欠けた岡田直人マグカップの簡単金継ぎ方法 2/2 新うるしの上塗り・完成まで

簡易金継ぎ

size19

 

「合成接着剤」や「合成うるし」を使った【簡易(簡単)金継ぎ】のやり方を説明していきます。
本物の漆は使っていませんのでご注意ください。

今回は簡単金継ぎの工程のうち、〈新うるしの下塗り~上塗り・完成まで〉のやり方を解説していきます。

 

前回のエポキシペースト付けまでの作業を見たい方は↓こちらのページをご覧ください。

 

 

 

04 新うるしの下塗り

 道具:
① サラダ油 ② ティッシュ
③ 作業板(クリアファイルなど)
④ 練りベラ ‣作り方ページ ‣作り方の動画
⑤ 小筆 ⑥ ゲル板

 材料:
⑦ テレピンもしくは薄め液
⑧ 新うるし(今回は「ゴールド色」)


※ 簡易金継ぎで使うおススメの道具・材料一覧(購入先も)を↓こちらのページにまとめました。

‣簡易金継ぎで使う道具・材料ページ

 

 

まずは使う前に筆をテレピンで洗って油を洗い出します。
▸ 〈使用前〉の洗い方ページ  ‣〈使用前〉の洗い方動画

 

毎回、作業が終わったときに筆を”油”で洗っているので、使うときにはまず筆の中の油を取り除きます。

① 作業板の上に数滴テレピンを垂らす。
② その上で筆を捻ったりしてテレピンをよく含ませる。

③ ティッシュペーパーの上でヘラで筆を優しくしごく。

※ ティッシュの上じゃなくて「ゲルの板」↓の上でやった方が筆の痛みが軽減されるので、現在はゲルを使うことをおススメしています。

 

 

 

 

今回は弁柄色の新うるし(合成うるし)を塗っていきます。

 

欠けた部分に新うるしを塗っていく

 

新うるしは硬化が早いので、作業中に粘りが出てきてしまいます。

粘りが出るとなかなか綺麗に塗れません。筆跡が残りやすくなります。
ですので手早く塗ります。

 

 

もし、塗る面積が広くて、描いている途中で新うるしに粘り気がでてきてしまいましたら、テレピン(もしくは専用の薄め液 を混ぜて緩めてください。

  1. 新うるしのに1,2滴テレピンを垂らす。
  2. ヘラでテレピンを掬う(”濡らす”程度)。
  3. それを新うるしに混ぜる。

 

ただし、テレピンを何度も混ぜているとどんどん新うるしの濃度が低くなってしまいます。
「薄くなりすぎたかな…」と思ったら、新たに金属粉と新うるしを混ぜ合わせたものを作り直してください。その方がきれいな仕上がりになると思います。

 

 

欠けた部分に新うるしを塗っていく

 

手早く、前面に新うるしを塗布したら、最後に筆を通します。
左→右へ、上から少しずつ下へずらしながら筆を通します。それが終わったらこんどは右→左へと筆を順番に通します。上→下へ。下→上へ。

 

欠けた部分に新うるしを塗っていく

 

塗り終わりました。
「白地に赤い色」というのも「梅干し弁当」みたいできれいですね。お、日本の国旗か。

 

欠けた部分に新うるしを塗っていく

新うるしは数時間で表面は乾きますが、しっかりと中まで乾かすには2日くらい待った方がいいです。

 

 

使い終わったら油で筆を洗います

▸ 〈使用後〉の洗い方ページ  ‣〈使用後〉の洗い方動画

① 筆に油を含ませて、作業盤の上で筆に馴染ませる
② ティッシュの上(ゲル板の上の方がベター)に筆を置き、ヘラで優しくしごく

※ 筆をしごく時は「ゲル板」の上でやった方が筆が痛みづらいです。

 

筆は付属のキャップを嵌めて保存します。
キャップが無かったらサランラップを丁寧に巻いてください。

キャップがない、もしくはキャップを作りたいという方向けに簡単なキャップを作るページありますので、ご覧ください。
▸ 筆のキャップの作り方ページ 

 

  ファイツ!!

 

05 新うるしの下塗り研ぎ

 道具:
③ ウエスまたはスポンジ ④ はさみ(切れ味の落ちたもの)
⑤ 豆皿(水入れ用) 〇 水桶

 材料:
① 水差し
② 耐水ペーパー(今回は#600)


※ 簡易金継ぎで使うおススメの道具・材料一覧(購入先も)を↓こちらのページにまとめました。

‣簡易金継ぎで使う道具・材料ページ

 

 

耐水ペーパーは小さく切って使います。

切れ味の落ちたハサミで、耐水ペーパーを1×1㎝くらいに小さく切ります。

それを「三つ折り」にします。
ペーパーに水を少量つけながら研ぎ作業をおこなってください。

 

 

 

新うるしを耐水ペーパーで水研ぎする

 

豆皿に出した水をほんの少しつけて新うるしを研ぎます。

なるべく凸凹がなくなるまで研ぎます。下地のエポキシペーストがどんどん出てくるようでしたら、そこそこで諦めます。このさじ加減は勘でしょうか。

しっかりときれいな面を作りたかったら、どれだけ研ぎ破ってもとことん研いでいきます。そしてもう一度、新うるしの下塗りをすればいいと思います。

 

新うるしを耐水ペーパーで水研ぎする

 

そこそこきれいになったので、このあたりで研ぎを終了します。

 

金継ぎの新うるし研ぎが完了

 

いよいよ次でお終いです。

 

 

 

 

06 新うるしの上塗り

 

 道具:
① サラダ油 ② ティッシュ
③ 作業板(クリアファイルなど)
④ 練りベラ ‣作り方ページ ‣作り方の動画
⑤ 小筆 ⑥ ゲル板

 材料:
⑦ テレピンもしくは薄め液
⑧ 新うるし(今回は「ゴールド色」)


※ 簡易金継ぎで使うおススメの道具・材料一覧(購入先も)を↓こちらのページにまとめました。

‣簡易金継ぎで使う道具・材料ページ

 

 

まずは使う前に筆をテレピンで洗って油を洗い出します。
 ▸ 詳しい筆の洗い方

まずは使う前に筆をテレピンで洗って油を洗い出します。
▸ 〈使用前〉の洗い方ページ  ‣〈使用前〉の洗い方動画

 

毎回、作業が終わったときに筆を”油”で洗っているので、使うときにはまず筆の中の油を取り除きます。

① 作業板の上に数滴テレピンを垂らす。
② その上で筆を捻ったりしてテレピンをよく含ませる。

③ ティッシュペーパーの上でヘラで筆を優しくしごく。

 

※ ティッシュの上じゃなくて「ゲルの板」↓の上でやった方が筆の痛みが軽減されるので、現在はゲルを使うことをおススメしています。

 

 

 

上塗りは「金色」を使います。多分、真鍮粉だと思います。

 

新うるしで上塗りを行う

 

まずはヘラで少量のゴールド紛を出します。ちょっとしか塗らないのでちょっとでいいと思います。

 

新うるしで上塗りを行う

 

続いて新うるしを出します。こちらもちょっとでいいです。
新うるしに対して真鍮粉の割合が少ないと、くすんだやや黒っぽい色合いになります。
真鍮粉の割合が多い方が、「ざ・金色」って感じになります。

何対何くらいでしょうか?ちゃんとテストしていません。1対1もあれば、十分、金色になると思います。

 

新うるしで上塗りを行う

 

ヘラで手早く練り合わせます。

 

新うるしで上塗りを行う

 

すかさず塗ります。
本漆でしたらこんなに慌てなくてもいいのですが、新うるしはちょっと急ぎます。

 

新うるしで上塗りを行う

 

下塗り同様に、手早く前面を塗った後、筆を通します。

 

新うるしで上塗りを行う

 

塗り残しがないようによくチェックします。
あとあと塗り残しを発見すると結構がっくりきます。

 

新うるしで上塗りを行う

 

塗り終わりました。
新うるしの上塗り完了です。

 

 

 

使い終わったら油で筆を洗います

▸ 〈使用後〉の洗い方ページ  ‣〈使用後〉の洗い方動画

① 筆に油を含ませて、作業盤の上で筆に馴染ませる
② ティッシュの上(ゲル板の上の方がベター)に筆を置き、ヘラで優しくしごく

※ 筆をしごく時は「ゲル板」の上でやった方が筆が痛みづらいです。

 

筆は付属のキャップを嵌めて保存します。
キャップが無かったらサランラップを丁寧に巻いてください。

キャップがない、もしくはキャップを作りたいという方向けに簡単なキャップを作るページありますので、ご覧ください。
▸ 筆のキャップの作り方ページ 

 

 

新うるしの表面は何時間かで硬化しますが、しっかりと固く「締まる」までには2~3日を見ておいた方がいいと思います。

とくに「厚塗り」した時は乾きが遅くなります。1週間くらい待つ感じでしょうか(いや、もっとかも)。

使い出すまで、ちょっと辛抱してください。(新うるしの”匂い”が取れるのに数日かかりますので、どのみち待ちたくなると思います)

 

 

 

簡易金継ぎ完成

 

 

欠けたマグカップの簡単金継ぎ修理完了

 

欠けたマグカップの簡単金継ぎ修理完了

 

欠けたマグカップの簡単金継ぎ修理完了

 

欠けたマグカップの簡単金継ぎ修理完了

 

欠けたマグカップの簡単金継ぎ修理完了

 

 

 

前回の〈エポキシペースト付けまで〉の作業を見たい方は↓こちらのページをご覧ください。

 

 

 

簡易金継ぎの他の修理例を見る↓


 

簡易金継ぎで使う道具・材料をチェックする↓

‣簡易金継ぎで使う道具・材料ページ