※ このページでは皆さんが見やすいようにプラスチック箆を使用していますが、金継ぎではプラベラはちょっとデカすぎるかな…と思います。
ぜひ、小さな「檜箆」を作ってみてください。 ▸ 自分で作る金継ぎ用ひのき箆・完全ガイド
こんなページさ、一体、誰が見るの?もっと金継ぎのコンテンツ作った方がいいと思うよ。
うーん、確かに…。いや、いつかきっと必要とされる時が来るはず!(そんな気がする)
ということで、もしかしたら誰のためにもならないかもしれない「箆捌きシリーズ」をそれでも作らせていただきたいと思います。…こんなコンテンツを作るのはアタマの悪い金継ぎ図書館以外にない。これが私の「お仕事」です(笑)
いや、でもですね、箆が上手に使えるようになると漆作業も愉しくなってくるのです。
これは工藝全般に言えることだと思いますが、「道具」とのシンクロ率が上がっていくほど作業が上手くなり、作品の出来栄えもよくなり、さらには「身体感度」も上がっていくのであります。
基本的なヘラのポジション取り
そうです。何事もポジション取りが大切です。
「ライト・タイム‐ライト・プレイス」です。「正しい時に正しい場所にいる」、このことこそが生きる上で死活的に重要であると内田樹先生は仰られています。
「箆捌き」も「正しい時に正しい場所」に指が置けるよう、トレーニングしていきましょう。
ところで…
みなさん、こう持っていませんか?
親指をヘラの上に乗せていませんか?
もしくはヘラを動かしているうちにいつの間にか親指がこのポジションに来てしまう…
そうです。初めての方はこの通称「親指問題」が発生します。
みなさん例外なくです。私も当然、この問題に直面しました。
この問題が発生しなかった方は「天才」、もしくは未だに親指問題が発生していることに「気が付いていない方」のどちらかです。
気が付いていない方、気が付いてくださいね。親指、乗ってますよ◎
このポジション取りが必ずしも悪いわけではなく、職人さんでもこの使い方をされている方もいます。私も「垂直に立った面」にヘラ付けをする場合はこの使い方をする場合があります。
(神社の「塀」とか。…塀?そうです。塀です。わたくし、塀も漆を塗ったことがあるのです。すごいでしょ◎いや、実は死ぬほどつらかったです~)
そうではあるのですが、通常、作業板の上でネタを「練る」ときは親指を乗せない方がいいと思います。
その扱い方を説明していきます。
※ あたし、親指乗っているけどすこぶる使いやすいよーという方は、全然、そのままでオッケーです。何の問題もありません◎
基本的には「人差し指」がヘラの上に乗るようにします。
ヘラ先が上側にある時も…人差し指はヘラの上に置きます。
反対に、ヘラ先が下側にある時も…人差し指のポジションは同じです。
人差し指がヘラの上に乗っているとき、どうやってヘラを持っているのかと言いますと…
「親指」と「中指」の指の「腹」でヘラの側面を挟んでいるのです。
正面から見るとこんな感じです。
親指、中指の腹で挟んでます。
さらにヘラのお尻の方(持ち手側)がどうなっているかと言いますと…
薬指、小指とで手の平に軽く包んでいます。
こんな感じです。
正面から見ると…確かに、薬指に乗っています。その向こうの薬指にもきっと乗っています。
これが基本の構えです。
よろしいでしょうか?ヘラの上に人差し指です。
基本的なヘラのローリング・アクション
次はいよいよ「アクション」へと移ります。
ローリングします。よろしいでしょうか?
少し複雑になります。でも鳩でもできますので、大丈夫です。みなさんなら少し練習すればすぐにできるようになります。
ヘラの側面を挟んでいる「親指」、「中指」、それからヘラの上に乗っている「人差し指」の動きにご注意ください。
ヘラを(正面から見て)時計回りに回します。
親指が押さえているB点を下に回転させ、中指のC点を上に回転させます。
親指、中指で回転させている間に人差し指は向かって左側にスライドさせていきます。
先ほど、下方向に押した親指を今度は上にスライドさせます。
中指は逆に下方向にスライドさせていきます。
人差し指は箆の背中を跨ぎます。
親指は上へ。中指は下へスライドさせます。
と同時に人差し指でヘラを下へ押し始めます。
親指は上へ。中指は下へ。
人差し指はヘラを押さえる。
親指、中指はヘラの側面ポジションへ
人差し指はもう少しスライドさせていきます。
きました!スタンダード・ポジションです。
こうなったらオッケーです。
この説明で伝わったでしょうか?かなり分かりづらいでしょうか?
どう、画像を撮って、どうやってイラストを書き添えて、どう言葉を乗せていけばいいのか…
まだまだ試行錯誤です。
ちなみに今のところ「動画」を撮る気がありません。済みません。
上で説明した画像を順番を逆にして並べ替えてみました。
こうするとヘラを逆回し(半時計回り)にした時の捌き方になっていると思います。
ピンぼけした画像ですが、ちょっと違う角度からもご覧ください。
どうでしょう?
わかりましたでしょうか?
このページを何度も下へスクロール、上へスクロールしながら、ご自分でもヘラを回して、動作の確認をしてみてください。
箆がスムーズに動くようになると、本当に気持ちよく作業ができるようになりますよ。
だんだんと意識しなくても自然に手が動くようになってきますので、
頑張ってトレーニングしてください!