【丸粉を蒔く】初心者でも失敗しない金継ぎ蒔絵のやり方

 

　ファイツ！！

● 2020.6 出版

皆さんお困りの「紛らわし過ぎる蒔絵の手順」をまとめました！

 

 

今回は厚みのある蒔絵粉で、手間のかかる「丸粉」です！

 

※ 「消し粉」についての手順はこちら↓のページをご覧ください。
▸【消し粉】の蒔き方

※ 「平極粉」についての手順はこちら↓のページをご覧ください。
▸【平極粉】の蒔き方

 

※ ３つの粉の特徴と比較をまとめてみました。
「丸粉／平極粉／消し粉」って何が違うの？どういう特徴があるの？？…が知りたい方はこちらのページをご覧ください↓

 

 

【蒔絵の工程が紛らわしい！】

 

 

たまにしか金継ぎをやらない方は覚えられなくて当然◎

蒔絵作業に入る前にサッとこのページに目を通し、手順を思い出してから作業に取り掛かってください。

 

 

【丸粉の特徴】

 

 

 

• 地金をヤスリでおろしたヤスリ粉を、球体に加工したもの
• いろいろな大きさの粒があり、号数で分かれている
  ３号粉は直径約10μ
  ※ 1μm=0.001mm、1mm=1000μm
• 消し粉、平極粉に比べると厚みがあるので、一番耐摩耗性が高い
  （すり減ってもすぐに無くならない）
• 漆を擦り重ねてから表面を胴摺り粉などで磨く
  炭（や砥石、ペーパーなど）で研ぐこともできるが、１～３号くらいの小さい粉はやらない方が安全かな？
• 磨いた時の「光沢」は消し粉、平極粉よりも強く、金属っぽい感じ
• 他の粉よりも仕上げに手間がかかるが、「磨いて光沢を出た時」の充実感は一番◎

 

 

 

【丸粉の蒔き方解説】

※ 丸粉１,２,３号も作業工程は同じです。

 

作業手順

 

───【▸１日目】───

---

※ 真綿で蒔くこともできます。

• 1．弁柄漆（または黒漆）を「極薄に」塗る（←地塗り）
• 2．漆を塗った脇に、粉匙ですくった多目の丸粉を乗せる
• 3．丸粉をあしらい毛房で押しながら移動させ、塗った漆の上を手早く何往復も通過させる
• 4．全体に蒔き終わったら、３∼４分待って、もう一度、丸粉を蒔き詰める

「毛房」で丸粉を蒔いた段階で十分綺麗に蒔き詰まっているので、これで終了でもオッケーです。
更にもう一段階、粉を蒔き詰めたい方は↓の工程をおこなってください。

• 5．息を吐きかけた真綿で、器に残った微粉を絡め取って、蒔き詰める
• 6．湿し風呂に入れて３日間待つ

 

───【▸２日目】───

---

1. 丸粉の上から、生漆（←金粉の場合）または黒漆（←銀粉の場合）を希釈せずに薄く塗る
2. 余分な漆をティッシュで拭き切る
3. 湿し風呂に入れて１週間待つ

 

───【▸３日目】───

---

1. 油を薄く敷き、布に鳴滝砥の粉などを付けて磨く
   　↓
   ゴムシートで磨く（艶が上がる）
   　↓
   〈これで完成としてもよい（胴摺り仕上げ）〉
2. 丸粉の上から、生漆を薄く塗る
3. 余分な漆をティッシュで拭き切る
4. 湿し風呂に入れて１日待つ

 

───【▸４日目】───

---

1. 油を薄く敷き、指に呂色磨き粉を付けてササっと磨く
2. 完成（呂色磨き仕上げ）

 

 

 

 

　───【１日目】───　

■ 地塗り

 

塗り残しが無いように「弁柄漆（または黒漆）」を「極薄に」塗ります。
これを「地塗り」と言います。

 

• 金粉を蒔く場合は→ ● 赤弁柄漆
• 銀粉を蒔く場合は→ ● 黒弁柄漆（もしくは黒呂色漆）

 

■ 地塗りに関する詳しい解説はこのページの下部をご覧ください。
▸ 詳しい地塗りの解説

 

 

「はみ出さない」ように、かつ、「塗り残しが無い」ように塗っていきます。

 

 

↑の写真では「裏の印刷文字」が薄っすらと透けています。
とにかく「超・極薄」です！！

自分が考える薄さよりも「３倍くらい」薄く塗ってください。

 

 

塗り終わったら、「塗り残しがないか」を必ず「ルーペ・チェック」します。

塗り残しがあると、そこには蒔絵粉が付きません (T_T)
仕上がりがかなり間抜けな感じになっちゃいます。

この時点で気が付かないと、蒔絵粉を蒔いた後、再度、その箇所だけタッチアップ（補修塗り）をすることになります。
▸ タッチアップのやり方

蒔絵の補修はかなり面倒だし、仕上りがちょっと汚くなる場合があります。

 

 

 

 

 

■ 粉を蒔く下準備

使う道具　…下記のいずれか

• ① 漆塗りのお盆（30×30㎝以上がおススメ）
• ② クッキングシート（30㎝幅がおススメ）
• ③ 粉鎮（重石のこと）

---

 

粉入れ作業中に落ちた蒔絵粉を回収するために「粉盤」を用意します。
（↑“トレー”ってことです）

 

粉盤としては「漆塗りのお盆」や「ツルツルした紙（クッキングシートなど）」を使います。

• 要するにツルツルして、「蒔絵粉がくっ付かなければ」オッケーです◎

 

 

クッキングシートを使う場合は30㎝くらい出します。

 

 

粉盤の上で蒔絵粉の包み紙を開けます。

こぼしたら悲劇ですので、慎重に～。

 

包み紙の両端に「粉鎮」（←重石のことです）を乗せて、紙を押えます。

 

 

 

 

粉鎮は何でもオッケーです◎
小さ目で、ある程度重量があるもの…

• ガラスもの、金属もの、石など

ただし、蒔いた粉が「粉鎮」の上にも降りかかることが多いので、「ツルツル系」のものがおススメです。

粉鎮がツルツルしていれば、粉入れ作業後に、粉鎮に着いた蒔絵粉を払い落として、回収しやすくなります。

 

 

 

 

 

 

 

■ 粉入れ

 

丸粉の１～３号を蒔く場合は、「あしらい毛房」で蒔いてもいいし、「真綿」で蒔いてもいいです。

• あしらい毛棒で蒔くことを→「毛房蒔き」
• 真綿で蒔くことを→「綿蒔き」

と言います。

 

 

 

まずはあしらい毛房で蒔く「毛房蒔き」の説明をしていきます。

《 毛房蒔き 》

● 使う道具・材料

使う道具・材料

• ① 粉匙
• ② あしらい毛房
• ③ 真綿
• ④ 丸粉（今回は3号粉）

---

 

 

「① 粉匙^ふんさじ」は「平竹串」から作ることができます◎

※ 参考程度に↑

蒔絵粉がすくい取れればオッケーなので、形状が↑このようでなくてもいいです。

※ 錆漆などを付けるときに使う「竹の小ベラ」でも代用できます◎
けど、簡単にでもいいので、「粉匙専用」に作ってみると使いやすいです。

 

素材も蒔絵粉が引っ掛からなければいいので、「つるつる系」のものなら何でも大丈夫です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それでは詳しく作業の解説をしていきます。

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---

 

● 粉匙で丸粉をすくい、「塗った漆の脇」に置く

 

漆を塗った脇に、粉匙ですくった丸粉を置きます。「多目に」すくった方が失敗しません。

→ 塗った漆の脇に「蒔絵粉の山」ができます。

 

 

包み紙の中から粉匙で丸粉をすくって、地塗りした脇に置きます。
「多目」に乗せます。
↑しつこいですが、「多目」にしてください。

 

 

● 漆の中に粉を入れていく

 

器の上にできた「蒔絵粉の山」をあしらい毛房で掃いて、漆の上を「一気に手早く通過」させます。

「通過させる」というところがポイントです！

 

“粉の山”自体をあしらい毛房で押して、手早く移動させる感じです。

 

今度は反対側から丸粉を掃きつつ、地塗りした漆の上を通過させます。

何往復もして、漆の中に蒔き詰められるだけ蒔き詰めます。

 

 

実際はこんな感じ↓です。

手早く掃いて、漆の上を通過させていく。

漆の上に「乗せっ放し」にしない。

 

何往復も通過させます。

 

ここで、「あしらい毛房に漆が付いちゃいそうな気がするんですが、大丈夫なんですか？」と質問したくなりますよね。

「十分な量（多目の）の蒔絵粉が器に乗っていて、それを掃いている場合」は大丈夫です◎

 

 

↑「理屈の上」ではこうなのですが、実際のところ漆が「ほんのわずか」毛先に付くことがあります。

ですので、作業後にアルコールを含ませたティッシュであしらい毛房の毛先を拭っておきます。

 

 

※ 「一気に手早く」とか「通過」とか言われても、どうゆうこと？？って感じだと思います。
ぜひ、動画でチェックしてください↓

 

 

器に乗っている「丸粉の山」が少なくなってきたら、再度、粉匙で補充して、あしらい毛房で掃いていきます。

粉が少なくなったまま作業を続けると筆の毛先が直接、漆に付いてしまいます。

※ あしらい毛房の毛先に漆が付くと…「その毛先の漆に微粉が付き→蒔絵部分を引っ掻いてしまう」…ってこになっちゃいますのでご注意です。

 

 

 

 

粉を蒔く時「ゆっくり作業」をしていると、粉の付き方に差ができて、仕上がりが凸凹しやすくなります。

 

 

器の「口周り」は粉が付きづらいです。

この部分にはあしらい毛房に多目の丸粉を付け、直接、蒔いていきます。

包み紙の丸粉の中に筆先を突っ込み、粉を掬い取ります。

 

直接、地塗り部分に粉を付けています。

※ この作業は「真綿」の方がやりやすいかもしれません。

 

 

全体に粉を入れ終わったら、最後に余計な粉を払い落とします。

「上に乗っかっているだけの粉」をあしらい毛房で払い落とします。

余計な粉を乗っけたまま乾かすと、肌が凸凹になる原因になります。

 

 

 

粉入れ時に気を付けたいポイントです↓

 

 

 

 

● もう一度、粉を入れる

 

3∼4分待って粉が沈んだら、「念のため」もう一度、あしらい毛房を使って丸粉を蒔きます。

 

時間が経つと漆の中に蒔絵粉が沈んでいきます。

※ 実際のところ、最初の粉入れでもっと大量の蒔絵粉が漆の中に沈んで蒔き詰まっているはずなので、時間が経ってもこんなに漆が滲み出てくることはありません。

 

作業は先ほどと同じ作業を繰り返します。

粉匙で取った丸粉を地塗りした漆の脇に置き、あしらい毛房を手早く蒔き詰めていきます。

 

 

※「毛房」で丸粉を蒔いた段階で十分綺麗に蒔き詰まっているので、これで終了でもオッケーです。
更にもう一段階、粉を蒔き詰めたい方は↓の工程をおこなってください。

● 真綿で微粉を蒔き詰める

最後に周りに残っている「微粉」を真綿で絡め取って、蒔き詰めていきます。

 

※ 使う真綿は「粉ごと」に分けてください。
例：金の丸粉３号用、銀の平極粉用、金の消し粉用…などなど、１種類の粉につき、真綿も分けてください。

 

 

 

念のため、丸粉の入っている包み紙の上で、人差し指で真綿を叩いて「粗い粉」を落とします。

そのあと真綿に湿気を含ませた「息」を吐き掛けます。

 

湿気が加わった真綿で器の表面に残っている「微粉」を絡め取りながら、蒔き詰めます。

真綿は手早く、クルクルと回します。

 

「丸粉３号」といっても、実際のところ「完璧に均一な大きさ」ではなく、その中には「微粉」も混入しています。

あしらい毛棒でしっかりと払っても、器の表面に薄っすらと残っている丸粉は、そういった「微粉」だと推測できます。

 

 

息を掛けた真綿を、手早くクルクル回して微粉が絡め取り、蒔き詰めます。

 

 

 

ようやく粉入れ作業が終了です◎
お疲れ様でした。

そう、蒔いたままだとこんな感じの「マットな黄土色」なんですが、これを磨くとキラキラと黄金色に変わります。

ご安心ください◎

 

 

 

 

 

 

次に真綿で蒔く、「綿蒔き」の説明です。

《 綿蒔き 》

● 使う道具・材料

使う道具・材料

• ③ 丸粉3号
• ④ 真綿

---

 

 

※ １∼３号粉くらいの細かい丸粉でしたら、「真綿^まわた（絹＝シルク）」でも蒔くことができます。

• 真綿を使う場合は、「粉ごと」に真綿を分けてください。
  例：金の丸粉３号用、銀の平極粉用、金の消し粉用…などなど、１種類の粉につき、真綿も分けてください。
  （あしらい毛房は分ける必要はありません）

 

 

■ 丸粉（１∼３号）を「真綿」で蒔きたい場合は【「平極粉」の蒔き方ページ】を参考にしてください↓
やり方は同じです◎

※ 丸粉は粉の形状が「丸い」ので「倒す」作業は要りません。

▸【平極粉】の蒔き方

 

 

 

 

 

　

■ 粉が付かなかった箇所のタッチアップ

 

蒔絵作業完了！

…と思ったら、、、粉を蒔いた所に「黒い点（もしくは黒い筋）」が見える…。

「これ、何だろう？？」と思って、よーく見たら…「丸粉が付いてない」箇所だった！！！

 

 

蒔絵粉が付かなかった箇所…

• 塗り残しのせいで消し粉が付かなかった箇所
• 擦ってしまって消し粉が取れちゃった箇所

…の「タッチアップ＝補修塗り」をします。

 

この「漆を乾かす前」の時点でタッチアップしておいた方が、仕上がりが綺麗になります。

が、「ちょっと怖い」「自信がない…」というようでしたら、「漆が乾いた後（粉を固める前）」におこなうのも有りです。

 

 

極細筆（蒔絵筆の場合は「黒軸根朱替り筆」）で漆をピンポイントに差します。

差し込む漆の厚みは地塗りの時と同じ「極薄」です。

 

 

 

かなり細かくてシビアな作業なので、ルーペ―で拡大しながら作業します。

「ルーペ片手に、覗きながら塗り作業」…って結構、やりづらいです。

 

ピンポイントに塗ります。

 

 

↑こんな感じです。

「極薄」です。

 

 

同じ蒔絵粉（今回は丸粉３号）を蒔きます。

蒔き方はこれまでと同様です。

修理箇所の脇に粉を落とし、そこからあしらい毛房（または真綿）で移動させつつ、優しく撫で付けます。

※ 画像は真綿ですが、あしらい毛房でも同じ作業内容です。

 

蒔絵粉が付いてないかった個所に、しっかりと粉が埋まりました◎

 

 

 

 

■ 湿し風呂に入れる

 

湿度の高い場所に入れて漆を乾かします。

 

【漆が乾く最適条件】

前後の環境に置く

※ 最適条件より下回っても、少しゆっくりになりますが乾きます◎

 

 

 

 

漆の乾きに1~3日ほど待ちます

 

 

 

■ 蒔絵粉の後片付け

 

蒔絵粉の回収

あしらい毛棒と真綿に絡みついている丸粉を、包み紙の上で、叩いて落とします。

 

 

粉盤の上に散らばった丸粉を回収していきます。

あしらい毛房で一カ所に掃き集め、小型の塵取り（なんてあるわけないから、薄い紙で代用してください）に入れて、包み紙に戻します。

 

 

あしらい毛房で掃いても残っている「微粉」は真綿で絡め取って回収します。

息を吐きかけて真綿を湿らせ、クルクルと回しながら微粉を絡め取っていきます。

 

実際はこんな↓感じです。

何度も真綿に息を吐きかけ、湿らせます。

クルクル回転させながら上手に回収してください。

 

 

最後、包み紙の上で真綿を叩いて丸粉を落とします。

 

蒔絵粉の保存方法

作業が終わった真綿は「小さな容器」や「チャック付きの小袋」に入れて保管します。

真綿は捨てちゃダメです！真綿の中に意外と蒔絵粉が含まれているので捨てると勿体ないです。
繰り返し使ってください。

 

繰り返し使っているなか、知らず知らずのうちにちょっとずつ漆が付いてきちゃうと思います。

使っていて、「蒔いた粉を引っ掻いちゃう」場面が出てくるまで繰り返し使ってください。

 

 

まずは紙の中央に粉を寄せてから、折りたたんでいきます。

 

これでオッケー◎

 

 

100均で売っている4個セットの「小さな容器」に、真綿と蒔絵粉を一緒に入れて保管します。

 

 

もしくは、このように↑「チャック付きの小さなビニール袋」に入れて保管します。

「蒔絵粉」と「真綿」の両方とも袋に入れてもいいし、「真綿だけ」ビニール袋に入れてもオッケーです。
真綿だけ入れる場合は、他の粉を使った真綿と見分けがつくように、袋に「使った蒔絵粉の種類」を記入しておきます。

 

 

 

あしらい毛房を洗う

 

 

蒔絵作業時にほんの少し、あしらい毛房の毛先に漆が付くことがあります。

気付かぬうちに、気付かぬほどほんのわずか漆が付いているわけです。

 

1回、5回、10回…と使っていてもほぼ影響がありませんが、繰り返し作業をしているうちに
次第に毛先に「玉」のようなものが形成されてしまいます。
（歯ブラシの「毛先が球」状態になります。）

なので、そうならないように、作業後は毎回、アルコールで軽く筆を拭いて、毛先の漆分を除去します。

 

 

洗い方

1. 折りたたんだティッシュに「アルコール」を軽く含ませる。
2. そのアルコールを含ませた箇所に筆を置き
   → 筆先をティッシュで挟んで軽くぎゅっとする。
3. ティッシュの挟む場所を変えて、またぎゅっとする。（これを４，５回おこなう）

 

毛房蒔きであしらい毛房を使ったら毎回、これをやって掃除しておけば、「毛先に球」になりづらいと思います◎

 

※ 上記の「ティッシュにアルコールを含ませて…」というやり方ではなく、

• 「作業盤にアルコールを少量出して、そこで筆とアルコールを馴染ませる」
• 「アルコールに直接、筆先を“とぷっ”と漬けて洗う」

…などのやり方でも大丈夫ですが、ただ、筆先の痛みが早くなりそうな気がします。
（アルコールって揮発が早いので、筆にダメージを与えるかと思います）

 

金継ぎ図書館ではなるべく毛が痛まない洗い方をおススメします。

 

 

 

 

 

 

 

 

　───【２日目】───　

 

■ 粉が付かなかった箇所のタッチアップ

---

丸粉を蒔いた時点で「タッチアップ」をしなかった場合は、このタイミングで補修作業をしてください。

• 塗り残して消し粉が付かなかった箇所
• 擦ってしまって消し粉が取れちゃった箇所

…の「タッチアップ＝補修塗り」をします。

 

■ 詳しくは上部の解説をご覧ください。
▸ タッチアップのやり方

 

タッチアップした場合は、「湿し風呂」に３日間入れて、乾かしてください。

 

 

 

■ はみ出し箇所を修正

使う道具

① ルーペ
② 竹木砥

---

 

 

竹を削って作った「削りベラ」です。
これを「竹木砥^たけきど」と呼びます。

「平竹串」からでも作れます。

 

㊧：竹の内側／㊨：竹の皮側

竹は「皮側」の繊維が「硬い」ので、皮側を残すように削ります。

 

㊧：竹の内側／㊨：竹の皮側

先端に行くにしたがって細くなるように削ります。
ただし、先っちょをあまり細く削り過ぎると、蒔絵を削っていて直ぐに摩耗してしまいます。

このへんの「塩梅」は実際に使いながら微調整していってください◎

 

「刃物」と同じで、使っていると先っちょが磨り減って、丸くなってきます。
そうすると蒔絵を削ろうとしても引っ掛かからずに、「ツルっ」と滑る感じになってきます。

その場合は、先端だけ削って鋭くしてください。
（鉛筆を削る感じです）

 

 

↑こういった「はみ出した箇所」を竹木砥で削ります。

 

かなり「厳密」な作業なので、ルーペ（虫眼鏡）を使うことをおススメします。

100均で売っているルーペでも結構、使えそうな気がします。
（使ったことはありませんが）

 

 

 

 

 

竹木砥の先っちょでガリガリと削っていきます。

結構、簡単に削れてしまいます。
ですので、他の箇所をうっかり削ってしまわないように十分注意してください。

 

蒔絵の先端部分の形を少し丸く処理してみました。

少し柔らかな印象になったかと思います。
（微々たる影響ですが）

 

手間がかかりますが、こういった感じにラインを整えると仕上りがきれいになります◎

 

ルーペを覗きながらの作業は慣れるまでが難しいですが、「普段見えないレベルのものが可視化され」、しかもそれに対して「超・繊細な作業を施している」…というのは結構、面白い体験です。

通常の「感覚値」の外で作業をする…というのも工藝の魅力の一つです◎

 

 

 

 

 

 

　

■ 粉固め

使う道具・材料

• ① 小筆
  （または② 綿棒、③ ティッシュ）
• ④ 生漆または黒呂色漆
• ③ ティッシュ

---

 

蒔いた粉の「隙間」に漆を浸み込ませることで、蒔絵粉をしっかりとホールドします。

 

 

筆（または綿棒、ティッシュ）を使って漆を薄く塗ります。

• 金粉の場合→生漆（または木地呂漆/梨地漆）
• 銀粉の場合→黒呂色漆

漆はテレピンなどで希釈せずに使います。
※希釈してもオッケーなのですが、「希釈した場合」、ティッシュで拭き取った後の蒔絵粉をホールドする漆の層が薄くなるので、粉固め作業を2∼3回繰り返した方がベターです。

 

 

 

表面に残った漆をティッシュで念入りに拭き切ります。ティッシュに漆が付かなくなるまで繰り返します。

 

 

 

 

● 器の表面がガサガサ／マットな場合

蒔いた粉から漆がはみ出さないように注意し、「筆」で塗っていきます。
※ 十分な量の漆が染み込むようにしてください。（ティッシュで拭き取るからってケチっちゃダメです）

※ 市販の金継ぎ本や指導者によっては「粉を擦らないように優しく筆を置くように動かしましょう」と教えられる場合がありますが（僕も学生時代、そう習った気がします）、「筆で擦ったくらい」で粉が剥がれたりすることはありません。
なので、「普通」に漆を塗っていって大丈夫です◎

蒔いた粉の上からティッシュで抑えた時に、ティッシュがズレないようにそっと押えます。
※ズレると、周りに漆が付いちゃいます！

 

 

ティッシュの面を換え、再び粉の上で、今度は「しっかり」と押えます。
ティッシュに漆が付かなくなるまで繰り返します。

 

 

 

● 器の表面がツルツル／ピカピカしている場合

綿棒／折り畳んだティッシュなどに少量の漆を付けます。

 

漆が「はみ出しても」大丈夫なので、はみ出しを気にせず蒔いた粉あたりを「ざざっと」塗っていきます。

• もちろん筆を使ってもオッケーです。
• 十分な量の漆が染み込むようにしてください。
• はみ出した漆は、この後の「ティッシュオフ」でしっかり拭き取るので「かなり極薄」の状態になります。
  そうなると乾いた後の「磨き」で簡単に取り除けますので怖がらずにはみ出してください。

 

 

漆が「はみ出しても」大丈夫なので、「畳んだティッシュ」で「ざざっと」擦って、漆を拭き取っていきます。しっかり目に「コシコシ」擦って大丈夫なので、漆を拭き切ってください。
※その程度の摩擦で蒔絵粉が取れることはありません◎

ティッシュに漆が付かなくなったらオッケーです。

※ はみ出した漆は乾いた後の「磨き」で簡単に取り除けます。

 

 

 

 

 

 

 

■ 湿し風呂に入れる

 

【漆が乾く最適条件】

前後の環境に置く

※ 最適条件より下回っても、少しゆっくりになりますが乾きます◎

 

 

漆の乾きに1週間ほど待ちます

 

 

　───【３日目】───　

　

■ 磨く（胴摺り）

 

使う道具・材料

使う道具・材料

• ① サラダ油
• ② 鳴滝砥の粉
• ③ ゴムシート（もしくはタイヤのチューブ）
• ④ 布（モスリンが最上品）

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※「③のゴムシート」…

• ホームセンターやハンズに売っています。
• 厚さ1㎜のゴムシートを【 20×30㎜ 】くらいの大きさにハサミで切って使います。
• 代わりに自転車タイヤのチューブを使っても大丈夫です。
  チューブをハサミで小さく切ったら、裏っ返して使ってください。

 

※ 「④の布」…

• 「モスリン」という羊毛の布が研磨力があり、ベストの布です。
  （↑職人さんはこれを使います）
  骨董市などで安く手に入りやすいので（一反＝¥500くらい）、探してみてください。「虫食い」でも大丈夫です。
• 代わりに「綿の布」でもイケます◎
  Tシャツの端切れでやってみたところ、研磨力が少し落ちる感はありましたが、磨けました。
• 【 15×15㎝ 】前後の大きさにハサミで切り、指に巻いて使います。

 

 

 

「胴摺り磨き」で使える磨き粉

※ 下記のどれでもオッケーです

■ 「粉もの」系（→油を使う）

• ② 鳴滝砥の粉
• ③ 胴摺り粉
• ◯ 普通の砥の粉（←研磨力がちょっと落ちるし、艶の上がり方もちょっと悪い気がします）

→磨く器物に「油」を極薄に敷いてから、磨き粉を極少量、ゴムシートや指に付けて磨きます。

 

■ 「練り物」系（→油は使わない）

• ④ アモール（現在は「キクモール」という商品名）
• ⑤ サンジェット・コンパウンド Ｐ-555白
• ◯ ピカール・ネリ

→そのまま、極少量、ゴムシートや指に付けて磨きます。

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「④ アモール」「ピカール・ネリ」はちょっと固めの練り物です。
※ 小さい容器に小分けしてもオッケー。

 

「⑤ サンジェット・コンパウンド」は柔らかめのペーストです。
※ 小さい容器に移し替えない方がいいです。
中身の磨き粉と溶剤とが分離してちゃいました(T_T)

 

※ 個人的には「⑤ サンジェット・コンパウンド」ばかりを使っています。
他と比べて少し研磨力が高い気がするし、艶の上がり方も他の研磨剤よりも上がる気がします。

 

 

 

作業手順

 

「胴摺り磨き」をおこないます。

この研磨作業で「飛び出ている粉」や「粉の角」が摩耗し、全体的に「丸っこい滑らかな面」になる（ってことだと思います）。

蒔絵粉の上に残っている極薄の漆層を磨き切り、蒔絵粉自体の表面を磨いて光沢を出していきます。

 

作業手順

1. ごくごく少量の油（サラダ油など）を指先に付ける
   （ほとんど付いていないくらい！）
2. その油分を蒔絵粉の上に撫でるように擦りつける
3. 布にごくごく少量の「磨き粉」を付ける
   （ほとんど付いていないくらい！）
4. 油を付けた箇所を布で「手早く」磨き、かつ、拭き擦るようにして油気を取り除く^※２
5. 蒔いた粉が滑らかになり、光沢が出るまで「作業１～４」を繰り返す
   ※ 磨きすぎると、蒔絵粉が磨り減り、研ぎ破りますのでご注意 (T_T)
6. しっかりと光沢が出たら、油は付けず、粉の付いた指先で拭き擦るように油分を取り除く
7. 最後にゴムシートを使って、器の表面に微かに残っている磨き粉で磨くと光沢が一段上がる◎

 

 

 

① 指に油を付ける

※ アモールやサンジェット・コンパウンドなどの「練り物系」を使う場合は油を使いませんので、「③ ゴムに研磨剤を付ける」からスタートしてください。

 

まずは「人差し指の腹」に油を付けます。

㊧：指にほんの「薄っすら」と油を付けます。
付いているのか、付いていないのか、わからないくらいで大丈夫です。

㊨：これじゃ付け過ぎです！
付け過ぎたら、ティッシュやウエスで拭き取り、その「拭き取って残ったくらいの油分」でオッケーです◎

 

 

 

② 蒔絵粉に油を敷く

指に付いた油を、漆で固めた丸粉の上にごく薄く延ばしていきます。

↑指にほとんど油が付いていないので、事実上、「さわさわ」とさするだけって感じになります。

 

 

③ 布（または指）に研磨剤を付ける

磨き粉も同様に「ごく少量」だけ布（または指）に取ります。

（画像は↑「指」ですが、布に付けるときも同様です）

 

※ アモールやサンジェット・コンパウンドなどの「練り物系」を使う場合も同様に、布（または指）に極ごく・少量の研磨剤を付けてください。
「練り物系」は油は使いません。

 

 

④ 手早く磨く

↑これは綿のTシャツの端切れで磨いています。

 

力を入れて手早く擦っていきます。

力の入れ具合としては、摩擦でちょっと熱くなるくらいです。

 

⑤ 「1∼4の作業」を繰り返す

 

蒔いた粉が滑らかになり、光沢が出るまで「作業１～４」を繰り返す
※ 磨きすぎると、蒔絵粉が磨り減り、研ぎ破りますのでご注意 (T_T)

 

磨いていると当たっている布の箇所が「黒く」なってきます。
「油＋研磨剤」で布目が詰まった状態です。

こうなると研磨力が落ちる（という気がしています）。
そうしたら当たっている布の箇所をずらして、新しいきれいな箇所で磨いていきます。

 

 

 

⑥ 研磨剤で油を絡め取る

 

最後に油は付けず、粉の付いた指先で拭き擦るように油分を取り除きます。

「磨く」というよりかは、「残った油分を研磨剤で絡め取る」って感じです。

 

 

 

 

 

布で磨いたらここまで光沢が出ました◎

 

 

⑦ ゴムシートで擦る

さらに光沢を出したい場合は「ゴムシート」で擦ります。

※ 布で磨いた段階での「光沢感」がお好みでしたら、そこで完成としてもオッケーです◎

 

新たに磨き粉を付ける必要はありません。
器の表面に残っている（微々たる）磨き粉で擦り上げます。

 

力を入れて「ごしごし！」と手早く擦り上げます。

摩擦でちょっと熱くなるくらいの力とスピード加減です。

 

 

写真だと分かりづらいのですが、ゴム磨きをすると結構、光沢が上がります。

 

この時点で「完成」でもオッケーです◎

完成とする場合は、中性洗剤と柔らかめのスポンジで水洗いしてからお使いください。

 

 

 

 

 

 

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さらに光沢を上げたければ、もうひと手間、以下の作業をおこないます。

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■ 擦り漆

 

胴摺り磨き前の「粉固め」と同様の作業をおこないます。

生漆を塗って→ティッシュで拭き取ります。

 

筆（または綿棒、ティッシュ）を使って「生漆」を薄く塗ります。

漆はテレピンなどで希釈せず、そのまま使います。

 

※ 「胴摺り後の擦り漆」は金粉も銀粉も「生漆」でオッケーです。
もちろん、銀粉は「黒呂色漆」でやっても構いません。

 

 

● 器の表面がガサガサ・マットな場合

蒔いた粉から漆がはみ出さないように注意し、「筆」で塗っていきます。

 

● 器の表面がツルツル・ピカピカしている場合

↑ティッシュに漆を付けて摺り込んでいます

漆が「はみ出しても」大丈夫なので、はみ出しを気にせず「綿棒／畳んだティッシュ」などに漆を付け、蒔いた粉あたりを「ざざっと」塗っていきます。

※ もちろん筆を使ってもオッケーです。
※ はみ出した漆は乾いた後の「磨き」で簡単に取り除けます。

 

 

 

 

表面に残った漆をティッシュで念入りに拭き切ります。ティッシュに漆が付かなくなるまで拭き取ります。

 

 

● 器の表面がガサガサ・マットな場合

蒔いた粉の上からティッシュで抑えた時に、ティッシュがズレないようにそっと押えます。

• ズレると、周りに漆が付いてしまいます。

ティッシュの面を換え、再び粉の上でそっと押えます。
ティッシュに漆が付かなくなるまで繰り返します。

 

● 器の表面がツルツル・ピカピカしている場合

漆が「はみ出しても」大丈夫なので、「畳んだティッシュ」で「ざざっと」擦って、漆を拭き取っていきます。

ティッシュに漆が付かなくなったらオッケーです。

※ はみ出した漆は乾いた後の「磨き」で取り除けます。

 

擦り漆をほどこしたので、蒔絵部分がちょっと曇りました。

 

 

 

 

 

 

 

■ 湿し風呂に入れる

 

【漆が乾く最適条件】

前後の環境に置く

※ 最適条件より下回っても、少しゆっくりになりますが乾きます◎

 

 

漆の乾きに1日ほど待ちます

 

 

　───【４日目】───　

 

■ 磨く（呂色磨き）

 

「胴摺り磨き」で使う磨き粉類

※ 下記のいずれか

• ① 呂色磨き粉

→「粉もの」系の磨き粉です。
磨く器物に「油」を極薄に敷いてから、磨き粉を極少量、指に付けて磨きます。

• ② サンジェット Ｌ-676

→「練り物」系の磨き粉です。
油は使わず、そのまま、極少量、指に付けて磨きます。

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作業手順

「胴摺り磨き」と同じ作業ですが、「呂色磨き」の方が短時間で終わります。

蒔絵粉の上に乗っている「極薄の漆の膜」を磨いていきます。

 

作業手順

1. ごくごく少量の油（サラダ油など）を指先に付ける
   （ほとんど付いていないくらい！）
2. その油分を蒔絵粉の上に撫でるように擦りつける
3. 指先にごくごく少量の「磨き粉」を付ける
   （ほとんど付いていないくらい！）
4. 油を付けた箇所を指先で「手早く」磨き、かつ、拭き擦るようにして油気を取り除く
5. 蒔いた粉が滑らかになり、光沢が出るまで「作業１～４」を繰り返す
   ※ 磨きすぎると、蒔絵粉が磨り減り、研ぎ破りますのでご注意 (T_T)
6. 最後に油は付けず、粉の付いた指先で拭き擦るように油分を取り除く

 

 

最終仕上げの磨きです。
磨き粉は「呂色磨き粉」を使います。

蒔絵粉の表面に残った極薄の漆層を磨いて取り除くだけなので、作業はすぐに終わります。

 

 

① 油を敷く

指にごく薄っすらと油を付けます。

それを蒔絵粉の上に薄く敷きます。

 

 

② 呂色磨き粉で磨く

指に呂色磨き粉をごく少量付けます。

力を入れ気味にして、一気に磨き上げます。

 

作業工程は「胴摺り磨き」と同様です。
胴摺りよりもさらに油／磨き粉は少なくて大丈夫です。

 

 

磨き終わったら完成です◎

 

 

 

 

■ 完成！

柔らかいスポンジに中性洗剤を付けて洗って完成です。

 

 

 

 

 

 

 

 

※ 「消し粉」についての手順はこちら↓のページをご覧ください。
▸【消し粉】の蒔き方

※ 「平極粉」についての手順はこちら↓のページをご覧ください。
▸【平極粉】の蒔き方

 

 

【蒔絵粉別の工程早見表】

 

 

金継ぎで使う場合の「消し粉」「平極粉（平粉）」「丸粉」の作業工程の比較を簡単にまとめておきます。
※ 詳しくは下の方でご説明しています。

※ 1μm=0.001mm、1mm=1000μm

工程	【丸粉】3号	【平極粉】	【消し粉】
粉の 特徴	・厚い ・丸い（球体）	・消し粉よりも厚い ・平たい	・一番細かい ・薄い・平たい
地塗りの 塗り厚	極薄	超極薄	超極薄
蒔くタイミング	直ちに蒔く	青息（半乾き） ※ 極薄に塗れていれば 直ぐに蒔いてもオケ	青息（半乾き） ※ 極薄に塗れていれば 直ぐに蒔いてもオケ
蒔く 道具	あしらい毛房 （※ 真綿でもオケ）	真綿 （+あしらい毛房でもオケ）	真綿 （+あしらい毛房でもオケ）
乾き 日数 （粉入れ後の）	1~3日 ※ 常時高湿度なら 1日でもオケ	1~3日 ※ 常時高湿度なら 1日でもオケ	1週間～10日程度
粉 固め	１回（もしくは２回） ※ しっかりと拭き切る	1回 ※ しっかりと拭き切る	※ 粉固めしない 磨かない 蒔きっ放しで終了
乾き 日数 （粉固め後の）	1週間	1週間
炭 または ペーパー 研ぎ	▲ 研ぎ破りやすいのでやらない方が無難 やるなら「極」軽く	× ※粉が薄いので研げない
胴摺り 磨き	〈鳴滝砥の粉など＋油〉を付けて布などで磨く ※ 粉も油も極少量！	〈鳴滝砥の粉など＋油〉を付けて指orゴムで磨く ※ 粉も油も極少量！
擦り 漆	1回 ※ しっかりと拭き取る	1回 ※ しっかりと拭き取る
乾き 日数	1日	1日
呂色 磨き	〈呂色磨き粉＋油〉を付けて指でちょちょっと磨く ※ 粉も油も極少量！	〈呂色磨き粉＋油〉を付けて指でちょちょっと磨く ※ 粉も油も極少量！
完成	中性洗剤＋柔らかいスポンジで洗って完成

 

 

 

 

 

 

　

地塗り（蒔絵の時の漆塗り）

 

地塗りに使う漆の「色」

 

使う蒔絵粉の材質（金や銀）によって、「地塗り」の漆も変わります。

 

［使う粉の種類］		［地塗りの漆の色］
● 金粉/真鍮粉 ● 銅粉 …を蒔きたい場合		● 赤弁柄漆など （赤っぽい色の漆）
● 銀粉/錫粉 …を蒔きたい場合		● 黒弁柄漆や ● 白漆など （無彩色の漆）

これが「基本」となります。

 

 

 

 

 

 

この手順で塗っていきます。

 

 

 

 

 

 

本日の講義はここまでです◎
お疲れ様でした。