接着剤は使わない!「漆のみ」でガラスの金継ぎをやる方法

 

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追記(2016-05-02)

このページは「ガラス金継ぎテスト段階」をまとめたものだったのですが、グーグル検索順位で上位に来てしまいました。…済みません。
下記のページが「完全版(?)ガラス金継ぎのやり方」です。お手数ですがそちらの方を参考にされてください。
(順位を入れ替えたい時ってどうすればいいんでしょうね?できないのかな?このページを消すしかない?)

金継ぎ図書館の方に完成までの詳しい「ガラスの金継ぎのやり方」をアップしました ▸

ガラスの金継ぎについて


ガラスの本漆金継ぎというのはなかなか厄介です。
透けのよいガラスだと接着面が透けてよく見えてしまします。麦漆で接着すると「黒」く見えます。しょうがないのですが、ちょっと景観が損なわれます。
せっかく透明に透けて見えるのですから何かうまい手はないでしょうかね。

で、とりあえず2通りのやり方を試してみました。一つは失敗しました。ナハ。

  1. ガラス用の木地呂漆を薄く塗って、それが乾きかけた時に接着する。
  2. ガラス用の木地呂を薄く塗って、すぐに接着→オーブンに入れて熱する。

1.ガラスに木地呂を塗って乾きかけた時に接着する


ガラスの器の金継ぎ

ガラス用の漆というものが売っています。漆屋さんで買えます。近年開発されたようです。中身は…詳しいことは教えてくれませんでした。一応、「天然のモノ」だとお店の人は言っていました。

他のガラスへ塗ってみたりしたのですが、今のところ、ガラスへの接着力は「たいしてよくない。普通」といった感想です。この漆は使っているとだんだん粘っこくなってくる気がします。私の家の環境がおかしいのかもしれませんが。変な菌がいるとか。

この「木地呂漆」で接着します。漆は接着剤です。なのでくっつきます。
現、人間国宝のとある先生も「朱合」が一番接着力が強いから、それで金継ぎ接着をしなさい――――と仰いました。

わたしではことの正誤の判断はできないのですが、朱合よりも木地呂の方が接着力が強く、木地呂よりも生漆の方が接着力が高いというデータがあるようです。「東文研」というところがネット上にその研究情報をアップしてくれています。

ですが、「経験」や「先代からの智慧」から培われたものというのは「科学的データ」より信用できたりしますから、なんとも言えません。「科学実験」ってかなり条件を限定していますからね。

まぁ、それはひとまず置いておいて、「ガラス用木地呂漆」で試してみました。

ガラスの器の金継ぎ

まずは接着するガラス面の表面をダイヤモンドのやすりで荒らして食いつきをよくします。
これをやらない方が、接着した時の接着面の漆の透け具合がよくなるはずですが、ここは「食いつき」を優先します。

ガラスの器の金継ぎ

ガラス用の木地呂漆を接着する断面に薄く塗ります。もう一方のパーツにも漆を塗ります。

ガラスの器の金継ぎ

漆の乾き具合をチェックするためのガラスのプレパラートにも同時に漆を塗っておきます。これを見て接着のタイミングを判断します。

ガラスの器の金継ぎ

漆に乾きが来たときに接着します。

ガラスの器の金継ぎ

接着しました。このまま1ヶ月くらい放置します。内側に閉じ込められた漆は極めて乾きが遅くなります。が、そのうち乾きます。

金色の部分は以前にエポキシ接着剤で接着して、その上に錆漆、漆を塗って直した箇所です。どうも他の部分にも亀裂が入っていたようで、再度直しているところです。これは雑貨ギャラリーの持ち物です。

ガラスの器の金継ぎ

で、まだ半月くらいしかたっていませんが、こんな感じです。どうも大丈夫そうです。

ガラスの器の金継ぎ

今のところの透け具合はこんな感じです。時間が経つともう少し透けてくると思います。

ガラスの器の金継ぎ

追記:
2016-02-28

このグラスの「漆のみ」の金継ぎを継続しています。今のところいい具合に行きそうです。
完成させた後、しばらく使って様子をみないといけませんが。

金継ぎ修理が終わりまして、まとめられましたらまた図書館の方に修理例としてアップします。

2. 漆の焼付け接着


これ失敗しました。

ガラスの器の金継ぎ

ガラス用の木地呂を薄く塗って、すぐに接着。そしてオーブンへ。
漆って「熱」でも硬化するらしいじゃない?ってことでやってみました。

初めは140度で70分熱しました。で、取り出して強く「ぐりぐり」してみたらポキンととれました。
焼付け方がまずかったかなと思ってもう一度よくノート読み直し、ネット検索をして、次は120度120分でやりました。

 で、取り出して「ぐりぐり」していたらポキンとなりました。ダメでした。

ガラスの器の金継ぎ

↑全部取れました。漆は密封されると熱を与えても乾かないのかもしれません。酸素が必要とか。
もしくは「焼付け」方法がちょっとまずかったのかもしれません。ガラス内部はあまり温度が上がっていなかったとか。

またそのうち、チャレンジしてみるかもしれません。

つまり、ガラス接着のやり方


で、これからはどうするのか?というと、「木地呂漆」の自然乾燥は「科学的データ」によるとちょっと接着力が低い。(といっても接着力はあるような気もしますが、よくわかりません。ガラス用は接着力が高いかもしれません)
「木地呂漆」の焼付けをすれば「生漆」並みに接着力がでる。

ということなので、「透け具合」をよくしたいなら木地呂接着かなと。ひとまずテストしてみます。

それから今考えているのがもう一つ。
〈木地呂漆を薄く塗って金属粉を蒔く→それを焼き付ける(まだ接着はしていない)→麦漆接着〉
の手順です。

ガラスの器の金継ぎ

プレパラートへのテストです。真鍮粉(金色)と錫粉(銀色)を蒔きました。
これは自然乾燥です。きちんと乾いています。当たり前ですね。

ガラスの器の金継ぎ

で、裏から見ると少し木地呂の「茶色っぽさ」が出ていますが、基本的には「金色」に見えますよね。

ということで、割れたガラスの断面のそれぞれに漆で金属粉を焼き付けます。焼付けなので、生漆並みの接着強度が出ます。しかも、ガラスを通して見えるのは↑の画像のような「金色」です。

ガラスの器の金継ぎ       

金属粉を一度、漆で固めてしっかりと金属粉を定着させた後に麦漆で接着します。
こうすれば麦漆は透けて見えません。(が、接着面は光が通らなくなるので少し黒っぽくなるかもしれません)

どうでしょう?うまくいくか、いかないか?ひとまずやってみます。そのうち…。
結果が出たらまたサイトにアップして図書館のほうにまとめます。

追記:

そういえば「金属紛」を蒔くと、厚みがでてしまいますね。そうすると継ぎ逢せた時にズレが大きくなります。けどしょうがないですね。ちょっと解決案を考えてみます。

2016-05-02

金継ぎ図書館の方に完成までの詳しい「完全版(かな?)ガラス金継ぎのやり方」をアップしました ▸
お手数ですがそちらの方を参考にされてください。

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