【初心者Web金継ぎ教室】割れたお茶碗の修理方法②-2後編~錆漆付け1回目まで

Pocket

 

 

  ファイツ!!

パックリと割れてしまった飯碗の金継ぎ(金繕い)修理のやり方を説明していきます。
今回は金継ぎ作業の〈錆漆(漆のペースト)を充填する〉までのやり方を解説します。

 

本日の「道のり」はというと…

前半戦、最大の山場となります。
「しっかりと乾く錆漆(漆のペースト)を作れるか?」ということと、「きちんと錆漆で穴や凹み、段差を埋めることができるか?」が、最大の難所となります。

タフな一日となるかもしれませんが、じっくりとこの道のりを攻めていきましょう◎
大丈夫、このページのナビについてきてくれたら、きっと難所は超えられるはずです。

 

 

 

 

 

前回の作業ご覧になりたい方はこちらをクリックしてください。↓

 
 
 

 

 

 

 

今回のシリーズで金継ぎ情報を「お届けしたい人たち」

それはどんな人たちかというと、、
「いや、そんな本気で職人さんみたいにガチガチに綺麗な仕上げを目指しているわけじゃないんです」
「普通に実用として使えて、そこそこ綺麗になっていれば大満足なので、そのやり方を教えてください」
…という人向けです。

 

 

動画でも本日の作業内容が確認できます。
まずはこちらをご覧いただければ今日の作業の全体感が掴めると思います◎

 

段差を埋めるまで~

□□□□□□□□

※ Step04/6:50~から始まります)

▫▫▫〈動画もくじ〉▫▫▫▫
6:50~ ④ 錆漆(ペースト)を作る
8:08~ ⑤ 錆漆を付ける
 ー 8:23~ 「割れた箇所に」錆を付ける
 ー 12:00~ 「小さな欠け」に錆を付ける
 ー 12:29~ 「大きな欠け」に錆を付ける
▫▫▫▫▫▫

 

 

 

 

⑤ 錆漆(ペースト)を作る

初心者作業時間/約15分

金継ぎでは「充填材」として
刻苧漆こくそうるしと呼ばれる「粘土状のパテ」
錆漆さびうるしと呼ばれる「泥状のペースト」
の2種類を漆を使って作ることができます。

それぞれに特徴がありまして、、
①刻苧漆…粘土状なので比較的成形しやすい。錆漆より厚く盛れる
②錆漆…泥状なので小さな穴や隙間に入り込む極薄に盛ることもできる
といった感じになります。

今回、直している器の場合、「接着時に生じた隙間僅かな段差を埋めたい」ので、使うのは②錆漆となります。(欠けている箇所は刻苧漆の方がよかったな~と反省しています)

 

 

⑤-1. 錆漆作りで使う道具・材料

 

  道具 
③ 作業板 ▸作り方 ⑤ 練りベラ ▸作り方 〇 軽量スプーン(1/4)

  材料
① 水 ② 生漆 ⑥ 砥の粉

〈作業盤の掃除用として〉
〇 テレピン 〇 ティッシュ(もしくはウエス)

▸ 道具・材料の値段/販売店 


※ 使う計量スプーンは「1/4」「1/10」サイズがお薦めです。
よほど大量の麦漆が必要でない限り1/4サイズで十分です。1/10サイズはほんの少し作りたいときに使います。

※ 「作った」錆漆さびうるしについての注意点ですが、”正味期限”は1~2日くらいと考えてください。 
作った時が一番「乾き」がよく、時間が経つほど、どんどん乾きが悪くなってきますので、基本的に「使うときに作る」が原則です。
保存があまり効かないので、「作り置き」は避けてください◎

 

 

 

 

 

 

⑤-2. 錆漆を作る

 

 

錆漆(漆のペースト)

砥の粉:生漆 = 10:7~8

※ 目分量の体積比

 

 

▪錆漆作り▪~

□□□□□□□□

詳しく「麦漆の作り方」をご覧になりたい方は
‣ 初心者向け”麦漆”の作り方

 

 

 

①まずは計量スプーンで砥の粉を取り出し、軽くヘラで押えます。
そしてヘラで擦り切ります。
②作業盤の上に出して、ヘラで細かく潰します。

③砥の粉の横に少量の水を出します。
④ヘラを使って、砥の粉と水を練り合わせます。砥の粉に満遍なく水が行き渡るようにします。
加える水の量は「砥の粉がまとまるくらい」です。

⑤砥の粉に対して「7~8割」の生漆を用意します。この比率がすごく重要です。
⑥少量ずつ(1/3くらい)の生漆を砥の粉に足して、しっかりとヘラで練り合わせます。

⑦さらに生漆を砥の粉に加えていきます。
⑧全部の生漆を練り合わせたら完成です◎

 

詳しく「錆漆の作り方」をご覧になりたい方は


‣ 初心者向け”錆漆”の作り方

 

 

 

 

 

 

 

⑥ 錆漆を付ける

初心者作業時間/約20分

 

⑥-1. 錆付けで使う道具・材料

 

  道具 
④ 付けベラ(小さいヘラ) ▸作り方

  材料
〇 錆漆

〈作業盤の掃除用として〉
〇 テレピン 〇 ティッシュ(もしくはウエス)

▸ 道具・材料の値段/販売店 


 

 

⑥-2. ヘラ先に錆漆を取る

 

 

さぁ、いよいよ接着箇所に錆漆を付けていきます。

と、その前にヘラの使い方のレクチャーです。この一連の動作がスムーズにいくようになると、錆付け作業も楽しくなってきます◎

 

▪ヘラ先に錆漆を取る▪~

□□□□□□□□

 

ヘラの角度的には少し「寝かせ気味」にスライドさせると、ヘラの先っちょに錆漆がつきやすくなります。

↑こんなくらいの角度でスライドさせると…

↑ヘラの先っちょに錆漆が付きます◎

 

 

① ヘラで錆漆を薄く広げる。
② 広げた錆漆の右側にヘラをセットする。

③ 錆漆を掬うようにヘラを右から左へとスッと通す。
④ ヘラの先っちょに錆漆が少量乗っかる◎

作業盤の上で錆漆を広げるときに毎回、同じ厚み、広さにできるようになると、ヘラの先っちょですくう錆漆の分量も毎回、一定になってきます。

これは「慣れ」の問題だと思いますので、修練あるのみですね。

 

 

それでは実践です。

錆漆は「もたもた」作業をしていると、だんだんと固く締まってきて、ぽろぽろしてきちゃいます。
錆付け作業は「ゆっくりと作業ができない」「スピードが要求される」というところが初心者さんとって、難易度が高いところなのです。
ビギナーの方が初めから手際よくできるわけもありませんので、それほどきれいに錆漆が付けられなくても気にせずにいきましょう◎

 

 

 

⑥-3. 接着箇所への錆付け

 

 

 

▪接着箇所への錆付け▪~

□□□□□□□□

 

 

(※マスキングテープはもっと接着箇所ギリギリに貼ってください。↑これは隙間が空きすぎて失敗しているので参考にしないでください~)

まずは接着方向に沿って錆漆を置いていきます。

 

 

ずずずーっと置いていきます。狙いが外れたり、途中、錆漆が付いていない部分があっても気にせずいってください。

 

 

次に接着箇所をまたぐように「左→右」へとヘラを小刻みに通します。

 

 

ヘラの通った道が少し重なるくらいです。

 

「左→右」へとヘラを通し終わったら…

今度は逆方向「右→左」へとヘラを揃えて通していきます。

 

 

再び接着方向に沿って「下→上」へとヘラを通します。

 

 

最後に「上→下」へとヘラを通します。

これが基本的な一連の動作となります。

① 接着方向に沿って錆漆を配る。
② 接着箇所をまたぐように左右にヘラを通す。
「左→右」「右→左」
③ 接着方向に沿って再びヘラを通す。
「下→上」「上→下」

この①~③の動作を繰り返していきます。

 

器の外側も同様の手順で錆漆を充填していきます。

錆漆の付いたヘラを接着方向に沿ってズズーっと移動させていく。

 

 

ズズーーっと。
なるべく均一な厚みで錆漆を配るわけです。

 

 

次に接着箇所をまたぐようにヘラを通す。「上→下」へと小刻みにヘラを動かします。

 

「上→下」へとヘラを通し終わったら…

今度は「下→上」へとヘラを小刻みに通していきます。

 

 

再び接着方向に沿ってヘラを通します。

 

 

最後に逆方向に通す。
これでオッケーです。

 

それにしても、何でこんなに何方向にもヘラを動かすんですか?一方向だけじゃダメなの?一方向だけでも綺麗に錆漆が付いているように見えるんですが~。

なるほど、確かに、確かに。
一見すると、表面的には一方向にびーっとヘラで付けただけで、綺麗に錆漆が付いているように見えますよね◎

ちょっと解説させていただきますね。

器の接着箇所といのは、接着時にほんのわずかに生じたズレがあったり、また、接着剤である麦漆が乾くにつれて少し痩せてきますので、そこにわずかな隙間ができたりします。

この「段差・隙間・凹み」などを錆漆で埋めていきたいわけです。

 

それで錆漆を付けたヘラを一方個に通したとします。

一方向に通しただけでも、確かに表面的には「綺麗に」錆漆が付いているように見えます。

ただ、よく見ると…(実際には錆漆で覆われた、下の層の話なので、見えないのですが~)

空間が完全に埋まっておらず、麦漆と錆漆との間に空洞が残っている…ってことが起こり得るわけです。
この「空洞」は錆漆が乾いてくるにしたがって(痩せてくるので)見えてくることもあれば、錆研ぎをしているときにいつの間にか現れてくることもあります。

これを防ぐためになるべく「上下左右」にヘラを通して、空洞を潰していこうというわけです。

 

 

 

お茶碗の口周りに2か所、「小さな欠け」と「大きな欠け」があります。
それらも錆漆で埋めていきます。

 

⑥-4. 小さな欠けへの錆付け

 

まずは口周りの「小さな欠け」から。
(実はこの「欠け」は私がヤスリでやすって作った欠けなのですが~)

 

▪小さな欠けの錆付け▪~

□□□□□□□□

 point! 

・付けた錆漆をヘラで左右に動かし、器の素地に密着させる。
・「ほんの少し」多目に盛りましょう。乾いてから刃物で削ります。ただし、盛り過ぎると後で削るのが大変になります。

 

 

少量の錆漆をヘラ先に取って、小さな欠けの部分に付けます。

錆漆を少量取るやり方は↓こちらを参考にしてください。
‣ ⑥-2. へら先に錆を取るやり方

 

器の欠けた箇所に擦りつけながらヘラを画面の「右斜め下」に引いていきます。(分かりづらい写真ですね~。済みません)

そうするとヘラ先の錆漆が器の欠けた箇所に乗ります。

 

次に乗せた錆漆を「奥」の方に倒すようにしてヘラを「手前→奥」へと通します。

器の素地に密着させます。

 

今度は「奥→手前」にヘラを通します。

 

あとはヘラを数回通しつつ、形を整えます。

 

 

ちょっと凹んでいたので、もう少しだけ錆を付け足します。

 

 

なるべく綺麗に成形してお終いです。

乾いた後に刃物で削ることができますので、このくらいでいいとしましょう◎

 

 

 

 

 

やたらと長いページになってしまいました。
この下の「大きな欠けへの錆付け」の説明ですが、直している器に「大きな欠け」が無い場合は読まなくて大丈夫です◎

 

⑥-5. 大きな欠けへの錆付け

 

今回の「欠け」は少し大きめなので、「二回」に分けて充填します。
一回で充填しようとすると、錆漆が厚くなり過ぎて乾きません。(内側がいつまで経っても乾かない、「膿んだ」状態になります)

二回目の錆漆が付けやすいように意識しつつ、ある程度、盛っておきます。

 

 

▪大きな欠けの錆付け▪~

□□□□□□□□

 

 

 

少量の錆漆をヘラ先に取って、大きな欠けの部分に付けます。

錆漆を少量取るやり方は↓こちらを参考にしてください。
‣ ⑥-2. へら先に錆を取るやり方

 

 

 

①欠けている箇所の「エッジ」に擦るようにヘラを通し、錆漆を欠けた箇所に乗せます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これで錆付け作業の一回目がお終いです。

今回の修理方針としましては「とことん時間をかけて綺麗に仕上げる」のではなく、「多少、ざっくりとした仕上がりになってもいいので、なるべく手数を少なく仕上げていく」…という方針です。
ですので、できれば錆付け作業もこの1回だけにしたいところなのですが、ただ、「欠け」の箇所はこのままではマズいですよね~。この箇所だけは次回、もう一度、錆漆を付けることにします。

 

 

 

 

⑥-6.錆漆の乾かし方について

 

錆付け作業が終わったら、錆漆が乾くまで《待ち時間/1日~2日》ほど待ちます。
湿した室に入れる必要はありません
錆漆自体に水分が含まれているので、放っておいても乾きます◎

ただし、乾きの遅い生漆を使っている場合は(古い生漆など)、湿し風呂などを使って、湿度の高い環境に置いてください。

 

 

 

 

 

 

 

Pocket

【初心者Web金継ぎ教室】割れたお茶碗の修理方法②-1前編~マスキングテープを貼るまで

Pocket

  ファイツ!!

パックリと割れてしまったお茶碗の金継ぎ(金繕い)修理のやり方を説明していきます。
今回は修理作業の〈接着剤を削り、汚れ防止のマスキングテープを貼る〉までのやり方を解説します。

 

本日の「道のり」はというと…

前半戦、最大の山場「錆付け」に向かっての準備をしてきます。

 

 

 

 

 

 

前回の作業ご覧になりたい方はこちらをクリックしてください。↓

 

前回の作業〉

‣ page①後編~接着まで

 
 

 

動画でも本日の作業内容が確認できます。
まずはこちらをご覧いただければ今日の作業の全体感が掴めると思います◎

 

テープで養生するまで~

□□□□□□□□

※ Step03~6:50までです)

▫▫▫〈動画もくじ〉▫▫▫▫
0:32~ ① 器のズレを削る
1:20~ ② 接着剤の削り
3:52~ ③ 養生をする
▫▫▫▫▫▫

 

 

「割れた器の直し方」の”ダイジェスト”動画(5分強)を作りました。

‣ 【ダイジェスト版】割れた器の金継ぎ動画
(YouTubeに跳びます)

「ざっくりとした修理全体の流れ」とか、ご自分の修理工程の「現在地」を確認したい方はご覧ください◎

 

YouTubeにも「”動く”金継ぎ図書館」をご用意しております。
よろしかったら覗いてみてください。どんどんコンテンツを増やしていきます◎
→ ‣ ”動く”金継ぎ図書館

 

 

 

 

 

 

 

① 乾いた麦漆のチェック

 

前回、割れた破片を「麦漆(漆の接着剤)」で接着してから2~3週間ほど経ちました。
まずは麦漆が乾いているかをチェックします。

 

 

はみ出している麦漆を爪で引っかいてみて、固くなっていたらオッケーです◎
万が一、「ぶにぶに」と弾力があるようだったら、まだ乾いていません

乾いていなかったら、そのままさらに1~2週間放置するか、もしくは表面にはみ出している麦漆を軽くはつってから1~2週間放置してください。

麦漆をはつってから放置した方が乾きが良くなります。
が、まだこの接着剤が乾いているわけではないので、はつり作業中に器に「大きな圧力」がかからないように注意してください。
せっかく接着した破片がガバっと取れてしまいます。
なるべく圧力がかからないよう、「軽く」麦漆をはつってください。

 

 

今回の麦漆はしっかりと乾いています◎

 

内側からはみ出している麦漆も乾いております。

 

 

 

 

② 接着のズレを削る

初心者作業時間/約10分

 

②-1. ズレを削る理由

 

接着した時にわずかにズレが生じました。。。。
これは致し方ないですよね~。割れた断面に何も塗らなければ「ピタッと」くっつくのですが、本来は何もなかったはずの断面に接着剤(麦漆)を塗るので、どうしても「異物が挟み込まれた」形になります。

そうなるとズレが生じやすくなってしまいます。
ただ、接着剤が「薄い」ほど、隙間なくピタッとくっ付くはずなので、その技術はあげていかなくちゃいけませんね。

 

ちなみに↑の画像の「ズレ」をどう処理したらいいでしょう?

拡大するとこのように「ズレ」ているわけです。

 


このズレをそのままにして錆漆(漆のペースト)で段差を慣らしていく作業をするのも「あり」だと思います。

ただ、この時の問題点としては…

器の釉薬(ツルツルした器の表面)の上に錆漆が乗っかることになります。となると、「食いつき」が悪くなります。それはつまり「剥がれやすい」ということになります。

なので、鳩屋の提案としてはこの段差を「削ってしまえ!」ということです。(わぉ!)

↑上図のように「V字」に削るのがいいのではないか?と考えています。

 

そのV字に削った箇所に錆漆を充填するというわけです。

こうすると錆漆が釉薬の上に乗っかっているわけではないので、器の素地への食いつきが良いですし、修理箇所の見た目も良いような気がします◎(僕だけ?)

ただ、この提案の欠点としては「大切な器を傷付けてしまう」ということです。「大切な器なので、なるべく余計な傷を付けたくない…」という方はこの方法は避けてください。

 

 

 

②-2. ズレ削りで使う道具

 

  道具 
② ダイヤモンドやすり(半丸)

▸ 道具・材料の値段/販売店 


 「ダイヤモンド」なら器が削れます◎
すごいですね!

 

 

 

②-3. ズレの削り作業

 

それでは削り作業に入りましょう。

▪ズレを削る▪~

□□□□□□□□

 作業工程
① 初めは力を入れず、とにかくやする場所を外さないようにだけ気を付けて、やすりをサラサラと小刻みに10往復くらいさせる。
② 浅い「溝」ができたら、あとはある程度ストロークを大きくして、ガシガシやすっていく。

 

 

「ダイヤモンドヤスリ」を使ってヤスっていきます。

これで擦っていくと、ガリガリと器が削れて行きます。ダイヤモンドって固いんですね~(‘;’)

 

 

狙いを外すと簡単に器に傷が入りますので、気を付けてください。

やすり作業の初めは、慎重に、小刻みに、かつ「軽く」ヤスリを動かしていきます。
ある程度、溝が引けてきたら(窪みができてきたら)、あとはそれほど気を遣わなくても狙いを外さずにやすることができますので、勢いよくやすっていきます◎

 

↑こんなふうに「Vの字」に溝が切れたらオッケーです。

 

 

 

 

 

 

 

 

③ 麦漆を削る

初心者作業時間/約20分

③-1. 麦漆削りで使う道具

 

  道具 
③ 障子用のカッター(刃先がカーブしたもの) ④ カッターナイフ(大)

▸ 道具・材料の値段/販売店 


 ③の「障子用カッター」ですが、普通のカッターナイフ・コーナーなどで売っている「デザイン・カッター」の刃先がカーブしたものよりも使い勝手がいいです。
刃に「厚み」があるので、削る時、安定して削りやすいです。それからカーブの具合も障子用の方が「急なカーブ」でして、そちらの方が使い勝手がいいです◎

 

 

 

③-2. 麦漆を削る

 

 

 

▪麦漆を削る▪~

□□□□□□□□

 作業工程

 

 

 

 

接着の際にはみ出した麦漆を削っていきます。

金継ぎで使うカッターは「障子用のカッター」がおススメです。
「デザイン用」のカーブしたカッターの刃先よりも、「障子用」の方がカーブの具合が「急(Rがきつい)」なので、使い勝手がいいです。

それと、デザイン用よりも刃に「厚み」があるので、削るときに安定します。刃が薄いと、結構ぶれるので削りづらいのです。

 

もし、作業しやすい刃物を持っていたらそれをお使いください。麦漆が削れれば何を使っても構いません。

 

 

ガシガシとはみ出した麦漆を削っていきます。

器に刃が当たると「ガリガリ」と音がします。「がーん…。器が削れた!?」って思うかもしれませんが、大丈夫です◎
カッターの刃よりも器の方が断然、固いので、器は削れません。むしろカッターの刃の方が削れて行きます。

 

 

この作業はあまり気を遣わずにどんどんやってください。
指の怪我にだけは気を付けてください◎

 

 

削るときに「空いている方の手」(持ち手じゃない方)の「親指」でカッターを押してあげると削る作業がやりやすいです。

 

 

初めのうちは慣れないかもしれませんが、親指を添えるとカッターの刃の動きが安定します◎

 

 

外側の作業が終わったら、器の内側も同様に作業を行います。

内側にも麦漆がはみ出していますので、お忘れなく。

 

 

すぼまっている器の内側、特に「器の底」の作業をおこなうのが大変です。
どこにでも売っている「斜めの刃」のカッターナイフだと、こういった場所の削りはかなり厳しいのではないでしょうか?

この「カーブした刃」でもかなり削りづらかったです。(ぎりぎり何とかできましたが)

 

 

麦漆を削ってみると分かるのですが、意外と接着した個所に「わずかな隙間」が生じています。

 

ちなみにこの「接着箇所のわずかな隙間」対策として、「あらかじめ接着時に麦漆を厚めに塗っておく」…という手も考えられます。
が、ご承知のように接着剤が厚ければ厚いほど、接着したときに「ズレが大きく」なります。

僕としては「ズレを最小限にする」方を優先させたいです。

 

 

接着箇所に「わずかな段差」が生じている箇所もあります。

これらの「隙間と段差」を漆で作ったペーストで埋めていきましょう◎

 

 

 

 

④ マスキングをする

初心者作業時間/約20分

 

④-1. マスキングで使う道具

 

  道具と材料 
[テープで行う場合]
① マスキングテープ ② 棒

[液体で行う場合]
③ マスキング液 ④ 水筆


 

 

 

④-2. テープを貼る

 

 

▪マステで養生▪~

□□□□□□□□

 作業工程

 

 

 

この次の作業で「錆漆」という漆喰のようなペースト状のもの(泥?)を接着箇所の段差や隙間に付けていきます。

その際、器が汚れないように接着箇所の周りにテープを貼って養生しておきます。

 

今回、使うのはこのテープです。

ホームセンターで買った普通のマステですが、皆さんお手持ちの可愛らしいマステでもオッケーです。

(テープ幅が広過ぎたので、カッターで真ん中あたりに切れ込みを入れて、半分の幅で使っています)

 

 

あらかじめテープを切っておくと作業がスムーズにいきます。

 

 

接着箇所を挟むように、両脇にテープを貼っていきます。

 

 

で…。で、なのですが、今回、ミスをしてしまいました!
うっかり、接着箇所とテープとの隙間を大きくしてしまいました。

次の作業で「錆漆(漆のペースト)」を付けるのですが、その錆漆が器の素地にこびりついてしまって、それを除去するのにすごく時間がかかってしまいました(涙)

器の表面がツルツルとしたガラス質のもの(釉薬)だったら、錆漆が付いても簡単に除去することができますので、このくらいテープを離してオッケーです。

ですが…

 

今回のように↑「ザラザラした肌の器」の場合は接着箇所のぎりぎりにテープを貼ってください

 

 

接着箇所を挟んで、反対側にもテープを貼ります。

 

 

ちょっと面倒ですが、なるべくギリギリに貼ります。

ただ、「ピッタリ」過ぎると、次の作業の錆漆がその隙間に入り込みづらくなる感があるので(私だけかしら?)、ほんの少し(1~2㎜程度)隙間を開けておいた方がいいかと思います。

 

 

「欠け」の周りにもテープを貼ります。

↑この画像よりももっとギリギリに貼ってください◎

 

 

「曲線」部分はテープを短く切って、カーブに合わせて貼っていきます。

 

器の内側にもテープを貼っていきます。
内側は貼りづらいです。

 

 

はい!間違ったマスキングテープの貼り方ですが、完了しました◎

 

 

器の内側も外側も全てにテープを貼りました。

 

 

くどいようですが、接着箇所のぎりぎりに貼ってくださいね。

 

 

 

それでは準備が整ったところで、接着した隙間や段差を埋めるためのペースト作りをしていきましょう。

 

毎度のことながら、どえらく長いページになってしまい、「前編」「後編」と分けさせていただきました。(T_T)

後編へと移動していただけたらと思います。宜しくお願い致します。

 

 


後編は只今、制作中です。申し訳ございませんが、しばらくお待ちいただけたらと思います。


 

 

 

「独学でやってみよう!」と思った人向けに、作業工程ごとに詳しい解説動画も作りました。
こちらを参考にぜひチャレンジしてみてください◎

 

割れた器の直し動画(YouTubeに跳びます)


‣ 「割れた器直し」の詳しい解説動画

▫▫▫〈作業工程別〉(YouTubeに跳びます)▫▫▫▫▫▫

①~割れたパーツを接着する
②~接着箇所の隙間をペーストで埋める
③~もう一度、欠けた箇所をペーストで埋める
④~漆を塗る(1回目)
⑤~銀粉を蒔く
⑥~磨いて完成

▫▫▫▫▫▫▫▫▫▫▫▫▫▫

 

 

 

Pocket

【漆ペースト】初心者向け”錆漆”の作り方 2019

Pocket

 

 

【錆漆の早見表】

 

漆のペースト(錆漆さびうるし

砥の粉:生漆 = 10:7~8

※ 目分量の体積比

 作業工程 
スプーン1杯分の砥の粉を出す。
② 砥の粉が「まとまる」まで水を加えつつ練る。
スプーン7~8分目の生漆を出す。
④ 水練りした砥の粉に少しずつ生漆を加えていき、よく練り合わせて完成。

(ちなみに「麦漆(漆の接着剤)」の割合は 小麦粉10:10生漆 )

 

 

 

 

 

 

 

 

漆ペースト(錆漆)の作り方

初心者作業時間/約15分

金継ぎでは「小さな欠け」「隙間」「段差」を埋める時に使う「ペースト(充填剤)」を漆で作ります。
これを金継ぎ用語では「錆漆さびうるし」と呼びます。

充填材が自分で作れるの?かなり専門的な知識と熟練した技術が必要なのでは??…と思われますよね。でも実はかなり簡単なんです◎
手順としては…

 ①砥の粉を水で練って…
 ②漆と混ぜ合わせるだけ!

です。
これだけで「漆のペースト」ができちゃいます。

 

ただし、注意点としましては砥の粉と漆との割合を「ある程度、正確にする」ことです。
「厳密に」やる必要はありませんが、割合が偏りすぎると、硬度・耐久性が弱くなったり、極めて乾きづらい(もしくはほとんど乾かない)ペーストとなってしまいます。

そこで金継ぎ図書館では「漆と砥の粉との割合をある程度、正確にする」ために、「小型の計量スプーン」を使うことをおススメしています。

これを使えばほぼ「おおよそ正確な分量が測れる」ので、間違いなく「ちゃんと乾いて強度のある錆漆」を作ることができます◎

 

 

 

-1. 錆漆作りで使う道具・材料

 

  道具 
③ 作業板 ▸作り方 ⑤ 練りベラ ▸作り方 〇 軽量スプーン(1/4)

  材料
① 水 ② 生漆 ⑥ 砥の粉

〈作業盤の掃除用として〉
〇 テレピン 〇 ティッシュ(もしくはウエス)

▸ 道具・材料の値段/販売店 


※ 使う計量スプーンは「1/4」「1/10」サイズがお薦めです。
よほど大量の麦漆が必要でない限り1/4サイズで十分です。1/10サイズはほんの少し作りたいときに使います。

※ 「作った」錆漆さびうるしについての注意点ですが、”正味期限”は1~2日くらいと考えてください。 
作った時が一番「乾き」がよく、時間が経つほど、どんどん乾きが悪くなってきますので、基本的に「使うときに作る」が原則です。
保存があまり効かないので、「作り置き」は避けてください◎

 

 

 

 

-2. 錆漆を作る

 

 

▪錆漆作り▪~

□□□□□□□□

 作業工程   作業時間/約10分(慣れれば2~3分程度)
① 計量スプーン1杯分の砥の粉を掬い、軽く上からヘラで押える。その後、ヘラで擦切る。
② 作業板の上に砥の粉を出し、ヘラで潰して細かくする。
③ 砥の粉の脇に少量の水を出す。
④ 砥の粉にちょっとずつ水を加えつつよく練る。水練りした砥の粉が「まとまる」くらいまで徐々に水を加えて、練っていく。
⑤ 
計量スプーン1杯分の生漆を水練りした砥の粉の脇に出す。
⑥ 水練りした砥の粉にちょっとずつ生漆を加え、よく練っていく。
⑦ 全ての生漆を練り合わせたら完成です◎

 

 

 

まずは計量スプーンで砥の粉を取り出します。

軽くヘラで押えます。

 

 

そしてヘラで擦り切ります。

 

 

作業盤の上に出して、ヘラで細かく潰します。

 

 

砥の粉の”脇に”水を少量出します。

この時、水入れから直接、砥の粉に水を加えない方がいいです。
というのも直接やると、水を多く加えすぎて失敗しやすいからです。

 

 

脇に出した水からヘラで少しだけ、水を掬い取ります。

 

 

砥の粉に満遍なく水が行き渡るように、砥の粉を練っていきます。

水が足りなければ、さらに少量ずつ加えて、練り合わせてください。

 

砥の粉に加える水の量は、「砥の粉がまとまるくらい」です。
↑の写真くらいになればオッケーです◎

 

次に生漆を用意します。

生漆も計量スプーンで測ります。(慣れてきたらスプーンで計らなくても目分量でいけるようになります)

砥の粉に対する生漆の割合が重要です。
砥の粉10に対して、生漆は7~8です。

 

錆漆(漆のペースト)

砥の粉:生漆 = 10:7~8

※ 目分量の体積比

それで、もし漆の割合が多くなっちゃったり、少なくなった場合、どうなるんですか??といいますと、、

①【漆が多かった場合】
→錆漆がなかなか硬化しなくなります。最悪、1カ月くらいかかります。さらには錆漆の表面に「縮み」が生じます。シワシワになるということです。
②【漆が少なかった場合】
→錆漆の強度が下がります。

「多すぎる」場合と「少なすぎる」場合とでどちらの方がタチが悪いかというと、「多すぎる」方が厄介な感じがします。
ちょっとくらい漆が少なくても極端に錆漆の強度が落ちるわけではないので。
それに初心者の方にとっては錆漆が乾かなかったり、表面がシワシワになる方が精神的にショックかと思います。「せっかくここまでそれなりに順調にきたのに、、、残念」となりますよね。

そういうことで、砥の粉に対して「7分目」くらいの分量の生漆を加えるのがいいんじゃないかな?と思います。

 

ちなみにもし漆が多すぎて2日経っても錆漆が乾かなかったり、表面に皺が出たりしたら、思い切ってやり直した方が断然、早いです。
刃物(カッターなど)で乾かない錆漆をこそげ取ってください。そして改めてやり直します◎
いや、そういったことってありますよ。僕もたまにやらかします(笑)

 

 

計った生漆を作業盤の上に出します。
スプーンからきれいに漆を掻き出すにはヘラの先がカーブしたものも、一本作っておくといいです。

先がカーブしたヘラはスプーンから漆を掻き出すときに使う以外にも、内側のカーブがきつい器に錆漆を付ける時にも重宝します。

 

 

錆漆作りを続けましょう。

作業盤に出した生漆の1/3くらいをヘラで取って、水練りした砥の粉に混ぜていきます。

 

 

よく練り合わせていってください。

 

漆と砥の粉がよく混ざりあったら…

さらに1/3くらいの生漆を取って、練り合わせていきます。

 

この「1/3の生漆を加えたときにどのくらい練り合わせればいいの??」と疑問に思いますよね。
大雑把ではありますが毎回、生漆を加えるたびに15~20回程度で大丈夫です。50回とか100回練り合わせる必要は全くありません(‘;’)

 

 

残った生漆を全て加えて練り合わせていきます。

 

 

出来ました◎

大雑把な「練り合わせ回数」は分かったのですが、「練り合わせ時間はどのくらいですか?」という質問もあるかもしれません。
これもざっくりとしたお答えになりますが、「2~3分程度」で十分です。10~20分も練る必要はありません。金継ぎで使う量はほんの少量なので、このくらいの時間で作れてしまいます◎

 

 

繰り返しになりますが…

「完成した」錆漆さびうるしについての注意点です。

サランラップに包んで保存することができますが、”正味期限”は1~2日くらいと考えてください。 
作った時が一番「乾き」がよく、時間が経つほど、どんどん乾きが悪くなってきますので、基本的に「使うときに作る」が原則です。
保存があまり効かないので、「作り置き」は避けてください◎

 

 

 

 




申し訳ございません。
ここから下のコンテンツは構築中です。




 

 

 

2.錆漆と刻苧漆との違い・用途

 

-1. 

 

 

金継ぎでは「充填材」として
刻苧漆こくそうるしと呼ばれる「粘土状のパテ」
錆漆さびうるしと呼ばれる「泥状のペースト」
の2種類を漆を使って作ることができます。

それぞれに特徴がありまして、、
①刻苧漆…粘土状なので比較的成形しやすい。錆漆より厚く盛れる
②錆漆…泥状なので小さな穴や隙間に入り込む極薄に盛ることもできる
といった感じになります。

今回、直している器の場合、「接着時に生じた隙間僅かな段差を埋めたい」ので、使うのは②錆漆となります。(欠けている箇所は刻苧漆の方がよかったな~と反省しています)

 

 

 

 

-2. 

 

 

 

 

 

 

 

Pocket

【漆の接着剤】初心者向け”麦漆”の作り方 2019

Pocket

 

 

【麦漆の早見表】

 

漆の接着剤(麦漆むぎうるし

小麦粉:生漆 = 10:10

※ 目分量の体積比

 作業工程 
スプーン1杯分の小麦粉を出す。
「耳たぶ~つきたてのお餅」くらいになるまで水を加えつつよく練る。
スプーン1杯分の生漆を出す。
④ 水練りした小麦粉に少しずつ生漆を加えていき、よく練り合わせて完成。

(ちなみに「錆漆(漆のペースト)」の割合は 砥の粉10:7~8生漆 )

 

 

 

 

 

 

 

1.漆の接着剤(麦漆)の作り方

 

金継ぎでは割れたパーツをくっつける時に使う「接着剤」を漆で作ります。
これを金継ぎ用語では「麦漆むぎうるし」と呼びます。

接着剤が自分で作れるの?かなり専門的な知識と熟練した技術が必要なのでは??…と思われますよね。でも実はかなり簡単なんです◎
手順としては…

 ①小麦粉を水で練って…
 ②漆と混ぜ合わせるだけ!

です。
これだけで「漆の接着剤」ができちゃいます。料理よりも簡単ですね!

 

ただし、注意点としましては小麦粉と漆との割合を「ある程度、正確にする」ことです。
「厳密に」やる必要はありませんが、割合が偏りすぎると、接着強度が弱くなったり、極めて乾きづらい(もしくはほとんど乾かない)接着剤となってしまいます。

そこで金継ぎ図書館では「漆と小麦粉との割合をある程度、正確にする」ために、「小型の計量スプーン」を使うことをおススメしています。

これを使えばほぼ「おおよそ正確な分量が測れる」ので、間違いなく「ちゃんと乾いて接着力の高い麦漆」を作ることができます◎

 

 

-1. 麦漆作りで使う道具・材料

 

  道具 
② 作業板 ▸作り方 ③ 練りベラ ▸作り方 〇 軽量スプーン(1/4)

  材料
① 水 ⑤ 生漆 ⑥ 小麦粉

〈作業盤の掃除用として〉
⑨ テレピン ⑪ ティッシュ(もしくはウエス)

▸ 道具・材料の値段/販売店 


※ 使う計量スプーンは「1/4」「1/10」サイズがお薦めです。
よほど大量の麦漆が必要でない限り1/4サイズで十分です。1/10サイズはほんの少し作りたいときに使います。

※ 「作った」麦漆むぎうるしについての注意点ですが、”正味期限”は2~3日くらいと考えてください。 
作った時が一番「乾き」がよく、時間が経つほど、どんどん乾きが悪くなってきますので、基本的に「使うときに作る」が原則です。
保存があまり効かないので、「作り置き」は避けてください◎

 

 

 

 

-2. 麦漆を作る

 

麦漆(接着剤)を作る~

□□□□□□□□

 

 道具・材料 
・小麦粉 ・水 ・生漆 ・軽量スプーン(1/4) ・ ヘラ ・作業盤

 作業工程   作業時間/約10分(慣れれば2~3分程度)
① 計量スプーン1杯分の小麦粉を掬い、軽く上からヘラで押える。その後、ヘラで擦切る。
② 作業板の上に小麦粉を出す。
③ 小麦粉の脇に少量の水を出す。
④ 小麦粉にちょっとずつ水を加えつつよく練る。水練りした小麦粉が「耳たぶ~つきたてのお餅」くらいになるまで徐々に水を加えて、練っていく。
⑤ 
計量スプーン1杯分の生漆を水練りした小麦粉の脇に出す。
⑥ 水練りした小麦粉にちょっとずつ生漆を加え、よく練っていく。
⑦ 全ての生漆を練り合わせたら完成です◎

 

 

 

 

 

まずは計量スプーン1杯分の小麦粉を掬い、軽く上からヘラで押えます。

あまり「ギュッ」と押えると、小麦粉の分量が多くなってしまいますので、「軽く」でお願いします。(感覚値ではありますが~)

 

 

DBP

ヘラで切って、「スプーン擦切り1杯」とします。

それを作業盤の上に出します。

 

 

小麦粉の「少し脇」に少量の水を出します。

小麦粉の上に直接、水を加えようとした場合、うっかり水が多く出過ぎて失敗…ということがよくあります。
ですので、大事をとって「少し脇」に水を出してください。

 

 

作業盤に出した水溜まりからヘラでちょっとずつ水を掬って小麦粉と練り合わせていきます。

この時も一気に多くの水を混ぜようとすると、水の分量が多くなり過ぎることがあるので、慎重にちょっとずつ水を取っていってください。

 

 

水を練り合わせていく最初のうちは、↑このように「バサバサ」になりますが、気にせず、ちょっとずつ水を加えていってください。

 

 

さらに水を加えて練っていくと、だんだんと↑このようにまとまってきます。

 

さらに少しずつ水を加え練っていくと、モチモチしてきます。
このくらいで止めておいても大丈夫です◎

 

 

「耳たぶ~つきたてのお餅」
くらいになったらオッケーです◎

 

 

次に生漆を用意します。
こちらの分量も計量スプーン1杯です。

 

 

漆の接着剤(麦漆むぎうるし

小麦粉:生漆 = 10:10

※ 目分量の体積比

 

ちなみに「錆漆(漆のペースト)」の場合は
砥の粉10:7~8生漆
です。麦漆と錆漆、、どっちがどっちの割合だったか…なかなか覚えられませんよね(笑)
間違わないようにメモしておいて、毎回、作る前にチェックしてください。

 

 

 

作業盤の上に生漆を出し、そこからヘラで少し(1/3程度)取って、水練りした小麦粉に加えます。

 

 

しっかりと練り込んでいきます。

1回漆を加えるごとに、ヘラで20回くらい練ればいいと思います。50回も100回も練る必要はありません。(もちろんやってもいいです◎)

 

 

漆を加えていくと最初はネタが「バサバサ」してきます。
「えっ!どしたの??大丈夫??」とビビりますが、ダイジョブです◎

このまま続けていきます。

 

 

さらに漆を加えて練っていくと、先ほどのバサバサはなくなり、だんだんと滑らかになってきます。

 

 

全部の生漆を練り合わせたら完成です◎
「トルコアイス」のようですね。(←これって分かりますか?)

 

繰り返しになりますが…

「完成した」麦漆むぎうるしについての注意点です。

サランラップに包んで保存することができますが、”正味期限”は2~3日くらいと考えてください。 
作った時が一番「乾き」がよく、時間が経つほど、どんどん乾きが悪くなってきますので、基本的に「使うときに作る」が原則です。
保存があまり効かないので、「作り置き」は避けてください◎

 

 

 

 




申し訳ございません。
ここから下のコンテンツは構築中です。




 

 

 

2.麦漆の使い方

 

-1. 接着作業で使う道具・材料

 

  道具 
② 作業板 ▸作り方 ④ 付けベラ ▸作り方 ⑦ マスキングテープ ⑧ 小筆(豚毛)⑨ テレピン

▸ 道具・材料の値段/販売店 


 

最近の気付きで、麦漆の塗布には「ヘラ」よりも「豚毛の筆」の方が圧倒的にパフォーマンスが高いということに気が付きました。

ヘラでも慣れてくると、麦漆を均一に薄く付けたり、早く作業ができるようになりますが、「豚毛筆」だったら、不慣れな初心者の人でもかなり上手くいきます。しかも作業が爆速になります。

特に「割れた断面がギザギザした器」の時に威力を発揮します。
割れ面がギザついている場合、おそらく熟練した職人さんでも「均一に薄く付ける」こと自体がかなり難しいと思います。

 

 

-2. 接着作業の手順

 

 

 

 

 

 

 

Pocket

【初心者Web金継ぎ教室】割れたお茶碗の修理方法①-2後編~割れたパーツの接着まで

Pocket

 

  ファイツ!!

 

パックリと割れてしまったお茶碗の金継ぎ(金繕い)修理のやり方を説明していきます。
今回は作業工程の〈割れた破片の接着〉までのやり方を解説します。

 

本日の「道のり」はというと…

少しだけハードな道のりとなります。最大の山場は「麦漆(漆の接着剤)をきちんとつくれるか?」です。ただし、初心者の方でもしっかりと分量を量って作れば、きっといい結果となるでしょう。
今日も一日頑張りましょう◎

 

 

 

 

前編をご覧になりたい方はこちらをクリックしてください。↓

 

 

 

 

動画でも本日の作業内容が確認できます。 まずはこちらをご覧いただければ今日の作業の全体感が掴めると思います◎

 

接着まで~

□□□□□□□□

※ 5:10~Step06から始まります)

▫▫▫〈動画もくじ〉▫▫▫▫
  3:54~ ⑤ 筆の片付け
  5:09~ ⑥ 麦漆作り(接着剤)
  6:09~ ⑦ 筆の準備(0:30~① 筆の準備を参照)
  6:20~ 〇 麦漆の塗布
  9:06~ ⑧ 破片の接着
10:55~ ⑨ 筆の片付け(3:54~⑤ 筆の片付けを参照)
▫▫▫▫▫▫

 

初心者向けに「割れた器の直し方」の”ダイジェスト”動画(5分強)を作りました。

‣ 【ダイジェスト版】割れた器の金継ぎ動画
(YouTubeに跳びます)

「ざっくりとした修理全体の流れ」とか、ご自分の修理工程の「現在地」を確認したい方はご覧ください◎

 

YouTubeにも「”動く”金継ぎ図書館」をご用意しております。 よろしかったら覗いてみてください。どんどんコンテンツを増やしていきます◎ → ‣ ”動く”金継ぎ図書館

 

 

 

 

 

 

 

03 麦漆で接着する

 

初心者作業時間/約60分

 

③-1. 麦漆接着で使う道具・材料

 

  道具 
② 作業板 ▸作り方 ③ 練りベラ ▸作り方 ④ 付けベラ ▸作り方 ⑦ マスキングテープ ⑧ 小筆(豚毛)⑨ テレピン ⑩ 油 ⑪ ティッシュ ⑫ 軽量スプーン

  材料
① 水 ⑤ 生漆 ⑥ 小麦粉

▸ 道具・材料の値段/販売店 


 

※ 麦漆むぎうるし(接着剤)の”正味期限”は2~3日くらいと考えてください。 基本的に「使うときに作る」が原則です。保存があまり効かないので、「作り置き」は避けてください◎ 作った時が一番「乾き」がよく、時間が経つほど、どんどん乾きが悪くなってきます。

 

 

 

 

 

③-2. 使用「前」の豚筆洗い

 

 

 

まずは筆をテレピン(または灯油)で洗って筆の中の油を洗い出します。  ▸ 詳しい作業前の筆の洗い方

何で筆に油が付いてるの??…かといいますと、漆作業で使った筆は最後に油で洗っているからなのです。油で洗うと筆の中に残った微量な漆が乾きません。漆と油とは相性が悪いのですが、それを利用しています◎

 

使用”前”の豚筆洗い~

□□□□□□□□

 道具・材料 
・筆 ・テレピン(または灯油など) ・ティッシュ ・作業盤

 作業工程
① 畳んだティッシュに筆を包む
② ティッシュをギュッと摘まんで、筆の中の油を吸い取る
③ 作業板の上に数滴テレピンを垂らす
④ その上で筆を捻ったりしてテレピンをよく含ませる
⑤ 筆をティッシュで包む
⑥ ティッシュをぎゅっと押えて、「油+テレピン」を絞り出す
⑦ 「4→5→6」を2~3回繰り返す

 

 

 

① 折り畳んだティッシュに筆を包みます。

 

 

② ティッシュの上からギュッと摘まんで、筆の中の油を吸い取ります。

 

 

③ これで、「ざっくりと」油が吸い取られました◎

 

 

④ 作業盤の上にテレピンを数滴、垂らします。

 

 

⑤ 筆にテレピンを含ませます。 筆は作業盤の上で捻ったりして、しっかりとテレピンと馴染むようにします。

 

 

⑥ 再び、ティッシュの上に筆を乗せます。

 

 

⑦ ティッシュの上からギュッと摘まんで、「油+テレピン」を絞り出します。

この後、「⑤→⑥→⑦」を2~3回、繰り返します。

この作業で筆のなかの油分をしっかりと除去します。 筆の中に油が残っていると漆が乾かないことがありますのでご注意ください。

 

「エタノール」などの揮発性の強いもので洗うと、テレピンよりも油分がしっかりと除去できますが、その分、筆への負担も大きくなり、傷みやすくなります。 ですので、金継ぎ図書館では筆が傷みにくいテレピン、灯油などをおススメしています。

 

 

 

 

 

③-3. 麦漆を作る

 

麦漆(接着剤)を作る~

□□□□□□□□

詳しく「麦漆の作り方」をご覧になりたい方は
‣ 初心者向け”麦漆”の作り方

 

 道具・材料 
・小麦粉 ・水 ・生漆 ・軽量スプーン ・ ヘラ ・作業盤 ・テレピン

 作業工程 
① スプーン1杯分の小麦粉を出す。
② 「耳たぶ~噛んだガム」くらいになるまで水を加えつつよく練る。
③ スプーン1杯分の生漆を出す。
④ 水練りした小麦粉に少しずつ生漆を加えていき、よく練り合わせて完成。

 

スプーン擦切り1杯分の小麦粉を出す。
② 小麦粉の脇に少量の水を出す。

「耳たぶ~噛んだガム」くらいになるまで水を加えつつよく練る。
スプーン1杯分の生漆を出す。

⑤ 水練りした小麦粉に少しずつ生漆を加えていき、よく練り合わせる。
⑥ 全部の生漆を練り合わせたら完成◎

 

詳しく「麦漆の作り方」をご覧になりたい方は

‣ 初心者向け”麦漆”の作り方

 

 

 

③-4. 麦漆を塗る

 

麦漆を塗る~

□□□□□□□□

 道具・材料 
・筆 ・爪盤(あれば) ・麦漆(漆の接着剤)

 作業工程
① 爪盤があれば(無いと思いますが)、少量の麦漆をその上に乗せる。
② 筆先に乗るくらいの麦漆を爪盤の上から掬い取る。
③ 器の割れた断面に麦漆を乗せる。
④ 筆でなるべく均一に薄く広げる。
⑤  「2~4」を繰り返す。
⑥ 割れた器の全ての断面に麦漆を塗り終わったら、接着しても大丈夫ですが、できれば麦漆の表面が乾き始めるまで待機する。

 

 

割れた断面に麦漆(漆の接着剤)を塗っていきます。

 ポイント ! 

・割れた断面すべてに塗る。(小さい破片も)
・細かい凹みまでしっかり塗って、塗り残しが無いようにする。
薄く塗る

↑これらのポイントを簡単に押えてくれるツールとして「豚毛の筆」がおススメです。

 

 

 

爪盤の上で麦漆を軽く広げ、そこから筆先でちょっとだけ掬い取ります。

 

 

こんな具合に掬い取ります。

 

 

割れた断面に麦漆を置き、、

 

 

ズズズズーっと薄く広げていきます。

 

 

こんな具合の薄さです。

 

 

断面全部に塗ります。塗り残しが無いようにチェックします。

ひたすら断面すべてに塗っていきます。
ただ塗っていくだけなので、カンタンです◎

 

 

割れたパーツの方の断面にも麦漆を塗っていきます。

筆先に少量の麦漆を取り、器の断面に置き、、

 

 

薄く伸ばしていきます。

 

 

筆を何度も往復させて、均一に薄くなるようにします。

 

 

こんな感じになればオッケーです◎

 

ポイントはとにかく「薄く塗る」ことです。

断面に塗った麦漆が厚いと、パーツを接着したときその厚み分だけズレが大きくなります。
割れた破片同士の間にはもともと「何もなかった」はずなのに、そこに「異物」が挟まり込んでくるわけですから、異物が厚いほどズレるのは当然ですよね◎

 

 

 

これで麦漆の塗り作業は終了です。

 

 

麦漆が「乾きかけ」るまで待てる人は先に使い終わった筆を洗ってください。
→③-6 使用後の筆の洗い方

 

 

③-5. 接着する

 

なるべく「ズレ」が無いように接着します。
接着後も「置き方」によっては微妙にズレていきますので注意が必要です。

 

破片の接着~

□□□□□□□□

 道具・材料 
・マスキングテープ(仮固定用) ・ ヘラ(ズレのチェック用) ・ 壁と重石(乾かすときの角度調整用)

 作業工程 
あらかじめ適当な長さにマスキングテープを切っておく
② 割れた破片をくっつける。接着したら、「歯ぎしり」をするような感じで細かくズラしつつ、力を入れ気味にして圧着する。
③ ヘラの先などを使い、接着箇所を横断させ、「接着箇所にズレがないか?」「段差がないか?」をチェックする。
④ 段差・ズレがあれば微調整する。
⑤ 接着箇所を横断するようにしてマスキングテープを貼り、仮固定をする。
テープを貼るときは少し(ほんの気持ち)引っ張り気味にしながら貼る。貼ったテープがダブついていると仮固定の意味をなしませんので。ただ、引っ張り過ぎると接着箇所がズレるので要注意。
⑥ なるべくなら、接着箇所に自重がかかって圧着されるような角度に器を固定する。壁や什器を利用する。

 

接着のタイミングですが、できれば「乾きかけ」を狙って接着します。その方がおススメです。
が、そんな余裕がない場合は「すぐにくっ付けて」も大丈夫です◎

 

ちなみに「乾きかけ」に接着するメリットとデメリットですが、、

《メリット》
接着後の乾きが早い
(4,5日で次の作業に移れる。けど、無理な力を加えると剥がれる時もあるので、要注意ですが)
・接着時に「”半分”固形化」しているので、接着作業がやりやすい
かなり粘着力が増している状態なので、破片同士をくっつけている時にくっつけた破片が「ポロっ」と剥がれることが少なくなります。

《デメリット》
待ち時間が長すぎる。(2~6時間←気候に依ります)
さすがにそんなに待てない場合も多いですよね~。

 

 

 

左:塗った直後 右:6時間後

見た目ではどのくらい表面が乾いているのか判断できないので、実際にヘラなどでタッチしてみます。
「ぎりぎり表面に触れるくらい」がベストな接着タイミングかと思います。
「ベトベト」引っ付いてくる感じではなく、ちょっとだけ「ペタペタ」しているくらいのタイミングです。

接着までの待ち時間は「気候」や「作った麦漆の性質」次第で変わります。夏場なら1.5~2時間、冬場なら4~6時間くらいが目安になるかと思いますが、それにプラスして使っている漆の乾きが早いとか遅いとかで待ち時間は変動します。
(※ 同じ「生漆」でも乾きの早さが変わります。同じリンゴでも甘さ、酸味に個体差があるのと一緒です。)

ですので、30~60分置きにヘラなどで触って、乾きのチェックをします。面倒ですね◎

 

 

割れた破片を接着した後、マスキングテープで「仮止め」しておきたいので、マスキングテープはあらかじめ適当な長さにを切っておきます。(10本、20本とか?)

 

 

いよいよ接着です。

 

 

割れたパーツをくっつけたら、「歯ぎしり」するような感じで、細かくぎしぎしと擦り合わせます。

 

 

擦り合わせることで、間に挟まっている余分な麦漆をはみ出させると同時に、麦漆同士を隙間なくしっかりと密着させます。

 

 

全部のパーツを接着し終わったら、ヘラなどを使って僅かなズレのチェックをします。

接着箇所を横断するように左右にヘラ先を通します。

 

 

もし「カツン!」と引っ掛かった場合、そこに「段差=ズレ」が生じていることになります。

パーツ同士を微妙にずらして、ズレを修正していきます。
調整したら、もう一度、ヘラを通してズレのチェックをします。

この「ズレの修正作業」ですが、「あちらのズレを修正したら、今度はこちらがズレちゃった…(涙)」という感じのイタチごっこになることもしばしばです。
「そこそこ」きれいに修正できたら、「うん、満足◎」と納得してください。

そもそも何もなかったはずのパーツ同士の隙間に「麦漆=異物」を挟み込むわけですから、ズレが全くない完璧な接着…というのは難しいのではないでしょうか?わずかながらズレが出てしまうものだと思います。

 

 

 

一応、マスキングテープで「仮り固定」をしておきます。

接着箇所を横断するようにテープを貼ります。この時、ほんのちょっと引っ張り気味にしてテープを貼ります。
貼ったテープが緩んでいたら意味ないですもんね◎

 

 

ただ引っ張り過ぎると、今度は接着箇所がズレますので気を付けてください。
このへんの加減が難しいところですね~。

 

この後、乾かすとき、スペースの問題などで「自重で圧着する角度で固定」ができない人は、マスキングテープを多目に貼ってしっかりと仮固定をしておいてください。

 

 

できれば以下で説明する「自重で圧着する角度で固定」をしてください。

接着した破片がその重みで(重力で)本体に圧着していく角度に器を固定します。

まずは重たい什器などに器を立て掛けます。

 

 

立て掛けた器がその角度で固定されるように周りに物を置きます。

 

 

この状態で麦漆を乾かします。
2週間以上、乾きを待ちます。長いですね~。

 

本来であれば漆を乾かすためのに「高湿度、高温度」の環境に置いてあげます。

 

【漆が乾く最適条件】


これが漆が乾くための最適条件なわけです。
ですが、今回使った「麦漆」というのはそれ自体に「水分」が大量に含まれています。ですので上記の条件の内、①の「高湿度」の条件がすでにクリアされている状態なのです。
ということで、湿度の高い場所(湿し風呂)に置く必要はありません。
温度は20~30℃くらいに場所に置けたら(「できたら」でいいのですが)、乾きが早くなります。

※上記の条件は「最適条件」ということでして、この条件を上回っていても、下回っていても、乾くスピードが遅くなりますが、乾いてくれます
しかし、「大幅に」この条件から外れると、「かなり乾きづらい」、もしくは「ほぼ乾かない」こともありますのでご注意ください。

 

 

  ↓
  ↓

待ち時間/2週間以上~

ここはじっくりと待ってください。
焦って作業を始めてしまうと、くっつけた所が剥がれちゃうことがあります。

忘れたフリすれば、2、3週間なんてあっという間です◎

ちなみに2,3週間経っても表面にはみ出た麦漆(漆の接着剤)がペタペタと粘ついている場合は、、、それは麦漆自体が「乾かないもの」である可能性が高くなります。(通常、はみ出た麦漆は1週間も経てばカラッと乾いています)

いくつか原因は考えられるのですが、そうした場合はひたすら待つよりも、一回、接着した破片を剥がして、麦漆を作り直し、接着作業を「やり直す」方が賢明かと思います。

これは「ガ~ン!本当に~…」って感じのツライ判断になりますよね。

頑張りましょう◎

 

 

 

 

 

③-6. 使用「後」の豚筆洗い

 

使用後の豚毛筆洗い~

□□□□□□□□

詳しい「使用後の筆洗い方」専用動画はYouTube

 道具・材料 
・筆 ・サラダ油 ・ティッシュ ・ ヘラ ・作業盤 ・テレピン

 作業工程 
① 折り畳んだティッシュで漆の付いた筆を包む。
② ティッシュを摘まんでギュッと漆を絞り出す。(数回おこなって、しっかりと絞り出す)
③ 筆に油を含ませる。
④ 作業盤の上で捻ったりしながら油を馴染ませる。
⑤ 筆の根元からヘラで「油+漆」をしごき出す。
⑥ ヘラで廃油を掬い、ティッシュに吸わせる。
⑦ 再び油を含ませる
⑧ 作業盤の上で、ヘラを使って絞り出す
⑨ 廃油の中に漆分が(ある程度)含まれなくなるまで…つまり「透明度」が高くなるまで繰り返す。
⑩ 筆をサランラップで包んで保管する。
⑪ 作業盤に数滴テレピンを垂らし、拭きあげる。(油分を除去する)

 

この洗い方は100均等で買った豚毛筆などの安価な筆の洗い方です。つまり「雑」に洗っています。 蒔絵筆やインターロン筆など、ちょっとでも高い筆はこの洗い方をしないでください。毛が痛みます。

 

 

 

 

① 折り畳んだティッシュに漆の付いた筆を包み込みます。

 

 

 

② 外側からティッシュをぎゅっと摘まんで漆を絞り出す。 これを数回おこなって、しっかりと絞り出します。

この時点でしっかりと漆を絞り出してしまった方が、この後の「油で洗う」時、筆が早く綺麗になります◎

 

 

③ 油の入った瓶に筆を入れて、油を含ませます。

 

 

④ 作業盤の上で捻ったりしながら筆に油を馴染ませます。

 

 

 

筆の根元からヘラで「油+漆」をしごき出します。

今回は安価な「豚毛筆」を使っているので、わりかしガシガシやっちゃっていいです◎

 

 

⑥ 筆の中の「油+漆」の廃油がしごき出せたら、ヘラで廃油を掬い、、、

 

 

ティッシュに吸わせます。

こうして廃油をどかしておくと、作業盤の上が常にクリーンな状態で筆の洗い作業ができます◎

 

この後は「③→④→⑤→⑥」を繰り返します。 廃油の中に漆分が(ある程度)含まれなくなるまで…つまり「透明度」が高くなるまで繰り返します。

今回は安価な「豚毛筆」を使っているので、適当なところで止めておきます。 高価な筆を洗う場合はしっかりと念入りに洗ってください。じゃないと、筆が劣化しますので◎

 

 

⑦ 廃油がある程度きれいになったら、最後にきれいな油を筆に含ませます。

 

 

 

⑧ 最後はヘラでしごきません。ティッシュに筆をポンポンと置いて、余分な油を吸わせます。 筆の中にきれいな油が「適度に」残っている状態にするわけです。

 

これで筆洗い作業は完了です◎

 

この後、筆を仕舞います。

⑨ サランラップを取り出し、その上に筆を置きます。 この時、筆先に「余白」(赤の矢印分くらい)を残しておいてください。

 

 

⑩ ラップに筆を巻いていきます。ローリングです。

 

 

⑪ 途中でローリングを止め、先ほど残しておいた「余白分」のラップを畳み込みます。

 

 

 

⑫ 最後までラップを巻いて、完成です◎

 

 

 

 

 

引き続き次の作業ご覧になりたい方はこちらをクリックしてください。↓

 
 
 

 

「独学でやってみよう!」と思った人向けに、作業工程ごとに詳しい解説動画も作りました。
こちらを参考にぜひチャレンジしてみてください◎

 

割れた器の直し動画(YouTubeに跳びます)


‣ 「割れた器直し」の詳しい解説動画

▫▫▫〈作業工程別〉(YouTubeに跳びます)▫▫▫▫▫▫

①~割れたパーツを接着する
②~接着箇所の隙間をペーストで埋める
③~もう一度、欠けた箇所をペーストで埋める
④~漆を塗る(1回目)
⑤~銀粉を蒔く
⑥~磨いて完成

▫▫▫▫▫▫▫▫▫▫▫▫▫▫

 

 

Pocket

【初心者Web金継ぎ教室】割れたお茶碗の修理方法①-1前編~素地固めまで

Pocket

  ファイツ!!

パックリと割れてしまった飯碗の金継ぎ(金繕い)修理のやり方を説明していきます。
このページでは金継ぎ工程の内の〈素地固め〉までのやり方を解説します。

 

本日の「道のり」はというと…

かなり楽ちんな道のりとなりますので、リラックスしていきましょう◎

 

 

 

 

 

 

今回のシリーズで金継ぎ情報を「お届けしたい人たち」

 

それはどんな人たちかというと、、
「いや、そんな本気で職人さんみたいにガチガチに綺麗な仕上げを目指しているわけじゃないんです」
「普通に実用として使えて、そこそこ綺麗になっていれば大満足なので、そのやり方を教えてください」
…という人向けです。

 

 

動画でも本日の作業内容が確認できます。
まずはこちらをご覧いただければ今日の作業の全体感が掴めると思います◎

 

 

器の素地を固めるまで~

□□□□□□□□

▫▫▫〈動画もくじ〉▫▫▫▫
0:30~ ① 筆の準備
1:00~ ② 素地固め
 ー1:05~ 生漆の塗布
 ー1:11~ 拭き取り
2:18~ ③ ティッシュオフ
3:08~ ④ 湿し風呂に入れる
▫▫▫▫▫▫

 

初心者向けに「割れた器の直し方」の”ダイジェスト”動画を作りました。(5分程度)

※ 今回はこのダイジェスト動画内の【0:06~0:52】までの部分をやっていきます。

 

YouTubeにも「”動く”金継ぎ図書館」をご用意しております。
よろしかったら覗いてみてください。どんどんコンテンツを増やしていきます◎
→ ‣ ”動く”金継ぎ図書館

 

 

 

 
【ご注意!】


本物の漆
を使った修理方法ですのでかぶれる」可能性があります。

※ 万が一、漆が肌に付いた場合はすぐに「油(サラダ油など)」でよく洗って下さい
 油?? そうです。「油」をつけ、ゴシゴシ漆を洗い落としてください。その後、その油を石けんや中性洗剤で洗い流してください。

※ もし、かぶれてしまい、それがひどくなるようでしたら、医者に行って処方してもらってください。

 

 

 

 私、金継ぎ初めてなんですけど、どんな道具とか材料を買えばいいんですか?どこで買えるんですか??という方へ

↓ こちらのページを参考にしてください◎

▸ 本漆金継ぎで必要な道具と材料/そのお値段と買えるお店のご紹介

 

 

 

作業を始める前に…

 金継ぎでは「本物の漆」を使うので、直接、漆に触れると「カブレる」可能性が高くなります。「ディフェンシブ」に行きましょう。ゴム手袋は必需品です◎

 

 

 

 

 

 

① 直す器 information

 

 information 

  • 器の特徴: ぎゅっとした焼き締め、マット
  • 器のサイズ: 直径 70㎜、高さ 50㎜
  • 破損状態: 割れ(本体+破片2パーツ) / 
    割れの長さ合計 ㎜ / 欠けの大きさ ㎜

 

今回はこの黒いお茶碗を直します。

固く引き締まった感じの肌をしています。

「黒色」の器には「金」も「銀」も映えるので、仕上がりが格好よくなります◎

 

念のために「ひび」「欠け」もないか、チェックします。

特に器が割れたときには「ひび」も入りやすいです。パッと見、見えていなくても実はどこかにひびが入っていたりします。
修理工程が進んだ時にひびが見つかると、その箇所だけは「修理の最初から…」ということになります。かなりゲンナリしますので、この修理前の段階で見つけてしまいましょう◎

 

 

見事にパックリと割れていますが、割れた断面が「ギザギザ」していないので、修理がしやすそうです◎

 

 

 

 

 

② 素地固め

初心者作業時間/約30分

この作業は何のためにやるかというと、次の工程で行う「接着作業」の接着力がより大きくなるようにです。

 …が、この「固め」作業に関しては職人さんによって意見の分かれるところでもあります。「やっちゃダメ」という方もいます。

 金継ぎ図書館の見解としては「どっちでもいいんじゃないでしょうか?」です。一応、「セオリー」として固めのやり方を載せておきます◎

 

 

②-1. 素地固めで使う道具・材料

 

  道具
③小筆(豚毛のものがベター) ⑤練りべら(大き目のヘラ) ▸作り方 ⑥作業盤(ガラス板) ▸作り方
  材料
①テレピン ②ティッシュ ④生漆 ⑦サラダ油

▸道具・材料の値段/販売店


 ※ この作業で使う「小筆」は安価な筆にしてください。陶器の断面に擦り付けるので、毛先が痛みやすいのです。蒔絵筆だとモッタイナイです。

 

 

 

②-2. 豚毛筆の「使用前」の筆洗い

 

 まずは筆をテレピン(または灯油)で洗って筆の中の油を洗い出します。
 ▸ 詳しい作業前の筆の洗い方

何で筆に油が付いてるの??…かといいますと、漆作業で使った筆は最後に油で洗っているからなのです。油で洗うと筆の中に残った微量な漆が乾きません。漆と油とは相性が悪いのですが、それを利用しています◎

 

使用前の豚毛筆洗い~

□□□□□□□□


 道具・材料 
・筆 ・テレピン(または灯油など) ・ティッシュ ・作業盤

 作業工程 
① 畳んだティッシュに筆を包む
② ティッシュをギュッと摘まんで、筆の中の油を吸い取る
③ 作業板の上に数滴テレピンを垂らす
④ その上で筆を捻ったりしてテレピンをよく含ませる
⑤ 筆をティッシュで包む
⑥ ティッシュをぎゅっと押えて、「油+テレピン」を絞り出す
⑦ 「4→5→6」を2~3回繰り返す

 

”豚毛筆”

 

① 折り畳んだティッシュに筆を包みます。

 

 

② ティッシュの上からギュッと摘まんで、筆の中の油を吸い取ります。

 

 

③ これで、「ざっくりと」油が吸い取られました◎

 

 

④ 作業盤の上にテレピンを数滴、垂らします。

 

 

⑤ 筆にテレピンを含ませます。
筆は作業盤の上で捻ったりして、しっかりとテレピンと馴染むようにします。

 

 

⑥ 再び、ティッシュの上に筆を乗せます。

 

 

⑦ ティッシュの上からギュッと摘まんで、「油+テレピン」を絞り出します。

この後、「⑤→⑥→⑦」を2~3回、繰り返します。

この作業で筆のなかの油分をしっかりと除去します。
筆の中に油が残っていると漆が乾かないことがありますのでご注意ください。

 

「エタノール」などの揮発性の強いもので洗うと、テレピンよりも油分がしっかりと除去できますが、その分、筆への負担も大きくなり、傷みやすくなります。
ですので、金継ぎ図書館では筆が傷みにくいテレピン、灯油などをおススメしています。

 

 

 

 

②-3. 生漆を希釈する

 

次に、割れた断面に漆を塗るのですが、浸み込みやすくするために生漆をテレピンを混ぜて希釈します。
作業板の上でヘラを使ってよく混ぜ合わせます。

 

 動画 生漆の希釈】

□□□□□□□□


 道具・材料 

・生漆 ・テレピン ・ヘラ ・作業盤

 作業工程 
① 作業板の上に生漆を適量、出す。
② 作業板の上にテレピンを数的、出す。
③ ヘラでよく混ぜる

 

 

 【 生漆の希釈 】

【体積比/目分量】
  生漆 10:2~3 テレピン ※おおよそ

※ テレピンの代わりにアルコール、灯油でもオッケーです◎

 

「混ぜ混ぜ」作業はそんなに「念入り」にやる必要はありません。
ちゃちゃっと1分くらいでオッケーです◎

 

 

 

 

②-4. 素地を固める

 

割れた断面に希釈した漆を塗っていきます。
この作業はカンタンです◎

 

 動画 生漆の塗布】

□□□□□□□□


 道具・材料 

・筆 ・爪盤

 作業工程 
① 割れた断面に希釈した生漆を塗っていく。…だけ。

【注意!】
割れた破片の全ての断面に塗ってください。

 

 

 

割れた断面に希釈した生漆を塗っていきます。

塗り厚は「薄く」です。

 

 

筆に漆を適量、含ませます。ジャブジャブに含ませないように◎
あまり漆が多すぎると割れた断面以外にもはみ出しやすくなります。

 

 

この後、どうせティッシュで拭き取りますので、漆は薄く塗ってください。

 

 

器によっては漆をはみ出して塗ると目立ってしまうものもあります(焼き締めの明るい色の器など)。そういう場合は慎重にぬってください。
その場合は筆に含ませる漆も「少な目」の方がはみ出しづらくなります。

 

 

ひたすら塗ってきます。この作業はカンタンですね◎

【ご注意!】
割れた器の破片、全ての断面に塗ってください。
小さいパーツもお忘れなく。

 

 

こんな具合でいかがでしょうか??

 

 

 

 

 

②-5. ティシュオフ

 

せっかく塗った漆ですが、拭き取らせていただきます。はい。

え~、ひどーい!騙したな!!

いえいえ、そんなことはありません。拭き取ってもほんのり漆が残ります。先ほどの作業はこの「ほんのり漆を塗布する」作業だったのです。
漆を拭き取らず、「残し過ぎた」場合、器の割れた断面に漆の塗膜が厚くできてしまい、接着したときにズレが生じやすくなります。

拭いてくださいね~◎

 

 

 動画 ティッシュオフ】

□□□□□□□□


 道具・材料 

・ティッシュ

 作業工程 
① 折りたたんだティッシュで、漆を塗った断面を押えます。
 →表面に残った漆を吸わせます。
② ティッシュが汚れてきたら、折り直して綺麗な面を使います。
③ ほとんどティッシュに付かなくなるまで繰り返します。

これも「厳密」にやる必要はありません。「おおよそ」拭き取れればオッケーです。
でも「せっかく塗ったのに、拭き取るのが勿体ない…」ということで、漆を拭き残し過ぎちゃダメですよ◎

 

 

折りたたんだティッシュを用意します。
ティッシュは何でも構いません。クリネックスが破れづらいです。が、高いので、何でもいいです◎

 

 

ポンと押さえていきます。

1回目(1プッシュ目)はそこそこギュッと押さえて、漆を吸い取ります。

 

 

漆を吸い取りました。
勿体ないですね~。でもしょうがない。

 

 

続けてポンポンポンと押さえていきます。

ティッシュが漆で汚れてきたら、ティッシュを畳み直して、綺麗な面を出します。
そして、さらに漆を拭き取っていきます。

 

 

水色のラインより上が漆を拭き取った箇所で、ラインより下がまだの場所です。

このくらい拭き取れていればいいです◎

 

 

さらにポンポンと漆を拭き取っていきます。

押し当てたティッシュに「ほとんど漆が付かなくなる」くらいです。
厳密に考える必要はありません◎ ざっくりでいいです。

 

できました◎
こんな感じに拭き取ります。

 

 

 

 

 

②-6. 湿し風呂に入れる

 

待ち時間/半日~1日

生漆を拭き取ったあと、器を「湿度の高い場所」に置いて漆を乾します。(今回は半日~1日)

??何で「湿度の高い」場所に置くの??乾かないんじゃない?…と思われますよね。

実は漆が乾くメカニズムというのが、普通じゃないんです。

 

漆が乾くとは…

 

…ということなのです。
漆の世界では「硬化」することを「乾く」と呼んでいる…ってことです。

「ラッカーゼ」が元気に働いてくれると、漆が硬化するということでして、、、

 

【漆が乾く最適条件】

 

ということになります。

だたし、この条件は「最適条件」ということでして、この条件を上回っていても、下回っていても、乾くスピードが遅くなりますが、乾いてくれます
しかし、「大幅に」この条件から外れると、「かなり乾きづらい」、もしくは「ほぼ乾かない」こともありますのでご注意ください。

 

 

 

 道具・材料 
・箱 ・下に敷くビニール ・布類 ・ 水

 作業工程 
① 箱の中にビニールを敷く。
② ビニールの上に水を絞ったキッチンペーパーを置く。
③ 器を入れる。
④ 箱の蓋を閉じる。

 

・【箱】…段ボール、コンテナ、発泡スチロール…等々、何でも構いません。
要するに湿度が逃げない(逃げにくい)ように「閉じた空間」が作れればオッケーです。

・【布類】…水を含ませておくためのものですので、何でも構いません。使っているうちにカビが生えたり、匂いがしてきたりするので、「キッチンペーパー」が使い勝手がいいようです。(匂ってきたら捨てられますから)

「木の箱」を使えば、霧吹きや、濡らした雑巾で直接、箱の内側を湿らせることができます◎

 

 

手っ取り早く入手できる「段ボール箱」を使ってみましょう。

まず下にビニール袋を敷いて、段ボールが濡れるのを防ぎます。

次に濡らして、しっかり目に絞ったタオル(キッチンペーパー等)を中に置きます。

 

 

箱の中に漆を塗った器を入れます。

 

 

蓋を閉めて、湿度が逃げないようにします。
(鳩は入らないようにします)

 

 

漆の乾きがよくないようでしたら、こまめに湿度を与えます。(5時間おきとか)
大体の場合は、初めに湿度を与えてあげればしっかりと乾きます。

 

 

漆の硬化条件は高温多湿

 

 

 

 

 

②-7. 「使用後」の豚毛筆洗い

 

 動画 使用後の”豚毛筆”洗い】

□□□□□□□□

詳しい「使用後の筆洗い方」専用動画はYouTube

 道具・材料 
・筆 ・サラダ油 ・ティッシュ ・ ヘラ ・作業盤 ・テレピン

 作業工程 
① 折り畳んだティッシュで漆の付いた筆を包む。
② ティッシュを摘まんでギュッと漆を絞り出す。(数回おこなって、しっかりと絞り出す)
③ 筆に油を含ませる。
④ 作業盤の上で捻ったりしながら油を馴染ませる。
⑤ 筆の根元からヘラで「油+漆」をしごき出す。
⑥ ヘラで廃油を掬い、ティッシュに吸わせる。
⑦ 再び油を含ませる
⑧ 作業盤の上で、ヘラを使って絞り出す
⑨ 廃油の中に漆分が(ある程度)含まれなくなるまで…つまり「透明度」が高くなるまで繰り返す。
⑩ 筆をサランラップで包んで保管する。
⑪ 作業盤に数滴テレピンを垂らし、拭きあげる。(油分を除去する)

 

この洗い方は100均等で買った豚毛筆などの安価な筆の洗い方です。つまり「雑」に洗っています。
蒔絵筆やインターロン筆など、ちょっとでも高い筆はこの洗い方をしないでください。毛が痛みます。

 

 

 

① 折り畳んだティッシュに漆の付いた筆を包み込みます。

 

 

② 外側からティッシュをぎゅっと摘まんで漆を絞り出す。
これを数回おこなって、しっかりと絞り出します。

この時点でしっかりと漆を絞り出してしまった方が、この後の「油で洗う」時、筆が早く綺麗になります◎

 

 

③ 油の入った瓶に筆を入れて、油を含ませます。

 

 

④ 作業盤の上で捻ったりしながら筆に油を馴染ませます。

 

 

筆の根元からヘラで「油+漆」をしごき出します。

今回は安価な「豚毛筆」を使っているので、わりかしガシガシやっちゃっていいです◎

 

 

⑥ 筆の中の「油+漆」の廃油がしごき出せたら、ヘラで廃油を掬い、、、

 

 

ティッシュに吸わせます。

こうして廃油をどかしておくと、作業盤の上が常にクリーンな状態で筆の洗い作業ができます◎

 

この後は「③→④→⑤→⑥」を繰り返します。
廃油の中に漆分が(ある程度)含まれなくなるまで…つまり「透明度」が高くなるまで繰り返します。

今回は安価な「豚毛筆」を使っているので、適当なところで止めておきます。
高価な筆を洗う場合はしっかりと念入りに洗ってください。じゃないと、筆が劣化しますので◎

 

 


⑦ 廃油がある程度きれいになったら、最後にきれいな油を筆に含ませます。

 

 

 

⑧ 最後はヘラでしごきません。ティッシュに筆をポンポンと置いて、余分な油を吸わせます。
筆の中にきれいな油が「適度に」残っている状態にするわけです。

 

これで筆洗い作業は完了です◎

 

この後、筆を仕舞います。

⑨ サランラップを取り出し、その上に筆を置きます。
この時、筆先に「余白」(赤の矢印分くらい)を残しておいてください。

 

 

⑩ ラップに筆を巻いていきます。ローリングです。

 

 

⑪ 途中でローリングを止め、先ほど残しておいた「余白分」のラップを畳み込みます。

 

 

 

⑫ 最後までラップを巻いて、完成です◎

 

 

 

 

 

 【 次の作業を見る 】

▸ page①後編~接着まで

 

 

 

「独学でやってみよう!」と思った人向けに、作業工程ごとに詳しい解説動画も作りました。
こちらを参考にぜひチャレンジしてみてください◎

 

割れた器の直し動画(YouTubeに跳びます)


‣ 「割れた器直し」の詳しい解説動画

▫▫▫〈作業工程別〉(YouTubeに跳びます)▫▫▫▫▫▫

①~割れたパーツを接着する
②~接着箇所の隙間をペーストで埋める
③~もう一度、欠けた箇所をペーストで埋める
④~漆を塗る(1回目)
⑤~銀粉を蒔く
⑥~磨いて完成

▫▫▫▫▫▫▫▫▫▫▫▫▫▫

 

 

Pocket

【割れの金継ぎ修理】 松模様の白い湯呑 Page 05 / 漆の研ぎ

Pocket

size19ファイツ!!

 

※ 口周りが割れてしまった湯飲み茶わんの金継ぎ(金繕い)修理のやり方を説明していきます。本物の漆を使った修理方法ですのでかぶれる」可能性があります。ご注意ください。

※ 万が一、漆が肌に付いた場合はすぐに「油(サラダ油など)」でよく洗って下さい
 油?? そうです。「油」をつけ、ゴシゴシ漆を洗い落としてください。その後、その油を石けんや中性洗剤で洗い流してください。

今回は金継ぎの作業工程〈漆の研ぎ〉までのやり方を解説していきます。

 

 ん?前回はどんな作業をしたんだっけ??と忘れてしまった方はこちらをチェックしてください↓

【前回の作業を見る】

▸ Page 04 / 漆を塗る

 

 

 

【 作業を始める前の「心得」  】

漆をナメちゃいけません◎「漆なんてへっちゃらよ。素手で作業しちゃおうっと」なんて無用な冒険心、もしくは慢心があなたに猛烈な痒みをもたらすかもしれません。
しっかりとガードを固めてから作業に入りましょう◎

 必ず「ディフェンシブ」に。ゴム手袋は必需品です◎

 

 

 

 

 

08 漆の研ぎ

 

道具

②紙ヤスリ(耐水ペーパーの#600~#800程度)
③ウエス(布切れ)
④ハサミ(いらなくなったもの)
⑤豆皿(水受け)

材料

①水
▸ 道具と材料の値段/販売店


※ ハサミは紙ヤスリを切るのに使います。紙ヤスリを切るとハサミが「ばか」になります。他のものが切れなくなりますので、要らなくなったものか、100均で安いものを買ってきてください◎

 

 

【耐水ペーパーの使い方】

  1. ペーパーを1㎝×1㎝くらいに切る
  2. 三つ折り(二つ折りでもオッケー)にする
  3. 小皿に少量の水を出し、それをほんのちょっとつける

 

こうやって小さく折りたたんで使うと、器の修理以外の部分をあまり研がなくて済みます。
それから折りたたんだ分、ペーパーが厚くなって「固く」なりますので平滑な面に研ぐことができます。

 

 

小さな水受けがあると便利です◎
そこに水を出します。

 

はい、ども。久しぶりです。鳩さん◎
邪魔しないでくださいね~。

ほんのちょっと水を付けながらペーパーで研いでいきます。

この段階(漆の下塗り研ぎ)で使うのは#600~#800程度の粗さが適当かと思います。
まだ「綺麗な平滑な面」ができていないので、「そこそこ研磨力の高い番手」のペーパーがよろしいかなと。

#200~300だとジョリジョリ研ぎすぎてしまうし、#1000以上だと細かすぎて研ぐのに時間がかかります。

 

↑のようにペーパーをつまんだりして、動かしやすいように使ってください。

厳密にいうと、ペーパーで研ぐと、器の表面を傷付けてしまいます。ですので”なるべく”修理部分以外は研がないようにしていきます。

といっても、どうしても周りも研いでしまうので、「必要最小限」になるように気を付けます。

 

ある程度、研いだらウエスで研ぎ汁を拭き取り、「研ぎ具合」をチェックします。

 

水で濡れたままだとどのくらい研げているのかが分かりませんので、しっかりと拭き取ります。

※ ウエス等で拭き取った後、最後に指や手の平で拭うとほんのちょっと残った「湿り気」が取れて見やすくなります。

 

乾くと「どこが研げていて、どこが研げていないのか」がわかります。

赤い矢印A」の部分が研げています。研げている(ペーパーが当たっている)と、「ちょっと白っちゃけて」きます。
水色矢印B」の部分は研げていません。色が濃くて、ピカピカしています。

塗った漆が全部「白っぽく」なるまで、つまり全部にペーパーが当たるまで研いでいきます。

 

器の内側も同様に研いでいきます。
内側の研ぎには「木賊とくさ」という植物を使って研いでいきました。もちろんペーパーで大丈夫です。

木賊で研ぐと器の素地を痛めないそうです。(厳密にいうとちょっとずつ傷が入っていくのだと思いますが)

木賊は独特な研ぎ心地です。研磨力があるようなないような(笑)
同じ木賊でもモノによって「意外と研げるな」というものと、「あれ?あまり研げてない」っていうときがあります。

木賊もいろいろな品種がありそうなので、もしかしたら研ぎに適した木賊があるのかもしれません。

 

※ かめ先生のところで蒔絵を習い始めてから、かめ先生が金継ぎの研ぎでも「炭」を使っているということを伺って、僕も試してみたところ、すこぶるいい感じがしています。

 

砥石やペーパーですと器の素地を傷付けてしまうのですが、この「炭」というのはほとんど器にダメージを与えません
研ぎ心地もすごくいいです。かなりおススメです◎

ちなみに使っているこの炭は漆屋さんで売っている「駿河炭するがずみ」とか「朴炭ほおずみ」です。
漆屋さんでしか売っていなかったり(東急ハンズでは売ってなかったと思います)、漆屋さんでも小ロットで売っていないので入手が面倒なのですが、ぜひ使っていただきたい道具です。

バーベキュー用の炭ってダメなですか??

う……。。いや~、どうなんでしょう?ダメそうな気がしますが、試したことがありませんので、何とも言えないところです。

 

 

器の内側も時々、研ぎ汁をウエスで拭き取って研ぎ具合をチェックしながら作業します。

 

 

研ぎ終わりました◎

 

はい、オッケーです。

 

画像では見づらいのですがおおよその部分にペーパーが当たって、白っちゃけています。

 

この「漆の研ぎ1回目」の段階で漆を研ぎ破って、下の層の「錆漆」が出てきちゃっても大丈夫です。
「研ぎ破らないように気を付ける」のではなく、この段階では「平滑な面を出す」ことを意識します。まだ「形を作っている」段階ということです。

 

どんなに錆漆を綺麗につけて、どれほど平滑な面に研いだとしても、実際のところ「ほんのちょっと出っ張っていたり」「わずかながら凹んでいたり」、それから「ピンホール(ほんの小さな穴)」が空いていたりします。

大げさに図示すると↑のような図になります。

錆漆の段階で「とことん平滑な面」に仕上げたつもりでも、ほんのちょっと歪んでいる場合が多いのです。錆研ぎの段階では気付けないレベルです。

そこに「漆塗り1回目」を施します。

そして漆を研いでいくと…

 

・出っ張りA…研ぎ破って下地の錆漆が出てくる
・ピンホール…漆が穴に吸い込まれて、くっきりとピンホールの姿が現れてくる
・出っ張りB…”わずかな”出っ張りであれば、漆の厚みで吸収できる
・凹み…なかなかペーパーが当たらなかった部分は、「うっすらと凹んだ部分」ということです。

 

 

この「凹み」部分をペーパーが当たるまで(平滑な面になるまで)研ごうとすると、「出っ張りB」まで研ぎ破ってきます。

 

さらにピンホールを消そうと、ピンホールの「底」まで研ごうとすると完全に漆は研ぎ破って、全面、錆漆になってしまいます。

 

 

「漆塗り一回目」はどちらかというと「平滑度チェック」の意味合いが強くなります。(漆芸の世界ではこれを「捨て塗り」と言ったりします)

漆を一回塗って、それを研ぐことで「どの部分がわずかにへこんでいるのか?」「ピンホールの有無」などを確認します。
錆研ぎの段階では発見できなかった「微妙な」凹凸を見つけることができるようになるわけです。

 

で、「微妙な凹凸」や「ピンホール」が見つかった場合、どうすのか?といいますと、もう一度錆付けをします◎

え!?「振り出しに戻る」ってこと??ガーン!!

 

いやいや、そこまでしなくて大丈夫です。
凹んでいる個所やピンホールに錆漆を「部分的」補填すればいいので、案外手間はかかりません◎

 

補填した錆漆を研いで、

 

上から漆を塗れば結構いい感じの平滑面ができます◎

 

 

私の場合、実際のところ

錆付け1回目→錆研ぎ→錆付け2回目→錆研ぎ→漆塗り1回目(捨て塗り)→漆研ぎ→(部分的に)錆付け3回目(追い錆)→錆研ぎ

この8工程で「平滑な面」を出しています。(お~、面倒ですね~)

理想的には
「錆付け1回目→錆研ぎ」
だけで「完全平滑面」を出したいところですが、そうも上手くいってないのが現状です。腕があがれば一発でいけるのかもしれませんね~◎

 

ちなみに「漆の塗り重ねで凹みや穴を埋めちゃダメなんですか?」と思いますよね。

凹みに関しては本当に「ほんのちょっとの凹み」でしたら漆でも埋まります◎
でもちょっとでも深くなると、漆の塗り重ねでは手間と時間がかかります。ですので、錆漆を一回やってしまった方が結構、早かったりします。
(もちろん、どんなに深い凹みでも漆を何度も塗り重ねていけば当然埋まります)

「ピンホール」に関しては錆漆でやってしまった方が断然早いと思います。

どのくらいの深さまでなら漆で埋められるか?どこからは錆漆をやった方がいいか?…は感覚で掴んでいってください。
大体の場合は「錆漆」に戻った方が早いことが多いです◎

 

ご注意!

初心者の方にとって「錆付け→錆研ぎ」は結構ハードな作業だと思います。
「綺麗な平面」が出せなかったとしても別に使用上の問題があるわけではありせん。ですのでここは頑張りすぎず、最初のうちはそこそこで「スルー」するのも手だと思います。
平滑面出し作業にうんざりして金継ぎを嫌になるよりも、慣れてきて「もうちょっと綺麗に仕上げたい!」という欲が出てきてからでもいいと思います◎

それにいくつも器を修理していくと、いつの間にか慣れてきて、部分的な錆付けでしたらそれほど手間がかからなくなってきます。

 

 

 

 

 

 

09 漆研ぎ2回目

 

途中の写真を撮り忘れたので、一気に「漆研ぎ2回目」となりました。

先述したようにここにくるまで「錆漆の充填→研ぎ」作業をしました。さらに漆を2回ほど塗り重ねました。

この器は最後に「金粉」を蒔く予定なので、この段階で「黒色の漆」が塗ってあります。

 

 

この段階では結構、平滑な面が出ているので、「研ぐ」といっても「形を作る」というよりも「平滑面の精度」を上げていくことが目的です。

ですので、ペーパーの番手は#1000くらいを使用しています。
(もはや粗いペーパーでじょりじょり研いで形を作っていく必要はありません)

 

はい。綺麗な平滑面が出ています◎

 

ペーパーにほんの少し水を付けて研いでいきます。

 

もうほとんど凹みなどは無いはずですので、サラサラと当てていけば大丈夫です。

 

あとは「ふし」があったら、そこは平滑になるように研いでおきます。
「ふし」とは塗った漆に「ゴミ」が入ってぷっくりとしている個所です。

 

こんな感じでオッケーでしょうか。

 

 

 

 

これで研ぎはお終いです。

次回はいよいよ金粉を蒔く「蒔絵」の作業に入ります。

 

 

 

 

 

 

 
Pocket

02‐② 置き目を取る(高蒔絵:椿)~かめかめ蒔絵教室

Pocket

 

解説が長くなりすぎて2ページ目になってしまいました。
いよいよ「置き目」の実践に入ります!

 

 

 

 

3.いざ!置き目を取ろう!

 

今回は「ガラス写し」というやり方で置き目をとります。
伝統的なやり方では「ガラス」を使うのですが、「カードケース」の方が薄くて作業がやりやすいので、そのやり方でご説明します。

 

 

 

道具

①赤軸根朱替り筆(インターロン 417 丸0号でも代用可
②カードケース(ハードタイプ)
③置き目刷毛(質の低い漆刷毛でオッケーです)
④爪盤

 

材料

①焼き漆
②トレーシングペーパー
③チタン白粉

 

 

3-a.カードケースの上から図案を写す

 

「ハードタイプ」のカードケースを用意します。
Amazonで売っているものだと‣こんな感じのカードケースでいいと思います。

このケースの中に図案を挟みます。

 

 

これで準備オッケーです◎
このケースの上から図案をなぞって描いていきます。

 

筆は「赤軸根朱替り筆あかじくねじがわりふで」という蒔絵筆を使います。
蒔絵筆の中で、最も細い線を引くのに適している筆です。

 

実際にカードケースの上から図案をなぞっていきたいのですが、その前に筆を「洗う」必要があります。

‣蒔絵筆の洗い方動画

 

漆を使った筆は使い終わった後に「油」で洗うので、使うときにはその油を除去しなくてはいけません。

何で使った後に油で洗うの??かといいますと、油を含ませたまま保管すると筆の中の漆が乾かないからです。漆は油との相性が悪く、油がついていると漆が乾きません。それを利用して筆を油で洗い、保管するのです。

ただ、使うときにはこの筆に含ませた油を綺麗に除去してあげないと、せっかく塗った漆の中にも油が入ってしまうので乾かなくなってしまいます。

筆の洗い方、準備の仕方についてはまた新たに詳しいページを作りたいと思います。

 

 

 

左手(利き手じゃない方の手)の親指に「爪盤つめばん」を嵌め、それを「パレット」のようにして使います。
この上で筆に含まれる漆の量を調節したり、筆の先っちょを整えたりします。

この爪盤は金継ぎでも大活躍する道具です。
筆をいちいち机の上の作業盤と往復させなくて済みます。それにすぐ目の前で筆の調整ができるので、漆の含み具合、筆先の状態も詳細にチェックすることができます。これが机の上の作業盤ではちょっと遠いのでよく見ることができません。

ぜひぜひこの爪盤を自作してみていただけたらと思います。すごく便利です◎

「簡単な爪盤の作り方」もそのうちページを作りますので、参考にしていただけたらと思います。

 

 

 

偉い先生が書いた昔の技法書によりますと

描く線は”極めて細く”、かつ漆分が十分に紙に透徹するように描くことが肝要である

(「蒔絵 高野松山」 p82)

とのことです。
↑このお言葉は「和紙の上に置き目を描く」場合です。今回は「ガラス写し」なので、描いた漆の厚みが「薄く」なるように筆の調節をします。

 

その他、いろいろな人から聞いた鳩屋のメモに書いてあったのは

鳩のメモ

・小指を支点にして筆軸と描く線の進行方向が一直線に揃うようにして描く

・筆は常に「おへそ」に向かって動かす

・手首じゃなくて肘を動かしていくイメージで描く

・筆運びは「遅筆」で、穂の付け根から漆を落としながら線を引いていくという感じで描く

 

 

 

で、意外とかめ先生は画面から顔が離れています。
僕は細かい作業をしようとするとどうしても「棟方志功ばり」に顔を近づけてしまいます。
けど、どうもそうやって顔を近づけて(5~7㎝の至近距離)、細かいところまで見ようとするのはよろしくないような気がしてきました。

筆の軸が顔に当たってしまうし(近すぎ!!)、力も入りすぎてしまう気がします。「視覚」ばかりに頼っているのもバランスが悪い気がします。

やはり「適切な距離」というものがあって、その距離が一番自然に人の体や感覚が働くのではないかな??と思っている所です。

まだまるっきしうまくいっておらず、かなり試行錯誤しています◎

 

 

 

描く画面に対する「筆の角度」です。
ここにも「上手に描くコツ」があるのではないかな?と思って、時々、先生の様子をチェックしています。

立たせ過ぎず、寝かせ過ぎず…ってところなのでしょうか。

今回は60度くらいだったのですが、もっと寝かせている時もあります。
…ってことはあまり参考にならないかな?

 

 

ちなみに今回は「カードケース」を使いましたが、伝統的には「ガラス板」を使います。ガラスの下に図案を置き、ガラスの上から図案の線をなぞっていきます。

ガラスの方がカードケースよりも「厚み」があるので、その分、図案との距離ができてしまいます。ほんのちょっと目の位置(見る位置)を変わっただけで図案とガラスに描いた線とがズレてしまいます。
ですので、厚みの「薄い」カードケースの方が描きやすいのです。

 

 

 

 

3-b.トレペに写す

 

カードケースの上に漆で図案の線を描き終わったら、次にトレーシングペーパーを用意します。

 

 

図案の大きさに合わせて四角く切ります。
これはどこにでも売っているトレーシングペーパーです。半透明の白い紙です。

 

 

切ったトレペを漆で描いた上に慎重に置きます。

これはちょっと緊張します。

トレペの手前の方を抑えて、ハラリと置くのがよさそうです。(←これ、説明になってませんね~)

 

 

左手でトレペの手前を抑え、トレペがズレないようにします。ズレたら悲しい結末になりますのでご注意ください◎

「置き目刷毛」というのを使って、トレペの手前の方から一方向に軽く擦っていきます。

 

 

「置き目刷毛」は漆刷毛を持っている人でしたら、安めの刷毛の毛先を短めにして使ってください。

もしくは刷毛を新しく切り出した際に、切り落とし側の毛の部分を木の板につけて置き目刷毛として再利用してもいいと思います。
厳密な精度が要求されるような作業はしませんので、「適当」で大丈夫だと思います。

漆刷毛を持っていない人がやるのであれば、油絵用の平筆などの「ちょっと腰の強い毛質」の筆の先っちょを切り落とし(半分くらいかな?)、少し短めにしてさらに腰を強くしたものを使えば代用できる…ような気がします。
けど、実際に試したことがありません。

 

 

↑このように漆の上にトレペを乗せて、その上から刷毛で何度か擦って抑えてあげると…

 

トレペの方に図案通りの線が「ほんのり」と転写されます。

 

 

↑画像だとかなり見づらいですが、「薄っすら」とトレペに転写されています◎

 

 

 

 

3-c.手板に転写

 

 

次にいよいよ手板の方に図案を転写していきます。

 

 

手板の中のどこらへんに蒔絵をするのかを考えて、狙った位置にトレペを置きます。
トレペは「裏返し=漆が描いてある側が手板と接するよう」にしてください。じゃないと転写できませんよね~◎

 

↑このように漆を描いた面を「裏」にして手板に置きます。

 

 

トレペの上から置き目刷毛で一方向に擦りつけます。
擦るときズレないようにします。ズレたら悲しいです。

 

 

そっと剥がします。

すると、微かに手板の上に焼漆が残します。本当に「かすか」です。光にかざしたときにようやく「おっ、漆が残っている…◎」って見えるくらいです。

 

もし、トレペについた漆が多い(厚い)ようでしたら(基本的には「多い」と思いますので)、新聞紙など要らない紙に数回、転写して、余分な漆を吸い取らせてください。
トレペについている焼き漆を薄く均一にします。

トレペには「え、ホント??」ってくらいに「薄っすら」と漆が付いていればいいのです。

手板に転写された漆が厚いと、仕上がりに影響することがありますので、頑張って薄くなるようにします。

僕は何度やっても「厚く」転写してしまいます(涙)

 

 

 

 

3-d.チタン白で擦る

 

説明が長くなりましたが、いよいよクライマックスです。

最後の工程です。簡単です。一瞬で終わります◎

 

 

たまたま拾った鳥の羽の先っちょにチタン白粉をほんの少しつけ、転写した焼漆の上をサラサラっと軽く撫でてあげます。

たまたま羽が拾えなかった人は真綿を使ってください◎
真綿に粉をちょっとだけつけ、それを軽いタッチでくるくるっと回して撫でてください。

チタン白粉の代わりに消し粉でもオッケーです。砥の粉でも大丈夫なようです。

 

 

 

図案が浮かんできました!!ナイスです!

早いです!
いや、シャッタースピードが遅いのです。

軽く画面に触れるくらいの間合いで撫でてください。

 

 

見事に図案が転写されました◎

このあとガンガンに湿した風呂に入れて乾かします。
画面に残ったチタン白粉はそのままにしておいて大丈夫です。乾いてから拭き取ります。

 

「焼漆」はかなり乾きづらい漆です。でも乾きます◎

手板についている漆は本当に極薄ですし、しかもそこに粉が蒔かれています。ということは焼漆が空気に触れる表面積が大きくなっているということです。
それをガンガンに湿した風呂に入れれば、「かなり乾きづらくなっている漆」といえどもお尻をびしばし叩かれて何とか乾いてしまう…ってことなのだと思います。スパルタですね◎

おっと発見!高野松山先生の本に書かれていました!(今更、気付くとは読み込みが浅い!!)

焼漆とは常温の空気中では絶対に乾固しない性質にした漆で、置き目が後から容易に取除き得るように考えられたものである

(「蒔絵 高野松山」p83)

とのことです◎

極めて乾きづらい漆であるが、乾かないわけではない…ってことだと思います。はい。

 

2~3日もすれば触れるくらいに漆が固まって次の作業に進めると思います。
(↑ここ、はっきりとわからないので、先生に次回、聞いていみます!)

 

【2018-10-15追記】

かめ先生に聞いてきました。
「なぜ、置き目には”焼漆”を使うのか??」です。

普通、職人さんというのは大量に同じ商品を作ります。一度の置き目作業で何個もの商品に図案を転写したいわけです。
となると、乾きの早い漆では何個も置き目を取る前に乾いてしまう。焼漆ですと常温ではほぼ乾かないので、いくつも置き目を取っていくことができる。

それからもう一つの理由です。
高野松山先生の本にも書かれていますが「置き目が後から容易に取除き得る」ということです。

手板などに置き目を取って、そのあと実際に蒔絵の作業をしていくなかで、写した下絵通りのラインとは少し変えた方がいいデザインになるな…と気付く場合があります。
その場合、もし初めに描いた置き目が二度と除去できないのであれば、下絵をずらすことができなくなります。置き目は完全に蒔絵で覆い隠さなくてはいけなくなります。

なので、置き目自体が「簡単には消えないが、消そうと思えば消せる」…というのが具合がいいわけです。

焼漆にすると漆本来の持っている固着力に比べるとかなり弱くなります。(もしかしたら数年経てば同じだけの固着力になるのかもしれませんが)

ですので置き目には焼漆を用いるのが都合がいいのです◎

 

 

 

Pocket

02‐① 置き目を取る…ための漆を準備する(高蒔絵:椿)~かめかめ蒔絵教室

Pocket

 

 

蒔絵を始めるにあたって、まずは「置き目」という方法で図案を器物に写しとります◎

 

 

 

 

 

 

1.「置き目」とは?

 

 

油絵などの絵画表現では、形や色のバランスを探りながら、時に失敗、修正を繰り返しつつ絵の具を塗り重ねていくうちに次第に絵ができてきます。
絵を描く以前には完成形が見えておらず、描き進めるに従って、時に自分でも想像してなかった作品として着地することもあります。

一方、蒔絵表現というのは基本的には「下図」があって、それをそのまま器物に写し取り、計画的に工程を積み重ねて完成させます。
即興性は基本的にはありません。描き始める前からある程度の完成形がすでに見えている…といった感じです。

 

 

 

それでは「置き目」の説明に入ります。

図案の輪郭を「器物に下絵として写す」ことを「置き目を取る

といいます。多分、業界用語ですね◎

 

まずは紙の上で高蒔絵のデザインを考え↑このような図案ができたとします。この通りの高蒔絵をしたい。
そこでこの図案を手板※1に下絵として写そうと思うわけです。

※1 手板…漆を塗った小さな板のことです。見本用や漆技法の練習用として使われます。作品のキャンパスとしても使います。
手板の作り方はまた別途ページを作って詳しく解説していきたいと思います。

 

 

↑このように手板に図案を写したい。

ただし、手板に「ぶっつけ本番・フリーハンド」で正確に写すだけの技量は持ち合わせてない。というか無理ですよね。

 

今の時代でしたら図案を描いた紙と手板の間に「カーボン紙」を挟んで、紙の上からなぞれば図案をそのまま手板に写せますよね。

 

 

ただ、このやり方は今回のように写す対象物が「平面」でしたらいいですが、お椀や棗のような立体物のようなときには転写が困難になります。
それに蒔絵は工程が多いので(時間がかかるので)、作業を繰り返していくうちに転写したカーボンの下絵が消えてしまう恐れがあります。

そこで、昔からの方法で「置き目」という転写のやり方があるのでそれをやってみます。

で、どうやって紙に描いてある図案を手板の方に写すのか??ですよね。

それをこれからご説明していきます◎

 

 

 

 

2.とにもかくにも漆の準備

 

置き目を取るにはそれ専用の漆を用意します。それが「焼き漆」です。

 

2-a.まずは「焼き漆」を作る

 

 

何だか怪しい写真ですね。
かめ師匠が火を使っています。

 

 

金属製のスプーンに「絵漆※1」を入れて、それをライターや蝋燭の火などで加熱します。
金継ぎで使う漆の量はほんのちょっとなので、小さなスプーンが使いやすいです。
(大量に焼き漆を作りたいときはお茶碗に漆を入れて、ラップをかけ、電子レンジでチンすると早いです)

※1絵漆…生漆を天日に当てながら練りつつ、水分を飛ばし、そこに弁柄を適量加え、よく練り合わせたもの。

↑蒔絵において(もちろん金継ぎでも)この「絵漆」のデキの良し悪しがかなり重要だと思います。
こちらの詳しい解説はまた他のページでさせていただきます。

漆を火で炙りますと…

ブクブク泡を吹いてきます。恐ろしい光景です。
漆を焼いたときに出る煙は「カブレやすい」とのことです。ご注意ください。でもどうやって注意すればいいのでしょう?怖いですね~。

漆は一定時間、高温状態にしておくと、漆の中のラッカーゼ”という酵素の活動が低下してしまいます。

このラッカーゼという酵素の活性を低下させるほど、「極めて乾きづらい漆」ができあがります。

 

 

 

「置き目」ではこの「極めて乾きづらい漆」を使います。

置き目は何で「焼き漆」じゃなくちゃいけないですか?普通の絵漆じゃまずいんですか??

おっ!なるほど。そういえば何ででしょう??僕も気づきませんでした(笑)
そうですよね~、、不思議ですよね~
「置き目」は通常、和紙の上に極めて「細く、薄く」線描きをします。ということは漆の器物の上に描くよりも遥かに乾きが早くなります。
ということで、置き目の作業中に漆が乾いてしまっては不都合なので、焼き漆を使う…ってことかもしれませんね。
次回、かめ先生にお会いした際に聞いてみます。
(↑聞いてきました!ページ②の最後にご説明します。そこまで読んでからの方が理解しやすいかと思います)

 

 

 

 

2-b.漆を濾す

 

ただいま作った焼き漆の中に入っているゴミを濾します。

「漉し紙」というのが漆屋さんに売っています。本物の和紙ですと、結構、お高くなります。なので「新吉野紙」という和紙に似せてレーヨン紙で作られたものを使います。
100枚/1000円くらいです。

 

通常、売っている新吉野上の大きさが30㎝×50㎝くらいなので、それを少し小さく裂いて使います。
8等分くらいにすればいいと思います。

 

「お猪口」などの小さい器の上に漉し紙を被せ、その上から焼き漆を垂らします。
漉し紙で絞った漆がそのままお猪口の中に入るようにする…ってことです。

 

 

ヘラ2本を上手に使って焼き漆を濾し紙の中央に乗せていきます。
(この「漆の濾し方」も後日、新たにページや動画を作りたいと思います。お待ちください~)

漆が乗った部分を中心にして漉し紙を折り畳み、絞っていきます。

 

(「焼き漆」を濾した時に写真を取り忘れたので、「生漆」バージョンのを使っています)

濾した漆がお猪口に入るように、器の上で濾します。

 

 

 

 

2-c.「ショウノウ」を混ぜて漆を緩める

 

ショウノウとは「樟脳」です。楠(クスノキ)から採れた白い半透明の結晶です。漆屋さんで売っています。
これを漆に混ぜると「緩く」なります。(粘性が低くなります)

ただ、買ったままの「結晶」の大きさですとなかなか漆と混ざり合いません。
これを「パウダー状」の微粒子にしてあげるとものすごく素早く混ざり合います。

 

ということで、樟脳をパウダー状の微粉にするやり方を解説します。
すごく簡単です◎

 

お猪口などの小さな器を用意し、その上に漉し紙を置きます。漉し紙の上に小脳を少々乗せておきます。ほんの僅かで大丈夫です。

 

 

↑こんな感じです。樟脳はもっと少なくて大丈夫です。

 

 

続いて金属製のスプーンをチャッカマン、蝋燭などで炙って熱します。(またか!)

 

 

(画像ではスプーンの中に漆と樟脳が入っていますが、これは無視してください)

しっかりと熱してください。熱し方が甘いと樟脳が微粉になりません。

 

十分にスプーンが熱せられたら、すぐに漉し紙に乗った樟脳に押し当てます!

 

 

「ハンダごて」でもいけそうですね◎ 用意するのが面倒かしら?

 

そうすると、漉し紙の上に乗った樟脳の結晶が一瞬で液体化し、漉し紙をすり抜け、器の中に落ちていきます。
そして落ちた瞬間に空気に冷やされ再び結晶化します。今度の結晶はかなりの微粉になります。「ふわふわ」状態です。

 

この「ふわふわ結晶」が器の底に溜まっているので、それを筆先に少量つけ、焼き漆に混ぜて漆の固さを調整します。

ふわふわになった樟脳の粉は漆にすごく馴染みます。一瞬で消えていく感じです◎

これがテレピンだとかだとそこまで相性が良くない感があります。

ちなみに「アルコール」「エタノール」といった「揮発性の高い溶剤」は使わない方がいいと思います。

せっかく混ぜても揮発が早いので、すぐに「粘り」または「固く」なってきます。

 

混ぜる樟脳の量が多くなると漆が緩くなりすぎて「筆が走る」とかめ先生が言っていました。適度な粘度があった方が漆は描きやすいようです。そのへんの感覚はまだ僕には掴めていません。

 

説明が長すぎて「置き目」にまで辿り着けませんでした!
次ページでいよいよ実践に入ります。

 

 

 

Pocket

01 まずは「高蒔絵」の説明(高蒔絵:椿)~かめかめ蒔絵教室

Pocket

 

 

かめかめ蒔絵レポートの再開!

 

一昨年(2017年夏)から蒔絵教室に通い始めまして、そこで学んだことの覚え書きをウェブにアップしていきます!と宣言していたのですが、中途半端に更新が途絶えてしまいました。
済みませんでした。

気分を新たに、さらには方向性も新たに、再度「蒔絵コンテンツ」の制作に取り掛かります。

「前回シリーズ」ではその日、蒔絵教室で習ったことのメモをブログ風に記していったのですが、今回は「蒔絵の手順解説」に挑みます!この方がきっと皆さんにとって役に立ちます。

このシリーズを読み込めば「金継ぎ経験者くらいのレベルなら自学自習で蒔絵ができる」…そこまでの完成度に持っていきたいと思います。(できるのか!?)

さらには漆を学ばれている学生さん、もしくはかつて「中途半端に」しか習わなかった不真面目だった学生さんたちへの援護になればと思います。

 

 

 

「高蒔絵」って何ですか?

 

 

これから「高蒔絵(たかまきえ)」という↓こういったものを漆を塗った板の上に描いていくための解説をしていきます。

 

「椿」です。「しべ」の部分は今はまだ真っ黒ですが、この後、貝を嵌めていく予定です。

 

しべ部分は↑こんなふうになっていきます。

 

 

いきなり「高蒔絵」と言われても、何だかさっぱりわからないですー。
そもそも「蒔絵」自体が何なのかよくわかりません。漆のお椀とかお重とかに金色に絵が描いてあるやつが「蒔絵」ですよね?その「もっこりと高くなっている」のが高蒔絵ですか?

はい、正解です◎
高蒔絵について掻い摘んで説明してみます。
(そもそも「蒔絵」自体の説明をしないといけなかったですね。その説明は長くなりそうなので後日、他にページを作りますのでそちらをお読みいただけたらと思います)

 

 

 

はい、こんな感じの蒔絵が分かりやすい「高蒔絵」となります。
よく見ていただけるとお分かりになるかと思いますが、「もりもり」していますよね。

ちなみに「平蒔絵」という蒔絵もありまして、それはこんな感じのものになります。

 

 

平べったいですね!ぺったりしております。

 

それでは高蒔絵のやり方の簡単な説明をしていきます。

まずは漆を塗ります。
そして塗った漆が乾きます。

 

そうしたら砥石や炭で研ぎます。(そう、「炭」でも研げるのです!)

 

研いだ後、その上に塗り重ねます。
乾きます→研ぎます→塗ります…と数回塗り重ねていくと、次第にもっこりしてきます。

好みのもっこり具合になるまで塗り重ねます◎

 

こんな感じです。もりもりしてますよね。

これが「下地」となります。

 

 

もりもりした下地ができたところで、最後に漆を薄く塗ります。

そして金粉などの蒔絵粉を蒔きます。

 

漆は乾くまでにすごく時間がかかるので(乾き始めるのが6時間~24時間程度まで調整可能)、慌てることなく塗ったところに金粉を蒔くことができます。

しかも漆は固着力が極めて高いので、接着剤の役割をします。
蒔いた蒔絵粉をしっかりホールドしてくれるということです◎

 

 

 

漆が乾いたら最後に研磨剤で磨いて完成です。

これが「高蒔絵」の基本的な手順となります。

 

 

 

ん?でもさっき見た高蒔絵はもっとこう、立体的になってましたよ。彫刻的というか。

 

 

そうそう、↑こうゆう「立体的」なのはどうやったらできるわけ??

なるほど、先ほど説明したように「ただ単純に塗り重ねるだけ」だと、もっこりはするけど、彫刻的な立体感は出ませんよね。

そうなんです。彫刻的にするためにはもうひと工夫が必要なんです。

塗り重ねるときの漆の厚みを変化させることで立体的なレリーフ状に表現することができます。
「研ぎ具合」を変えることでも高低差が作れます。低くしたいところは多めに研ぐとかします。

 

 

例えば↑の赤枠の花の形状はどうなっているのか?といいますと… 

 

こんな感じになっているかと思います。(違うかしら?)

「塗り厚」「研ぎ具合」に変化をつけることで、こういった形も作り出すことができるのです。

スゴイですよね~◎

 

 

手間はかかりますが、こうやって下地をレリーフ状に形成することで平蒔絵ではできない立体感を出すことができます。

私もかめ先生のところに習いに行って初めて本格的な高蒔絵をやってみているところですが、これが非常に手間がかかります。

自分でも意外だったのが、結構、面白くて「ハマる感じ」がします。
「ミクロ」の世界で高低差を意識しながら漆を塗ったり、砥石で研いだりしていきます。普段の意識とは全く違ったスケールで感覚を働かせなければならなくなります。0.01㎜とか、さらには0.001㎜の世界です。

自分がこれまで使っていた感覚値の最小単位を一桁も二桁も細かくしていきます。始めはうまくいきませんが、次第にその世界に入り込めるようになります。(のような気がする)

この「異世界感覚」は言うなれば「初めての海外旅行」みたいなものです。
興味が湧きませんか?

それでは次回からは高蒔絵の具体的な手順を解説していきます。

 

 

 

Pocket

【ホントに”割れた”金継ぎできるかな?】古川まみさんのお茶碗~①ひびの入った器を割る!

Pocket

 

 

 

 

 

 

【ホントに金継ぎできるかな?】シリーズとは

 

「動画」と「HPでの静止画像+文章」とを連動させることで、これまでどうしてもうまく伝えられなかった細部の動き、手順などをわかりやすく伝えようという企画です。

 

 

 

 

 

「ひび」の入った器の「特殊な例」

 

通常、「ひび」の入った器というのは、ひびの入った箇所に漆を浸み込ませ、その後、上から漆を塗り重ねて直します。

金継ぎのやり方で漆を塗っていく。

ひびの入った韓国カップの金継ぎ修理

 

この場合「直す」といっても、実はひびを「隠す」といった意味合いが強くなります。

ひびの修理では、その隙間に何度か漆を浸み込ませ、「ひび部分を漆で接着」させているのですが、僕の経験上、この「接着強度」というのはあまりないと考えています。

「普通」にひびが入っている器でしたら、ひびの隙間に入れた漆に接着強度がそれほどなくても困ったことにはならないのですが、もし、次のような症状が出ている場合は、他の対応策を考えなくてはならなくなります…

 

ひびの両側を指で持って動かしたとき、ほんの僅か動いたり…

 

 

 

同様に指で持って動かしたとき、微かに「みしみし」と音がしたりする場合です。

「え??そんなことってありえるの??」って思いますよね。
そうなんです。時たま、そういった症状が出ている場合があるのです。(動画を見てみてください。”動き”ますよ!)

そんな場合の修理方法をご提案します。

 

 

 

使う道具・材料

 

道具

① 細かい動きを見極める視力
② 繊細な聴力
③ 腕力
④ 軍手またはタオル

 

 

① ひびのチェック!

 

ひびの入った器を直す場合、「ひびのチェック」をおこないます。

ひびを挟んだ両側を持ち、ひび部分が動かないか?を試してみます。

 

動画

 

(⏱0:15~0:31が再生されます)

 

 

 

ひびの両側を指で持ち、「ズラす」ように動かしてみます。

「薄っすら」と「黒い筋」が見えるのがわかりますか??

 

それからひび部分を動かしたときに「みしみし…」と音がします。(画像じゃわかりませんよね~)

 

器の内側からもひび部分が動いているのが確認できます。

 

それで、「ひび部分が動く」場合、通常の「ひびの修理」を施してもその動きを完全に止めることが難しいため、日常使いしているうちに修理部分が「剥離」しやすいと私は考えています。

ということで…

 

器を割る!

 

はい!っということで、器を割ります。(なんと!)

 

動画

 

(⏱0:35~0:48が再生されます)

 

 

ひびの入った個所の両側をしっかりと掴みます。

割ったときに、割れた器の断面でケガをしないように「軍手」を着用してください。もしくは器をタオルなどで包んで、この作業をおこなってください。

 

 

力いっぱい左右に引っ張ります!

 

けど、割れません~(泣)

陶器を割るのには力が要ります。(比較的、簡単に割れる場合もあります◎)

「器を割る」…って、普段やらないことですし、なんか後ろめたいことやっている気がしてしまうので、多分、自然と力が入らないように意識のブレーキが利いてしまっているのだと思います。

なので、ここは思い切ってやるしかありません◎

はいー◎ 何とか割れました。
(割れた瞬間、ビビりました!)

(追記:2018-06-23)
これ、よくよく考えてみたら、「手で割った」から、割れが大きくなっちゃった可能性が大きいですよね(涙)

割る部分にタオルとか布を当てて、その上からペンチなどで「フンっ」て割ったら、もっと小さい割れになったのかもしれません。

済みません、依頼主さん~!
責任をもってしっかり綺麗に直します!!

 

 

 

  ご注意! Caution  !  


 

ひび部分の両側を持って指を動かしても、ひび部分が動かない、「みしみし…」という音も聞こえない場合は割らないでください

 

ここまで説明してきたような症状がない場合は、通常の「ひび修理」をしてください。(どうしても割りたい人は割ってもオッケーです◎)

 

ただの「ひび」だったはずが、「割れ」になっちゃいました。

ちょっと罪悪感を覚えますよね~。

ほら、でもこうやってぴったり嵌まるわけですし(当たり前ですね~)、悪いことしているわけじゃないので、頑張っていきましょう◎

鳩は大人の事情を分かっちゃくれないので、放っておきます。

無視無視◎

私の場合、ひびの症状が「グラグラと動くひび」の場合は割ってしまって「割れた器」として修理します。

「動くひび」の場合でも、通常の「ひびの入った器」として修理する金継ぎ師さんもいると思います。

 

「文化財修復」の現場では

・「現状を維持する」「それ以上、損傷が進まないように処置を施す」
・その物が作られた「当初」の姿に復帰させる

…の二択が多いと思います。

今回のように「ひび」の損傷を「割れ」の損傷にしてしまう、つまり「現状よりさらに壊してしまう」ということは通常、文化財修復の現場では行いません。

ただ、私が修理しているものは「人が使うもの」であり、「実用に耐えるための修理」を優先しているので、今回のような場合は「割る」という選択肢を選んでいます。

 

 

 

 

Pocket

【はじめての”欠けた”金継ぎできるかな?】~平皿 ②漆のパテを作る

Pocket

 

【金継ぎできるかな?シリーズ】とは…

金継ぎを初めて知った人や、ちょっとだけ聞いたことがある人に見ていただきたいと思ってご用意した「超初心者用」の動画中心のコンテンツです。

「金継ぎってこんな感じの作業をするものなのですよ」という、実際の作業工程を掻い摘んでご紹介しています。

ほほう。手間がかかりそうだね。でも、それほど難しいことをしている訳じゃないんだね。私もやってみようかしら◎

と興味を持っていただけたら嬉しく思います。

 

※ 動画から「静止画像」を取ってきているので、画質が粗いですが、ご容赦ください。

 

 

 

 

 

 

 

このシリーズの見方

まず「動画全体」を流して見ていただき、作業全体の流れを何となくでいいので、把握してください。
その後、各作業工程の部分だけを「短く切り取った動画」をご用意しましたので、その動画を見ながら再度、作業をチェックし、下に書かれている解説を読んで、より深く理解していただけたらと思います。

 

 

 

〈前回の工程をCheck!〉

 

▸【できるかな①】
~器の素地を漆で固める~

 

 

 

 

 

全体動画

 

 

小さく【欠け】た平皿の修理です。Page02

欠けた箇所を埋めるための「パテ」を漆で作ります。
そう、漆でパテが作れちゃうのです◎

 

 

 

▫▫▫

使う道具・材料

 

 

道具

① サランラップ 
② 作業板  ▸作り方
③ 刻苧ベラ ▸作り方
④ 練りベラ ▸作り方
〇 計量スプーン

 

材料

⑤ 生漆 
⑥ 小麦粉 
⑦ 木粉   ▸作り方
⑧ 水

▸ 道具・材料の値段と販売店

 

※ゴム手袋(作業時は着用してください。カブレることがあります。ゴム手袋をしてもカブレる人もいます。はい)

 

 

 

▫▫▫▫

作業工程

小麦粉に混ぜる生漆の割合によって、パテの乾き方や接着強度が変わってきます。
ですので、↓の割合を目安にしてください。

麦漆(接着剤)

小麦粉:生漆 = 1:1

※ 目分量の体積比

 

 

作業の流れとしては

Step01: 小麦粉を水練りする
Step02: 生漆を加えて練る
Step03: 木粉を加える

です。

 

 

【Step01】 小麦粉を水練りする▫▫

 

(0:15~0:39)※←この秒数のところだけ再生されます

 

(⏱0:15~0:39が再生されます)

 

 

 

スプーン摺り切り一杯の小麦粉を出します。

 

 

 

 

 

次に水を出します。
小麦粉から少し離した所に出します。水が多すぎた場合やりお直すのが面倒なので、直接、小麦粉に水をかけないようにします。

 

 

ヘラでちょっとずつ小麦粉に水を加えていきます。

一気に水を加え過ぎないよにしてください。

 

 

よく練ります。
目指すは「耳たぶ~噛んだ後のガム」くらいの硬さです。

 

 

できました◎

 

 

 

 

 

【Step02】水練り小麦粉に生漆を加える▫▫

 

(0:40~1:17)

(⏱0:40~1:17が再生されます)

 

先ほど水練りをした小麦粉に生漆を加えていきます。

 

 

 

 

小麦粉と等量(1:1)の生漆を作業板に出します。

「目分量」でもいいのですが、意外と目分量って難しいのです。あまり生漆の比率が変わると、すごく乾きづらくなったり、接着力が弱まったりと、トラブルが起きやすくなります。

なので、できたら「目安」にできるもの(計量スプーンなど)を使うと、ミスが少なくて済みます◎

 

 

水練り↓小麦粉にちょっとずつ生漆を混ぜていきます。

 

 

しっかりと生漆と小麦粉とを練り合わせます。

最初、なかなか混ざり合ってくれませんが、地道にやっているとだんだんと混ざり合っていきます。

 

 

やがてこのようになります。

慣れてきたら、1~2分でこのような状態になります◎

 

 

▫▫
※ ただいま作ったものが「漆の接着剤」で、これを「麦漆/むぎうるし」と呼びます。
そう、漆と小麦粉を混ぜると強力な接着剤ができてしまうのです!驚きですね~◎

 

 

 

 

【Step03】木粉を加える▫▫

 

(1:22~2:11)

 

(⏱1:22~2:11が再生されます)

 

先ほどのStepで作った「小麦粉+生漆」(=麦漆)に「木粉もっぷん」を練り込んでいきます。

木の種類は何でもオッケーです◎
ホームセンターで買った角材や、家にたまたまあった木などを鋸や糸鋸で切って、木粉を集めてください。

 

 

 

 

木粉をひとまず、「生漆+小麦粉」の隣に出します。

 

 

ちょっとずつ木粉を混ぜていきます。

 

 

木粉はちょっとずつ足していってください。

目指す「漆パテ」の硬さは「固めの団子」というところでしょうか。
指に引っ付くか、引っ付かないか…くらいのギリギリの感じです。伝わりますか??

↑画像の状態ではまだ「柔らか過ぎ」ます。
もうちょっと。

 

 

さらに木粉を足していきます。

 

 

↑こんな感じで出来上がりです。

ヘラに「くっつくか、くっつかないか」くらいの粘度になるまで木粉を加えます。
「べちゃっ」とヘラにくっつくようだと木粉が足りていません。

※ 木粉の「込み」が足りていないとパテの乾きがすごく遅くなります(中の方が乾かなくなります)。特に初心者さんが失敗する原因に「木粉不足」が挙げられます。
ご注意、ご注意◎

※ 作った漆パテは「日持ち」がしません。その時に使い切ってください◎

 

 

 
【ご注意!】

※ 漆作業をする際は必ず「ゴム手袋」をしてください。



▫▫▫▫▫▫▫▫▫▫▫▫▫▫▫▫
【金継ぎできるかな?】シリーズ
ノッポさんとゴン太君が遺した「できるよDNA」を現代に引き継ぐ金継ぎハウツーコンテンツです。
▫▫▫▫▫▫▫▫▫▫▫▫▫▫▫▫


 

 

size19

 

 

Pocket

【はじめての”欠けた”金継ぎできるかな?】~平皿 ①素地に漆を塗る

Pocket

 

 

【金継ぎできるかな?シリーズ】とは…

金継ぎを初めて知った人や、ちょっとだけ聞いたことがある人に見ていただきたいと思ってご用意した「超初心者用」の動画中心のコンテンツです。

「金継ぎってこんな感じの作業をするものなのですよ」という、実際の作業工程を掻い摘んでご紹介しています。

ほほう。手間がかかりそうだね。でも、それほど難しいことをしている訳じゃないんだね。
私もやってみようかしら◎

と興味を持っていただけたら嬉しく思います。

 

※ 動画から「静止画像」を取ってきているので、画質が粗いですが、ご容赦ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このシリーズの見方

 

まず「動画全体」を流して見ていただき、作業全体の流れを何となくでいいので、把握してください。
その後、各作業工程の部分だけを「短く切り取った動画」をご用意しましたので、その動画を見ながら再度、作業をチェックし、下に書かれている解説を読んで、より深く理解していただけたらと思います。

 

 

 

 

全体の動画

 

Page01…小さく【欠け】た平皿の修理です。
欠けた箇所に漆を薄く塗ります。

 

 

 

▫▫▫

《使う道具・材料》

 

 

道具

③ 小筆
⑤ 練りべら(大き目のヘラ)  ▸作り方
⑥ 作業板(ガラス板)     ▸作り方

 

材料

① テレピン
② ティッシュ
④ 生漆
⑦ サラダ油

▸ 道具・材料の値段/販売店

 

※ この作業で使う「小筆」は安価な筆にしてください。陶器の断面に擦り付けるので、毛先が痛みやすいのです。蒔絵筆だとモッタイナイです。

※ 作業時はゴム手袋を着用してください。カブレることがあります。ゴム手袋をしてもカブレる人もいます。はい。

 

 

 

 

▫▫▫▫

《作業工程》

 

【Step00】 筆の準備▫▫

 

筆を使い始める前にテレピンを使って、筆に含まれている油分を洗い出します。

↓こちらの動画を参考にしてください。
https://www.youtube.com/watch?v=tneeNWJp2vg

 

 

 

 

 

 

 

【Step01】 材料の準備▫▫

(0:05~0:42)※この秒数のところだけ再生されます

 


(⏱0:05~0:42が再生されます)

 

少量の生漆とテレピンをヘラで混ぜ合わせます。

素地の固め

生漆 10:2~3 テレピン

※ 体積比(目分量)

 

 

 

 

作業盤の上に生漆とテレピンを出して

 

 

ヘラでよく混ぜます。

 

 

 

 

【Step02】 漆を塗る▫▫

(0:43~1:15)

 

(⏱0:43~1:15が再生されます)

 

 

小筆に漆を含ませ、

 

 

欠けた箇所に塗っていきます。

 

 

キワまでしっかりと漆を塗ります。

 

 

 

 

 

 

【Step03】 拭き取る▫▫

(1:21~)

 

(⏱1:21~が再生されます)

 

 

折り畳んだティシュを修理箇所に当て、

 

 

余分な漆を吸い取ります。

 

漆は「薄っすら」と残っていればいいので、ティッシュを何度も押し当て、漆を吸い取ります。
押し当てるたびにティッシュの面を変えます。

 

 

こんな感じに拭き取れたらオッケーです。

 

 

 

 

【Step04】 湿した室に入れる▫▫

 

むろ(湿度75%~、温度25度~が最適)に 2,3時間~1日程度、入れて乾かしたら(半乾きでオッケー)、次の作業に進みます。

 

 

 

【Step05】 筆の後片付け▫▫

 

筆を使い終わったら洗います。

↓こちらの動画を参考にしてください。
https://www.youtube.com/watch?v=P_GVSgs1RvE




 
【ご注意!】

漆作業をする際は必ず「ゴム手袋」をしてください。

 

 

〈次の工程へGo!〉

 

▸ 【できるかな②】
~漆パテを作る~

 

 

 


▫▫▫▫▫▫▫▫
【金継ぎできるかな?】シリーズ
ノッポさんとゴン太君が遺した「できるよDNA」を現代に引き継ぐ金継ぎハウツーコンテンツです。


size19

 

 

Pocket

蒔絵教室レポート16日目①/金継ぎに関するメモ

Pocket

 

↑鳥の正面が描けない…
これ、鳩ですよ◎ はい

 

 

※ 鳩屋が蒔絵の技術を習いに蒔絵師さんのところに通い始めました。
そこで習ったことをひとまず備忘録的な感じでまとめ、その情報を多くの方とシェアしよう…というがこのシリーズです。
後日、「初心者でもできちゃう蒔絵シリーズ」のようなコンテンツに落とし込みたいと思っています◎(シクヨロです)

※作業工程や説明が間違っていたら、後日、師匠や同門の生徒さんからツッコミが入ると思います。 そうしたら訂正してきます。

 

 

 

かめばかむほど蒔絵の奥深さよ

 

金継ぎ図書館は現在、「漆工房 皎月こうげつ」の↑かめ師匠のところで修行中です◎
かめ師匠は蒔絵の本場・石川県の輪島で修行された方です。

 

 

 

漆工房皎月は東京の「駒込」「練馬」「青梅市」金継ぎ教室も開催しています。
輪島で蒔絵の修行をされたかめ師匠(男性)と、東京藝大出身の福田さん(女性)の二人体制で丁寧に教えてくれます。至れり尽くせり!
都内で金継ぎ教室をお探しの方、金継ぎ図書館が100%の自信をもっておススメします◎(はっきり言って、最強の金継ぎ教室だと思います。)

詳しくは皎月さんのHPでチェックしてください。
▸ 漆工房 皎月Facebookページ

 

 

 

※ 最近やたらと更新が遅くなってきている(挫けてきている)ので、今まで以上に「超・簡易的ひとまずメモ」にしていこうかと考えています。
ページ制作に手間を掛け過ぎて、更新頻度が下がるより、ひとまず粗削りでも情報発信しておいた方が、みなさんの役に立ちますよね。
「情報を開示しない」ことが一番よろしくない!ということで、よろしくお願いします◎

 

 

金継ぎメモ① 蒔絵した後の手順


金継ぎで最後の工程「蒔絵」をした際、その後、どのくらい乾かせばいいのか?など、かめ先生に聞きました。

 

① 蒔絵粉(金粉、銀粉など)を蒔いたら…

② 直ぐに「湿しの強い」風呂に入れる(なるべく早く)

  • 最初に強い湿度を与えると、漆が活性化し、乾きがよくなる。キュッと塗膜の締まりがよくなる。
  • 最初にゆっくり乾かすと(つまり湿度が低かったり、温度が低い場所に置くと)、その後、好条件の場所(高湿度・高温度)に置いても、乾きがゆっくりになる。なかなか塗膜が締まらない。

2,3日湿しの強い風呂に入れておいたら安心。しっかりと乾きの良い漆を使っていたら1日で大丈夫

③ 生漆で粉を固める

  • しっかりとティッシュで押さえて、余分な漆を拭き取る(ティッシュ・オフ)。拭き取りが甘いと(漆が多く残っていると)粉が「こげ茶色」になり、その後、磨きでの修正が大変だし、粉の発色があまりきれいにいかなくなる。
    ※ 初心者さんはこの「拭き取り作業」が甘いことがすごく多いのでご注意ください。「せっかく漆を塗ったのに、ティッシュで拭き取っちゃうなんてモッタイナイ~。っていうか、拭き取っちゃったら意味ないじゃん!ええい、ちょっとだけ拭き残しておこう◎」…としちゃダメです。それが失敗の元なのですー。
  • 丸粉2,3号なら固め作業は1,2回
    丸粉8号あたりなら固め作業を2,3回繰り返す
  • 2回目、3回目の固め作業は翌日やって大丈夫

④ 1~2週間乾かすしっかり乾かす

⑤ 磨きの工程に入る

 

蒔絵粉がしっかりと固着していないと、磨き作業で粉が取れやすくなる。

 

 

 

 

金継ぎメモ② 綿蒔きの「引っ張り」について


僕自身、器のエッジ部分に真綿で金粉を蒔く際に、蒔絵を「引っ掻いちゃったり」「引っ張っちゃったり」することがあるので、その点について質問した回答です。

 

↑こういった「エッジ部分」です。皆さん、上手くいってますか??

 

 

かめ先生:「確かにエッジ部分は、真綿で引っ張りやすい」「平面部分の方が簡単」

…だそうです。

それで、一応、注意点としては
「地塗りの漆が厚いと引っ張りやすい。薄塗りができていれば引っ張りづらい」
そうです。

粉を蒔く前の「漆の塗り厚」が重要なのですね~◎

 

 

 

金継ぎメモ③ 綿蒔きの注意点


 

綿で蒔絵粉を蒔く

「蒔きっ放し」だと、実は「余分な粉」が蒔いた箇所の上に残っている。のっかっている状態なわけです。

次第に漆が吸い上がってきて、その「余分な粉」も定着してしまう。

柚子肌」のようになりやすい…のかもしれない。というのがかめ先生の考察です。
ナルホド、確かに◎

柚子肌…って、柚子の皮ようなイボイボしたテクスチャーの肌のことです。

 

【対処方】
ということで、

↑このように、蒔いた後、しっかりと蒔絵粉を払った綿で、しっかりと蒔いた箇所の上を「撫でつけて」あげて、余計な粉を取り除く
とのことです。

だけど、この時、撫で付けすぎて粉を引っ張ったり、引っ掻いちゃったりするんですよね~。難しいですね~。

 

 

 

蒔絵の修行中です~

 

 

 

Pocket

蒔絵粉の種類とその特徴・使い方

Pocket

 

 

覚えられない…

金継ぎでは仕上げの工程で「蒔絵」と呼ばれる「金粉などを表面に蒔く」作業を行います。この作業を行うから「いかにも金を溶かして修理したよう」に見えるわけです。

蒔絵の作業では「蒔絵粉」と呼ばれる専用の粉粒を使います。蒔絵粉にはいろいろな種類がありまして、どうもその違いが覚えづらいのです。
だって、全部ただの「粉」ですから、頭の中でごちゃ混ぜになってしまうのです。

はっきり言って私は未だにちゃんと覚えられていません。はい。

ですので、皆さんにご説明するこの機会に一緒に覚えちゃいましょ◎

 

 

 

 

蒔絵粉の種類

 

蒔絵で使われる蒔絵粉の種類はだいたい以下の5種類です。

この中で、特に金継ぎでよく使われるのが…消し粉」「平極粉(平粉)」「丸粉です。
※ 「平極粉」と「平目粉」は違うものなのですが、ネーミングが被っているので、すごく混乱します!
漆業界は「漆の種類」にしても初心者にはすごく分かりづらいんですよね。やる気のある漆屋さんがいるようでしたら、金継ぎ需要に対して一般の人が分かりやすいように、思い切って漆の種類を整理して、ネーミングも分かりやすくしちゃえばいいんですよね◎
そしたらみんなが喜ぶのに…と思います。

 

 

【蒔絵粉の種類によってこんなに厚みが違うのね】

 

↑粉の厚み比較図を作ってみました。
こう見ると「消し粉」はほんとに薄いですね。

 

 

 

 

蒔絵粉の仕上がりの色味としては、「粗いもの(大きいもの)」ほど「金属的な光沢」になり、「細かいもの」程その光沢は「鈍く(白っぽく)」なります。

 

ワンポイント!

金継ぎで使う場合の「消し粉」「平極粉(平粉)」「丸粉」の作業工程を簡単にまとめておきます。

【消し粉】(一番細かい、薄い)
極薄に絵漆を塗る→青息で蒔く→お終い
(漆摺りしない。磨かない。蒔きっ放し)

【平極粉】(ほんのちょっと厚みのある微粉)
極薄に絵漆を塗る→青息で蒔く→漆摺り1回(もしくは2回)→磨き粉(砥石粉、コンパウンド、胴摺り粉など)で磨く
(※さらに光沢を出したい人は…→さらに漆擦り1回→呂色磨き粉で磨く)

【丸粉】(厚みのある球体)
薄く絵漆を塗る→直ぐに蒔く→粉固め(→軽く炭研ぎ、又はクリスタル砥石、ペーパー研ぎ)→磨き粉(砥石粉、コンパウンド、胴摺り粉など)で磨き→漆摺り→磨き粉(角粉、呂色磨き粉など…さらに微細な研磨剤)で磨き

消し粉(簡単)<平粉(そこそこ簡単)<丸粉(手間がかかる)

 

 

金粉屋さん


金粉の値段はちょこちょこ値上がりしています。(漆も毎年着実に高くなっています(涙))

今後、「お友達・知り合いの器も直してあげたい」「趣味が高じて、ちょっとした小遣いビジネスになったらいいわね…ウフフ」と考えている方は早めに購入しておいた方がいいと思います◎

 

WEBショップがしっかりしている金粉屋さん

【吉井商店】(金沢) ‣webサイト
どちからかというと吉井商店の方がおススメ◎
2gから(かな?)購入できます。値段の確認、購入には会員登録が必要です。登録は簡易的です◎

 

【浅野商店】(東京) ‣webサイト
1gでも購入できます◎

 

 

※漆屋さんでも蒔絵粉を扱っていますが、「手数料」が乗って割高になります。なので「金粉屋さん」で買った方が割安です◎

※ 2018-03-13現在 金粉1g入りの価格は¥10,000くらいです。(高いっすね!)

※ 金粉1gで何個くらいの器が修理できるのですか?…というと、かなりアバウトな答えになりますが「20個くらいは余裕」でイケます。(小さめの欠け、ちょっとした割れ…を直した場合)

 

 

【attention!】

 粉の「色味」「固さ」がお店によって違います。銀粉においては「大きさ」が違います!(なんと!)

2018-10-17現在

〇 【金粉】
・浅野商店=赤味が強い/粉が柔らかい
・吉井商店=浅野に比べると白っぽい黄色味/粉が硬い

〇 【銀粉】
・浅野商店=同じ号数だと粉が粗い※1/粉が柔らかい
・吉井商店=金粉と同じ大きさ/粉が硬い

※1 ちょっとややこしいのですが、例えば「浅野の銀粉2号=浅野の金粉5号=吉井の金粉5号=吉井の銀粉5号」となります。
おおよそですが、浅野の銀粉だけが「3号分くらい大きい」そうです。吉井の銀粉も昔は浅野と同じように金粉に対して同じ号数の場合、粗かったようです。でも分かりやすいように「同じ号数=同じ大きさ」としたんですね。
これは日本が「銀本位制」だったのと関係しているのでしょうかね?

金の「色味」に関しては個人の好みでいいと思うのですが、「硬さ」についてはどちらの方がいいのでしょう??
「作業のしやすさ」としては吉井の「硬い」粉の方が作業がしやすいようです(かめ先生談)。仕上がりの「綺麗さ」もやっぱり「硬い」方がいい気がする…と言っていました。
輪島の蒔絵師さんたちはたいてい吉井の粉を使っているようです。

 

 

 

 

【消し粉】


↑ゴマ塩のような「金消し粉」が描いてあります…

【消し粉の特徴】

  • 金箔を細かく擦り潰して、パウダー状にしたもの(蒔絵粉のなかで最も細かく、薄いもの)
  • 厚さ約0.3μ(0.0003㎜)、横方向は平均3μ(0.003㎜)程度
  • 基本的には研がない、磨かないで、蒔きっ放しで使う
    ※ 会津では擦りを重ねて磨く手法がある(磨き蒔絵)
  • 作業工程に手間が掛からず、少量で広い面積に散布できるので、安価な漆器の加飾に用いられる事が多い
  • 粉に厚みがないので、他の粉と比べると摩耗して下地が出てきやすい
  • 蒔絵の中では一番簡単◎

※ 1mm=1000μm、1μm=0.001mm ←こんなの覚えられない!

 

 

【金継ぎで使う場合の作業工程】

 

1.延べた絵漆(少量の溶剤を加えて緩めた弁柄漆)を「極薄に」塗る(これを「地塗り」と言います)。

※ 塗った漆が厚いほど、蒔いた金粉が沈んで大量の金粉を使うことになります。ので、「極薄」がおススメです◎

 

 

2.湿し風呂に入れ、15分後くらいに青息がかかる程度に半乾きにする。
※ 「超極薄」に地塗りができている場合、直ぐに蒔いてもオッケー◎

 

 

 

3.真綿に「多目」の消し粉を付けて漆描きしたところの脇に、真綿をポンと叩いて粉を落とす。 ※綿(コットン)じゃダメです。絹(シルク)じゃないと引っ掻いちゃいます。
 ↓
真綿で「粉を移動させる」ようにしながら地塗りしたところに擦りつける。
塗った漆全体に消し粉が付いたら、さらに擦りつけて消し粉を「寝かせる」
 ↓
真綿に湿度を含んだ「息」を吐き掛け、器の表面に残っている「微粉」を絡め取りながら、さらに擦りつける。
 ↓
湿し風呂で乾かす。

 

 

 

乾いたらお終いです◎

※ 漆で粉を固めたり、磨いたりしません。蒔きっ放し。
(↑…と書きましたが、実は「粉固め→磨き」をおこなうやり方もあるようです!!「日本漆工」という本にその記載がありました)

 

 

 

 

【平極粉】(平粉、延粉←旧名)


【平極粉の特徴】

  • 厚さ約0.6μ(0.0006㎜)、幅約5~6μ(0.005~0.006㎜)の微粉
    ・浅野商店…「平極2号」という商品の厚みが0.6μ。普通の「平極粉」は消し粉と同じ厚み0.2~0.3μ。
    ・吉井商店…金の平極粉には「都之光」と「富士」の二種類があり、「都之光」の方が粗い(厚みがある)とのことです。(蒔絵師さんの「実感」より)
    ※ 吉井に正確な厚みを問い合わせたところ、「分かりません」といわれました(笑)
  • 消し粉よりも厚みのある平らな微粉
  • 平蒔絵に使う(つまり金継ぎで使える)
  • 漆を擦り重ねてから表面を砥石粉、コンパウンド、胴摺り粉などで磨く。炭(や砥石、ペーパーなど)で研ぎ出しはしない
  • 丸粉を使う蒔絵より簡単

※ 1mm=1000μm、1μm=0.001mm

 

 

【金継ぎで使う場合の作業工程】

 

 

1.延べた絵漆を「極薄に」塗る(これを「地塗り」と言います)。

極薄に塗らないと、蒔いた金粉が沈んで大量の金粉を使うことになります。ので、「極薄」がおススメです◎

 

 

 

2.湿し風呂に入れ、15分後くらいに青息がかかる程度に半乾きにする。
※ 「超極薄」に地塗りができている場合、直ぐに蒔いてもオッケー◎

 

 

 

3.真綿に「多目」の平極粉を付けて漆描きしたところの脇に、真綿をポンと叩いて粉を落とす。 ※綿(コットン)じゃダメです。絹(シルク)じゃないと引っ掻いちゃいます。
 ↓
真綿で「粉を移動させる」ようにしながら地塗りしたところに擦りつける。
塗った漆全体に消し粉が付いたら、さらに擦りつけて平極粉を「寝かせる」
 ↓
真綿に湿度を含んだ「息」を吐き掛け、器の表面に残っている「微粉」を絡め取りながら、さらに擦りつける。
 ↓
湿し風呂で乾かす。

 

 

 

 

4.筆(または綿棒、ティッシュ)を使って生摺りきずり(生漆のまま、溶剤を加えずに擦り漆をすること)し、念入りに拭き切ってから、湿し風呂で乾かす。

 

 

5.「引砥磨き」をほどこす。

「引砥磨き」とは
ごくごく少量の油(サラダ油など)を指先に付け(ほとんど付いていないくらい!)、それを蒔絵の上に撫でるように擦りつけ、その上をごくごく少量の「引砥の粉※1」を付けた(ほとんど付いていないくらい!指先で「手早く」磨き、かつ、拭き擦るようにして油気を取り除くこと。最後に粉の付いた指先で拭き擦るように油分を取り除く。

※ 油を多くつけ過ぎると、その油を取り除くのに引砥の粉の量も必要となり、えてして研磨し過ぎることとなります。そうすると「研ぎ破」ってしまうリスクが高くなりますので、ご注意ご注意◎

※1「引砥の粉」とは
仕上げ砥石を刃物で引っ掻いて作った微粉。
 ↑
「鳴滝砥の粉」(箕輪漆工:500g/¥864- 2018年現在)や「胴摺り粉(白色/中目)」(箕輪漆工:180g/¥3,240- 2018年現在)、「サンジェットP555コンパウンド(極細目)ペースト状」(箕輪漆工:300g/¥1,296- 2018年現在)でも代用可能です。

 

 

 

※ さらに光沢を出したい人は、引き砥磨きの後、「生擦り→呂色粉磨き」をおこなう。

 

 

 

 

 

 

【丸粉】


【丸粉の特徴】

  • 球体
  • 研ぎ出したり、磨いたりできる
  • いろいろな大きさの粒があり、号数で分かれている。
    1号(直径約6μ)~17号(300μ=0.3㎜)
  • 消し粉、平極粉に比べると厚み(体積)があるので、耐摩耗性が高い(すり減ってもすぐに無くならない)

※ 1mm=1000μm、1μm=0.001mm
※ 1号 =6μ / 2号= 8μ / 3号= 10μ / 4号= 12μ / 5号=15μ / 6号 0.018mm / 7号 0.02mm / 8号 0.025mm / 9号 0.03mm / 10号 0.035mm/ 11号 0.04mm / 12号 0.045mm / 13号 0.06mm / 14号 0.07mm / 15号 0.1mm
(※実際のサイズは±10%前後の誤差が出ます)

 

 

【金継ぎで使う場合の作業工程】

 

 

 

1.柔らかめの(筆目がつかない程度)の絵漆を「薄く」塗る(これを「地塗り」と言います)。

 

 

 

2.毛房または真綿を使い、直ちに粉を蒔きつける。粉は絵漆の中に浸み込むだけ十分に蒔き込む。その後、湿し風呂に入れて乾かす。

 

 

 

 

3.筆を使って延べ漆(少量の溶剤を加えて緩めた梨子地漆または木地呂漆)を塗布し、ティッシュペーパーで軽く押えて漆を吸い取り、ほどよく漆を拭き残す。その後、湿し風呂で乾かす 。

※「ほどよい拭き残し」の感覚が掴めない場合は、「漆の塗布→しっかりと拭き取る→乾かす→漆の塗布→しっかりと拭き取る→乾かす」…と2回おこなった方が安全◎

 

 

 

4.「椿針炭」で粉の上を均すように研ぐ。

 

 

 

その後、引砥磨きをおこなう。

上から生摺りきずり(生漆のまま、溶剤を加えずに擦り漆をすること)をし、よく拭き切り、湿し風呂で乾かす

 

5.「引砥磨き」+「生摺り」(→そして乾かす)を数回繰り返す。

 

 

 

6.最後に引砥の代わりに「角粉※2」で磨き上げる。

 

 

※ 蒔絵粉に「厚み」があるので(漆専用の)炭や目の細かい砥石(クリスタルの#1500、#2000あたり、または耐水ペーパー)で研ぐことができ、「きれいな平滑面」が作れる。

※2角粉…
鹿の角を焼いて、砕いて粉末にしたもの。
角粉の代わりに「三和磨粉 クリーム色(極細目)」(箕輪漆工:180g/¥3,888- 2018年現在)、「サンジェット676コンパウンド(超微粒子)ノンシリコン、液体(箕輪漆工:450ml/¥1,836- 2018年現在)でも代用できます。

 

 

 

 

 

※ 以下の蒔絵粉は金継ぎではあまり使われることがありません。

  【平目粉】


【平目粉の特徴】

  • 小判型
  • 梨地粉よりも厚く、艶がある
  • 研ぎ出して使う
  • 1号(細)~13号(粗)、直径約60μ~3㎜

 

 

 

【梨地粉】


【梨地粉の特徴】

  • 漆の中に沈めて使う
  • 平目粉よりさらに薄い(厚さ2~3μ)、周囲がギザギザしている
  • 1号(細)~13号(粗)、直径約60μ~0.7mm

 

 

 

 

 

個人的なちょいメモ


 

消し粉蒔絵(消し粉絵)

模様を漆描きし、その乾燥の度合いを測って消し粉を真綿で蒔き付け、蒔き締めして、金色の模様をあらわす手法。

消し粉は非常に細かいため、早蒔きするをすると金粉の使用量も多くなり、発色も悪くなるし、乾き過ぎて蒔けば金粉が付着しなくなる。漆の乾きかげんを見分けるのが消し粉蒔絵のコツである。

 

 

「消し粉」は「漆で粉固めをおこなわない」し、「磨きもしない」と書きましたが、実は「粉固め→磨く」やり方もあるようです。(ナント!)
↓会津(福島)のやり方なのでしょうか。

【磨き蒔絵(磨き絵)】
平蒔絵の場合も、高蒔絵の場合も、消し粉をいくらか早目に蒔き付けて、よく乾かした後、数回擦り漆をして乾かし鹿の皮などで磨いたもので、金色の光沢がよいうえ強靭である。

p111 日本漆工/会津漆器 No.389

消し粉を「いくらか早目に蒔き付け」…というのは、早めに蒔くことで、「消し粉の厚み」を付けたい…ってことなんでしょうかね?最後に「磨く」ので、その磨きに耐えられるだけの厚みを付けてこうという狙いなんでしょうか?
それから「鹿の皮などで磨く」とあるのですが、これは角粉や呂色磨き粉などの研磨剤を付けて磨くのか、それとも「鹿の皮だけ」で擦れば磨かれてしまうものなのか…。ちょっとわかりません。
研磨剤を付けて磨いたら、粉が簡単に研ぎ切れてしまうと思うのですが。かといって研磨剤なしで磨けるものなのか??ナゾです。

会津の職人さんに聞いてみたいです。
(誰か知っていたら教えてください。宜しくお願い致します!)

いや、実際に自分でやってみればいい…ってことですね(‘;’)

 

 

 

 

Pocket

金継ぎの「蒔絵粉を蒔くタイミング」がわからない!

Pocket

 

む、むずかしい…

 

【お詫び】
※ まだまだ僕自身の蒔絵についての知識・技術・経験が足りていないので、十分に役立つ情報がみなさんにお伝えできていません。(済みません~(涙))

これからも、かめ師匠のもと実践を積んでいきますので、また何か気づきがあったら(もしくは間違った記述があったら)、書き足していきますので引き続きよろしくお願いします。

 

 

蒔絵のタイミング


金継ぎの最後の工程で、金粉などを蒔く「蒔絵」をほどこすわけですが、この時の「粉を蒔くタイミング」が全然わからなくて困っている人が多いと思います。
どうでしょう?みなさんは大丈夫ですか??
僕は困っています◎

市販されている金継ぎ本を一生懸命読んでも、なかなかコツを掴むのが難しいですよね。(静止画像ではかなり説明しづらいところなのでしょうがないと思いますが)

例えば…

 

室温約20℃、湿度80~90%の場合、約20~30分で、金を蒔くタイミングとなります。

使用粉:消し粉
「金継ぎ一年生」/山中俊彦さん p26

漆の反応をみてタイミングを計るのですが、表面がうっすらと全体に曇り、周辺からさっとその曇りが取れてきたら、蒔き時です。

同上 p16

通常、塗り立ての漆に塗面に息をハァ~っと吹きかけても無反応です。15~30分ほど(湿した漆風呂で)乾かすと、塗面が(油っぽく)虹色に反応するようになります。それが「青息」です。反応するのは息を吐いたほんの一瞬。青息がくれば、蒔いてOKのサインです。
逆に、青息を通りこして窓ガラスが曇るように白く曇ると、乾きすぎです。乾いてしまうと、金粉はいくら蒔いても付着しません。

使用粉:平極粉
「おおらか金継ぎ」/堀道広さん p60

↑お二人とも表現が的確で分かりやすい!すごいですね~◎

分かり易いのですが、それでもやっぱり実際に自分がやろうとすると、「青息」のタイミングが掴めない…ってことになると思うのです。
知識として「知っている」のと、実際にそれが「実行できる」のとではやっぱり違いますよね。

いくら漆に息を吐きかけても、「これが本当に”青息”なのかどうか不安…」とか、「”虹色”なんてならないじゃない!」ってことになりかねないのです。

 

追記:【それぞれの漆によって乾く速さが違う!!】

追記日:2018-02-25

みなさんお持ちの漆それぞれで、個別に乾くスピードが違います

漆自体の採れた季節、採れた場所(地域、山の中のどの場所で採れたか…)によっても乾きのスピードが違ってきます。(ナント!)
漆も「樹液」という自然物ですので、個別性があるのです◎
※ リンゴだって同じ品種、同じ産地、同じ農家のものでも、一個一個、甘みや酸味、歯ごたえが違いますよね~。

それから漆の古さ(採取されてからどれくらい時間が経っているか)、漆の保管状態(30度以上になる高温の場所や日光の当たる場所に置くと乾きが悪くなってきます)などによっても、乾きの良さが変わってきます。

さらには塗った時の「気圧」によっても乾き方が変わる気がする…といっていた凄腕の職人さんもいました。(hPaですか~!)

ですので、それぞれの金継ぎ本に載っている情報は「大雑把な目安」にはなりますが、一概に「~の温湿度の状態に置けば、何分で青息がきます」とは言い切れない…というのが実情なのです。

 

それじゃどうしたらいいの??かといいますと…

「”自分が持っている漆”の”いまの乾くスピード”を把握する」のが一番いいと思います。
実際に使う前にプレパラートなどに(クリアファイルなどでもオッケー)、使いたい漆をちょこんと付けて、湿し風呂に入れ、自分の持っている漆の乾くスピードを計ってみます。
(この時、きちんと温度・湿度も記録しておいてください)

 

素黒目漆から金継ぎで使う色漆を作るやり方面倒ではありますが、例えばタイマーをセットして15分置きに湿し風呂から出して、乾き具合をチェックし、記録します。

※ 高温湿度の場合は(夏場などは高湿度になりやすい)、10分おきにチェックするとか、低温湿度の場合は(冬場など)は15~20分おきにチェックするとかしてみてください。

 

例—

【2018-02-20:快晴/ 風呂の状態:温度18度、湿度67%】
14:20~スタート

30分経過/少し息がかかったような気がする(でもよくわからない)
45分経過/青息がきた気がする(でもよくわからない)
60分経過/さっきよりも息がかかる時間が長い(ゆっくりと息が引いていく)
75分経過/息がかかるとしっかりと白くなる

このようなデーターが採れたとすると、おそらくその漆の現在の「青息タイムゾーン」は「温度18度、湿度67%において、40~50分あたり」ということになります。

それでまた別日(例えば2月25日)に作業を行う際は、前回、データーを採ってからそれほど時間が経っていないので、そのデーターを参考にします。

今度は
【2018-02-25:雪/ 風呂の状態:温度15度、湿度72%】
09:00~スタート

…だとします。今回は天候が「雪」、しかも朝9時からの作業なので、風呂の温度が低い。湿度は前回よりちょっと高いですが。
そうなると、データーの「温度18度、湿度67%において、40~50分あたり」を参考にすると、「今日は温度が低いので50~60分あたりが青息がくる頃かしら?」となんとなくの予想ができるわけです。

 

それから湿度計についてですが、その「数値」ははあまり当てになりません◎

あら、話がながくなっちゃった…。すみません。

 

 

 

 

 

なぜに「青息」??


 

そもそも何で「”青息”がかかるときに蒔け!」といわれるのかといいますと…

(↗色の濃いところが「乾き始めてきた」ことを表現しています◎)

「青息がかかる」状態というのは「漆(の表層)が乾き始めてきた!」という合図なのです。

 

 

ちなみに「青息」というのは

 

↑こんな感じに、息を吐きかけた「一瞬だけ」塗膜表面に「虹(rainbow)」のような表情が浮かびます。
ほんの一瞬です。さっと虹がかかって、さっと引いて、跡形も残りません。

 

 

 

漆の表層がが少し乾き始めてきたこのタイミングに蒔絵粉を蒔けば…

 

 

 

漆が少し「固く」なり始めていますので、蒔絵粉が漆の中に沈みづらくなります。(沈むのが遅くなります)

そして、漆がどんどん硬化していき、蒔絵粉が底まで沈む前に途中で止まる!ということなのです。

こうすることで、蒔絵粉の使用を少なく済ませることができます。特に金粉は高価ですので、なるべく経済的に済ませたい場合、この方法は効果的です◎

 

 

 

 

 

ただし、この方法には問題が3つあります。

「青息」問題① 見極めがつかない!


どうしても「青息」の判断がつかない!!!

そう、このジャッジが難しいのです。特に初めての人だと自分で判断できないと思います。
何となく息がかかっているように見えたとしても、「これって息がかかっている状態なの?それともまだ??」と不安になります。

青息がかかっているかどうかの判断は何回か実体験しないと、なかなか分からないと思います。

実は私も未だに分からない場合があります。(あら、ばらしちゃったわ◎)
息をかけても、その変化が見えない時があるのです。これは単純に私の注意力が足りないだけかもしれませんが。

なので最近はかめ師匠から教えてもらったやり方(漆を塗ったらすぐに蒔く!!)でやっています◎

 

 

 

 

「青息」問題② 漆が滲んでくる


 

さらに厄介なのが、なんとなく「青息」がかかったようなタイミングで蒔いたのに、ゆーーっくり蒔絵粉が沈んでいってしまうことがあります(涙)

漆が少し乾きかけてきているので(固くなってきているので)、粉の沈むスピードはすごく遅いのですが、それでも気が付くとどんどん沈んでいってしまっている…(底なし沼のように~…。金粉がしずむ~~。あぁ~~)

 

 

 

 

10~20分後に蒔絵をした器をチェックしたら、蒔いた粉の表面が「薄っすらと赤くなっていた(涙)」という経験はありませんか?
しょうがないから、すぐにもう一度、粉を蒔いて再び湿し風呂に入れる。
そして、一応、念のためにと思い、10分後にチェックしたら…また、表面が薄っすら赤くなっていた(泣)

こんな経験をするとうんざりします。

この「滲みトラブル」も、滲むたびに繰り返し3~4回、蒔きなおせば、滲みは止まると思います。けど、やっぱり嫌~な感じですよね。じわじわと滲んくるのは。(お金がどんどん吸い取られていく感じがします~)

 

※ これはそもそも地描きの漆が「厚過ぎた」可能性が高いです。

※ この「青息」タイミングで蒔くやり方は、「消し粉」や「平極粉」を使う時に適していると思います。
粉が極小の微粉なので軽いし、形状的に平たいので沈みにくいかと思われます。

丸粉だと他の粉に比べて重量がありますので、沈みやすい。そうすると「滲み」問題も生じやすいと考えられます。

 

 

 

 

「青息」問題③ 蒔絵粉の層が薄い


 

「青息」タイミングでうまく粉を蒔けば、表層に蒔絵粉が留まるので、粉の使用量を抑えられる!これは確かに経済的です◎
なのですが、ということは…裏を返せば「蒔絵粉が表層にしかついていない」ということでもあるのです。(これってあまりアナウンスしちゃいけないかしら??)

蒔絵粉の層が薄いということは、食器として日常使いしていくうちに、「剥げやすい」「摩耗して、蒔絵粉の下の”漆の層”がでてきやすい」ということです。

飾り物のオブジェなどでしたら、耐摩耗性などを考える必要はありませんが、直すものが「日常使いの器」の場合はそこを加味するのも一つの考えだと思います。

 

【 消し粉〈 平極粉〈 丸粉 】
の順で厚みがある分、耐摩耗性は高くなります。
「消し粉」は厚みがほとんどないので剥げやすい。「丸粉」は厚みがあるので、比較的、摩耗に強い。

ただ、経済的に安く済ませたい場合は
【 消し粉 〉平極粉 〉丸粉 】
の順番となります◎

 

 

 

 

なるほど…。で、「青息」がかかるタイミング以外で蒔絵粉を蒔く方法ってないんですか?

はい、あります◎
漆を塗ったら、直ぐに蒔いちゃいます。(ナント!)
かめ師匠のもと、只今、練習中です。

 

 

 

 

直ちに蒔く!!


 

え”?でも…、直ぐに粉を蒔くと「漆の中に蒔絵粉が沈んじゃう」…ってどの金継ぎ本にも書いてあった気がするのですが。

 

そうです、そうです。それ、正解です◎

 

金粉を蒔いても…

 

しっかりと沈んじゃう!

はいー、これじゃダメですよね。

 

 

 

 

 

それじゃどうするのかといいますと…

漆を”薄く塗って”、直ぐに蒔く!!


これは蒔絵師のかめ先生から教わったやり方です。

 

 

そもそも蒔絵をする際の漆を、均一に「極々薄く塗る」のです。
これがめちゃくちゃ重要です。すごく。

実は、基本的にみなさんの塗りは、漆が「厚過ぎる」んです!はい。間違いない。(薄く塗っているつもりだったでしょ??)

何を隠そう僕もこれまでずっと「薄塗り」しているつもりが、かなり厚く塗っていたんです。
意外と「薄く塗る」というのは難しいのです。

「自分の感覚値の4段階くらい上をいく薄さ」で塗るくらいでちょうどいいと思います。(これ、目障りだと思いますが、強調させてください。めちゃくちゃ重要です!)

それから実は「薄く塗るコツ」というものが2つあります。

  1. そもそも「極めて柔らかい漆を使う
  2. 筆に含ませる漆を極少量にする

 

 

①【極めて柔らかい漆を使う】


粘度が高い漆で塗るとどうしても厚くなります。粘度の低い柔らかい(緩い)漆を使うと結構、簡単に薄く塗ることができるのです。

「柔らかい漆」? それってどうすれば手に入るのですか??

といいますと、簡易的な方法としてはお手持ちの漆(弁柄漆など)を使う際にテレピン等(樟脳液や灯油)をほんのちょっと混ぜてもらえれば、柔らかくなります◎
(薄描き用に漆屋さんで「軟らか目」の漆を買っておくのがベストです)

※ 溶剤を混ぜるほど、漆が薄まり接着強度も弱まります。ので、混ぜ過ぎないようにします。
※ 希釈にはエタノール(アルコール)を使わないでテレピンなどを使ってください。(エタノールは揮発が早過ぎて使い勝手が悪いですし、漆の成分が「分離」しやすい??ようです)
※ 本格的に金継ぎをやられている方(依頼を受けているような方)でしたら、そもそも「柔らかい漆」を漆屋さんから買っておくのも手かなと思います。
箕輪漆さんでしたら、「柔らかめの漆をくださらない?」と言えば用意してくれます。漆屋さんによってはそういったリクエストができないところもありますのでご注意ください◎)

 

 

②【筆の中の漆をしっかりと切る】


筆の根元付近まで漆を含ませるのですが(職人さんによって、本当に「根元まで」含ませる人と、「根元2~3割は含ませず」に残しておく人とがいます)、量的には「たっぷりと」は含ませたままにせずに、しっかりと筆の中の漆を切ります。

爪盤などの中で筆をローリングさせ(!?ホント?)、漆を切って、含まれる漆を極々少量にします。
「ごくごく」少量です。本当に。

感覚値的には「カスれる半歩手前」です。(一歩手前じゃダメです。もうぎりぎりラインを狙ってください)

 

僕自身、何度やっても毎回、師匠に「まだ厚いね~」「漆、筆に含ませ過ぎだね~」と言われてしまうのが正直なところです。
大袈裟ではなく、今までの人生で培ってきた「薄さの概念」自体を壊すくらいでないとこの薄さを体得できません。そのくらい尋常じゃない薄さです◎
これは僕の実体験からくるアドバイスです。

 

 

 

漆の塗り厚は蒔く粉の大きさによって微調整します。消し粉、平極粉、丸粉1~3号くらいは「極薄」です。「極」です。

 

漆を塗って直ぐに蒔きます。漆が柔らかいうちに蒔きます。漆が柔らかいうちに蒔くと漆の中にすぐに粉が沈みます。

え~!蒔絵粉が漆に沈んじゃっていいんですか?

はい、オッケー◎

 

 

「漆の中にしずんじゃう~!」といっても、今回は漆が「薄く」塗られています。なので、すぐに底に着きます。

直ぐに沈みますので、そのまま蒔絵粉をさらにのせていきます。

 

はい。こうすると、それほどの量の蒔絵粉を使っていないのに、粉の沈みが止まりました◎

これだと時間が経っても粉の表面に漆が滲んでくることもありません。

 

※「青息」が来るくらい乾きがきてから蒔くと、粉の沈みが悪くなります。沈みが悪い…ということは、時間が経ってから粉の表面にじわ~と漆が滲んできます。

 

「蒔絵粉の層」も厚いので、耐摩耗性も高くなります。
蒔絵層に厚みがある分、擦れていってもその下の漆層がなかなか出てこない…ということです◎

金継ぎで直す器が日常使いの場合、どうしても擦れることが多いと思います。
ということで、耐摩耗性が高い方がいいと思い、最近はこのやり方で私は蒔絵を行っています。(まだまだ下手ですけど)

 

ちなみに「直ぐに粉を蒔く」といっても、塗った漆に「筆跡(刷毛目?)」が残っている場合は少し待ちます。

 

↗このように筆を通した時の漆の凹凸ができやすいので、多少それが収まるまで10分くらい待つこともあります。

その際、漆に埃が入り込まないように「空風呂(湿していない風呂)」に入れます。ただし、乾かしたいわけではないので(むしろ乾かしたくない)、「湿し風呂」には入れません

 

 

 

 

う~ん、ナルホドナルホド◎ 言っていることは分かるような気がします。
なんですけど…、どの金継ぎ本を見ても「直ぐに蒔け」なんて、そんなやり方は載っていませんよね?
全ての金継ぎ本で、「乾きかけ(青息)を狙え!!」って書いてあるのですが…。
ホントにそんなやり方で、大丈夫なんですか??そんなことを言っているのは金継ぎ図書館だけじゃないのですか??
(館長はアホだし、ハトはふざけているし、いまいち信用ができないのよね!)

ふふふふ…。仰ることは分かります。
(館長が「アホ」だということも間違っておりません)

確かにほとんどの金継ぎ本では「青息狙い」の蒔き方しか書いてありませんよね。
ですが、あるのです。昔、書かれた一冊の本の中に◎

 

 

 

 

人間国宝の先生によると…


「蒔絵 高野松山」というちょっと古い本によりますと…
※ 高野松山たかのしょうざん先生は人間国宝だった偉い人です。

(松山先生は「平極粉・消し粉」と「丸粉」とでやり方を分けています)

 

【平粉(平極粉)蒔絵】

漆を薄く平均に塗り終わったら、水で湿した漆風呂の中に入れる。10分ないし15分ののち漆描の部分に吐きかけた息が青みをおびる、いわゆる青息がかかった状態の半乾きになるのを待ち、平粉(平極粉)を綿蒔(真綿に粉をつけて蒔きつけること)し、ふたたび漆風呂に入れて十分に乾固させる。

「蒔絵 高野松山」p83

「消し粉」の扱いも「平極粉」と同様と考えていいと思います。

 

【丸粉蒔絵】

漆描きがすんだら直ちに丸粉を蒔きつける。粉は絵漆の中に浸み込むだけ十分に蒔き込むことが肝要である。
写真7を参照されたい。

「蒔絵 高野松山」p84

「蒔絵 高野松山」p8

↗これが「写真7」です。が、どう参照していいのかわかりませんね。はい、昔の本ですから◎

ここで重要なのは「粉は絵漆の中に浸み込むだけ十分に蒔き込む」という所です。松山先生も「肝要である」と言っております。

この考え方は最近の金継ぎ本とは根本的な部分で考え方が違っています。(最近の金継ぎ本は「粉は絵漆の中になるべく沈めない」…ってことですからね)

最近出版されたどの金継ぎ本には載っていませんが、この「直ぐに蒔く」というのも昔からおこなわれてきた方法なのです◎

 

 

 

 

 

【まとめ】どっちでもいい◎ けど…


「青息」時に蒔く場合と「直ぐに」蒔く場合とでそれぞれメリット、デメリットがあります(下に箇条書きしました)。それを加味した上で修練を積んでいってください。

どちらのやり方でもいいと思いますし、「消し粉、平極粉」は「青息蒔き」、「丸粉」は「直後蒔き」というふうに松山先生風に粉によってやり方を変えてもいいと思います。

ただ「初心者へのおススメ」のやり方としましては、「直ぐに蒔く」かなと思います。蒔くタイミングを気にする必要がありませんので、この方が簡単かなと。
それより何より、とにかく「漆を薄く塗る蒔くタイミングよりもこちらの方が重要!!)」ってことが肝要です。そこを一番注意しながら実践してみてください。

 

ちなみに最近の私はかめ先生の教え通り、「直ぐに蒔く」やり方を採用しています◎

 

【「青息」の時に蒔く場合】

メリット

  • 蒔絵粉が少量で済む。経済的
  • 光沢が増す(気がする)

デメリット

  • 蒔くタイミングが掴みずらい(失敗しやすい)
  • 失敗すると漆が表面に滲んてくる
  • 蒔絵粉の層が薄いので耐摩耗性が低い

 

【漆を塗ったら「直ちに」蒔く場合】

メリット

  • 失敗しづらい(しっかりと漆を薄く塗れたらですが)
  • 蒔絵の層が比較的厚くなるので、耐摩耗性が高くなる(日常使いの金継ぎ修理に向いているのでは?)

デメリット

  • 青息のドンピシャのタイミングで蒔くよりも蒔絵粉の使用量が増える

 

 

 

 

 

【お詫び】

申し訳ございませんが、僕自身の蒔絵についての経験がまだまだ不十分なので、「本当に分かりやすい説明」ができていません。
実体験を繰り返すことで、少しずつ「体感として」その技法を咀嚼できるようになります。
体感まで落とし込んでいったとき、その実感を元に初めて初心者に寄り添った分かりやすい解説ができるようになると思うのです。

これからも、かめ師匠のもと実践を積んでいきますので、また何か気づきがあったら(もしくは間違った記述があったら)、書き足していきます。
引き続きよろしくお願い致します。

 

 

 

 

Pocket

蒔絵の時の真綿の使い方

Pocket

 

イマイチ、よくわからん…

 

金継ぎの最後の仕上げに「消し粉」や「平極粉(平粉)」、「丸粉の1~3号」を蒔く場合は「真綿まわた」を使うのですが(「綿蒔きわたまき」というようです)、その真綿、どうやって使うと綺麗に蒔絵粉が蒔けるのか…ご存知ですか??

金継ぎ図書館内のこれまでのコンテンツでは「なんとなく」「あやふや」にしか説明していませんでした。(実は僕自身の理解が「あやふや」だったからです。済みません~)

それで先日、蒔絵師のかめ師匠にしっかりと聞いてきましたのでどうぞお聞きください◎

※ 後日、かめ先生や先輩方にこのページをチェックしてもらい、間違いや説明不足を指摘してもらおうと思っています。なので、このページは後日、加筆修正するかもしれません◎

 

話は少しずれますが…

  • 真綿で蒔く…「綿蒔き」
  • あしらい毛房(ふさふさした毛先の筆)で蒔く…「毛房蒔き」
  • 粉筒で蒔く…「筒蒔き」

綿蒔き…消し粉、平極粉、丸粉1~3号くらいの時に使用
毛房蒔き(+フィニッシュに真綿)…丸粉3~5号くらいの時に使用
筒蒔き…丸粉5号くらい~の時に使用

 

 

まずは地描き


蒔絵粉を蒔く前に、まずは絵漆(弁柄漆)を「均一に」「薄く」塗ります。

※ 漆を塗る前に、柔らかな穂先の筆などを使って(漆の塗りで使う筆とは別の筆を用意する)、塗る箇所の埃を払っておいてください。

 

金継ぎの上塗り作業ではうるしは薄く塗っていく。粉を蒔く前の漆はとにかく「”超”薄く」塗ります。
「薄く、薄く、薄く…」です。はい。

 

 

割れた蕎麦猪口の金継ぎ修理方法。蒔絵のやり方

初心者さんは薄く塗ったつもりでも、結構、厚くなっています。(ぶっちゃけ、「激アツ」です!)
なので、自分の感覚でいう「薄さ」のさらに4段階くらい上をいく薄さになるよう、漆を塗ってみてください。
(えー!こんなに薄くていいのかしら??ってくらいです)

かく言う私も、つい最近まで薄く塗ったつもりがかなり厚かったということが判明しました。師匠に指摘されました。(おー、情けない…(涙))
今だに蒔絵教室に伺うたびに「まだ厚いね~」と言われます。

 

 

蒔絵のための金粉を用意する。

漆が塗り終わりましたら、蒔絵粉の包み紙を広げ、重石で押えます。

 

金継ぎの蒔絵の方法としては真綿を使って金粉を蒔く

ちょい大きめのミニトマトくらいに千切った真綿を丸くまとめます。

その真綿に蒔絵粉をつけます。

 

真綿に金粉をたっぷりととって、それを漆の上にのせていく蒔絵粉はびびらずに、「しっかりと多目に」付けてください◎

蒔絵粉は手早く」「一気に」のせていかないと、きれいに仕上がりません。ので、「うー、金粉が…なんかもったいない~」と躊躇しちゃいけません。
腹を括って「多目」に蒔絵粉を真綿につけてください◎

※ ゆっくり蒔いていくと(粉蒔きに時差が生じると)、先に落ちた粉が漆を吸い上げてしまい、「石目肌」という「ザラザラ、ごりごり」した肌になっちゃいます。

 

 

それでは作業に取りかかります。
ここからは「手早く」作業を遂行してください。

 

まずは真綿につけた蒔絵粉を、漆を塗ったすぐ脇に付けます。

直接、漆の上に蒔絵粉を落としては(付けては)ダメです。
「漆の脇」です。

 

 

どうやって蒔絵粉を脇に付けるの??かといいますと、真綿を器に「トン」と当てて(軽く叩いて)、地塗りした脇に蒔絵粉を落とします。

 

 

↗こんな感じに漆の脇に蒔絵粉をつけます。

 

 

真綿を使って、落とした蒔絵粉を「払い込む」ように掃いて漆の上に乗せていきます。

真綿を「筆」のように使う…って感じでしょうか。

 

 

「手早く」蒔絵粉を払い込んでいきます。

すぐさま真綿を「クルクル」回しながら撫で付けていきます。

 

 

反対側からも払い込んでいきます。

「すみやかに」作業することが肝要です◎

 

この後、漆の上に載った蒔絵粉を撫で付けるようにさらに真綿をクルクル動かしていきます。

 

全体にしっかりと粉が付いたら、指で真綿をトントンと叩いて、真綿に付いている大きい粉を落とします。

 

そのあと、真綿に「はぁー」っと息を吐きかけて(湿気の多い息をかけてください◎)、「湿気」を帯びさせます。

その湿気を利用して器の上に残っている「細かい粉」を真綿で絡め取りながら、粉を蒔いたその上を撫で付けます。くるくると。

細かい粉??
ってどういうことでしょうね?

例えば「金粉の丸粉3号」といっても、全部同じ大きさの粒子が完璧に揃っているのかというとそんなことはなくて、前後10%くらいは大きさに差があります。中にはもう少し細かい粒子も混ざっています。それらの「細かい丸粉」を最後に蒔き付けるということです◎

こうすると漆の地描きの上にビッシリと粉が詰まっていきます。

蒔き終わったら、直ぐに湿し風呂に入れます。
これで作業終了です。

 

綿蒔きで使った綿の中に、蒔絵粉が残っていますので、粉の包み紙の上で、真綿をトントンと叩いて、中の粉を落とします。

 

 

 

 

蒔絵の失敗しやすいやり方


 

「失敗」といいますのは、仕上がりが「石目肌」という「ザラザラ、ごりごり」した肌になってしまうことです。

どうするとそうなってしまうのか?といいますと…

 

 

真綿を「直接」漆を塗った箇所に当てるように蒔いていくと…

 

蒔絵粉が「大量に落ちる」箇所と「少量しかつかない」箇所とができやすい。

大量に蒔絵粉がついた場所は周りの漆を吸い上げてしまい、その個所は大量に蒔絵粉が付着します。

 

その後、その周りにもしっかりと蒔絵粉を蒔いたとしても、先に大量に蒔いた箇所に漆を吸い上げられてしまっているので(吸いムラができるので)、凸凹が生じやすくなります。

 

※ そもそも漆を「均一」に塗れていないと(塗り厚に差があると)、↑こんな感じになりやすくなります。
あと、塗り厚が「厚い」と石目肌になりやすいと思います。

 

女性ですと、いつもの「お化粧」でお顔をパフパフしている要領で真綿も直接、漆の上を狙ってパフパフしてしまいがちです。

 

 

 

 

金継ぎで役立つ【裏技】


 

金継ぎではカップなどの内側にも蒔絵をほどこすことが、たびたびありますよね。

その際、手の入りづらい器もあります。底が深い器や、間口が狭い器などなど。

そういった器の内側の蒔絵作業をするのに、手を突っ込んでやろうとすると、突っ込んだ手で視覚を遮ってしまい、うっかり手に漆がついてしまったり(涙)、しっかりと蒔絵粉が蒔けているかわかりづらくなります。

そういった時に役立つ裏技です。(かめ師匠が使っているグッズです◎)

竹串など、弾力性のある素材の先の方を細く削って、弾力性を持たせます。
そして、先っちょに真綿を巻き付けます。
少しフワフワになるように巻いていきます。(ぎゅうぎゅうにきつく巻かないようにします)

 

↗こんな感じに柔らかく「しなる」といいです。しならないと、漆を引っ掻いてしまいやすくなります。

こういう真綿棒を用意すると、コップなど器の内側に手が入りづらいものに蒔絵粉を蒔くとき、作業がしやすくなります。

視覚が確保されるので、蒔き具合もしっかりと確認しながら作業ができます。
真綿棒は重宝します◎ ぜひ、作ってみてください。

 

 

 

 

Pocket

蒔絵教室レポート13日目③/ 切金に灰をかけて湿す

Pocket

 

 

※ 鳩屋が蒔絵の技術を習いに蒔絵師さんのところに通い始めました。
そこで習ったことをひとまず備忘録的な感じでまとめ、その情報を多くの方とシェアしよう…というがこのシリーズです。
後日、「初心者でもできちゃうぜ蒔絵シリーズ」のようなコンテンツに落とし込むのが密かなる野望です◎(シクヨロです)

※作業工程や説明が間違っていたら、後日、師匠や同門の生徒さんからツッコミが入ると思います(苦笑) そうしたら訂正してきます。

 

かめばかむほど蒔絵の奥深さよ

金継ぎ図書館は現在、「漆工房 皎月こうげつ」の↑かめ師匠のところで修行中です◎
かめ師匠は蒔絵の本場・石川県の輪島で修行された方です。

 

 

漆工房皎月は東京の「駒込」「練馬」「青梅市」金継ぎ教室も開催しています。
輪島で蒔絵の修行をされたかめ師匠と、東京藝大出身の福田さん(女性、僕の先輩です)の二人体制で丁寧に教えてくれます。至れり尽くせり!
都内で金継ぎ教室をお探しの方、金継ぎ図書館が100%の自信をもっておススメします◎(はっきり言って、最強の金継ぎ教室だと思います。)

詳しくは皎月さんのHPでチェックしてください。
▸ 漆工房 皎月Facebookページ

 

 

 

 

前回、漆を塗った部分に切金を置くまでの説明をしました。

今回はこの後の作業をご説明していきます。

 

 

 

本日のメモ01/〈富士と雲霞の肉合研出蒔絵〉パラフィン紙で押さえ、漆を吸い取る


【道具と材料】

 ・薬包紙(パラフィン紙)
 ・切出し刷毛
 

 

それでは今回の作業の説明に入ります。

 

前回の作業では漆の上に切金を置いただけなので、大袈裟にいうと、ものによっては漆の表面に乗っていたり、深く沈んでいたりします。

まずはこの「段差」を無くします。

 

切金を置いた上から薬包紙(パラフィン紙)をそっと被せます。

 

乗っかりました◎

 

置いた薬包紙(パラフィン紙)の上から「固くて平らなもの」を押し当てます。

先生が使っているのは黒檀という固い木で作ったオリジナルの「押さえ」です。
スタンプみたいに見えますが、「押さえ」の面は平面になっています。
これを先生は、結構、何かと使っているんですよね。
僕も作らなきゃですね~◎

 

グリグリと薬包紙の上から押し付けます。押さえを往復させます。

そうすると、イメージ的には↑こんな感じになります。
切金がしっかりと底(手板の面)まで沈んでいる感じです。

 

切金が底に押し込まれるので、切金の下にあった漆はそのわきに押し出されます。

 

 

次に余分な漆をとり除きます。

薬包紙の上から「切り出し刷毛」を通します。
やや強めに薬包紙を抑えつつ、通していきます。

使っているのは普通の「漆刷毛」です。ちょっと調子の悪くなった刷毛の先を短く切り揃えて、それを使う…というのでも大丈夫だと思います。(←これは漆をやっている人の話です◎)

漆刷毛を買う必要のない(もしくは何本も持っていない)一般の方でしたら、「ステンシル用の刷毛」「絵具擦り込み刷毛」で代用できそうな気がします。
百均で売っている毛質が固めの筆を使って、その先を少し短めに切りそろえたものでもイケるかもしれません◎

 

数回、刷毛を通して、薬包紙に漆を吸い取らせます。

 

 

そっと薬包紙をめくります。

 

 

 

薬包紙の方に漆が付いています◎

 

この作業をもう一度、繰り返します。

薬包紙を漆の上に置いて…

 

 

刷毛で押さえて…

 

はらりとめくります。

 

 

こんな具合に2枚ほどの薬包紙を使って、余分な漆を吸い取ります。

 

 

余分な漆が吸い取られました◎
だけど、まだうっすらと漆が残っています。

この残った漆をさらに取り除く作業をこの後、行います。

 

 

まとめ直しますと…

① 切金が浮いているので…

 

② 薬包紙を被せて、その上から固くて平たいもので押さえ、切金を鎮める。

 

③ 薬包紙の上から刷毛で押さえて、余計な漆を吸い取る。

 

 

 

 

 

本日のメモ02/〈富士と雲霞の肉合研出蒔絵〉灰を蒔く


【道具と材料】

 ・灰
 ・筆

 

灰って?あれ?
はい。…灰なんです。
燃え残った白い粉です。素材は何でもオッケーだと思います。多分◎
それを「適当な編み目のもの」で濾します。

「適当」といわれても困りますよね。確か「寒冷紗を二枚重ねて、振って濾した」と言っていたと思います。
「寒冷紗」というのは「目が粗く、薄地で、堅めの綿布、または麻布」です。寒冷紗といっても色々な粗さの編み目があるので、これまた「どの粗さ??」かというのは確認していないのですが、「おおよそ、粗い灰が取り除ければいい」のだと思います。きっと◎

この後、ページを読み進めてもらえたら分かるかと思うのですが、あまり厳密な作業ではないですし、灰の役割も「余計な漆をとり除く」ということですので、灰の細かさも「おおよそ」でいいと思います。
間違っていたら、先生か同門の先輩方から「するどいツッコミ」が入ると思います。「あれ、違うヨ!かんちょー」

 

 

 

作業に入ります。

灰の入った缶に筆を突っ込みます。

 

筆についた灰を漆を塗った箇所に乗っけます。

 

 

灰を広げていきます。

 

 

何往復か灰を動かしていきます。

 

 

軽いタッチで筆を動かしていきます。

ゴシゴシ筆を擦りつけない方がいいと思います。

筆は柔らかめの毛質なら何でもいいと思います。

 

何で「灰」を使うのでしょうね?

昔は竈や囲炉裏があって、灰が日常的に手元にあったから使ったんじゃないでしょうか?あと、水分、すごく吸いそうですしね◎(イメージですが)

 

 

何往復かさせたら、余った灰は缶の方に戻します。

 

 

銀の切金が見えてきました◎

 

 

できました◎

 

 

もうちょいズームで見てみると、こんな感じです。

 

現状としては↑このように余った漆を灰が吸い取っている状態です。きっと。

で、ここからが重要なのですが、このまま普通に漆風呂に入れて乾かしてしまいますと…きっととんでもないことになってしまいます。
この灰が強固に手板にくっついてしまい、取れなくなってしまいます。
「灰の層」ができてしまうわけです。(「蒔き地」という作業と同じことをしたことになります)

そうなるとマズいわけなので、次の作業を行なうのです◎

 

 

 

本日のメモ01/〈富士と雲霞の肉合研出蒔絵〉濡れ濡れティッシュで漆を焼く


【道具と材料】

 ・ティッシュ
 ・水

 

漆の上に灰を蒔いて、そのまま普通に乾かしてしまうと、灰が強力にくっついちゃいますので、そうではないことをします◎

 

なんと、「びしょ濡れのティッシュ」を灰を蒔いた上に被せます!
何と!

 

 

あらかじめ濡らし、折り畳んだティッシュを乗せます。

 

 

軽くティッシュの上から指で押さえて、密着させます。

 

 

折り畳んだティッシュの上半分めくり、そこにさらに水を垂らします。

水でひたひたにする感じでしょうか。

 

 

さらにティッシュの上から指で軽く押さえて、完全に密着させます。(水分に接しているようにします)

 

↑こんなイメージでしょうか。分かりづらいですね。
なんで「灰」と「ティッシュ」を同系色にしてしまったのでしょうか?

 

 

これで本日の作業は終了です◎

え!?このままでいいの??これ、どーゆうことですか??

はいー、意味分かりませんよね◎
これはですね、漆を「めちゃ早く」乾かして、「焼け」を起こさせる作業なのです。

漆はあまりにも湿度が高いと(100%近くの湿度だと)、漆が急激に乾き過ぎて、塗膜が「焼け」という現象を起こします。
漆の塗膜表面が「白っちゃけ」ます。(なったことありますか??)

「焼け」を起こした塗膜は極端に塗膜強度が下がります。爪で引っ掻くだけで簡単に取れたりします。
通常の漆作業ではこういった現象を起こしちゃアウトなのですが、今回はその現象を逆に利用するというわけです◎

手板に残った余計な漆を除去しやすくするために敢えて「濡れ濡れティッシュ」を被せ、「焼け」を起こさせます。

次回の授業で漆の除去作業をする予定です◎

 

 

 

 

 

Pocket

蒔絵教室レポート13日目②/ 切金を置く

Pocket

 

 

 

 

 

※ 鳩屋が蒔絵の技術を習いに蒔絵師さんのところに通い始めました。
そこで習ったことをひとまず備忘録的な感じでまとめ、その情報を多くの方とシェアしよう…というがこのシリーズです。
後日、「初心者でもできちゃうぜ蒔絵シリーズ」のようなコンテンツに落とし込むのが密かなる野望です◎(シクヨロです)

※作業工程や説明が間違っていたら、後日、師匠や同門の生徒さんからツッコミが入ると思います。そうしたら訂正してきます。

 

かめばかむほど蒔絵の奥深さよ

金継ぎ図書館は現在、「漆工房 皎月こうげつ」の↑かめ師匠のところで修行中です◎
かめ師匠は蒔絵の本場・石川県の輪島で修行された方です。

 

 

漆工房皎月は東京の「駒込」「練馬」「青梅市」金継ぎ教室も開催しています。
輪島で蒔絵の修行をされたかめ師匠と、東京藝大出身の福田さん(女性、僕の先輩です)の二人体制で丁寧に教えてくれます。至れり尽くせり!
都内で金継ぎ教室をお探しの方、金継ぎ図書館が100%の自信をもっておススメします◎(はっきり言って、最強の金継ぎ教室だと思います。)

詳しくは皎月さんのHPでチェックしてください。
▸ 漆工房 皎月Facebookページ

 

 

 

 

「切金きりがね」ってなに??


 

今回の「富士と雲霞の肉合研出蒔絵」は雲霞の部分に「切金きりがね」という技法を使います。

 

 

切金というのは

~「工芸の世紀」展図録p139

↑こんな感じのものです。このちょっと大きめの「つぶつぶ」です。

 

~「工芸の世紀」展図録p139

どうして、昔の人って、こう、「うねうね」って地面とか植物を描くんでしょうね?ちょっと怪しいですよね~。

 

【切金】

金・銀の薄板を細かい方形や長方形、菱形に切って、地描きした上に漆で貼って、金銀を蒔き、平面に研ぎ出す

室町時代にこの技法が盛んに用いられるようになった。

~漆芸辞典p198より

ということです。わかりましたか?わかりませんよね◎

「地描きじがき」ってなに?「平面に研ぎ出す」ってどうゆうこと??

はい、「地描きは」この後、ご説明します。「平面に研ぎ出す」は作業が進んでいったら、おいおいご説明します◎

 

~「漆芸品の緩衝基礎知識」p27

↑こんな感じに使われたり…

 

~「松田権六の世界」展図録p93

↑こんな感じに使われていたりします。

 

~「松田権六の世界」展図録p90

 

なるほどね~。蒔絵とは違うニュアンスが出せるんですね。

蒔絵だけだとどうしても単調になってしまう。そういった時にリズムを変えるために使う感じでしょうか。

 

 

 

本日のメモ01/〈富士と雲霞の肉合研出蒔絵〉地描き


 

使った道具・材料

【道具】
・黒軸丸筆(中)
 

【材料】

・呂瀬漆(呂色漆+生漆)

 

 

切金を貼る前に、貼るその個所に漆を薄く塗っていきます。
これが「地描き(地塗り)」です。

漆を塗って、それが乾く前に切金を貼るということです。

 

今回はこの↑雲霞の一か所だけ、作業します。

 

【地描き(=地塗り)】
蒔絵において紋様になる部分を(蒔絵をする前に)漆で塗りつぶすこと。です。

 

 

↑これが完成イメージです。

この完成イメージに沿って、切金を置く部分にあらかじめ漆を薄く塗っておきます(黒く塗ってある箇所です)。

今回の漆の使われる「用途」としては切金をくっつけるための「接着剤」として使われます。

 

 

 

今回使っているのは「呂瀬漆ろせうるし」です。

「ろせうるし」…って何??

 

【呂瀬漆ろせうるし

呂色漆 10:7~10 生漆

くらいの割合で練り合わせた漆のことです。(呂色に対して生漆は3~5割くらい)

呂瀬漆の特徴としては

  • 乾きがよい(生漆が入っているから)
  • 薄く塗れる(生漆は粘度が低く、サラサラしているので)

です。

この漆を薄く塗ります。「薄く」です◎
薄く塗っても十分に接着力があるそうです。むしろ薄く塗らないと「えらいこと」になると思います。えらいことです。

なので「薄く」塗ってください。

 

「黒軸丸筆」を使うと薄く塗りやすいそうです。
(鳩屋としてはまだその実感が薄いので、かめ先生のアドバイスです)

 

全体に漆が置けたら、最後に筆を「縦」と「横」に細かく通していきます。
この作業をすることで、漆の厚みが「より均一」になります。面倒ですけど、やってくださいね◎

 

 

 

 

本日のメモ02/〈富士と雲霞の肉合研出蒔絵〉切金置き


 

使った道具・材料

【道具】

・切金棒(朴材)

【材料】

・切金(銀 0.3㎜厚)

 

 

地描きをした箇所に切金を置いていきます。

 

切金は対角線上に綺麗に並べていくのがセオリーだそうです。

 

「切金を置いているうちに、漆が乾いちゃわないのですか??」と思いますよね。

はい、乾いていきます◎
手持ちの漆の乾くスピードにもよるのですが、切金を置いていく作業に結構、時間がかかるようだと、だんたんと漆が固くなってきてしまいます。
漆が固くなり過ぎると切金がくっつかなくなってしまいます。

ですので、自分が作業できるスピードに合わせて、無理のない範囲に小分けにして、仕事をしていきます。

とくに初心者は小さい範囲ずつ、作業を進めていった方がいいです。切金を置くのは意外と時間がかかりますよー◎

 

 

切金の入った薬包紙(パラフィン紙)を「粉鎮」で押さえます。
粉鎮は書道用のものでもいいし、東急ハンズなどで金属棒を買って加工してもステキです。
そういったものがない場合は何でも構いません。小石でもいいです◎

 

じゃん!
切金がずらりと並んでいます。これら、大きさが違います。
左から、0.6、0.8、1.0、1.2㎜角の4種類です。

1種類だけじゃダメなの??

はいー、そうですね。1種類だけだと多分、「単調」なリズムになってしまいそうな気がします。できたら数種類の大きさの切金があった方がいいと思います。

ちなみに切金は漆屋さんや、金箔屋さん、金粉屋さんなどで売っています。

数種類買おうとすると、結構、お金がかかりますね。「銀」だったらそこまで高くないからいいですけど、「金」はちょっと辛いですね。

切金のお値段はいくらくらいなんでしょう??
ちょっと分からないので、後ほど漆屋さんのHPをチェックするか、次回、かめ先生に聞いておきます。

 

 

作業に入ります。

どうやって切金を置いていくのかといいますと…
なんと、一枚一枚地道に置いていきます。じみーですね◎

 

使っているのは↑こんな感じの「木の棒」です。
材質は「朴」で、かめ先生が作りました(授業中、その場で生徒さん用の棒を作っていました)。

固い木や竹だと切金に傷が入ったり、凹んじゃったりする可能性があります。「柔らかめ」の材がいいようです。

 

片側は「平べったく」て、もう片側は「ほっそり」しています。

 

こちらが平べったい方です。
ヘラのような形ですが、先っちょは薄く鋭くはなっていません。むしろ「平面」を残しています。この平面を残しておいた方が使いやすいのだと思います。(←鳩屋はまだ作業をしていないので、実感なし)

 

こちらはほっそりとしている方です。
中心軸は少し片側に寄せてありますね~。それからこちらも先っちょは鋭くしていません。「平面」があります。

 

 

 

それで、この「切金棒」をどうやって使うかといいますと、、

棒の「ほっそりと」した方の先っちょをちょっと舐めて(べろにちょっと付けて)、それから切金に触れると、自然と吸い付てくるのです◎

え~、人前で「べろんちょ」なんてナメるなんて恥ずかしくてできないわーー(涙)という方、隠れてこっそり舐めてください◎

水でも代用できるのかな?ちょっとわかりません。
金継ぎ作業する時はちょっと「てやんでー」調キャラでいってみるのもいいと思います◎ ナメちゃってください。

 

ナメて→切金を拾って→塗った漆の上に置く
を一粒ずつ繰り返します。永遠と。はい、永遠とです。

 

ちなみに切金を置く順序としては「大きいピース」のモノから置いていった方がいいそうです。
今回は一番大きい1.2㎜のものから置いていきました。

 

漆の上に切金を一つ置き、それから置いた切金を動かして位置を揃えていきます。

 

おー、こう切金を並べてみると壮観ですね。

 

かめ先生、地道に置いていきます。

 

大きいパーツを置き終わったら、次の大きさの切金パーツを置いていきます。
対角線上に綺麗に並ぶように気をつけながら置いていきます。

 

一粒置いて、一粒置いて、さらに一粒置いていきます。
飽きましたか?

 

徐々に小さい切金に替えて、置いていきます。

↑この画像は僕たち生徒が、体験して置いていったので、ちょっと並びが悪くなっています(苦笑)
いや、僕はいまいちよく分かっていません。

 

途中途中で、全体の並びを整理し、揃えます。

 

切金を置いた範囲の「終わり(周辺部分)」は少し「ぼかす」ようなリズムで置いていきます。
これが、規則的に置き過ぎていると、「バツっ」と紋様が切れているように見えてしまいますので、注意が必要です。

ランダムに置く…って難しいですよね~。

 

はい、切金置き作業はこれで終了です。

この後、「灰」をかけたり、「濡れティッシュ」で覆ったりします。
その説明はまた続きのページを作ってということで。

いやー、いつもの金継ぎ説明でしたら結構、スムーズにページが作れるのですが、蒔絵関係は説明し慣れていないのでえらく時間がかかっちゃうのです。

地道にページ制作をしていきます。お付き合いください◎

 

 

 

 

 

Pocket

【Web金継ぎ教室】 Lesson05 欠けた器/ 初心者・久恒さんの金継ぎ往復書簡/蒔絵・完成まで

Pocket

 

size19ファイツ!!

 

このページは金継ぎ図書館のコンテンツを使って「金継ぎ初心者・久恒さんのファースト・チャレンジ」をナビゲートしていく企画です。(がんばれ!ツネちゃん!) 早い話、「インターネット金継ぎ教室」をしちゃおう!ということです。
▸ インターネット金継ぎ教室のルールについての説明

 

久恒さんは「リアル」に本漆金継ぎ初心者です。(「簡漆金継ぎ」ワークショップにご参加くださったので、簡単な金継ぎは体験しています◎) ですので、久恒さんの金継ぎに関する素朴な疑問などが、皆さんのお役にたつのではと考えています。

 

今回は〈一回目の漆を研ぐ~蒔絵・完成〉までの工程を説明します。

 

 

前回の作業を見る

▸ Page 04/漆を塗る

 

 

久恒さんとは?


 

久恒さん?ってどなたですか?
家業である林業を営んでいる大分県在住の女性の方です◎

 

 

【 profile 】

 久恒 まゆ

東京都生まれ、大分県育ち

2011年  武蔵野美術大学 木工専攻 卒業

在学中は「日本のものづくりの文化」「人の手によって生み出される木の魅力」「息の長いものづくり」などを研究

商業空間の内装設計を経て、現在は、家業の 六月八日/久恒山林株式会社(▸ http://rokugatsuyohkanomori.jp/ )で、森を育てるところから製品づくり販売まで一貫して行う、林業の6次化に取り組んでいる

 

 

 

 

 

【 作業を始める前の「心得」  】

漆をナメちゃいけません◎「漆なんてへっちゃらよ。素手で作業しちゃおうっと」なんて無用な冒険心、もしくは慢心があなたに猛烈な痒みをもたらすかもしれません。
しっかりとガードを固めてから作業に入りましょう◎

 

 必ず「ディフェンシブ」に。ゴム手袋は必需品です◎

 

 

 

 

工程 10> 漆を研ぐ1回目(下塗りの研ぎ)


【道具】

  • ②紙ヤスリ(耐水ペーパー)
  • ③ウエス(布切れ)
  • ④ハサミ(いらなくなったもの)
  • ⑤豆皿(水受け)

【材料】

  • ①水

▸ 道具と材料の値段/販売店


今回は耐水ペーパーの#800~1000くらいを用意してください。

 

  1. ペーパーを1㎝×1㎝くらいに切る
  2. 三つ折り(二つ折りでもオッケー)にする
  3. 水をちょっとつける

 

なんでそんな小っちゃく切ってるの??
鳩屋さんは神経質ね◎(もしくはドケチね)
もっとでっかく切って、こう、ざ~っと研いじゃダメなんですか?その方が早いと思いますよ。

そうですね。おっきなペーパーでざーっと研ぎたいところですよね。
なのですが、ペーパーのザラザラというのはすごく「硬い」ので、器の表面に傷が入っちゃうのです。なので、できるだけ修理部分の上だけをやするようにします。
もちろん、どうしたって、修理箇所の周りも研いでしまうことになるのですが、できるだけ小さい範囲にとどまるようにします。

 

 

「器にちょっと傷が入っているくらいの方がちょうどいいぜ」というワイルド系の人でしたら、でっかいペーパーでがっつり研いじゃいましょう◎
そのワイルドが羨ましい~。

 

 

 

縁の欠けた抹茶茶碗の金継ぎ修理のやり方

漆を塗った箇所を研いでいきます。

水をほんのちょっと付けながら研ぎます。

 

ウエスで研ぎ汁を時々拭き取って、錆漆の残り具合を確かめる

ちょくちょく、研ぎ汁をウエスで拭き取って、研ぎ具合をチェックします。

 

縁の欠けた抹茶茶碗の金継ぎ修理のやり方

研いでいきます。

ペーパーの研ぎ味が悪くなって来たら、折り畳んでいる新しい面を使って研いでください。

 

漆を塗った部分をもう少し研ぎ込みます

で、どのくらい研げばいいんですか??と言いますと、↑これじゃまだ足りないです。
真っ黒の点と、ピカッと光っている箇所はまだペーパーが当たっていません。当たっていないから漆の光沢がそのまま出ているのです。

ペーパーが当たっていない…ということは「平滑な面」が出ていないということになります。凹んでいる箇所が残っていて、そこが当たっていないということですね。

できればこの凹みがなくなるまで研ぎたいところです。
ひとまず、もうちょっと研ぎます。

 

8,9割方漆が研げればオッケーです

↑まだ凹んでいる箇所があるので、もっと研ぎたいところですが、研ぎ過ぎると、どんどん下地の「錆漆」が出てきてしまいます。
ですので、ひとまず今回はこれくらいにしておいて、二回目の漆を塗ることにします。

漆は3回くらい塗り重ねると漆特有の「ふっくら感」が出ますので、その塗り重ねの中で凹みが埋まるように考えればいいと思います◎

 

ちなみに、「ペーパーで傷が入るのも気になるのですが~」という方がいらっしゃいましたら、「駿河炭」という炭が漆屋さんに売っています。これで研ぐと傷が入りません。そう、炭って研ぐことができるのです!スゴイですね。

ホームセンターなどで売っているBBQ用の炭でも研げますか??

うー…、それ、試したことがありません。どうでしょう???ちょっと厳しいような気がしますが、もし、テストしてみた方がいらっしゃいましたらメールください◎ よろしくお願いします。

 

↑これは久恒さんの作業画像です

 

 

あのー…、研いだんですけど、凹みがかなり深いようなんです…(涙)

金継ぎの錆漆作業で処理しきれなかった凹みとピンホールがよくわかる

ナルホド。あります、あります。そういったことも。

もし、↑こうなっちゃた場合の対処方法はこちらのページをご覧ください。

 

▸ 穴、凹みがあった場合の対処法

 

 

 

 

 

工程 11> 漆の塗り(地塗り)


漆を三回くらい塗り重ねて、平滑な面が作れてたら、いよいよ最後の塗りを行います。

 

【道具】

  • ②ティッシュぺーパー
  • ③面相筆
  • ④蒔絵筆(赤軸根朱替わり)
  • ⑥練り竹ベラ ▸作り方
  • ⑦作業板 ▸作り方

【材料】

  • ①エタノール(テレピン、灯油など)
  • ⑤精製漆(今回は”赤弁柄漆”…赤茶色の漆)
  • ⑧サラダ油

▸ 道具と材料の値段/販売店


 

初心者におススメの筆ですが、こちらになります。

▸ 初心者おススメ/蒔絵に使う筆

 

 

 「生漆」しか持っていないのですが、どうしたらいいですか?
はい、そうゆう方はこちらへどうぞ ↓

▸ 精製漆の作り方

 

↑ この茶色半透明の漆でも「漆塗り」はできるのですが、半透明だと「どこを塗ったのかわかりにくい」のです(涙)漆に色を付けたい方はこちらへ ↓

▸ 色漆の作り方

 

↑久恒さんの作業画像

生徒の久恒さんには自分で生漆を精製してから、弁柄漆を作ってもらいました。

 

はい、大丈夫そうですねー◎

 

 

 

塗り作業に入る前に、筆をテレピンで洗って筆の中の油を洗い出します。
 ▸ 詳しい作業前の筆の洗い方

※ 何で筆に「油」がついているの??かと言いますと、作業が終わった後に、油で筆を洗っているからなのです◎ ヘンですね、漆って。

 

 【 作業前の筆の洗い方 】

  1. 作業板の上に数滴テレピンを垂らす。
  2. その上で筆を捻ったりしてテレピンをよく含ませる。
  3. ティッシュペーパーの上でヘラで筆を優しく押さえる。

 

 

 

 

筆の準備が済んだら、今度は漆の用意をします。

 

【漆の準備】

  1. 漆のチューブの蓋を開ける。
  2. 作業板の上に少量の漆を出す。
  3. 筆に漆を馴染ませる。
  4. 作業板の上に何本か線を引き、漆の量を調節しつつ、
    含み具合をチェックする。

 

漆の中にゴミがたくさん入っている場合などは濾し紙で漆を濾してきれいにします。必要な方はこちらをご覧ください ↓

urushiway ▸ 基本的な漆の扱い方・濾し方

 

 

 

漆を塗っていきます。

この後に蒔く金属粉が金色の場合(金粉、真鍮粉)は赤い色の漆を塗った方が金属粉の発色がよくなります。
銀色の粉を蒔く場合(銀粉、錫粉)は黒い色の漆を塗った方が、落ち着いた色味になります。

(赤い漆を塗って錫粉を蒔いた場合、少し赤味が感じられる仕上がりになります。それはそれで綺麗ですので、好みで選んでください◎)

 

漆の上塗りでは弁柄漆をなるべく薄く均一に塗っていく。

塗ります。

この地塗り(粉蒔き前の漆塗り)は薄く塗っていきます。

特にこの後、金粉の消し粉や、3号粉くらいの大きさの粉を蒔く方は「極薄」を心掛けてください。
真鍮粉を蒔く方はそれほど気にする必要はありません◎ 「薄め」を心掛ければ大丈夫です。

 

金継ぎの塗り工程のコツは、最後に筆を通して塗り厚を均一にすることです。

修理部分全体に漆を塗ったら、最後に筆を通していきます。

「左から右へ」を少しずつずらしながら繰り返します。それが終わったら、今度は「右から左へ」。その後「上から下へ」。そして「下から上へ」と通してお終いです。

この作業は塗った漆の厚みをなるべく均一にするためです。これは「マスト」です。意外と、厚みが不均一になっているので、この作業をすることで綺麗な面になります。

 

 

↑久恒さんの作業画像

塗ります、塗ります。「薄め」を心掛けて塗っていきます。

薄く塗るには「腰の強い」筆の方がいいです。腰が柔らかいと漆を引っ張ることができません。
こういった「幅広」の面を塗る場合はインターロンという筆の【丸2号】が使いやすいです◎

※久恒さんが使っているのは面相筆です。

 

オッケー◎
綺麗に塗り終わりました。

塗り残しがないか、入念にチェックしてください。特に修理部分の「キワ」に塗り残しがあることが多いので、気を付けてください。

 

湿した漆風呂に30分くらい入れて、漆に乾くきっかけを与えます…とこれまで説明してきました。が、どうやらこの作業はやらない方がいいかもしれません。

現在、私が習っている蒔絵の先生の指導は、「待ち」を入れずに「すぐに蒔く」でした。むしろ「すぐに蒔いた方がいい」。

この件に関しては私がまだ習い途中なので、もう少し蒔絵の実践を積んでから、実体感を元に詳しく解説していきたいと思います。

で、そうなると、これまで金継ぎ図書館内で解説してきた蒔絵のやり方に「誤り」があった…ということになります。それに関しましては本当に申し訳ございませんでした。
知識・技術ともにまだまだ未熟であると再確認しました。特に「蒔絵」作業に関して私の技量・知識が足りていません。しっかりと先生に教えていただいて、より正しい情報を皆さんにお伝えしていきたいと思います。

近いうちに図書館内コンテンツの全面改稿をしなくちゃいけなくなりそうです。

 

 

 

 

塗り終わったら油で筆を洗います。
 ▸ 詳しい作業後の筆の洗い方 

※ 油で洗わないと筆の中に残った漆が硬化するので次第に筆がゴワゴワしてきてしまいます。

 

 

 【 終わった後の筆の洗い方 】

  1. 筆に油を含ませる
  2. 作業板の上で優しく捻ったり、クネクネ(?)させたりする
    (こんな表現でいいんでしょうか?)
  3. ティッシュの上で、ヘラを使って優しく押さえる
  4. 筆の中の漆分がほとんどなくなるまで、<1~3>の作業を繰り返しす
  5. 最後に綺麗な油を筆に軽く含ませてキャップを被せる

※ 極々、ソフトに押さえるようにして筆の中の漆と油を掻き出すようにしてください。強くしごいてしまうと、筆の毛先が痛んで「カール」してしまします。

 

 

筆は付属のキャップを嵌めて保存します。キャップが無かったらサランラップを丁寧に巻いてください。

キャップがない、もしくはキャップを作りたいという方はこちらを参考にしてください。
 ▸ 筆のキャップの作り方 

 

 

 

 【 お掃除、お掃除 】

インターネット上で初心者相手の金継ぎ教室全ての作業が終わったら作業板を掃除します。

 テレピン(又はエタノール、灯油など)を垂らして、ウエスやティッシュできれいに拭き取ってください。

 

   caution ! 

厳密に言うと、掃除が終わった後の作業板の上には「ごくごく薄っすら」と漆の成分が残っています。ですので、この作業が終わるまではしっかりとゴム手袋をして、ゴム手袋を外したあとは作業板を含めて漆の道具類を触らないようにした方がいいです。

 

 

 

 

工程 12> 蒔絵


 【道具】

  • ②ティッシュ
  • ③真綿
  • ⑤粉鎮
  • ⑥あしらい毛棒
  • ⑦練り竹ベラ ▸作り方
  • ⑧作業板 ▸作り方

【材料】

  • ①エタノール
  • ④蒔絵紛(今回は真鍮粉)

▸ 道具と材料の値段と売っているお店

 

※ 金粉、銀粉を蒔くやり方のご説明はこちらを参考にしてください。
▸ 欠けた上泉秀人さんカップの金継ぎ方法 ④ 蒔絵

 

いよいよ最後の工程の「蒔絵」作業に入ります。

中に真鍮粉が入った包み紙を重石で押さえます。

金継ぎの蒔絵で使う真鍮粉を筆でで掬う

柔らかい毛足の筆で真鍮粉を少量掬い取ります。

 

筆に絡ませた金継ぎで使う真鍮粉

とりあえずこんなもんでいかがでしょうか?

 

さぁ、金継ぎの「粉蒔き」作業です。
これはなかなか気持ちがいいです◎

掬い取った真鍮粉を上塗りした漆の上にのせます。
バサッと。

 

真鍮粉を筆で掃くようにして漆の上に移動させていく。

バサッとのせた真鍮粉を筆で掃くようにして、漆の上に広げていきます。
手早く作業を行ってください。

漆の上に金属粉が乗ってしまえば、その上を筆で掃いても大丈夫です。(ソフトに掃いてくださいね◎)
ビビらずにいきましょう。

 

蒔絵の作業では筆で金属粉を払いながら漆の上にのせていく。

筆で強く擦らないように気を付けて、「ソフトタッチ」を心掛けて、金属粉を掃いて全体に広げていきます。

 

金継ぎの蒔絵作業が完了です

漆を塗った部分全体に粉が乗りました。作業終了です。

そうしたら、ある程度、綺麗になるように粉を払って掃除します。

粉を蒔いた直後に、周りに付いた粉を「しっかりきれいになるよう」掃除しようとすると、蒔絵をした部分を擦ってしまったりする恐れがあります。ですので、金属粉が残っていますが、現時点ではこのまま乾かしてください。

 

 

↑久恒さんの実践画像

 

そうです。思い切って「バサッ」といってください◎

 

あら、きれいにできました◎
器の表面がツルツルしているから、きれいに粉が掃除できたのかもしれませんね。

 

 

作業が終わったら高温度、高湿度の場所に置いて漆を硬化させます。
漆が最も早く乾固するのは湿度(75%~85%)、温度(25~30度)の環境です。
(この数値は「最もよく乾く」ということでして、この温湿度よりある程度低くても、ゆっくりとになりますが乾いてくれます◎)

そう、漆は空気中の水分を取り込んで硬化するのです。不思議な樹液ですね◎

 

 

 

 【 簡易的な漆乾燥用の風呂 】

湿度が保てる空間を用意します。
※ 水を固く絞った布を中に入れて湿度を高く(75%~85%してください。

※ びしゃびしゃの布を入れると(湿度が高すぎると)、漆が急激に乾き過ぎて「縮み」が起きる恐れがあります。ご注意ください。

 

caution ! 
初心者さんのよくある失敗で「湿度を高くし過ぎて漆が縮んじゃった!!(涙)」現象が多発しています。

  • 風呂の中に入れるウエスは固く絞る
  • ウエスは器から離す

以上の点をくれぐれも注意して、風呂を快適状態にしてあげてください。

↑ こんな感じでいかがでしょうか?

え!段ボール…。こんなんでもいいんですか??

はい、大丈夫です◎「段ボールなんてダサくて嫌!」という方は↓のページを参考にバージョン・アップさせていってください。

▸ 段ボール漆風呂の作り方

 

大事をとって一週間ほど漆風呂の中で乾かしてください。
最初の2日間くらいは湿度が高い状態になるように管理し、その後は放置して大丈夫です。

 

 

 

 

ようやく金継ぎ完成!


 

一週間ほど乾かした後、残った金属粉を水で洗い流します。食器洗い用の柔らかいスポンジを使って洗います。

 

できました!
おー!綺麗になりましたね~◎

 

 

時間はかかりましたが、初めてでもこれだけ綺麗にできました◎
(そうなると…「金継ぎ師って必要ないんじゃない?」なんて言わないでくださいね)

必要な道具・材料さえ手に入れば、「独学でもイケる」ってことです◎
自分で器が直せるようになれば、怖がらずに器が扱えますし、作家さんが作った器にも思い切って手が出せるようになりますよね。
万が一、壊しちゃったとしても、修理すればもっと魅力的になるのだから。

 

 

 

HISATSUNE Mayu 2018-01-18
challenger 久恒さん/青いカップ


 詳細  欠け/

 

 

 

 

 

 

Pocket