05 【少し大きめの欠け&ヒビ】の入ったマグカップの金継ぎ修理のやり方~蒔絵・完成まで

 

 

 ファイツ!!

 

現在全面改訂中

 

マグカップ

初心者向け

難易度2.0
充填材刻苧(パテ)+錆漆(ペースト)
使用粉真鍮粉(金色の金属粉)

こだわり度簡単・お手軽
今回のシリーズはあまり「完成度の高さ」にこだわらずに、「そこそこ」に仕上げます◎

 

 

〈口元が欠けてヒビの入ったマグカップ〉の「伝統的な金継ぎ修理のやり方を説明していきます。

このページでは金継ぎ修理の工程のうち2回目の錆漆(ペースト)を削る~漆を塗るまでのやり方を解説していきます。

 

 

前回の作業を確認したい方はこちらのリンクをクリックしてください↓

 

 

【道具・材料と購入先を見る】↓

▸本漆金継ぎで使う道具・材料ページ

 

 

 

【金継ぎ修理を始めるその前に…】

 

 

■ カブレ対策


 

ロクブテ

 
 
【ご注意!】


本物の漆
を使った修理方法ですのでかぶれる」可能性があります。

 

※ 万が一、漆が肌に付いた場合はすぐに「油(サラダ油など)」でよく洗って下さい

油?? そうです。「油」をつけ、ゴシゴシ漆を洗い落としてください。その後、その油を石けんや中性洗剤で洗い流してください。

※ もし、かぶれてしまい、それがひどくなるようでしたら、医者に行って処方してもらってください。

 

 

 

 

作業を始めるにあたって、まずは装備を…

←:使い捨てゴム手袋 / アームカバー:→

 

金継ぎでは本漆を使うので「ディフェンシブ」に行きましょう。
ゴム手袋は必需品です◎ 漆をなめちゃいけません◎

作業後、油分多めのクリームを手、腕など、肌が露出していたところ(夏場は脚・足にも)に塗っておくと、カブレにくかった…というコメントをいただきました。
(塗り忘れたときは、毎回、痒くなった…そうです)

気になる方はやってみてください◎

 

注意:
修理箇所に油分をつけてしまうと、その箇所だけ漆が乾かなくなります。(手脂でも乾かなくなります)
ご注意ください!

※ 修理箇所に油分が付いてしまった場合は、エタノールで入念に拭きあげるか、台所用中性洗剤で洗えば大丈夫です◎

 

 

 

 

 

〈金継ぎの工程 10〉 漆の研ぎ


金継ぎのエポキシペースト研ぎ作業で使う道具と材料

漆の研ぎで使う道具と材料

  • 道具: ③ 豆皿(水入れ用) ④ ウエス ⑤ はさみ(ペーパー切り専用にしたもの)
  • 材料: ① 耐水ペーパー(今回は#800) ② 水

 

 

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研ぎ作業がしやすいように、まずはペーパーを小さく切ります。

 

  1. ペーパー研ぎで使う道具たち
  2. ペーパーを1㎝×1㎝くらいの大きさにハサミで切る
  3. 三つに折る
  4. 少量の水を付ける

 

 

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陶器の釉薬より、ペーパーの「硬度」の方が高いので、釉薬を研ぐと傷つきます。
ですので、なるべく「修理箇所のみ」を研ぐようにします。

けど、ちょっとはみ出したところまで研がざるをえません。よね。

 

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水をちょっと付けて、研ぎます。

 

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ひびに塗った漆も研ぎます。
なるべく修理部分からはみ出さないように研ぎます。

 

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研ぎ終わりました。

…けど、まだきれいな「平滑面」になっていません。
デコボコしている箇所があります。

 

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ちょっとした凹みを埋めるためと、
より平滑な面を出すために、もう2,3回「漆の塗り→研ぎ」を繰り返します。

(げっ、面倒!って思いましたか?)

 

 

 

 

〈金継ぎの工程 11〉 漆の上塗り→蒔絵


金継ぎの漆の上塗り作業で使う道具と材料
漆の塗りで使う道具と材料

  • 道具: ② ティッシュペーパー ③ 付け箆 (▸ 付け箆の作り方) ④ 小筆 ⑦ 作業板(クリアファイルなど)
  • 材料: ① サラダ油 ⑤ 精製漆(今回使ったのは弁柄漆) ⑥ テレピン

 

納得のいく「平滑面」が出たら、いよいよ蒔絵を行います。

 

まずは使う前に筆をテレピンで洗って油を洗い出します。 ▸ 詳しい筆の洗い方

 

 

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慎重に漆を塗っていきます。

漆は薄目で、均一の厚みになるように…

 

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細い筆で、「縁取り」します。

 

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縁取り、フチドリ

 

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筆を変えて、今度は内側を塗り潰します。

 

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薄く、均一に

 

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面を塗り潰したら、最後に筆を通します。

「上→下」へ筆を揃えて通していきます。
「上→下」へと通したら、今度は「下→上」へ、筆を通します。

 

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今度は「左→右」へ。
それが済んだら「右→左」へと筆を揃えて通します。

 

 

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マグカップ外側のひび部分にも弁柄漆を塗っていきます。

 

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もうちょい。

 

漆塗りが終わったら、湿した場所(湿度65%~)に置いて
乾きの兆候がでるのを待ちます。

どのくらい待てばいいかと申しますと…漆の性質、湿度、気候などによりけりだと思います。が、60分程度でしょうか?15分と書いてある本もありますねぇ…。

 

 

作業が終わりましたら油で筆を洗います。 ▸ 詳しい筆の洗い方

 

金継ぎの蒔絵作業で使う道具と材料
蒔絵で使う道具と材料

  • 道具: ① あしらい毛棒(柔らかい毛質の筆) ③ 重石
  • 材料: ④ 蒔絵紛(今回は真鍮粉を使用)

 

 

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真鍮粉を蒔いていきます。

真鍮粉を筆で掬い取り、漆を塗った上にバサッと乗せます。

 

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粉の上を筆を動かす感じで掃いていきます。

 

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毛先に漆が触れないように、真鍮粉が少なくなって来たら補充します。

常に十分な真鍮の粉が乗っている状態にしてください。

 

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マグカップの外側にも真鍮粉を蒔いていきます。

 

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バサッと多目の真鍮粉を乗せて、筆でサラサラと掃いていきます。

 

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掃いて掃いて…フィニッシュ!

 

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出来ました!

 

作業が終わったら湿した場所(湿度65%~)に置いて3日くらいは待った方がいいと思います。しっかりと漆が硬化するのを待ちます。

 

漆がしっかりと乾いたら、食器洗い用の柔らかいスポンジで水洗いします。
真鍮粉を洗い流してください。

 

 

 

 

〈金継ぎの工程〉 完成! 


 

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