リムがちょっと欠けた岡田直人さんの器を漆も使って簡単に直す簡漆金継ぎ 2/2 蒔絵完成まで

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※ このページはリムの欠けた丸皿の金継ぎ修理のやり方を説明しています。本物の漆も使った修理方法ですのでかぶれる」可能性があります。ご注意ください。

今回は金継ぎの工程のうち、〈欠けた部分に漆を塗る~蒔絵を施し完成させるまで〉のやり方を解説していきます。

 

 

 

STEP 04 漆の下塗り


金継ぎの漆の上塗り作業で使う道具と材料
漆の塗りで使う道具と材料

  • 道具: ② ティッシュペーパー ③ 付け箆 (▸ 付け箆の作り方) ④ 小筆 ⑦ 作業板(クリアファイルなど) ・ ゴム手袋
  • 材料: ① サラダ油 ⑤ 精製漆(今回使ったのは弁柄漆) ⑥ テレピン

 

※ 本漆を使う作業では必ず「ゴム手袋」をしてください。

 

まずは使う前に筆をテレピンで洗って油を洗い出します。
 ▸ 詳しい筆の洗い方

筆に”油”が含まれているので(!?)、毎回、使うときにはまず筆の中の油を取り除きます。(←作業が終わったときに筆を”油”で洗っているからです)

  1. 作業板の上に数滴テレピンを垂らす。
  2. その上で筆を捻ったりしてテレピンをよく含ませる。
  3. ティッシュペーパーの上でヘラで筆を優しくしごく。

 

筆の準備が済んだら、今度は漆の用意をします。

  1. 漆のチューブの蓋を開ける。(この写真で使っているのは”呂色(黒色の漆)”です)
  2. 作業板の上に少量の漆を出す。
  3. 筆に漆を馴染ませる。
  4. 作業板の上に何本か線を引き、漆の量を調節しつつ、含み具合をチェックする。

漆の中にゴミがたくさん入っている場合などは濾し紙で漆を濾してきれいにします。必要な方はこちらをご覧ください。
 ▸ 基本的な漆の扱い方・濾し方

 

 

筆と漆の準備が済んだらいよいよ塗りに入ります。

 

簡単な金継ぎの漆塗り作業では漆を薄く均一に塗っていく

パテ修理した面を完全に覆うように漆を塗っていきます。
なるべくでしたらあまりはみ出さない方がいいと思います。(とはいえ「パテを覆う」にはほんのちょっとはみ出すことになると思いますが)
ガラス質部分に塗られた漆はどうしても剥がれやすくはありますので。

 

漆は厚くならないように気を付ける

漆は均一に薄く塗ります。これが原則です。
作業板の上で筆に含まれる漆の量を調節してください。漆が厚くついてしまったら、筆でそれを広げるか、漆をしごいた筆でなでて吸い取ります。

欠けた場所の前面に漆が塗れたら、最後に上下左右から筆を何度も通してなるべく漆が均一な厚みになるようにします。

 

金継ぎの漆下塗り作業が完了

 簡漆金継ぎの漆塗り作業が完了しました。
湿度の高い場所(65%~)に置いて1~2日、乾かします。

 

塗り終わったら油で筆を洗います。 ▸ 詳しい筆の洗い方

洗い終わったら筆にキャップをつけて保管します。
キャップがなかったらサランラップで優しく包んでください。

 

 

 

 

STEP 05 漆の下塗り研ぎ


金継ぎのエポキシペースト研ぎ作業で使う道具と材料

漆の研ぎで使う道具と材料

  • 道具: ③ 豆皿(水入れ用) ④ ウエス ⑤ はさみ(ペーパー切り専用にしたもの)
  • 材料: ① 耐水ペーパー(今回は#800) ② 水

 

 

漆を研いでいきます。

 

  1. ペーパー研ぎで使う道具たち
  2. ペーパーを1㎝×1㎝くらいの大きさにハサミで切る
  3. 三つに折る
  4. 少量の水を付ける

 

塗った漆をペーパーで研ぐことでさらに平滑な面、ラインを作り出します。

 

塗った漆を耐水ペーパーで水研ぎする

水を少し付けた耐水ペーパーを上下左右と細かく動かして研いでいきます。
この時なるべく器の素地部分を研がないようにします。(とはいえ、どうしたって少し研ぐことになりますが)

 

金継ぎの漆研ぎ作業ではペーパーの#1000くらいで研いでいく。

 なるべく平滑な面ができるように研いでいきます。わずかな凹凸がありますので、それがわからなくなるようになるべくごまかします。はい。

 

耐水ペーパーでの水研ぎではなるべく平滑な面を作るように研いでいく

↑ごまかしきれませんでした。 色の濃い部分は凹んでいて「研ぎ」が当たっていません。が、今回の仕上げは真鍮粉で仕上げるのであまり目立ちません。のでこのくらいでオッケーです。

金粉や銀粉を蒔く場合はなるべくシビアに面を作った方がいいです。

 

 

 

 

 

STEP 06 漆の上塗り→蒔絵


金継ぎの漆の上塗り作業で使う道具と材料
漆の塗りで使う道具と材料

  • 道具: ② ティッシュペーパー ③ 付け箆 (▸ 付け箆の作り方) ④ 小筆 ⑦ 作業板(クリアファイルなど)
  • 材料: ① サラダ油 ⑤ 精製漆(今回使ったのは呂色漆) ⑥ テレピン

 

 

まずは使う前に筆をテレピンで洗って油を洗い出します。 ▸ 詳しい筆の洗い方

筆に”油”が含まれているので(!?)、毎回、使うときにはまず筆の中の油を取り除きます。(←作業が終わったときに筆を”油”で洗っているからです)

  1. 作業板の上に数滴テレピンを垂らす。
  2. その上で筆を捻ったりしてテレピンをよく含ませる。
  3. ティッシュペーパーの上でヘラで筆を優しくしごく。

 

 

 いよいよ蒔絵です。
蒔絵は漆を塗って、その漆が乾かないうちに(乾き始めのときに)金属粉を蒔く技法です。

 

簡単な金継ぎの上塗り工程では漆はさらに薄くを心掛ける

 蒔絵の時には漆はさらに薄目に塗っていきます。
厚くなると金粉、銀粉がずぶずぶと沈んでしまいます。なのでなるべく薄く均一に、です。

 

漆の上塗りは薄く、均一に塗る

今回は少し厚めに塗りました。
このあと錫粉を蒔きます。その錫粉が適度に沈むようにと考えて「厚目」に塗っています。
漆に少し沈んだ錫粉の表情と、磨き上げた錫粉の表情とは結構違いがあります。
慣れてきたらチャレンジしてみてください。

 

通常の蒔絵工程では湿度の高い場所(65%~)に置いて少し乾かします。20~40分くらいでしょうか(乾き始めるまで待ちます)

 

 

塗り終わったら油で筆を洗います。 ▸ 詳しい筆の洗い方

洗い終わったら筆にキャップをつけて保管します。
キャップがなかったらサランラップで優しく包んでください。

 

 

 

金継ぎの蒔絵作業で使う道具と材料
蒔絵で使う道具と材料

  • 道具: ① あしらい毛棒(柔らかい毛質の筆) ③ 重石
  • 材料: ④ 蒔絵紛(今回は錫粉を使用)

 

 

今回は蒔絵紛を「沈めたい」のですぐに蒔きます。 

 

金継ぎの蒔絵作業では錫粉を使う

錫粉をあしらい毛棒(柔らかい毛質の筆)の穂先に付けて漆を塗った部分にのせます。
錫粉の入った包み紙の上で紛蒔き作業をすると、落ちた錫粉が無駄にならずに済みます。

 

漆を上塗りした部分に錫粉を蒔き、筆で掃いていく

 のせた錫粉をあしらい毛棒でささっと軽く掃いて漆の上に広げていきます。

器の縁部分にも錫粉を蒔いていく

 リムの横にも錫粉を蒔きます。ちょっと蒔きづらいです。

簡単な金継ぎの蒔絵工程が完了

 簡漆金継ぎの蒔絵作業が終わりました。
漆を厚く塗った効果がよくわからない?そうですねー。

時間が経つにつれてじわじわと錫粉が沈んでいきますので、完成したときの御愉しみということで。

 

 

 

 

縁の欠けたリム皿の簡漆金継ぎの完成


 

岡田直人さんのお皿の簡単な金継ぎ修理が終了

 

岡田直人さんのお皿の簡単な金継ぎ修理が終了

 

岡田直人さんのお皿の簡単な金継ぎ修理が終了

 

岡田直人さんのお皿の簡単な金継ぎ修理が終了

 

岡田直人さんのお皿の簡単な金継ぎ修理が終了

 

岡田直人さんのお皿の簡単な金継ぎ修理が終了

 

岡田直人さんのお皿の簡単な金継ぎ修理が終了

 

 

 

前回の作業工程を見る ▸  ①パテ削りまで

 

 

 

 

 

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