【漆の接着剤】 意外と簡単!初めての麦漆の作り方 ▸ 動画有

※ 本物の漆を使いますので「かぶれる」可能性があります。ご注意ください。

 

(2016-12-08) 動画を作りました。

麦漆 = 「漆」と「小麦粉」で作る【接着剤】

【解説】
1.小麦粉 スプーン摺り切り1杯 を作業板の上に出す
2.生漆  スプーン摺り切り1杯 を作業板の上に出す
3.小麦粉を水練りする(水を少しずつ足していく。チューインガムくらいになるまで水を足す。一般的には、「耳たぶ」くらいになる水分量でつくるので、僕のは少し水が多いかな)
4.水練りした小麦粉に生漆を足して、よく練る(生漆は少しずつ足していく)

「麦漆」に「木粉」を足したものが【刻苧漆(こくそうるし)】という「パテ」になります◎

 

 

 

使う道具・材料


dougur

  • 道具: ①プラスチック箆(幅の小さいものの方が使いやすいです。25㎜か30㎜)
  • 材料: ③生漆 ⑤小麦粉 ⑥水
  • その他: ④作業板 ○テレピン ○ウエス

麦漆とは…

  • 金継ぎ修理の中で器の破片同士をくっつける接着剤(接着のやり方
  • 刻苧漆を作るときのベース(これに木粉を入れれば刻苧漆になります)

麦漆…漆(生漆)+小麦粉+水で作ります。強力な接着力があります。が、粘り気がすごいのでちょっと扱いづらいかもしれません。

 

 

step 00 漆と砥の粉の分量比


参考に…師匠のお一人から教わったレシピ(配合比) ※あくまで目安です。師匠もそのつもりで教えてくれました。

小麦粉(4g):水(4~5g):漆(5g)重量比

※この分量だと大量の麦漆ができてしまいますのでご注意ください。
※水少な目の麦漆です。私は今はこの配合ではやっていません。アバウトにやっています。

 

ちなみに目分量(体積比)としては

水で練った小麦粉(1):生漆(1)見た目の体積比

というのがあります。

で、みなさんうまく麦漆は作れていますでしょうか?
「作れているような気もするし、いまいちなような気もする…」というのが正直なところではないでしょうか?

特段トラブルがないようでしたらそれで本当はオッケーなのですが、「目分量」だと何となく不安ですよね。

そこで、「このもやもや感が嫌いな人」「きっちりと乾くベーシックな麦漆を作りたい人」へのご提案です。

ちょっと手間がかかってしまうのと、道具が2つ必要になってしまいますが、金継ぎ図書館が今のところご提案できるベストな方法です。

(目分量で問題なく錆漆が作れている方は step 01 へお進みください。)

 

 

 

step 000 誰でもデキル!漆と砥の粉の分量比


金継ぎ修理で使う麦漆の作るときに使う道具と材料

  • 道具 : ②竹箆(丸い箆先) ③計量スプーン 1/4 (0.25㏄)
  • 材料 : ○漆(生漆) ①小麦粉

金継ぎ図書館のご提案として極小の計量スプーンを使うことをおススメさせていただきます。

大きさは 1/4 (0.25㏄) がお薦めです。1/2(0.5㏄)や1/10(0.1㏄)の計量スプーンでももちろん構いません。が、実際にそれぞれのスプーンで錆漆を作ってみたのですが、できる麦漆がちょっと多かったり、ちょっと少なかったりする気がしました。
金継ぎで使うには 1/4 がお薦めです。

和田助製作所 極厚軽量スプーン 1/4 スプーン  価格¥160~200 くらいです。

私は東京の河童橋道具街で買いました。ハンズでは多分、置いてなかったと思います。(2016.2月現在)

 

それでは小麦粉と漆の計り方をご説明していきます。

 

金継ぎ修理で使う麦漆の作り方

小麦粉を計量スプーンでひと掬いします。
軽く山盛りになるように。

金継ぎ修理で使う麦漆の作り方

ヘラで上から軽く押さえます

金継ぎ修理で使う麦漆の作り方

ヘラで切って、「摺り切り一杯」にします。

金継ぎ修理で使う麦漆の作り方

小麦粉をスプーンから作業板の上に出します。

金継ぎ修理で使う麦漆の作り方

次に漆をチューブから計量スプーンに出します。
皆さんお使いなのはチューブですよね?お茶碗に漆を入れている方は小さなヘラで漆を掬って軽量スプーンに入れてください。

金継ぎ修理で使う麦漆の作り方

生漆はスプーン摺り切り一杯です。

ここが錆漆を作るときと違いますのでご注意ください。錆漆の場合は漆は8割くらいです。

金継ぎ修理で使う麦漆の作り方

作業板の上に漆を移します。

金継ぎ修理で使う麦漆の作り方

計量スプーンは窪みが深いので、そこから綺麗に漆を掻き出すために「先丸の竹べら」を使います。

「先丸の竹べら」は通常の「付け箆」を作りまして、その先っちょを計量スプーンの丸みに合わせて削ります。丸みはアバウトで大丈夫です。

金継ぎ修理で使う麦漆の作り方

先丸竹べらは厚みが薄くなるようにすると、よくしなって計量スプーンから掻き出しやすくなります。

 

これで間違いのない分量比の小麦粉と漆が作業板の上に出たと思います。
今のことろこれが金継ぎ図書館のベストアンサーです。

 道具を揃えたり、手順が増えてちょっと手間なのですが、今までうまくいかなかった方のお悩み解決の一役になれたらこれ幸いです。

何度か計量スプーンを使って麦漆を作っているうちに、だんだんと分量の感覚が掴めてくると思います。そうしたらスプーンを使わずとも目分量や作っている最中の麦漆の表情を見て判断ができてくるようになります。

 

 

 

 

STEP 01 〈 小麦粉 + 水 〉を練り合わせる(金継ぎの麦漆の作り方)


金継ぎの麦漆の作り方。まずは練り合わせる水と小麦粉を用意する。

まずは 〈 水 + 小麦粉 〉 を練り合わせます。

と、その前に「ヘラ」のチョイスのお話です。

麦漆や刻苧漆を作るときに使う箆は腰の強めのものがいいです。
市販のものだと白いプラスチック箆が固めのものが多いのでお勧めです。

金継ぎで使う麦漆の量はすごく少ないので、箆も小さ目の方が扱いやすいです。
「ヘラがうまく使えない」「使いづらい」という方はもしかしたら金継ぎで使う材料の分量に対して箆が大きすぎるのかもしれません。(60㎜幅は明らかにデカすぎます)

市販品ですと幅25㎜(ハンズですと30㎜が最小でした)がいいと思います。「箕輪漆工」の通販で買えます。
ベストは幅10~15㎜、長さ170~180くらいがいいと思います。が、市販品ではなさそうなんですよね。どこかのメーカーが作ってくれたら有り難いのですが。

 

それでは実践に入ります。

金継ぎ修理で使う麦漆の作り方

まず、作業板の上に小麦粉と水を少量、出します。
水は小麦粉の上に直接出すのではなく、小麦粉の少し脇に出してください。

金継ぎ修理で使う麦漆の作り方

その水にヘラをちょっとだけつけます。

金継ぎ修理で使う麦漆の作り方

箆で小麦粉と水を練り合わせていきます。
↑画像ではまだまだ水が足りていません。小麦粉がボソボソしています。

金継ぎ修理で使う麦漆の作り方

お隣の水溜まりからちょっとずつ箆で水を取って、小麦粉に足していきます。

目標としては「小麦粉がまとまるよりももう少し多目(飽和するより多いくらい)」に水を含ませます。
様子を見ながら少しずつ水を付け足していきます。
※私のやり方は少し水が多目です。
人によっては水は使わない(小麦粉+漆のみ)、または小麦粉が団子状にようやくまとまるくらい(耳たぶくらいの柔らかさ)の水分量で、という方もいます。こちらの方が主流派だと思います。

 

金継ぎ修理で使う麦漆の作り方

 水と練り合わせた小麦粉が「ガム」のような状態になるまで
水を足しつつ、練り合わせていきます。
↑の画像くらいの「ねちゃねちゃ度」でオッケーです。

次に漆を混ぜます。

 

 

STEP 02 〈 生漆 + 水練り小麦粉 〉を練り合わせる(金継ぎの麦漆の作り方)


  金継ぎ修理で使う麦漆の作り方

水で練った小麦粉(1):生漆(1)見た目の体積比

漆は体積比で等量くらいを出しておきます。水練り小麦粉のお隣に漆を出してください。
練り合わせつつ漆が足りないようだったらまた足します。

金継ぎ修理で使う麦漆の作り方

漆を出した場所から少しづつ(1/3くらい)箆で取ります。

金継ぎ修理で使う麦漆の作り方

ヘラでよく練ります。
まだまだ、漆が足りていないのでボソボソしています。

金継ぎ修理で使う麦漆の作り方

 さらに漆を1/3くらいとって、練り合わせます。

金継ぎ修理で使う麦漆の作り方

いっぺんに漆を混ぜると「だま」のような感じになって、混ざりにくくなってしまいます。
料理と一緒で、少しづつ混ぜていきます。

金継ぎ修理で使う麦漆の作り方

 残っていた漆を全部取って、練り合わせます。

金継ぎ修理で使う麦漆の作り方

しっかり練り合わせていったら↑のような状態になりました。
ガムよりもうちょい柔らかい粘りがあります。

いちおう、「麦漆」にはなっているのですが、麦漆の「表情」から判断するに漆の割合が少なそうです。
漆分が少ないとやはり接着力だったり耐久性が少し低い麦漆となってしまいます。

漆が十分かどうかの判断は…
練り合わせたものを放置して3秒くらいするとほんのわずか、じんわりと漆が表面に滲んでくるくらいの状態がよいかと思います(漆が飽和している状態

↑の麦漆はまったく「じんわり」してこなかったので、漆が少ないです。

なので漆を足します。
※ 計量スプーンで計った人は漆を足さないでください

金継ぎ修理で使う麦漆の作り方

再び作業板の上にほんの少し漆を出します。

金継ぎ修理で使う麦漆の作り方
その漆をしっかりと練り合わせます。

先ほどよりも少し緩んで、粘りも出ました。
ガムよりもはるかに滑らかな粘りになります。

これで金継ぎで使う麦漆の完成です。
 金継ぎ修理で使う麦漆の作り方
麦漆の練り合わせを止めて、3秒くらいするとじんわり、うっすらと漆が滲んでくるくらいがよろしいかと思います。はい。

金継ぎ修理で使う麦漆の作り方

麦漆の色艶を見ます。少し、テカっています。漆がギリギリ飽和している感じです。

 

麦漆の保存…サランラップにくるんで2~3日使えます。古くなると乾き(硬化)が悪くなります。夏場(暑いと)だと悪くなるのが早いです。
なるべくその都度、作った方がよいです。

なので少量作って、余らないようにするのがベターです。足りなかったら作り足す。

 

 

麦漆の使い方(接着の方法)の参考例
 ▸ 割れた柳宗理ティーカップの金継ぎ方法 1/3 麦漆接着

金継ぎで使う刻苧漆を作る方はこちらへお進みください。
 ▸ 刻苧漆の作り方

その他の素材の調合のやり方
 ▸ 錆漆の作り方(漆で作るペースト)

 

 

STEP 03 麦漆の保存の仕方(金継ぎの麦漆の作り方)


大量に作りすぎたときや、麦漆が余ったらサランラップに入れて保存します。

 麦漆の保存のやり方

広げたサランラップの中央に麦漆を載せます。

麦漆の保存のやり方

折りたたんでいきます。
半分に折って、1/4に折って、さらに1/8に折ってさらに…と
5回くらい扇形に小さく折り畳んでいきます。

 

くるくるまわして細くして、それから縛って御終いです。

 

 

 

 

Pocket