ひびの入った角谷啓男さん湯呑の簡単(簡易)金継ぎ方法

ひびの入った角谷啓男の湯呑の金継ぎ修理

ひびの簡単金継ぎ修理完了

ご注意ください : このページでは合成うるし(※天然の漆ではありません)を使った簡単(簡易)金継ぎのやり方をご説明しています。

 

※ 〈新うるし〉のメーカー側の説明です…

植物性のうるし系塗料です。
・本品は毒性の強い物質ではありませんが念の為、食器等口に含む恐れの有る物に塗装しないでください。

とのことですので、これをどう判断するか?ですよね。正直、難しいなぁーというのが私の感想です。
万全の安全性を考えるなら「菓子器」など口を付けたりしないもの、もしくはあまり食品が触れないような器の使い方をされた方がいいかもしれません。

それよりもみなさん、「本漆」、やってみませんか?(笑)

 

久しぶりの簡単金継ぎのご説明です。
しかも「ひび」のみの簡単金継ぎ修理をこのサイトにアップするのは初めてです。

 今回はごくごく薄っすらとひびの入った箇所を修理します。
修理しなくても問題がない程度なのですが、
気になるといえば気になるので「傷隠し」という感じの修理を施します。

慣れてくればこのくらいの傷でしたら10~20分くらいで
ちゃちゃっと作業が終わります。

簡単金継ぎの修理を始める前に、器の傷をチェックする

information


  • 器の作家: 角谷啓男さん(←白金陶芸教室のオーナー兼金継ぎ図書館チーフアドバイザー)
  • 器の特徴: 陶器、少しテカテカとした釉薬
  • 器のサイズ: 直径77㎜、高さ57㎜
  • 破損状態: 口元から高台に向かってひび(内側25㎜、外側25㎜)

ひびがどこまで伸びているのか、よく調べる。器の内側のチェック

↑湯呑の内側
薄っすらと口元からひびが入っています。

ひびがどこまで伸びているのか、よく調べる。器の外側のチェック

↑湯呑の外側
同様にうっすらとひびが見えます。

白金陶芸教室の角谷先生に「ひび」の修理依頼品がなかなか来なくて、「ひび修理ページ」が作れいないのよね。とぼやいたら、早速ひびの入った湯呑を送ってきてくれました。かど先生ありがとう。

 

step 01 素地調整のやり方(簡単金継ぎの修理)


使う道具: リューターのダイヤモンドビット (ホームセンター等で入手可能/価格 \200~)

▸ ダイヤモンドビットのカスタマイズの方法

新うるしの食いつきをよくするために修復箇所にやすりをかけて傷をつけます。

今回使ったビットは球状のものです。

簡単金継ぎの修理工程。リューターのダイヤモンドビットでひびをなぞっていく

ひびに沿ってダイヤモンドビットをズリズリ動かしていきます。

器の外側のひびに沿ってダイヤモンドビットで傷をつけていく

器の外側のひびをやすり掛けします。

簡単金継ぎの修理工程。器の内側も同様にダイヤモンドビットで研いでいく

器の内側もやすり掛けをしていきます。

簡単金継ぎの修理工程。アームライトで手元を照らしながら器の内側のひびに沿って削っていく。

ズリズリ傷をつけて新うるしの食いつきをよくします。

 

step 02 合成うるし塗りのやり方(簡単金継ぎの修理)


使う道具・材料

合成うるし…各メーカーが作っている「新うるし」、「高級うるし」など

それでは早々と簡単金継ぎの塗り工程に入ります。

その前に筆をテレピンで洗います。詳しくは ▸ 使用前の筆を洗う方法

 

続いて合成うるしの準備をします。

付け箆を使って、容器の中から少量の真鍮粉を掬い取る

作業板の上に金属粉(今回は真鍮粉)を少量出す。

チューブから新うるしを少量、作業板の上に出す。

作業板に新うるしをチューブから少量出す。

作業板の上で新うるしと真鍮粉を手早く練り合わせる。

付け箆で新うるしと真鍮粉をよく混ぜる。

簡易金継ぎで使う新うるしの準備をする

新うるしは硬化が早いので、作業は手早く行ってください。

新うるしを小筆にとる

小筆に新うるしを含ませる。
作業板の上に筆で何本か線を引いてみて、うるしの含み具合をチェックする。

筆の含み具合をチェックする

筆の方の準備は整いました。

塗り始めます。

だいたい私は器の内側から塗り始めます。
その方が、作業を進めていったときに器が持ちやすいような気がするので。

簡単金継ぎの修理工程。器の内側から新うるしを塗り始める。

カップや湯呑などの器の口がすぼまったものの内側を塗るときは
アームライトやヘッドライト(持っているわけないですよね~)で内側を
照らしながら作業を行ってください。

なので、アームライトを使う場合はスタンドを向かって右側に置きます。
(右利きの人はスタンドを左側に置くのが普通だと思うのですが、
漆作業では右側に置いた方が便がいいかと思います)

器の口元部分もきれいにうるしを塗っていく。

ちょっと塗りにくいですが、しっかり縁部分も塗ります。

簡単金継ぎの修理工程。器の外側も同様にうるしを塗っていく

そのまま器の外側も塗っていきます。

新うるしははみ出しすぎないように気を付けて塗っていく。

ひびに沿って塗っていきます。

簡易金継ぎの新うるしの塗り工程

今回は小ぶりで可愛らしい湯呑の雰囲気に合わせて
「やや細め」「少し抑揚をつけて(部分的に細かったり、少し太かったり)」
を意識しながら線を描いていきました。

ひびの消えて終わる部分より少し長目に新うるしを塗っておく

塗り終わりました。完了です。

合成うるしがしっかり乾くまで丸3日くらいはお待ちください。

 

塗り終わったら筆を油で洗います。詳しくは ▸ 使用後の筆を洗う方法

洗い終わったら筆にキャップをつけて保管します。
キャップがなかったらサランラップで優しく包んでください。

※修理した漆の線がこんもりと盛り上がる雰囲気の方がお好みでしたら、
この塗りの作業を何度か繰り返してください。

湯呑の簡単金継ぎ完成


ひびの簡単金継ぎ完成。器の正面。

何日かは新うるし特有の匂いがしますが、だんだんと抜けていきます。

ひびの簡単金継ぎ完成

本漆の蒔絵では出ない表情が出ています。
簡単金継ぎの方が金色が艶やかです。

ひびの簡単金継ぎ完成

 

ひびの簡単金継ぎ完成

 

ひびの簡単金継ぎ完成

 

ひびの簡単金継ぎ完成

 

ひびの簡単金継ぎ完成

 

ひびの簡単金継ぎ完成

簡単金継ぎ修理の完成です。簡単です。
短時間でできてしまいました。10分くらいでしょうか。

どうぞみなさんチャレンジしてみてください。

 

 

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