合成うるし(新うるしなど)の塗り方・扱い方を解説していきます。
※ 新うるしなどの合成うるしは本物の漆ではありません。
詳しくはこちらのページをご覧ください↓
※ 合成うるしの商品類の中で今のところ「新うるし」がメジャーなようなので、主に「新うるし」と表記するようにしています。ところどころ「合成うるし」と書いたりしていてわかりずらいかもしれませんがご容赦ください。
新うるし塗りで使う道具・材料の準備
道具:
③ 付け箆 ‣作り方ページ ‣作り方の動画
④ 小筆 ▸Amazonで見る
⑤ 作業板(クリアファイルなど)
〇 ゲル板 ▸Amazonで見る
材料:
① サラダ油 ② ティッシュ
⑥ テレピン ‣Amazonで見る
⑦ 新うるし(今回は「ゴールド色」)▸Amazonで見る
※ 油とティッシュペーパー、ゲル板は筆の掃除用として使います。
※ 簡易金継ぎで使うおススメの道具・材料一覧を↓こちらのページにまとめました。
今回は合成うるし(新うるしなど)の金色を使います。
※ チューブを使い始める前にぜひ、見ておいて欲しい!
「使っているうちにチューブの蓋が固まって開かなくなる問題」につての解決方法↓
〈使い方 01〉筆を使う前にテレピン洗う
使う前にまずはテレピンで筆を洗います。
なぜテレピンで洗うのかといいますと、毎回、作業終了時には筆を油で洗うので、筆に油が含まれた状態にあります。
筆に油が含まれたままだと、その筆で塗った合成うるしが乾かなくなってしまいます。ですので使う時には必ずテレピンで油を洗い流します。
参考になる動画がありますので、↓こちらもご覧いただけたらと思います。
テレピンを2,3滴、作業板に垂らします。
それを筆に含ませて、作業板の上で少し捻ったり転がしたりします。
ティッシュに油とテレピンを吸い取ってもらいます。
〈使い方 02〉新うるしの調合(簡単金継ぎの方法)
これが、「うらしま印(サンコー商会)」の金色セットです。
「透明うるし(チューブ入り)」と「金色の粉(小瓶入り)」のセットです。
小瓶を開けまして。
小さい箆(付け箆)で少量すくい取ります。
作業板に置きます。
チューブに入った合成うるしを作業板に出します。
今回はほんの少ししか塗らないので少量出します。
箆でよく練り合わせます。
合成うるしの硬化速度は、本物の漆と比べると格段に速く、塗り作業中にだんだんと粘り気が出てきてしまうので、この「練り合わせ作業」もなるべく手早くおこなってください。
筆に含ませます。
ピカピカ光ってきれいです。
ファイツ!!
〈使い方 03〉新うるしの塗り(簡単金継ぎの方法)
今回はサンプル用の器に塗ってみます。
すでに1回、赤うるしで塗ってある状態です。
それを#600の耐水ペーパーで水研ぎしました。
(上の画像はすでに金色の合成うるしをちょっと塗り始めている状態です)
はい、塗ります。ただただ塗ります。
少しくらいはみ出してもいいと思います。気にせず。
塗っていると合成うるし(新うるしなど)の粘り気がどんどん強くなってきます。
(この特徴がちょっと扱いにくいところでもあります)
粘りが強くなって来たら…
テレピン(もしくは専用の薄め液 ‣Amazonで見る)を1,2滴垂らして。
箆でよく混ぜて、新うるしを緩めます。
再び塗りに戻ります。
塗ります。
塗り終わりました。
お、意外ときれいです。
作業が終わったら、すかさず作業板の掃除をします。
放置していると作業盤の上に残った新うるしがどんどん硬化していっちゃいますから。
テレピンを数滴垂らして。
ウエス(ティッシュ)で拭き取ります。
※ 新うるしが乾いてきていて、テレピンでなかなか拭き取れないようでしたら、エタノールの方が掃除しやすいと思います。
これで作業板はきれいになりました。
新うるしの表面は何時間かで硬化しますが、しっかりと固く「締まる」までには2~3日を見ておいた方がいいと思います。
とくに「厚塗り」した時は乾きが遅くなります。1週間くらい待つ感じでしょうか(いや、もっとかも)。
使い出すまで、ちょっと辛抱してください。(新うるしの”匂い”が取れるのに数日かかりますので、どのみち待ちたくなると思います)
〈使い方 04〉筆の使用後に油で洗う
使い終わった後は油で筆を洗います。
※ 料理用のサラダ油でオッケーです。
なぜ油で洗うのかといいますと、油と合成うるしとは相性が悪いので、筆に油が含まれていると、筆の中に僅かに残った合成うるしの硬化を防ぐことができます。
逆に油で洗わず、テレピンやエタノールで洗った場合、一見、きれいになったように見えますが、筆の中に残った僅かな合成うるしの成分が硬化するため、それを繰り返していくうちに筆自体がだんだんとゴワゴワしてきて、使いづらい(毛先がまとまらない)筆になってしまいます。
ということで、みなさん、使い終わった後は油で洗ってくださいね◎
「本漆バージョン」ですが、参考になる動画がありますので、↓こちらをご覧ください。
作業が終わりましたら最後に筆を洗います。
使用するものは…
・サラダ油
・ティッシュ
・付け箆
・ゲル板(←あるといいです)
です。
筆に油を含ませます。
作業板の上で筆を回したり、捻ったりして穂先をほぐし油と合成うるしをよく馴染ませます。
ティッシュの上に筆を置いて筆の中の油を箆でやさしくし掻き出します。
筆先が痛まないようにやさしくです。
※ ティッシュの上じゃなくて「ゲルの板」↓の上でやった方が筆の痛みが軽減されるので、現在はゲルを使うことをおススメしています。
ティッシュに合成うるしと油を吸い取ってもらいます。
これを何度も繰り返します。
5~8回くらい繰り返します。
筆の中にうるしが残っている間はティッシュが茶色くなります。
ティッシュの上でしごいた跡がある程度、透明になるまで繰り返します。
最後はティッシュの上で筆を軽く転がすだけにして余計な油を吸ってもらいます。
(最後は箆でしごきません)
少し油を含ませておく感じです。
以上で筆洗い、終了といたします。
筆は付属のキャップを嵌めて保存します。
キャップが無かったらサランラップを丁寧に巻いてください。
キャップがない、もしくはキャップを作りたいという方向けに簡単なキャップを作るページありますので、ご覧ください。
▸ 筆のキャップの作り方ページ