※ご注意ください。エポキシ系の接着剤やパテで下処理を行い、塗りだけ本漆を使った簡漆金継ぎの紹介です。
PAGE 02 ‣ <BOOK kh-01> 岡田直人/白マグカップ[C]
〈 目次 〉 |
STEP 2.1 刃物での削り |
ペーストがしっかり固まったら器の形に合うように刃物で削っていきます。
刃物のおススメです
→金継ぎで使う刃物の選び方
取り立てて、パテを削る「方法」のようなものがあるわけではないと思います。
刃の表でも裏でも場所場所に応じて使いやすい方を使ってください。
ペースト削ります
少しずつ削っていきます。
私の場合たいがい、出だしは彫刻刀の刃表を使います
かな。
刃裏だと深く入り込んでしまいやすいので。
刃裏、刃表と言われてもわかりませんよね。
刃裏…平らな方
刃表…斜めというか山がある方
このマグカップの器の外側は
ずっと刃表を使っていますね。
マグカップの口元の曲面に合わせて
彫刻刀も斜めに当てて…
…そのままスライドさせていきます
口周りは修理箇所のビシッとした直線に合わせるように
彫刻刀の刃裏の平面を利用して削ります
刃裏の平面がガイドになってくれます
特にキワの部分をしっかり攻めてください
キワの部分のペーストを少し水で濡らしてあげると
ほんのり下が透けて見えます
そうすると器の上に乗っかっているペースト部分が
分かりやすくなります。
乗っかっている部分はなるべく削り取ってください
いろいろな角度からチェックして
器のラインに合うように削っていってください
STEP 2.2 ペーパーで肌を整える |
使う道具:
- 耐水ペーパーの#600(刃物できれいに削れていればこれのみで大丈夫です)
- 耐水ペーパーの#320(刃物であまりきれいに削れなくてデコボコしている場合、これもあった方がいいです)
小さく切ったペーパーを三つ折りにして使います
水にちょっと浸けます
修理箇所以外はなるべく研がないように気を付けてください。
でも、研いじゃいますけどね。
補填箇所の肌が滑らかになるまで研ぎます。
刃物での削りがあまりきれいにいかなかった場合(デコボコしている場合)
最初、ペーパーの#320でゴリゴリ研いでいきます。
形を作るつもりで研いでいきます
まぁ、いいんじゃない?と思えるくらいになったら
今度はペーパーの#600でさささとペーストの肌をきれいにします
はい、肌が整いました。
ここから簡漆金継ぎと簡易金継ぎとが分かれます。
STEP 2.3 漆の下塗り |
使う道具・材料
- 道具: 小筆、付け箆
- 材料: 漆(赤色)、テレピン、サラダ油
漆を塗っていきます。
本当に本漆を使っています。本当です。
まずは筆の油分を洗います
→使用前の筆を洗うやり方
ペーパーで研ぎあげた面に塗っていきます
作業板の上で漆の含み具合を調節してください
修理部分を完全に覆うように塗っていきます
合成うるしより本漆の方が乾きがゆっくりです。
焦らず作業ができていいですね。
口周りも忘れずに塗ります
特にキワの部分が塗り忘れやすいので
ご注意下さい。
できました。
梅干しみたいです。
塗り終わったら筆を洗います
→使用後の筆を洗うやり方
漆は捨てないでくださいね
→余った漆の保存方法