※ 縁の欠けた小皿の金継ぎ修理の方法を説明していきます。本物の漆を使った修理方法ですので「かぶれる」可能性があります。ご注意ください。
今回は金継ぎの工程のうち、〈錆漆の削り~漆の下塗りまで〉のやり方を解説していきます。
〈 目次 〉 |
錆漆の削り・研ぎ |
前回行った金継ぎ工程の錆漆が乾いたらまずは刃物を使って削っていきます。
金継ぎの錆漆の削り・研ぎで使う道具 : 刃物、耐水ペーパーの#600、はさみ(ペーパー専用にしてしまいます)、水、ウエス
刃物は次のいずれか
- 彫刻刀
- メス
- オルファアートナイフプロ
- カッターナイフ
刃物の詳しいご紹介はこちらです
▸ 金継ぎで使う刃物の選び方
錆漆を刃物で削っていきます。
少しずつ削っていってください。
いろいろな角度から器を見て
欠けた部分に充填した錆漆がきれいなラインになっているか
チェックしてください。
刃物の削りで錆漆をなるべくきれいに整形しておいた方が
最終的な仕上がりもきれいになります。
次に耐水ペーパーで研いでいきます
私は耐水ペーパーを1㎝×1㎝くらいの小ささに
はさみで切り、それを三つ折りにして使っています。
豆皿に出した水を少しだけつけて
錆漆を研いでいきます。
なるべく錆漆の部分だけを研ぐようにします。
(あまり器の方は研がないように気をつけます)
ちょくちょくウエスで研ぎ汁を拭き取りながら
研ぎ具合を確かめてください。
器をいろいろな角度から見て、欠けた部分に充填した
錆漆がきれいなラインになっているかチェックします。
漆の下塗り |
金継ぎの漆下塗り作業で使う道具と材料
- 道具: 小筆、付け箆
- 材料: 漆(今回は弁柄漆)、テレピン、油、ティッシュペーパー
まずはテレピンで筆の中の油分を洗い出します。
▸ 使う前の筆の洗い方やや詳しい説明です
金継ぎの下塗り工程では漆が厚くなりすぎないように気をつけながら
塗っていきます。
充填した錆漆は完全に覆うように塗っていってください。
極小の欠けの部分も忘れずに漆を塗ります。
金継ぎの漆下塗り作業が完了です。
塗り終わったら筆を油で洗います
次の作業工程を見る ▸ ③ 蒔絵完成
前の作業工程を見る ▸ ① 錆漆付けまで