レッツ DIY !
「マンション住まいの方でも作れる」をコンセプトに木のスプーンの作り方を考えました。
音が出なくて、小スペースでできて、道具も最小限でできるよう、手順、道具、材料を考えました。
できたら会社勤めの人に、休日、ふと「スプーン、作ってみようかな…。愉しいかもな…」と思ってもらえたら嬉しいです。
初回は木の板材からスプーンのアウトラインに沿って糸鋸で切り出します。
切り出すだけですので、「んなもん見なくてもわかるさ」という方は2ページ目にお進みください。
その他のページ:
Wood spoon
DIY 木のスプーンの作り方
Page 03 スプーン裏側のラインを立体的に削る
Page 04 ヘッドの裏側・アウトライン、ネック部分を仕上げる
Page 05 ヘッド表を彫り込んで窪みをつける
Page 06 持つ部分の面取りとペーパーがけで完成!
金継ぎの皆さま、こんにちは。
「金継ぎ図書館」にも関わらず木工にて失礼致します。(お邪魔かしら?)
「木のスプーン、作ってみませんか?」というお誘いです。(おっ!脈絡なし!)
難しそう?いやいや、これが意外とできてしまうんです。というか、世間から見たら漆で器を直しちゃう人の方がよっぽど「達人」ですよ。
ところで彫刻刀を最後に触ったのはいつですか?小学校の図工の時間でしょうか?あの時以来ですよね。
図工の授業って「息抜きの時間」みたいで僕は大好きでした。算数に比べたらそりゃ楽しいですよね。(給食の時間が一番嬉しかったですが)
どうでしょう?久しぶりに彫刻刀にぎってみませんか?結構、アホになれます(笑)
ゴリゴリ、ごりごり、ひたすら彫るんです。木くずだらけになって、それでも彫るんです。
そしたら図工室の窓から見えていたあの気怠い景色が見えてくるかもしれませんよ。
初めての方でもできるように、木で作るスプーンの手順を考えてみました。
ひとまず順番通りに進めてみてください。きっとうまくいくはずです。
三谷龍二さんやセツローさんに負けず劣らずの魅力的なスプーンが作れるようになりますよ。(なんと大胆な!)
ナビゲートします。ぜひ、やってみてください。
木製スプーン作りで使う道具と材料
【彫る材料について】
【初心者におススメの材】
・朴(ほお) ▸Amazonで見る
・桂(かつら) ▸Amazonで見る
比較的「柔らかい材」がおススメです。
ただし、柔らかすぎる材は削りづらいですし、削ったあと使用する際に使い勝手が悪くなります。
【あまりおススメできない材】
・欅(けやき) ・桜 ・栗
比較的「固い材」だと、削るのがすごく大変になります。
鑿(ノミ)を使えば効率よく削れますが、彫刻刀だけで仕上げようとするとかなり難儀すると思います。
ので、これらの材は避けた方が無難です◎
今回は「朴(ほう)の木」を使いました。比較的柔らかいので彫りやすいです。
大きなホームセンターやハンズに朴の板材が置いてあるので入手が楽です。
今回使った材の大きさは
【横100㎜×縦150㎜×厚み12㎜】
価格は確か¥100-くらいだったかと思います。
(先日、東急ハンズに行ってきました。同じようなサイズの材としては
【横110㎜×縦160㎜×厚み15㎜】
のものがありました。朴の価格が¥180‐だったか¥200-くらいだったかと思います。
厚みが12~15㎜くらいのものがおススメです。
【道具について】
【必要最低限の道具】
① L字クランプ ▸Amazonを見る
② 彫刻刀の平刀(18㎜幅)▸販売サイトを見る
③ 彫刻刀の丸刀(18㎜幅)▸販売サイトを見る
④ 鉛筆
⑤ 作業台(自作もできます。簡単です)▸Amazonを見る
⑥ Cクランプ ▸Amazonを見る
⑦ 糸鋸 ▸Amazonを見る
それから彫刻刀を研ぐための砥石(ダイヤモンド砥石と仕上げ砥石)が必要です。
以下、新宿の東急ハンズで販売していた彫刻刀とその値段です。
- 道刃物(という会社)…
〇平刀(18㎜幅)/¥2,000-くらい ▸販売サイトを見る
〇丸刀(18㎜幅)/¥2,000-くらい ▸販売サイトを見る - パワーグリップ(という商品名?)…
〇平刀(15㎜幅)/¥1,000-くらい ▸Amazonを見る
〇浅丸刀(9㎜幅)/¥1,000-くらい ▸Amazonを見る
平刀はできたら幅の広い道刃物がお薦めです。スプーン作りには幅広の方が圧倒的に楽に綺麗にできます。
が、「とりあえずお試し」派の方でしたらパワーグリップでも「可」です。
丸刀は…9㎜幅でもいいかもしれません。(18㎜幅も持っているに越したことはありませんが)
今後、バターナイフや他の物を作るときにどちらの方が便利かなー…と考えているのですが、未だ結論が出ません。すみません。
※ 私が今回使っている糸鋸は「フリーウェイ」という名前の糸鋸ですが、あまりおススメできません。
特殊な刃が極めて使いにくかったです。木工には向かないのかもしれませんね。
すごく使いづらかったので改造して普通の替え刃が装着できるようにしました。それを使っています。
① L字クランプ |
値段: ¥1,200~ ・ワンタッチパワークランプ ▸Amazonを見る |
② 彫刻刀/平刀 |
値段: \1,200~2,000- ・カービング刀平/12mm ▸Amazonを見る |
③ 彫刻刀/丸刀 |
値段: ¥1,200~2,700- ・カービング刀丸/15mm ▸Amazonを見る |
⑤ 作業台 |
値段: ¥1,182~ ・版画作業板 ラワン合板 小 ▸Amazonを見る |
⑥ Cクランプ |
値段: ¥340~ ・アルミ合金 Cクランプ75mm ▸Amazonを見る |
⑦ 糸鋸 |
値段: ¥699~1,376- ・フリーウェイコッピングソー ▸Amazonを見る |
〇 空研ぎペーパー |
値段: \100~ ・空研ぎペーパーミニセット #120 #240 #400▸Amazonを見る |
〇 両面ダイヤモンド砥石(表#1000/裏#400) |
値段: ¥2,645- ・両面ダイヤモンド砥石 ▸Amazonを見る |
〇 仕上げ砥石 |
値段: ¥3,580- ・キング仕上砥/粒度:#6000 ▸Amazonを見る |
何か書き落としたことがあったら後日、加筆します。
Step 01 スプーンのアウトラインを描く
鉛筆でごりごり描いていいきます。
使用している材:
朴(ほお)▸Amazonで見る
(一応のサイズを記載しますが、ただの目安として使っていただけたらと思います。
このくらいの寸法にするとこんな感じのスプーンが出来がるのねっと確認してください。)
お手持ちの金属のスプーンや木のスプーンを参考にしたり、もしくは本や雑誌、WEBなどで見かけたお好みのスプーンをモデルにして板材の上にラインを引いていってください。
注意点としましては、「朴」材を使っている場合は柄の細さに気を付けてください。朴は比較的柔らかい材なので細すぎると折れやすくなります。
10㎜くらい(2016-07-10 修正: 5㎜幅でもオッケーでした。済みません。ちょっと誇張し過ぎました。3㎜幅くらいになるとちょっと弱そうです)
の細さで抑えておいた方が無難かと思います。
桜材などを使っている場合はもう少し細くしても大丈夫です。
※ 木の繊維方向(木目)がスプーンの柄と平行になるようにしてください。
スプーンのラインはフリーハンドで描きます。
機械で作ったようなきちきちなラインのスプーンを目指しません。(ということでよろしいでしょうか?)
少し意図的に柄の部分を歪ませたりしています。やりすぎると「いやらしく」なっちゃいますのでご注意ください。
Step 02 スプーンの柄を鋸で切る
早速、柄の部分を糸鋸で切っていきます。
②のCクランプ▸Amazonを見るを使って作業板▸Amazonを見るを机の手前に出して固定します。
なんでわざわざ手前に出すの?というと…糸鋸で作業する段階では
その方が使い勝手がいいからなのです。あとあとナットクしていただけると思います。
①のL字クランプ▸Amazonを見るで作業板を固定し、①のクランプで板材を固定します。
初めにスプーンの柄をノコギリで切っていくので、スプーンが描かれている板材の矢印部分が作業板から手前にはみ出すようにして固定してください。
板材を固定する①クランプは↑画像のように「手持ち」部分を上にして、逆さまに使ってください。
何故さかさま??というのも後程ご理解いただけると思います。
まずは柄の部分を糸鋸▸Amazonを見るで切っていきます。
向かって右側のラインにノコギリを入れていきます。
もちろん左側ラインから始めても結構です。
鋸を入れるときの最初の「一引き」(という言葉はないと思いますが)は左手の親指を軽く添えてあげるとブレずに鋸が入っていく気がしています。今のところおススメです。
糸鋸は垂直に上下させます。と小学校で教わりました。
多分、正しいと思います。
スプーンのヘッド部分に突き当たる場所の「ギリ」でノコギリを止めます。
万が一、切りすぎたらやり直しです。
嘘です。きにすることありません。アバウトで大丈夫です。
①クランプを逆さまに固定した理由はこれです。
クランプの柄を下にして普通に使っていると、切り進めてスプーンのヘッド部分に近づいてきたときに手がクランプの柄に当たってしまうのです。
なので逆なんです。
続いて、向かって左側の柄のラインを切っていきます。
こんなもんでいかがでしょうか?
Step 03 スプーンのヘッド部分を鋸で切る
続いてスプーンのヘッド部分を切っていきます。
画像の矢印部分を切っていきます。
↑画像のようにクランプで挟んでセットしてください。
(私は右利きなので画像のように向かって右側で切っています。左利きの方は逆にした方が切りやすいと思います)
この時も最初の「一引き目」は左手の親指を軽く添えます。
少しずつカーブさせながら糸鋸を引いていきます。
急に曲げようとすると糸鋸の刃にストレスがかかって折れやすくなると思いますのでご注意ください。
次に画像の矢印部分のパーツを切っていきます。
切ります。
次はスプーンの柄に向かって切っていきます。
柄に向かって切っていくときは、あまり攻め過ぎないようにしてください。
スプーン首元の「柄」が細くなりすぎると折れやすくなります。(特に今回使っている木材が「朴」なのでご注意ください。桜材だったりもう少し固い木を使っていたら細くしても大丈夫です)
最後のカットです。
それほど下書きしたラインにこだわる必要はありません。
この後、刃物で削るときに簡単に修正ができますので。
この段階では85~90%くらいラインが合っていればいいと思います。
出来ました。ひとまずこんな感じでいかがでしょうか?
スプーンっぽいですね。
それではページ02でまたお会いしましょう。さようなら、さようなら。
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Page 03 スプーン裏側のラインを立体的に削る
Page 04 ヘッドの裏側・アウトライン、ネック部分を仕上げる
Page 05 ヘッド表を彫り込んで窪みをつける
Page 06 持つ部分の面取りとペーパーがけで完成!