよね。そうです、結構、金継ぎ図書館はぶっ飛んでいるのです。スミマセン。(←お気づきのように、この”スミマセン”は謝る気のないすみませんです◎ すみません)

このあたりの説明は長くなるので、またそのうちします。これも一方的に説明させていただきます◎

 

↑こんな感じで曇っている面が…

 

↑ピカっとなります◎

この工程は「胴擦り」という工程です。この後、さらに磨きの工程を重ねていきます。もっとピカッとなります。

納期が迫ってきているので焦りつつの作業です。
「金継ぎ図書館なのに、最近、金継ぎのお話しがないぞ!」と思ってらっしゃいますね。あれ?そうでしたっけ??あらー、そういえば、そうですね◎
また近いうちに再開しますので、ちょっとお待ちください~◎

 

 

 

 

 

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取っ手の壊れた急須の「布着せ」金継ぎ修理04/~布目擦り

 

 

”金継ぎスピリット”とは「モッタイナイ」や「侘び寂び」ではなく、「境界線を超えて他者へ繋がろう」とする想いのこと

 

※ 「取っ手がバラバラに割れてしまった急須」の金継ぎ(金繕い)修理のやり方を説明していきます。本物の漆を使った修理方法ですのでかぶれる可能性があります。ご注意ください。

※ 万が一、漆が肌に付いた場合はすぐに「油(サラダ油など)」でよく洗って下さい。 油?? そうです。「油」をつけ、ゴシゴシ漆を洗い落としてください。その後、その油を石けんや中性洗剤で洗い流してください。

今回は金継ぎ工程の内の〈2回目貼った布のはつり~布目に錆漆さびうるし(ペースト)を擦り込む〉までのやり方を解説していきます。

 

 

前回の作業を見る

▸ Page 03/布貼り二回目まで

 

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  ファイツ!!

 

 

作業を始める前に…

 金継ぎでは「本物の漆」を使うので、直接、漆に触れると「カブレる」可能性が高くなります。「ディフェンシブ」に行きましょう。ゴム手袋は必需品です◎

 

 

 

06 (二回目の)布払い、布目揃え


道具  ①彫刻刀(平丸刀) ②彫刻刀(平刀) ③障子紙用丸刃カッター ④カッターナイフ(大)
▸ 道具と材料の値段/販売店


上記以外で必要な道具… 〇空研ぎペーパー(紙ヤスリです)の#240~320

※ 今回は主に④のカッターナイフの(大)を使いました。持ち手の付け根・内側の布を削るときにはカッター(小)の方が作業がしやすいと思います。

 

布を払う…って何ですか??払う?

はい、払います◎ 端っこの余った布や、はみ出した余計な布端を刃物で削って払い除けます。

 

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

二回目に表側に貼った麻布がしっかりと乾きました。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

貼った布が「カリッ」と乾いてれば、削り作業ができます。
けど、もし、「ブヨブヨ」している感じ(柔らかい感じ)がしたら、それは麦漆むぎうるし(接着剤)が乾いていない可能性があります。その場合は、乾くまでしっかりと時間を取ってあげてください。(何週間でもお待ちください◎)

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

今回の削りの「メイン」は↑この「重なり」の部分です。一回目に貼った布の上に重ねた部分を処理していきます。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

「平」の彫刻刀か、もしくはカッターナイフをお使いください。今回はカッターの方が使いやすかったです◎

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

いつも通り、刃物は「横スライド」させて削っていくときれいに削れます。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

で、「何をどのように削っていくの??」と言いますと…

現在、取っ手の裏側は布が二枚重なっている箇所があるわけです。↑図でいうと、水色線が「一枚目の布」で、赤色線が「二枚目の布」になります。
この「二枚目の布」の端っこをそのままにすると、仕上げた時に「段差」になりやすくなります。ですので、その処理をします。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

二枚目の布(赤色線)の端っこを薄く削っていきます。斜めに削る…ってことです。
「えっ!布を斜めに薄く削る??…なんて、できっこないよ~(泣)」と思いますよね。でも、意外や、これが簡単にできちゃうんです◎ 布って思った以上に「厚み」があるものなのです。チャレンジしてみてください。きっとできちゃいますよ◎

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法カッターナイフでも作業をしてみました。彫刻刀よりもこちらの方が作業しやすかったです。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

カッターの刃も同様になるべく「横スライド」させていった方が削りやすいです。

「スライドの方向」としては「布が剥がれない方向に力がかかるように」というのを意識してください。
↑の画像で言ったら、カッターは左の方にスライドさせていきます。布の切れ端の「外側に向かって」です。これを「内側に向かって」作業をすると最悪の場合、布が剥がれてしまうことがあります(あまり無いと思いますが)。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

削りやすいように器の方を動かして(逆さまにしたりして)、作業をします。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

左手(カッターを持っていない方の手)の親指で、押し出すようにして削っていきます。
右手はどちらかというと力を入れるのではなく、刃の進む方向をコントロールするよう意識してください。

 

布の重なった箇所の削りが終わったら、次に「取っ手」の付け根の布を削っていきます。

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

こちらも「貼りっ放し」だと布の切れっ端が「段差」になりやすいので、斜めに削ってなだらかに器の素地に繋がるようにします。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

カッターの刃を手前に引く際には、左手の親指は「ストッパー」の役割をしてもらいます。
ちょっと怖いかもしれませんが、左手で押さえることで「うっかり刃が手前に滑ってくる」のを防ぎます。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法  手前に引く際も、刃はスライドさせます。
刃は「滑らす」ことで「切れ」がよくなります◎

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

「向こう側」に刃を動かす際は、いつものように左手の親指で押します。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

取っ手の「内側」は削りづらいです(泣)
こちらも「スライドさせる」ようにして削っていきます。

カッターの刃が「小さい」方が内側の削り作業はやりやすいです。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

できました!こんな具合です◎

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

どでしょう??

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

この作業、そんなに「厳密に」上手くいかなくても全く構いません◎ 強度的に問題が出るようなこともありませんので、眉間にしわを寄せて作業をする必要はありません。どうぞお気楽に◎

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

さ、これで次の作業に移りましょう!と行きたいところなのですが、その前に一仕事します。

 

「布目揃え」という作業をします。

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

簡単です◎ すごく。

「空研ぎペーパー」(紙ヤスリです)の#240~320くらいの粗さのもので、軽く研ぎます。

※ 「水研ぎペーパー(耐水ペーパー)」しか持っていない方は、それでやってもらって大丈夫です◎

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

適当な大きさに切ったペーパーを当てて、布の表面を荒らしてきます。

サラサラ、ちょっとだけ当てていけば結構です。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

布全体に当てて↑こんな具合になればオッケーです。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

取っ手の内側も同様に研いでいきます。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

いろいろな方向に研いでください。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

この時の注意点としましては「研ぎ過ぎ注意!」ということです。

この作業の「目的」は次の作業(錆漆さびうるし(ペースト)を付ける)の際に錆の「食い付き」が良くなるように…ということです。

ペーパーで布の表面を荒らすことで、錆の食いつきをよくするのです。

ですので、「ペーパー研ぎ」は軽くやるだけで十分です。むしろ「研ぎ過ぎる」と布の繊維が断ち切られて、補強としての強度が落ちます

ご注意ください◎

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

↑こんな感じで大丈夫です。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

うし、研ぎ終わったから、次の作業に行くぜ!…と思ったら、その前にさらにもう一仕事。(漆作業は面倒ですね~)

 

「研ぎっ放し」だと布の表面に「研いだ粉」が付いていて、錆漆の食いつきが悪くなります。ですので、その粉を拭き取ります。

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

いらない布に水をほんの少し含ませ、湿らせます。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

↑ほんと、こんなもんです。
「乾拭き」よりも、ほんの少し湿っていた方が粉がよく取れます。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

コシコシ拭き取ってください。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

取っ手の内側もです。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

拭き取り作業終了◎

粉を拭き取ってみると意外と「黒っぽい」ですね。
これでオッケーです。いよいよ次の作業に移ります。

 

 

 

07 布目擦り


道具 ③作業板 ▸作り方  ④付けベラ ▸作り方  ⑤練りベラ ▸作り方 ○マスキングテープ
材料 ①水  ②生漆  ⑥砥の粉
▸ 道具と材料の値段と売っているお店


 

この作業では布の「織った糸同士の隙間」を錆漆さびうるし(ペースト)で埋めていきます。

 

作業を始める前に修理箇所の周りが汚れないように「養生」をします。

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

マスキングテープを細かく千切って、取っ手の付け根の周りに貼っていきます。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

個人的にはこの時、布とマスキングテープとの間に1㎜くらいの「隙間」を空けています。
というのも、錆漆を付ける際に錆で布を完全に覆いたいわけです。ということは布の端っこも錆で覆うには、錆は器の「素地」にも付けなくてはならなくなります。(伝わりづらいですか??)

ということで、「隙間」を設けているのです◎

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

この「養生」作業、面倒ですが、地道にやるしかありません。頑張りましょう◎

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

マスキングテープは大体の位置に「ひとまず」貼ってしまって、その後、ヘラや竹串などの硬いモノでずらして微調整していくのも手です◎

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

養生作業が終わりました。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

↑このくらいできていれば十分です◎

 

続けて、錆漆さびうるし(ペースト)を付ける作業に入ります。

錆漆を作ります。

 

体積比(目分量)… 砥の粉 10 : 8 生漆  ※ 水は適量

  1. 砥の粉を潰す
  2. 水を少量ずつ足しつつ、練る。
    チューブ入りの練りからし」くらいの状態になるまで水を加えつつ練る
  3. 次に「漆」を少しずつ足しつつ、練る
  4. 完成

▸ 詳しい錆漆の作り方ページ

 

※ 錆漆の「作り置き」はおススメしません。「使うときに作る」が原則です。作ってから1~2日くらは乾きますが、どんどん乾きが悪くなっていきます。

とはいえ、「明日も他の器を直すので」という方は、残った錆漆さびうるし(ペースト)を保存してください◎
 ▸ 余った錆漆・麦漆・漆の保存方法

 

錆をつけていくための「ヘラ」ですが、今回は…

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

ヘラの先っちょに「角度がついている」ヘラを用意してください。

なぜならば…

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

取っ手の「内側」に錆を付ける際に、角度がついていないと届かないからです。

「えー、そんなヘラ、持ってないよー(泣)」という方、お手持ちのヘラの先をペーパーで少し研いで鋭角にすれば大丈夫です◎
もしくは作るの簡単ですので、ヘラを何本か自作してみてください。愉しいですよ。

 

更に…もう一本、特殊なヘラがあると作業が楽になります。

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

ヘラの先っちょが「丸くカーブ」しているヘラです。

取っ手の付け根のカーブよりも「少しきつめのカーブ」のヘラを使うと、その部分に錆漆が付けやすくなります。

 

それではいよいよ錆付けの実践です◎

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

まずは作業板の上にある錆漆さびうるし(ペースト)をヘラの先で少量取ります。

 

  1. 作業板の上で錆漆さびうるし(ペースト)を薄く均一に広げる。
  2. ヘラを少し寝かしつつ、横から滑り込ませる。
  3. 右側から左側へ通す。
  4. そうするとヘラの先っちょだけに錆漆がつきます。

 

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

織っている糸と糸の隙間に錆を擦り込んでいきます。ですので、この作業は難しくありません。ひたすら擦り込んでいってください◎

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

付けた錆を広げていきます。広げるというか隙間に押し込んでいく感じです。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

ヘラを動かす方向が一方向だけだと、ほんの僅かな隙間ができやすくなってしまいます。
いろいろな方向にヘラを動かしていってください。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

取っ手の付け根は「先が丸くカーブしたヘラ」を使います。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

地道に地道にヘラを通して錆を擦り込んでいきます。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

取っ手内側の作業でヘラを横に通す場合は「先丸ベラ」を使います。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

取っ手内側の作業が終わりました◎

 

続いて、外側です。

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

少量ずつヘラで錆を掬って、布目に擦り込んでいきます。

「内側作業」よりも「外側作業」の方が楽です◎

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

取っ手のカーブに合わせてヘラも動かしていきます。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

縦横斜め…なるべく多方向からヘラを通します。

 

取っ手の「両端部分」とか「側面」は錆付けがやりづらいかと思います。(そんなことないかな??)

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

そういった場所の作業のやり方です。

まずは作業板の上から少量の錆を掬ってきます。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

取っ手の端っこのエッジに擦りつけるようにヘラを通していきます。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

斜め向こう側にヘラを通しつつ、ヘラに付いた錆を取っ手のエッジで切っていきます。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

錆が足りなくなったら補充して、同じ動作を繰り返します。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

取っ手のエッジに錆が乗りました◎

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

今度はその錆を広げていきます。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

布目に擦り込んでいきます。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

「取っ手のエッジで錆を切る」…というテクニックが使えると作業が楽に早くできます◎ チャレンジしてみてください。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

地道に「擦り込み」作業を繰り返して、ようやく終わりました。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

今回の作業では錆を厚く付けないようにしてください。あくまでも「布目に擦り込」んで布目を埋める…という作業です。

だけど、少しくらいでしたら厚く錆を付けちゃった部分とか、錆がガビガビと「バリ」のような感じで残ってしまった個所があっても気にせずに行きましょう◎

乾いた後、しっかりと研げば大丈夫です◎

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

はい、できました。

 

 

 錆漆さびうるし(ペースト)はそれ自体に「水分」が入っているので、とくに湿度のある「漆風呂」に入れなくてもしっかりと硬化してくれます。

けど、古い生漆や乾きの悪い生漆を使っていたり、数日、取り置きしておいた錆を使った場合は乾きが悪いかもしれません。その場合は漆風呂に入れて、湿度を与えてください。(湿度65%~)

 

※ 水を固く絞った布を中に入れて湿度を高くしてください。

もうちょい詳しく見たい方は↓こちらへ

▸ 段ボール漆風呂の作り方

 

 

 

 【 お掃除、お掃除 】

インターネット上で初心者相手の金継ぎ教室全ての作業が終わったら作業板を掃除します。

 テレピン(又はエタノール、灯油など)を垂らして、ウエスやティッシュできれいに拭き取ってください。

   caution ! 

厳密に言うと、素地をし終わった後の作業板の上には「ごくごく薄っすら」と漆の成分が残っています。ですので、この作業が終わるまではしっかりとゴム手袋をして、ゴム手袋を外したあとは作業板を含めて漆の道具類を触らないようにした方がいいです。

 

 

 

 

 

 

【 次の作業を見る 】

 

 

 

 

金継ぎのやり方

 

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海外情報誌に金継ぎ図書館登場!

 

size19

 

ある日、辺境の金継ぎ図書館(エアー図書館ですけど)に海外から一冊の雑誌が送られてきた…

「きらら」…???
はい、「きらら」です◎ かわいいですね。

何?海外から女性誌を取り寄せた…ってこと??
いえ、違います◎

 

ページをめくるとそこには「ドラえもん」が…。しかも何語が書いてあるのか解読できない!

 

旭山動物園…ってことは観光ガイドかな?

 

と、思ったら、「リラックマ」団子の作り方!おー、なぜ、リラックマを団子にするんだ?(いいんですけど、この流れが意味不明!)

 

今度は「退職届」!さらに、お歳暮のようなものまで渡している…。

これ、どうゆうこと??

日本に関する「情報誌」ってことですかね~。さらにページをめくっていくと…

 

なんと、金継ぎ情報まで!

 

確かにどこかで見たような…
あの器、直したことあるぞ。

 

はい◎ そうです。「金継ぎ図書館」、ついに海外進出です!

海外展開第一弾・ベトナム!
通常の文化発信政策がとっているような「欧米中心」ではなく、金継ぎ図書館はアジアから展開していくビジネスプランなのです◎(←うそ)

やっぱ、アジアでしょ◎

 

何が書いてあるのか全くわからないのですが、何となくいいですね~◎英語で書かれた金継ぎ情報は時々、見かけますが、ベトナム語で書かれたものの方がステキですね~◎ 根拠なしですが。

 

今回も残念ながら「鳩さん」は登場していませんので、描き足してあげます◎

金継ぎ図書館が「超メジャー」にならない限り、きっとメディアに鳩さんが登場することはありませんよね。金継ぎ図書館、がんばるしかない!

 

お、またしても意味不明のコンテンツ。「日本語コーナー」でしょうか。でも、「田舎に帰りたい」って…何を教えているのでしょうか??日本に来てホームシックになったベトナム人の人へのアドバイスでしょうか?

  おー、この暑い夏に「お餅」ですかー。季節感が完全に狂いますが、食べてみたくなりますね◎

 

この雑誌ですが、ベトナム国内で配布される、「日本に興味のある人」向けフリーペーパーです。

ベトナムに住む編集者の人(日本語堪能のベトナム人女性)から、ある日、Eメールが届き、「写真を使わせてください」とのオファーをいただきました。

何度か連絡の「断絶」を挟み(笑)、やっと発行に至った感じです。 いやー、なぜか一ヶ月くらい返信が来ないこともあったんです。なので、完全に「話が流れたかな??」って思っていたら、また返信が来たり(笑)

これはベトナムの「ペース」ってことですかね?

 

日本のメディアに取り上げてもらえるのは当然、有り難いことなのですが、こうやって海外のメディア、特にアジアのメディアに興味を持ってもらえて、意外な「やりがい」を感じました。

どこの国、民族にとっても「壊れた物を直す」というのは、本来は何がしかの意味合いを持っていたものだと思います。「死者の世界」から連れ戻すことですからね。
そういったことに霊的な感覚を抱くということは、人間中心主義の近代化の中で失われていったと思います。前近代的だということで。

「金継ぎ」という技法は、それぞれの民族が持っている、自分たちの土着の感覚をもう一度思い出すきっかけを提供できると思っています。

 

ベトナム語がわかる方はこちらのサイトでチェックしてください◎
▸ Kilalaホームページ

 

 

 

 

 

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「スミアシ」は楽ちんよ

↑なんか現代アートの杉本博司さんの「アーキテクチャー」シリーズの写真のようですね~。

 

size19ファイツ!!

 

 

スミアシ…??初耳だけど、それって何?漆の業界用語??

いえ、「机」業界用語なんでしょうかね?ちょっとわかりませんが。
「角足」とか「角脚」とか書きます。机の「脚」のことです。現在、仏像の台座を作っているのですが、その台座の下に着ける短い脚のことも「角足」と呼ぶんです。

ふーん、でも仏像の乗っている台座に「脚」なんてあったっけ?そういうイメージってないんだけど。

 

ほら、見てごらんなさい。台座の下に「影」があるでしょ?影があるってことは「隙間がある」ってことです。
この隙間は台座が「空中浮遊」しているってわけじゃないんです。仏像だったら浮いててもいい気がしますが、諸事情からそういうわけにはいかないんです。(重力とか、みんなが怖がるとか)

 

スミアシって何で付けるの?必要なの??

角足を付ける理由としては実際的な機能面と、ビジュアル的な面との二つがあります。

機能面としては、框を移動させる際、台の下に指が入るようにする…ということです。
台の下に指が入らないと台を持ち上げることができません。さらに、漆塗りをして、磨き上げると、ツルツルするので、台の横っ面を持って持ち上げるというのが難しいのです。ツルッと滑って落としたら…悲しいですよね。ということで、やっぱり指が下に入らないとマズいのです。

 

もう一つの理由として…ビジュアル的機能ですが、角足を付けることで、台の下に「影」が落ちます。影が薄っすらと見えるということは「浮いている」「隙間がある」…ということで、そうすると無意識的にでも「軽やかさ」を感じてしまうものなのです。

黒い塊がドスンと置いてあると、その空間全体が「重~く」なります。框という黒い塊が「重苦しさ」を演出してしまうのです。だけど、できたら「仏像の台座の足元を強い黒でキュッと引き締め」ている…というように感じてもらえるようにしたいわけです。

ですので、框の下には風の通り抜ける空間を設けることによって、ちょっとした「軽やかさ」を作り出すのです。
ですが、この空間も広すぎると(角足が高すぎると)、足元が不安定な印象になってしまい、見る人の意識の中にも「不安な感情」を作ってしまうことになります。

キリンのような、脚が高くてシュッとしたフォルムの台だと不安定な印象を与え、カメのような、脚が低いフォルムだと、安心感を与えるわけです。

人々の様々な心(不安だったり、悲しみの感情など)を受け止める仏像が乗る台としては、やっぱり「安心感」を与える、どっしりとした台座にした方がよいのです◎

 

 

只今、框かまち(仏像が乗る台)を作っているのですが、その台の下に着ける角足も作っています。

漆を一回、塗ったところです。

今、やっている工程としては「漆の塗り→研ぎ」を繰り返して、「平滑な面」の精度を高くしていきます。

研ぎ面の大きさ、長さに合わせて様々な大きさの砥石を用意します。砥石屋さんに「ちょうどいい大きさの砥石」が置いてある…なんてことは、ほぼほぼありませんので、大きな砥石を買ってきて、それを自分で切ります。
砥石って「切れる」んですか?!って思いますよね。
切れます◎ けど、めちゃ大変です(苦笑) 金属用の鋸を使って切ったりするのですが、えらく時間がかかるし、鋸の刃がすぐに切れなくなります。どんどん刃を替えて(替刃式なので)、それで切っていきます。
私はその作業に嫌気が差して、小さな「バンドソー」を買いました◎ 1万円くらいのダイヤモンドチップの付いた刃を装着させると、砥石も切れるのです◎
これ、便利ですよ~。

 

角足の側面を研いでいきます。全体を研いでいきます。

一か所だけ集中して研いでしまうと、そこだけ凹みます。だからまずは全体を満遍なく研いでいきます。

 

あらかじめ水に浸しておいた砥石を使って、さらにちょっと水をつけつつ研いでいきます。

 

研ぎに使っている砥石を、さらに大きな砥石に当てることで、小さな砥石の平面を保たせます。これをやらないと意外と砥石の研ぎ面が凹んだり出っ張ったりします。
それじゃ、その「大きな砥石」の平面はどうなるの??凹まないの?…うーん、そうですね、だんだん形が崩れてきます。なので、他の砥石とすり合わせます◎
なんか面倒そうですね~(笑)

ところで、なんで「釘」が刺さっているの?

「ワンポイント」です◎ うそです。
漆を塗るときに「取っ手」として持ちやすいようにです。

 

研ぎつつ、ちょくちょく研ぎ汁をスポンジで拭き取って、「面のチェック」をします。

 

グレーになっているところは砥石が当たっているところで、黒色のところは凹んでいて、まだ砥石が当たっていないところです。

 

さらに研いでいきます。

研ぎ続けると…まだ黒色のところがちょっと残っています。と同時に、茶色いところも出てきました。この「茶色」は漆塗りの下の層の「錆漆さびうるし(ペースト)」の層です。研ぎ破っちゃった…ってことです。
でも、この段階ではこの「研ぎ破り」は全然、気にする必要はありません。ガンガン研いでいきます。「平滑な面を作ること」を優先させます。

 

研ぎ破りも出てきてしまいましたが、全体に砥石が当たりました。

 

「平滑な面」が出ているか?のチェックもします。

定規を当てて、その隙間から差し込む「光」を見ます。これで側面の形をチェックするわけです。
角足の側面の形も「框かまち」と同様に、少し「R」をつけます。(丸みを付けるってことです)

形をチェックして、出っ張っているところがあったら、その周辺だけ重点的に砥石で研いで、形を修正していきます。これが結構、手間がかかるし、難しいのです。

 

研ぎ終わったら、漆塗りの二回目を行います。
幅の狭い小さめの漆刷毛を使います。この「漆用の刷毛」って女性の髪の毛を使っているんです。江戸時代から「髪の毛」を使うようになったらしく、それ以前は獣毛を使っていました。
ちなみに「漆刷毛」は値段が高いです。

 

塗る面積に合わせた分量の漆を刷毛の先で掬い取ります。

 

この「漆の塗り方」は十人十色です。つまり綺麗に塗れればどうやったって構わない…ってことです◎

私はまずは刷毛を横滑りさせつつ、漆を配っていきます。

刷毛の先の漆を「ちょんちょんちょん」と点付けしていく塗り方をしている人も時々いるのですが、ちょっとそれは効率が悪いし、刷毛の動かし方としても「きれいじゃないなー」って感じるので、私はこうしています。

動作に無駄がなく、道具の持つ能力を上手く引き出す動きができたら、それってきっとすごく美しいだろうなーって思いますよね。
一流のスポーツ選手の動きと同じような感銘を受けそうですよね。

 

横一直線に配った漆を今度は広げていきます。
まずは小刻みに刷毛を斜め下に動かしていきます。

 

次に斜め上に動かしていきます。

 

全体に漆が配れたら、今度は刷毛を通します。

 

反対方向にも通します。

 

刷毛の「入り」と「抜け」の部分はどうしても「刷毛目」が残りやすく、さらには漆が厚く溜まったり、薄くなったりしやすいので、最後に直角方向に刷毛を小さく通します。

 

裏と表にはみ出した漆をヘラで切っていきます。

 

4面とも塗り終わったら、塗りの作業は終了です。

漆を乾かすために適当な冶具を見つけて、それにクリップで止めます。宙に浮くようにするわけです。

 

漆風呂に入れて一昼夜。

 

7月の関東の気候だったら、一日で乾きます◎

この後、さらに「研ぎ→塗り」…と繰り返しつつ、さらに面の精度を高めていきます。

 

すごく大雑把な説明になりましたが、こんなふうに「塗り→研ぎ」を繰り返しています◎

 

 

 

 

 

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框(カマチ)はツライなー

 

size19ファイツ!!

 

なんか、最近、金継ぎ図書館の更新頻度が下がったよねー。何やってんのかしら、アホ館長は?(サボり??)

 

いやー、サボっているわけじゃないんです。只今、「框かまち」っていうものを作っているんです。
カマチ???って何?って感じですよね。框かまちというのは仏像とかが乗っている「台座」のことです。

 

↑こういうことです。こういうの、作っています。鬼の下にある「台」です。はい。
自主制作?
いえ、そんなもの自主制作するわけありません(作っても意味ないしー)。福井の方のお寺さんからの「依頼」です。

 

依頼されたものは「ただの四角形」です。けど、デカい!この「大きい」っていうのがすごく厄介なのです(涙)

木地は秋田杉の目の細かい良材を使って、三枚を貼り合わせています。貼り合わせた接着箇所に刻苧漆こくそうるし(パテ)を充填し、その後、布を2枚着せています。

 

現在、錆漆さびうるし(ペースト)を塗って、それを研いでいます。「平滑な面」が出るまで、研いだり錆を付けたり…を繰り返しています。

このくらいの大きさになると「平滑な面」を作るのが相当ハードになります。ゲンナリするくらい嫌になります(涙)

5年くらい前まで、この「框かまち」というのを年に4,5個作っていました。正直、値段と労力とが全く見合わない仕事でして、時給でいうと¥500-みたいな感じでやっていました。仕事というよりかは自己鍛錬のための「苦行」としてやっていた感じです。(いや、ほんとツライですよ~)

当たり前なのですが、ただの「台座」なので、仕事としての単価がすごく安いんです。その上に乗せる仏像にはナンボでもお金を掛けますが、僕の作っていたのはただの黒い漆塗りの台座ですからねー。「こんなもの、安く作らせろ」…ってことになるわけです。
しかも、何となく自分自身の「立場」も弱いんです。仏像を作る人の方が「エライ」感じになるわけです(「エラそうな人」もすごく多いです(苦笑))。当然と言えば、当然な感じもしますが。
それに、手間ひまかけて丹念に仕上げたとしても、台座なんて誰も見向きもしない。当たり前なのですが。

で、「こんな仕事してちゃダメだ!」って思うわけです。修行にしかならない。ってことで、5年くらい前に、一切、框の仕事は受けないことにしました◎

「もう、二度とやるものか!」って決めていたのですが、懇意にしている人がわざわざ「鳩屋くん、そこを何とかやってくれないか?」とまで言ってくれたので、これは断るわけにはいかないなと思い(実は何度か断りましたが)、「人生最後の一個」としてお引き受けすることにしたのです。

けど、久しぶりに作ってみて、「やっぱり、これはキツイな~」って感じています(苦笑) (もう、二度とやらないぞー)

 

なんで、そんな「ただの四角形」を作るのが大変なの?簡単そうに思うけど。…って思いますよね。
いやー、これが死ぬほど大変なのです。あまり仕事の愚痴をこぼすのも情けないのですが、これは「やっちゃいけない仕事だなー」ってつくづく感じます。
「きれいな平滑な面」を作るのって大変なのです。実は。

 

僕が作り続けて、考えてきた「きれいなカマチ」を説明させてください。かなりマニアックですが。
ちなみに、上に乗せる仏像によって雰囲気を微調整させます。

まずは「台の上面」を「甲盛り」にします。ちょい、「山」のようにもっこりさせる…ってことです。(「もっこり」じゃなくて、「ふっくら」ですね◎)

 

その「もっこり」具合ですが、全体を均一にもっこりさせると、ダサくなります。端っこは「急もっこり」、内側は「ゆる・もっこり」にします。
一つの平滑な面の中に「形の変わり目(稜線)」を作ります。こうすると形が「締まり」ます。ふっくらの「リズム」に変化が出るからでしょうか。きっと音楽なんかとも共通することですよね。

 

(↑側面図)

台の側面についても同じ要領で面を作っていきます(カーブに変化を持たせる)。
あとは、「上面」から「下面」にかけて、「すぼまる」形にします。上の面の方が大きくなるわけです。

 

さらに、その「すぼまり方」も場所によって変化させます。端っこの方は「急」にすぼまり、中央になるにしたがって「緩やか」にすぼまります。

 

ただの「四角い台」なのですが、雰囲気としては↑のような「蓮の花」を感じられるものにしたいと思っています。(鳩は感じません)

これらのフォルムの「変化」はぱっと見では全く気付かない程度にします。よーく見て、定規でも当てた時にやっとわかる程度です。

「それって意味あるの?」と思いますよね。それ、100%、意味あります◎ 人が「意識の上」では認識できなくても、「無意識的」に感じている領域はすごく広いと思います。実はその領域で「何となく、これ、いいなー」って感じたり、「これ、何かイマイチ」って感じているのだと思います。
「周りの環境」や、「出会う人」に対しても、この「意識に上らない意識」で判断することがすごく重要なのだと思います。(通常、意識できないので難しいですが)
だけど、そこにしっかりと「届けたい」と思って、「たかが、台座」を作っています。(もう、絶対に作りませんがー)

 

こういったカーブの具合だとか、すぼまり具合、あとは「面取り」の幅の広さなどは上に乗せる仏像の雰囲気によって変えます。「微妙に」ですが。
厳しい雰囲気の像やシュッとした像が乗る場合には、台座の方も「シャープな感じ」になるように心がけます。柔らかい感じの像が乗る場合は、それなりに「ソフトな感じ」になるようにします。

 

「パルテノン神殿の柱」と「法隆寺の柱」とでは、そのラインのもたせかたが少し違うようです。このあたりは民族性というかその自然環境に長年、住み続けてきた感覚の違いから来るのかな、と考えています。

 

こんな感じで台座の制作はまだ続きます。八月一日、納品!

 

 

 

 

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日本の3rdプレイス

 

 

 

サード・プレイスとは、コミュニティにおいて、自宅や職場とは隔離された、心地のよい第3の居場所を指す。サード・プレイスの例としては、カフェ、クラブ、公園などである。
by Wikipedeia

 

小耳に挟んだこと


楠本修二郎さんというかっこいい社長さん(カフェ・カンパニー社長)が ▸YouTube (1:36:00~くらいから)の中で「人が集まる場所」について話していたことのなのですが、それぞれお国柄で「サードプレイス」にちょっとした違いがあるようなのです。

  • フランス→カフェ
  • イギリス→パブ

なるほど、納得(かな)。何となくイメージができる。
で、日本は?というと…「カフェ」ではないです。実は。
それじゃ何処??というと、

  • 日本→本屋・図書館(!)

なのだそうです。おー、日本人って真面目ね◎っと思うと同時にどうして日本ではサードプレイスが「本のある場所」なんだろう?って思ったわけです。
何ででしょうね?分かりません。
けど、きっと日本では昔から識字率が高かったことと関係しているのではないかと思うのです。文字が解読でき、本が読めた(きっと本は高価なものだったのでしょうから、どこかの場所に集められていた?)。
で、「本が読めた」ということが、単純に「本から情報を取り出すことができ、知識を増やすことに日本人は心地よさを感じていた」とか、「物語りの中に没入でき、その世界観で安らいでいた」っていう話じゃないと思うんです。
本が読めた…というのが、本の中で「先人」とリアルに出会ったり、「中国の賢い人」と生きた対話をすることができた…ということだと思うのです。

「本=”私”というフレームの外にいる”他者”」…として、出会っていた。そういうのが他の国の人に比べると得意だったのではないのかと思うのです。得意というより、それは歴史的な経緯や地理的な条件によって(日本は島国で、文物制度を中国から輸入するしかなかったから)、必然的にそうならざるを得なかった(←この辺りは内田樹先生の「日本辺境論」の受け売りです◎)。

人は「人の集う場所」に行きたくなる…という理由が、「他者」と出会い、自己を解体し、智や情報の流れの中に身を浸すことが目的であるとするならば(←お話がぶっとんでいますかね?)、西洋では「直接、人と交流する」ことに重点が置かれた。
一方、識字率が高い日本ではそれを「本の中」に見出すことができた。「本=他者」であって、「本のある場所」は「過去の人たちが集まっている場所」であり、「膨大な叡智が”流れている”場所」であった。
そしてその叡智は過去から現在、そして未来へと途切れることなく繋がる大きな流れであることを無意識的にでも体感していた。
だから日本ではサードプレイスが「本のある場所」になったのかな…と推測しているところです。

もちろん、西洋やエジプトなんかでも「図書館=本のある場所」って昔から重要な場所だったし、一方、日本でも「人の集まる場所」は重要であったと思います。井戸端とか洗濯場、お寺、茶屋とか。

ウェブサイトを立ち上げる時(約2年前)に「金継ぎ図書館」って名前をつけたのですが、結構「アタリ」かもな~◎ と一人ほくそ笑むのです。

 

Wikipediaで「サードプレイス」を調べてみたら説明がすごく魅力的でした。以下、全部Wikipediaの引用です。(こんなに引用してもいいのかしら?ダメ??) ▸ Wikipedia サードプレイス

概要
アメリカの社会学者レイ・オルデンバーグは、“ファースト・プレイス”をその人の自宅で生活を営む場所、“セカンド・プレイス”は職場、おそらくその人が最も長く時間を過ごす場所。そして、“サード・プレイス”はコミュニティライフの“アンカー”ともなるべきところで、より創造的な交流が生まれる場所

 

オルデンバーグが定義する“サード・プレイス”の8つの特徴

中立領域

サード・プレイスの構成者は義務感からそこにいるのではない。彼らは、経済的、政治的、法的に縛られること無く、喜んでやってくる。

平等主義
サード・プレイスは、個人の社会における地位に重きをおかない。経済的・社会的地位は意味がなく、ありふれていることが許容される。サード・プレイスでは参加するために、何も必要条件や要求がないこと。
会話が主たる活動
遊びココロや楽しい会話がサード・プレイスの活動のメインフォーカスである。会話のトーンは気軽で、ユーモア、ウィットがあり、優しい遊びココロは高く評価される。
アクセスしやすさと設備
サード・プレイスはオープンで、みなが訪れやすい環境。柔軟で親切で、集まる人のニーズにこたえるところ。
常連・会員
サード・プレイスは、常連がいて、空間やトーンを形成する。その場所らしさを彼らがつくる。新たな訪問者を惹きつけて、新参者にも優しいところ。
控えめな態度・姿勢
サード・プレイスは、健全である。その中には無駄遣いや派手さはなく、家庭的な感じ。偉ぶったり、排他的であってはいけない。いかなる個人、あらゆる階層の人を受け入れる。
機嫌がよくなる
サード・プレイスでの会話のトーンは、けっして緊張や憎悪を生んではいけない。その代わり、陽気でウイットに富んだ会話、気さくな冗談は歓迎される。

第2の家

サード・プレイスにいる人たちは、しばしばあったかい感情を共有する。あたかも同じ家に暮らす者同士のように。この場所に根ざしている感情を持ち、精神的に生まれ変わることを得る。

 

なんだかすごく魅力的なことが書かれていますね。
カフェ・カンパニー社長の楠本さんが言っていたのですが、「全ての業態はカフェ化する、必然的に」と言っていました。
「人々が集い、繋がる場」を作る。実技系の教室もその想いが「ある教室」と「ない教室」があると思います。ぜひ、みなさん、それが「ある教室」を見つけてください◎

 

 

金継ぎのやり方

 

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取っ手の壊れた急須の「布着せ」金継ぎ修理03/~布着せ2回目

 

 

”金継ぎスピリット”とは「モッタイナイ」や「侘び寂び」ではない
「自我を超えて他者へ繋がろう」とする渇望にも似たその志向性のことである

 

※ 「取っ手がバラバラに割れてしまった急須」の金継ぎ(金繕い)修理のやり方を説明していきます。本物の漆を使った修理方法ですのでかぶれる」可能性があります。ご注意ください。

※ 万が一、漆が肌に付いた場合はすぐに「油(サラダ油など)」でよく洗って下さい。 油?? そうです。「油」をつけ、ゴシゴシ漆を洗い落としてください。その後、その油を石けんや中性洗剤で洗い流してください。

今回は金継ぎ工程の内の〈一回目に貼った布のはつり~布貼り二回目(持ち手の外側に布を貼ります)〉までのやり方を解説していきます。

※ 今回は非常に画像が多いです。非常にです。何で多いのか?それは滅多に「布を貼って補強する修理」が無いので、くどいくらいに画像を載せて説明させてもらいました。ご理解の程、よろしくお願い致します◎

 

【金継ぎ図書館クライシス!】
私事ですが、先ほど大量の豆乳をノートPCの上にこぼしたので、いろいろ不具合が出てきています(涙) キーボードタッチが硬くなってきたし(多分、時間が経って、キーボード内に入り込んだ豆乳が乾いて固化してきたのだと思います)、CDを入れるところが勝手に開くし…(何も入れるものなんてないのにー!)。これってお店に持って行った方がいいんですかね?お店の長期保証に入っておけばよかった~。でも豆乳こぼすなんて思ってなかったしなー。

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法 うー、キーボードがマズイぞ~。おのれ、豆乳め~(しかも”特濃”だから固化障害が強く出てます◎)

 

 

さてと、そんなアホな金継ぎ図書館はほっておいて、説明に入りましょう◎

 

前回の作業を見る

▸ Page 02/一回目布着せまで

size19  ファイツ!!

 

 

作業を始める前に…

 金継ぎでは「本物の漆」を使うので、直接、漆に触れると「カブレる」可能性が高くなります。「ディフェンシブ」に行きましょう。ゴム手袋はマストです◎

 

06 (一回目の)布払い、布目揃え


   道具  ①彫刻刀(平丸刀) ②彫刻刀(平刀) ③障子紙用丸刃カッター ④カッターナイフ(大)
▸ 道具と材料の値段/販売店


上記以外で必要な道具… 〇空研ぎペーパー(紙ヤスリです)の#240~320

※ 今回は主に④のカッターナイフの(大)を使いました。持ち手の付け根・内側の布を削るときにはカッター(小)の方が作業がしやすいと思います。

 

布を払う…って何ですか??払う?

はい、払います◎ 端っこの余った布や、はみ出した余計な布端を刃物で削って払い除けます。

あ~、また私の苦手な「刃物」使うんですね~(泣)

いやいや、これは難しいことはありませんよ◎ カッターナイフで地道にジョリジョリ削っていけばいいんです。意外とこういう単純で細かい作業って、やっていると面白いですよ◎

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

 今回使ったのは↑この「カッターナイフ(大)」です。彫刻刀よりもカッターの方が作業しやすかったです。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

 布の「はみ出し」ってなに??かと言いますと、↑この部分です。周りにはみ出した「ビロビロ」です。

 

 この「ビロビロ」と、それから右画像の「持ち手の付け根に貼った布の余り」を削っていきます。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

 まずは持ち手・サイドのびろびろから削ります。

カッターを持っていない方の手(右利きの場合は左手)の親指でアシストします。画像のA方向(斜め後方)に親指で押し出します。カッターの持ち手はB方向 (後方)に引く感じです。カッターの刃自体はC方向にスライドするようにします。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

 カッターは↑この方向にスライドです。斜め後方。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

「器の素地」と「カッターの刃」で布を挟み込むような感じにカッターを動かして削っていきます。↑画像の左側の画は布を挟み込んでいます。右側は布が挟まっていません。この位置関係で削ると布が剥がれる場合があります。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法何となく「ハサミで切る」イメージでしょうか。下の刃が「器の素地」で、上の刃が「カッターの刃」と考えと分かり易いかと思います。(伝わりますか??)

 

そうすると、布にストレスがかかりづらくスムーズに削ることができます。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

 付け根部分のサイドは片手で削りました。この時もカッターの刃と器の素地とで「ハサミ」のように「挟んで切る」ような感じにカッターを動かしてください。

 

持ち手のサイドのびらびらが削れたら、今度は持ち手の付け根の余計な布を切ります。

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

↑この部分です。布を削るときに、短く切り過ぎて、補強効果が無くならないように気を付けてください◎ この布は「補強」のためにしていますのですー。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

カッターで削っていきます。この持ち手の内側は「小さい」カッターの方が作業がやりやすいと思います。刃が大きいと、持ち手に当たっちゃって少し作業しづらかったです。
カッターは手前に引くように刃を動かしていきます。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

この時の注意点としましては布に対して「垂直」に刃を入れると布の断面も垂直に「バツン!」って感じの面となります。ですので、そうではなく、「布が薄くなっていくように斜めに刃を入れる」ようにしてください。端っこの1~2㎜幅分です。

なんでか??この後の作業で錆漆さびうるし(ペースト)で布を「埋めて」表面をきれいにしていくのですが、布の「切れ端」というのは結構、表面に「ぴょこっ」と出てきやすいのです。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法垂直に布が断ち切られていた場合は図の左のようになります。ペーストを付けて、それを研いでいる時に、布の「エッジ」が出てきやすくなります。
布を斜めに薄くなるように削った場合は図の右のように「布目」が表面に出づらくなります◎

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

布は僅かな厚みですが、それを斜めに薄くなるように削っていきます。「こんなに薄い布を”斜めに”なんて、ムリムリ!」って思いますよね。でも、やってみると「あ、なんだ、こういうことか◎ できちゃった」ってなりますよ。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

刃が入りづらい部分もなるべく「斜めカット」を心掛けます。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

できました!

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

余計な布を削り取ったので次の錆漆さびうるし(ペースト)作業に移りたいところですが、もうちょっとだけ事前作業をしておきます。

 

何をしておくのか?といいますと、軽く布の表面にペーパーをかけておきます。

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

空研ぎペーパー(紙ヤスリ)の#240~320くらいを用意してください。「空研ぎ用」がなかったら「耐水用」でも構いません。(空研ぎするときは「空研ぎ用」の方がペーパーの目詰まりがしづらいと思います)

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

麻布を研いでいきます。

 

取っ手の内側も満遍なく研いでいきます。「軽く」研いでください。「思いっきり」研いじゃダメです◎

これは何のための作業かといいますと、この後に付ける錆漆さびうるし(ペースト)の食いつきをよくするため(←これがメインです)と、布の表面を滑らかにするためです(時々、布目に”ダマ”のような箇所があったり、麦漆が厚盛りになってしまった個所などがあるので、それを平均化します)。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

↑こんな感じになるくらいで結構です。「軽く」です。研ぎ過ぎると布が薄くなってしまいます。そうすると布の強度が落ちて「補強効果」も弱くなりますので、ご注意ください。

布が麦漆むぎうるし(接着剤)で表面コーティングされていて、「テカっ」としています。これをペーパーで荒らして布地を出し、食いつきをよくするのです◎

 

こんな具合です。

  取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

研いだ粉が表面に残っていると、錆漆さびうるし(ペースト)の食いつきが悪くなるので(サラサラパウダー状の上に何か塗っても剥がれてしまいます)、布で拭き取ります。

布は軽く湿らせて使います。その方が粉が拭き取れます◎

 

持ち手の内側も拭き取ります。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法 できました!
…おー、やっと終わった。説明が長い~。でも、次の作業もこのページで書いちゃいます。よろしくどうぞ。

 

 

 

07 布着せ(二回目)


  道具  ②作業板 ▸作り方 ③練りベラ ▸作り方 ④付けベラ ▸作り方 〇先丸ヘラ(先っちょがカーブしているヘラ) ⑦マスキングテープ
  材料  ①水 ⑤生漆 ⑥小麦粉
▸ 道具・材料の値段/販売店 


 

今回は持ち手の「表側」に麻布を貼っていきます。やり方は一回目の布着せと同じです。

接着剤は何を使うの?かといいますと、いつも使っている麦漆むぎうるし(接着剤)です◎

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理のやり方麻布(目が細かいもの)」と「布を切るためのハサミ」を用意してください。

麻布は 1m×1m/¥2,000くらい(だったかな??)です。漆屋さんで購入できます。
目の細かい麻布は手に入りづらい(扱っているお店があまりない)ので、「綿布(ガーゼなど)」でもいいと思います。かなり布としての「強度」は落ちますが、それでも張った方が全然いいです。お値段、入手の容易さを考えると「ガーゼ」が程よい「落としどころ」かなーと思います。
※ 基本的には金継ぎ図書館は「最高級の直し」をやろう…ってことでは運営していません。多くの方がちょっと頑張ってできるくらいの「落としどころ」を見つけることが最重要課題だと考えています。ですので、道具・材料・工程など「いい案配」のものをご紹介していきます。

 

それでは布を貼るための接着剤を作ります。※使うのは「竹練りベラ(幅広のヘラ)」です。
 ▸ 麦漆むぎうるし(接着剤)の詳しい作り方

そう、漆と小麦粉で「接着剤」が出来ちゃいます。料理??

※ 麦漆むぎうるし(接着剤)の”消費期限”は2~3日くらいと考えてください。基本的に「使うときに作る」が原則です。保存があまり効かないので、「作り置き」は避けてください◎作った時が一番「乾き」がよく、時間が経つほど、どんどん乾きが悪くなってきます。

【 麦漆むぎうるし(接着剤)漆の作り方 】

【体積比/目分量】… 小麦粉 1:1 生漆  ※水は適量


  1. 小麦粉、水を出します
  2. 水を少しずつ足しつつ、練っていきます(ガムみたいに粘るまで)。※使うのは「竹練りベラ(幅広のヘラ)」です。
  3. 生漆を少しずつ足しつつ、練っていきます
  4. 完成です◎

 

【 麦漆むぎうるし(接着剤)の作り方動画 】

初めのうちは失敗しないように、小さな計量スプーンを使うといいです。
(ベストは1/4サイズです。けど、滅多に売っているお店がありませんー)

 

持ち手に貼る布を切っておきます。持ち手の幅を計っておいて、その幅よりも広めに布を切ります(今回は左右の糊代を2~3㎜にしておきました)。
「長さ」も長目に切っておきます。

ここで重要なのは布を「バイアスになるように切る」ということです。糸の織ってある方向に対して、「斜めに切る」ということです。せっかくの布に使わない「無駄な部分」が出てしまってもったいないのですが、ここはより良い仕上がりのために我慢してください◎

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

実際に持ち手に布を当ててみて、長さを決めます。鋏で切ってください。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

布は以下のようになっているかチェックしてください。

  • Aの箇所…持ち手の接着箇所ギリギリで布が終わらないように、余裕をもって長めにする。
  • Bの箇所…持ち手の幅よりも広め

これで布の準備ができました。

 

 

布を貼る場所にあらかじめ麦漆を薄く塗っておきます。今回の布貼りの手順としては、次の3ステップを考えています。

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理のやり方

  1. 素地に麦漆を薄く塗る
  2. 布を置いて、ヘラで上からしっかり押さえつつ、密着させる
  3. 布の上から、さらに麦漆を塗る

 つまり「布を麦漆で挟む」感じでしょうか。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

少量の麦漆をヘラの先に取ります。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

それを付けて…

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

延ばしていきます。
これを繰り返していきます。麦漆が足りなくなったら付け足して、延ばしていきます。

 

破片を接着した時のように「極薄」にする必要はありませんが、「やや薄目」に塗っていってください。厚塗りすると極端に乾きづらくなりますのでご注意です。

なるべく「均一の厚みで、薄く」です。

     取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

布を持ち手の内側に少し織り込んで貼るので、内側にも麦漆を付けていきます。

ヘラに取った少量の麦漆を、持ち手のエッジに擦りつけるようにして、切ります。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

その麦漆をヘラの面で延ばしていきます。

これを繰り返してください。

薄目、均一…です◎

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

「取っ手付け根」部分は普通の「平」のヘラだと麦漆を付けられないので、↑このような「先っちょがカーブ」したヘラを使います。
ぜひみなさんも作ってみてください。普通の「付けベラ」を作るのと同じ要領です。最後に先っちょを削ってカーブさせるだけです◎ ▸作り方

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

「ピタっ」と嵌まる形にする必要はありません。その隙間に入り込めばいいので、ちょい「小さめ」にしてください。

 

少量の麦漆をヘラで取って、急須の付け根に置きます。それを延ばしていきます。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

これで全部、塗り終わりました。「薄目」ですが、薄すぎないように気を付けてください。↑この画像くらいです。って言われてもよくわかないですよね~。「てんこ盛り」しなければ、大体、乾きますのでビビらずにやってくださいね◎
↑意外と漆作業の許容範囲は広いのです。と思っていると失敗する。けど、ビビらずに◎

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

 

私には「ヘラ」でこんな作業をやるテクニックはないの…(泣) という方、大丈夫です◎ 「筆」でやりましょう。簡単にできますよ。

↑”固めの毛(豚毛など)”の筆で塗ることもできます◎ 筆は100均で大丈夫です。3本組とか5本組のものでオッケー。
豚毛でしたら毛が硬いので、麦漆の粘りにも負けず「引っ張る」ことができます。この後おこなう「布を押える作業」もできます。
柔らかい毛質のものだとこれらの作業がやりづらいので、ご注意ください。使用後は他の筆と同じように「サラダ油」で洗って下さい◎

漆の塗りで使う平筆の洗い方▸ 平筆の洗い方

 

 

麦漆を「薄く、均一に」塗り終わったら、次に麻布を貼っていきます。

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

この麦漆を塗った上に麻布を「パサッ」と置きます。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

皆さんはゴム手袋をしてくださいね。素手で麦漆に触るとカブレる可能性が高くなりますので。

まずは布をパサッと置いて、それからヘラで位置をずらしてちょうどいいポジションにします。
ゴム手袋をした手でつまんで布を置いてもオッケーですし、もうちょっとカッコよく作業をしたいのでしたら、ヘラを使って布を置きます。

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理のやり方 ヘラの先にちょっとだけ麦漆つけ、置いてある布をその部分で引っ付けて持ち上げます。意外とこんなんで出来ちゃうものです◎

 

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

布を置きます。一応、持ち手の下の部分まで布が間違いなく届くか、確認します。
一回、取っ手に沿うように布を下まで軽く押さえていきます。それで布の位置を確認してください。ズレているようでしたら、ヘラで正しい位置にずらしていってください。

ポジションが決まったら、今度は布を「本押し」していきます。しっかりとヘラで押して、あらかじめ塗っておいた麦漆が浸み込むようにします。

しかりと布を押えていきます。この時、なるべく布を引っ張らないように注意してください。
それで、順番に布を押えている最中に、既に抑えたはずの部分の布が「ペロリ」と浮いてきてしまう場合があります(複雑な形状や、今回のようなきついカーブの形が場合)。
そういった場合は部分的に上から麦漆を付けてしまって、ある程度固定させてしまってください。

 

徐々にジョジョに、取っ手の下の部分へとヘラを移動し、布をしっかりと密着させていきます。
※ この「布押さえ作業」も硬い毛の筆で出来ます◎

 

布全体が間違いなく予定のポジションに密着していることが確認できたら、次は布の上から麦漆を塗っていきます。麦漆を塗った後に布のズレを修正しようとすると結構、面倒なので、この時点でしっかりとズレを直しておいてください。

 取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

麦漆を塗っていきます。少量ずつ布の上から麦漆を塗り込んでいきます。布の目が完全に埋まるように、ヘラはいろいろな方向から通してください。

 

持ち手の表側を塗り終えてしまいます。
塗り終わったら、今度は持ち手の両サイドです。

 

   取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

このサイドの「糊代」を折り込んでいきます。
まずは麦漆は付けずに、ヘラだけで折り込んで急須の素地に密着させたいところですが、角度が急なため、布がめくれ上がってきてしまいました。
ということで、ここは麦漆を付けつつ、折り込んでいきます。

 

ヘラで折りつつ、素地に密着させます。浮かないように要チェックです。

 

   取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

織り込んだ布は↑こんな感じで、重なります。
布を重ねないで、ピタッと隙間なく「一枚張り」ってやり方でもいいと思いますが、今回は「強度アップ」(布が重なった方が強度は上がります)とこの後の作業(ペースト付け)で布が見えなくなるので、重ねるやり方でいきます◎

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

密着させたはずの布がぺろりとめくれてしまうことがありますので、時々、チェックして、またヘラで押さえ付けます。
最初は布が上手く形に密着してくれていなくても、時間が経つと、布に麦漆が沁みて、柔らかくなってきます。そうすると案外、しっかりと形に沿って密着してくれます。粘り強く作業をしてください◎

 

ひたすら麻布を織り込んで密着させていきます。

 

反対サイドも同様に布を織り込んでいきます。

 

サイドが貼り終わったら最後、持ち手の付け根部分の作業をします。

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

同様に麦漆を布の上から付けます。

 

ヘラでしっかりと延ばしつつ、布の目に入れ込んでいきます。

 

  取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

ようやく作業完了です!!長かった~(苦)

最後に全体のチェックです。(←これ忘れずに!)

  • 浮いてきている箇所がないか?
  • 麦漆が付いていない箇所がないか?
  • 麦漆が厚くなり過ぎているかしょがないか?

などを確認しながら、いろいろな角度からみてください。

 

麦漆の「厚み」としては↑こんな感じになります。厚く付け過ぎないように気を付けてください。でも大体、何となく上手くいくものです◎

   取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

今回は長かった~。最近のページ作りは何か大変だはぁ(苦笑)

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理の方法

 

 

 

 

 

 

【 次の作業を見る 】

▸ page04 乞うご期待

 

 



 

金継ぎのやり方

 

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取っ手の壊れた急須の「布着せ」金継ぎ修理02/~布着せまで

 

”金継ぎスピリット”とは「モッタイナイ」や「侘び寂び」ではない
「自我を超えて他者へ繋がろう」とする渇望にも似たその志向性のことである

 

※ 「取っ手がバラバラに割れてしまった急須」の金継ぎ(金繕い)修理のやり方を説明していきます。本物の漆を使った修理方法ですのでかぶれる」可能性があります。ご注意ください。
※ 万が一、漆が肌に付いた場合はすぐに「油(サラダ油など)」でよく洗って下さい。 油?? そうです。「油」をつけ、ゴシゴシ漆を洗い落としてください。その後、その油を石けんや中性洗剤で洗い流してください。

今回は金継ぎ工程の内の〈接着剤の削り~布を貼り付ける〉までのやり方を解説していきます。

 

前回の作業を見る


▸ Page 01 /パーツの接着まで

 

size19  ファイツ!!

 

私、金継ぎ初めてなんですけど、どんな道具とか材料が必要なんですか?という方へ

↓ こちらのページを参考にしてください◎

▸ 本漆金継ぎで必要な道具と材料/そのお値段と買えるお店のご紹介

 

 

 

作業を始める前に…

 金継ぎでは「本物の漆」を使うので、直接、漆に触れると「カブレる」可能性が高くなります。「ディフェンシブ」に行きましょう。ゴム手袋は必需品です◎

 

 

前回は麦漆むぎうるし(接着剤)で壊れた急須の取っ手を接着したところで終了しました。
あれから、そう、2週間ほど経ちました。

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理のやり方

ついに完成!…していません!まだ、全然終わっていません。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理のやり方

麦漆でしっかりと取っ手がくっついたようです◎

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理のやり方

しっかりときれいなアーチに戻っています。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理のやり方

接着に使った麦漆がちょっとはみ出しています。これをこの後、刃物で削っていきます。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理のやり方

内側もちょいはみ出しです。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理のやり方

はい、全然完成していません。これからが長いのです。気を引き締めていきます◎

 

 

03 接着剤の削り


  道具  ①彫刻刀(平丸刀) ②彫刻刀(平刀) ③障子紙用丸刃カッター ④カッターナイフ(大)
▸ 道具と材料の値段/販売店


※ 今回は取っ手の内側の麦漆削りに「彫刻刀の丸刀」も使いました。

上記の道具のいずれか、もしくは複数が用意できると作業がやりやすくなります。

おススメは 【①と②の彫刻刀】ですが、「研ぐ」ことができないと、使い捨てになってしまいますので、現実的な初心者用の刃物チョイスとしては 【③と④のカッター】を用意してもらえたらと思います。

③ の障子用丸刃カッターはホームセンターの「障子貼りコーナー」にありました。刃先がRなので(丸味が付いている)、器の曲面部分、特に「器の内側」部分の削りにもある程度ですが、対応できます。

 

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理のやり方

はみ出した麦漆を削っていきます。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理のやり方

 彫刻刀の刃を器にペタリと付けて、はみ出しを削っていきます。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理のやり方

 削るときは刃を持っていない方の手(右利きの場合は左手)の親指を使います。親指は「横方向」に押し出します。「よこ」ですか?!はい、「横」です。刀を持っているの方の手は「軽く前方」に進めます。「軽く」です。
どちらかというと、補助しているように見える「親指」の方で削っていく感覚です。普通は刀の「持ち手」の方で、力を入れて「えいっ!」と削っていくイメージがありますよね。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理のやり方

↑の画像でいうと、補助している左手親指が「右方向のベクトル」、持ち手の右てが「左方向のベクトル」、それが合わさって「赤いベクトル」になります。
対象物に対して、ベクトルを細かく分けられるようになると、削りがさらに滑らかにいくようになります。「この2方向以外にどうやってベクトルが分けられるっていうの?」といいますと…分かりません(笑) だけど、これを探っていくというのは「工藝」のかなり重要なポイントなんです。
身体感覚を細かくして、削っている時の感覚を微細に感じてください。そうしたら、「あれ?何か、今、気持ちよく削れた…。何だろう??でも、どうやったか分からない(泣)しょうがない、もうちょっと探っていってみよう」ってことが起こるかもしれません。

こうゆう「微細な身体感覚を探る」ことこそが重要な「学び」です。だけど、小、中学校ではそんなお話、聞いたことがないですよね?僕も聞いたことがありません。「美大」ではそういったことが教えてもらえるの?いえ、「そういうお話し」はありません。
それじゃ、どうすればいいの?と言いますと、「そういったことに気が付いている”師匠”」を探し求めるしかありません。こちらが必死で探し求めた時にはじめて、「ん?何か分からないけど、この人?かな?」ってセンサーにヒットする可能性が出てくる。そういうものだと思います◎

 あっ、話が長い、金継ぎ図書館。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理のやり方

 取っ手の内側のはみ出しも削ります。この内側部分は彫刻刀の「丸刀」を使って削りました。彫刻刀の平刀では無理だったのですが、カッターナイフだったら「刃」が横についているので、削れるかもしれません◎

 

今回は、取っ手の部分に「欠け」がなく、接着の際に「隙間」もできていなかったので、次の「素地の研ぎ」の工程に進みます。
もし、「欠け」や「隙間」があったら刻苧漆こくそうるし(パテ)や錆漆さびうるし(ペースト)を充填し、それを削ってから次の工程に進んでください。

刻苧漆こくそうるし(パテ)を使う場合は ▸こちらのページへ
錆漆さびうるし(ペースト)を使う場合は ▸こちらのページへ

 

 

04 素地を研ぐ


  道具  ①リューターのダイヤモンドビット ▸ 作り方 ②ダイヤモンドやすり
▸ 道具・材料の値段/販売店


 今回は↑の②を使いました。「半丸」のヤスリです。片面は「平」で、もう片面は「丸」です。取っ手の内側をやするときに「丸」じゃないと、ヤスれませんのです。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理のやり方

ダイヤモンドヤスリで研いでいきます。この作業の目的は陶器の釉薬に「傷」をつけて(荒らして)布を貼る時の接着をよくするためです。

 

研ぐ前に、「どこまで研ぐのか=どこまで布を貼るのか」を決めて、鉛筆で目印を書いておきます(黄色いライン)。
その写真も撮ったと思うのですが、見当たらない…(泣) 最近、もろもろの「管理」に混乱が生じてくるようになってきました。館長の脳みそのキャパを超えているのかもしれません。

で、この時に気をつけなくちゃいけないことは(話、くどいですか?)

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理のやり方

↑こういうことです。
「パーツ同士を接着した箇所から余裕を持って広めに布を貼る」ってことです。接着箇所ギリギリで布補強を終わらせてしまうと、その補強効果が弱くなります。「それじゃ、どのくらい”余裕”を持てばいいの?」…そうですね、「よりけり」です。(おっ、逃げた)
今回は接着断面が広かったので、接着のみでも結構な接着強度が出ていると思うのです。さらに今回の急須のボディーは小さくて軽目なので、それほど「がっつり」と補強する必要はないと判断しました。
これが「取っ手が細い(=接着面が小さい)」とか、「支えなくちゃいけない重量が大きい」などの条件だった場合は、もうちょっと強度の出る補強を考えたいところです。

さらに気を付けたいのが、補強ヵ所が「どん臭い」見え方にならないようにする…ということです。(「どん臭く」見える…というのは、「自分の都合」しか考えていなくて、「対象物」が置かれているもろもろの要素との「関係性」が見えていないってことです。つまり相手への「想いやり」が足りていないってことかもしれませんね~)
布補強をした箇所は一回り「厚く」なりますし、「色」も他の周りとは変わります。どうしても「変化」が大きく見える…といことです。なので、どこならその「変化」が違和感なく収まるのか、もしくはもう一歩進められるのであれば、どこにその「変化」をもってくれば、それ自体が魅力的に見えるのか…を考慮します。(←これ、難易度高いですよね。ちょっと私にはそういったセンスがないから…という方でも、少し考えてみてください。そうするとこれまで使ってこなかった部分の「感覚」が少しずつ研がれていきますよ◎)

▸ 壊れた取っ手の直し方(細い取っ手のマグカップ)

この時の僕の「返答」は↑こんな感じでした。もちろん、これが「唯一の正解」ってわけじゃありません。いくつもの回答の仕方があると思います。

とはいえ、実際にやってみないと「見え方」なんて分かりません。なので、あまり考え過ぎずにやってみてください。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理のやり方

鉛筆で描いた内側をやすっていきます。この「付け根」部分は研ぎづらいです。やすりの「丸」の方を使って研いでいきます。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理のやり方

アーチの外側はやすりの「平面」の方で研いでいきます。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理のやり方

ヤスリの種類はいろいろありますが、やはり「ダイヤモンド」がいいです。ゴリゴリ研げます。「粗目」のものを選んでください。100均でも売っています。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理のやり方

アーチの内側はやすりの「丸面」の方で研ぎます。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理のやり方

取っ手の付け根はやすりがかけづらいので入念に。鉛筆で描いたラインからなるべくはみ出さないように気を付けてください。

研ぎ終わったら、研いだ細かい粉を堅絞りした布で拭き取ってください。

 

 

 

05 布着せ(一回目)


  道具  ②作業板 ▸作り方 ③練りベラ ▸作り方 ④付けベラ ▸作り方 〇先丸ヘラ(先っちょがカーブしているヘラ) ⑦マスキングテープ
  材料  ①水 ⑤生漆 ⑥小麦粉
▸ 道具・材料の値段/販売店 


 

この工程では修理部分に「麻布」を貼って補強します。接着剤は何を使うの?といいますと、いつも使っています麦漆むぎうるし(接着剤)です◎

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理のやり方今回はさらに↑の「麻布(目が細かいもの)」と「布を切るためのハサミ」を用意してください。

麻布は 1m×1m/¥2,000くらい(だったかな??)
漆屋さんで購入できます。

布は「麻」じゃないといけないのですか?「綿」じゃダメなんですか?ガーゼとかだったらドラッグストアでもすぐに手に入るし。
そうですね、「麻」の方が繊維一本一本が長いので、それで補強した方が頑丈です。「綿」は短い繊維が縒り集まっているので、糸自体が切れやすいのです。実際に漆で固めた麻布と綿布とを「折る」実験をしてみたことがあるのですが、結構、その耐久性に違いがありました。綿布の方が明らかに折れやすかったです。
とはいえ、薄くて目の細かい「麻布」を手に入れようとすると漆屋さんくらいしか僕は聴いたことがないので、ちょっと不便ですよね。価格も結構するし。なので、ご自分の器を直すのであれば「綿布(ガーゼなど)」も考えていいと思います。綿布であっても貼ると貼らないとでは大きな強度差が出ますので、ぜひぜひ「布着せ」をやてみてください◎

 

それでは布を貼るための接着剤を作ります。※使うのは「竹練りベラ(幅広のヘラ)」です。
 ▸ 麦漆むぎうるし(接着剤)の詳しい作り方

そう、漆と小麦粉で「接着剤」が出来ちゃいます。料理??

※ 麦漆むぎうるし(接着剤)の”消費期限”は2~3日くらいと考えてください。基本的に「使うときに作る」が原則です。保存があまり効かないので、「作り置き」は避けてください◎作った時が一番「乾き」がよく、時間が経つほど、どんどん乾きが悪くなってきます。

 

【 麦漆むぎうるし(接着剤)漆の作り方 】

【体積比/目分量】… 小麦粉 1:1 生漆  ※水は適量


  1. 小麦粉、水を出します
  2. 水を少しずつ足しつつ、練っていきます(ガムみたいに粘るまで)。※使うのは「竹練りベラ(幅広のヘラ)」です。
  3. 生漆を少しずつ足しつつ、練っていきます
  4. 完成です◎

 

【 麦漆むぎうるし(接着剤)の作り方動画 】

初めのうちは失敗しないように、小さな計量スプーンを使うといいです。
(ベストは1/4サイズです。けど、滅多に売っているお店がありませんー)

 

  取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理のやり方

布を貼る場所の大きさを計っておいて、その幅に合わせて布を切ります。ここで重要なのは布を「バイアスになるように切る」ということです。糸の織ってある方向に対して、「斜めに切る」ということです。せっかくの布に使わない「無駄な部分」が出てしまってもったいないのですが、ここはより良い仕上がりのために我慢してください◎

今回は「取っ手の幅」にジャストになるくらいの幅を取りました。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理のやり方

 ↑こんな感じに糸が通っている「帯」になります。何で「バイアス」にするの?かと言いますと、「斜め方向に糸が通っている」帯ですと、縦横に伸び縮みしやすいからです。三次曲面に貼る時、伸び縮みする方が、断然貼りやすくなります◎
それから今回は「陶器」に布を貼っているわけですが、漆芸の場合、多くは「木地」を使います。木というのは空気中の水分を吸ったり吐いたりするので、「動く」わけです。そうすると、木地が多少動いても、布の方がその「動き」を吸収できるべく状態にあった方が望ましいわけです。ご了解いただけましたでしょうか?
でも、今回は「陶器」ですから、これ、関係ないのですが。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理のやり方

それでは最初にアーチの内側に布を貼っていきましょう。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理のやり方

 まずは布を当てがって、「長さ」を決めます。長さに合わせて布を切ります。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理のやり方

ちょっと余裕を持った長さをとります。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理のやり方

布を貼る場所にあらかじめ麦漆を薄く塗っておきます。
内側の「取っ手付け根」部分は普通の「平」のヘラだと麦漆を付けられないので、↑このような「先っちょがカーブ」したヘラを使います。ぜひみなさんも作ってみてください。普通の「付けベラ」を作るのと同じ要領です。最後に先っちょを削ってカーブさせるだけです◎ ▸作り方

今回の布貼りの手順としては、次の3ステップを考えています。

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理のやり方

  1. 素地に麦漆を薄く塗る
  2. 布を置いて、ヘラで上からしっかり押さえつつ、密着させる
  3. 布の上から、さらに麦漆を塗る

 つまり「布を麦漆で挟む」感じでしょうか。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理のやり方

 鉛筆で目印を描いた内側=やすりで研いだ部分に塗っていきます。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理のやり方

 なるべく薄く、均一に塗っていきます。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理のやり方

「取っ手の付け根部分」は はみ出さないように気を付けてください。はみ出したら、ヘラでなるべく綺麗に麦漆をとってから、綿棒+エタノールで拭き取ってください。
それ以外の取っ手の部分(取っ手の表側)などに麦漆が付いてしまっても全く問題はありません。どのみち、そこには後日、布を貼りますので。ベッタリと付いてしまったら、さすがにそれはヘラで取ってくださいね◎

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理のやり方

内側に麦漆を塗り終わりました。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理のやり方

 こんな感じです。そんなに神経質にならなくても大丈夫です。案外うまくいきますよ◎

はーい、ハーイ!質問。 割れた破片をくっ付ける時には、麦漆を塗った後できたら「半乾きになるまで待った方がいい」って言ってましたけど、布を貼る場合も同じようにした方がいいのですか??

なるほど、ね。布の場合はすぐに貼っちゃってください◎ 乾きを待つ必要はありません。
破片の接着の場合には、パーツ同士をくっ付けるとその後、外気に触れないので乾きがすごく悪くなるのです。なので、あらかじめギリギリまで乾かしておいた方がいいのです。
布を貼る場合は空気に触れているので、布を貼った後も乾きはよいです。4~5日くらい乾きを待ちたいところですが。

 

あの、あのですね、あたし、「ヘラ」が苦手なんです。こんな複雑な形のところにヘラで塗るなんてできなそう…(涙)
という方、いらっしゃるかと思います。でも意外とできちゃうものですよ◎と言いつつ、そんな苦手意識を持っている方の救済方法です。

↑”固めの毛(豚毛など)”の筆で塗ることもできます◎ 筆は100均で大丈夫です。3本組とか5本組のものでオッケー。豚毛でしたら毛が硬いので、麦漆の粘りにも負けず「引っ張る」ことができます。この後おこなう「布を押える作業」もできます。
柔らかい毛質のものだとこれらの作業がやりづらいので、ご注意ください。使用後は他の筆と同じように「サラダ油」で洗って下さい◎

漆の塗りで使う平筆の洗い方▸ 平筆の洗い方

 

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理のやり方

 まずは布をパサッと置いて、それからヘラで位置をずらしてちょうどいいポジションにします。
ゴム手袋をしているようでしたら(ゴム手、してくださいね。漆、ナメちゃダメですよ◎)、指でつまんで布を置いてもオッケーですし、もうちょっとカッコよく作業をしたいのでしたら、ヘラを使って布を置きます。

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理のやり方 ヘラの先にちょっとだけ麦漆つけ、置いてある布をその部分で引っ付けて持ち上げます。意外とこんなんで出来ちゃうものです◎

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理のやり方

布のポジションが決まったら、ヘラで押えます。押さえて、麦漆の中に沈めるような感じというか、麦漆を布に浸み込ませていくというか。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理のやり方

 布の一か所を厳密にズレがないようにして、それから次の箇所に進む…のではなく、まずは布全体を軽く押さえてズレを修正します。それからしっかりと押さえていきます。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理のやり方

取っ手の付け根部分もしっかりと押さえます。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理のやり方

布の両端の「耳」の部分を押さえていきます。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理のやり方

押えて、麦漆に馴染ませて…です。この時、布がどうしても浮いてきちゃうんですけど(泣)…となってもあまり気にしないでください。この後の作業でしっかりと接着させていくので大丈夫です◎

ひとまず、布全部を押えました。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理のやり方

次に布の上から麦漆を塗っていきます。布を麦漆で挟んでしまう感じです。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理のやり方

このバイアスになった「布の目」 の中に確実に麦漆が入り込むように、いろいろな方向からヘラを通してください。どんどん麦漆を塗っていきます。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理のやり方

「耳」の部分もしっかりと上から麦漆を塗り込んでいきます。この時点ではもう、布が浮いていないようにしてください。基本的に布は水分(麦漆)が浸み込めば「ヘナヘナ」となってくれると思います。そうしたら、しっかりと素地に密着できるはずです。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理のやり方

取っ手の付け根ヵ所は「先丸ベラ」で麦漆を塗ります。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理のやり方

 できました!麦漆が厚くつき過ぎた所があったら、ヘラで余分な麦を取ってください。麦漆が薄すぎて「白っぽく(布の色が見えている)」なっている箇所があったら、そこには麦を塗り足してください。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理のやり方

 全体をチェックして、塗り残しなどがないか確かめます。麦漆は「厚過ぎず、薄過ぎず」です。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理のやり方

わかりづらいとは思いますが、↑こんな感じの「見え方」になるようにしてください。

 

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理のやり方

4~5日くらい乾きを待ってください。
漆風呂は入れても入れなくてもどちらでも大丈夫です。(勝手に乾くはずです◎)

 

 

【 次の作業を見る 】

▸ page03/布着せ2回目の作業

 

 



 

金継ぎのやり方

 

 

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