〈金継ぎTECHNIQUEシリーズ〉01 金継ぎで役立つ錆漆のつけ方・使い方part 1

テクニック・コツ

 

size19  ファイツ!!

 

※ 金継ぎ修理刻苧付けやり方を説明していきます。本物の漆を使った修理方法ですので「かぶれる」可能性があります。ご注意ください。

※ べらぼうに長いページです。錆付けだけの作業に画像が46枚です。途中で飽きるでしょう。私も飽きました。

でも、ぜひマスターしてください。
今回は砥の粉と水だけを混ぜた物(漆は入れていません)でトレーニングしています。

 

 

❖ step 01 ヘラ先で掬う錆漆の量を調節する

 

まずは〈砥の粉+水〉でよく練り合わせてください。

 

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まずは作業板の上に錆(今回は水練り砥の粉)をヘラで広げます。なるべく均一に薄目にです。

 

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作業板の上に広げた錆の左側にヘラを置いてスタンバイ。

 

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すいーっと左から右へヘラを通してみると

 

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あら、不思議!ヘラ先にちょっとの錆が掬えました。
金継ぎの錆付けでほんのちょっと錆を使うときはこの「1回ヘラを通すだけ」でよさそうですね。

 

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さらにワン、ツーと錆の上をヘラを通してみます。

 

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先ほどよりもうちょい多くの錆が掬えました。
このようにすることでヘラ先で掬う錆の量を調節します。金継ぎの錆付け作業をする部分に応じて調節してください。

 

 

 

❖ step 02 欠け部分の外側に錆漆を付ける

 

それでは欠けの錆付けをトレーニングしましょう。

 

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今回のターゲットはこちら↑

 

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オーソドックスな欠けです。こういうベーシックな欠けの練習が一番汎用性が高いのです。頑張りましょう。

 

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金継ぎの錆付けをするときのヘラの持ち方です。
どんな持ち方をしてもいいのですが、とりあえずこんな感じで。

 

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む!?怪しい人影!気にせずに作業を進めます。惑わされないように集中してください。

 

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 欠けた部分のエッジにヘラを擦りつけるようにします。欠けのエッジで錆を切ります。
ヘラを下に動かしつつ手前に引いていきます。それって「右下に引く」ってことじゃない?と仰りたいのはよくわかります。そうです。そうなんですが、感覚としてはそのベクトルが二つに分かれているような感じでヘラを動かします。その方がうまく錆が付きます。

 

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 ヘラを下に動かしつつ、手前に引く…と。
欠けのエッジで錆を切る…と。

 

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 錆が足りていませんのでもう一度ヘラ先に錆を取ります。

 

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 同じようにエッジで錆を切るように擦りつけながら、ヘラを引く。

 

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 ゆっくりじっくりとヘラ先の感覚を感じながらやってみてください。
漆が入っていないので簡単に取れます。なので何度失敗しても大丈夫です。

 

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 欠け外側部分に錆がのりました。

 

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ひとまずこれが最初のステップです。

 

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 はい、外側にのっています。

 

 

 

❖ step 03 外側に付けた錆漆を倒す

 

次に欠けの外側に付けた錆を内側に少し倒します。

 

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 ヘラを先ほどよりも斜めに構えて手前に引いていきます。

 

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 この時、先ほどと同様に欠けのエッジにヘラを添わせて(それをガイドにして)手前に引きます。

 

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 ちょっと倒れました。(写真を撮りながらの作業だと時間がかかるので、どんどん砥の粉が乾いて、ボソボソしてきています。やりにく)

 

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 先ほどはヘラを手前に通したので、今度は向こう側(左→右)へ通します。
この時も、ヘラは欠けのエッジに沿わせてガイドにしています。

 

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 通しました。

 

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 ちょっと倒れました。もっと倒した方がいいです。

 

 

 

❖ step 04 欠け部分の内側に錆漆を付ける

 

今度は欠けの内側です。

 

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 この時も欠けの内側のエッジを使います。

 

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 内側のエッジにヘラを付けて、添わせるように右側にヘラを動かします。
錆を切るようにして欠け部分に付けていきます。

 

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 エッジに擦りつけるように添わせつつヘラを右に通します。

 

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 通しました。なかなかきれいに錆がついています。

 

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 まだ欠けの内側右部分(赤い丸のところ)に錆がついていないので、そこに錆をつけます。

 

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 セット。欠けのエッジで錆を切りながら右奥へとヘラを動かす。

 

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 オッケー。欠けの右奥部分にも錆が付きました。

 

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こんな感じ。

 

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❖ step 05 錆漆の形を整える

 

 中央に空間が空いていそうです。大丈夫。これからそれを潰します。

 

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 ヘラを欠けの奥にセットします。

 

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 手前にヘラを通します。錆を潰す感じです。力を入れないように気を付けてください。

 

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ちょっとヘラの位置を変えて今度は手前から奥へ通します。

 

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 錆の形を整えつつ、欠けた部分にしっかり隙間なく錆が入り込むようにします。

 

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最後にヘラを手前に引きつつ、付けた錆のとんがった部分を優しく潰します。

 

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なかなかきれな形になりました。

 

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だいたいキレいに錆が付けられたので、まわりについてしまった錆を少し掃除します。ヘラ先で切るようにして錆を取り除きます。

 

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左側の余計な錆もヘラ先で取ります。

 

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 この汚れとり作業が綺麗にできるにこしたことがありませんが、もしできなくても綿棒などで拭き取れますので大丈夫。

 

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 器の内側の汚れもヘラで取ります。

 

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 ヘラ先は少し立たせる感じで器に付けて、汚れを切っていきます。

 

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 きれいに取れました。

 

 

飽きましたか?飽きたでしょ??でもまだ終わりません。もう1ページ、別角度から錆付けのページを作ったので、ご覧ください◎

 

【 別角度からの作業を見る 】

▸ 錆のつけ パート2