ファイツ!
※ 〈新うるし〉のメーカー側の説明です…
植物性のうるし系塗料です。
・本品は毒性の強い物質ではありませんが念の為、食器等口に含む恐れの有る物に塗装しないでください。
とのことですので、これをどう判断するか?ですよね。正直、難しいなぁーというのが私の感想です。
万全の安全性を考えるなら「菓子器」など口を付けたりしないもの、もしくはあまり食品が触れないような器の使い方をされた方がいいかもしれません。
それよりもみなさん、「本漆」、やってみませんか?(笑)
ご注意ください : このページでは合成うるし(※天然の漆ではありません)を使った簡単(簡易)金継ぎのやり方をご説明しています。 |
PAGE 04 ‣ <BOOK k-01> 白い湯呑
〈 目次 〉
- STEP 4.1 簡単金継ぎの合成うるし研ぎ
- STEP 4.2 簡単金継ぎの合成うるし上塗り
- STEP 4.3 簡単金継ぎの蒔絵
- STEP 5.1 簡単金継ぎの紛固め
- STEP 5.2 簡単金継ぎ完成
STEP 4.1 簡単金継ぎの合成うるしの研ぎ |
合成うるしがしっかり乾いたら研ぎます。
合成うるしは2回塗り重ねました。二回目は赤いうるしを塗りました。
なのでラインが赤いのです。
使う道具・材料 :
- 耐水ペーパー(#600か#800くらい)
- 水(水を豆皿に入れて使うと作業しやすいです)
- はさみ
- ウエス(研ぎ汁を拭き取ります)
はさみがあると小さく切るとき便利です。手でもできますが。
はさみを100均などで買ってきて、ペーパー専用のはさみにしてしまします。
ぺーパーを一度切ると、切れ味がガクンと落ちて他のものが切れなくなります。
ので、ペーパー専用としてしまします。
ペーパーを1㎝四方くらいにハサミで切ります。
それを三つに折って細長くして使います。
指先で持ったり、爪の先で押さえながら使います。
ペーパーの研磨力は高いようで陶器に傷をつけてしまいます
うっすらとですが
なのでなるべく修理箇所以外は研がないように気を付けてください。
んなこと言ったって、研いじゃいますけどね。
ペーパーを三つに折るのは、一枚だと腰がなさすぎるし、二枚でもやや甘い。
三枚くらいがちょうどいいということです。
あくまでも私のやり方なのでお好みに合わせてやってください。
多くの金継ぎ本でおススメしているのは
小さく切ったペーパーをくるっと棒状に丸めて使っています。
研ぎました。
画像で白っぽく見えているところがペーパーが当たっているところで、
濃い赤色の部分はまだペーパーが当たっていません。
つまり平滑になっていない、デコボコということです。
こちらもちゃんと研ぎます
綺麗で滑らかな仕上げを望むのならデコボコがなくなるまで
合成うるしの塗り→研ぎ→塗り→研ぎ→…
と、繰り返します。
ん?ナンデ塗ったのに研いで、それでまた塗るの?何か効率わるいんじゃないの?と思われると思います。
研がなくていいじゃん。と。
研がないで塗り重ねる…と、塗り重ねた上のうるしの食いつきが悪かったり、それまでに作ってきた綺麗なラインが微妙に崩れたり、それから意外と平滑な面を作るのに効率が悪かったりするのです。
ここらへんは何個かやってみるとだんだん「そうかもしんないね」と納得してもらえるところだと思います。納得してもらえない方もいますが。まぁ、いいのです。
STEP 4.2 簡単金継ぎの上塗り方法 |
使う道具・材料・その他
- 道具 : 小筆(合成うるし用…面相筆)、
- 材料 : 合成うるし(新うるしなど)、テレピン、サラダ油
まずは筆の中の油分を洗い出します
→使用前の筆を洗うやり方
今回は蒔絵風に金属粉を蒔いてフィニッシュしました。
が、これですと金属粉が取れやすいです。
金属粉が取れないように蒔絵後にその上から透明な合成うるしを薄く塗った方が強度がでます。(←この手順がいわゆる本漆の金継ぎと同じ手順です)
※本来の合成うるしの塗り方は透明うるしに金属粉(真鍮粉など)を混ぜ合わせて、それを塗ります。
→合成うるし(新うるしなど)の塗り方・扱い方
今回は白色の合成うるしを使いました。
薄目に塗っていきます。
はい、合成うるしは塗るのが難しいです。はい。
塗り終わったら筆を手早く洗います
→使用後の筆を洗う方法
STEP 4.3 簡単金継ぎの蒔絵(粉蒔き)方法 |
使う道具・材料
- 道具: 柔らかい穂先の小筆(水彩用の筆など)
- 材料: 真鍮粉
合成うるしが乾かないうちに金属粉を蒔きます。
(それほど焦らなくても大丈夫ですが)
金属粉を小筆(合成うるしを塗ったものとは別の筆です)ですくって
線描きしたところに蒔きます
それからやさしくソフトに線描き上に払い集めていきます。
ソフトにです。
サッサッサと金属粉を払い集めます
はい、外側が完了しました
内側も同様に蒔きました
金属粉をまいた箇所が他に触れないように
割りばしの上に乗せて宙に浮かし乾かします。
作業が終わりましたら
金属粉を払うのに使った小筆をエタノール
(なければテレピン、灯油など)で軽く洗ってください
金属粉を払ったときに毛先にほんのちょっと合成うるしが
ついていたりしますので。
STEP 5.1 簡単金継ぎの粉固め方法 |
硬化したら(丸二日くらいみておくとしっかり硬化します)、定着しなかった余分な金属粉を洗い流します。
これで完成…としてもいいのですが、でもこのままだと塗膜の強度が低く、金属粉が取れやすいので上から透明の合成うるしを薄く塗ってコーティングします。
使う道具・材料
- 道具: 小筆、付け箆
- 材料: 透明の合成うるし(新うるしなど)、テレピン、サラダ油
まずは筆をテレピンで洗ってください
→使用前の筆を洗うやり方
↑透明合成うるしを塗っています。
塗り終わったら筆を洗います
→使用後の筆を洗う方法
STEP 5.2 簡単金継ぎついに完成 |
完成しました
意外と見栄えがいいです
間近で見ると粗が見えてくるのですが、
まぁ、いいとしましょう。
はい、裏側もグットです。
合成うるしを使った簡易金継ぎでもきれいに直りました(かのように見えます)。
でも、とにかく本物の漆と比べると塗膜の強度が低いです。
それから安全面での保障がないので食器としては使わないほうがよいかと。
おススメはできませんのでご注意ください。
小物入れとか花器として使われてはいかがでしょうか?
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