欠けた上泉秀人さんカップの金継ぎ方法 3/5 ~漆の中塗り研ぎまで

欠けた器の金継ぎの漆下塗り工程が完了して手に持っている

※ 口元が欠けたカップの金継ぎ修理のやり方を説明していきます。本物の漆を使った修理方法ですので「かぶれる」可能性があります。ご注意ください。

今回は金継ぎの工程のうち、〈欠けた部分の漆下塗り~漆中塗りの研ぎまで〉のやり方を解説していきます。

 

STEP 01 漆の下塗り


金継ぎの漆下塗りで使う道具と材料(▸ 漆の塗りで使う道具・材料の入手先・値段

  • 道具: 小筆、付け箆 
  • 材料: 漆(今回は呂色漆)、テレピン、サラダ油、ティッシュペーパー

 

まずは使う前に筆をテレピンで洗って油を洗い出します。
 ▸ 詳しい筆の洗い方

 

欠けた器の錆漆を削り、ペーパーで水研ぎする

まずは錆漆を#320くらい耐水ペーパで水研ぎします。
それから下塗りに入ります。

漆の含ませた筆で錆漆の上を塗っていく。特に器とのキワの部分に塗り残しがないように気を付ける

錆漆の上を完全に覆うように漆を塗ります。特にキワ部分に塗り残しが内容に気を付けてください。

金継ぎの下塗り作業では漆が厚くならないように気を付ける。

下塗りでは特に漆を薄く塗る必要はありませんが、厚塗りすると”縮み”という塗膜がしわしわになってしまう現象が起こりますので注意してください。

器の口元部分の錆漆にも漆を塗っていく

口元の縁部分も忘れずに漆を塗ります。

欠けた部分の修理では漆の下塗りは薄目にする。

金継ぎの漆下塗り完了です。

金継ぎの下塗り作業は漆を薄めに塗って縮まないように気を付ける。

漆の塗り残し、厚塗りがないかチェックしてください。

「ちょっと漆が厚いかな?」と気になる箇所があったら、作業板で漆をよく切った筆でそこをなぞって漆を吸い取ってください。

次に小さい欠けの方にも漆を塗っていきます。

小さい方の欠けた部分の錆漆にも漆を塗っていく。

欠けた部分の左側の形がとんがっているのがちょっと気になります。
なので、そこの形に少し丸みをつけようかと思います。

金継ぎの漆の下塗り方法としては、漆が厚くならないようにする

錆漆と器とのキワに塗り残しがないように気を付けながら漆を塗っていきます。

器の口元部分も漆を塗っていく。器と錆漆のキワの部分に塗り残しがないかチェックする。

口元の縁部分にも漆を塗っていきます。

欠けの修理での漆の下塗り完了

小さな欠けも塗り終わりました。左側が少し丸みを帯びています。どうでしょうか?

金継ぎの漆下塗り工程が完了

これで金継ぎの漆下塗り作業が完了です。

湿した場所(湿度65%~くらい)に置いて、1~2日乾かします。

 

塗り終わったら油で筆を洗います。 ▸ 詳しい筆の洗い方

洗い終わったら筆にキャップをつけて保管します。
キャップがなかったらサランラップで優しく包んでください。

 

STEP 02 漆の下塗り研ぎ


金継ぎの漆下塗り研ぎで使う道具と材料(▸ 漆の塗りで使う道具・材料の入手先・値段

  • 道具: はさみ、豆皿
  • 材料: 耐水ペーパー(600番)、水

私は耐水ペーパーを1㎝×1㎝くらいの小ささにはさみで切り、それを三つ折りにして使っています。豆皿に出した水を少しだけつけて錆漆を研いでいきます。

 

今回はなぜか乾燥させた木賊を使います。思い付きです。木賊は植物です。

  • 道具: 豆皿
  • 材料: 木賊(とくさ)、水

 

下塗りした漆を研ぐための道具。今回は木賊を使う。

宇都宮の鶴見さんからもらった木賊を使います。意外とよく見るあの木賊です。特別なものではありません。それを乾燥させてあります。

節の部分でくねくねねじっているとポキンととれます。

漆を研ぐための道具。木賊は乾燥させたものを節ごとに千切って使う。

これで研ぎます。ふざけていません。研げるのです。

千切った研ぎ用の木賊を水にしばらく浸けて置く

折り曲げて使いたいのですが、乾燥しているのでそのまま曲げるとバリっと折れてしまいます。ですのでしばらく水の中に浸けておきます。もっと水が多い方がいいです。

金継ぎの漆研ぎに使うときは木賊を折り曲げてテンションをかけて使う

水が浸透すると少し柔らかくなって曲げられます。↑このように折り曲げて使います。

下塗りした漆を研いでいく

漆の下塗りした部分を研いでいきます。

金継ぎの漆研ぎ作業では木賊を左右上下に細かく動かして研いでいく

ほんのちょっと水を付けて研ぎます。木賊は程よく張りがあるので研ぎ面の平面精度がペーパーより高くなる気がします。

ある程度研いだらウエスで研ぎ汁を拭き取って研ぎ具合を確かめる

どのくらい研げているのか時々ウエスで研ぎ汁を拭き取ってチェックします。

金継ぎの研ぎ作業で研げている部分と研げていない部分のチェックをする

漆がテカテカしている部分はまだ研ぎが当たっていません。(①部分)
黄土色になっている部分は漆を研ぎ破って下の錆漆層が出てきています(②部分)

漆の研げていない部分が多かったので、金継ぎの研ぎ作業を続ける

この段階では修理部分の面をきれいに平滑にすることを目指していますので、研ぎ破りは気にせずどんどん研いでいきます。

器の欠け部分の研ぎ作業が終了する。漆の研ぎ具合はこのくらいでいいでしょう。

研げていない部分もちょっとありますが、これならもう一度漆を塗れば埋まりそうです。ですのでこんなくらいでオッケーです。

続いて小さい方の欠けも研いでいきます。

修理する小さな欠けのほうの漆も木賊で研いでいく

こちらも木賊で漆を研ぎます。

小さな欠け部分の金継ぎ研ぎ工程が完了する

これで金継ぎの下塗り研ぎ作業が完了です。

続いて漆の中塗り(漆塗り2回目)を行います。

 

STEP 03 漆の中塗り→中塗り研ぎ


step 01、02 と同様に漆を塗って、乾いてから研ぎます。

金継ぎの漆の中塗り作業を行う。これも漆がはみ出さないように気を付ける

漆の中塗りを行いました。ん?色がおかしい?
そうです。何となく紺色の色漆で中塗りを行いました。特に意味はありません。

漆の中塗りを木賊で研ぐ。

漆の中塗りを木賊で研ぎます。

これでいよいよ次は金継ぎの蒔絵作業です。

 

次の工程を見る ▸ ④ 蒔絵

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