※ このページでは、多くの写真を他の修理コンテンツから借りて解説しています。
ご了承ください。
ファイツ!!
2020.6 全面リニューアル済み
急須の取っ手
初心者向け
難易度:
充填材:刻苧(パテ)+錆漆(ペースト)
使用粉:真鍮粉(金色の粉)
こだわり度:簡単・お手軽
今回のシリーズはあまり「完成度の高さ」にこだわらずに、「そこそこ」に仕上げます◎
※ 〈取っ手の壊れた急須〉の「伝統的な本当の金継ぎ修理」のやり方を説明していきます。
このページでは金継ぎ修理の工程のうち〈中塗りを研ぐ~蒔絵・完成まで〉のやり方を解説していきます。
金継ぎ修理を始めるその前に…
本物の漆を使った修理方法ですので「かぶれる」可能性があります。
※ 万が一、漆が肌に付いた場合はすぐに「油(サラダ油など)」でよく洗って下さい。
油?? そうです。「油」をつけ、ゴシゴシ漆を洗い落としてください。その後、その油を石けんや中性洗剤で洗い流してください。
※ もし、かぶれてしまい、それがひどくなるようでしたら、医者に行って処方してもらってください。
【道具・材料と購入先を見る】↓
作業を始めるにあたって、まずは装備を…
金継ぎでは本漆を使うので「ディフェンシブ」に行きましょう。
ゴム手袋は必需品です◎ 漆をなめちゃいけません◎
※ 作業後、油分多めのクリームを手、腕など、肌が露出していたところ(夏場は脚・足にも)に塗っておくと、カブレにくかった…というコメントをいただきました。
(塗り忘れたときは、毎回、痒くなった…そうです)
気になる方はやってみてください◎
注意:
修理箇所に油分をつけてしまうと、その箇所だけ漆が乾かなくなります。
(手脂でも乾かなくなります)
ご注意ください!
※ 修理箇所に油分が付いてしまった場合は、エタノールで入念に拭きあげるか、台所用中性洗剤で洗えば大丈夫です◎
【中塗り研ぎ】
前回塗った「中塗り」が乾いたら研いでいきます。
中塗り研ぎの目的
錆下地を完全に漆で覆う(←漆の研ぎ破りがない状態)
=「地塗り(蒔絵)」ができる状態にする
蒔絵の前の最終工程です。
漆を研ぎ破ることなく研ぎ切ることができれば、次の蒔絵作業に入れます◎
〈使う道具/材料〉
↑駿河炭
道具:
③ ウエス→スポンジの方が使いやすい
④ 要らなくなったハサミ
⑤ 小さな水入れ
〇 水桶(もあった方がベター)
材料:
① 水差し
② 耐水ペーパー
→実は駿河炭が断然おススメ
※ その他、本漆金継ぎで使うおススメの道具・材料の一覧(購入先も)を↓こちらのページにまとめました。
▸ 本漆金継ぎで使う道具・材料ページ
※「要らなくなったハサミ」は耐水ペーパーを切るのに使います。
ペーパーを切るとハサミが「ばか」になって他のものが切れなくなります。
要らなくなったものか、100均などで買った安いものを使ってください◎
今回は「中塗り」の研ぎなので、#800~1000程度の耐水ペーパーで研いでいきます。
ちなみに使う耐水ペーパーの選択ですが下記の表を参考にしてください。
使うペーパーの
チョイス!
▪▪▪
錆研ぎ | ・(きれいに削れていない場合) #240~#320 ・(きれいに削れた場合) #320∼#400 |
捨て塗り研ぎ | #400~600程度 |
繕い錆研ぎ | #400~600程度 |
下塗り研ぎ | #600~800程度 |
中塗り研ぎ | #800~1000程度 |
の耐水ペーパーで研ぐのがよろしいかと思います。
● 耐水ペーパーの仕立て方
ちょっと面倒ですが、研ぎ面をよりきれいな形に仕上げるためと、修理箇所以外を傷付けないために、ペーパーにひと手間加えます。
耐水ペーパー
の仕立て方
▪▪▪
耐水ペーパーを小さく切って使います。
切れ味の落ちたハサミで、耐水ペーパーを1×1㎝くらいに小さく切ります。
それを「三つ折り」にします。
(↑ペーパーを三層構造の「硬い」板にして使います)
ペーパーは少量の水をつけながら研ぎ作業をおこないます。
理由は2つです。
1.研ぐ面積を極力少なくするため
2.平面保持強度を高めるため
【1の理由】
「耐水ペーパー」って研磨力がとても強いので、器の釉薬(表面)を傷つけてしまうのです。
研いだ後、修理箇所周辺の釉薬が薄っすらと曇っているのは、あれは「細かい傷」が付いたからなのです。
なので、「なるべく」ですが、周りの釉薬が傷つかないようにペーパーを小さくして使いたいわけです◎
【2の理由】
「三つ折り」するというのは、ペーパーの「平面保持強度」を高くするためです。
なるべく「研ぐ方の道具」の平面を維持したいわけです。
ペーパー1枚で研いでいると「へなへな」してしまいます。紙なので柔らかいですよね。
それを使って研いでいると↓この「Aコース」のような仕上がりになります。
↑ペーパー1枚で研いでいると「Aコース」になるわけです。
紙一枚だと「研ぐ方の道具」が柔らかいので、「研がれる方のもの=錆漆(←硬いもの)」の形に沿ってしまい、その形通りに研いでしまいます。
錆漆の「山の角の部分(エッジ)」は軽くさらうことはできるのですが、「綺麗な曲面に形作る」ことは難しくなります。
一方、「Bコース」のペーパー3枚重ね(三つ折り)だと、「研ぐ方の道具」の「硬さ」が3倍になるわけです。
「研がれる方のもの=錆漆」の形に引っ張られず、研ぎによって錆漆の形を作っていくことが可能になります。
※ ペーパー1枚に比べて…という話です。
平面維持強度をもっと上げて、「きれいにな形を作る」作業がしたかったら
「漆研ぎ用の“駿河炭”」が断然おススメです。
● 駿河炭の仕立て方
「研ぎ道具」としては、実は「駿河炭」が最強のアイテムです◎
何といっても、耐水ペーパーと違って器に傷が入らない!
できれば使ってみていただきたいです!
‣駿河炭が断然おススメな理由
駿河炭
の仕立て方
▪▪▪
炭は大きな塊で売っているので、自分で小さく切って使います。
① まずはカナノコ(金鋸)の刃で厚さ15~20㎜程度に輪切りにします。
② 次に薄い板状になった炭の塊りを、大き目のカッターナイフで「割っていきます」
③ さらにカッターで割って、大小さまざまな面積のものを用意します。
使う際は炭の「研ぎ面」を砥石(または耐水ペーパー)の上で研いで、平面にします。
少量の水を付けながら修理箇所を研いでいきます。
修理箇所を研いでいると炭の研ぎ面が崩れてきますので、ちょこちょこと砥石(またはペーパー)に当てて、研ぎ面を修正します。
詳しくはこちらのページをご覧ください↓
▪実作業▪
ペーパーの#800~1000程度、または駿河炭で水研ぎしていきます。
耐水ペーパーを使う場合には修理箇所以外に「なるべくはみ出さないように」研いでいきます。
(と言ったって、「線」を研ぐ時ははみ出します~)
器の釉薬(器の表面)よりも耐水ペーパーの方が「硬い」ので、ごく薄っすらとですが傷が入るのです。
炭の場合は、器に傷が入りません。
炭で研いだ方が「研いだ形」がうねうねしづらいので、「炭研ぎ」がおススメです◎
必要以上に研ぎ過ぎないようにちょくちょくと「研ぎ汁」をスポンジで拭き取って、研ぎ具合をチェックしてください。
今回の「中塗り研ぎ」は、「漆の層」を研ぎ破らずに全体が研ぎ上げられたら「成功」=次の「地塗り」の工程に進めます。
(研ぎ破って、下から錆地層が出てきたら「失敗=やり直し」です…(T_T))
ただし、だからといって「研ぎ破らないように恐る恐る」研ぐ必要はありません。
どうしてか?というと…
前回、「下塗り研ぎ」をほどこした修理箇所は、ほぼ最高レベルくらいの「形の精度」が出ているはずです。(よね?)
その「超・平滑な面」に漆を塗ったわけです。
ということは、普通に研いでいけば研ぎ破ることはあり得ないわけです。
※ もちろん、必要以上に研ぎ過ぎると研ぎ破りますので、そこは注意が必要です。
これで「中塗り研ぎ」終了です◎
● もし、研ぎ破ってしまった場合
「そもそも“形の精度”がまだ足りていなかった」…ということになります。
(下塗り研ぎの「詰め方」が甘かったということです)
ガーーーん!
心が折れた…
その場合は、次に地塗りに進むことを諦め、気持ちを切り替えて、「下塗り研ぎ」のつもりで、形の精度を詰めていくことに注力してください。
ファイッ!!
さらに何カ所か研ぎ破ったとしても、どんどん研いで、形を詰めていきます。
しっかりと形が作れたら、「中塗り」をもう一度おこないます。
前回、中塗り研ぎをした時よりも「形の精度」が上がっているはずなので、2回目の中塗り研ぎはきっとうまくいくと思います◎
研ぎ破っても、「錆漆の下地層」が出てこなければ大丈夫です。
「中塗り&研ぎ」について、もっと詳しく知りたい方はこちらのページをご覧ください↓
【地塗り】
いよいよ「蒔絵作業」に入ります。
まずは漆を塗っていきます。
作業の目的
「蒔絵粉」というのはただの「粉」なので、それ単体では定着してくれません。
修理箇所に定着させるための「接着剤」が必要となります。
漆をに塗って、その漆が乾かないうちに、蒔絵粉を蒔きます。
※ 金粉・銀粉を蒔く時には「超・極薄」に漆を塗ってください。
真鍮粉・錫粉の場合には「普通の厚み」で塗ります。
そういえば
「地塗り」以外にも
「下塗り」とか「中塗り」とか、
さらには「捨て塗り」とか
いろいろあるけど、、、
それって何が違うの?
どんな意味があるの??
…という疑問が湧いてきますよね。
ちょっと込み入った話にはなってしまいますが、詳しく解説したページを用意しましたので、興味のある方はこちらをご覧ください↓
〈使う道具/材料〉
道具:
② ティッシュぺーパー
④ 蒔絵筆またはインターロン筆
⑥ 練りベラ ‣作り方ページ ‣作り方の動画
⑦ 作業盤(ガラス板など)
‣作り方ページ ‣作り方の動画
○ ゲル板 ○ サランラップ
材料:
① アルコール(テレピン、灯油など)
⑤ 精製漆(今回は”弁柄漆”…赤茶色の漆)
⑧ サラダ油
※ その他、本漆金継ぎで使うおススメの道具・材料の一覧(購入先も)を↓こちらのページにまとめました。
▸ 本漆金継ぎで使う道具・材料ページ
● 使用する筆
「蒔絵筆」がベストなのですが、1本¥4,000∼¥7,000-してしまいます。
初心者さんにこの値段はちょっとハードルが高いですよね。
安価な筆でおススメなのは「インターロン」というナイロン製の筆です。
・極細筆…インターロン 417 丸0号
・小筆…インターロン 1026 丸2号
ひとまずこの2本があればほとんどのケースがカバーできます◎
使用「前」の筆の洗い方
※ 蒔絵筆(高級な筆)の場合は「漆」で洗ってください。毛が痛みづらくなります。
‣ 蒔絵筆の洗い方の動画
まずは筆をテレピン(または灯油)で洗って筆の中の「油」を洗い出します。
▸ 詳しい作業前の筆の洗い方
どうして筆に「油」が付いてるの??…かといいますと、漆作業で使った筆は最後に油で洗っているからなのです。油で洗うと筆の中に残った微量な漆が乾きません。
漆と油とは相性が悪いのですが、それを利用して、保管するときには油で洗います。
逆に、使う時にはその油を除去します。
作業工程
① 畳んだティッシュに筆を包む
② ティッシュをギュッと摘まんで、筆の中の油を吸い取る
③ 作業板の上に数滴テレピンを垂らす
④ その上で筆を捻ったりしてテレピンをよく含ませる
⑤ 筆をティッシュで包む
⑥ ティッシュをぎゅっと押えて、「油+テレピン」を絞り出す
⑦ 「4→5→6」を2~3回繰り返す
① 折り畳んだティッシュに筆を包みます。
④ これを3,4回繰り返して、しっかりと油を搾り取ります
⑤ 作業盤の上にテレピンを数滴、垂らします。
⑥ 筆にテレピンを含ませます。
筆は作業盤の上で捻ったりして、しっかりとテレピンと馴染むようにします。
⑦ ティッシュの上に筆を乗せます。
⑧ ティッシュの上からギュッと摘まんで、「油+テレピン」を絞り出します。
この後、「⑥→⑦→⑧」を2~3回、繰り返します。
この作業で筆のなかの油分をしっかりと除去します。
筆の中に油が残っていると漆が乾かないことがありますのでご注意ください。
「エタノール」などの揮発性の強いもので洗うと、テレピンよりも油分がしっかりと除去できますが、その分、筆への負担も大きくなり、傷みやすくなります。
ですので、金継ぎ図書館では筆が傷みにくいテレピン、灯油などをおススメしています。
ちなみに筆が一番、痛まないのは「漆」で洗うことです。
‣ 漆での筆の洗い方動画
特に高価な「蒔絵筆」を洗う際には漆で洗ってください。
筆に漆を付けて、いきなり塗り始めると、初めのうち、テレピンの影響で薄くなる可能性があります。
ですので、「塗り始める」前に一度、筆に漆を含ませて、筆と漆とを馴染ませてください。
漆の準備
筆の準備が済んだら、今度は漆の用意をします。
漆の中にゴミがたくさん入っている場合などは「濾し紙」で漆を濾してきれいにします。
必要な方はこちらをご覧ください↓
地塗りに使う漆の選択
今回は蒔絵粉に「真鍮粉(金色の金属粉)」を使いたいので、「地塗り」の漆には「弁柄漆」を使います。
地塗りの漆を選ぶ際の基本的な考え方です↓
● 地塗りに使う漆の選択
・「●金粉」(または真鍮粉)を蒔く場合⇆地塗りは「●弁柄漆(赤茶色)」を使う
・「●銀粉」(または錫粉)を蒔く場合⇆地塗りは「●黒弁柄(黒色)」(または●白漆)を使う
これがベーシックな選択です。
● 根本的な考え方
地塗りに使った「漆の色味」が蒔いた「粉の色味」にも影響します。
例えば、地塗りに「赤色」を使えば、蒔いた粉にほんのり赤味が差します。
▪【金粉(真鍮粉)の場合】
粉自体の色味としては「●黄色=暖色」なので、同系色の「暖色系」の漆を使うと、金色の彩度が高くなって映えるわけです。
もちろん、地塗りに「●黒色」を使ってもいいです。その場合は、仕上げた金色がワントーン暗くなった感じに仕上がります。
▪【銀粉(または錫粉)の場合】
粉自体の色味としては「●白っぽい色=無彩色」なので、その地塗りに使う漆の色としても無彩色系の「●黒または●白」を使うと、銀色がシックで落ち着いた感じに仕上がるわけです。
こちらの方も、もちろん他の色を使っても構いません。
赤色の漆を地塗りに使えば、仕上がった銀色に赤味が差します。
▪実作業▪
今回の修理では「真鍮粉」で仕上げていますが、「金粉・銀粉」で仕上げたい方はこちらのページを参考に作業してください↓
かなり詳しく解説しています。
○ そもそも「丸粉」とか「消し粉」とかって何??という方はこちらをご覧ください。
→▸ 蒔絵粉の種類とその特徴
■「消し粉」について→▸【消し粉】の蒔き方
■「平極粉」について→▸【平極粉】の蒔き方
■ 「 丸粉 」について→▸【丸粉】の蒔き方
塗っていきます。
「真鍮粉」「錫粉」などを蒔く時は、塗り厚は「いつも通り(もしくは、いつもよりもちょい薄目)」くらいで塗っていきます。
※「金粉」「銀粉」などを蒔く時は「超・極薄」に塗っていきます。
● 器は違いますが、参考になりそうな「地塗り作業」の動画です↓
0:50~4:39まで再生
※ 今回は「真鍮粉」を蒔くので、漆の厚みはもう少し厚目に塗ってください。
6:42~8:35まで再生
※ 器の「内側」から塗り始めて、その後「外側」を塗った方が作業がしやすくなります。
塗りの手順
漆をきれいに塗るには「手順」があります。
- まずは「輪郭のキワ」を塗る
- 次に輪郭の内側に漆を配り、塗り込む
- 最後に上下左右に筆を通し、全体の塗り厚を均一にする
① 輪郭を括る
まずは「輪郭」を括ったり、「細いライン」を描いていきます。
この筆↑を使います。
【塗りの手順】
その① 縁取り
▪▪▪
■ 輪郭を括る
始めは「極細筆」↑を使用
塗りの手順は「広い面」も「狭い面(線)」も同じです。
1.まずは「極細筆」で輪郭を塗っていきます。
キワキワまで塗り残しが無いように気を付ける。かつ、なるべくはみ出さない◎
ちなみに、器のどこから塗りはじめてもいいのですが、基本的には器の内側から始めて、次に器の外側という順番の方がおススメです。
「外側」→「内側」の順番だと、器の内側を塗っている時にうっかり「外側の塗ったところを手で持っちゃった!!」という失敗が起こりやすいのです。
それから、「器を持つ手の置き場所」や「塗ってる方の“小指の置き場”」がなるべく確保できるように、塗る順番を考えて塗っていってください。
「広い面」のところは輪郭を括ります。
ぎりぎりのキワを塗っていきます。
修理箇所からなるべくはみ出さないように気をつけてください。
「塗るキワ」は常に左側
(右利きの人)
■■■
右手で筆を持って塗る人でしたら、「常に“向かって左側”のキワ」を塗っていきます。
その方がキワのぎりぎりが見やすいはずです。
※ 「右側」のキワを塗ろうとすると、筆が邪魔して見づらいと思います。
※ 左手で筆を持つ人は「向かって右側のキワ」を塗ってください。
片側がのキワが塗れたら、器をひっくり返し、反対側のキワが「向かって左側」にくるように持ち直して塗っていきます。
細いラインも「向かって左側のキワ」を塗っていきます。
「細い線(接着箇所)」もベタっと全体を塗るのではなく、「1本の細い“面”」と考えて、まずはその細い線の「キワ」を攻めていきます。
片側を塗り終わったら、器をひっくり返して、再び「左キワ」を塗っていきます。
キワを塗っていくと、↑こんな感じになります。
(赤い線が目立ちすぎてちょっと気持ち悪いですね~)
ところで漆を塗る時って
やっぱ「一筆描き」じゃなくちゃ
ダメなんですか??
確かに「一筆描き」…って「達人」っぽいですね◎
でも全然、こだわらなくていいです。
それよりも、同じところを筆を数回通して、なるべく「漆の厚み」が一定になるようにしてください。
基本的なことなのですが、一応、「キワの塗り方」についても説明しておきます↓
「キワ」塗りの手順
▪▪▪
「極細筆」でキワを塗るときの手順です。
「極細筆」↑を使用
※ 修理箇所の部分だけを「塗り残し&はみ出し無く」きれいに塗りたい場合の話です。
漆がはみ出しても気にしない方針でやっている人は読まなくて大丈夫です◎
↑最初からキワキワを攻めて一発で塗れたら、めちゃくちゃオッケーです◎
ですが、「一発」で「はみ出し&塗り残し」なしで塗るのは至難の技ですよね。
一発でキワを塗ろうとすると下図のように↓
所々、はみ出してしまう箇所が出てきやすくなります。
ですので、「はみ出さないで塗りたいな~」という人は、塗りの一発目からキワのぎりぎりを攻めすぎない方がいいと思います。
(特に技術がついてきていないうちは)
まずは上図↑のようにキワの「ぎりぎり内側を塗る」ような感覚を意識します。
キワの「境界線の内側」を強く意識します。
所々、キワに「塗り残し」があってもいいです。
「はみ出す」よりも「塗り残す」方がいいです◎
もちろん、きわきわまでピタッと塗れたら、それが一番いいです。
次にキワの塗り残しを、筆を何度か通して塗り潰していきます。
筆を何度も通しつつ、修理箇所の「内側から外側(「キワ」の境界線)に向かって」、徐々に漆で塗り潰していくようなイメージでキワ塗りの作業をおこないます。
輪郭の「きわきわ」まで塗っていきます。
ちょっとでも「塗り残し」があると結構、ダサく見えるし、自分でもすごく気になってくるので、細心の注意を払います。
● どう頑張っても「キワに塗り残しがある」…という方は「メガネ型ルーペ」を掛けながら作業するのがおススメです↓
僕の場合、年齢が40代になって、いつの間にか細部が見えなくなっていたので、現在「ハズキルーペ」を購入して使っています。
いつの間にかキワの部分の塗り残しが自分の目では判別できなくなっていたのです。
地塗りの段階で、自分では「完璧にきれいに塗れたつもり」が、実際に金粉を蒔いて仕上げてみると、キワの一部にほんのわずかな塗り残しがあったりするのです。
これは「自分の技術・努力が足りないから」であり、修練あるのみだ!と思ってしばらく頑張っていたのですが、ふと、「これってもしかして僕の目が見えていないのかも??」と思い、思い切っていくつかのルーペ類を試してみたのです。
結果、ハズキルーペでほぼほぼ解決しました◎
技術・努力ではなく、「拡大鏡」が必要だったということです。
ハズキルーペの1.85倍のレンズを使っているのですが、対象物が大きく見えて、断然、描きやすくなりました◎
キワの塗りの精度も格段に高くなりました。
効果絶大ですので「キワの塗り残しが見えない…」という方には100%おススメです。
(ハズキルーペの宣伝みたいですね~)
● 一周、ぐるっとキワを塗り終えたら、僕の場合、「ポケットルーペ」で最終確認します。
これでチェックすると100%近く、塗り残しを発見することができます◎
ポケットルーペは結構、頻繁に使いますので、継ぎ師にとってはマスト・アイテムです。
1枚あたり倍率4倍のレンズで2枚ついています。レンズが大きめのもの(径36㎜)を使っています。
金継ぎでは径の大きいレンズの方が使いやすいと思います。
地塗りの漆が
はみ出した時
の掃除
▪▪▪
● 地塗りのはみ出し
◯【塗っている最中の場合】
・アルコールを付けたウエス/ティッシュで全面拭き取ってやり直し
・朴の木ベラでピンポイント掃除
(ルーペで見ながら作業するとやりやすい)
※ かなりしっかりと拭き取らないと、蒔絵粉が張り付いてしまい、粉が無駄になる。
(拭き取ってもごくわずか漆が「拭き漆状態」で残っているので、蒔絵粉が付いてしまいやすい)
※ テレピン/灯油などの揮発性が遅い溶剤で拭き取ると、漆が薄っすらと残りやすいので、蒔いた粉もくっつきやすい。なのでアルコールを使う。
↑
この「くっついた粉」は乾いてからの掃除はやりやすい。
拭き漆状態のほんのりとした漆で引っ付いているだけなので、磨き粉で軽く取れる
◯【乾いた後(粉固め前)の場合】
・竹木砥or針砥で乾いた蒔絵粉を削る
(ルーペで見ながら作業するとやりやすい)
「竹木砥たけきど」はただ、竹の「皮側」を削って「尖らせる」だけで出来ます。
簡単に作れます。
竹木砥の作り方の解説ページ/動画は近いうちに用意したいと思います。
今回は「真鍮粉」を蒔くので「普通の厚み」に漆を塗っていきます。
この時点では「きれいに塗ろう」というよりかは、厚みだけは気にしつつ、どんどん漆を「配って」塗り潰していく…という感じです。
【塗りの手順】
その② 塗り込み
▪▪▪
■ 輪郭の内側を塗り潰す
ここからは「小筆」↑を使用
2.「小筆」輪郭の内側を塗り潰します。
とりあえず内側全体に漆を「配って」しまいます。
できれば「均一な厚み」を意識して
漆を配ってください。
全体に漆が配れたら、最後に「筆を通し」ます。
③ 筆を通して漆を均す
漆が配り終わったら、最後、筆を上下左右に通すことで漆の塗り厚をなるべく均一にします。
「短手方向」に筆を筆を揃えて小刻みに通し
↓
次に「長手方向」に筆を通します。
「細い線」の部分も、最後にもう一度、筆を通します。
【塗りの手順】
その③ 仕上げ
▪▪▪
■ 短手方向に筆を通す
3.修理箇所の「短手方向」(例えば左→右)に小筆を細かく通す。
4.反対方向の短手側に筆を通す。
Point
・線が細過ぎて、「短手方向に」筆が通せない場合は無理せずスルーしてください。
例:Ⓑの細い箇所
・「漆の厚いところから、薄いところに移動させる」ような感覚で「漆の塗り厚」がなるべく均一になるように意識して、筆を通してください。
つまり、漆の表面を「撫でるように」筆を動かすのではなく、もうちょっと筆圧を上げて「漆を引っ張る」感じです。
・この作業では「隙間」が空かないように、「筆を通した跡」に少し被せるようにして次の筆を通してください↓
「筆を通した跡」に少し筆を被せて通す…とは↑こうゆうことです◎
(伝わりますか??)
■ 長手方向に筆を通す
線が細過ぎて、「短手方向に」筆が通せなかった部分でも、「長手方向」になら通せることが多いので、できるだけ筆を通して、漆の厚みを均一にしておきます。
なるべく「小筆」で通していきます。
小筆だと太くて通しづらい線は「極細筆」を使って通してください。
Point
・特に最後の「通し」では、「筆跡(筆を通した筋)」を消すような感覚で、撫でるような筆圧で通してください◎
地塗り作業が完了しました◎
ご注意!
● 漆は厚く塗ると「縮む」可能性があります。
ですので、基本的には「薄く」「均一」になるように塗っていきます。
ちぢむ??
って何ですか?
漆のちぢみ
▪▪▪
● 縮みの影響
・こんな感じに↑漆の表面がシワシワになる
・表面は乾いているのに、塗膜の内側は乾いていない
内側まで乾くのに2~3週間くらいかかります。
塗膜表面と塗膜の中の方との乾くスピードに「差」があり過ぎるとこうなるのだと思います。多分。
● 縮みが起こる条件
① 漆の塗り厚が厚過ぎる
② 乾きが早すぎる
・湿し風呂の中をあまりに高温湿度条件にした場合
・濡れタオルが近すぎる場合
● 縮んだ場合の対処方法
① 放っておく(内側が乾くまで気長に待つ)→乾いたら研ぐ→塗り直す
② 固めのヘラなど(刻苧ベラとか?)でシワシワの箇所の塗膜を剥がす
※ 塗膜が柔らかいので、簡単に剥がせる。
→アルコール+ウエスでゴシゴシ拭き上げる→研ぐ→塗り直す
基本的には②の「剥がして→やり直す」方がよろしいかと思います◎
塗り終わったばかりの状態は「筆跡が立って」いて、塗り面が少しガタガタしている場合があります。
空風呂(湿していない場所)に10∼20分程度放置して、筆跡が沈むのを待ちます。
「直ちに蒔いた方が良い」理由ですが↓こちらのページで詳しく解説しています。
使用「後」の筆の洗い方
漆を使った筆は作業後、「油」で洗います。
油で洗わなで、アルコールやテレピンで洗うと筆の中に僅かに残った漆が硬化するので、次第に筆がゴワゴワしてきて使い物にならなくなります。
作業工程
① 折り畳んだティッシュで漆の付いた筆を包む。
② ティッシュを摘まんでギュッと漆を絞り出す。(数回おこなって、しっかりと絞り出す)
③ 筆に油を含ませる。
④ 作業盤の上で捻ったりしながら油を馴染ませる。
⑤ 筆の根元からヘラで「油+漆」を「優しく」しごき出す。
(特に毛先はヘラが強く当たらないようにする。強く当てると毛先が劣化してカールしてきたり、まとまらなくなってきます)
⑥ ヘラで廃油を掬い、ティッシュに吸わせる。
⑦ 再び油を含ませる
⑧ 作業盤の上で、ヘラを使って絞り出す
⑨ 廃油の中に漆分が(ある程度)含まれなくなるまで…つまり「透明度」が高くなるまで繰り返す。
⑩ 最後に綺麗な油を筆に含ませ、軽くティッシュに吸い取らせます。
⑪ 洗い終わった筆は付属のキャップをして保管する
使う道具/材料
・サラダ油
・ゲル板
・ティッシュペーパー
・エッジが鋭くないヘラ(筆洗いベラ)
① 折り畳んだティッシュの上に漆の付いた筆を置きます。
② 両側から筆をティッシュで包んで、ぎゅっと摘まみ、漆を絞り出します。
③ これを数回おこなって、しっかりと絞り出します。
この時点でしっかりと漆を絞り出してしまった方が、この後の「油で洗う」時、筆が早く綺麗になります◎
③ 油の入った瓶に筆を入れて、油を含ませます。
④ ゲル板の上で優しく捻ったり、クネクネ(?)させたりして、筆に油を馴染ませます。
(こんな表現でいいんでしょうか?)
⑤ ゲル板の上で筆の根元からヘラで「油+漆」を「優しく」しごき出します。
※ 「優しく」しごかないと筆が痛みやすくなります。特に「毛先」が痛みやすいので、毛先は軽く触る程度にしてください。
※ 根元に漆が残りやすく、それが影響して、筆先が割れてくると思われますので、入念に掻き出します。
⑥ 筆の中の「油+漆」の廃油がしごき出せたら、ヘラで廃油を掬い、、、ティッシュに吸わせます。
こうして廃油をどかしておくと、作業盤の上が常にクリーンな状態で筆の洗い作業ができます◎
この後は「③→④→⑤→⑥」を繰り返します。
廃油の中に漆分が(ある程度)含まれなくなるまで…つまり「透明度」が高くなるまで繰り返します。
⑦ 最後に綺麗な油を筆に含ませ、軽くティッシュに吸い取らせます。
⑧ 付属のキャップを被せて終了です◎
※ キャップが無かったらサランラップを丁寧に巻いてください。キャップがない、もしくはキャップを作りたいという方はこちら↓を参考にしてください。
▸ 筆のキャップの作り方
使用後の筆の洗い方でもっと詳しく知りたい方は↓こちらのページをご覧ください。
▸ 使用後の詳しい筆の洗い方
【粉入れ(蒔絵粉を蒔く)】
いよいよ「蒔絵粉」を蒔いていきます。
緊張するかもしれませんが、そんなに難しい作業ではありませんので大丈夫です◎
〈使う道具/材料〉
道具:
② ティッシュぺーパー
③ 絹の真綿 ⑤ 粉鎮
⑥ あしらい毛房
⑦ 筆洗いベラ
◯ 粉盤(キッチンシートもしくは漆塗りのお盆)
材料:
① アルコール(テレピン、灯油など)
④ 蒔絵粉(今回は真鍮粉)
※ その他、本漆金継ぎで使うおススメの道具・材料の一覧(購入先も)を↓こちらのページにまとめました。
▸ 本漆金継ぎで使う道具・材料ページ
※ 今回は「あしらい毛房(毛の柔らかい筆)」を使って粉を蒔きます。
● 「真綿」を使う場合は…
真綿の仕立て方の解説ページがありますので、初めての方はご覧ください↓
● 金粉、銀粉で蒔絵をやりたい方はこちらのページをご覧ください↓
かなり詳しく解説しています。
○ そもそも「丸粉」とか「消し粉」とかって何??という方はこちらをご覧ください。
→▸ 蒔絵粉の種類とその特徴
■「消し粉」について→▸【消し粉】の蒔き方
■「平極粉」について→▸【平極粉】の蒔き方
■ 「 丸粉 」について→▸【丸粉】の蒔き方
粉入れの事前準備
粉入れ作業中に落ちた蒔絵粉を回収するために「粉盤」を用意します。
(↑“トレー”ってことです)
粉盤としては「漆塗りのお盆」や「ツルツルした紙(クッキングシートなど)」を使います。
- 要するにツルツルして、「蒔絵粉がくっ付かなければ」オッケーです◎
※ 真鍮粉の場合、粉盤に微粉がくっついちゃいますが、それでもある程度は回収することができます。
クッキングシートを使う場合は30㎝くらい出します。
粉盤の上に蒔絵粉の包み紙を設置し、その上で作業をおこないます。
▪実作業▪
※ 今回は「あしらい毛房(毛先の柔らかい筆)」を使いますが、「真綿」を使ってもオッケーです◎
● 器は違いますが、「毛棒蒔き作業」の参考になりそうな動画です↓
5:08~から再生
● ついでに「綿蒔き作業」の参考になりそうな動画です↓
8:36~から再生
※ 粉入れ作業も器の「内側」からおこなったほうがよろしいです。
今回は真鍮粉を蒔きます。
■ 粉入れの手順
- 小さな匙(小ベラ…など、何でも構わないです)で真鍮粉を「多目」に掬って、漆を塗った箇所の脇に乗せます。
- 乗せた「真鍮粉の山」をあしらい毛棒(毛が柔らかい筆)で掃いて、漆の上を「一気に手早く通過」させます。
「通過させる」というところがポイントです! - 十分に粉が蒔き詰まるまで、漆の上を手早く何往復も通過させます。
地塗りをしたところの脇に蒔絵粉を乗せます。
毛の柔らかい筆で、一気に真鍮粉を掃いていきます。
蒔絵粉を塗った漆の上に「置きっ放し」にするんじゃなくて、そのまま「通過」するように掃いていきます。
真鍮粉が少なくなってきたら足して、常に「多目」の真鍮粉が器に乗っているようにしてください。
作業は手早くおこないます。
ゆっくり作業をしていると、粉の付き方がムラがでてくる可能性があります。
(と言っても、真鍮粉の蒔絵は金粉・銀粉ほどシビアな作業ではないので、気楽にやってください◎)
全体に真鍮粉を蒔き詰めたら、残った粉はあしらい毛房で払い落として、包み紙に戻します。
周りに残った真鍮粉はなるべくこの時点で払い落としておきます。
ただし、あしらい毛房で「ゴシゴシ」擦りつけていると、蒔いた箇所を擦ってしまう恐れがあるので、「そこそこ」で大丈夫です◎
全体に真鍮粉を蒔き終えました。
蒔き終わってから、2~3分経ったら、粉を蒔いたところをチェックします。
もし、蒔絵粉が沈んで、薄っすらと漆が表面に浸みて(濡れ色になって)いる部分↑があったら、再度、濡れ色のところに蒔き詰めてください。
これで蒔絵作業は完了です。
「薄っすら」と周りに残った真鍮粉は、漆が乾いた後、水で洗い流しますので、この時点ではこのままでオッケーです。
頑張ってティッシュなどで拭き取らなくて大丈夫です。
漆を乾かす
作業が終わったら湿度の高い場所に置いて漆を硬化させます。
そう、漆は空気中の水分を取り込んで硬化するのです。不思議な樹液ですね◎
【漆が乾く最適条件】
前後の環境に置く
※ 最適条件より下回っても、少しゆっくりになりますが乾きます◎
え~!
「高」湿度!の場所??
はい、その通りです◎
漆が乾く上記の条件を作るために「箱」を用意します。
手っ取り早く手に入る「段ボール」を例にご説明します。
① まず下にビニール袋を敷いて、段ボールが濡れるのを防ぎます。
次に濡らして「固く絞った」キッチンペーパー(もしくはウエス)を中に置きます。
② 作業が終わった器を入れます。できればウエスから少し離した場所に置きます。
(上の画像よりも、もう少し離れた場所に置いた方がいいです)
③ 蓋を閉めて、湿度が逃げないようにします。
④ 鳩は入らないようにします◎
漆の乾きがよくないようでしたら、こまめに湿度を与えます。(5時間おきとか)
大体の場合は、初めに湿度を与えてあげればしっかりと乾きます。
※【箱】…段ボール、コンテナ、発泡スチロール…等々、何でも構いません。
要するに湿度が逃げない(逃げにくい)ように「閉じた空間」が作れればオッケーです。
※【布類】…水を含ませておくためのものですので、何でも構いません。
使っているうちにカビが生えたり、匂いがしてきたりするので、「キッチンペーパー」が使い勝手がいいようです。(匂ってきたら捨てられますから)
これで完成です。
どうぞ食卓でお使いください。
※ 3,4種類の真鍮粉を試したのですが、「粉固め(蒔絵粉を蒔いた後、その上から薄く漆を摺り込んでコーティングする作業)」をすると、どうしても「黒っぽく」なっちゃいました。
ですので、金継ぎ図書館では「真鍮粉は蒔きっ放しで完成」ということにしています。
(「消し粉」と同じですね)
1週間経ったら、台所用の柔らかいスポンジを使って、水を流しながら残った錫粉を洗い流します。
今回は「錫粉の蒔きっ放し」で完成とします◎
どうぞ食卓でお使いください。
※ 「錫粉」を蒔いた場合で、磨いてピカピカに光らせたい!という場合
この後、もう2工程必要となります。
① 錫粉を漆で固めて
② ガラス棒など、硬くてツルツルしたもので磨いて完成
…となります。
違う器の修理例ですが、こちらのページを参考にしてください↓
あしらい毛房を洗う
蒔絵作業時にほんの少し、毛棒の毛先に漆が付くことがあります。
(目では見えませんが、付いているような気がします)
そうならないように、作業後は毎回、アルコールで軽く筆を拭いて、毛先の漆分を除去します。
洗い方
- 折りたたんだティッシュに「アルコール」を軽く含ませる。
- そのアルコールを含ませた箇所に筆を置き
→ 筆先をティッシュで挟んで軽くぎゅっとする。 - ティッシュの挟む場所を変えて、またぎゅっとする。(これを4,5回おこなう)
毛棒蒔きであしらい毛棒を使ったら毎回、これをやって掃除しておけば、「毛先に球」になりづらいと思います◎
なので、作業後はアルコールで軽く筆を洗って、毛先についた(であろう)漆分をなるべく除去します。
【完成】
これで「壊れた急須の取っ手」の修理は完成です◎
どうも長い間お疲れ様でした。
その他の作業ページを見る
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- P01 素地の研ぎ~麦漆接着
- P02 麦漆削り~刻苧付け
- P03 刻苧削り~錆付け
- P04 錆削り・研ぎ~捨て塗り
- P05 捨て塗り研ぎ~繕い錆付け
- P06 繕い錆研ぎ~下/中塗り