【ホントに”割れた”金継ぎできるかな?】古川まみさんのお茶碗~①ひびの入った器を割る!

 

 

 

 

 

 

【ホントに金継ぎできるかな?】シリーズとは

 

「動画」と「HPでの静止画像+文章」とを連動させることで、これまでどうしてもうまく伝えられなかった細部の動き、手順などをわかりやすく伝えようという企画です。

 

 

 

 

 

「ひび」の入った器の「特殊な例」

 

通常、「ひび」の入った器というのは、ひびの入った箇所に漆を浸み込ませ、その後、上から漆を塗り重ねて直します。

金継ぎのやり方で漆を塗っていく。

ひびの入った韓国カップの金継ぎ修理

 

この場合「直す」といっても、実はひびを「隠す」といった意味合いが強くなります。

ひびの修理では、その隙間に何度か漆を浸み込ませ、「ひび部分を漆で接着」させているのですが、僕の経験上、この「接着強度」というのはあまりないと考えています。

「普通」にひびが入っている器でしたら、ひびの隙間に入れた漆に接着強度がそれほどなくても困ったことにはならないのですが、もし、次のような症状が出ている場合は、他の対応策を考えなくてはならなくなります…

 

ひびの両側を指で持って動かしたとき、ほんの僅か動いたり…

 

 

 

同様に指で持って動かしたとき、微かに「みしみし」と音がしたりする場合です。

「え??そんなことってありえるの??」って思いますよね。
そうなんです。時たま、そういった症状が出ている場合があるのです。(動画を見てみてください。”動き”ますよ!)

そんな場合の修理方法をご提案します。

 

 

 

使う道具・材料

 

道具

① 細かい動きを見極める視力
② 繊細な聴力
③ 腕力
④ 軍手またはタオル

 

 

① ひびのチェック!

 

ひびの入った器を直す場合、「ひびのチェック」をおこないます。

ひびを挟んだ両側を持ち、ひび部分が動かないか?を試してみます。

 

動画

 

(⏱0:15~0:31が再生されます)

 

 

 

ひびの両側を指で持ち、「ズラす」ように動かしてみます。

「薄っすら」と「黒い筋」が見えるのがわかりますか??

 

それからひび部分を動かしたときに「みしみし…」と音がします。(画像じゃわかりませんよね~)

 

器の内側からもひび部分が動いているのが確認できます。

 

それで、「ひび部分が動く」場合、通常の「ひびの修理」を施してもその動きを完全に止めることが難しいため、日常使いしているうちに修理部分が「剥離」しやすいと私は考えています。

ということで…

 

器を割る!

 

はい!っということで、器を割ります。(なんと!)

 

動画

 

(⏱0:35~0:48が再生されます)

 

 

ひびの入った個所の両側をしっかりと掴みます。

割ったときに、割れた器の断面でケガをしないように「軍手」を着用してください。もしくは器をタオルなどで包んで、この作業をおこなってください。

 

 

力いっぱい左右に引っ張ります!

 

けど、割れません~(泣)

陶器を割るのには力が要ります。(比較的、簡単に割れる場合もあります◎)

「器を割る」…って、普段やらないことですし、なんか後ろめたいことやっている気がしてしまうので、多分、自然と力が入らないように意識のブレーキが利いてしまっているのだと思います。

なので、ここは思い切ってやるしかありません◎

はいー◎ 何とか割れました。
(割れた瞬間、ビビりました!)

(追記:2018-06-23)
これ、よくよく考えてみたら、「手で割った」から、割れが大きくなっちゃった可能性が大きいですよね(涙)

割る部分にタオルとか布を当てて、その上からペンチなどで「フンっ」て割ったら、もっと小さい割れになったのかもしれません。

済みません、依頼主さん~!
責任をもってしっかり綺麗に直します!!

 

 

 

  ご注意! Caution  !  


 

ひび部分の両側を持って指を動かしても、ひび部分が動かない、「みしみし…」という音も聞こえない場合は割らないでください

 

ここまで説明してきたような症状がない場合は、通常の「ひび修理」をしてください。(どうしても割りたい人は割ってもオッケーです◎)

 

ただの「ひび」だったはずが、「割れ」になっちゃいました。

ちょっと罪悪感を覚えますよね~。

ほら、でもこうやってぴったり嵌まるわけですし(当たり前ですね~)、悪いことしているわけじゃないので、頑張っていきましょう◎

鳩は大人の事情を分かっちゃくれないので、放っておきます。

無視無視◎

私の場合、ひびの症状が「グラグラと動くひび」の場合は割ってしまって「割れた器」として修理します。

「動くひび」の場合でも、通常の「ひびの入った器」として修理する金継ぎ師さんもいると思います。

 

「文化財修復」の現場では

・「現状を維持する」「それ以上、損傷が進まないように処置を施す」
・その物が作られた「当初」の姿に復帰させる

…の二択が多いと思います。

今回のように「ひび」の損傷を「割れ」の損傷にしてしまう、つまり「現状よりさらに壊してしまう」ということは通常、文化財修復の現場では行いません。

ただ、私が修理しているものは「人が使うもの」であり、「実用に耐えるための修理」を優先しているので、今回のような場合は「割る」という選択肢を選んでいます。

 

 

 

 

Pocket

【はじめての”欠けた”金継ぎできるかな?】~平皿 ②漆のパテを作る

 

【金継ぎできるかな?シリーズ】とは…

金継ぎを初めて知った人や、ちょっとだけ聞いたことがある人に見ていただきたいと思ってご用意した「超初心者用」の動画中心のコンテンツです。

「金継ぎってこんな感じの作業をするものなのですよ」という、実際の作業工程を掻い摘んでご紹介しています。

ほほう。手間がかかりそうだね。でも、それほど難しいことをしている訳じゃないんだね。私もやってみようかしら◎

と興味を持っていただけたら嬉しく思います。

 

※ 動画から「静止画像」を取ってきているので、画質が粗いですが、ご容赦ください。

 

 

 

 

 

 

 

このシリーズの見方

まず「動画全体」を流して見ていただき、作業全体の流れを何となくでいいので、把握してください。
その後、各作業工程の部分だけを「短く切り取った動画」をご用意しましたので、その動画を見ながら再度、作業をチェックし、下に書かれている解説を読んで、より深く理解していただけたらと思います。

 

 

 

〈前回の工程をCheck!〉

 

▸【できるかな①】
~器の素地を漆で固める~

 

 

 

 

 

全体動画

 

 

小さく【欠け】た平皿の修理です。Page02

欠けた箇所を埋めるための「パテ」を漆で作ります。
そう、漆でパテが作れちゃうのです◎

 

 

 

▫▫▫

使う道具・材料

 

 

道具

① サランラップ 
② 作業板  ▸作り方
③ 刻苧ベラ ▸作り方
④ 練りベラ ▸作り方
〇 計量スプーン

 

材料

⑤ 生漆 
⑥ 小麦粉 
⑦ 木粉   ▸作り方
⑧ 水

▸ 道具・材料の値段と販売店

 

※ゴム手袋(作業時は着用してください。カブレることがあります。ゴム手袋をしてもカブレる人もいます。はい)

 

 

 

▫▫▫▫

作業工程

小麦粉に混ぜる生漆の割合によって、パテの乾き方や接着強度が変わってきます。
ですので、↓の割合を目安にしてください。

 
麦漆(接着剤)

小麦粉:生漆 = 1:1

※ 目分量の体積比

 

 

作業の流れとしては

Step01: 小麦粉を水練りする
Step02: 生漆を加えて練る
Step03: 木粉を加える

です。

 

 

【Step01】 小麦粉を水練りする▫▫

 

(0:15~0:39)※←この秒数のところだけ再生されます

 

(⏱0:15~0:39が再生されます)

 

 

 

スプーン摺り切り一杯の小麦粉を出します。

 

 

 

 

 

次に水を出します。
小麦粉から少し離した所に出します。水が多すぎた場合やりお直すのが面倒なので、直接、小麦粉に水をかけないようにします。

 

 

ヘラでちょっとずつ小麦粉に水を加えていきます。

一気に水を加え過ぎないよにしてください。

 

 

よく練ります。
目指すは「耳たぶ~噛んだ後のガム」くらいの硬さです。

 

 

できました◎

 

 

 

 

 

【Step02】水練り小麦粉に生漆を加える▫▫

 

(0:40~1:17)

(⏱0:40~1:17が再生されます)

 

先ほど水練りをした小麦粉に生漆を加えていきます。

 

 

 

 

小麦粉と等量(1:1)の生漆を作業板に出します。

「目分量」でもいいのですが、意外と目分量って難しいのです。あまり生漆の比率が変わると、すごく乾きづらくなったり、接着力が弱まったりと、トラブルが起きやすくなります。

なので、できたら「目安」にできるもの(計量スプーンなど)を使うと、ミスが少なくて済みます◎

 

 

水練り↓小麦粉にちょっとずつ生漆を混ぜていきます。

 

 

しっかりと生漆と小麦粉とを練り合わせます。

最初、なかなか混ざり合ってくれませんが、地道にやっているとだんだんと混ざり合っていきます。

 

 

やがてこのようになります。

慣れてきたら、1~2分でこのような状態になります◎

 

 

▫▫
※ ただいま作ったものが「漆の接着剤」で、これを「麦漆/むぎうるし」と呼びます。
そう、漆と小麦粉を混ぜると強力な接着剤ができてしまうのです!驚きですね~◎

 

 

 

 

【Step03】木粉を加える▫▫

 

(1:22~2:11)

 

(⏱1:22~2:11が再生されます)

 

先ほどのStepで作った「小麦粉+生漆」(=麦漆)に「木粉もっぷん」を練り込んでいきます。

木の種類は何でもオッケーです◎
ホームセンターで買った角材や、家にたまたまあった木などを鋸や糸鋸で切って、木粉を集めてください。

 

 

 

 

木粉をひとまず、「生漆+小麦粉」の隣に出します。

 

 

ちょっとずつ木粉を混ぜていきます。

 

 

木粉はちょっとずつ足していってください。

目指す「漆パテ」の硬さは「固めの団子」というところでしょうか。
指に引っ付くか、引っ付かないか…くらいのギリギリの感じです。伝わりますか??

↑画像の状態ではまだ「柔らか過ぎ」ます。
もうちょっと。

 

 

さらに木粉を足していきます。

 

 

↑こんな感じで出来上がりです。

ヘラに「くっつくか、くっつかないか」くらいの粘度になるまで木粉を加えます。
「べちゃっ」とヘラにくっつくようだと木粉が足りていません。

※ 木粉の「込み」が足りていないとパテの乾きがすごく遅くなります(中の方が乾かなくなります)。特に初心者さんが失敗する原因に「木粉不足」が挙げられます。
ご注意、ご注意◎

※ 作った漆パテは「日持ち」がしません。その時に使い切ってください◎

 

 

 
【ご注意!】

※ 漆作業をする際は必ず「ゴム手袋」をしてください。



▫▫▫▫▫▫▫▫▫▫▫▫▫▫▫▫
【金継ぎできるかな?】シリーズ
ノッポさんとゴン太君が遺した「できるよDNA」を現代に引き継ぐ金継ぎハウツーコンテンツです。
▫▫▫▫▫▫▫▫▫▫▫▫▫▫▫▫


 

 

size19

 

 

Pocket

【はじめての”欠けた”金継ぎできるかな?】~平皿 ①素地に漆を塗る

 

 

【金継ぎできるかな?シリーズ】とは…

金継ぎを初めて知った人や、ちょっとだけ聞いたことがある人に見ていただきたいと思ってご用意した「超初心者用」の動画中心のコンテンツです。

「金継ぎってこんな感じの作業をするものなのですよ」という、実際の作業工程を掻い摘んでご紹介しています。

ほほう。手間がかかりそうだね。でも、それほど難しいことをしている訳じゃないんだね。
私もやってみようかしら◎

と興味を持っていただけたら嬉しく思います。

 

※ 動画から「静止画像」を取ってきているので、画質が粗いですが、ご容赦ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このシリーズの見方

 

まず「動画全体」を流して見ていただき、作業全体の流れを何となくでいいので、把握してください。
その後、各作業工程の部分だけを「短く切り取った動画」をご用意しましたので、その動画を見ながら再度、作業をチェックし、下に書かれている解説を読んで、より深く理解していただけたらと思います。

 

 

 

 

全体の動画

 

Page01…小さく【欠け】た平皿の修理です。
欠けた箇所に漆を薄く塗ります。

 

 

 

▫▫▫

《使う道具・材料》

 

 

道具

③ 小筆
⑤ 練りべら(大き目のヘラ)  ▸作り方
⑥ 作業板(ガラス板)     ▸作り方

 

材料

① テレピン
② ティッシュ
④ 生漆
⑦ サラダ油

▸ 道具・材料の値段/販売店

 

※ この作業で使う「小筆」は安価な筆にしてください。陶器の断面に擦り付けるので、毛先が痛みやすいのです。蒔絵筆だとモッタイナイです。

※ 作業時はゴム手袋を着用してください。カブレることがあります。ゴム手袋をしてもカブレる人もいます。はい。

 

 

 

 

▫▫▫▫

《作業工程》

 

【Step00】 筆の準備▫▫

 

筆を使い始める前にテレピンを使って、筆に含まれている油分を洗い出します。

↓こちらの動画を参考にしてください。
https://www.youtube.com/watch?v=tneeNWJp2vg

 

 

 

 

 

 

 

【Step01】 材料の準備▫▫

(0:05~0:42)※この秒数のところだけ再生されます

 


(⏱0:05~0:42が再生されます)

 

少量の生漆とテレピンをヘラで混ぜ合わせます。

素地の固め

生漆 10:2~3 テレピン

※ 体積比(目分量)

 

 

 

 

作業盤の上に生漆とテレピンを出して

 

 

ヘラでよく混ぜます。

 

 

 

 

【Step02】 漆を塗る▫▫

(0:43~1:15)

 

(⏱0:43~1:15が再生されます)

 

 

小筆に漆を含ませ、

 

 

欠けた箇所に塗っていきます。

 

 

キワまでしっかりと漆を塗ります。

 

 

 

 

 

 

【Step03】 拭き取る▫▫

(1:21~)

 

(⏱1:21~が再生されます)

 

 

折り畳んだティシュを修理箇所に当て、

 

 

余分な漆を吸い取ります。

 

漆は「薄っすら」と残っていればいいので、ティッシュを何度も押し当て、漆を吸い取ります。
押し当てるたびにティッシュの面を変えます。

 

 

こんな感じに拭き取れたらオッケーです。

 

 

 

 

【Step04】 湿した室に入れる▫▫

 

むろ(湿度75%~、温度25度~が最適)に 2,3時間~1日程度、入れて乾かしたら(半乾きでオッケー)、次の作業に進みます。

 

 

 

【Step05】 筆の後片付け▫▫

 

筆を使い終わったら洗います。

↓こちらの動画を参考にしてください。
https://www.youtube.com/watch?v=P_GVSgs1RvE




 
【ご注意!】

漆作業をする際は必ず「ゴム手袋」をしてください。

 

 

〈次の工程へGo!〉

 

▸ 【できるかな②】
~漆パテを作る~

 

 

 


▫▫▫▫▫▫▫▫
【金継ぎできるかな?】シリーズ
ノッポさんとゴン太君が遺した「できるよDNA」を現代に引き継ぐ金継ぎハウツーコンテンツです。


size19

 

 

Pocket

蒔絵教室レポート16日目①/金継ぎに関するメモ

 

↑鳥の正面が描けない…
これ、鳩ですよ◎ はい

 

 

※ 鳩屋が蒔絵の技術を習いに蒔絵師さんのところに通い始めました。
そこで習ったことをひとまず備忘録的な感じでまとめ、その情報を多くの方とシェアしよう…というがこのシリーズです。
後日、「初心者でもできちゃう蒔絵シリーズ」のようなコンテンツに落とし込みたいと思っています◎(シクヨロです)

※作業工程や説明が間違っていたら、後日、師匠や同門の生徒さんからツッコミが入ると思います。 そうしたら訂正してきます。

 

 

 

かめばかむほど蒔絵の奥深さよ

 

金継ぎ図書館は現在、「漆工房 皎月こうげつ」の↑かめ師匠のところで修行中です◎
かめ師匠は蒔絵の本場・石川県の輪島で修行された方です。

 

 

 

漆工房皎月は東京の「駒込」「練馬」「青梅市」金継ぎ教室も開催しています。
輪島で蒔絵の修行をされたかめ師匠(男性)と、東京藝大出身の福田さん(女性)の二人体制で丁寧に教えてくれます。至れり尽くせり!
都内で金継ぎ教室をお探しの方、金継ぎ図書館が100%の自信をもっておススメします◎(はっきり言って、最強の金継ぎ教室だと思います。)

詳しくは皎月さんのHPでチェックしてください。
▸ 漆工房 皎月Facebookページ

 

 

 

※ 最近やたらと更新が遅くなってきている(挫けてきている)ので、今まで以上に「超・簡易的ひとまずメモ」にしていこうかと考えています。
ページ制作に手間を掛け過ぎて、更新頻度が下がるより、ひとまず粗削りでも情報発信しておいた方が、みなさんの役に立ちますよね。
「情報を開示しない」ことが一番よろしくない!ということで、よろしくお願いします◎

 

 

金継ぎメモ① 蒔絵した後の手順


金継ぎで最後の工程「蒔絵」をした際、その後、どのくらい乾かせばいいのか?など、かめ先生に聞きました。

 

① 蒔絵粉(金粉、銀粉など)を蒔いたら…

② 直ぐに「湿しの強い」風呂に入れる(なるべく早く)

  • 最初に強い湿度を与えると、漆が活性化し、乾きがよくなる。キュッと塗膜の締まりがよくなる。
  • 最初にゆっくり乾かすと(つまり湿度が低かったり、温度が低い場所に置くと)、その後、好条件の場所(高湿度・高温度)に置いても、乾きがゆっくりになる。なかなか塗膜が締まらない。

2,3日湿しの強い風呂に入れておいたら安心。しっかりと乾きの良い漆を使っていたら1日で大丈夫

③ 生漆で粉を固める

  • しっかりとティッシュで押さえて、余分な漆を拭き取る(ティッシュ・オフ)。拭き取りが甘いと(漆が多く残っていると)粉が「こげ茶色」になり、その後、磨きでの修正が大変だし、粉の発色があまりきれいにいかなくなる。
    ※ 初心者さんはこの「拭き取り作業」が甘いことがすごく多いのでご注意ください。「せっかく漆を塗ったのに、ティッシュで拭き取っちゃうなんてモッタイナイ~。っていうか、拭き取っちゃったら意味ないじゃん!ええい、ちょっとだけ拭き残しておこう◎」…としちゃダメです。それが失敗の元なのですー。
  • 丸粉2,3号なら固め作業は1,2回
    丸粉8号あたりなら固め作業を2,3回繰り返す
  • 2回目、3回目の固め作業は翌日やって大丈夫

④ 1~2週間乾かすしっかり乾かす

⑤ 磨きの工程に入る

 

蒔絵粉がしっかりと固着していないと、磨き作業で粉が取れやすくなる。

 

 

 

 

金継ぎメモ② 綿蒔きの「引っ張り」について


僕自身、器のエッジ部分に真綿で金粉を蒔く際に、蒔絵を「引っ掻いちゃったり」「引っ張っちゃったり」することがあるので、その点について質問した回答です。

 

↑こういった「エッジ部分」です。皆さん、上手くいってますか??

 

 

かめ先生:「確かにエッジ部分は、真綿で引っ張りやすい」「平面部分の方が簡単」

…だそうです。

それで、一応、注意点としては
「地塗りの漆が厚いと引っ張りやすい。薄塗りができていれば引っ張りづらい」
そうです。

粉を蒔く前の「漆の塗り厚」が重要なのですね~◎

 

 

 

金継ぎメモ③ 綿蒔きの注意点


 

綿で蒔絵粉を蒔く

「蒔きっ放し」だと、実は「余分な粉」が蒔いた箇所の上に残っている。のっかっている状態なわけです。

次第に漆が吸い上がってきて、その「余分な粉」も定着してしまう。

柚子肌」のようになりやすい…のかもしれない。というのがかめ先生の考察です。
ナルホド、確かに◎

柚子肌…って、柚子の皮ようなイボイボしたテクスチャーの肌のことです。

 

【対処方】
ということで、

↑このように、蒔いた後、しっかりと蒔絵粉を払った綿で、しっかりと蒔いた箇所の上を「撫でつけて」あげて、余計な粉を取り除く
とのことです。

だけど、この時、撫で付けすぎて粉を引っ張ったり、引っ掻いちゃったりするんですよね~。難しいですね~。

 

 

 

蒔絵の修行中です~

 

 

 

Pocket

蒔絵粉の種類とその特徴・使い方

 

 

覚えられない…

金継ぎでは最後の工程で「蒔絵」と呼ばれる「金粉などを表面に蒔く」作業を行います。この作業を行うから「いかにも金を溶かして修理したよう」に見えるわけです。

蒔絵の作業では「蒔絵粉」と呼ばれる専用の粉粒を使います。
それで、蒔絵粉にはいろいろな種類がありまして、どうもその違いが覚えづらいのです。
だって、全部ただの「粉」ですから、頭の中でごちゃ混ぜになってしまうのです。

はっきり言って私は未だにちゃんと覚えられていません。

ですので、皆さんにご説明するこの機会に一緒に覚えちゃいましょ◎

 

 

蒔絵粉の種類


 

蒔絵で使われる蒔絵粉の種類はだいたい以下の5種類です。

この中で、特に金継ぎでよく使われるのが…消し粉」「平極粉(平粉)」「丸粉です。
※ 「平極粉」と「平目粉」は違うものなのですが、ネーミングが被っているので、すごく混乱します!

 

【蒔絵粉の種類によってこんなに厚みが違うのね】

↑粉の厚み比較図を作ってみました。(2018-03-05)
こう見ると「消し粉」はほんとに薄いですね。

 

 

 

 

蒔絵粉の仕上がりの色味としては、「粗いもの(大きいもの)」ほど「金属的な光沢」になり、「細かいもの」程その光沢は「鈍く(白っぽく)」なります。

 

ワンポイント!

金継ぎで使う場合の「消し粉」「平極粉(平粉)」「丸粉」の作業工程を簡単にまとめておきます。

【消し粉】(一番細かい)
極薄に絵漆を塗る→青息で蒔く→お終い
(漆摺りしない。磨かない。蒔きっ放し)

【平極粉】(少し厚みのある微粉)
極薄に絵漆を塗る→青息で蒔く→漆摺り2回→引砥磨き

【丸粉】(厚みのある球体)
薄く絵漆を塗る→直ぐに蒔く→漆摺り→炭研ぎ→引砥磨き→漆摺り→角粉磨き

消し粉(簡単)→平粉(そこそこ簡単)→丸粉(手間がかかる)

 

 

金粉屋さん


金粉の値段はちょこちょこ値上がりしています。(漆も毎年着実に高くなっています(涙))

今後、「お友達・知り合いの器も直してあげたい」「趣味が高じて、ちょっとした小遣いビジネスになったらいいわね…ウフフ」と考えている方は早めに購入しておいた方がいいと思います◎

WEBショップがしっかりしている金粉屋さん

【浅野商店】(東京)
1gでも購入できます◎
【吉井商店】(金沢)
2gから(かな?)購入できます。値段の確認、購入には会員登録が必要です。

 

※ 2018-03-13現在 金粉1g入りの価格は¥10,000くらいです。(高いっすね!)

※ 金粉は昔からの慣例として「1匁もんめ(=3.75g)」で量り売りしてきたので、1gの小分けで買うと「割高」になります。

※ 金粉1gで何個くらいの器が修理できるのですか?…というと、かなりアバウトな答えになりますが「20個くらいは余裕」でイケます。(小さめの欠け、ちょっとした割れ…を直した場合)

 

 

 

【消し粉】


↑ゴマ塩のような「金消し粉」が描いてあります…

【消し粉の特徴】

  • 金箔を細かく擦り潰して、パウダー状にしたもの(蒔絵粉のなかで最も細かいもの)
  • 厚さ約0.3μ、横方向は平均3μ程度
  • 基本的には研がない、磨かないで、蒔きっ放しで使う
    ※ 会津では擦りを重ねて磨く手法がある(磨き蒔絵)
  • 作業工程に手間が掛からず、少量で広い面積に散布できるので、安価な漆器の加飾に用いられる事が多い
  • 粉に厚みがないので、他の粉と比べると摩耗して下地が出てきやすい
  • 蒔絵の中では一番簡単◎

※ 1mm=1000μm、1μm=0.001mm ←こんなの覚えられない!

 

 

【金継ぎで使う場合の作業工程】

1.延べた絵漆(少量の溶剤を加えて緩めた弁柄漆)を「極薄に」塗る。

 

2.湿し風呂に入れ、15分後くらいに青息がかかる程度に半乾きにする。

 

3.真綿に消し粉を付けて漆描きしたところに擦りつけ、湿し風呂で乾かす。

乾いたらお終いです◎

 

※ 漆で粉を固めたり、磨いたりしません。蒔きっ放し。

 

 

【平極粉】(平粉、延粉←旧名)


【平極粉の特徴】

  • 5~6μの微粉
  • 消し粉よりも厚みのある平らな微粉
  • 平蒔絵に使う(つまり金継ぎで使える)
  • 漆を擦り重ねてから表面を磨く。研ぎ出しはしない
  • 丸粉を使う蒔絵より簡単

※ 1mm=1000μm、1μm=0.001mm

 

 

【金継ぎで使う場合の作業工程】

1.延べた絵漆を「極薄に」塗る。

 

2.湿し風呂に入れ、15分後くらいに青息がかかる程度に半乾きにする。

 

3.真綿に平極粉を付けて漆描きしたところに擦りつけ、湿し風呂で乾かす。

 

4.筆を使って延べ漆(少量の溶剤を加えて緩めた生漆)を塗布し、念入りに拭き切ってから、湿し風呂で乾かす。

 

5.さらに上から生摺りきずり(生漆のまま、溶剤を加えずに擦り漆をすること)をし、よく拭き切り、湿し風呂で乾かす。

 

6.「引砥磨き※1」をほどこし、

仕上とする。

 

※ 漆を擦り重ねてから研磨剤で表面を磨きます。

※1引砥磨き…
ごく少量の油(サラダ油など)を指先に付け、それを蒔絵の上に撫でるようにこすりつけ、その上を「引砥の粉」を付けた指先で磨くこと。最後に粉の付いた指先で拭き擦るように油分を取り除く。

引砥の粉…
仕上げ砥石を刃物で引っ掻いて作った微粉。
「鳴滝砥の粉」(箕輪漆工:500g/¥864- 2018年現在)や「胴摺り粉(白色/中目)」(箕輪漆工:180g/¥3,240- 2018年現在)、「サンジェットP555コンパウンド(極細目)ペースト状」(箕輪漆工:300g/¥1,296- 2018年現在)でも代用可能です。

 

 

【丸粉】


【丸粉の特徴】

  • 球体
  • 研ぎ出したり、磨いたりできる
  • いろいろな大きさの粒があり、号数で分かれている。
    1号(直径約6μ)~17号(300μ=0.3㎜)

※ 1mm=1000μm、1μm=0.001mm
※ 1号 =6μ / 2号= 8μ / 3号= 10μ / 4号= 12μ / 5号=15μ / 6号 0.018mm / 7号 0.02mm / 8号 0.025mm / 9号 0.03mm / 10号 0.035mm/ 11号 0.04mm / 12号 0.045mm / 13号 0.06mm / 14号 0.07mm / 15号 0.1mm
(※実際のサイズは±10%前後の誤差が出ます)

 

 

【金継ぎで使う場合の作業工程】

 

1.柔らかめの(筆目がつかない程度)の絵漆を「薄く」塗る。

 

2.毛房または真綿を使い、直ちに粉を蒔きつける。粉は絵漆の中に浸み込むだけ十分に蒔き込む。その後、湿し風呂に入れて乾かす。

 

3.筆を使って延べ漆(少量の溶剤を加えて緩めた生漆)を塗布し、念入りに拭き切ってから、湿し風呂で乾かす 

 

4.「椿針炭」で粉の上を均すように研ぐ。

その後、引砥磨きをおこなう。

上から生摺りきずり(生漆のまま、溶剤を加えずに擦り漆をすること)をし、よく拭き切り、湿し風呂で乾かす

 

5.「引砥磨き」+「生摺り」(→そして乾かす)を数回繰り返す。

 

6.最後に引砥の代わりに「角粉※2」で磨き上げる。

 

※ 蒔絵粉に「厚み」があるので(漆専用の)炭や目の細かい砥石(クリスタルの#1500、#2000あたり)で研ぐことができ、「きれいな平滑面」が作れる。

※2角粉…
鹿の角を焼いて、砕いて粉末にしたもの。
角粉の代わりに「三和磨粉 クリーム色(極細目)」(箕輪漆工:180g/¥3,888- 2018年現在)、「サンジェット676コンパウンド(超微粒子)ノンシリコン、液体(箕輪漆工:450ml/¥1,836- 2018年現在)でも代用できます。

 

 

 

※ 以下の蒔絵粉は金継ぎではあまり使われることがありません。

  【平目粉】


【平目粉の特徴】

  • 小判型
  • 梨地粉よりも厚く、艶がある
  • 研ぎ出して使う
  • 1号(細)~13号(粗)、直径約60μ~3㎜

 

 

 

【梨地粉】


【梨地粉の特徴】

  • 漆の中に沈めて使う
  • 平目粉よりさらに薄い(厚さ2~3μ)、周囲がギザギザしている
  • 1号(細)~13号(粗)、直径約60μ~0.7mm

 

 

 

 

 

個人的なちょいメモ


 

消し粉蒔絵(消し粉絵)

模様を漆描きし、その乾燥の度合いを測って消し粉を真綿で蒔き付け、蒔き締めして、金色の模様をあらわす手法。

消し粉は非常に細かいため、早蒔きするをすると金粉の使用量も多くなり、発色も悪くなるし、乾き過ぎて蒔けば金粉が付着しなくなる。漆の乾きかげんを見分けるのが消し粉蒔絵のコツである。

 

磨き蒔絵(磨き絵)
平蒔絵の場合も、高蒔絵の場合も、消し粉をいくらか早目に蒔き付けて、よく乾かした後、数回擦り漆をして乾かし、鹿の皮などで磨いたもので、金色の光沢がよいうえ強靭である。

p111 日本漆工 会津漆器 No.389

 

Pocket

金継ぎの「蒔絵粉を蒔くタイミング」がわからない!

 

む、むずかしい…

 

【お詫び】
※ まだまだ僕自身の蒔絵についての知識・技術・経験が足りていないので、十分に役立つ情報がみなさんにお伝えできていません。(済みません~(涙))

これからも、かめ師匠のもと実践を積んでいきますので、また何か気づきがあったら(もしくは間違った記述があったら)、書き足していきますので引き続きよろしくお願いします。

 

 

蒔絵のタイミング


金継ぎの最後の工程で、金粉などを蒔く「蒔絵」をほどこすわけですが、この時の「粉を蒔くタイミング」が全然わからなくて困っている人が多いと思います。
どうでしょう?みなさんは大丈夫ですか??
僕は困っています◎

市販されている金継ぎ本を一生懸命読んでも、なかなかコツを掴むのが難しいですよね。(静止画像ではかなり説明しづらいところなのでしょうがないと思いますが)

例えば…

 

室温約20℃、湿度80~90%の場合、約20~30分で、金を蒔くタイミングとなります。

使用粉:消し粉
「金継ぎ一年生」/山中俊彦さん p26

漆の反応をみてタイミングを計るのですが、表面がうっすらと全体に曇り、周辺からさっとその曇りが取れてきたら、蒔き時です。

同上 p16

通常、塗り立ての漆に塗面に息をハァ~っと吹きかけても無反応です。15~30分ほど(湿した漆風呂で)乾かすと、塗面が(油っぽく)虹色に反応するようになります。それが「青息」です。反応するのは息を吐いたほんの一瞬。青息がくれば、蒔いてOKのサインです。
逆に、青息を通りこして窓ガラスが曇るように白く曇ると、乾きすぎです。乾いてしまうと、金粉はいくら蒔いても付着しません。

使用粉:平極粉
「おおらか金継ぎ」/堀道広さん p60

↑お二人とも表現が的確で分かりやすい!すごいですね~◎

分かり易いのですが、それでもやっぱり実際に自分がやろうとすると、「青息」のタイミングが掴めない…ってことになると思うのです。
知識として「知っている」のと、実際にそれが「実行できる」のとではやっぱり違いますよね。

いくら漆に息を吐きかけても、「これが本当に”青息”なのかどうか不安…」とか、「”虹色”なんてならないじゃない!」ってことになりかねないのです。

 

追記:【それぞれの漆によって乾く速さが違う!!】

追記日:2018-02-25

みなさんお持ちの漆それぞれで、個別に乾くスピードが違います

漆自体の採れた季節、採れた場所(地域、山の中のどの場所で採れたか…)によっても乾きのスピードが違ってきます。(ナント!)
漆も「樹液」という自然物ですので、個別性があるのです◎
※ リンゴだって同じ品種、同じ産地、同じ農家のものでも、一個一個、甘みや酸味、歯ごたえが違いますよね~。

それから漆の古さ(採取されてからどれくらい時間が経っているか)、漆の保管状態(30度以上になる高温の場所や日光の当たる場所に置くと乾きが悪くなってきます)などによっても、乾きの良さが変わってきます。

さらには塗った時の「気圧」によっても乾き方が変わる気がする…といっていた凄腕の職人さんもいました。(hPaですか~!)

ですので、それぞれの金継ぎ本に載っている情報は「大雑把な目安」にはなりますが、一概に「~の温湿度の状態に置けば、何分で青息がきます」とは言い切れない…というのが実情なのです。

 

それじゃどうしたらいいの??かといいますと…

「”自分が持っている漆”の”いまの乾くスピード”を把握する」のが一番いいと思います。
実際に使う前にプレパラートなどに(クリアファイルなどでもオッケー)、使いたい漆をちょこんと付けて、湿し風呂に入れ、自分の持っている漆の乾くスピードを計ってみます。
(この時、きちんと温度・湿度も記録しておいてください)

 

素黒目漆から金継ぎで使う色漆を作るやり方面倒ではありますが、例えばタイマーをセットして15分置きに湿し風呂から出して、乾き具合をチェックし、記録します。

※ 高温湿度の場合は(夏場などは高湿度になりやすい)、10分おきにチェックするとか、低温湿度の場合は(冬場など)は15~20分おきにチェックするとかしてみてください。

 

例—

【2018-02-20:快晴/ 風呂の状態:温度18度、湿度67%】
14:20~スタート

30分経過/少し息がかかったような気がする(でもよくわからない)
45分経過/青息がきた気がする(でもよくわからない)
60分経過/さっきよりも息がかかる時間が長い(ゆっくりと息が引いていく)
75分経過/息がかかるとしっかりと白くなる

このようなデーターが採れたとすると、おそらくその漆の現在の「青息タイムゾーン」は「温度18度、湿度67%において、40~50分あたり」ということになります。

それでまた別日(例えば2月25日)に作業を行う際は、前回、データーを採ってからそれほど時間が経っていないので、そのデーターを参考にします。

今度は
【2018-02-25:雪/ 風呂の状態:温度15度、湿度72%】
09:00~スタート

…だとします。今回は天候が「雪」、しかも朝9時からの作業なので、風呂の温度が低い。湿度は前回よりちょっと高いですが。
そうなると、データーの「温度18度、湿度67%において、40~50分あたり」を参考にすると、「今日は温度が低いので50~60分あたりが青息がくる頃かしら?」となんとなくの予想ができるわけです。

 

それから湿度計についてですが、その「数値」ははあまり当てになりません◎

あら、話がながくなっちゃった…。すみません。

 

 

 

 

なぜに「青息」??


 

そもそも何で「”青息”がかかるときに蒔け!」といわれるのかといいますと…

(↗色の濃いところが「乾き始めてきた」ことを表現しています◎)

「青息がかかる」状態というのは「漆(の表層)が乾き始めてきた!」という合図なのです。

 

ちなみに「青息」というのは

↑こんな感じに、息を吐きかけた「一瞬だけ」塗膜表面に「虹(rainbow)」のような表情が浮かびます。
ほんの一瞬です。さっと虹がかかって、さっと引いて、跡形も残りません。

 

 

漆の表層がが少し乾き始めてきたこのタイミングに蒔絵粉を蒔けば…

 

漆が少し「固く」なり始めていますので、蒔絵粉が漆の中に沈みづらくなります。(沈むのが遅くなります)

そして、漆がどんどん硬化していき、蒔絵粉が底まで沈む前に途中で止まる!ということなのです。

こうすることで、蒔絵粉の使用を少なく済ませることができます。特に金粉は高価ですので、なるべく経済的に済ませたい場合、この方法は効果的です◎

 

 

 

ただし、この方法には問題が3つあります。

「青息」問題① 見極めがつかない!


どうしても「青息」の判断がつかない!!!

そう、このジャッジが難しいのです。特に初めての人だと自分で判断できないと思います。
何となく息がかかっているように見えたとしても、「これって息がかかっている状態なの?それともまだ??」と不安になります。

青息がかかっているかどうかの判断は何回か実体験しないと、なかなか分からないと思います。

実は私も未だに分からない場合があります。(あら、ばらしちゃったわ◎)
息をかけても、その変化が見えない時があるのです。これは単純に私の注意力が足りないだけかもしれませんが。

なので最近はかめ師匠から教えてもらったやり方(漆を塗ったらすぐに蒔く!!)でやっています◎

 

 

「青息」問題② 漆が滲んでくる


さらに厄介なのが、なんとなく「青息」がかかったようなタイミングで蒔いたのに、ゆーーっくり蒔絵粉が沈んでいってしまうことがあります(涙)

漆が少し乾きかけてきているので(固くなってきているので)、粉の沈むスピードはすごく遅いのですが、それでも気が付くとどんどん沈んでいってしまっている…(底なし沼のように~…。金粉がしずむ~~。あぁ~~)

 

10~20分後に蒔絵をした器をチェックしたら、蒔いた粉の表面が「薄っすらと赤くなっていた(涙)」という経験はありませんか?
しょうがないから、すぐにもう一度、粉を蒔いて再び湿し風呂に入れる。
そして、一応、念のためにと思い、10分後にチェックしたら…また、表面が薄っすら赤くなっていた(泣)

こんな経験をするとうんざりします。

この「滲みトラブル」も、滲むたびに繰り返し3~4回、蒔きなおせば、滲みは止まると思います。けど、やっぱり嫌~な感じですよね。じわじわと滲んくるのは。(お金がどんどん吸い取られていく感じがします~)

 

※ これはそもそも地描きの漆が「厚過ぎた」可能性が高いです。

※ この「青息」タイミングで蒔くやり方は、「消し粉」や「平極粉」を使う時に適していると思います。
粉が極小の微粉なので軽いし、形状的に平たいので沈みにくいかと思われます。

丸粉だと他の粉に比べて重量がありますので、沈みやすい。そうすると「滲み」問題も生じやすいと考えられます。

 

「青息」問題③ 蒔絵粉の層が薄い


「青息」タイミングでうまく粉を蒔けば、表層に蒔絵粉が留まるので、粉の使用量を抑えられる!これは確かに経済的です◎
なのですが、ということは…裏を返せば「蒔絵粉が表層にしかついていない」ということでもあるのです。(これってあまりアナウンスしちゃいけないかしら??)

蒔絵粉の層が薄いということは、食器として日常使いしていくうちに、「剥げやすい」「摩耗して、蒔絵粉の下の”漆の層”がでてきやすい」ということです。

飾り物のオブジェなどでしたら、耐摩耗性などを考える必要はありませんが、直すものが「日常使いの器」の場合はそこを加味するのも一つの考えだと思います。

 

【 消し粉〈 平極粉〈 丸粉 】
の順で厚みがある分、耐摩耗性は高くなります。
「消し粉」は厚みがほとんどないので剥げやすい。「丸粉」は厚みがあるので、比較的、摩耗に強い。

ただ、経済的に安く済ませたい場合は
【 消し粉 〉平極粉 〉丸粉 】
の順番となります◎

 

 

なるほど…。で、「青息」がかかるタイミング以外で蒔絵粉を蒔く方法ってないんですか?

はい、あります◎
漆を塗ったら、直ぐに蒔いちゃいます。(ナント!)
かめ師匠のもと、只今、練習中です。

 

直ちに蒔く!!


 

え”?でも…、直ぐに粉を蒔くと「漆の中に蒔絵粉が沈んじゃう」…ってどの金継ぎ本にも書いてあった気がするのですが。

 

そうです、そうです。それ、正解です◎

金粉を蒔いても…

しっかりと沈んじゃう!

はいー、これじゃダメですよね。

 

 

 

それじゃどうするのかといいますと…

漆を”薄く塗って”、直ぐに蒔く!!


これは蒔絵師のかめ先生から教わったやり方です。

 

そもそも蒔絵をする際の漆を、均一に「極々薄く塗る」のです。
これがめちゃくちゃ重要です。すごく。

実は、基本的にみなさんの塗りは、漆が「厚過ぎる」んです!はい。間違いない。(薄く塗っているつもりだったでしょ??)

何を隠そう僕もこれまでずっと「薄塗り」しているつもりが、かなり厚く塗っていたんです。
意外と「薄く塗る」というのは難しいのです。

「自分の感覚値の4段階くらい上をいく薄さ」で塗るくらいでちょうどいいと思います。(これ、目障りだと思いますが、強調させてください。めちゃくちゃ重要です!)

それから実は「薄く塗るコツ」というものが2つあります。

  1. そもそも「極めて柔らかい漆を使う
  2. 筆に含ませる漆を極少量にする

 

①【極めて柔らかい漆を使う】


粘度が高い漆で塗るとどうしても厚くなります。粘度の低い柔らかい(緩い)漆を使うと結構、簡単に薄く塗ることができるのです。

「柔らかい漆」? それってどうすれば手に入るのですか??

といいますと、簡易的な方法としてはお手持ちの漆(弁柄漆など)を使う際にテレピン等(樟脳液や灯油)をほんのちょっと混ぜてもらえれば、柔らかくなります◎
(薄描き用に漆屋さんで「軟らか目」の漆を買っておくのがベストです)

※ 溶剤を混ぜるほど、漆が薄まり接着強度も弱まります。ので、混ぜ過ぎないようにします。
※ 希釈にはエタノール(アルコール)を使わないでテレピンなどを使ってください。(エタノールは揮発が早過ぎて使い勝手が悪いですし、漆の成分が「分離」しやすい??ようです)
※ 本格的に金継ぎをやられている方(依頼を受けているような方)でしたら、そもそも「柔らかい漆」を漆屋さんから買っておくのも手かなと思います。
箕輪漆さんでしたら、「柔らかめの漆をくださらない?」と言えば用意してくれます。漆屋さんによってはそういったリクエストができないところもありますのでご注意ください◎)

 

②【筆の中の漆をしっかりと切る】


筆の根元付近まで漆を含ませるのですが(職人さんによって、本当に「根元まで」含ませる人と、「根元2~3割は含ませず」に残しておく人とがいます)、量的には「たっぷりと」は含ませたままにせずに、しっかりと筆の中の漆を切ります。

爪盤などの中で筆をローリングさせ(!?ホント?)、漆を切って、含まれる漆を極々少量にします。
「ごくごく」少量です。本当に。

感覚値的には「カスれる半歩手前」です。(一歩手前じゃダメです。もうぎりぎりラインを狙ってください)

 

僕自身、何度やっても毎回、師匠に「まだ厚いね~」「漆、筆に含ませ過ぎだね~」と言われてしまうのが正直なところです。
大袈裟ではなく、今までの人生で培ってきた「薄さの概念」自体を壊すくらいでないとこの薄さを体得できません。そのくらい尋常じゃない薄さです◎
これは僕の実体験からくるアドバイスです。

 

 

 

漆の塗り厚は蒔く粉の大きさによって微調整します。消し粉、平極粉、丸粉1~3号くらいは「極薄」です。「極」です。

漆を塗って直ぐに蒔きます。漆が柔らかいうちに蒔きます。漆が柔らかいうちに蒔くと漆の中にすぐに粉が沈みます。

え~!蒔絵粉が漆に沈んじゃっていいんですか?

はい、オッケー◎

 

「漆の中にしずんじゃう~!」といっても、今回は漆が「薄く」塗られています。なので、すぐに底に着きます。

直ぐに沈みますので、そのまま蒔絵粉をさらにのせていきます。

はい。こうすると、それほどの量の蒔絵粉を使っていないのに、粉の沈みが止まりました◎

これだと時間が経っても粉の表面に漆が滲んでくることもありません。

 

※「青息」が来るくらい乾きがきてから蒔くと、粉の沈みが悪くなります。沈みが悪い…ということは、時間が経ってから粉の表面にじわ~と漆が滲んできます。

「蒔絵粉の層」も厚いので、耐摩耗性も高くなります。
蒔絵層に厚みがある分、擦れていってもその下の漆層がなかなか出てこない…ということです◎

金継ぎで直す器が日常使いの場合、どうしても擦れることが多いと思います。
ということで、耐摩耗性が高い方がいいと思い、最近はこのやり方で私は蒔絵を行っています。(まだまだ下手ですけど)

 

ちなみに「直ぐに粉を蒔く」といっても、塗った漆に「筆跡(刷毛目?)」が残っている場合は少し待ちます。

↗このように筆を通した時の漆の凹凸ができやすいので、多少それが収まるまで10分くらい待つこともあります。

その際、漆に埃が入り込まないように「空風呂(湿していない風呂)」に入れます。ただし、乾かしたいわけではないので(むしろ乾かしたくない)、「湿し風呂」には入れません

 

 

 

 

う~ん、ナルホドナルホド◎ 言っていることは分かるような気がします。
なんですけど…、どの金継ぎ本を見ても「直ぐに蒔け」なんて、そんなやり方は載っていませんよね?
全ての金継ぎ本で、「乾きかけ(青息)を狙え!!」って書いてあるのですが…。
ホントにそんなやり方で、大丈夫なんですか??そんなことを言っているのは金継ぎ図書館だけじゃないのですか??
(館長はアホだし、ハトはふざけているし、いまいち信用ができないのよね!)

ふふふふ…。仰ることは分かります。
(館長が「アホ」だということも間違っておりません)

確かにほとんどの金継ぎ本では「青息狙い」の蒔き方しか書いてありませんよね。
ですが、あるのです。昔、書かれた一冊の本の中に◎

 

 

人間国宝の先生によると…


「蒔絵 高野松山」というちょっと古い本によりますと…
※ 高野松山たかのしょうざん先生は人間国宝だった偉い人です。

(松山先生は「平極粉・消し粉」と「丸粉」とでやり方を分けています)

 

【平粉(平極粉)蒔絵】

漆を薄く平均に塗り終わったら、水で湿した漆風呂の中に入れる。10分ないし15分ののち漆描の部分に吐きかけた息が青みをおびる、いわゆる青息がかかった状態の半乾きになるのを待ち、平粉(平極粉)を綿蒔(真綿に粉をつけて蒔きつけること)し、ふたたび漆風呂に入れて十分に乾固させる。

「蒔絵 高野松山」p83

「消し粉」の扱いも「平極粉」と同様と考えていいと思います。

 

【丸粉蒔絵】

漆描きがすんだら直ちに丸粉を蒔きつける。粉は絵漆の中に浸み込むだけ十分に蒔き込むことが肝要である。
写真7を参照されたい。

「蒔絵 高野松山」p84

「蒔絵 高野松山」p8

↗これが「写真7」です。が、どう参照していいのかわかりませんね。はい、昔の本ですから◎

ここで重要なのは「粉は絵漆の中に浸み込むだけ十分に蒔き込む」という所です。松山先生も「肝要である」と言っております。

この考え方は最近の金継ぎ本とは根本的な部分で考え方が違っています。(最近の金継ぎ本は「粉は絵漆の中になるべく沈めない」…ってことですからね)

最近出版されたどの金継ぎ本には載っていませんが、この「直ぐに蒔く」というのも昔からおこなわれてきた方法なのです◎

 

 

 

【まとめ】どっちでもいい◎ けど…


「青息」時に蒔く場合と「直ぐに」蒔く場合とでそれぞれメリット、デメリットがあります(下に箇条書きしました)。それを加味した上で修練を積んでいってください。

どちらのやり方でもいいと思いますし、「消し粉、平極粉」は「青息蒔き」、「丸粉」は「直後蒔き」というふうに松山先生風に粉によってやり方を変えてもいいと思います。

ただ「初心者へのおススメ」のやり方としましては、「直ぐに蒔く」かなと思います。蒔くタイミングを気にする必要がありませんので、この方が簡単かなと。
それより何より、とにかく「漆を薄く塗る蒔くタイミングよりもこちらの方が重要!!)」ってことが肝要です。そこを一番注意しながら実践してみてください。

 

ちなみに最近の私はかめ先生の教え通り、「直ぐに蒔く」やり方を採用しています◎

 

【「青息」の時に蒔く場合】

メリット

  • 蒔絵粉が少量で済む。経済的
  • 光沢が増す(気がする)

デメリット

  • 蒔くタイミングが掴みずらい(失敗しやすい)
  • 失敗すると漆が表面に滲んてくる
  • 蒔絵粉の層が薄いので耐摩耗性が低い

 

【漆を塗ったら「直ちに」蒔く場合】

メリット

  • 失敗しづらい(しっかりと漆を薄く塗れたらですが)
  • 蒔絵の層が比較的厚くなるので、耐摩耗性が高くなる(日常使いの金継ぎ修理に向いているのでは?)

デメリット

  • 青息のドンピシャのタイミングで蒔くよりも蒔絵粉の使用量が増える

 

 

 

【お詫び】

申し訳ございませんが、僕自身の蒔絵についての経験がまだまだ不十分なので、「本当に分かりやすい説明」ができていません。
実体験を繰り返すことで、少しずつ「体感として」その技法を咀嚼できるようになります。
体感まで落とし込んでいったとき、その実感を元に初めて初心者に寄り添った分かりやすい解説ができるようになると思うのです。

これからも、かめ師匠のもと実践を積んでいきますので、また何か気づきがあったら(もしくは間違った記述があったら)、書き足していきます。
引き続きよろしくお願い致します。

 

 

 

Pocket

蒔絵の時の真綿の使い方

 

イマイチ、よくわからん…

 

金継ぎの最後の仕上げに「消し粉」や「平極粉(平粉)」、「丸粉の1~3号」を蒔く場合は「真綿まわた」を使うのですが(「綿蒔きわたまき」というようです)、その真綿、どうやって使うと綺麗に蒔絵粉が蒔けるのか…ご存知ですか??

金継ぎ図書館内のこれまでのコンテンツでは「なんとなく」「あやふや」にしか説明していませんでした。(実は僕自身の理解が「あやふや」だったからです。済みません~)

それで先日、蒔絵師のかめ師匠にしっかりと聞いてきましたのでどうぞお聞きください◎

※ 後日、かめ先生や先輩方にこのページをチェックしてもらい、間違いや説明不足を指摘してもらおうと思っています。なので、このページは後日、加筆修正するかもしれません◎

 

話は少しずれますが…

  • 真綿で蒔く…「綿蒔き」
  • あしらい毛房(ふさふさした毛先の筆)で蒔く…「毛房蒔き」
  • 粉筒で蒔く…「筒蒔き」

綿蒔き…消し粉、平極粉、丸粉1~3号くらいの時に使用
毛房蒔き(+フィニッシュに真綿)…丸粉3~5号くらいの時に使用
筒蒔き…丸粉5号くらい~の時に使用

 

 

まずは地描き


蒔絵粉を蒔く前に、まずは絵漆(弁柄漆)を「均一に」「薄く」塗ります。

※ 漆を塗る前に、柔らかな穂先の筆などを使って(漆の塗りで使う筆とは別の筆を用意する)、塗る箇所の埃を払っておいてください。

 

金継ぎの上塗り作業ではうるしは薄く塗っていく。粉を蒔く前の漆はとにかく「”超”薄く」塗ります。
「薄く、薄く、薄く…」です。はい。

 

 

割れた蕎麦猪口の金継ぎ修理方法。蒔絵のやり方

初心者さんは薄く塗ったつもりでも、結構、厚くなっています。(ぶっちゃけ、「激アツ」です!)
なので、自分の感覚でいう「薄さ」のさらに4段階くらい上をいく薄さになるよう、漆を塗ってみてください。
(えー!こんなに薄くていいのかしら??ってくらいです)

かく言う私も、つい最近まで薄く塗ったつもりがかなり厚かったということが判明しました。師匠に指摘されました。(おー、情けない…(涙))
今だに蒔絵教室に伺うたびに「まだ厚いね~」と言われます。

 

 

蒔絵のための金粉を用意する。

漆が塗り終わりましたら、蒔絵粉の包み紙を広げ、重石で押えます。

 

金継ぎの蒔絵の方法としては真綿を使って金粉を蒔く

ちょい大きめのミニトマトくらいに千切った真綿を丸くまとめます。

その真綿に蒔絵粉をつけます。

 

真綿に金粉をたっぷりととって、それを漆の上にのせていく蒔絵粉はびびらずに、「しっかりと多目に」付けてください◎

蒔絵粉は手早く」「一気に」のせていかないと、きれいに仕上がりません。ので、「うー、金粉が…なんかもったいない~」と躊躇しちゃいけません。
腹を括って「多目」に蒔絵粉を真綿につけてください◎

※ ゆっくり蒔いていくと(粉蒔きに時差が生じると)、先に落ちた粉が漆を吸い上げてしまい、「石目肌」という「ザラザラ、ごりごり」した肌になっちゃいます。

 

 

それでは作業に取りかかります。
ここからは「手早く」作業を遂行してください。

 

まずは真綿につけた蒔絵粉を、漆を塗ったすぐ脇に付けます。

直接、漆の上に蒔絵粉を落としては(付けては)ダメです。
「漆の脇」です。

 

 

どうやって蒔絵粉を脇に付けるの??かといいますと、真綿を器に「トン」と当てて(軽く叩いて)、地塗りした脇に蒔絵粉を落とします。

 

 

↗こんな感じに漆の脇に蒔絵粉をつけます。

 

 

真綿を使って、落とした蒔絵粉を「払い込む」ように掃いて漆の上に乗せていきます。

真綿を「筆」のように使う…って感じでしょうか。

 

 

「手早く」蒔絵粉を払い込んでいきます。

すぐさま真綿を「クルクル」回しながら撫で付けていきます。

 

 

反対側からも払い込んでいきます。

「すみやかに」作業することが肝要です◎

 

この後、漆の上に載った蒔絵粉を撫で付けるようにさらに真綿をクルクル動かしていきます。

 

全体にしっかりと粉が付いたら、指で真綿をトントンと叩いて、真綿に付いている大きい粉を落とします。

 

そのあと、真綿に「はぁー」っと息を吐きかけて(湿気の多い息をかけてください◎)、「湿気」を帯びさせます。

その湿気を利用して器の上に残っている「細かい粉」を真綿で絡め取りながら、粉を蒔いたその上を撫で付けます。くるくると。

細かい粉??
ってどういうことでしょうね?

例えば「金粉の丸粉3号」といっても、全部同じ大きさの粒子が完璧に揃っているのかというとそんなことはなくて、前後10%くらいは大きさに差があります。中にはもう少し細かい粒子も混ざっています。それらの「細かい丸粉」を最後に蒔き付けるということです◎

こうすると漆の地描きの上にビッシリと粉が詰まっていきます。

蒔き終わったら、直ぐに湿し風呂に入れます。
これで作業終了です。

 

綿蒔きで使った綿の中に、蒔絵粉が残っていますので、粉の包み紙の上で、真綿をトントンと叩いて、中の粉を落とします。

 

 

 

 

蒔絵の失敗しやすいやり方


 

「失敗」といいますのは、仕上がりが「石目肌」という「ザラザラ、ごりごり」した肌になってしまうことです。

どうするとそうなってしまうのか?といいますと…

 

 

真綿を「直接」漆を塗った箇所に当てるように蒔いていくと…

 

蒔絵粉が「大量に落ちる」箇所と「少量しかつかない」箇所とができやすい。

大量に蒔絵粉がついた場所は周りの漆を吸い上げてしまい、その個所は大量に蒔絵粉が付着します。

 

その後、その周りにもしっかりと蒔絵粉を蒔いたとしても、先に大量に蒔いた箇所に漆を吸い上げられてしまっているので(吸いムラができるので)、凸凹が生じやすくなります。

 

※ そもそも漆を「均一」に塗れていないと(塗り厚に差があると)、↑こんな感じになりやすくなります。
あと、塗り厚が「厚い」と石目肌になりやすいと思います。

 

女性ですと、いつもの「お化粧」でお顔をパフパフしている要領で真綿も直接、漆の上を狙ってパフパフしてしまいがちです。

 

 

 

 

金継ぎで役立つ【裏技】


 

金継ぎではカップなどの内側にも蒔絵をほどこすことが、たびたびありますよね。

その際、手の入りづらい器もあります。底が深い器や、間口が狭い器などなど。

そういった器の内側の蒔絵作業をするのに、手を突っ込んでやろうとすると、突っ込んだ手で視覚を遮ってしまい、うっかり手に漆がついてしまったり(涙)、しっかりと蒔絵粉が蒔けているかわかりづらくなります。

そういった時に役立つ裏技です。(かめ師匠が使っているグッズです◎)

竹串など、弾力性のある素材の先の方を細く削って、弾力性を持たせます。
そして、先っちょに真綿を巻き付けます。
少しフワフワになるように巻いていきます。(ぎゅうぎゅうにきつく巻かないようにします)

 

↗こんな感じに柔らかく「しなる」といいです。しならないと、漆を引っ掻いてしまいやすくなります。

こういう真綿棒を用意すると、コップなど器の内側に手が入りづらいものに蒔絵粉を蒔くとき、作業がしやすくなります。

視覚が確保されるので、蒔き具合もしっかりと確認しながら作業ができます。
真綿棒は重宝します◎ ぜひ、作ってみてください。

 

 

 

 

Pocket

蒔絵教室レポート13日目②/ 切金を置く

 

 

 

 

 

※ 鳩屋が蒔絵の技術を習いに蒔絵師さんのところに通い始めました。
そこで習ったことをひとまず備忘録的な感じでまとめ、その情報を多くの方とシェアしよう…というがこのシリーズです。
後日、「初心者でもできちゃうぜ蒔絵シリーズ」のようなコンテンツに落とし込むのが密かなる野望です◎(シクヨロです)

※作業工程や説明が間違っていたら、後日、師匠や同門の生徒さんからツッコミが入ると思います。そうしたら訂正してきます。

 

かめばかむほど蒔絵の奥深さよ

金継ぎ図書館は現在、「漆工房 皎月こうげつ」の↑かめ師匠のところで修行中です◎
かめ師匠は蒔絵の本場・石川県の輪島で修行された方です。

 

 

漆工房皎月は東京の「駒込」「練馬」「青梅市」金継ぎ教室も開催しています。
輪島で蒔絵の修行をされたかめ師匠と、東京藝大出身の福田さん(女性、僕の先輩です)の二人体制で丁寧に教えてくれます。至れり尽くせり!
都内で金継ぎ教室をお探しの方、金継ぎ図書館が100%の自信をもっておススメします◎(はっきり言って、最強の金継ぎ教室だと思います。)

詳しくは皎月さんのHPでチェックしてください。
▸ 漆工房 皎月Facebookページ

 

 

 

 

「切金きりがね」ってなに??


 

今回の「富士と雲霞の肉合研出蒔絵」は雲霞の部分に「切金きりがね」という技法を使います。

 

 

切金というのは

~「工芸の世紀」展図録p139

↑こんな感じのものです。このちょっと大きめの「つぶつぶ」です。

 

~「工芸の世紀」展図録p139

どうして、昔の人って、こう、「うねうね」って地面とか植物を描くんでしょうね?ちょっと怪しいですよね~。

 

【切金】

金・銀の薄板を細かい方形や長方形、菱形に切って、地描きした上に漆で貼って、金銀を蒔き、平面に研ぎ出す

室町時代にこの技法が盛んに用いられるようになった。

~漆芸辞典p198より

ということです。わかりましたか?わかりませんよね◎

「地描きじがき」ってなに?「平面に研ぎ出す」ってどうゆうこと??

はい、「地描きは」この後、ご説明します。「平面に研ぎ出す」は作業が進んでいったら、おいおいご説明します◎

 

~「漆芸品の緩衝基礎知識」p27

↑こんな感じに使われたり…

 

~「松田権六の世界」展図録p93

↑こんな感じに使われていたりします。

 

~「松田権六の世界」展図録p90

 

なるほどね~。蒔絵とは違うニュアンスが出せるんですね。

蒔絵だけだとどうしても単調になってしまう。そういった時にリズムを変えるために使う感じでしょうか。

 

 

 

本日のメモ01/〈富士と雲霞の肉合研出蒔絵〉地描き


 

使った道具・材料

【道具】
・黒軸丸筆(中)
 

【材料】

・呂瀬漆(呂色漆+生漆)

 

 

切金を貼る前に、貼るその個所に漆を薄く塗っていきます。
これが「地描き(地塗り)」です。

漆を塗って、それが乾く前に切金を貼るということです。

 

今回はこの↑雲霞の一か所だけ、作業します。

 

【地描き(=地塗り)】
蒔絵において紋様になる部分を(蒔絵をする前に)漆で塗りつぶすこと。です。

 

 

↑これが完成イメージです。

この完成イメージに沿って、切金を置く部分にあらかじめ漆を薄く塗っておきます(黒く塗ってある箇所です)。

今回の漆の使われる「用途」としては切金をくっつけるための「接着剤」として使われます。

 

 

 

今回使っているのは「呂瀬漆ろせうるし」です。

「ろせうるし」…って何??

 

【呂瀬漆ろせうるし

呂色漆 10:7~10 生漆

くらいの割合で練り合わせた漆のことです。(呂色に対して生漆は3~5割くらい)

呂瀬漆の特徴としては

  • 乾きがよい(生漆が入っているから)
  • 薄く塗れる(生漆は粘度が低く、サラサラしているので)

です。

この漆を薄く塗ります。「薄く」です◎
薄く塗っても十分に接着力があるそうです。むしろ薄く塗らないと「えらいこと」になると思います。えらいことです。

なので「薄く」塗ってください。

 

「黒軸丸筆」を使うと薄く塗りやすいそうです。
(鳩屋としてはまだその実感が薄いので、かめ先生のアドバイスです)

 

全体に漆が置けたら、最後に筆を「縦」と「横」に細かく通していきます。
この作業をすることで、漆の厚みが「より均一」になります。面倒ですけど、やってくださいね◎

 

 

 

 

本日のメモ02/〈富士と雲霞の肉合研出蒔絵〉切金置き


 

使った道具・材料

【道具】

・切金棒(朴材)

【材料】

・切金(銀 0.3㎜厚)

 

 

地描きをした箇所に切金を置いていきます。

 

切金は対角線上に綺麗に並べていくのがセオリーだそうです。

 

「切金を置いているうちに、漆が乾いちゃわないのですか??」と思いますよね。

はい、乾いていきます◎
手持ちの漆の乾くスピードにもよるのですが、切金を置いていく作業に結構、時間がかかるようだと、だんたんと漆が固くなってきてしまいます。
漆が固くなり過ぎると切金がくっつかなくなってしまいます。

ですので、自分が作業できるスピードに合わせて、無理のない範囲に小分けにして、仕事をしていきます。

とくに初心者は小さい範囲ずつ、作業を進めていった方がいいです。切金を置くのは意外と時間がかかりますよー◎

 

 

切金の入った薬包紙(パラフィン紙)を「粉鎮」で押さえます。
粉鎮は書道用のものでもいいし、東急ハンズなどで金属棒を買って加工してもステキです。
そういったものがない場合は何でも構いません。小石でもいいです◎

 

じゃん!
切金がずらりと並んでいます。これら、大きさが違います。
左から、0.6、0.8、1.0、1.2㎜角の4種類です。

1種類だけじゃダメなの??

はいー、そうですね。1種類だけだと多分、「単調」なリズムになってしまいそうな気がします。できたら数種類の大きさの切金があった方がいいと思います。

ちなみに切金は漆屋さんや、金箔屋さん、金粉屋さんなどで売っています。

数種類買おうとすると、結構、お金がかかりますね。「銀」だったらそこまで高くないからいいですけど、「金」はちょっと辛いですね。

切金のお値段はいくらくらいなんでしょう??
ちょっと分からないので、後ほど漆屋さんのHPをチェックするか、次回、かめ先生に聞いておきます。

 

 

作業に入ります。

どうやって切金を置いていくのかといいますと…
なんと、一枚一枚地道に置いていきます。じみーですね◎

 

使っているのは↑こんな感じの「木の棒」です。
材質は「朴」で、かめ先生が作りました(授業中、その場で生徒さん用の棒を作っていました)。

固い木や竹だと切金に傷が入ったり、凹んじゃったりする可能性があります。「柔らかめ」の材がいいようです。

 

片側は「平べったく」て、もう片側は「ほっそり」しています。

 

こちらが平べったい方です。
ヘラのような形ですが、先っちょは薄く鋭くはなっていません。むしろ「平面」を残しています。この平面を残しておいた方が使いやすいのだと思います。(←鳩屋はまだ作業をしていないので、実感なし)

 

こちらはほっそりとしている方です。
中心軸は少し片側に寄せてありますね~。それからこちらも先っちょは鋭くしていません。「平面」があります。

 

 

 

それで、この「切金棒」をどうやって使うかといいますと、、

棒の「ほっそりと」した方の先っちょをちょっと舐めて(べろにちょっと付けて)、それから切金に触れると、自然と吸い付てくるのです◎

え~、人前で「べろんちょ」なんてナメるなんて恥ずかしくてできないわーー(涙)という方、隠れてこっそり舐めてください◎

水でも代用できるのかな?ちょっとわかりません。
金継ぎ作業する時はちょっと「てやんでー」調キャラでいってみるのもいいと思います◎ ナメちゃってください。

 

ナメて→切金を拾って→塗った漆の上に置く
を一粒ずつ繰り返します。永遠と。はい、永遠とです。

 

ちなみに切金を置く順序としては「大きいピース」のモノから置いていった方がいいそうです。
今回は一番大きい1.2㎜のものから置いていきました。

 

漆の上に切金を一つ置き、それから置いた切金を動かして位置を揃えていきます。

 

おー、こう切金を並べてみると壮観ですね。

 

かめ先生、地道に置いていきます。

 

大きいパーツを置き終わったら、次の大きさの切金パーツを置いていきます。
対角線上に綺麗に並ぶように気をつけながら置いていきます。

 

一粒置いて、一粒置いて、さらに一粒置いていきます。
飽きましたか?

 

徐々に小さい切金に替えて、置いていきます。

↑この画像は僕たち生徒が、体験して置いていったので、ちょっと並びが悪くなっています(苦笑)
いや、僕はいまいちよく分かっていません。

 

途中途中で、全体の並びを整理し、揃えます。

 

切金を置いた範囲の「終わり(周辺部分)」は少し「ぼかす」ようなリズムで置いていきます。
これが、規則的に置き過ぎていると、「バツっ」と紋様が切れているように見えてしまいますので、注意が必要です。

ランダムに置く…って難しいですよね~。

 

はい、切金置き作業はこれで終了です。

この後、「灰」をかけたり、「濡れティッシュ」で覆ったりします。
その説明はまた続きのページを作ってということで。

いやー、いつもの金継ぎ説明でしたら結構、スムーズにページが作れるのですが、蒔絵関係は説明し慣れていないのでえらく時間がかかっちゃうのです。

地道にページ制作をしていきます。お付き合いください◎

 

 

 

 

 

Pocket

蒔絵教室レポート13日目③/ 切金に灰をかけて湿す

 

 

※ 鳩屋が蒔絵の技術を習いに蒔絵師さんのところに通い始めました。
そこで習ったことをひとまず備忘録的な感じでまとめ、その情報を多くの方とシェアしよう…というがこのシリーズです。
後日、「初心者でもできちゃうぜ蒔絵シリーズ」のようなコンテンツに落とし込むのが密かなる野望です◎(シクヨロです)

※作業工程や説明が間違っていたら、後日、師匠や同門の生徒さんからツッコミが入ると思います(苦笑) そうしたら訂正してきます。

 

かめばかむほど蒔絵の奥深さよ

金継ぎ図書館は現在、「漆工房 皎月こうげつ」の↑かめ師匠のところで修行中です◎
かめ師匠は蒔絵の本場・石川県の輪島で修行された方です。

 

 

漆工房皎月は東京の「駒込」「練馬」「青梅市」金継ぎ教室も開催しています。
輪島で蒔絵の修行をされたかめ師匠と、東京藝大出身の福田さん(女性、僕の先輩です)の二人体制で丁寧に教えてくれます。至れり尽くせり!
都内で金継ぎ教室をお探しの方、金継ぎ図書館が100%の自信をもっておススメします◎(はっきり言って、最強の金継ぎ教室だと思います。)

詳しくは皎月さんのHPでチェックしてください。
▸ 漆工房 皎月Facebookページ

 

 

 

 

前回、漆を塗った部分に切金を置くまでの説明をしました。

今回はこの後の作業をご説明していきます。

 

 

 

本日のメモ01/〈富士と雲霞の肉合研出蒔絵〉パラフィン紙で押さえ、漆を吸い取る


【道具と材料】

 ・薬包紙(パラフィン紙)
 ・切出し刷毛
 

 

それでは今回の作業の説明に入ります。

 

前回の作業では漆の上に切金を置いただけなので、大袈裟にいうと、ものによっては漆の表面に乗っていたり、深く沈んでいたりします。

まずはこの「段差」を無くします。

 

切金を置いた上から薬包紙(パラフィン紙)をそっと被せます。

 

乗っかりました◎

 

置いた薬包紙(パラフィン紙)の上から「固くて平らなもの」を押し当てます。

先生が使っているのは黒檀という固い木で作ったオリジナルの「押さえ」です。
スタンプみたいに見えますが、「押さえ」の面は平面になっています。
これを先生は、結構、何かと使っているんですよね。
僕も作らなきゃですね~◎

 

グリグリと薬包紙の上から押し付けます。押さえを往復させます。

そうすると、イメージ的には↑こんな感じになります。
切金がしっかりと底(手板の面)まで沈んでいる感じです。

 

切金が底に押し込まれるので、切金の下にあった漆はそのわきに押し出されます。

 

 

次に余分な漆をとり除きます。

薬包紙の上から「切り出し刷毛」を通します。
やや強めに薬包紙を抑えつつ、通していきます。

使っているのは普通の「漆刷毛」です。ちょっと調子の悪くなった刷毛の先を短く切り揃えて、それを使う…というのでも大丈夫だと思います。(←これは漆をやっている人の話です◎)

漆刷毛を買う必要のない(もしくは何本も持っていない)一般の方でしたら、「ステンシル用の刷毛」「絵具擦り込み刷毛」で代用できそうな気がします。
百均で売っている毛質が固めの筆を使って、その先を少し短めに切りそろえたものでもイケるかもしれません◎

 

数回、刷毛を通して、薬包紙に漆を吸い取らせます。

 

 

そっと薬包紙をめくります。

 

 

 

薬包紙の方に漆が付いています◎

 

この作業をもう一度、繰り返します。

薬包紙を漆の上に置いて…

 

 

刷毛で押さえて…

 

はらりとめくります。

 

 

こんな具合に2枚ほどの薬包紙を使って、余分な漆を吸い取ります。

 

 

余分な漆が吸い取られました◎
だけど、まだうっすらと漆が残っています。

この残った漆をさらに取り除く作業をこの後、行います。

 

 

まとめ直しますと…

① 切金が浮いているので…

 

② 薬包紙を被せて、その上から固くて平たいもので押さえ、切金を鎮める。

 

③ 薬包紙の上から刷毛で押さえて、余計な漆を吸い取る。

 

 

 

 

 

本日のメモ02/〈富士と雲霞の肉合研出蒔絵〉灰を蒔く


【道具と材料】

 ・灰
 ・筆

 

灰って?あれ?
はい。…灰なんです。
燃え残った白い粉です。素材は何でもオッケーだと思います。多分◎
それを「適当な編み目のもの」で濾します。

「適当」といわれても困りますよね。確か「寒冷紗を二枚重ねて、振って濾した」と言っていたと思います。
「寒冷紗」というのは「目が粗く、薄地で、堅めの綿布、または麻布」です。寒冷紗といっても色々な粗さの編み目があるので、これまた「どの粗さ??」かというのは確認していないのですが、「おおよそ、粗い灰が取り除ければいい」のだと思います。きっと◎

この後、ページを読み進めてもらえたら分かるかと思うのですが、あまり厳密な作業ではないですし、灰の役割も「余計な漆をとり除く」ということですので、灰の細かさも「おおよそ」でいいと思います。
間違っていたら、先生か同門の先輩方から「するどいツッコミ」が入ると思います。「あれ、違うヨ!かんちょー」

 

 

 

作業に入ります。

灰の入った缶に筆を突っ込みます。

 

筆についた灰を漆を塗った箇所に乗っけます。

 

 

灰を広げていきます。

 

 

何往復か灰を動かしていきます。

 

 

軽いタッチで筆を動かしていきます。

ゴシゴシ筆を擦りつけない方がいいと思います。

筆は柔らかめの毛質なら何でもいいと思います。

 

何で「灰」を使うのでしょうね?

昔は竈や囲炉裏があって、灰が日常的に手元にあったから使ったんじゃないでしょうか?あと、水分、すごく吸いそうですしね◎(イメージですが)

 

 

何往復かさせたら、余った灰は缶の方に戻します。

 

 

銀の切金が見えてきました◎

 

 

できました◎

 

 

もうちょいズームで見てみると、こんな感じです。

 

現状としては↑このように余った漆を灰が吸い取っている状態です。きっと。

で、ここからが重要なのですが、このまま普通に漆風呂に入れて乾かしてしまいますと…きっととんでもないことになってしまいます。
この灰が強固に手板にくっついてしまい、取れなくなってしまいます。
「灰の層」ができてしまうわけです。(「蒔き地」という作業と同じことをしたことになります)

そうなるとマズいわけなので、次の作業を行なうのです◎

 

 

 

本日のメモ01/〈富士と雲霞の肉合研出蒔絵〉濡れ濡れティッシュで漆を焼く


【道具と材料】

 ・ティッシュ
 ・水

 

漆の上に灰を蒔いて、そのまま普通に乾かしてしまうと、灰が強力にくっついちゃいますので、そうではないことをします◎

 

なんと、「びしょ濡れのティッシュ」を灰を蒔いた上に被せます!
何と!

 

 

あらかじめ濡らし、折り畳んだティッシュを乗せます。

 

 

軽くティッシュの上から指で押さえて、密着させます。

 

 

折り畳んだティッシュの上半分めくり、そこにさらに水を垂らします。

水でひたひたにする感じでしょうか。

 

 

さらにティッシュの上から指で軽く押さえて、完全に密着させます。(水分に接しているようにします)

 

↑こんなイメージでしょうか。分かりづらいですね。
なんで「灰」と「ティッシュ」を同系色にしてしまったのでしょうか?

 

 

これで本日の作業は終了です◎

え!?このままでいいの??これ、どーゆうことですか??

はいー、意味分かりませんよね◎
これはですね、漆を「めちゃ早く」乾かして、「焼け」を起こさせる作業なのです。

漆はあまりにも湿度が高いと(100%近くの湿度だと)、漆が急激に乾き過ぎて、塗膜が「焼け」という現象を起こします。
漆の塗膜表面が「白っちゃけ」ます。(なったことありますか??)

「焼け」を起こした塗膜は極端に塗膜強度が下がります。爪で引っ掻くだけで簡単に取れたりします。
通常の漆作業ではこういった現象を起こしちゃアウトなのですが、今回はその現象を逆に利用するというわけです◎

手板に残った余計な漆を除去しやすくするために敢えて「濡れ濡れティッシュ」を被せ、「焼け」を起こさせます。

次回の授業で漆の除去作業をする予定です◎

 

 

 

 

 

Pocket

【Web金継ぎ教室】 Lesson05 欠けた器/ 初心者・久恒さんの金継ぎ往復書簡/蒔絵・完成まで

 

size19ファイツ!!

 

このページは金継ぎ図書館のコンテンツを使って「金継ぎ初心者・久恒さんのファースト・チャレンジ」をナビゲートしていく企画です。(がんばれ!ツネちゃん!) 早い話、「インターネット金継ぎ教室」をしちゃおう!ということです。
▸ インターネット金継ぎ教室のルールについての説明

 

久恒さんは「リアル」に本漆金継ぎ初心者です。(「簡漆金継ぎ」ワークショップにご参加くださったので、簡単な金継ぎは体験しています◎) ですので、久恒さんの金継ぎに関する素朴な疑問などが、皆さんのお役にたつのではと考えています。

 

今回は〈一回目の漆を研ぐ~蒔絵・完成〉までの工程を説明します。

 

 

前回の作業を見る

▸ Page 04/漆を塗る

 

 

久恒さんとは?


 

久恒さん?ってどなたですか?
家業である林業を営んでいる大分県在住の女性の方です◎

 

 

【 profile 】

 久恒 まゆ

東京都生まれ、大分県育ち

2011年  武蔵野美術大学 木工専攻 卒業

在学中は「日本のものづくりの文化」「人の手によって生み出される木の魅力」「息の長いものづくり」などを研究

商業空間の内装設計を経て、現在は、家業の 六月八日/久恒山林株式会社(▸ http://rokugatsuyohkanomori.jp/ )で、森を育てるところから製品づくり販売まで一貫して行う、林業の6次化に取り組んでいる

 

 

 

 

 

【 作業を始める前の「心得」  】

漆をナメちゃいけません◎「漆なんてへっちゃらよ。素手で作業しちゃおうっと」なんて無用な冒険心、もしくは慢心があなたに猛烈な痒みをもたらすかもしれません。
しっかりとガードを固めてから作業に入りましょう◎

 

 必ず「ディフェンシブ」に。ゴム手袋は必需品です◎

 

 

 

 

工程 10> 漆を研ぐ1回目(下塗りの研ぎ)


【道具】

  • ②紙ヤスリ(耐水ペーパー)
  • ③ウエス(布切れ)
  • ④ハサミ(いらなくなったもの)
  • ⑤豆皿(水受け)

【材料】

  • ①水

▸ 道具と材料の値段/販売店


今回は耐水ペーパーの#800~1000くらいを用意してください。

 

  1. ペーパーを1㎝×1㎝くらいに切る
  2. 三つ折り(二つ折りでもオッケー)にする
  3. 水をちょっとつける

 

なんでそんな小っちゃく切ってるの??
鳩屋さんは神経質ね◎(もしくはドケチね)
もっとでっかく切って、こう、ざ~っと研いじゃダメなんですか?その方が早いと思いますよ。

そうですね。おっきなペーパーでざーっと研ぎたいところですよね。
なのですが、ペーパーのザラザラというのはすごく「硬い」ので、器の表面に傷が入っちゃうのです。なので、できるだけ修理部分の上だけをやするようにします。
もちろん、どうしたって、修理箇所の周りも研いでしまうことになるのですが、できるだけ小さい範囲にとどまるようにします。

 

 

「器にちょっと傷が入っているくらいの方がちょうどいいぜ」というワイルド系の人でしたら、でっかいペーパーでがっつり研いじゃいましょう◎
そのワイルドが羨ましい~。

 

 

 

縁の欠けた抹茶茶碗の金継ぎ修理のやり方

漆を塗った箇所を研いでいきます。

水をほんのちょっと付けながら研ぎます。

 

ウエスで研ぎ汁を時々拭き取って、錆漆の残り具合を確かめる

ちょくちょく、研ぎ汁をウエスで拭き取って、研ぎ具合をチェックします。

 

縁の欠けた抹茶茶碗の金継ぎ修理のやり方

研いでいきます。

ペーパーの研ぎ味が悪くなって来たら、折り畳んでいる新しい面を使って研いでください。

 

漆を塗った部分をもう少し研ぎ込みます

で、どのくらい研げばいいんですか??と言いますと、↑これじゃまだ足りないです。
真っ黒の点と、ピカッと光っている箇所はまだペーパーが当たっていません。当たっていないから漆の光沢がそのまま出ているのです。

ペーパーが当たっていない…ということは「平滑な面」が出ていないということになります。凹んでいる箇所が残っていて、そこが当たっていないということですね。

できればこの凹みがなくなるまで研ぎたいところです。
ひとまず、もうちょっと研ぎます。

 

8,9割方漆が研げればオッケーです

↑まだ凹んでいる箇所があるので、もっと研ぎたいところですが、研ぎ過ぎると、どんどん下地の「錆漆」が出てきてしまいます。
ですので、ひとまず今回はこれくらいにしておいて、二回目の漆を塗ることにします。

漆は3回くらい塗り重ねると漆特有の「ふっくら感」が出ますので、その塗り重ねの中で凹みが埋まるように考えればいいと思います◎

 

ちなみに、「ペーパーで傷が入るのも気になるのですが~」という方がいらっしゃいましたら、「駿河炭」という炭が漆屋さんに売っています。これで研ぐと傷が入りません。そう、炭って研ぐことができるのです!スゴイですね。

ホームセンターなどで売っているBBQ用の炭でも研げますか??

うー…、それ、試したことがありません。どうでしょう???ちょっと厳しいような気がしますが、もし、テストしてみた方がいらっしゃいましたらメールください◎ よろしくお願いします。

 

↑これは久恒さんの作業画像です

 

 

あのー…、研いだんですけど、凹みがかなり深いようなんです…(涙)

金継ぎの錆漆作業で処理しきれなかった凹みとピンホールがよくわかる

ナルホド。あります、あります。そういったことも。

もし、↑こうなっちゃた場合の対処方法はこちらのページをご覧ください。

 

▸ 穴、凹みがあった場合の対処法

 

 

 

 

 

工程 11> 漆の塗り(地塗り)


漆を三回くらい塗り重ねて、平滑な面が作れてたら、いよいよ最後の塗りを行います。

 

【道具】

  • ②ティッシュぺーパー
  • ③面相筆
  • ④蒔絵筆(赤軸根朱替わり)
  • ⑥練り竹ベラ ▸作り方
  • ⑦作業板 ▸作り方

【材料】

  • ①エタノール(テレピン、灯油など)
  • ⑤精製漆(今回は”赤弁柄漆”…赤茶色の漆)
  • ⑧サラダ油

▸ 道具と材料の値段/販売店


 

初心者におススメの筆ですが、こちらになります。

▸ 初心者おススメ/蒔絵に使う筆

 

 

 「生漆」しか持っていないのですが、どうしたらいいですか?
はい、そうゆう方はこちらへどうぞ ↓

▸ 精製漆の作り方

 

↑ この茶色半透明の漆でも「漆塗り」はできるのですが、半透明だと「どこを塗ったのかわかりにくい」のです(涙)漆に色を付けたい方はこちらへ ↓

▸ 色漆の作り方

 

↑久恒さんの作業画像

生徒の久恒さんには自分で生漆を精製してから、弁柄漆を作ってもらいました。

 

はい、大丈夫そうですねー◎

 

 

 

塗り作業に入る前に、筆をテレピンで洗って筆の中の油を洗い出します。
 ▸ 詳しい作業前の筆の洗い方

※ 何で筆に「油」がついているの??かと言いますと、作業が終わった後に、油で筆を洗っているからなのです◎ ヘンですね、漆って。

 

 【 作業前の筆の洗い方 】

  1. 作業板の上に数滴テレピンを垂らす。
  2. その上で筆を捻ったりしてテレピンをよく含ませる。
  3. ティッシュペーパーの上でヘラで筆を優しく押さえる。

 

 

 

 

筆の準備が済んだら、今度は漆の用意をします。

 

【漆の準備】

  1. 漆のチューブの蓋を開ける。
  2. 作業板の上に少量の漆を出す。
  3. 筆に漆を馴染ませる。
  4. 作業板の上に何本か線を引き、漆の量を調節しつつ、
    含み具合をチェックする。

 

漆の中にゴミがたくさん入っている場合などは濾し紙で漆を濾してきれいにします。必要な方はこちらをご覧ください ↓

urushiway ▸ 基本的な漆の扱い方・濾し方

 

 

 

漆を塗っていきます。

この後に蒔く金属粉が金色の場合(金粉、真鍮粉)は赤い色の漆を塗った方が金属粉の発色がよくなります。
銀色の粉を蒔く場合(銀粉、錫粉)は黒い色の漆を塗った方が、落ち着いた色味になります。

(赤い漆を塗って錫粉を蒔いた場合、少し赤味が感じられる仕上がりになります。それはそれで綺麗ですので、好みで選んでください◎)

 

漆の上塗りでは弁柄漆をなるべく薄く均一に塗っていく。

塗ります。

この地塗り(粉蒔き前の漆塗り)は薄く塗っていきます。

特にこの後、金粉の消し粉や、3号粉くらいの大きさの粉を蒔く方は「極薄」を心掛けてください。
真鍮粉を蒔く方はそれほど気にする必要はありません◎ 「薄め」を心掛ければ大丈夫です。

 

金継ぎの塗り工程のコツは、最後に筆を通して塗り厚を均一にすることです。

修理部分全体に漆を塗ったら、最後に筆を通していきます。

「左から右へ」を少しずつずらしながら繰り返します。それが終わったら、今度は「右から左へ」。その後「上から下へ」。そして「下から上へ」と通してお終いです。

この作業は塗った漆の厚みをなるべく均一にするためです。これは「マスト」です。意外と、厚みが不均一になっているので、この作業をすることで綺麗な面になります。

 

 

↑久恒さんの作業画像

塗ります、塗ります。「薄め」を心掛けて塗っていきます。

薄く塗るには「腰の強い」筆の方がいいです。腰が柔らかいと漆を引っ張ることができません。
こういった「幅広」の面を塗る場合はインターロンという筆の【丸2号】が使いやすいです◎

※久恒さんが使っているのは面相筆です。

 

オッケー◎
綺麗に塗り終わりました。

塗り残しがないか、入念にチェックしてください。特に修理部分の「キワ」に塗り残しがあることが多いので、気を付けてください。

 

湿した漆風呂に30分くらい入れて、漆に乾くきっかけを与えます…とこれまで説明してきました。が、どうやらこの作業はやらない方がいいかもしれません。

現在、私が習っている蒔絵の先生の指導は、「待ち」を入れずに「すぐに蒔く」でした。むしろ「すぐに蒔いた方がいい」。

この件に関しては私がまだ習い途中なので、もう少し蒔絵の実践を積んでから、実体感を元に詳しく解説していきたいと思います。

で、そうなると、これまで金継ぎ図書館内で解説してきた蒔絵のやり方に「誤り」があった…ということになります。それに関しましては本当に申し訳ございませんでした。
知識・技術ともにまだまだ未熟であると再確認しました。特に「蒔絵」作業に関して私の技量・知識が足りていません。しっかりと先生に教えていただいて、より正しい情報を皆さんにお伝えしていきたいと思います。

近いうちに図書館内コンテンツの全面改稿をしなくちゃいけなくなりそうです。

 

 

 

 

塗り終わったら油で筆を洗います。
 ▸ 詳しい作業後の筆の洗い方 

※ 油で洗わないと筆の中に残った漆が硬化するので次第に筆がゴワゴワしてきてしまいます。

 

 

 【 終わった後の筆の洗い方 】

  1. 筆に油を含ませる
  2. 作業板の上で優しく捻ったり、クネクネ(?)させたりする
    (こんな表現でいいんでしょうか?)
  3. ティッシュの上で、ヘラを使って優しく押さえる
  4. 筆の中の漆分がほとんどなくなるまで、<1~3>の作業を繰り返しす
  5. 最後に綺麗な油を筆に軽く含ませてキャップを被せる

※ 極々、ソフトに押さえるようにして筆の中の漆と油を掻き出すようにしてください。強くしごいてしまうと、筆の毛先が痛んで「カール」してしまします。

 

 

筆は付属のキャップを嵌めて保存します。キャップが無かったらサランラップを丁寧に巻いてください。

キャップがない、もしくはキャップを作りたいという方はこちらを参考にしてください。
 ▸ 筆のキャップの作り方 

 

 

 

 【 お掃除、お掃除 】

インターネット上で初心者相手の金継ぎ教室全ての作業が終わったら作業板を掃除します。

 テレピン(又はエタノール、灯油など)を垂らして、ウエスやティッシュできれいに拭き取ってください。

 

   caution ! 

厳密に言うと、掃除が終わった後の作業板の上には「ごくごく薄っすら」と漆の成分が残っています。ですので、この作業が終わるまではしっかりとゴム手袋をして、ゴム手袋を外したあとは作業板を含めて漆の道具類を触らないようにした方がいいです。

 

 

 

 

工程 12> 蒔絵


 【道具】

  • ②ティッシュ
  • ③真綿
  • ⑤粉鎮
  • ⑥あしらい毛棒
  • ⑦練り竹ベラ ▸作り方
  • ⑧作業板 ▸作り方

【材料】

  • ①エタノール
  • ④蒔絵紛(今回は真鍮粉)

▸ 道具と材料の値段と売っているお店

 

※ 金粉、銀粉を蒔くやり方のご説明はこちらを参考にしてください。
▸ 欠けた上泉秀人さんカップの金継ぎ方法 ④ 蒔絵

 

いよいよ最後の工程の「蒔絵」作業に入ります。

中に真鍮粉が入った包み紙を重石で押さえます。

金継ぎの蒔絵で使う真鍮粉を筆でで掬う

柔らかい毛足の筆で真鍮粉を少量掬い取ります。

 

筆に絡ませた金継ぎで使う真鍮粉

とりあえずこんなもんでいかがでしょうか?

 

さぁ、金継ぎの「粉蒔き」作業です。
これはなかなか気持ちがいいです◎

掬い取った真鍮粉を上塗りした漆の上にのせます。
バサッと。

 

真鍮粉を筆で掃くようにして漆の上に移動させていく。

バサッとのせた真鍮粉を筆で掃くようにして、漆の上に広げていきます。
手早く作業を行ってください。

漆の上に金属粉が乗ってしまえば、その上を筆で掃いても大丈夫です。(ソフトに掃いてくださいね◎)
ビビらずにいきましょう。

 

蒔絵の作業では筆で金属粉を払いながら漆の上にのせていく。

筆で強く擦らないように気を付けて、「ソフトタッチ」を心掛けて、金属粉を掃いて全体に広げていきます。

 

金継ぎの蒔絵作業が完了です

漆を塗った部分全体に粉が乗りました。作業終了です。

そうしたら、ある程度、綺麗になるように粉を払って掃除します。

粉を蒔いた直後に、周りに付いた粉を「しっかりきれいになるよう」掃除しようとすると、蒔絵をした部分を擦ってしまったりする恐れがあります。ですので、金属粉が残っていますが、現時点ではこのまま乾かしてください。

 

 

↑久恒さんの実践画像

 

そうです。思い切って「バサッ」といってください◎

 

あら、きれいにできました◎
器の表面がツルツルしているから、きれいに粉が掃除できたのかもしれませんね。

 

 

作業が終わったら高温度、高湿度の場所に置いて漆を硬化させます。
漆が最も早く乾固するのは湿度(75%~85%)、温度(25~30度)の環境です。
(この数値は「最もよく乾く」ということでして、この温湿度よりある程度低くても、ゆっくりとになりますが乾いてくれます◎)

そう、漆は空気中の水分を取り込んで硬化するのです。不思議な樹液ですね◎

 

 

 

 【 簡易的な漆乾燥用の風呂 】

湿度が保てる空間を用意します。
※ 水を固く絞った布を中に入れて湿度を高く(75%~85%してください。

※ びしゃびしゃの布を入れると(湿度が高すぎると)、漆が急激に乾き過ぎて「縮み」が起きる恐れがあります。ご注意ください。

 

caution ! 
初心者さんのよくある失敗で「湿度を高くし過ぎて漆が縮んじゃった!!(涙)」現象が多発しています。

  • 風呂の中に入れるウエスは固く絞る
  • ウエスは器から離す

以上の点をくれぐれも注意して、風呂を快適状態にしてあげてください。

↑ こんな感じでいかがでしょうか?

え!段ボール…。こんなんでもいいんですか??

はい、大丈夫です◎「段ボールなんてダサくて嫌!」という方は↓のページを参考にバージョン・アップさせていってください。

▸ 段ボール漆風呂の作り方

 

大事をとって一週間ほど漆風呂の中で乾かしてください。
最初の2日間くらいは湿度が高い状態になるように管理し、その後は放置して大丈夫です。

 

 

 

 

ようやく金継ぎ完成!


 

一週間ほど乾かした後、残った金属粉を水で洗い流します。食器洗い用の柔らかいスポンジを使って洗います。

 

できました!
おー!綺麗になりましたね~◎

 

 

時間はかかりましたが、初めてでもこれだけ綺麗にできました◎
(そうなると…「金継ぎ師って必要ないんじゃない?」なんて言わないでくださいね)

必要な道具・材料さえ手に入れば、「独学でもイケる」ってことです◎
自分で器が直せるようになれば、怖がらずに器が扱えますし、作家さんが作った器にも思い切って手が出せるようになりますよね。
万が一、壊しちゃったとしても、修理すればもっと魅力的になるのだから。

 

 

 

HISATSUNE Mayu 2018-01-18
challenger 久恒さん/青いカップ


 詳細  欠け/

 

 

 

 

 

 

Pocket

カップの口元の金継ぎがすぐに剥げる…(涙)。その原因とは?

 

 

size19 まいっちゃうな~

 

あけましておめでとうございます。
しばらくぶりでございます。二か月間くらい間が空いてしまいました。済みません、サボっていました。

さて、久々の投稿コンテンツは「金継ぎ図書館お悩み相談室」です。
(そんなコーナーあったっけ??はい。あるんですよ◎)

今日は岡山県在住のN.Y子さんからのお悩み相談です。

 

 

【 悩みのタネ 】

 

(…中略…)

作家さんのものをカフェで使っています。
その中で、割れた食器を自分たちで金継ぎして使えるようにしようということになり、何もわからない状態から金継ぎを始めました。

半年ほど悪戦苦闘しながらやっていたのですが、
やっとこれで大丈夫かな…?というくらいまでになれた気がします。

そして、直したものをカフェに出してみると
私が思っていたよりも早いスピード(2週間くらい)で気付けば剥げていってしまいます。

よく使うものなので仕方ないのかな?とは思いつつ、長持ちさせる方法や扱いで気をつける点などございましたらお教えいただけないでしょうか…?

因みに、金粉(真鍮粉)を蒔いた後には乾かして透漆を塗ってよく拭き取って、乾かしています。
カフェに入る人には漂白剤につけちゃダメだよ とは伝えております。

添付写真が見えにくいかもしれませんが、ご確認いただき、ご意見いただけますと幸いです。
ご不明な点などございましたらいつでもご連絡いただけたらと思います。
長々と失礼いたしましたが、どうぞよろしくお願いいたします。

 

N.Y子

(一部、加工、修正しました:お悩み編集室)

 

フレンドリーな文面のお便りです◎

なるほど。「剥げ」問題ですね。(「はげ、はげ」って言うと嫌がる人もいますかね?ごめんなさい)

こういう案件はひとまず、「現場」へ急ぎましょう!

 

↑こちらが現場です。

あら、自学自習だとのことなのですが、上手ですね~◎

 

なるほど、なるほど、これですか~。

で、ここでクエスチョンです!
皆さんだったらこのお悩みにどう答えますか?N.Y子さんから送られてきたこの文章、写真から、考えてみてください。
(金継ぎ師を目指されている方はぜひ、ここで自分なりの答えを出してから、ページ下へと読み進めてください◎)

 

 

Reasoning:推理


相談を受けたこちら側として把握したいのは、どういった状態のことをN.Y子さんは「剥げた」と表現しているのか??です。

一口に「ハゲた、ハゲた」といってもいろいろなハゲ方があります。

  1. ずりずり擦られて、全体的に摩耗して薄くなった状態を言っているのか?
  2. 一部がパリッと剥がれたようになっているのを「剥げた」と表現しているのか?

(最初、メールを読んだ時、僕は①の方のことを言っているのかな?と思っていました)

 

送られてきたメールの文面からヒントを探していきます。

直したものをカフェに出してみると
私が思っていたよりも早いスピード(2週間くらい)で気付けば剥げていってしまいます。

↑重要な情報はここです!具体的な時間を書いておいてくれたので助かりました!
2週間で剥げる…って早すぎますよね。半端じゃない「ハゲッぷり」です!基本的に大切に注意して使っていれば何年経っても剥げないです。(私が使っているものは剥げていません)

 

二週間で「剥げる」ということは、相当な摩擦(研磨?)が生じていたからだと推測するわけです。うん、間違いない。

 

次に、送ってもらった画像から分析し、推測します。

↑これです。どうでしょうか?
ここからどう推理しますか??

 

↑こちらの写真をもう一度見ると…

① ずりずり擦られて、全体的に摩耗して薄くなった状態を言っているのか?

どうも、私の↑この考察は当てはまらないわけです。真鍮粉の金色がピカピカしていますので。
ずりずり擦られていたら、真鍮粉の下の漆(赤色か黒色)が薄っすらと見えてきているはずです。

 

 

で、もう一度、写真をよく観察してみます。

この「赤の矢印部分」が剥げたと言ってる部分なんじゃないか?と思うわけです。

何でそこが「事件現場だ!」って鳩屋さんは思うわけ??
N.Y子さんは「そこ」だとは特に言及してないですよね。

それはですね~、「勘」です◎
いや、これは経験から導き出される推測です。

 

この部分はよく見ると、コップの縁フチですよね。この「エッジ」「尖った部分」というのは剥げやすいのです。

なーんでか?って言うと…

  1. エッジ部分は漆がのりづらいので、塗膜が薄くなる。
  2. 他の器やモノに当たりやすい(擦れやすい)。

からなのです。

 

①の漆がのりづらい理由ですが、漆って粘度が高いのですが、あくまで「液体」なんです。なので、尖がっている部分に塗ると、どうしてもその脇に流れてしまうのです。

 

あ、しつこいですか?ふふふふ。
先っちょ先生には乗りにくいのです。

 

 

続いて②の説明です。

 

よくあるパターンは「他の器と重ねた部分が擦れている」…です。

  • 流しのシンクの中に置いとく時に他の器に擦ってしまった。
  • 水切りのラックで乾かす時に、他の器と擦ってしまった。
  • 食器棚の中で他の器と擦れてしまった。

擦れた相手の器がガラスのようにツルツルしたものだったら、ダメージはほとんどありませんが、相手がガサガサの陶器の場合、やすり掛けをしているようなものですので、当然、金継ぎ部分が研がれて擦り減ってしまうのです。
相手が「そこそこ」ツルツルした食器だったら、徐々に「そこそこ」研がれて、やがては擦り減っていきます。

 

とうやって対処したらいいの??というと、最善の策は面倒ですが、陶器と重ねる時は「間紙あいし」を挟むことでしょうか。
でも、それはすごく面倒そうですよね~(涙)

単純に「気を付ける」だけでも、結構、大丈夫です。器を重ねてから(接触したまま)動かすと、研磨されてしまうわけですから、

  • 接触させたら動かさない、左右に振らない
  • 垂直離着陸をこころ掛ける

というところでしょうか。

それから、これは僕もやってしまったことなのですが、↑ステンレスの水切りラックに置いた時に、気を遣わずに金属に擦っていた…ということです。

塵も積もれば山となるで、やっぱり擦り続けていたら、エッジの部分だけ半年くらいで剥げてしまいました(涙)
その後、剥げた部分だけを誤魔化し気味にやり直し、使っています。なるべく擦らないように気を付けているだけで、今のところ問題なくいっています。2年くらい経っていますがオッケーです◎

 

これら、推測したことを元に、質問者のN.Y子さんに返信してみました。
そうしたら、だいたい推論は合っていたようです◎
(ナイス!金継ぎ図書館◎ やっぱり頼りになるぜ!)

 

 

 

写真から得られる情報量は膨大です◎

質問者が言葉にできなかった微妙なニュアンス、質問者がフォーカスしていなかった重要な情報を写真から読み取ることができます。
(今回はたまたま当たっていただけかもしれませんね~)

 

 

 

 

Pocket

蒔絵教室レポート6日目③/ 「焼継ぎ」ってなんだ?

 

size19

   修行のお時間!!

 

※鳩屋が蒔絵の技術を習いに蒔絵師さんのところに通い始めました。
そこで習ったことをひとまず備忘録的な感じでまとめ、その情報を多くの方とシェアしよう…というがこのシリーズです。
後日、「初心者でもできちゃうぜ蒔絵シリーズ」のようなコンテンツに落とし込むのが密かなる野望です◎(シクヨロです)

※作業工程や説明が間違っていたら、後日、師匠や同門の生徒さんからツッコミが入ると思います(苦笑) そうしたら訂正してきます。

 

かめばかむほど蒔絵の奥深さよ

金継ぎ図書館は現在、「漆工房 皎月こうげつ」の↑かめ師匠のところで修行中です◎
かめ師匠は蒔絵の本場・石川県の輪島で修行された方です。

 

 

漆工房皎月は東京の「駒込」「練馬」「青梅市」「あきる野市」金継ぎ教室も開催しています。
輪島で蒔絵の修行をされたかめ師匠と、東京藝大出身の福田さん(女性、僕の先輩です)の二人体制で丁寧に教えてくれます。至れり尽くせり!
都内で金継ぎ教室をお探しの方、金継ぎ図書館が100%の自信をもっておススメします◎(はっきり言って、最強の金継ぎ教室だと思います。)

詳しくは皎月さんのHPでチェックしてください。
▸ 漆工房 皎月Facebookページ

 

 

ぷち備忘録①/ 焼継ぎ


 

焼継ぎ…??ってなんですか?

はいー、壊れた陶器を「焼いて継ぐ」修理方法です◎

 

 

↑焼継ぎって、こんな感じです◎

 ん?「金継ぎ」じゃないんですか?直した所が「金色」じゃなくて、ちょっと透明のものがついていますね。
あ!分かった◎ これ、「瞬間接着剤」で直したんですね~。ふふふふ、そのくらい分かりますよー◎

はい、「不正解」!!見事に不正解です◎
「焼き継」というのはですね、陶芸で使う「釉薬」というガラスの粉のようなものを使って接着しているんです。

 

 

↑継いだ部分が透明だったり、ちょっと白濁していたりします。

ちなみにこの陶器は急須の蓋で、かめ師匠がヤフオクで落札したものです。いくつかの修理された古い陶器を落札してみたら、この焼き継の器が入っていたそうです。

接着箇所が「透明」だったり「白濁」していたり…というと、いよいよ「瞬間接着剤」なんじゃないの??ってツッコミたくなるところなのですが、かめ師匠が刃物を当ててみたところ、びくともしなかったそうです。ガラスのようにカチンコチンだったと。

 

「焼継ぎ」というのは昔からおこなわれてきた修理方法で、江戸時代に盛んになったそうです。
江戸時代には「焼き継職人さん」のような人が町をうろちょろしていて、普通の一般家庭の壊れた陶器も直していたそうです。

職人さんは修理道具を持ち歩き、その場で修理したようです。「その場ですぐに直す」…ってところがイイですよね。漆で修理するとえらく時間がかかってしまいますからね。
庶民が手軽に直してもらっていたとしたら、値段的にもそんなに高くなかっただろうし、手間も掛からなかったんでしょうね。

 

「焼き継」というと、「江戸時代の修理法」というニュアンスで書かれていることが多い気がするのですが、これは何でなんでしょうね?

江戸時代以前は木の器を庶民は使っていて、陶器の普及は江戸時代以降だったと、どこかの本に書かれていたので(うる覚えですが)、手軽に直せる「焼き継職」が成り立ったのが、江戸時代だったということなんでしょうね。
明治以降は陶器製造の工業化・量産化が進んで、「直す」よりも「新しく買う」方が断然、お安くなったので、「焼き継修理の文化」も廃れていったのかもしれませんね。
鳩屋の浅知恵からの予想でした◎

 

 

それでですね、こういったもの↑を見ると、俄然、その技法を詳しく知りたくなるわけです。はい、「修理人」ですから◎
やり方を知って、さらに技法をアップデートして、一般の人でも「けっこう手軽にできちゃった◎」というところまで持っていきたいわけです。できれば。

だけど、「焼き継」というのはもろに「陶芸」の分野なんです。まったくもって漆の分野じゃない!ということで、陶芸の人にやり方を教えてもらいに行くことにしました。

同門のN子先輩、L子先輩も僕以上にやる気まんまんなので、手分けして焼き継技法の研究!ということになりました。

僕は学生時代の親友の角谷先生(白金陶芸教室の経営者)にコンタクトを取ってみたいと思います。
よろしくカド先生◎

ということで、「焼き継」は引き続き研究を進めていきます。
乞うご期待です◎

 

 

 

ぷち備忘録②/ 貝の粉


 

こちら、特によくわからないまま写真を撮っておきました。

 

 

↑かめ師匠が持っていた「貝の粉」です。細かいです。

 

 

この粉を金属粉の蒔絵と同じように蒔いて加飾に用いるようです。
分かるような、分からないような…。そういった工芸品を見たことがありますが、具体的にどうやって作業を進めていくのか??よくわからない…。

一応、こういった材料もございますのよ、蒔絵には…ということで、押さえておいてください。きっといつかみなさんの役に立ちます。間違いない◎
僕は使うことがないかもしれないけど…。

 

 

 

Pocket

【Web金継ぎ教室】 Lesson04 欠けた器/ 初心者・久恒さんの金継ぎ往復書簡/漆を塗るまで

 

size19ファイツ!!

 

このページは金継ぎ図書館のコンテンツを使って「金継ぎ初心者・久恒さんのファースト・チャレンジ」をナビゲートしていく企画です。(がんばれ!ツネちゃん!) 早い話、「インターネット金継ぎ教室」をしちゃおう!ということです。
▸ インターネット金継ぎ教室のルールについての説明

久恒さんは「リアル」に本漆金継ぎ初心者です。(「簡漆金継ぎ」ワークショップにご参加くださったので、簡単な金継ぎは体験しています◎) ですので、久恒さんの金継ぎに関する素朴な疑問などが、皆さんのお役にたつのではと考えています。

今回は〈ペーストを削る~漆を塗る〉までの工程を説明します。

 

 

前回の作業を見る

▸ Page 03/ペーストを充填する

 

 

久恒さんとは?


 

久恒さん?ってどなたですか?
家業である林業を営んでいる大分県在住の女性の方です◎

 

 

【 profile 】

 久恒 まゆ

東京都生まれ、大分県育ち

2011年  武蔵野美術大学 木工専攻 卒業

在学中は「日本のものづくりの文化」「人の手によって生み出される木の魅力」「息の長いものづくり」などを研究

商業空間の内装設計を経て、現在は、家業の 六月八日/久恒山林株式会社(▸ http://rokugatsuyohkanomori.jp/ )で、森を育てるところから製品づくり販売まで一貫して行う、林業の6次化に取り組んでいる

 

 

 

 

 

【 作業を始める前の「心得」  】

漆をナメちゃいけません◎「漆なんてへっちゃらよ。素手で作業しちゃおうっと」なんて無用な冒険心、もしくは慢心があなたに猛烈な痒みをもたらすかもしれません。
しっかりとガードを固めてから作業に入りましょう◎

 

 必ず「ディフェンシブ」に。ゴム手袋は必需品です◎

 

 

 

 

前回、錆漆さびうるし(ペースト)をつけるところまでの作業を行いました。

 

 

 

工程 07> 錆漆を削る


 

錆漆さびうるし(ペースト)が、ガサガサと出っ張っているようでしたら、刃物で軽く削ります。ほとんど錆漆がの出っ張りがないようでしたら、「研ぎ」の方に進んでください。

 

道具 ①彫刻刀(平丸刀) ②彫刻刀(平刀) ③障子紙用丸刃カッター ④カッターナイフ(大)
▸ 道具と材料の値段/販売店


 

上記の道具のいずれか、もしくは複数が用意できると作業がやりやすくなります。

おススメは 【 ①と②の彫刻刀 】ですが、「研ぐ」ことができないと、使い捨てになってしまいますので、現実的な初心者用の刃物チョイスとしては 【 ③と④のカッター 】を用意してもらえたらと思います。

 

③ の障子用丸刃カッターはホームセンターの「障子貼りコーナー」にありました。刃先がRなので(丸味が付いている)、器の曲面部分、特に「器の内側」部分の削りにもある程度、対応できます。

 

乾いた錆漆さびうるし(ペースト)を刃物で削っていきます。

乾いたのか乾いてないのか、よくわからないんですが…という方は↓こんな感じでチェックしてください。

 

【 乾いた 】

「カリカリ」している。焼けた食パンみたいに。

・ 棒で押す→ 凹まない、硬い
・ 引っ掻く→ 白い線が残る

【 乾かない 】

「しっとり」している

・ 引っ掻く→ 白い線が残らない
・ 棒で押す→ なんだか「弾力」を感じる
(↑この状態は全然、乾いていません!)

 

 

引っ掻いてみる→引っ掻いた線が白くなる→乾いている ◎

しっかりと乾いている場合、「カリカリ」っとして、爪や棒で引っ掻くと引っ掻いた場所が「白く」線が残ります。それから強く押しても「弾力」を感じません。

 

※ 万が一、錆漆さびうるし(ペースト)が乾いていない場合は…

  • 湿度をかなり高めにした場所に置いて2~3週間待つ
    (2~3日経っても乾かなかった錆漆は乾くのにすごく時間がかかります。「やり直し」をおススメします
  • 錆漆を取り除いて、やり直す

上記のいずれかを選択してください。

やり直す場合は…

 

詳しくはこちらへ ↓

▸ 錆漆が乾いていない(ような気がする)時の対処方法

 

 

欠けたお茶碗の金継ぎ修理のやり方

サラサラと錆漆さびうるし(ペースト)の出っ張りを削ってください。

 

欠けたお茶碗の金継ぎ修理のやり方

器の内側を削るときは刃先がカーブしたものも併用すると削りやすいです。

 

 

 

 

 

ちゃちゃっと刃物で削ったら、仕上に「耐水ペーパー」できれいに研ぎます。

工程 08> 錆漆を研ぐ


 

道具 ②紙ヤスリ(耐水ペーパー) ③ウエス(布切れ) ④ハサミ(いらなくなったもの) ⑤豆皿(水受け)
材料  ①水
▸ 道具と材料の値段/販売店


 

※ ハサミは紙ヤスリを切るのに使います。紙ヤスリを切るとハサミが「ばか」になります。他のものが切れなくなりますので、要らなくなったものか、100均で安いものを買ってきてください◎

#400~#600程度で研いで、錆の表面の刃物跡を滑らかにします。その後、できたら#1000くらいでサラっと研いであげると錆の肌が綺麗になります◎

 

  1. ペーパーを1㎝×1㎝くらいに切る
  2. 三つ折り(二つ折りでもオッケー)にする
  3. 水をちょっとつける

 

縁の欠けた抹茶茶碗の金継ぎ修理のやり方

少量の水を付けながら研いでいきます。

なるべく修理部分以外を傷つけないように研いでいきます。

指の腹で撫でて「違和感」が無くなったらオッケーです。スッと指が通る感じです。

 

 

 

 

 

工程 09> 漆を塗る1回目(下塗り)


 

 ②ティッシュぺーパー ③面相筆 ④蒔絵筆(赤軸根朱替わり) ⑥練り竹ベラ ▸作り方 ⑦作業板 ▸作り方
材料  ①エタノール(テレピン、灯油など) ⑤精製漆(弁柄漆や赤口漆、黒漆など) ⑧サラダ油

▸ 道具と材料の値段/販売店


 

筆って…何を選べばいいんですか??という方へ

▸ 金継ぎにおススメの「筆」

 

 「生漆」しか持っていないのですが、どうしたらいいですか?
はい、それではこちらへどうぞ ↓

▸ 精製漆の作り方

 

↑ この茶色半透明の漆でも「漆塗り」はできるのですが、半透明だと「どこを塗ったのかわかりにくい」です(涙) なので、なるべくなら漆に色を付けた方が塗りやすいです。

 

▸ 色漆の作り方

 

漆の「色」のチョイスですが、仕上を「金色」にしたい場合(金粉、真鍮粉仕上げ)、最後の塗りに「赤色」を使いたいので、その前までは「黒色」の漆を使って塗り重ねていくのがいいと思います。
逆に仕上げを「銀色」にしたい場合(銀粉、錫粉、アルミ粉仕上げ)、最後の塗りに「黒色」を使いたいので、上塗り前までは「赤色」の漆を使います。

金色仕上げ」→下塗りで使う漆は「黒系の漆」(最後の粉を蒔く際に使う漆は「赤系」)
銀色仕上げ」→下塗りで使う漆は「赤系の漆」(最後の粉を蒔く際に使う漆は「赤系」)

 

今回、久恒さんは「真鍮粉仕上げ」をご希望だったと思うので、下塗りは「黒色の漆」を使ってください◎

 

 

 

作業に入る前に、筆をテレピンで洗って筆の中の油を洗い出します。
 ▸ 詳しい作業前の筆の洗い方

※ 何で筆に「油」がついているの??かと言いますと、作業が終わった後に、油で筆を洗っているからなのです◎ヘンですね、漆って。

 

 【 作業前の筆の洗い方 】

  1. 作業板の上に数滴テレピンを垂らす。
  2. その上で筆を捻ったりしてテレピンをよく含ませる。
  3. ティッシュペーパーの上でヘラで筆を優しく押さえる。

 

 

筆の準備が済んだら、今度は漆の用意をします。

 

  1. 漆のチューブの蓋を開ける。
  2. 作業板の上に少量の漆を出す。
  3. 筆に漆を馴染ませる。
  4. 作業板の上に何本か線を引き、漆の量を調節しつつ、
    含み具合をチェックする。

 

漆の中にゴミがたくさん入っている場合などは濾し紙で漆を濾してきれいにします。必要な方はこちらをご覧ください ↓

urushiway ▸ 基本的な漆の扱い方・濾し方

 

漆を塗っていきます。(塗前の準備に手間がかかりますね~)
 
 
欠けたお茶碗の金継ぎ修理のやり方
 基本的には「薄塗り」を心掛けてください◎
 
 

もし、漆を厚く塗りすぎた場合…

 

こんな感じになります。シワシワになるわけです。塗膜表面と塗膜の中の方との乾くスピードに「差」があり過ぎるとこうなるのだと思います。多分。

げっ!ホント!? やだー。縮んじゃったらどうすればいいの?

えっとですね、そのまま見て見ぬ振りして1ヶ月くらい放置。(縮んだ箇所の乾きは時間がかかります)
しっかりと中まで硬化した後、研いで塗り直す。です。

もしくは、縮んだ箇所を竹べらや彫刻刀でこそげ取って、テレピンを含ませたウエスできれいに拭き取る。その後、研いで塗り直す。です。はい。

どちらにしろ、すごく面倒です。呪いです。呪われないように気を付けてくださいね。

 

ちなみに、この「シワシワ現象」は湿度が高すぎて、「急激に乾かした場合」にも起こります。漆風呂の湿度を高くし過ぎたり、塗れた布を漆塗りした箇所のすぐ脇に置いたりしないようにしてください。(↑濡れた布のすぐ脇は、そこだけ局所的に”超・高湿度”エリアになります◎)
ご注意、ご注意◎

 
 
欠けたお茶碗の金継ぎ修理のやり方
 錆の部分を完全に覆うように漆を塗っていきます。
 
器の内側も塗ってください。
 
 
欠けたお茶碗の金継ぎ修理のやり方
 「キワ」までしっかりと塗っていきます。
 
 欠けたお茶碗の金継ぎ修理のやり方
 こんな感じに塗れたらオッケーです◎
 
とにかく厚くなり過ぎないように気を付ければ、あとは大丈夫です。簡単です◎
 
 
 
 
 ↑おっ!爪盤!
これがあると便利なのです◎
 
「爪盤」って何??
それはですね~、「親指に嵌める小さなパレット」です。蒔絵師さんが使っている道具なのですが、金継ぎでも大活躍するのです◎
 
 
 
 
 
 爪盤を使うと、筆に含ませる漆を手元で調整、補給できるので、作業がはかどります◎
 
いちいち、机の上の作業盤まで往復しなくて済みますから。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

 
黒の漆を塗った面はうっすら刷毛目がでていても問題ないでしょうか?

 

 

なるほど、「刷毛目(っつうか「筆目」?)ですか。

漆を塗って間もなくは刷毛目が残っていても、時間が経つと刷毛目が沈みます。漆も液体なので表面がフラットになります◎

なのですが、以下の条件では刷毛目が残りやすくなります。

  1. 乾きのスピードが速い
    (・湿度・温度が高い ・もともと漆自体が”元気”で乾きが早い)
  2. 顔料の込みが多い

1の対処法…湿度、温度を低くする(なんなら最初の数時間は湿していない風呂に入れて刷毛目が落ち着くのを待ち、その後、湿度を与える)。古くなって乾きが悪くなった漆を少量混ぜる。

2の対処法…顔料の比率を低くする。もしくは作った色漆に希釈剤(テレピン、灯油など)を少量混ぜて緩くする。

 
 
 
 

 

作業が終わったら高温度、高湿度の場所に置いて漆を硬化させます。
漆が最も早く乾固するのは湿度:75%~85%、温度:25~30度の環境です。
(この数値は「最もよく乾く」ということでして、この温湿度よりある程度低くても、ゆっくりとになりますが乾いてくれます◎)

そう、漆は空気中の水分を取り込んで硬化するのです。不思議な樹液ですね◎

 

 

 【 簡易的な漆乾燥用の風呂 】

湿度が保てる空間を用意します。
※ 水を固く絞った布を中に入れて湿度を高く(70%~85%)してください。
※ びしゃびしゃの布を入れると(湿度が高すぎると)、漆が急激に乾き過ぎて「縮み」が起きる恐れがあります。ご注意ください。

caution ! 
初心者さんのよくある失敗で「湿度を高くし過ぎて漆が縮んじゃった!!(涙)」現象が多発しています。

  • 風呂の中に入れるウエスは固く絞る
  • ウエスは器から離す

以上の点をくれぐれも注意して、風呂を快適状態にしてあげてください。

 

↑ こんな感じでいかがでしょうか?

え!段ボール…。こんなんでもいいんですか??

はい、大丈夫です◎「段ボールなんてダサくて嫌!」という方は↓のページを参考にバージョン・アップさせていってください。

▸ 段ボール漆風呂の作り方

 

 

 

今回は、室は2.3日湿しておいたらよいでしょうか。
 

 

 

そうですね。2,3日湿度のある所に置いておけば、しっかりと漆が硬化します。そうしたら、次の「研ぎ」の作業に進んでください◎

 
 
 
 

 

 

塗り終わったら油で筆を洗います。
▸ 詳しい作業後の筆の洗い方

※ 油で洗わないと筆の中に残った漆が硬化するので次第に筆がゴワゴワしてきてしまいます。

 

 【 終わった後の筆の洗い方 】

  1. 筆に油を含ませる
  2. 作業板の上で優しく捻ったり、クネクネ(?)させたりする
    (こんな表現でいいんでしょうか?)
  3. ティッシュの上で、ヘラを使って優しく押さえる
  4. 筆の中の漆分がほとんどなくなるまで、<1~3>の作業を繰り返しす
  5. 最後に綺麗な油を筆に軽く含ませてキャップを被せる

※ 極々、ソフトに押さえるようにして筆の中の漆と油を掻き出すようにしてください。強くしごいてしまうと、筆の毛先が痛んで「カール」してしまします。

 

 

筆は付属のキャップを嵌めて保存します。キャップが無かったらサランラップを丁寧に巻いてください。

キャップがない、もしくはキャップを作りたいという方はこちらを参考にしてください。
▸ 筆のキャップの作り方

 

 

【 お掃除、お掃除 】

インターネット上で初心者相手の金継ぎ教室

全ての作業が終わったら作業板を掃除します。

 テレピン(又はエタノール、灯油など)を垂らして、ウエスやティッシュできれいに拭き取ってください。

  caution ! 

厳密に言うと、素地をし終わった後の作業板の上には「ごくごく薄っすら」と漆の成分が残っています。ですので、この作業が終わるまではしっかりとゴム手袋をして、ゴム手袋を外したあとは作業板を含めて漆の道具類を触らないようにした方がいいです。

 

 

 

 

 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

Pocket

蒔絵教室レポート5日目①/炭粉上げ1回目

 

size19

   修行のお時間!!

 

※鳩屋が蒔絵の技術を習いに蒔絵師さんのところに通い始めました。
そこで習ったことをひとまず備忘録的な感じでまとめ、その情報を多くの方とシェアしよう…というがこのシリーズです。
後日、「初心者でもできちゃうぜ蒔絵シリーズ」のようなコンテンツに落とし込むのが密かなる野望です◎(シクヨロです)

※作業工程や説明が間違っていたら、後日、師匠や同門の先輩さんからツッコミが入ると思います。 そうしたら訂正してきます。

 

かめばかむほど蒔絵の奥深さよ

金継ぎ図書館は現在、「漆工房 皎月こうげつ」の↑かめ師匠のところで修行中です◎
かめ師匠は蒔絵の本場・石川県の輪島で修行された方です。

 

 

漆工房皎月は東京の「駒込」「練馬」「青梅市」「あきる野市」金継ぎ教室も開催しています。
輪島で蒔絵の修行をされたかめ師匠と、東京藝大出身の福田さん(女性、僕の先輩です)の二人体制で丁寧に教えてくれます。至れり尽くせり!
都内で金継ぎ教室をお探しの方、金継ぎ図書館が100%の自信をもっておススメします◎(はっきり言って、最強の金継ぎ教室だと思います。)

詳しくは皎月さんのHPでチェックしてください。
▸ 漆工房 皎月Facebookページ

 

 

 

かなりページアップの時系列がおかしくなってきました(涙)
「備忘録」的な感じで「お手軽」にコンテンツ作りをしていこかと思っていたのですが、気が付いてみれば1ページ作るのにものすごく時間がかかってしまうようになっていました。(このへんがアホ館長ってことですね~)

撮った写真だけ載せて、説明の手を抜き過ぎると初心者の方は誰もついていけない…ということになりますので(すでについてこれてないかしら??)、結局、ブログを書くには「時間がかかるモノ」と諦めました。

ひとまず重要と思われる箇所だけ、どんどんアップしていきたいと思います。「予備的」なお話は後日、アップしていきます◎
(↑これはもはや「備忘録」になっていない…。相変わらず要領の悪い金継ぎ図書館(涙))

 

 

本日のメモ01/〈椿の高蒔絵〉炭粉上げ1回目


【使った道具・材料】
道具 ・小筆(インターロン0号、2号) ・爪盤 ・筆洗いベラ ・針砥
材料 ・炭粉(7号粉相当の細かさ) ・呂色(黒い漆) ・サラダ油

 

 

 

高蒔絵の工程の一回目は↑銀粉を蒔いて、それから生漆で「粉固め」をしました。

それがしっかりと乾いてから、この炭粉上げの工程に入ります。

 

 

 

炭粉上げの一回目で目指すは↑こんな感じです。

僕は今のところイマイチよく分かっていません。でも大丈夫です。きっと。
ひとまず師匠の真似しておけばオッケーです◎ 新ジャンルに挑戦する際は、初めは「見よう見真似」が肝心です。はい。

 

爪盤の上で筆の中の漆の含み具合を調節します。

 

 

塗ります。
この作業は「蒔絵筆」じゃなくて、「インターロン」を使います。インターロンの方がこの作業はやりやすいそうです。腰が強いから?かな。

 

 

塗るときの注意ですが、

↑こんな感じになるように塗っていきます。

前回蒔いた銀粉の上にギリギリ接するくらい」か「1/3くらい」重なるように塗ります。さらに、その銀粉のところから内側にいくにしたがって漆の厚みを薄くしていきます

この「厚みの高低差」が最終的なレリーフ表現での凹凸に影響します。でも、今のところ僕にはイメージできていません。はい。

 

 

「厚目に」…といっても、あまり厚目にしないように気を付けて下さい。
「厚目に」というよりも「普通に」漆を置いて、そこから内側に向かって漆を薄く延ばしていく感じでいいのではないでしょうか。

 

 

塗ります。塗ります。

 

 

手早く塗っていきます。
手早く作業をしていかないと「最初の方に塗った漆」と「最後の方に塗った漆」との間に乾きの差ができてしまうからです。

 

 

始めの方に塗った漆は乾き始めてくるので、炭粉を蒔いた時に炭粉が沈みづらくなります。表面に溜まります。
後の方に塗った漆はまだまだ緩いので、しっかりと炭粉が沈んでいきます。

 

 

↑こういう現象も起こってしまいます。縮み…です。はい。

あとは…何で、時間差が出るとまずいんだろう??
↓こういうことですかね?次回、師匠に聞きます。

 

 

同じ厚みの漆を塗っても、その乾き具合によって、炭粉を蒔いた時の沈み具合の方も変わります。炭粉が沈む量が多いほどその場所の体積も増える(高くなる)。
炭粉が沈まなかった部分はあまり体積が増えない…ってことになりそうですね。

この考え方で当たっているかな??かめ師匠に聞いてみますー◎

 

 

シベの部分も塗っていきます。この部分にも凹凸をつけるのかどうかは本人次第です。

あまり高低差を付け過ぎたり、狭い範囲に凹凸を作り過ぎると、仕上がった時に見た目が「ブリブリ」し過ぎるかもしれません。
ということで、仕上がりをイメージしながら凹凸を作っていくのです◎ が、僕はよく分かっていません◎

 

 

筆は常に「自分のおへそ」に向かってくるように使います。ですので、画面の方を回転させます。

 

基本的には矢印の方向に漆を薄く塗っていきます。

 

 

塗り終わりました◎

 

 

 

 

 

炭粉蒔き


 

炭粉は7号粉が通るくらいのメッシュで濾したものを使います。(←この7号粉…というのは「金沢粉」の大きさでいいんですよね?先生?多分、そうだったと思います)

銀粉…硬い
炭粉…柔らかい

↑ノートに書いてあったメモです。これ、なんのためにメモしたものだろう??忘れちゃった。でも一応。銀粉の方が「硬い」です◎

 

 

↑この漆を塗った部分に炭粉を蒔いていきます。

 

 

炭粉の入った袋に筆を突っ込んで…

 

 

パサッと画面に蒔きます。

 

 

手早く筆先で炭粉を払って、漆の上に乗せていきます。

 

 

どんどん、「手早く」です。もたついちゃダメです。思い切って素早くです。

 

手早くおこなわなかった場合、どうなるのか?と言いますと…

 

↑例えば、この状態で作業を止めて、炭粉を乗せっ放しにしたとします。

 

漆の上に炭粉が乗っている部分と、乗っていない部分とがあります。

この状態のままでいると…

 

↑こうなっちゃいます。多分。
炭粉が乗っている部分は炭粉が沈むと同時に漆を吸い上げます。さらに炭粉が乗っている周りの漆も炭粉が吸い上げてしまいます(図②の状態)。表面張力の関係なんですかね?ちょっと分かりませんが、要するにこんな感じだと思います。

そうすると、その後、炭粉を全体に蒔いたとしても図③のように「高低差」ができてしまいます。

 

「時差」ができると吸い上げにムラがでますので、なるべく「時差」を無くし、均一に蒔いていくのが肝要です◎

 

 

ササッと全体に広げていきます。

 

 

広げて、広げて…
全ての面に炭粉が乗りました◎

 

 

全体に炭粉が乗せられたら、もう一、二度、往復します。

「炭粉が漆の中に沈む + 炭粉が漆を吸い上げる」ので、炭粉をもう一度乗せておきます。

 

 

炭粉を画面から払い落とします。

 

  

 

しっかりと綺麗に払い落とします。

 

 

五分くらいすると、部分的に漆が炭粉の表面に出てきて「濡れ色」になります。
先ほどと同じ作業をもう一度して、炭粉を全体に蒔いておきます。

 

 

 

 

蒔絵のお掃除


 

ガンガンに湿した風呂に入れて、そこそこ乾いたところで「お掃除」をします。
「ガンガンに湿した風呂」に入れるのは多分、一日の教室の時間内でなるべく行程を進めるためだと思います。師匠に確認しておきます。

「針砥はりと」を使って掃除をします。
針砥の説明はどこかのページでしたような…。ありました。こちらで確認してください。
▸ 蒔絵の修正のやり方

 

 

 

 

なんでそんな「修正」が必要なの??ちゃんとはみ出さないように塗ったはずなのにー。

それはですね、

↑こういう理由なんです。
塗った漆が銀粉に滲みていって、部分的にそのラインの外側にまで広がってしまう箇所があるからです。

前の工程で銀粉を漆で固めておかないと、この現象が起こりやすくなります。はい。

 

 

 

 

 

Pocket

【割れの金継ぎ修理】 松模様の白い湯呑 Page 04 / 漆塗り

 

size19ファイツ!!

 

※ 口周りが割れてしまった湯飲み茶わんの金継ぎ(金繕い)修理のやり方を説明していきます。本物の漆を使った修理方法ですのでかぶれる」可能性があります。ご注意ください。

※ 万が一、漆が肌に付いた場合はすぐに「油(サラダ油など)」でよく洗って下さい
 油?? そうです。「油」をつけ、ゴシゴシ漆を洗い落としてください。その後、その油を石けんや中性洗剤で洗い流してください。

 

今回は金継ぎ工程の〈ペースト削り~漆の塗り〉までのやり方を解説していきます。

 

 あり?前回はどんな作業をしたんだっけ??と忘れてしまった方はこちらをチェックしてください↓

【前回の作業を見る】

▸ Page 03 / パテを削り、ペーストを付ける

 

 

 

【 作業を始める前の「心得」  】

漆をナメちゃいけません◎「漆なんてへっちゃらよ。素手で作業しちゃおうっと」なんて無用な冒険心、もしくは慢心があなたに猛烈な痒みをもたらすかもしれません。
しっかりとガードを固めてから作業に入りましょう◎

 必ず「ディフェンシブ」に。ゴム手袋は必需品です◎

 

 

 

 

05 錆漆の削り


道具  ①彫刻刀(平丸刀) ②彫刻刀(平刀) ③障子紙用丸刃カッター ④カッターナイフ(大)
▸ 道具と材料の値段/販売店


上記の道具のいずれか、もしくは複数が用意できると作業がやりやすくなります。

おススメは 【 ①と②の彫刻刀 】ですが、「研ぐ」ことができないと、使い捨てになってしまいますので、現実的な初心者用の刃物チョイスとしては 【 ③と④のカッター 】を用意してもらえたらと思います。

③ の障子用丸刃カッターはホームセンターの「障子貼りコーナー」にありました。刃先がRなので(丸味が付いている)、器の曲面部分、特に「器の内側」部分の削りにもある程度ですが、対応できます。

 

 

 

乾いた錆漆さびうるし(ペースト)を刃物で削っていきます。

乾いたのか乾いてないのか、よくわからないんですが…という方は↓こんな感じでチェックしてください。

【 乾いた 】

「カリカリ」している。焼けた食パンみたいに。

・ 棒で押す→ 凹まない、硬い
・ 引っ掻く→ 白い線が残る

【 乾かない 】

「しっとり」している

・ 引っ掻く→ 白い線が残らない
・ 棒で押す→ なんだか「弾力」を感じる
(↑この状態は全然、乾いていません!)

 

 

引っ掻いてみる→引っ掻いた線が白くなる→乾いている ◎

しっかりと乾いている場合、「カリカリ」っとして、爪や棒で引っ掻くと引っ掻いた場所が「白く」線が残ります。それから強く押しても「弾力」を感じません。

 

※ 万が一、錆漆さびうるし(ペースト)が乾いていない場合は…

  • 湿度をかなり高めにした場所に置いて2~3週間待つ
    (2~3日経っても乾かなかった錆漆は乾くのにすごく時間がかかります。「やり直し」をおススメします
  • 錆漆を取り除いて、やり直す

上記のいずれかを選択してください。

やり直す場合は…

詳しくはこちらへ ↓

▸ 錆漆が乾いていない(ような気がする)時の対処方法

 

 

いざ、実践◎

 

 

刃の先に指を置かないように気を付けてください。
削り作業に没頭していると、いつの間にやらうっかり指が刃の先に…ってことがよくあります。

最初の「器を持つ手のポジショニング」に気を付けるのが肝要です◎

 

 

器の表の面を削るときは普通のカッターでもイケそうですね。カッターは「デカい」のを使ってください。大きいカッターの方が刃が厚くてたわまないので削りやすいです。

 

 

削るときの「コツ」としては…

  • 刀を持っていない方の手の親指で刀を「送り出す」ように「横スライド」させます。そうです。「横」スライドです◎
  • 器に刃を当てて削っていきます。

錆漆を付けた箇所が、周りの器の素地に比べると少し盛り上がっています。目標としてはこの「盛り上がり」をきれいに削って、周りの器の素地からなだらかに続くラインを作りたいわけです。できれば「目をつぶって指を通した時、違和感を感じないくらい」です◎

※ もちろん、「あたしは”もっこり派”なのよね」という方は好みの「もっこり具合」にしてください◎ ふふふふ。

 

 

 

破片の接着時に「段差(ズレ)」が生じていた場合(どうしたってズレは生じる場合があります)、そこに充填した錆漆さびうるし(ペースト)をどう削るのか?が問題になります。

こういった場合、考えなくてはいけないのは「見た目の美しさ」「実際的な錆漆の接着強度」です。

Aのようになだらかに削った場合、「段差」が緩やかに繋がって見えるので、段差が誤魔化せます。
一方で、錆の面積が広くなります(→接着のラインが太くなり、ちょっとドン臭くなる可能性がある)。
また、食いつきの悪い素地の場合(器に使われている釉薬がツルツルぴかぴかの場合など)は剥がれ易いリスクを負うことになります。

Bのようになるべく小さい面積になるように削った場合、接着ライン上のシャープな線となり、綺麗に見えやすくなります。
また、接着箇所の上に錆が乗っているので、食いつきもよいです。ただ、付けた錆が「急角度」になるので、修理箇所の段差が見えやすくなります。

これらの要素を考慮しつつ、「ちょうどよい落としどころ」を探るのがいいと思います。
私の方針としては、基本的には「錆の接着強度」の方を優先します(必要最小限の錆面積にします)。ただ、破片同士の「段差」が気になる場合には、少し錆を広めにつけることもあります◎

 

 

 

お、結構、キレいになってきた◎

 

 

口周りの継ぎ目も削ります。ここ、削りづらいです(涙) だけど、ここが綺麗に処理できていないと「サマ」になりませんよね。

 

 

刃の裏を器に当てながら削っていきます。器の素地をガイドにして、面の「基準」とします。刃は斜めにスライドさせながら削ります。

 

 

器の内側も削っていきます。内側の錆を削るときは刃先に「丸味」がないとちょっと無理ですよね。
普通のカッターしか持っていない方は、何とか丸刃の刃物を見つけてくださいー◎

 

 

 

内側を削る時も刃をスライドさせならがです。持ち手の置き場所も気を付けてください。

 

 

できました!キレイ◎ ね、きれいね◎

 

 

刃物でなるべく綺麗に錆を削っておくと、この後の「研ぎ」の作業が楽になります。最終的な仕上がりも断然、綺麗になります◎

ですので、ガンバって綺麗に削れるようになってくださいね。

 

 

 

 

 

06 漆ペーストを研ぐ


道具  ②紙ヤスリ(耐水ペーパー) ③ウエス(布切れ) ④ハサミ(いらなくなったもの) ⑤豆皿(水受け)
材料  ①水
▸ 道具と材料の値段/販売店


※ ハサミは紙ヤスリを切るのに使います。紙ヤスリを切るとハサミが「ばか」になります。他のものが切れなくなりますので、要らなくなったものか、100均で安いものを買ってきてください◎

※ 彫刻刀であまり削れていない(きれいなラインが出てない)場合は、まずは耐水ペーパーの#240くらい(←粗目)を使って研いでください。それで「形」を作ります。

形ができましたら、仕上げに#600~#800程度で軽く研いで、
表面の肌を整えてください。

 

  1. ペーパーを1㎝×1㎝くらいに切る
  2. 三つ折り(二つ折りでもオッケー)にする
  3. 水をちょっとつける

なんでこんなに「小っちゃくして」使うの??しかも「三つ折り」って。
(鳩屋さんってかなり神経質な人なの?1㎝を三つ折りってことは約3㎜でしょ。やりすぎじゃない?)

理由は2つです。

  1. 研ぎ面を極力少なくするため
  2. 平面保持力を高めるため

えーっとですね、「紙ヤスリ」って研磨力が強いんです。器の釉薬を傷つけてしまうのです。研いだ後、周りの釉薬が薄っすらと曇っているのは、あれは「細かい傷」が付いたからなのです。

なので、「なるべく」ですが、周りの釉薬が傷つかないようにペーパーを小さくして使うわけです◎

それから「三つ折り」っていうのは、ペーパーの「平面保持力」を高くするためです。ペーパー1枚で研いでいると「へなへな」なわけです。紙なので柔らかいですよね。

欠けたお茶碗の金継ぎ修理のやり方

普通にペーパー1枚で研いでいると「Aコース」になるわけです。紙一枚だと「研ぐ方のもの」が柔らかいので、錆漆(←硬いもの)の形を拾ってしまう。「カクカク」していた錆漆の「山の部分(エッジ)」は軽くさらうことはできるのですが、研ぎによって錆漆を「形作る」ことは難しくなります。

一方、「Bコース」のペーパー3枚重ねだと、「研ぐ方のもの」の「硬さ」が3倍になるわけです。元々の錆漆の形に引っ張られずに錆漆の形を研ぎによって作っていくことが可能になります。
(※ ペーパー1枚に比べて…という話です。平面維持強度をもっと上げて、きちんとした「形と作る」作業がしたかったら「小さな砥石」を使うのがいいと思います)

 

と、さんざん説明したくせに今回、使っているのは「木賊とくさ」という植物です◎

 

 

乾燥させた木賊を水に浸してから使います。水に浸さないと「パリパリ」していますので。

「木賊」って…あの、そこらへんに植えてある「木賊」でいいの??
はいー、あの「そこらへんの木賊」でイケます◎ めちゃくちゃ繁殖力が強いらしいので、ご近所さんの家に植えてある木賊を1,2本、頂いてきてください◎

数週間放置しておくと、いつの間にかカピカピに乾燥しています。そしたら使ってみてください。

 

 

 

水をちょっと付けて研いでいきます。
木賊は二つ折りして使うと、平面維持がしやすくなります。

 

独特の感触で、意外と気持ちいいです。研ぎ心地がペーパーとはちょっと違います。

 

研ぎながらウエスでちょこちょこと研ぎ汁を拭き取ります。拭き取って、研ぎ具合チェックです。
出っ張っている箇所があったら重点的に研いでください。というか、出っ張ってたら刃物で削った方が早いです◎

指の腹を通して、「つるっ」といったらオッケーです。

今度は器の内側に行きましょう。

 

 

内側も同様に研いでいきます。

接着箇所の周りに付いてしまった錆漆さびうるし(ペースト)が残っていたら、研いで綺麗にしてしまいます。

 

 

 

オケオケ。綺麗に研げました◎

そうしたら、いよいよ「漆の塗り」に入ります。

 

 

 

 

07 漆の下塗り


道具  ②ティッシュぺーパー ③面相筆 ④蒔絵筆(赤軸根朱替わり) ⑥練り竹ベラ ▸作り方 ⑦作業板 ▸作り方
 材料  ①エタノール(テレピン、灯油など) ⑤精製漆(今回は”赤口漆”) ⑧サラダ油

▸ 道具と材料の値段/販売店


 

さ、ついに「漆塗り」します◎
ここまで、長い道のりでした~! けど、まだまだ続きます(涙)

 

 「生漆」しか持っていないのですが、どうしたらいいですか?
はい、それではこちらへどうぞ ↓

▸ 精製漆の作り方

 

↑ この茶色半透明の漆でも「漆塗り」はできるのですが、半透明だと「どこを塗ったのかわかりにくい」のです(涙)漆に色を付けたい方はこちらへ ↓

▸ 色漆の作り方

 

さらに、「筆」って…何を選べばいいんですか??という方へ

▸ 金継ぎにおススメの「筆」

 

 

作業に入る前に、筆をテレピンで洗って筆の中の油を洗い出します。
 ▸ 詳しい作業前の筆の洗い方

※ 何で筆に「油」がついているの??かと言いますと、作業が終わった後に、油で筆を洗っているからなのです◎ヘンですね、漆って。

 

 【 作業前の筆の洗い方 】

  1. 作業板の上に数滴テレピンを垂らす。
  2. その上で筆を捻ったりしてテレピンをよく含ませる。
  3. ティッシュペーパーの上でヘラで筆を優しく押さえる。

 

 

 

筆の準備が済んだら、今度は漆の用意をします。

  1. 漆のチューブの蓋を開ける。
  2. 作業板の上に少量の漆を出す。
  3. 筆に漆を馴染ませる。
  4. 作業板の上に何本か線を引き、漆の量を調節しつつ、
    含み具合をチェックする。

 

漆の中にゴミがたくさん入っている場合などは濾し紙で漆を濾してきれいにします。必要な方はこちらをご覧ください ↓

urushiway ▸ 基本的な漆の扱い方・濾し方

 

うう…。漆は塗りに入る前の「準備」に時間がかかる…(涙)

 

 はい、ようやく漆塗りの実践に入ります!

 

 

塗っていってください。とにかく塗っていってください。ビビらなくて大丈夫です◎

「塗る順番」ですが、基本的には器の内側から塗り始めた方が作業がやりやすいと思います。

なぜ?
さー、何ででしょう??

 

 

先に器の外側を塗ってしまいますと、その後の器の内側を塗っている時に「うっかり」漆を塗ったところを触ってしまいやすいからです。
先に内側を塗ってから、器の外側を塗った方が「うっかり率」が下がります◎

いやー、うっかりするもんですよ。うっかり、うっかり。
僕もときどきうっかりします◎

 

 

あら、きれい◎
このまま完成でもイイですね~。器の白い素地に漆の赤色が映えますね~◎

 

そして…器の外側を塗ります!ガンバレ、館長!

 

 

そうです。錆は完全に覆うように塗っていってください。
錆が表面に出ていると、使っていくうちにその個所から剥がれていきやすくなります。ご注意ご注意。

 

 

漆の厚みは、気持ち「薄目」になるように気を付けて下さい。あとはいかように塗っても大丈夫です。(ホントか?)

 

 

ちょっとくらいはみ出しても気にせず行きましょう◎ おおらかに。

がっつりはみ出した場合は…どうしたらいいですか?(涙)

えーっと、それは見せしめに残しておいてください。己の集中力の無さを反省する材料にして、それを見ながら日々精進してください。はい。

はい、ウソです。
そうですね、そんな時は「アルコール」などの揮発性の高いものを綿棒などに含ませて、拭き取ってください。拭き取って、アルコールもしっかり揮発したら、再度、塗り直します。

テレピンや灯油などは揮発が遅いので、あまり綺麗に掃除ができません。アルコールがいいと思います。

 

 

なるべくはみ出さないように集中して塗ってください。

 

ところで、もし、漆を厚く塗りすぎた場合はどうなるんですか??

はい。こんな感じになります↑。シワシワになるわけです。
塗膜表面と塗膜の中の方との乾くスピードに「差」があり過ぎるとこうなるのだと思います。多分。

げっ!ホント!? やだー。縮んじゃったらどうすればいいの?

えっとですね、そのまま見て見ぬ振りして1ヶ月くらい放置。(縮んだ箇所の乾きは時間がかかります)
しっかりと中まで硬化した後、研いで塗り直す。です。

もしくは、縮んだ箇所を竹べらや彫刻刀でこそげ取って、テレピンを含ませたウエスできれいに拭き取る。その後、研いで塗り直す。です。はい。

どちらにしろ、すごく面倒です。呪いです。呪われないように気を付けてくださいね。

 

ちなみに、この「シワシワ現象」は湿度が高すぎて、「急激に乾かした場合」にも起こります。漆風呂の湿度を高くし過ぎたり、塗れた布を漆塗りした箇所のすぐ脇に置いたりしないようにしてください。(↑濡れた布のすぐ脇は、そこだけ局所的に”超・高湿度”エリアになります◎)
ご注意、ご注意◎

 

 

 

 

塗り終わりました~。やっと終わった◎

 

 

はい、鳩さん、さよなら、さよなら。

 

 

 

作業が終わったら湿度の高い場所(65%~)に置いて漆を硬化させます。そう、漆は空気中の水分を取り込んで硬化するのです。不思議な樹液ですね◎

湿度が高い場所…って、お風呂場にでも置けばいいんですか??

風呂場…でもいいのですが、風呂場って湿度が100%近くにまでなるので、漆を乾かすにはちょっと「どぎつい」環境だと思います。(漆は急激に硬化すると「やけ」「縮み」といった厄介な現象が起こりやすくなります)

もうちょっとソフトな環境を用意してあげましょう◎そう、実は漆は”やさしさ”で乾くのです。よ◎

 

 

 【 簡易的な漆乾燥用の風呂 】

湿度が保てる空間を用意します。
※ 水を固く絞った布を中に入れて湿度を高くしてください。

↑ こんな感じでいかがでしょうか?

え!段ボール…。こんなんでもいいんですか??

はい、大丈夫です◎「段ボールなんてダサくて嫌!」という方は↓のページを参考にバージョン・アップさせていってください。

▸ 段ボール漆風呂の作り方

 

 

 

塗り終わったら油で筆を洗います。
 ▸ 詳しい作業後の筆の洗い方 

※ 油で洗わないと筆の中に残った漆が硬化するので次第に筆がゴワゴワしてきてしまいます。

 

 【 終わった後の筆の洗い方 】

  1. 筆に油を含ませる
  2. 作業板の上で優しく捻ったり、クネクネ(?)させたりする
    (こんな表現でいいんでしょうか?)
  3. ティッシュの上で、ヘラを使って優しく押さえる
  4. 筆の中の漆分がほとんどなくなるまで、<1~3>の作業を繰り返しす
  5. 最後に綺麗な油を筆に軽く含ませてキャップを被せる

※ 極々、ソフトに押さえるようにして筆の中の漆と油を掻き出すようにしてください。強くしごいてしまうと、筆の毛先が痛んで「カール」してしまします。

 

 

筆は付属のキャップを嵌めて保存します。キャップが無かったらサランラップを丁寧に巻いてください。

キャップがない、もしくはキャップを作りたいという方はこちらを参考にしてください。
 ▸ 筆のキャップの作り方 

 

 

 

 【 お掃除、お掃除 】

インターネット上で初心者相手の金継ぎ教室全ての作業が終わったら作業板を掃除します。

 テレピン(又はエタノール、灯油など)を垂らして、ウエスやティッシュできれいに拭き取ってください。

   caution ! 

厳密に言うと、素地をし終わった後の作業板の上には「ごくごく薄っすら」と漆の成分が残っています。ですので、この作業が終わるまではしっかりとゴム手袋をして、ゴム手袋を外したあとは作業板を含めて漆の道具類を触らないようにした方がいいです。

 

いやー、今回のページは長かったー。

それでは、みなさま、さようなら~◎

 

 

 

 

 
 
Pocket

蒔絵教室レポート6日目②/炭粉上げ2回目

 

size19

   修行のお時間!!

 

※鳩屋が蒔絵の技術を習いに蒔絵師さんのところに通い始めました。
そこで習ったことをひとまず備忘録的な感じでまとめ、その情報を多くの方とシェアしよう…というがこのシリーズです。
後日、「初心者でもできちゃうぜ蒔絵シリーズ」のようなコンテンツに落とし込むのが密かなる野望です◎(シクヨロです)

※作業工程や説明が間違っていたら、後日、師匠や同門の生徒さんからツッコミが入ると思います(苦笑) そうしたら訂正してきます。

 

かめばかむほど蒔絵の奥深さよ

金継ぎ図書館は現在、「漆工房 皎月こうげつ」の↑かめ師匠のところで修行中です◎
かめ師匠は蒔絵の本場・石川県の輪島で修行された方です。

 

 

漆工房皎月は東京の「駒込」「練馬」「青梅市」「あきる野市」金継ぎ教室も開催しています。
輪島で蒔絵の修行をされたかめ師匠と、東京藝大出身の福田さん(女性、僕の先輩です)の二人体制で丁寧に教えてくれます。至れり尽くせり!
都内で金継ぎ教室をお探しの方、金継ぎ図書館が100%の自信をもっておススメします◎(はっきり言って、最強の金継ぎ教室だと思います。)

詳しくは皎月さんのHPでチェックしてください。
▸ 漆工房 皎月Facebookページ

 

 

 

 

本日のメモ01/〈椿の高蒔絵〉炭粉上げ2回目


【使った道具・材料】
道具 ・小筆(インターロン0号、2号) ・爪盤 ・筆洗いベラ
材料 ・炭粉 ・呂色(黒い漆) ・サラダ油

 

前回の作業の続きです。前回は「炭粉上げ1回目の研ぎ」を行いました。

 

前回の作業を見る

▸ 炭粉上げ一回目の研ぎ

 

 ※ 炭粉の研ぎ後、漆での固め(拭き漆)をおこなわずに、次の作業に入ります。

 

 

L子先輩は爪盤を忘れたので、かめ師匠の爪盤を借りて作業です。いーなー◎

 

 

↑主にインターロンの丸筆2号を使って漆を塗っていきます。

炭粉上げ2回目の漆の塗りは基本的には1回目よりは「薄目」に塗っていきます。(1回目の盛り上げ具合によりますが)

 

↑L子パイセンじゃなくて、かめ師匠でした。

二回目はどのくらいの面積を塗っていくのか??といいますと…

 

 

↑こんな感じです。

 

 

はい、ちょっとは分かり易いでしょうか?

どのくらいの面積を塗るのか?は、「どんな感じの凹凸の仕上げをしたいのか?」次第です。
ということなので、経験のない僕には「仕上がりのイメージ」を持つことができません。「ちょっとわからん」という感じで、なんとなく師匠の真似をしながら進めています。

何でも初めての経験は、いろいろ考えてしまって先に進めないでいるよりかは、先達の真似をしてサクサク進めていく方がいいと思います◎

 

一回目の炭粉上げでは銀粉の近くは少し「厚目」に塗って、高くしました。一回目が上手くいっていたら、二回目の炭粉上げは↑の図のように結構、均一な薄さでオッケーと言うことになります◎

 

漆塗りの作業は手早くおこなっていきます。漆が緩いうちに(乾きが来る前に)作業を終わらせます。

 

 

手早く炭粉を蒔いていきます。柔らかい毛先の筆を使ってバサバサ蒔いて、掃いていきます。

筆は特別なものを用意しなくても、毛先の柔らかい筆でいいです。炭粉蒔きで使うと毛が汚れます。ので、基本的には他の蒔絵用(金や銀を蒔く時)とは別物を用意した方がいいです。

 

 

炭粉を手早く全体に掃いていきます。3往復くらいさせて、しっかりと漆に炭粉を乗せていきます。

その後、炭粉をしっかりと払い落します。パラフィン紙やクッキングシートなどを敷いて、その上に炭粉を落とすと、その後の回収が楽にできます◎

 

 

炭粉を蒔き終わりました◎

暫くすると(五分くらいかな?)、厚めに漆を塗った部分の炭粉が漆を吸い上げてきます。炭粉の表面が濡れてきます。

そうしたら、もう一度、炭粉を蒔きます。

 

 

全体に炭粉を蒔いて、しっかりと払い落とします。

 

 

落として、落として…

 

 

はい、フィニッシュです◎

 

 

これを湿し風呂に入れて乾かします。

 

 

 

さて、蒔絵では漆を塗ってからその漆が乾きかける前に、すぐに粉を蒔きます。
なぜ、すぐに蒔かないといけないかと言いますと…

 

 

漆が乾いてきてしまうと、Ⓑのように粉が沈みづらくなります。そうすると漆の表面に粉が溜まってしまって、そこだけ乾きが早くなります。
表面だけ乾きが早い…となると、つまりそれは「縮み」を引き起こしやすくなります(涙)

 

 

↑ほとんど同じ図説ですが…

塗った漆の中にしっかりと粉を沈ませると、全体が均一なスピードの乾き方になるので、縮みません。

「手早く塗って、手早く蒔く」ですね。

 

 

 

ぷち備忘録/①


 

 蒔絵筆の「本当」の洗い方です。

 

 

なんと「指」の腹の上で洗うんです!!知ってましたか??知りませんよね◎

カブレないの!?
はいー、カブレません。ダイジョウブです。多分。

何で漆が着くのにカブレないのかといいますと、油を使って洗っているからです。漆は油が着いていると乾かないので(漆が活動しないので)、それでカブレないのです◎

 

 

サラダ油などの「不乾性油」を使って洗います。
人差し指の腹の上に蒔き筆を寝かせます。漆を掻き出すヘラの先は「丸まった」ものを使います。筆の先の「命毛」をなるべく傷めないようにです。

ヘラの素材はべっ甲や象牙、柘植の木など、「緻密」なもので、接触面がツルツルする素材がいいのだと思います。

 

 

実は私はこの洗い方をしていないので、そのコツがあまり分かっていません。ので、次回、先輩方に詳しく聞いてきます◎ ついでに写真も撮らせてもらって、解説したいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

Pocket

蒔絵教室レポート6日目①/炭粉上げ一回目の研ぎ

 

size19

   修行のお時間!!

 

※鳩屋が蒔絵の技術を習いに蒔絵師さんのところに通い始めました。
そこで習ったことをひとまず備忘録的な感じでまとめ、その情報を多くの方とシェアしよう…というがこのシリーズです。
後日、「初心者でもできちゃうぜ蒔絵シリーズ」のようなコンテンツに落とし込むのが密かなる野望です◎(シクヨロです)

※作業工程や説明が間違っていたら、後日、師匠や同門の生徒さんからツッコミが入ると思います(苦笑) そうしたら訂正してきます。

 

かめばかむほど蒔絵の奥深さよ

金継ぎ図書館は現在、「漆工房 皎月こうげつ」の↑かめ師匠のところで修行中です◎
かめ師匠は蒔絵の本場・石川県の輪島で修行された方です。

 

 

漆工房皎月は東京の「駒込」「練馬」「青梅市」「あきる野市」金継ぎ教室も開催しています。
輪島で蒔絵の修行をされたかめ師匠と、東京藝大出身の福田さん(女性、僕の先輩です)の二人体制で丁寧に教えてくれます。至れり尽くせり!
都内で金継ぎ教室をお探しの方、金継ぎ図書館が100%の自信をもっておススメします◎(はっきり言って、最強の金継ぎ教室だと思います。)

詳しくは皎月さんのHPでチェックしてください。
▸ 漆工房 皎月Facebookページ

 

 

 

 

次第しだいに、蒔絵教室のアップの速度が送れています(涙)。ここいらで踏ん張らないと、このシリーズが頓挫してしまう…ので、何とか食らいつきます!はい。

 

 

 

本日のメモ01/〈椿の高蒔絵〉炭粉の研ぎ1回目


【使った道具・材料】
道具 ・三和の砥石#600 ・金鋸かなのこ

 

今回は「空研ぎ」でいきます。これ間違えちゃダメです。水を付けないで研ぎます

 

「三和」というメーカーの砥石を使います。漆屋さんで売っています。

↑のモノはその砥石をすごく小さく切りました。金鋸で切ります。

砥石は結構、値段が高いです(涙)。一般的な刃物を研ぐ砥石よりも断然、値が張ります。何ででしょうね?他のメーカーのものよりも粒子が揃っているのかもしれません。漆の場合、万が一、砥石の中に粗い粒子が入っていて、それで塗面を引っ掻いた場合、結構な致命傷になるのです。

 

三和砥石#600/販売価格: 1,728円 (税込:2017-10-19現在)/サイズ100×23×17mm
▸ 箕輪漆行の販売サイトへ

うーん、何でこんな小っちゃいのにこんな値段するんでしょうね?ま、しょうがないんですかね。

その長細い砥石を切ります。

切る…??「切る」って、砥石って切れるの??「石」でしょ!?

はいー、切れます。というか、強引に切ります◎

 

 

金属を切る用のノコギリがホームセンターなどで売っています。鋸の「刃」だけ用意すればオッケーです。安いものだと3枚/¥200~300くらいであります。

 

金鋸でズコズコと切っていきます。意外と切れます◎
三和の砥石は比較的、柔らかいので切りやすいのです。とはいえ、鋸の刃もだんだん擦り減って、切れなくなってきます(涙)。これはしょうがないです。

2~3㎜厚に切ります。
そうしてからさらに…

↑こんなサイズに切ってください。

① 4×5×2㎜ ② 12×3.5×2㎜

このあたりのサイズ感は人それぞれだし、研ぐもの、研ぐ面積の大きさによって変えていいと思います。多分…(かめ先生に確認しておきます)。

用意した砥石は、「四角い」のが一個と、「長細い」のが一個です。

 

 

砥石が用意できたところで、研ぎ作業に入ります。

注意点は「空研ぎ(水は付けない)」「軽く研ぐ」「地面(漆の面)に当たらないように(傷付けないように)研ぐ」です。はい。難しいです(涙)

 

 

 

まずは「正方形」に近い形に切った砥石を使います。これで「広目」の面を研いでいきます。

↑砥石がかめ師匠の指先に隠れています。親指と人差し指で軽くつまんで研いでいきます。

 

 

↑この「炭粉の高上げ一回目」で盛った炭粉を研いでいくわけですが、どうゆうふうに研いでいるの???と言いますと、、僕もよく分かっていません◎ いや、これはコツを掴むまでは「何となく…」って感じになると思います。

 

 

一応ご説明しますと、「葉っぱ」の部分は葉の外側の方が高くて、葉の内側になるにしたがって低くしてあります。
※前回、炭粉上げの一回目の作業で、葉の外側の漆の塗り厚を厚目にし、内側になるにしたがって薄く塗ったからです。←この解説ページはまだ作っていません。すみません~(涙))

 

炭粉上げ一回目が終わった状態がⒶです。この状態だと炭粉を蒔いた面の中に「節」があったり、内側に向かって炭粉が終わる箇所にちょっとした「段差」が生じています。

それをⒷのような状態になるように研いでいきます。

 

 

砥石を摘まむような、炭の上に軽く乗っけているような…感じでしょうか。

ちなみに、この「炭研ぎ」作業は、一度、炭粉を漆で固めてから作業を行う人もいます。かめ師匠は固めません。固めると研ぎ面が硬くなって研ぎづらい感じがでるからです。

固めていないので、軽く研いだだけでも結構、ゴリゴリ削れて行きます。細心の注意を払いつつ作業を行います。

研いだ「炭の粉」が画面についていると(残っていると)、どのくらい研げているのか分かりづらくなります。それで「まだまだかな…」って研いでいると、研ぎ過ぎて地面まで彫ってしまったりします。
研いだ炭の粉は筆で払ったり、ウエス、ティッシュなどでちょくちょく拭き取りながら、画面の研ぎ具合が見やすい状態にしつつ、作業を進めます。

 

 

炭粉を蒔いた箇所で、「節」になっているところをはつり、あとは地面へランディングする箇所をなだらかになるように研ぎます。←ここを研ぐ時に「地面」を研がないように気をつけます。

地面に当たらないように、、と言われても…難しい~。「慣れ」でしょうかね。

 

 

ちなみに研ぐ時は、傾斜の低くしたい方の指にほんの少し力を入れ気味にします。
ほんの少しです。うっすらと力を入れます。うっすらです。本気で入れると、すぐに研ぎ過ぎてしまいますので気を付けてください。うっすらです◎

 

 

狭い面積を研ぐ場合は、もう一個の方の「長細い」砥石を使います。

 

 

↑こんなような狭い箇所を研ぐ時です。

先ほどは、研いでい面が広目だったので、砥石をピタっと乗っけて研ぐことができました。砥石自体の研ぎ面の「平面」を利用して、炭粉の成形ができました。
今回は面積が狭いので、先ほどのように幅広の砥石をピタッと乗せてしまうと…

 

 

炭粉上げした面から大きくはみ出してしまいます。砥石の方がでかいわけです。

こうなった状態で研ぐと…

 

 

砥石の下の炭粉上げした面が見えませんし、ちょっとした砥石の角度の誤差で地面を掘ってしまいます。

ということで、狭い面積の箇所はこちらを使います↓

 

 

おおー、なるほど。これ、使うんですね◎
でも、どうやって??長細くなっちゃって、余計使いづらそうに見えるんですが…。

 

 

 

↑こう、使います◎ よくわかりませんね。図説します。(今回は”図説”が多い!! 作るの大変よ~(涙))

 

おお~、分かりづらい図説だ!(涙)
分かりますか?わかりますね??分かってくださいね◎

砥石を摘まんでいる親指と人差し指に爪を画面に当てます。当てた状態をキープします。砥石を摘まむ高さと角度を調節します。そのままをキープします。そうすると一定の任意の角度で炭粉を研ぐことができます。

なるほど~◎という感じですね。
こうゆうのは独学だとなかなか気がつけませんよね。恐るべし、先人の智慧◎

 

あとは皆さん、実践です。

 

 

 

 

↑いつも作業の早い、L子先輩。

 

 

 

 

↑NN子先輩。

で、「研ぎ終わった状態」の写真を撮り忘れていました…(涙)
ま、写真で見せた所でほとんどその違いは分からなかったような気がします。はい。だから、写真が無くてもいいのです。「いい具合」に研いでおいてください◎

研ぎ終わったら、研いだ炭の粉を綺麗に払い落として、炭粉上げの2回目の作業を行います。

※ 炭粉を研いだ後、漆での固めはおこないません。

次回、ご説明します◎

 

 

次の作業を見る

▸ 炭粉上げ二回目

 

 

 

Pocket

蒔絵教室レポート4日目(その④)/高蒔絵の高上げ1回目の固め

size19

   修行のお時間!!

 

※鳩屋が蒔絵の技術を習いに蒔絵師さんのところに通い始めました。
そこで習ったことをひとまず備忘録的な感じでまとめ、その情報を多くの方とシェアしよう…というがこのシリーズです。
後日、「初心者でもできちゃうぜ蒔絵シリーズ」のようなコンテンツに落とし込むのが密かなる野望です◎(シクヨロです)

※作業工程や説明が間違っていたら、後日、師匠や同門の生徒さんからツッコミが入ると思います(苦笑) そうしたら訂正してきます。

 

かめばかむほど蒔絵の奥深さよ

金継ぎ図書館は現在、「漆工房 皎月こうげつ」の↑かめ師匠のところで修行中です◎
かめ師匠は蒔絵の本場・石川県の輪島で修行された方です。

 

 

漆工房皎月は東京の「駒込」「練馬」「青梅市」「あきる野市」金継ぎ教室も開催しています。
輪島で蒔絵の修行をされたかめ師匠と、東京藝大出身の福田さん(女性、僕の先輩です)の二人体制で丁寧に教えてくれます。至れり尽くせり!
都内で金継ぎ教室をお探しの方、金継ぎ図書館が100%の自信をもっておススメします◎(はっきり言って、最強の金継ぎ教室だと思います。)

詳しくは皎月さんのHPでチェックしてください。
▸ 漆工房 皎月Facebookページ

 

 

 

本日のメモ01/〈椿の高蒔絵〉銀粉の固め


【使った道具・材料】
道具: インターロン(0号)、爪盤(爪に付ける小さなパレット)、竹製の針木砥
材料: 生漆、テレピン

 

3日目に蒔いた銀粉を生漆で固めます。
▸ 3日目の作業を見直す

 

生漆は濾し紙(二枚くらいかな?)で濾して、大きなゴミを取り除きます。

 

 

生漆をテレピン(又は灯油)で希釈して使います。割合としてはテレピン3,4割ってところでしょうか。

インターロンの0号を使います。すごく細い筆です。

 

なるべく蒔いた粉からはみ出さないように漆を塗っていきます。漆は多すぎず、少なすぎず…を筆に含ませて塗っていきます。と言ってもよくわかりませんよね。

タプタプと漆が乗っている…✖ じんわりと漆が沁みている…◎ というところでしょうか?

 

↑このくらいです。師匠のオッケーが出ました◎

 

はみ出さないように漆を塗っていったのですが、漆がだんだんと浸み込んでいくので、ちょっとはみ出したりします。
まぁ、しょうがない。

 

生漆を塗り終わった後、どうするかと言いますと…

 

「ティッシュ・OFF」します◎
「ティッシュ・オフ」ってなに??おじさんの僕には聞き慣れない言葉。

漆を浸み込ませた部分にティッシュをそっと置きます。

 

そして、軽く押さえるティッシュはなるべく動かないようにします。動くと漆が周りの画面についてしまいますので。

 

そっとOFF!

 

 

ティッシュに漆が吸い取られます。これを数回おこないます。3回くらいかしら?

 

僕はNN子先輩と同時進行で進めています。L子先輩は断トツで先を進んでいます。

ガンバレ!金継ぎ図書館!!

 

ティッシュオフした手板は「湿し風呂」に入れて、しっかりと漆を乾かします。

 

漆が乾いたら、はみ出した漆を掃除します。じわじわ…と蒔絵の線からはみ出していった漆です。

「掃除」??
そうです。「そうじ」です◎

漆がまだ「完全」に硬化する前だったら、結構、簡単に除去することができるのです。(ナント!)
今回はガンガンに湿した風呂に90~120分くらい入れて漆を乾かした後、この「漆除去作業」をしました。

漆は時間が経つほど、どんどん硬化していくので、この掃除作業がやりずらくなります(何日も経ってしまったら、もう除去できないと思います)。ご注意、ご注意◎

 

 

使っているのは「竹製」の「針木砥」です。以前、「蒔絵教室レポート4日目(その③)/L子先輩の蒔絵修正」のページでご紹介したのは「木綿針」で作った金属製の針木砥でした。今回は「竹製」です。

金属製のものは硬いので画面の「地」を傷つけやすいので扱い注意です。竹製の方が画面への辺りがソフトです。その分、漆を削る力が弱いのだと思います。
そのうちこの「竹製針木砥」の作り方もご紹介します◎ 簡単です。

竹製の針木砥で蒔絵の線からはみ出した漆を、コリコリ削っていきます。こそげ取る感じでしょうか。

 

 

この後の作業は「高上げ二回目」になります。二回目は「炭粉」でやります。炭の粉です。ペーパーの上で炭を摺り下ろして作った粉です。
何で二回目は銀粉じゃなくて、炭粉だったんだっけ?忘れちゃいました。次回、かめ師匠に聞いておきます◎

 

 

 

 

Pocket

【かんざしProject 02】 かんざし「軸」部分のデザインによって「キープ力」に差はあるの??

 

待ち針?かんざしです◎

 

先日、初めて東京の「高円寺」に行きました。多分、初めてだったと思います。

台風が通り過ぎた直後だったので、空気が澄んでいた。だから空の青さがすごくクリアーで綺麗だったわけです。
だけど、高円寺を歩いていて感じたのは「東京の空は小っちゃいな」ということでした。(アーケード街を歩いていたので、そりゃ、空が小っちゃいわけですが)

 

現代に生きる私たちは、「かつてはあったはずの繋がり」をいつの間にか見失っている。
自身の生活を振りかえってみると、そう感じることがあるのです。

 

「もうちょっと」でいいから「木」や「森」「山」に近づいた方がよさそうだな…と思う。そうじゃないと「私」という「殻」がどんどん厚く、硬くなっていくような気がする。ソリッドな個体となり、孤独になり、息苦しくなる。

 

流動性を取り戻す。関係性を取り戻す。
「簪かんざしプロジェクト」もそんな試みの一つなのです◎ 多分。

 

↑Made by 鳩

 

 

 

簪の髪まとめキープ力、付け心地の実験


 

髪の長い久恒さんに実際に簪をつけてもらって「実験」をしました。

↓テストとして作った簪です。

↑Made by 鳩

  • 左端……【玉部分】 骨董ガラス/ちょい重め 【軸部分】 桜の木/六面体/無塗装
  • 真ん中…【玉部分】 鹿の角/ちょい軽め 【軸部分】 桜の木/六面体/漆塗り
  • 右端……【玉部分】 ヤクの骨/軽め 【軸部分】 鉄木/円柱/漆塗り

 

僕の予想(希望的)としては軸は「ツルツル」した漆塗りよりも、少し「ザラザラ」した木地のままの質感の方がキープ力がある。円柱の軸よりは多角形。細い軸よりは太い軸。軽めの玉部分よりかたは少し重めの玉……の方が「断然」キープ力があるのではないか?と密かに予想していました。

 

このあたりの予想が当たった場合、従来の一本簪の作り方を強烈に「否定」することができます。
そして「こういう理由で私たちの作る簪は優れているのです!」と、皆さんにその優位性を強くアピールできます。ブランディングがやりやすくなるな~フフフフ…と「ワルな目」をしながらニヤニヤしてました。

 

 

 

で、実際に使ってもらいました。

ガラスのトンボ玉+無塗装の木の軸(八角形)

 

左画像が簪を付けたばかりのものです。朝、仕事に出かける前。
右画像が仕事を終えて家に帰って来てから撮った写真です。(およそ8時間後)

今回は簪の「キープ力」を知りたかったので、「途中で髪をまとめ直す」ということを控えてもらいました。朝、セットしたらその後一切触らない…ということです。

ちょっと髪のセットが崩れていますね。髪の乱れは心の乱れ…

 

次に↓こちらの簪のテスト。

鹿の角の玉+漆塗りの木の軸(八角形)

 

はい、こんな感じです。

 

最後に↓こちら。

ヤクの骨の玉+漆塗りの軸(円柱)

 

 

結果としましては…一番最初の「トンボ玉+木の軸」が一番キープ力がありました!と言いたかったのですが、そんなことはありませんでした(笑)

「キープ力は全部、ほとんど同じ感じ」「大して差がない」
が結論となりました。

「鳩の勘」はからッきし冴えてなかった!ううう…ちょっと凹みますね。(うそ。全然凹んでない。ぜんぜん…うう)

 

それ以外にも久恒さん自身が持っている市販の簪を使った場合の感想も聞きました。

金属の簪、軸が「四角形」の簪、などなどテストしてもらいましたが、「そこに大きな差は無さそう」…と言うのが感想でした。

つまり「何でもいいから棒状のものを突っ込めば髪はまとまる!」ということなのかもしれません。(言い方が汚いかしら?)

となると、この結果をポジティブに捉えるなら、軸の形状のデザイン、表面塗装に関して、「何の制約も無い」と考えてよさそうです◎

ほほー。ナルホド。ん?ってことは今回の「実験」は何の意味も無かったってこと??

いやー、それを言われちゃうとですね~寂しくなりますね◎ (言っちゃ、ダメよ)

 

 

次回、ブチコさん(陶芸家さん)から送られてきた「玉」部分のテストピースをご紹介します◎

 

金継ぎのやり方

 

 

Pocket

韓国のアート・ビエンナーレに出品してます!/2017清州工芸ビエンナーレ

size19

藝術の秋よん!

 

「アニョン」って、それ、韓国の挨拶でしょ?
しかも写真に写っている文字がハングル文字っぽい…ですね。どうしたっていうの??

はい、なんと金継ぎ図書館、海外進出第二弾です!(第一弾はベトナムのフリーペーパーに掲載されました◎ きっと誰も覚えていないと思いますが)

今回は韓国の芸術展示会に作品を出品しました◎

 

2017清州工芸ビエンナーレ」という、工芸の全分野(金属、陶磁器、木工芸、繊維、ガラスなど)にまたがる国際総合芸術展示会です。
9月13日から韓国中部の忠清北道清州市で開幕。10月22日まで旧清州タバコ製造工場で行われます。

 

今年のビエンナーレのテーマは、「Hands+ 抱く」。「Hands+」…は「手で工芸以上のものを作り出す」という意味です。
18カ国・地域から約780人が参加し、約4000点の作品が展示されています。

 

作品は金継ぎした「器」ではなくて、「器」という漢字の語源をコンセプトにした、「槍」の作品です(墓標のような作品も一つありますが)。全部の作品に金継ぎした痕跡があります。

 

↑一応、作品のコンセプトがこちらに書かれています。僕は読めません。

 

なぜに韓国のアート・ビエンナーレに出品しているの?と言いますとですね、それは「Studio 仕組」さんという日本の会社からお声が掛かったからなのであります。(もともと、Studio仕組さんの方にビエンナーレ組織委員会から出品依頼が来たのです)

Studio仕組さんは日本の伝統工芸を活性化させ、次世代に伝えることをミッションとし、アーティストや職人と組んで様々な活動をしている組織なのです。

 

それじゃ、そのStudio仕組さんのお眼鏡にかない、数多いる工芸アーティストさんの中から、鳩屋さんに白羽の矢が立った…ってことね◎

ふふふふ…そう思っておいていただけたら有り難いです。(実は裏ルートでお声がかかったのですが。おほほほ…)

 

だけど、↑こんなお墓みたいな作品を韓国まで持っていって大丈夫なのでしょうか?

 

↑こっちは「槍」だし…。

 

韓国の人たちにも好意的に受け取ってもらえたら有り難いのですが、でも
「武器」ってなると~(笑) あまり「よい印象」は抱かないかもしれませんね。アートということで、いろいろ深読みしてくれたらと思います◎

 

ちなみにStudio仕組さんは「日本刀」も扱っています。本物の日本刀です。海外で売ったり、銀座シックスの蔦屋さんのフロアーにもお店があります。

 

ところで、日本人のこの「刃物」に対する接し方って何なのでしょうね?

 

ただの「人殺しの道具」とは捉えていませんよね。
日本の伝統的な武器を「他者の命の奪いとるための効率的な道具」と考えてしまうと、「ではなぜにそこまで美しさを追い求めたのか??」への読み筋が全く見えなくなってしまします。

「日本刀はアートだ」とか、「日本では、人を殺す武器でさえも芸術の域まで高めてしまった、世界的に見ても稀有な文化である」といったフレーズをよく聞きますが、これを聞いたところで何も合点がいかないですよね。
↑これって「金継ぎとは…」と同じ話法のような感じですね~。日本人はあまりよく理解できていない自国の文化をこうやって説明したがる癖がありますね。

 

鳩屋の「読み筋」としては、「当時の日本人は”自他の境界”が無くなる境地を至上のものとしていた」、だからその境界を無化する「究極の道具」として日本刀を捉え、ただの人殺しの道具という範疇を遥かに超えて洗練していった。そう読んでいます。

 

武士の勃興の時代と重なるように盛んになった文化としては「禅」「茶」「能」などがあると思います。(金継ぎも同じような時代ですかね~)

これらの文化は「自分と他者の境界線」を無化したり、「生と死の境界線」を超えようとする思想を孕んでいると思います。さらにはそれらを身体的に実感することも、一つの重要なゴールとして持っている気がします。

 

とすれば、日本刀をはじめとした武器に関しても同じ哲学が貫かれている可能性が高いと思うのです。

この辺りの「武士道」の精神性は日本人自体が解明できていないところだと思います。でも海外の人たちがすごく興味をもっており、知りたい思想でもあると思います。

 

当時の日本人の精神性を考究して、何とかまとめ、それが作品化できればと思っています。

相変わらず意味が分からんぞ、鳩屋!

 

 

 

金継ぎのやり方

 

 

Pocket