【漆のパテ】 意外とカンタン!初めての刻苧漆の作り方 ▸ 動画有

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size19    ファイツ!!

 ※ 本物の漆を使いますので「かぶれる」可能性があります。ご注意ください。

刻苧漆こくそうるし(パテ)とは…

金継ぎ修理で大き目の欠けた部分の補修や大きな穴を埋めるときに使います。
※ 小さな欠け、穴、わずかな隙間などを埋めるときは
錆漆さびうるし(ペースト)を使います。
 ▸ 錆漆の作り方

 

刻苧を使うのか、それとも錆漆を使うかジャッジする際の
ご参考までに。

傷の深さ 使う充填材
深い(2㎜以上) 刻苧漆こくそうるし(パテ)
※ 一回の盛り厚は3㎜程度まで
それ以上の深さに充填する場合は
数回に分けて充填する
どっちつかず(1~2㎜) どちらでもお好みで◎
※ 錆漆を使う場合は1回で厚盛しない。
一回の盛り厚は1㎜程度まで。
それ以上の深さに充填する場合は
数回に分けて充填する
浅い(1㎜未満) 錆漆さびうるし(ペースト)

 

 

 

【作業手順】

  1. 麦漆を作る
  2. ちょっとだけ、麦漆を予備としてとっておく
  3. 木粉を少しずつ混ぜて、練っていく
  4. ヘラがぎりぎりくっつかなくなるまで木粉を混ぜる
  5. 完成

※ もし、木粉を入れ過ぎて「ポソポソ」になってしまったら、予備として取っておいた麦漆を加える。

 

「刻苧漆こくそうるし(パテ)失敗防止策」のご提案です!「どうしても失敗してしまうんです(涙)」という人は、絶対にこれをやって、感覚を掴んでから、普通の作り方をしてください。

【初心者の方は…】
まずは「あらやだ、ちょっとパサパサになっちゃったかしら?」というくらい多目に木粉を入れて(入れ過ぎて)から、余らせておいた麦漆むぎうるし(接着剤)を追加する方がいいかもしれません。

【何度やっても失敗してしまう人は…】
一度でいいから、本当にどうしようもないくらい木粉をガンガン入れちゃってください。それで「パッサパサ」の刻苧を作ってください。パッサパサでどうにも使えないくらいです。←これ、絶対にやってください。それから、そこに麦漆を少量、加えていって、「ようやくコクソがまとまるくらい」にしてください。
おそらく何度も失敗する人は、ご自分の「感覚」が「刻苧のベストの配合」から結構、ズレています。初めてコクソを作った時の「初期設定」がズレていたんだと思います。だけど、「ズレていた」って、別に全く悪いことではありません。誰だってあり得ることです。そういった「結構、ズレて覚えてしまった感覚」を修正する「やり方」を身に付ければいいのです。←これを習得できれば他のことにも応用ができることだと思います。
修正方法の一つのやり方としては、自分が「このくらいでいいかしら?」と思っている、その自分の「常識感覚」を大幅に跳び超える…です。←これは何事に関しても自分の感覚をブレイクスルーするための骨法です◎ 

 

作業手順


予め麦漆むぎうるし(接着剤)を1~2割とっておきます。(脇によけて置く)

 

インターネット上で初心者相手の金継ぎ教室 敢えて木粉を入れ過ぎます。ポソポソになるまで入れていください。(←よく失敗する人はここで手加減しちゃダメです。手加減すると失敗します。自分の感覚限界を超えてください◎)
あうち!これじゃ刻苧が使えない(涙)でも大丈夫◎

 

インターネット上で初心者相手の金継ぎ教室あらかじめ最初に脇によけて取っておいた少量の麦漆」を使います。

 ボソボソになった刻苧漆に予備の麦漆を混ぜていきます。
ちょっとずつ様子を見ながら麦漆を足していってください。

 

金継ぎで使う刻苧漆を作る オッケーです。刻苧漆が蘇りました!

  麦漆むぎうるし(接着剤)にちょっとずつ木粉を入れていって「ジャスト」を狙おうとすると「どのくらいの塩梅がジャストなの??」って、その感覚が分からないですよね。
なので、逆転の発想で「敢えて、行き過ぎて(木粉を入れ過ぎて)から、戻ってくる(麦漆をいれる)」方式でやってみるのはいかがでしょうか?この方法で感覚を掴んでから普通のやり方に移ればいいかと思います◎

 

 

 

使う道具・材料(金継ぎで使う刻苧漆の作り方)



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使う道具・材料▸  刻苧漆の充填で使う道具・材料の入手先・値段


 

 

 

 

step 00 漆と砥の粉の分量比


刻苧漆は<麦漆>に細かい木の粉を混ぜることで作れます。おっ!簡単!

刻苧漆 = 麦漆 + 木粉  

師匠のおひとりから教わったレシピです。
まずは麦漆を作ります。配合は

小麦粉 4 : 水 4 : 漆 5 (重量比)  ▸ 麦漆の詳しい作り方)

この比率で作った麦漆 に対して

麦漆 10 : 木粉 4~6 (重量比)

の割合で木粉を足していきます。
あくまでも目安です。わざわざ木粉の重量を計らなくても多分ミスなく作れると思います。

 

 

 

 

step 01 麦漆を作る


それではまずは麦漆を作ります。ここでは簡略的に麦漆の作り方をご説明します。詳しく知りたい方は ▸ 麦漆の詳しい作り方

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  • 道具: ①プラスチック箆(幅の小さいものの方が使いやすいです。25㎜か30㎜)
  • 材料: ③生漆 ⑤小麦粉 ⑥水
  • その他: ④作業板 ○テレピン ○ウエス

 

水、小麦粉、生漆で麦漆を作ります。

刻苧漆用に麦漆を作る

小麦粉と水を練り合わせます。
水は小麦粉がガムのようになるまで少しづつ足していきます。

もし、水が多くなりすぎたら小麦粉を足してください。

刻苧漆用に麦漆を作る

漆を出します。
小麦粉の左隣の茶色い液体が生漆です。

とりあえずの目分量としては体積比で

<水ねり小麦粉 1 : 1 生漆>

といったところでしょうか。刻苧漆用に麦漆を作る

水ねり小麦粉に少しずつ生漆を混ぜていきます。
いっきに生漆を多く混ぜる「だま」のようになってしまうので気を付けてください。

刻苧漆用に麦漆を作る

このようになるまで練ります。

練るのを止めて2~3秒するとじわっと漆がうっすら沁みだしてくるくらいがいい状態かと思います。

じわっとしてこないようだったら少しずつ漆を足してください。

これで刻苧漆のベースとなる麦漆は完成です。

 

 

step 02 麦漆に木粉を練り込む


麦漆に木粉を混ぜていきます。
(木粉、持ってませーんという方は ▸ 木粉の作り方

と、その前に「ヘラ」のチョイスのお話です。

刻苧漆を作るときに使う箆は腰の強めのものが使い易いです。断然。
市販のものだと白いプラスチック箆が固めのものが多いので、それがお勧めです。

金継ぎで一度に作る刻苧の量はすごく少ないので、箆も小さ目の方が扱いやすいです。
「ヘラがうまく使えない」「使いづらい」という方はもしかしたら金継ぎで使う材料の分量に対して箆が大きすぎるのかもしれません。(60㎜幅は明らかにデカすぎますよね~)

市販品ですと幅25㎜(ハンズですと30㎜幅が最小でした)がいいと思います。「箕輪漆工」の通販で買えます。
金継ぎで使うならベストのヘラ幅は10~15㎜、長さ170~180くらいがいいと思います。が、市販品ではなさそうなんですよね。どこかのメーカーが作ってくれたら有り難いのですが。

…と思っていたら、解決案が浮かんできました(というほどのものではありませんが)。
上手くいくようでしたらまた金継ぎ図書館の方に載せますね。「練り箆」の作り方/箆の作り方第3弾…ですね。
「入手が容易な素材で、初めての人でも加工がしやすく、かつ作ったものは使い勝手がいい」というのはなかなか落としどころが難しいですね。

 

へら話が長くなってしまいました。すみません。
刻苧漆を作ります。

 

金継ぎで使う刻苧漆を作る

次に木粉を作業板の上に出します。
ひとまずの木粉の目分量は < 麦漆1:1木粉 >といったところでいかがでしょうか?
実はこのへんはいつも適当にやっています。木粉が足りなかったら後で足していきます。

で、この時に重要なのは
少量の麦漆(1~2割)を脇に避けて取っておく
です。

万が一、木粉を入れ過ぎて刻苧がボソボソになってしまったときにこの取っておいた麦漆を加えて難を逃れるのです。後程、画像でもご説明します。

麦漆、取っておいてくださいね。

金継ぎで使う刻苧漆を作る

木粉は少しずつ麦漆に足して、練り合わせていきます。
とりあえず作業板の上に出ている木粉の1/3くらいを箆で取って練り合わせます。
少量ずつ木粉を足していった方が効率がいいと思います。

金継ぎで使う刻苧漆を作る

箆でよく練ります。

金継ぎで使う刻苧漆を作る

しっかり練り合わせたら、再び木粉の1/3くらいを箆で取ります。
そして練ってください。

金継ぎで使う刻苧漆を作る

残っていた木粉も足して練ります。

金継ぎで使う刻苧漆を作る

作業板に出ている木粉を全部混ぜたのですが、↑画像のように刻苧漆がべちゃべちゃしています。木粉がからっきし足りていません。のでもう少し木粉を足します。

もしこの状態で刻苧として使った場合、かなり乾きの悪い刻苧漆になります。

それじゃ、どのくらい木粉を混ぜればいいの?と思われますよね。
目指す刻苧漆のゴールですが、刻苧箆で触ったとき、「ギリギリ箆離れがいいくらい」です。何のことやら分かりませんよね。

まぁ、下の画像に進んで行ってください。

金継ぎで使う刻苧漆を作る

追加で木粉を足し、練り合わせます。

金継ぎで使う刻苧漆を作る

いい具合に刻苧がまとまるようになってきました。

※木粉を足して練っているとき、最初はすこしパサついていても
すこし時間が経つと(1~2分)漆や水分が木粉に浸みてきてベタベタして
きます。ので、木粉の混合量は少し待ってからジャッジしてください。

金継ぎで使う刻苧漆を作る

↑画像のように刻苧からパッと箆が離れました。
よさそうです。

金継ぎで使う刻苧漆を作る

簡単に団子状にまとめて作業板から剥がせます。このくらいがいいです。

金継ぎで使う刻苧漆を作る

竹串で作った刻苧箆をペタペタ押し当ててみます。

金継ぎで使う刻苧漆を作る

 パッと箆が離れます。竹の刻苧箆でペタペタ触っても
箆離れがよく、ギリギリべたつかないくらい

このくらいだと刻苧自体に接着力もあり、適度に
乾くスピードもあるので使い勝手がよいと今のところ思っています。

 

 

金継ぎで使う刻苧漆を作る

刻苧漆を使う際は↑画像のように、刻苧箆で少量の刻苧を取ります。

金継ぎで使う刻苧漆を作る

 これを欠けた箇所や穴に埋めていきます。

 

 

 

step 03 刻苧がボソボソになってしまったときのリカバリー


麦漆に木粉を混ぜていったとき、うっかり木粉を入れ過ぎてしまった!

金継ぎで使う刻苧漆を作る

あうち!刻苧がボソボソです。
そんなこと、あります。はい。

でも大丈夫◎

金継ぎで使う刻苧漆を作る

みなさん、最初に「少量の麦漆(1~2割)を脇に避けて取っておく」と言ったのをしっかりと順守してくれていたでしょうか?
この時のための予備の麦漆だったのです。この麦漆があれば大丈夫。

ボソボソになった刻苧漆に予備の麦漆を混ぜていきましょう。ちょっとずつ様子を見ながら麦漆を足していってくださいね。

金継ぎで使う刻苧漆を作る

 オッケーです。刻苧漆が蘇りました!(いや、もう少し麦漆を足した方がいいかもしれませんね)

 

 

刻苧漆ですが、保存が利きません。どんどん固まってきてしまいます。
ので使いきりです。余ったら捨ててください。残念ながら。

 これで金継ぎ修理で使う刻苧作りは終了です。ご苦労様でした。

 

刻苧漆の使い方のコツ
 ▸ 刻苧漆のつけ方・使い方パート1(小さめの欠け
 ▸ 刻苧漆のつけ方・使い方パート2(大きめの欠け

その他の素材の調合のやり方
 ▸ 麦漆の作り方(接着剤)
 ▸ 錆漆の作り方(漆で作るペースト)

 

 

▸ 刻苧が乾いていない(ような気がする)時の対処方法

 

 

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取っ手が割れた急須の金継ぎ方法(やや概略) 3/3 ~蒔絵完成まで(古川まみさん)

取っ手が壊れた古川まみの急須の金継ぎ修理
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ファイツ!

 

※ 取っ手とその周辺が壊れた急須の金継ぎ修理のやり方を説明していきます。本物の漆を使った修理方法ですので「かぶれる」可能性があります。ご注意ください。

今回は金継ぎの工程のうち〈錆漆の研ぎ~蒔絵完成〉までのやり方を解説していきます。

※かなり端折っています。すみません。

錆漆の削り/研ぎ


刃物で削り、ぺーパーで研ぎます。

なるべく刃物で整えた方が器へのダメージが少ないので頑張ってください。

使う刃物のおススメです
金継ぎで使う刃物の選び方

錆漆の削りの参考にこちらをご覧ください
錆漆の削り・研ぐやり方

金継ぎの方法。急須の錆漆を削る

錆漆を削った時になるべく周りとフラットになるようにします。

もし、この段階で小さな穴や凹みが見つかったら
もう一度、錆漆を行ってください

↑これはご自分のこだわり次第です。
はじめての方とか初心者の方はあまりこだわり過ぎると
多分、金継ぎが嫌になってしまいますので
そこまでやらなくていいと思います。

私の場合、欲しい平面が出るまでだいたい2,3度錆漆をおこなっています。

漆の下塗りを研いだ後に凹みが見つかり、
もう一度錆漆に戻ることもしばしばです

漆ってそういうものです。

塗りに入らないとわずかな凹みや歪みは
なかなか見つけられませんのでしょうがないのです

金継ぎの方法。錆漆の削り、研ぎが終了

削りできれいに形やラインを整えたら
最後に耐水ペーパーをかけます

刃物での削りがイマイチきれいにいかなかった人は
ペーパーでガンガン研ぎますので
#240~#320

くらいの番手がいいと思います。ガリガリ研いでください

 削りがきれいにいった人は表面を滑らかに整えるだけでいいので

#600くらいの番手でいいと思います。
サラサラと研いでください

研ぎが終わったらきれいに拭いて、塗りに入ります。

漆の下塗り

漆の下塗りで使う道具と材料

  • 道具: 小筆、付け箆
  • 材料: 呂色漆(黒色の漆)
  • その他: テレピン、サラダ油

※私の場合、錆漆の固めはおこないません。が、一般的には行う人が多いと思います。

 金継ぎの漆の下塗りは、今回は呂色を使いました。

私は基本的に下塗りを呂色でおこない、上塗りを弁柄漆でおこなっています。
下塗りと上塗りが同じ色だとわずかな塗り残しを見落としがちなので
いまだに未熟な技術なんです。

 筆を使う前に油を洗い出してください
使用前の筆を洗うやり方

 ただ塗るしかないので
特に参考になるわけではないのですが一応、
漆塗りのやり方

金継ぎの方法。呂色漆で下塗りをほどこす

厚くならないように塗っていきます。
なるべく均一に

  金継ぎ作業の方法。取っ手の付け根部分の漆塗り完了

錆漆の部分は完全に漆で覆うようにしてください

最終的仕上がった時に錆漆が表面に出ていると
そこから水分の出入りがおこなわれるので
剥がれやすくなります。

極端に剥がれやすくなります。はい。

金継ぎの方法。塗りは厚くならないように気を付ける

外側が塗り終わりました

金継ぎ作業の方法。器の内側も漆を塗る

内側も塗ります。

内側はあまりうまく塗れません。難しいです。

曲がった筆を作らないとですね。

中国では瓶の中に絵を描く工芸品があって
それには穂先を曲げた筆を使っているようです。

どうやってつくるのでしょうか?
今のところ作り方がわからないのですが、ぜひとも知りたいです。
日本でも知っている人がいますかね?

金継ぎの方法。錆漆を完全に覆うように漆を塗る

はい、終了です。

この後、研ぎ→塗り→研ぎ→…と3回くらい繰り返しました。

 

漆の下塗り研ぎ

 塗って→研いで→塗って…を繰り返し(凹みや穴があれば錆漆に戻り)、
その器に合うような平滑なラインを探ります。

漆を塗って、それが乾かないうちに金属粉を蒔くのが蒔絵です。
漆は金属粉の接着剤代わりです。

漆の上塗り

漆の上塗りで使う道具と材料

  • 道具: 小筆、付け箆
  • 材料: 漆(赤色)、金属粉(真鍮粉)、テレピン

金継ぎの修理方法。急須の漆の上塗り

金継ぎの上塗り工程では見やすいように弁柄漆(赤色の漆)を使いました。

なるべく薄く、均一になるように塗っていってください。

金継ぎ方法。漆は薄く均一に塗る

実は前回のページよりラインが太くシンプルになっています。

この急須の雰囲気、デザインに合わせて少しラインを太く、シンプルにしました。

金継ぎ方法。漆のはみ出しはきにせず

少しくらいはみ出しても気にしなくていいと思います。

もし、大幅にはみ出したら…やり直しましょうか。

綿棒かティッシュにエタノールまたはテレピンを少し
染み込ませて、それで拭き取ります。

蒔絵

蒔絵で使う道具と材料

  • 道具: 柔らかい穂先の小筆
  • 材料: 真鍮粉

金継ぎの蒔絵の工程です。金属粉を蒔きます

今回は真鍮粉です

金継ぎの修理工程。漆の乾きかけの時に蒔絵をする

真鍮粉を蒔くときは柔らか目の水彩用小筆を使っています。

漆屋さんで売っている
「あしらい毛棒(小)」/¥800‐
が、毛先がふにゃふにゃしていて
すこぶる使いやすいですよ

ガシガシ粉を蒔きます。
金粉だったらこんなことはできません。高すぎて。

金継ぎの作業方法。柔らかい毛の筆を使って蒔絵をする

はい、ガシガシいきます

金持ちになった気分で蒔くのがコツです

金継ぎ方法。真鍮粉を蒔く

ん?おかしい。

この写真4枚の順番が逆でした。

直そうと思ったけどやめました。

時間が逆に進んでいるような気がしますね。
いや、しませんね。

金継ぎの修理工程。粉蒔きの一回目

これが一枚目だったんですね。はい。

ちょっとしたタイムトラベルです。

粉の包み紙は小石で押さえると可愛らしいです

はい、小石で粉紙を押えています。
鎌倉の砂浜で拾いました。
重宝しています。角谷先生。

金継ぎの蒔絵完了

蒔き終わりました。

金継ぎの修理方法。湿度のある風呂に入れて乾かす

蒔き終わりましたら、湿した風呂に入れて十分に乾かしてください。
4~5日くらいは硬化待ちで。

 

蒔絵の粉固め/拭き取り

蒔絵が乾きましたら、生漆+テレピンで緩めたもので固めます。

蒔絵紛の固めで使う道具と材料

  • 道具: 小筆、ティッシュ
  • 材料: 生漆、テレピン、

生漆にテレピンを3割くらい混ぜてゆるめます。
それを小筆につけて蒔絵をした場所をなぞっていきます。

粉固めのやり方

1/8か1/16にきれいに折ったティッシュを生漆を塗布した上に乗せて軽く押えます。
余分な漆をティッシュで押さえて吸い取る感じです。
ティッシュの折り面をつぎつぎに変えて生漆がティッシュにつかなくなるまで何度も押えます。

拭き取りのやり方

 固め作業がが終わりましたら湿した風呂に入れて乾かします。

壊れた取っ手の金継ぎ修理完成

以下、完成写真です。

割れた急須の金継ぎ作業完了

この急須のもつ雰囲気に合わせて
ラインはやや太め、シンプルにしました。

割れた急須の金継ぎ作業完了

蒔絵の出っ張り具合ですが、
基本的に私は低くします。なるべくフラットに近い感じに。

蒔絵が高く盛ってあると他の器とぶつかったりして
剥げやすかったり、欠けやすかったりするので
実用的にもなるべく低い方がいいかと思っています。

ですが、器の雰囲気に合わせて蒔絵が高く盛ってある方が
似合うものもあると思います。

割れた急須の金継ぎ作業完了

割れた急須の金継ぎ作業完了

取っ手の壊れた急須の金継ぎ修理、完了です。

 

他の作業工程を見る

▸ ① 麦漆接着まで
▸ ② 錆漆付けまで

 

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取っ手が割れた急須の金継ぎ方法(やや概略) 2/3 ~錆漆付けまで(古川まみさん)

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ファイツ!

 

※ 取っ手とその周辺が壊れた急須の金継ぎ修理のやり方を説明していきます。本物の漆を使った修理方法ですので「かぶれる」可能性があります。ご注意ください。

今回は金継ぎの工程のうち〈麦漆を彫刻刀で削る~錆漆付け〉までのやり方を解説していきます。
※かなり端折っています。すみません。

 

麦漆がしっかり乾いたら次の作業に進みます。

麦漆の削り

まずははみ出した麦漆を刃物で削ってください。

麦漆削りで使う道具: 刃物 ▸ 金継ぎで使う刃物の選び方

はみ出した接着剤の削り方の参考に
▸ 接着剤の削り・研ぎの方法

金継ぎの方法。はみ出した麦漆の削る。

はみ出している麦漆があったら
削っていきます。

金継ぎの方法。器の内側にはみ出した麦漆も削る

急須の内側もお忘れなく

金継ぎの方法。取っ手の付け根の麦漆も削る

出っ張って、指に引っかかるところはないか
指で触ってチェックしてください。

金継ぎの方法。刻苧漆を彫刻刀で削って、指で触ってチェックする

刻苧の充填

刻苧の充填で使う道具と材料

  • 道具: 練り箆(腰のある箆…白いプラスチックの箆)、刻苧箆
  • 材料: 生漆、小麦粉、水、木粉

金継ぎ工程の刻苧漆を詰める時、刻苧箆があると作業がしやすいです。
ぜひ、自作してください。
簡単な作り方をご紹介します。
刻苧(コクソ)箆を作る方法

 

欠け、穴に充填する刻苧(こくそ)漆を作ります
刻苧漆を作るやり方

木粉は東急ハンズや漆屋さんで売っています。

自分で作る場合は目の細かい鋸で(糸鋸なんかでもいいんじゃないでしょうか?)木を挽きます。
木の種類は何でもいいと思います。

鋸で挽いた木粉が粗いようでしたら、茶漉しですとか料理用のフルイにかけて
細かいものだけ選別して使います。

#60とか#80くらいの網目で大丈夫だと思います。
もっと細かい方が刻苧飼いの作業としてはやりやすいです。

  金継ぎの方法。刻苧は少しずつ詰めていく

少しずつ埋めていきます。
詰め込んで行く感じでやってください。

隙間ができないようにちょっとずつ刻苧を詰めます

内側からも埋めてください。

 金継ぎの方法。取っ手の付け根にも刻苧を詰めていく

刻苧漆は乾くと水分が抜けて痩せます(体積が減ります)。
少し盛り気味に充填する人が多いです。
が、私は面位置のほぼジャストを狙います。

この後、錆漆付けもしますのでその錆漆分の厚みを残しておくような感覚です。
乾いて、ほんの少し痩せて、そこに錆漆が乗るというイメージです。

金継ぎの方法。取っ手部分も刻苧を詰める

取っ手部分も忘れずに刻苧を充填します

ちょっとやりづらいです

金継ぎの方法。取っ手の内側も刻苧漆を詰める

取っ手の裏も充填します

金継ぎの方法。刻苧箆で少しずつ刻苧漆の充填をしていく

刻苧の充填、完了です

金継ぎの方法。刻苧の充填作業終了

 刻苧漆が乾いたら次は細かな隙間や接着した破片同士の段差を錆漆で埋めていきます。

その前にはみ出した刻苧漆を刃物で削ってください。

錆漆付け

錆付けで使う道具と材料

  • 道具: 練り箆、付け箆(小さいもの)
  • 材料: 生漆、砥の粉、水
  • その他: 定盤、テレピン、ウエス

金継ぎの錆漆付けの工程です。ほんの小さな穴や段差、隙間などを錆漆で埋めていきます。

まずは錆漆を作ります→錆漆を作る方法

金継ぎの方法。錆漆を少しずつ付けていく

今回はマスキングをおこないませんでした。

細めの付け箆で錆漆を付けます。

金継ぎの方法。取っ手の付け根部分にも錆漆を充填する

はみ出した錆漆はなるべく箆で取り除いておきました。

金継ぎの方法。錆漆の付け完了

ツラ位置になるように錆漆を埋めたので、
乾いたときに痩せてへこみますので(水分が抜けて体積が減ります)、
部分的にもう一度錆漆をおこなうことになると思います。

金継ぎの方法。急須の錆漆付け作業

錆漆自体に水が含まれているので
湿し風呂に入れる必要はありませんが
もし、乾きの悪い(古い)生漆をつかっていたり、
何日か前に作った錆漆を使った場合は
一応、湿し風呂に入れておいた方が安全です

錆漆は通常6~12時間くらいで乾くと思います。
余裕を見て次の日以降に作業をおこなったほうがいいと思います。

 

 

次の作業工程を見る ▸ ③ 蒔絵完成まで

他の作業工程を見る ▸ ① 麦漆接着まで

 

 

 

 

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【漆のペースト】 意外とできちゃう!初めての錆漆の作り方 ▸ 動画有

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ファイツ!

 

※ 本物の漆を使いますので「かぶれる」可能性があります。ご注意ください。

 

【 錆漆さびうるし 】とは…生漆と細かい土を混ぜて作る「漆の”ペースト”」

金継ぎ作業の中で小さな欠けを埋めたり、小さな隙間・段差を埋めたり、
それから刻苧漆をした後に表面をきれいに整える(形やお肌)ために使います。
小細工に使うといった感じでしょうか。

※ 大きな欠け、穴、段差を埋める場合は刻苧漆で行います。
▸ 刻苧漆の作り方

※ 接着剤として使われることもありますが、接着力が弱い感があり私は金継ぎではやりません。

 

 

刻苧を使うのか、それとも錆漆を使うかジャッジする際の
ご参考までに。

傷の深さ 使う充填材
深い(2㎜以上) 刻苧漆こくそうるし(パテ)
※ 一回の盛り厚は3㎜程度まで
それ以上の深さに充填する場合は
数回に分けて充填する
どっちつかず(1~2㎜) どちらでもお好みで◎
※ 錆漆を使う場合は1回で厚盛しない。
一回の盛り厚は1㎜程度まで。
それ以上の深さに充填する場合は
数回に分けて充填する
浅い(1㎜未満) 錆漆さびうるし(ペースト)

 

 

(2016-12-05) 動画を作りました!

使う道具・材料

  • 砥の粉、水、生漆
  • ヘラ

 作業手順

  1. 砥の粉を細かく潰す
  2. 水を少しずつ砥の粉に足しながら、よく練る
  3. 生漆を少しずつ水練り砥の粉に足しながら、よく練る

 

 

 

使う道具・材料



金継ぎの錆漆付け工程で使う道具の画像


金継ぎの錆付けで使う道具と材料▸ 錆漆付けで使う道具・材料の入手先・値段

  • 道具: ①プラスチック箆※1(幅の小さいものの方が使いやすいです。25㎜か30㎜)
  • 材料: ④生漆 ⑤砥の粉 ⑥水 ③作業板(クリアファイル)

※1 ヘラ…できれば、檜や竹を使って幅10~15㎜程度のものを自作するといいと思います。

 

 

 

 

step 00 漆と砥の粉の分量比


とある師匠の錆漆レシピです。参考までに。

砥の粉(3.0):水(0.3~0.4):生漆(1.5~1.8)重量比

…と書いておいて申し訳ないのですが、これを本当にスケールで測って作ろうとすると大量に錆漆を作る羽目になってしまいます。
金継ぎで錆漆を使う時というのはほんの僅かあればいいだけだと思いますので、この「重量比」というのは正直、現実的なアドバイスになっていないと思います。すみません。

 

で、よく言われている見た目の体積比としては

水練り砥の粉(10):生漆(8)見た目の体積比

というのがあります。

ですが、この「見た目」というのがかなり曲者です。みなさん、うまくいってますか?漆の分量が多すぎて乾かない時がありませんか?
私も漆を始めたころはよく失敗していました。目分量ですとどうしても個人差がでてきてしまいます。そうすると失敗することも。

 

そこで、「なぜか失敗が多くなってしまう人」「きっちりと乾くベストな錆漆を作りたい人」へのご提案です。

ちょっと手間がかかってしまうのと、道具が2つ必要になってしまいますが、金継ぎ図書館が今のところご提案できるベストな方法です。

(目分量で問題なく錆漆が作れている方は step 01 へお進みください。)

 

 

step 000 誰でもデキル!漆と砥の粉の分量比


錆漆つくりで使う道具

  • 道具 : ②竹箆(丸い箆先) ③計量スプーン 1/4 (0.25㏄)
  • 材料 : ○漆(生漆) ①サラサラに細かく潰した砥の粉、

和田助製作所 極厚軽量スプーン 1/4 スプーン / 価格¥160~200

私は東京の河童橋道具街で買いました。ハンズでは多分、置いてなかったと思います。(2016.2月現在)

 

金継ぎ図書館のご提案として「極小の計量スプーン」を使うことをおススメさせていただきます。

「極小の計量スプーン 1/4 」を使うメリットとして

  • 漆と砥の粉の配合比を失敗しない
  • 金継ぎに適した分量だけ(ほんの少量の)錆漆が作れる
  • (いままでその大部分を廃棄していた)大量の錆漆を作らなくて済むので、生漆も砥の粉も少ない量だけ購入すればよい

 などが挙げられます。

 

大きさは「 1/4 (0.25㏄) 」がお薦めです。1/2(0.5㏄)や1/10(0.1㏄)の計量スプーンでももちろん構いません。が、実際にそれぞれのスプーンで錆漆を作ってみたのですが、できる錆漆がちょっと多かったり、ちょっと少なかったりする気がしました。
金継ぎで使うのに適量の錆漆を作るには「 1/4 」がお薦めです。

金継ぎで錆漆を使う時、本当に「少し」しか必要がない場合がほとんどだと思います。
ですが、みなさん、結構「大量に」作っていませんか?使う量の何倍も作ってしまい、そのほとんどを廃棄しているのが現状だと思います。
これだと漆も砥の粉も余計なロスばかりになってしまいますよね。(実際に使っている必要な量の何倍もの漆と砥の粉が必要になってしまいます)

ですが、それも無理のないことだと思います。実は「ほんの少量」の錆漆を作るのってコツを摑むまで難しいと思います。少ない分量の錆漆を作ろうとすればするほど、ちょっとした配合の誤差が大きく影響してきます。漆が少し多くなっただけで乾かない錆漆になってしまったりと、失敗しやすいのです。
(後は「ヘラ」がデカすぎて「少量」の錆漆を作るのが難しい…ってこともあると思います。金継ぎの錆漆練りで使うヘラは、幅が10~15㎜程度のものが使いやすいです。)

 

 

 

それでは砥の粉と漆の計り方をご説明していきます。

錆漆作りで使う漆と砥の粉の分量を正確に計る

あらかじめヘラなどで細かく潰した砥の粉をタッパーなどの容器に入れておきます。
手間ですが、これ大切なところなので手抜きなくやってください。

そのサラサラの砥の粉を計量スプーンでひと掬いします。
軽く山盛りになるように。

錆漆作りで使う漆と砥の粉の分量を正確に計る

ヘラで軽く上から押さえます

錆漆作りで使う漆と砥の粉の分量を正確に計る

ヘラで切って、「摺り切り一杯」にします。

そうしたらその砥の粉を作業板の上に出して、計量スプーンを空っぽにしてください。

錆漆作りで使う漆と砥の粉の分量を正確に計る

次に漆をチューブから計量スプーンに出します。
皆さんお使いなのはチューブですよね?お茶碗に漆を入れている方は小さなヘラで漆を掬って軽量スプーンに入れてください。

錆漆作りで使う漆と砥の粉の分量を正確に計る

で、ここもミソなのですが、生漆の量はスプーンの 7~8割り です。(おい!金継ぎ図書館!やっぱり「目分量」になってるじゃん!! …はっ!お~なるほど。ほほほほ…)

正しい突っ込みが入りそうですが、軽量スプーンを使った方が誤差が出づらいと思うのです。

スプーンの「7~8割」と書いているのですが、本当は8割5分くらいがベストだと思うのです。
が、そうするとうっかり漆の分量が多くなり過ぎることがあるので、それを防ぐ意味でちょっと少なめに表記させてもらいました。

ちなみに麦漆を作る際の漆の量は摺り切り一杯(100%)です。

 

錆漆作りで使う漆と砥の粉の分量を正確に計る

画像の上の錆漆は軽量スプーン9~10割の漆で作った時の錆漆です。
錆漆が少し厚くなったところは「縮んで」います。漆分がちょっと多いんですね。

画像下は8割くらいの漆で作った錆漆です。いいですね。

錆漆作りで使う漆と砥の粉の分量を正確に計る

軽量スプーンから作業板の上に漆を移します。

(※注意!! 見やすいようにガラスの作業板の下にグレーの布を敷いてあります。勘違いして「布」を作業板にしちゃダメですよ。漆が浸み込むだけです)

錆漆作りで使う漆と砥の粉の分量を正確に計る

計量スプーンは窪みが深いので、そこから綺麗に漆を掻き出すために「先丸の竹べら」を使います。

「先丸の竹べら」は通常の「付け箆」を作りまして、その先っちょを計量スプーンの丸みに合わせて削ります。丸みはアバウトで大丈夫です。

錆漆作りで使う漆と砥の粉の分量を正確に計る

先丸竹べらは厚みが薄くなるようにすると、よくしなって計量スプーンから掻き出しやすくなります。

 

 これで間違いのない分量比の砥の粉と漆が作業板の上に出たと思います。
今のことろこれが金継ぎ図書館のベストアンサーです。

 道具を揃えたり、手順が増えてちょっと手間なのですが、今までうまくいかなかった方のお悩み解決の一役になれたらこれ幸いです。

何度か計量スプーンを使って錆漆を作っているうちに、だんだんと分量の感覚が掴めてくると思います。そうしたらスプーンを使わずとも目分量や作っている最中の錆漆の表情を見て判断ができてくるようになります。

 

step 01 砥の粉+水 を練る(金継ぎで使う錆漆の作り方。)


まずは砥の粉と水を練り合わせます。

錆漆で使う砥の粉と水を練り合わせる

砥の粉を作業板の上に出します。

錆漆で使う砥の粉と水を練り合わせる

箆で砥の粉を細かく潰します。

 錆漆で使う砥の粉と水を練り合わせる

細かくなるまで丁寧に潰します。

錆漆で使う砥の粉と水を練り合わせる

水を加えます。

直接、砥の粉に水を加えようとすると水を加え過ぎて失敗する場合が多々あるので、砥の粉の横に水を出します。

錆漆で使う砥の粉と水を練り合わせる

ヘラ先に水を少しだけ付けます。

錆漆で使う砥の粉と水を練り合わせる

その水を砥の粉に加えて、ヘラで練ります。

ちょっとずつ水を足しては練り、また水を足しては練りを2,3回に分けて繰り返します。
その方が失敗しません。
水が多すぎると厄介なので、少な目に加えていってください。

水練り砥の粉の目標は「チューブ入りの練りからし」くらいの状態です

錆漆で使う砥の粉と水を練り合わせる

 はい、練りからし一丁できました◎
どでしょう?

※人によっては水を使わない(漆+砥の粉のみ)方もいますし、もっと水が少な目、多目の方もいます。

基本的には水が少ない方が錆の強度がでます。が、乾き(硬化)は遅くなります。
水が多すぎると”やけ”というものを起こしてしまい(急激に漆が反応してしまい)、弱く、脆くなります。

 

で、万が一、水を加えすぎてドロドロになってしまった!場合。

錆漆で使う砥の粉と水を練り合わせる

おう、ドロドロですね。大丈夫です。リカバリーできます。

錆漆で使う砥の粉と水を練り合わせる

折り畳んだティッシュ先生を優しく押し当てます。

錆漆で使う砥の粉と水を練り合わせる

水を吸い取ってもらいます。

錆漆で使う砥の粉と水を練り合わせる

 パンパースです。今もあるのかしら?

水分が多いようでしたらティッシュの面を変えて何度か繰り返してください。

錆漆で使う砥の粉と水を練り合わせる

ティッシュで水分を吸ってもらったらこんな感じになりました。

リカバリー成功です。

 

 

 

step 02 水練り砥の粉+漆 を練る(金継ぎで使う錆漆の作り方)


次に生漆を練り合わせていきます。

錆漆に漆を加えて箆で混ぜる

漆を作業板の上に出します。とりあえず体積比
水練り砥の粉 1 : 0.8~1 生漆

くらいを目安に出しておきます。

体積比…と言われても目分量じゃ不安だよという方は計量スプーンを使ったやり方をおススメします。(その場合は砥の粉を作業板に出すところからやり直してください。分量の比率が重要ですので)

錆漆に漆を加えて箆で混ぜる

少量の漆(1/3くらい)を箆で取ります。

錆漆に漆を加えて箆で混ぜる

ヘラでしっかりと混ぜ合わせます。

大量の漆を一気に混ぜないでください。だまができやすかったり、混ざりにくくなったりします。料理と一緒です。
(金継ぎでは少量しか錆漆を作らないので、実はここまで神経質になる必要はないと思いますが、大量に作るときはこうしないと漆が混ざりにくくなりますのでご注意ください)

錆漆に漆を加えて箆で混ぜる

さらに1/3の漆を取ります。

錆漆に漆を加えて箆で混ぜる

よく練り合わせます。

錆漆に漆を加えて箆で混ぜる

残りの漆を箆でとります。

錆漆に漆を加えて箆で混ぜる

しっかりと練っていきます。

 

錆漆に漆を加える

漆分が十分かどうかのチェックです。

ヘラで引っ張ったところの錆漆から、3秒くらい待って、じわっと表面から漆がうっすら滲んでくる…くらいがいいかと思います。
ジャスト飽和状態。

うっすら滲んでこないようでしたら、少し漆を足して、また混ぜます。

※ 計量スプーンであらかじめ漆の量を計った方は漆を足さないでください。

錆漆に漆を加える

漆を足して混ぜます。

金継ぎで使う錆漆が完成

できました。こんな感じです。
わかりますか?わからないですよね。私も分かりません。なぬ?!

金継ぎで使う錆漆が完成

でも経験を積んでいくと、錆漆に含まれている漆の微妙な差が分かってくる気がします。

はじめはなかなか勘所が掴みにくいので、計量スプーン作戦もおススメです。

 

 

注意事項です。

  • 漆が少ないと錆漆の強度が低くなります。”やけ”も起こりやすくなります。
  • 漆が多いと錆漆の強度は高くなります。けど、多いほど乾き(硬化)が遅くなります。何日もかかってしまったりします。
  • 漆が多すぎると”ちぢむ”ことがあります。ちぢんじゃダメです。ちぢみはまたご説明します。( ▸ 錆漆が縮んだ時の対処法 )

これで金継ぎで使う錆漆作りは終了です。

 

 

錆漆のつけ方・使い方テクニック
 ▸ 小さい欠けの錆漆のつけ方・使い方part 1
 ▸ 細い隙間の錆漆のつけ方・使い方TECHNIC

 

その他の材料の作り方
 ▸ 麦漆の作り方(接着剤)
 ▸ 刻苧漆の作り方(パテ状のもの)…大きい欠け、隙間用

 

 

▸ 錆漆が乾かない(ような気がする)ときの対象方法

 

 

 

 

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【漆の接着剤】 意外と簡単!初めての麦漆の作り方 ▸ 動画有

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ファイツ!

 

※ 本物の漆を使いますので「かぶれる」可能性があります。ご注意ください。

 

(2016-12-08) 動画を作りました。

麦漆 = 「漆」と「小麦粉」で作る【接着剤】

【解説】
1.小麦粉 スプーン摺り切り1杯 を作業板の上に出す
2.生漆  スプーン摺り切り1杯 を作業板の上に出す
3.小麦粉を水練りする(水を少しずつ足していく。チューインガムくらいになるまで水を足す。一般的には、「耳たぶ」くらいになる水分量でつくるので、僕のは少し水が多いかな)
4.水練りした小麦粉に生漆を足して、よく練る(生漆は少しずつ足していく)

「麦漆」に「木粉」を足したものが【刻苧漆(こくそうるし)】という「パテ」になります◎

 

 

 

使う道具・材料


dougur

  • 道具: ①プラスチック箆(幅の小さいものの方が使いやすいです。25㎜か30㎜)
  • 材料: ③生漆 ⑤小麦粉 ⑥水
  • その他: ④作業板 ○テレピン ○ウエス

麦漆とは…

  • 金継ぎ修理の中で器の破片同士をくっつける接着剤(接着のやり方
  • 刻苧漆を作るときのベース(これに木粉を入れれば刻苧漆になります)

麦漆…漆(生漆)+小麦粉+水で作ります。強力な接着力があります。が、粘り気がすごいのでちょっと扱いづらいかもしれません。

 

 

step 00 漆と砥の粉の分量比


参考に…師匠のお一人から教わったレシピ(配合比) ※あくまで目安です。師匠もそのつもりで教えてくれました。

小麦粉(4g):水(4~5g):漆(5g)重量比

※この分量だと大量の麦漆ができてしまいますのでご注意ください。
※水少な目の麦漆です。私は今はこの配合ではやっていません。アバウトにやっています。

 

ちなみに目分量(体積比)としては

水で練った小麦粉(1):生漆(1)見た目の体積比

というのがあります。

で、みなさんうまく麦漆は作れていますでしょうか?
「作れているような気もするし、いまいちなような気もする…」というのが正直なところではないでしょうか?

特段トラブルがないようでしたらそれで本当はオッケーなのですが、「目分量」だと何となく不安ですよね。

そこで、「このもやもや感が嫌いな人」「きっちりと乾くベーシックな麦漆を作りたい人」へのご提案です。

ちょっと手間がかかってしまうのと、道具が2つ必要になってしまいますが、金継ぎ図書館が今のところご提案できるベストな方法です。

(目分量で問題なく錆漆が作れている方は step 01 へお進みください。)

 

 

 

step 000 誰でもデキル!漆と砥の粉の分量比


金継ぎ修理で使う麦漆の作るときに使う道具と材料

  • 道具 : ②竹箆(丸い箆先) ③計量スプーン 1/4 (0.25㏄)
  • 材料 : ○漆(生漆) ①小麦粉

金継ぎ図書館のご提案として極小の計量スプーンを使うことをおススメさせていただきます。

大きさは 1/4 (0.25㏄) がお薦めです。1/2(0.5㏄)や1/10(0.1㏄)の計量スプーンでももちろん構いません。が、実際にそれぞれのスプーンで錆漆を作ってみたのですが、できる麦漆がちょっと多かったり、ちょっと少なかったりする気がしました。
金継ぎで使うには 1/4 がお薦めです。

和田助製作所 極厚軽量スプーン 1/4 スプーン  価格¥160~200 くらいです。

私は東京の河童橋道具街で買いました。ハンズでは多分、置いてなかったと思います。(2016.2月現在)

 

それでは小麦粉と漆の計り方をご説明していきます。

 

金継ぎ修理で使う麦漆の作り方

小麦粉を計量スプーンでひと掬いします。
軽く山盛りになるように。

金継ぎ修理で使う麦漆の作り方

ヘラで上から軽く押さえます

金継ぎ修理で使う麦漆の作り方

ヘラで切って、「摺り切り一杯」にします。

金継ぎ修理で使う麦漆の作り方

小麦粉をスプーンから作業板の上に出します。

金継ぎ修理で使う麦漆の作り方

次に漆をチューブから計量スプーンに出します。
皆さんお使いなのはチューブですよね?お茶碗に漆を入れている方は小さなヘラで漆を掬って軽量スプーンに入れてください。

金継ぎ修理で使う麦漆の作り方

生漆はスプーン摺り切り一杯です。

ここが錆漆を作るときと違いますのでご注意ください。錆漆の場合は漆は8割くらいです。

金継ぎ修理で使う麦漆の作り方

作業板の上に漆を移します。

金継ぎ修理で使う麦漆の作り方

計量スプーンは窪みが深いので、そこから綺麗に漆を掻き出すために「先丸の竹べら」を使います。

「先丸の竹べら」は通常の「付け箆」を作りまして、その先っちょを計量スプーンの丸みに合わせて削ります。丸みはアバウトで大丈夫です。

金継ぎ修理で使う麦漆の作り方

先丸竹べらは厚みが薄くなるようにすると、よくしなって計量スプーンから掻き出しやすくなります。

 

これで間違いのない分量比の小麦粉と漆が作業板の上に出たと思います。
今のことろこれが金継ぎ図書館のベストアンサーです。

 道具を揃えたり、手順が増えてちょっと手間なのですが、今までうまくいかなかった方のお悩み解決の一役になれたらこれ幸いです。

何度か計量スプーンを使って麦漆を作っているうちに、だんだんと分量の感覚が掴めてくると思います。そうしたらスプーンを使わずとも目分量や作っている最中の麦漆の表情を見て判断ができてくるようになります。

 

 

 

 

STEP 01 〈 小麦粉 + 水 〉を練り合わせる(金継ぎの麦漆の作り方)


金継ぎの麦漆の作り方。まずは練り合わせる水と小麦粉を用意する。

まずは 〈 水 + 小麦粉 〉 を練り合わせます。

と、その前に「ヘラ」のチョイスのお話です。

麦漆や刻苧漆を作るときに使う箆は腰の強めのものがいいです。
市販のものだと白いプラスチック箆が固めのものが多いのでお勧めです。

金継ぎで使う麦漆の量はすごく少ないので、箆も小さ目の方が扱いやすいです。
「ヘラがうまく使えない」「使いづらい」という方はもしかしたら金継ぎで使う材料の分量に対して箆が大きすぎるのかもしれません。(60㎜幅は明らかにデカすぎます)

市販品ですと幅25㎜(ハンズですと30㎜が最小でした)がいいと思います。「箕輪漆工」の通販で買えます。
ベストは幅10~15㎜、長さ170~180くらいがいいと思います。が、市販品ではなさそうなんですよね。どこかのメーカーが作ってくれたら有り難いのですが。

 

それでは実践に入ります。

金継ぎ修理で使う麦漆の作り方

まず、作業板の上に小麦粉と水を少量、出します。
水は小麦粉の上に直接出すのではなく、小麦粉の少し脇に出してください。

金継ぎ修理で使う麦漆の作り方

その水にヘラをちょっとだけつけます。

金継ぎ修理で使う麦漆の作り方

箆で小麦粉と水を練り合わせていきます。
↑画像ではまだまだ水が足りていません。小麦粉がボソボソしています。

金継ぎ修理で使う麦漆の作り方

お隣の水溜まりからちょっとずつ箆で水を取って、小麦粉に足していきます。

目標としては「小麦粉がまとまるよりももう少し多目(飽和するより多いくらい)」に水を含ませます。
様子を見ながら少しずつ水を付け足していきます。
※私のやり方は少し水が多目です。
人によっては水は使わない(小麦粉+漆のみ)、または小麦粉が団子状にようやくまとまるくらい(耳たぶくらいの柔らかさ)の水分量で、という方もいます。こちらの方が主流派だと思います。

 

金継ぎ修理で使う麦漆の作り方

 水と練り合わせた小麦粉が「ガム」のような状態になるまで
水を足しつつ、練り合わせていきます。
↑の画像くらいの「ねちゃねちゃ度」でオッケーです。

次に漆を混ぜます。

 

 

STEP 02 〈 生漆 + 水練り小麦粉 〉を練り合わせる(金継ぎの麦漆の作り方)


  金継ぎ修理で使う麦漆の作り方

水で練った小麦粉(1):生漆(1)見た目の体積比

漆は体積比で等量くらいを出しておきます。水練り小麦粉のお隣に漆を出してください。
練り合わせつつ漆が足りないようだったらまた足します。

金継ぎ修理で使う麦漆の作り方

漆を出した場所から少しづつ(1/3くらい)箆で取ります。

金継ぎ修理で使う麦漆の作り方

ヘラでよく練ります。
まだまだ、漆が足りていないのでボソボソしています。

金継ぎ修理で使う麦漆の作り方

 さらに漆を1/3くらいとって、練り合わせます。

金継ぎ修理で使う麦漆の作り方

いっぺんに漆を混ぜると「だま」のような感じになって、混ざりにくくなってしまいます。
料理と一緒で、少しづつ混ぜていきます。

金継ぎ修理で使う麦漆の作り方

 残っていた漆を全部取って、練り合わせます。

金継ぎ修理で使う麦漆の作り方

しっかり練り合わせていったら↑のような状態になりました。
ガムよりもうちょい柔らかい粘りがあります。

いちおう、「麦漆」にはなっているのですが、麦漆の「表情」から判断するに漆の割合が少なそうです。
漆分が少ないとやはり接着力だったり耐久性が少し低い麦漆となってしまいます。

漆が十分かどうかの判断は…
練り合わせたものを放置して3秒くらいするとほんのわずか、じんわりと漆が表面に滲んでくるくらいの状態がよいかと思います(漆が飽和している状態

↑の麦漆はまったく「じんわり」してこなかったので、漆が少ないです。

なので漆を足します。
※ 計量スプーンで計った人は漆を足さないでください

金継ぎ修理で使う麦漆の作り方

再び作業板の上にほんの少し漆を出します。

金継ぎ修理で使う麦漆の作り方
その漆をしっかりと練り合わせます。

先ほどよりも少し緩んで、粘りも出ました。
ガムよりもはるかに滑らかな粘りになります。

これで金継ぎで使う麦漆の完成です。
 金継ぎ修理で使う麦漆の作り方
麦漆の練り合わせを止めて、3秒くらいするとじんわり、うっすらと漆が滲んでくるくらいがよろしいかと思います。はい。

金継ぎ修理で使う麦漆の作り方

麦漆の色艶を見ます。少し、テカっています。漆がギリギリ飽和している感じです。

 

麦漆の保存…サランラップにくるんで2~3日使えます。古くなると乾き(硬化)が悪くなります。夏場(暑いと)だと悪くなるのが早いです。
なるべくその都度、作った方がよいです。

なので少量作って、余らないようにするのがベターです。足りなかったら作り足す。

 

 

麦漆の使い方(接着の方法)の参考例
 ▸ 割れた柳宗理ティーカップの金継ぎ方法 1/3 麦漆接着

金継ぎで使う刻苧漆を作る方はこちらへお進みください。
 ▸ 刻苧漆の作り方

その他の素材の調合のやり方
 ▸ 錆漆の作り方(漆で作るペースト)

 

 

STEP 03 麦漆の保存の仕方(金継ぎの麦漆の作り方)


大量に作りすぎたときや、麦漆が余ったらサランラップに入れて保存します。

 麦漆の保存のやり方

広げたサランラップの中央に麦漆を載せます。

麦漆の保存のやり方

折りたたんでいきます。
半分に折って、1/4に折って、さらに1/8に折ってさらに…と
5回くらい扇形に小さく折り畳んでいきます。

 

くるくるまわして細くして、それから縛って御終いです。

 

 

 

 

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取っ手が割れた急須の金継ぎ修理方法(やや概略) 1/3 ~麦漆接着まで(古川まみさん)

取っ手が壊れた古川まみの急須の金継ぎ修理
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ファイツ!

 

※ 取っ手とその周辺が壊れた急須の金継ぎ修理のやり方を説明していきます。本物の漆を使った修理方法ですので「かぶれる」可能性があります。ご注意ください。

今回は金継ぎの工程のうち〈壊れた破片素地をやすりで削る~壊れた取っ手を麦漆でくっつける〉までのやり方を解説していきます。

 

金継ぎとは


欠けたり、割れたりした器を漆で直す日本の伝統技法です。漆で接着し、漆で欠けや穴を埋め、漆を塗って、最後に金粉や銀粉を蒔いてお化粧をします。

本漆金継ぎでは漆を使いますので「かぶれ」のリスクがあります。ですがそのリスクを引き受けてでもやるだけの価値があると思います。なんといっても「大切な想い」の詰まった器が直せるのですから。

そして金継ぎで器がよみがえった時にきっと不思議な感じがすると思います。「直った」というより、「生まれ変わったみたい」と。つまりある意味、元の器には見えず別もののようにも見えてしまう。

この不思議な感覚をぜひ味わってください。

器 information


  • 急須の作家: 古川まみさん
  • 器の特徴: 陶器、マットな釉薬
  • 破損個所: 取っ手、とその周辺!
  • 破損状況: 破片5個。ひび2箇所。木っ端微塵…というほどでもないですが、なかなか手ごわい。
  • 器のサイズ: 直径11㎝(最大幅17.5㎝…取っ手から注ぎ口の先まで) 高さ9㎝

 

取っ手の修理というのは私にとっては頭を悩ますところです。

金継ぎ修理をしても強度は大丈夫だろうか?日常使いに耐えられるだろうか?
といったところがネックなのです。

作家さんによっては取っ手が薄かったり、細かったりでそこも悩ましいところです。

姿、形は直せますが、耐久性の保証ができない。ので、取っ手の修理に関しましてはお断りすることもままあります。(結構、断っているかな)

今回の金継ぎ修理物件につきましては知り合いからの依頼だったので、耐久テストも兼ねて修理を引き受けました。

この修理で何年もつのか?ずっと大丈夫なのか?それともすぐに壊れてしまうのか?
トラブルが発生したときにはこちらでご報告します。
悲しい報告になりますね。

金継ぎの方法。修理に入る前に壊れた急須の状態を確認します。

陶器自体は程よく厚みがあります

金継ぎの方法。急須の取っ手の部分がバラバラに割れている

取っ手は幅があります。
ので、とりあえず「イモ付け」修理でも
耐久力がありそうです

金継ぎの方法。急須の取っ手の厚みから金継ぎ修理後の耐久性に問題がでないかどうか考察してみる

はい、バラバラなんです。

でも大丈夫。直ります。

素地調整のやり方

素地調整で使う道具 : 

  • リュータ―(ダイヤモンドビット使用)
  • 水を固く絞ったウエス
  • マスク

金継ぎの素地調整という工程です。
リュータ―で接着する断面をわずかに面取りします(角、エッジを削る)

普通の方はリューターを持っていないと思いますので
ご提案としてこちらを参照してください
▸ ダリュータ―ダのイヤモンドビットのカスタマイズ方法

金継ぎの方法。リューターを使って本体の割れた箇所の断面のエッジを削っていく

面取りの幅は0.2㎜くらいでしょうか?ちゃんと測ったことがありません。

 金継ぎの方法。器の割れた部分の断面のエッジを軽く削る。内側からも削っていく。

内側も面取りします。
内側は作業しづらいです。

金継ぎの方法。器に入ったひびの部分も溝を切っておく

それからひび(ニュウ)の部分もわずかに彫り込んでおきます。

金継ぎの方法。割れとともに生じたひびに溝を付けていく。これによって漆の食いつきをよくする。

 画像がありませんが、小さい破片もそれぞれ面取りします。

作業がおわりましたら最後、
水を固く絞ったウエスで粉塵をきれいに拭き取ってください。

 なぜひび部分に彫り込みを入れるかというと、
漆の食いつきをよくするため、
修理の耐久性を上げるためです。

今回の釉薬でしたら結構、漆の食いつきがよさそうですが、
特にガラス質のピカピカした釉薬の場合は漆の食いつきが悪いです。

器を使っているうちにパリパリっと漆が取れてしまったりします。

リューターはホームセンターで売っています。
安いものでしたら¥6,000~くらいからでしょうか?

金継ぎを本格的にずっとやっていこうと思っている方でしたら
購入するのもいいかと思います。ですが、普通の方はそこまでね。

 

面取りはやらない人も多いかと思うので
同意してもらえるようでしたらやってください。

ひび(ニュウ)に関しましては
やはり何かしらの下処理をしておいた方がいいと思います。
漆が剥がれないように。

粗い砥石(#180くらい)やペーパーの粗いもので
ひび部分に傷を付けておくという手もあります。

が、それより効率的だと思うのが、
リュータ―のダイヤモンドビットだけ買ってきて
それで作業する…ということです。

ダイヤモンドだとかなり効率がいいです。
ビットはホームセンターで価格が¥200~くらいから売っています。
高いものもあります。高い方がもちがいいようです。

 

器の素地固め

素地固めで使う道具と材料

  • 道具: 小筆、練り箆
  • 材料: 生漆、テレピン
  • その他: 定盤、ウエス、ティッシュ、サラダ油

まずは接着面の素地を生漆を使って固めます。

生漆 10 : 3 テレピン

くらいの割合で漆を緩めます。
定盤の上で箆を使って混ぜます。

筆を使う前に筆の中にある油分を洗い出してください
使用前の筆を洗う方法

金継ぎの方法。割れた破片の断面に希釈した生漆をしみこませていく

小筆を使い、器の接着面の素地に染み込ませていきます。
染み込まなかった漆はティッシュで押さえつつ、しっかり拭き取ります。

素地固めの詳しい説明はこちらです
素地固めのやり方

作業を終えたら筆はサラダ油で洗ってください。
使用後の筆を洗うやり方

 生漆が乾きかけのころを見計らって次の作業にかかります。
(ちょっとペタつくころ)

と言っても皆さんは漆を触るわけにもいかないですから、
だいたい6~12時間以内に次の作業に移ればいいと思います。

もし何日か経ってしまったとしても
大きなトラブルを招くわけでもないので
それほどお気になさらず。

 

麦漆で接着

麦漆接着で使う道具と材料

  • 道具: 小筆、付け箆(▸ 付け箆の作る方法)、練り箆、マスキングテープ、はさみ
  • 材料: 生漆、小麦粉、水
  • その他: 定盤、ウエス、テレピン

 

 金継ぎの接着は「麦漆」というものを使います→麦漆の詳しい作り方

 麦漆を塗布する前にあらかじめどのパーツがどの部分に来るか確認しておきます。

できれば接着する順番に並べておいた方が、
あとで「これどこだったっけ?」と焦らずに済みます。

▸ 麦漆の塗布の方法


 金継ぎ修理の工程。器の破片ひとつひとつの断面に麦漆を塗布していく

接着する断面すべてに麦漆を塗布します。

薄くなるように塗ってください。
厚塗りしますと、接着したとき器の形が歪んだり、ズレたりしやすくなります。

金継ぎの方法。器の本体の方にも麦漆を塗る

本体にも麦漆を塗布していきます

金継ぎの方法。器本体の割れた断面にも麦漆を塗る

 麦漆は乾くのが遅いので、
ゆっくり慌てることなく作業ができます。

金継ぎの方法。本体、麦漆の塗布完了

麦漆の塗布が終わりましたら、すぐに接着せず
硬化が進むまでしばらく待ちます。

目安としましては塗布した麦漆の表面の濡れ色が引けるころまでです。

▸ 接着後の器の置き方


その他の接着後の置き方の例
接着時の器の置き方

 金継ぎの方法。麦漆接着後、急須を逆さまにして固定する。このまま2週間くらい乾かす。

重力がかかった時に(いつもかかっているはずですが)、
接着箇所に都合よく圧力がかかるように加味して器を安定させます。

 金継ぎの方法。急須の固定に、今回は綿棒ケースを利用

今回は結構アクロバティックな置き方です。
綿棒ケースを使いました。

金継ぎの方法。重力を利用して破片同士が圧着される置き方にする

接着箇所以外に意図せず麦漆が付いてしまった場合、
綿棒にテレピンを含ませ拭き取ってください。
(エタノールの方が強力に拭き取れます)

金継ぎの方法。陶器の接着後の置き方

はい、安定しています。気がします。

金継ぎの方法。マスキングテープ使って接着のアシストをする

マスキングテープを補助的に使って、
接着箇所がずれにくいようにします。
(でもやっぱり少しはズレてしまいますよ)

マスキングテープはあらかじめ何本も短冊状に切って並べておきます。

 金継ぎの方法。取っ手部分はマスキングテープを利用する

このまま安定したところに置いて硬化に2~3週間待ちます。

麦漆は乾くのに時間がかかります。

気長に待ってください。

 

 

次の作業工程を見る ▸ ② 錆漆付けまで

他の作業工程を見る ▸ ③ 蒔絵完成まで 

 

 

 

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割れた湯呑の簡易(簡単)金継ぎ方法 4/4 研ぎ/蒔絵/固め/完成

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ファイツ!

 

※ 〈新うるし〉のメーカー側の説明です…

植物性のうるし系塗料です。
・本品は毒性の強い物質ではありませんが念の為、食器等口に含む恐れの有る物に塗装しないでください。

とのことですので、これをどう判断するか?ですよね。正直、難しいなぁーというのが私の感想です。
万全の安全性を考えるなら「菓子器」など口を付けたりしないもの、もしくはあまり食品が触れないような器の使い方をされた方がいいかもしれません。

それよりもみなさん、「本漆」、やってみませんか?(笑)

 

ご注意ください : このページでは合成うるし(※天然の漆ではありません)を使った簡単(簡易)金継ぎのやり方をご説明しています。

 

簡単金継ぎが完成してその白い湯呑を持っている絵

 

PAGE 04  ‣ <BOOK k-01> 白い湯呑 


〈 目次 〉

STEP 4.1 簡単金継ぎの合成うるしの研ぎ

合成うるしがしっかり乾いたら研ぎます。

合成うるしは2回塗り重ねました。二回目は赤いうるしを塗りました。
なのでラインが赤いのです。

使う道具・材料 :

  • 耐水ペーパー(#600か#800くらい)
  • 水(水を豆皿に入れて使うと作業しやすいです)
  • はさみ
  • ウエス(研ぎ汁を拭き取ります)

はさみがあると小さく切るとき便利です。手でもできますが。
はさみを100均などで買ってきて、ペーパー専用のはさみにしてしまします。

ぺーパーを一度切ると、切れ味がガクンと落ちて他のものが切れなくなります。
ので、ペーパー専用としてしまします。

簡単金継ぎの合成うるしの研磨をしていく

ペーパーを1㎝四方くらいにハサミで切ります。
それを三つに折って細長くして使います。

指先で持ったり、爪の先で押さえながら使います。

ペーパーの研磨力は高いようで陶器に傷をつけてしまいます
うっすらとですが

なのでなるべく修理箇所以外は研がないように気を付けてください。
んなこと言ったって、研いじゃいますけどね。

ペーパーを三つに折るのは、一枚だと腰がなさすぎるし、二枚でもやや甘い。
三枚くらいがちょうどいいということです。

あくまでも私のやり方なのでお好みに合わせてやってください。

多くの金継ぎ本でおススメしているのは
小さく切ったペーパーをくるっと棒状に丸めて使っています。

 簡単金継ぎのペーパー研ぎ作業の表面完了

研ぎました。

画像で白っぽく見えているところがペーパーが当たっているところで、
濃い赤色の部分はまだペーパーが当たっていません。
つまり平滑になっていない、デコボコということです。

 簡単金継ぎのペーパー研ぎ工程。内側の漆も研ぐ器の内側です

こちらもちゃんと研ぎます

 簡易金継ぎの研ぎ工程。内側も研磨完了

綺麗で滑らかな仕上げを望むのならデコボコがなくなるまで
合成うるしの塗り→研ぎ→塗り→研ぎ→…
と、繰り返します。

ん?ナンデ塗ったのに研いで、それでまた塗るの?何か効率わるいんじゃないの?と思われると思います。
研がなくていいじゃん。と。

研がないで塗り重ねる…と、塗り重ねた上のうるしの食いつきが悪かったり、それまでに作ってきた綺麗なラインが微妙に崩れたり、それから意外と平滑な面を作るのに効率が悪かったりするのです。

ここらへんは何個かやってみるとだんだん「そうかもしんないね」と納得してもらえるところだと思います。納得してもらえない方もいますが。まぁ、いいのです。

STEP 4.2 簡単金継ぎの上塗り方法

使う道具・材料・その他

  • 道具 : 小筆(合成うるし用…面相筆)、
  • 材料 : 合成うるし(新うるしなど)、テレピン、サラダ油

まずは筆の中の油分を洗い出します
使用前の筆を洗うやり方

今回は蒔絵風に金属粉を蒔いてフィニッシュしました。
が、これですと金属粉が取れやすいです。
金属粉が取れないように蒔絵後にその上から透明な合成うるしを薄く塗った方が強度がでます。(←この手順がいわゆる本漆の金継ぎと同じ手順です)

※本来の合成うるしの塗り方は透明うるしに金属粉(真鍮粉など)を混ぜ合わせて、それを塗ります。
合成うるし(新うるしなど)の塗り方・扱い方

簡単金継ぎの合成うるしの上塗り作業。面相筆で少しずつ塗っていく。

今回は白色の合成うるしを使いました。

薄目に塗っていきます。

 簡易金継ぎのうるし塗り作業。なるべくはみ出さないように塗る

はい、合成うるしは塗るのが難しいです。はい。

塗り終わったら筆を手早く洗います
使用後の筆を洗う方法

 

STEP 4.3 簡単金継ぎの蒔絵(粉蒔き)方法

使う道具・材料

  • 道具: 柔らかい穂先の小筆(水彩用の筆など)
  • 材料: 真鍮粉

簡易金継ぎの真鍮粉の粉蒔き作業。うるしが乾かないうちに手早く行う。

合成うるしが乾かないうちに金属粉を蒔きます。
(それほど焦らなくても大丈夫ですが)

金属粉を小筆(合成うるしを塗ったものとは別の筆です)ですくって
線描きしたところに蒔きます

それからやさしくソフトに線描き上に払い集めていきます。
ソフトにです。

 簡易金継ぎの紛蒔き工程。ゴシゴシ引っ張らないように筆を使って真鍮粉を線の上に集める

サッサッサと金属粉を払い集めます

簡単金継ぎの蒔絵作業。器の表面の蒔絵完了

はい、外側が完了しました

簡単金継ぎの内側も蒔絵完了

内側も同様に蒔きました

蒔絵部分が他に触れないように割りばしに乗せて宙に浮かし乾かします

金属粉をまいた箇所が他に触れないように
割りばしの上に乗せて宙に浮かし乾かします。

割り箸で宙に浮かせます

作業が終わりましたら
金属粉を払うのに使った小筆をエタノール
(なければテレピン、灯油など)で軽く洗ってください

金属粉を払ったときに毛先にほんのちょっと合成うるしが
ついていたりしますので。

 

STEP 5.1 簡単金継ぎの粉固め方法

硬化したら(丸二日くらいみておくとしっかり硬化します)、定着しなかった余分な金属粉を洗い流します。

これで完成…としてもいいのですが、でもこのままだと塗膜の強度が低く、金属粉が取れやすいので上から透明の合成うるしを薄く塗ってコーティングします。

使う道具・材料

  • 道具: 小筆、付け箆
  • 材料: 透明の合成うるし(新うるしなど)、テレピン、サラダ油

まずは筆をテレピンで洗ってください
使用前の筆を洗うやり方

 

蒔絵後に透明の合成うるしを上から塗ってコーティングします

 

↑透明合成うるしを塗っています。

塗り終わったら筆を洗います
使用後の筆を洗う方法

STEP 5.2 簡単金継ぎついに完成

 

簡易金継ぎ完成、器の表面

完成しました

完成

意外と見栄えがいいです

 内側も完成

間近で見ると粗が見えてくるのですが、
まぁ、いいとしましょう。

 簡易金継ぎ器の裏側も完成

はい、裏側もグットです。

 簡易金継ぎ完成。湯呑をひっくり返しての画像

合成うるしを使った簡易金継ぎでもきれいに直りました(かのように見えます)。

でも、とにかく本物の漆と比べると塗膜の強度が低いです。
それから安全面での保障がないので食器としては使わないほうがよいかと。

おススメはできませんのでご注意ください。

小物入れとか花器として使われてはいかがでしょうか?

 

〈目次へ戻る〉→白い湯呑作業手順 

 

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割れた湯呑の簡易(簡単)金継ぎ方法 3/4 パテの削り・研ぎ/下塗り

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ファイツ!

 

※ 〈新うるし〉のメーカー側の説明です…

植物性のうるし系塗料です。
・本品は毒性の強い物質ではありませんが念の為、食器等口に含む恐れの有る物に塗装しないでください。

とのことですので、これをどう判断するか?ですよね。正直、難しいなぁーというのが私の感想です。
万全の安全性を考えるなら「菓子器」など口を付けたりしないもの、もしくはあまり食品が触れないような器の使い方をされた方がいいかもしれません。

それよりもみなさん、「本漆」、やってみませんか?(笑)

 

ご注意ください : このページでは合成うるし(※天然の漆ではありません)を使った簡単(簡易)金継ぎのやり方をご説明しています。

 

 

白い湯呑の器を持つ手

 

PAGE 03  ‣ <BOOK k-01> 白い湯呑 


〈 目次 〉

STEP 3.1 簡単金継ぎのパテの削り・研ぎ

使う道具・材料 

道具 : 刃物(以下のいずれか)、耐水ペーパー#320と#800

  • オルファのアートナイフプロ(ハンズ、ホームセンターで売っています)
  • メス(ハンズ、彫金専門店でとりあつかっています)
  • カッターナイフ
  • 彫刻刀(自分で研げる人はおススメです。蛤型の刃先が万能です)

金継ぎで使いやすい刃物のご紹介です
金継ぎで使う刃物の選び方

自分で研げない方(普通研げませんよね)には
アートナイフプロかメスがおススメです。

刃先がカーブしているものの方がとにかくいいです。
刃先が直線のカッターナイフはどうやって内側を削るのでしょう?
ちょっとわかりません。

 サランラップを剥がしたあとのパテのようす

器の外側

パテが硬化してサランラップを剥がしたところです。

乾いたパテを内側から見た画像

器の内側

少し盛り上がっていますのでツラ位置になるまで削ります

 簡単金継ぎの削り工程。彫刻刀でパテを削っている少しずつ削ってください。
一気にやろうとすると削り過ぎることがままあります。

 ※何度か質問をいただきたことなのですが、
「刃物で接着剤やパテを削っているとガリガリ音がします。
これって陶器が削れている音じゃないんですか?」
という質問です。

この音は陶器じゃなくて刃物の先の方が削れている音なんです。
陶器の硬さに負けて刃先がガリガリ削れていきます。
(いや、そんなにあからさまには削れないですよ)

なのでご心配なく。

簡単金継ぎのパテ削り工程。彫刻刀で少しずつパテを削っていく。いっきに削らないように気を付ける。

刃物の先に指を置かないようにと小学校で習いました
原則それを守ることをおススメします。

簡単金継ぎの削り工程が終わりました。内側からの画像です

↑器の内側

削り終わりました

あとは耐水ペーパーの#320と#800で表面を滑らかになるように研ぎます

削り終わりました。外側からの画像

↑器の外側

 

STEP 3.2 簡単金継ぎの合成うるし下塗り

合成うるしの塗り一回目です。
今回は下塗りを二回行い、それから仕上げの蒔絵(もどき)をしたいと思います。

 

使う道具・材料・その他

  • 道具 : 小筆(細い筆が使いやすいです。面相筆やトールペインティングの筆)、付け箆(筆を洗うとき、合成うるしを練ったりまとめたりするときに使います)
  • 材料 : 合成うるし(今回は黒)
  • その他、掃除用 : 定盤、テレピン、サラダ油、ウエス、ティッシュ

筆を使い始めるときは毎回テレピンで洗ってください。
(作業終了時に油で筆を洗うので、
その油を除去するためにテレピンで洗います。
油が多く含まれていると合成うるしが乾きません。
たぶん。チェックしていませんが。)

テレピンを少量定盤に出して筆に含ませます。
それをティッシュで拭う。これを2~3回繰り返して油を取り除いてください。
使う前の筆の洗い方

塗ります。

定盤に少量、合成うるし(新うるしなど)を出してください。

定盤の上でうるしの含み具合を調整します。

簡単金継ぎの塗り工程。合成うるしの塗りはじめ

どこから線を引き始めても大丈夫です。

が、後々、器が持ちにくくならないように考えて
描きはじめてください。

簡単金継ぎの合成うるしの塗り、内側

少しくらいはみ出したって構いません。

大幅にはみ出したら…テレピンをティッシュに含ませて、
それで拭き取ってください。

ピンポイントで拭き取りたかったら
綿棒にテレピンを含ませて拭き取ってください。

 簡単金継ぎの器内側の塗り。あまりはみ出さないように気を付けて塗っていく。

最初はサラサラしている合成うるしなのですが、
乾きが早く、どんどん粘り気がでてきてしまいます。
ここが使いにくいところです。

粘りが強くなって来たら、
テレピンを1~2滴垂らして箆で混ぜてください。
緩みます。

接着したパーツが多くて、合成うるしを塗る箇所が多い場合、
どんどん合成うるしの粘りがでてきて塗りづらくなります。

テレピンを混ぜても描きにくいようでしたら
(テレピンばかり混ぜていてもどんどん合成うるしが薄まってきてしまいますし)
テレピンをティッシュかウエスに含ませて
定盤の上の合成うるしを拭き取ってしまいます。

それで改めて少量の新しい合成うるしを定盤を出して作業を続けます。

 簡単金継ぎの器内側のうるしの塗り完了

器の内側のうるしの塗りが完了しました

内側は塗りづらいです

 塗り終わり、塗ったところが他に触れないように割りばしの上に置いて乾かす

今回は修理箇所の関係で直接、板の上に置くことができなかったので
割りばしを利用しました。

合成うるしを塗ったところが他に触れないように気を付けて置きます。

 作業が終わったら筆を油で洗ったください。
そうすれば何度でも筆は使えます。
使用後の筆の洗い方

 

〈次の工程を見る〉→割れた湯呑の簡易金継ぎ方法 04 研ぎ/蒔絵/固め/完成

〈目次へ戻る〉→白い湯呑作業手順 

 

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【金継ぎ専用】 付け箆の簡単な作り方/平竹串とカッターで作る ▸ 動画有

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ファイツ!

 

※ 多くのご要望に応えまして「付け箆の作り方 ~4th edition」、作り直しました。
というか、「分かりにくいのね、金継ぎ図書館さんは」というご指摘に後押しされまして、全面的に改訂を施しました。

 

2016-12-15 動画を作りました。ご参考までに。

 

使う道具・材料

  • カッター(大)
  • 平竹串

※ ほぼ極限まで先っちょが薄くなってからハサミを入れてください。
じゃないと、「パチッ」と割れてしまいますー。

 

2017-04-30
「竹の割箸」でも作ることができました!

↑これでイケちゃいました◎
▸ 竹割り箸で作る金継ぎ用の「付けベラ」の作り方

 

さらに幅広(12㎜幅)の”練りベラ”も竹割り箸で作れます!
こちらもおススメ

金継ぎで使う練る用のヘラ

▸ 「竹の割箸」で幅広(12㎜幅)の”練りベラ”を作るやり方

 

 

付けべらとは


以下の作業時に使います。

  • 麦漆やエポキシ接着剤を割れた器の断面に付ける
  • 錆漆やエポキシペーストを欠けた場所などに付ける
  • エポキシ接着剤やエポキシペーストを混ぜ合わせる
  • 筆を洗う

付け箆を作りましょう。ぜひ。
プラベラ…でかすぎませんか?つねづね疑問だったのですが。
このヘラを作れば細かい作業は断然、作業しやすくなります。作業に適した大きさのヘラを自作しましょう。何種類か持っているとさらに便利ですし、作っていると愉しいのであります◎

「その道の人」しか知らないトリビアルなポイントも2点ほどご紹介します。その2点を抑えて「この人、金継ぎ上級者かしら!?」と勘違いされてください。(いや、でも素人の人が知らないことなので、気が付いてもらえないですよね。でも漆職人さんは当然のこととしてやっていることです)

 

 

 

付けへら作りで使う道具と材料


へら作りで使う道具と材料

付けヘラ作りで使う道具と材料

  • 道具: ①カッター(大) ②はさみ(何に使うの?) ③書くもの ④紙やすり(#400) ※⑤ライター、ロウソク、ロウソク立て ⑥定規 ⑦糸鋸(ノコギリでオッケーです) 済みません!糸鋸いりませんでした ⑧削る時の木の作業台
  • 材料: ⑨平竹ぐし(長さ18㎝ × 20本入りで¥120-くらい)

 

※ ⑨ 平竹串サイズ…長さ180㎜×厚み3㎜×6㎜ のものを使いました。長さは18㎝か21㎝のものがいいと思います。15㎝だと少し短くてやりづらそうです。幅は6㎜がベストだと考えています。

※ ⑤ はヘラ先を曲げたい時に使います。器の内側などでどうしても通常の箆では作業がやりづらい時に「曲げ箆」を作って対応してください。

※ もっと簡易的な箆で十分ですという方は  ▸ 割り箸で作る超簡易付け箆(但し、折れやすいです)

 

(2016-08-03 追記)

錆漆を「付ける」用の箆は確かにこれでひとまずオッケーなのですが、
錆漆、麦漆、刻苧を「練る」用の箆はこれだとちょっと細過ぎて厳しいのです。

そこでもう少し幅広の竹串を試してみました。
「つくね串」 幅9㎜×長さ180㎜  ¥2,450-/100本
です。(100本もいらないよー)

作り方はこのページで説明しているやり方と一緒です。ただし、もう少し「腰」が強くなるように「厚目」に削ります。

これですと金継ぎで使うにはそこそこちょうどいい感じがしました。
金継ぎで作る錆漆や刻苧の分量ってほんの少しですから。

ただ、問題が…。あまり売っているお店は無さそうなのです。私も唯一、東京の河童橋道具街で見つけました。なのでこれをアナウンスしても意味がないかもしれないのですが、一応。

 

 

 

 

 

↓の 〈step 01〉糸鋸で先端を切る作業はいりませんでした。済みません!

〈付けへら作り STEP 01〉 竹串の先端を切る


ヘラになる竹の先をまずは糸鋸で切る

まずは竹串のとんがっている先端を切ってしまいます。ここは使いませんので。
糸鋸、ノコギリなどなんでも構いません。

※ 後程、先端は〈はさみ〉で切るので、わざわざ糸鋸で切る必要はありませんでした。
うっかりしてました。すみません。(2016-04-22改訂)

 

 

 

〈付けへら作り STEP 02〉 カッターで竹串を削って薄くする


竹串の先端が薄くなればどうやったって構いません。が、一応、カッターで削るのに効率的かなと思えるやり方をご説明していきます。

金継ぎで使う竹へらの作り方

削っていくのは竹の内側(竹の皮と反対側)です。ここ間違えないでください。

竹串の先端をノコギリで切った後、その切った場所から55~65㎜くらい下のラインから削って薄くしていきます。(※ 以前は「40~55㎜」と書いていましたが、もう少し長くとった方が「しなり」がソフトで使いやすかったので訂正させていただきました。2016/02/21)
目印として55~65㎜の場所に鉛筆などでラインを引いておきます。

ある程度、薄い部分に長さがないと使いやすい「しなり」がでてきません。長過ぎると「しなりすぎる腰の弱い箆」ができてしまいますのでご注意ください。

まずは右半分を削ります。

竹串の右半分をカッターで削る

↑横から見た画像です。とりあえず半分くらいの厚さを削り取ります。
正面から見た時、45度くらいの角度で刃が入るようにして削ります。

なんでわざわざこんなやり方をしているのかと言いますと、この方が刃に対する「抵抗」が少なくなるので、カッターでも比較的楽に削れるからです。

竹串にカッターの刃をグッと入れる

いきます。さわさわと、表面をちょっとずつ削るのではなく、一気にグサッと刃を食い込ませます。竹はこの方が楽に削れます。

金継ぎで使うヘラを作る

刃はなるべく進行方向に対して斜めになるようにした方が、より抵抗が少なくなって削りやすいです。↑画像よりもう少し斜めの方がいいと思います。

竹串の右半分を削り終わった

3回くらい刃を通して削っていきました。

竹串の右側をカッターで削った

いったん、ここで右半分を終了してください。

次に竹串の左半分をカッターで削る

次に左半分です。

へらにする竹串の左半分を削る

厚みも半分くらい削り取っていきます。

ヘラにする竹串の左側をカッターで削る

刃をグッと食い込ませます。

カッターの刃を思い切って入れる

はい、刃物の前には指を置かないように気を付けてください。

ヘラ作りの竹串

こちらもカッターを3回くらい通して削っていきます。

竹串の左半分が削り終わった

左半分の削りも終わりました。

ホームベースのような形になりました。別にこんなに綺麗に形を整えなくても大丈夫です。
今回は「魅せる削り」をやっています。いつもはもっとワイルドです。

もう一度右半分をカッターで削る

右半分の二回目の削りです。図で示してある「青い斜線」を削ります。

へらにする竹串の右半分を削り終わった

削れました。

箆にする竹串の加工

↑今、こんな感じです。右半分の面積が広くなっているはずです。

箆にする竹串の左半分をけずる

続いて、再度、左半分です。図の「青い斜線部分」を削ります。

ヘラの左半分を削り終わった

カッターを2,3回通して削ってください。

へらにする竹串の加工

薄く平べったくなってきました。

竹串のトップの角を削る

今度は尾根の部分を削ります。

竹串のトップをカッターで削る

刃は進行方向に対して斜めにします。↑よりもっと斜めの方が抵抗が少なくなって削りやすいです。

へらになる竹串の先が薄くなってきた

尾根が削れました。

ヘラの作り方

けっこう平べってくなりました。薄くなってきたので、空中で削ろうとすると竹がしなってしまいます。

箆先をさらに薄く削る

いらない木の板(なんてありませんよね?いらない雑誌などで代用してください)の上に竹を置いて削ります。
このあたりになると慎重に厚みを気にしながら削ってください。
薄く削ろうとすると刃の抵抗が大きくなりますが、ここは頑張って少しずつ削ってください。

ヘラ先がほどよくしなるか確かめる

厚みを薄くしながら、時々、ヘラ先をしならせてみます。ほどよいしなりになるまで作業を繰り返します。
「しなり」に関しては個人の好みでいいと思います。私は0.5㎜厚くらいが使いやすいです。

ヘラの「先っちょ」だけ薄くしてもしなりの具合はよくなりません。もっと根元、30~40㎜くらいのところからしっかりと薄くしていってください。

 

 

 

〈付けへら作り STEP 03〉 はさみでヘラ先をカットする


 

好みのしなり具合になったら、次はヘラ先を加工します。

※ ほぼ極限まで先っちょが薄くなってからハサミを入れてください。
じゃないと、「パチッ」と割れてしまいますー。

 

箆先をはさみでカットする

ヘラ先を斜めにカットします。はさみで。ちょんっと切ります。

は?…さみ…?と思われますか。はい、私もそう思います。はさみはないでしょーと思います。けど意外とうまくいくのです。カッターで削ろうとすると大変なんですよ。

やってみてください。
はさみはこれで使っちゃうと多分、刃がおバカになって紙が切れなくなると思います。ので、「耐水ペーパーを切る用のはさみ」を一本こしらえて、それを使ってください。100均のはさみで十分です。

 

へらの先っちょをはさみで切る

さらにとんがった先っちょを切ります。
先ほど切ったラインに対して90度の角度です。あまり厳密になる必要はありません。

この「先っちょカット」は素人は知らない「隠れテク」ですので、この加工をすることで「通」ぶってください。
「え~、何で先っちょカットしてるの?」って聞かれたら、「うふふふ、ナイショよ」とごまかしてください。先っちょをカットする理由は…うふふふ、ナイショです。

「通」っぽく見えることが重要です。

ヘラ先が綺麗になった

できました。へらっぽい!おー、ヘラじゃん◎

竹の裏側からみたへら先

ヘラの裏側(竹の皮)から見るとこんな感じです。

 

〈付けへら作り STEP 04〉 ヘラ先を整える


いよいよ最終コーナーです。箆先をきれいにします。

へら先を紙ヤスリの上で動かして綺麗に整える

紙ヤスリ(耐水ペーパーでオッケー)の#400くらいの上でヘラ先を動かして、きれいにします。
この時、ヘラ先のラインにほんの少し丸みをつけます。これをやっているとさらに「知っている人」になります。私はこの加工をしている人に出会ったらひとまず用心します。明らかに「トーシロー」ではないからです。「身なり、道具類からうっかり、素人だと思って侮っていたが、よくみればこのヘラ…!もしや手練れの金継ぎ師では…!?」

ぜひ、やってください。
なぜ、ヘラ先を丸くするのか?って。それもナイショです。ふふふふ。いや、説明するのが面倒なだけです。

ちなみに、ヘラを使っているうちに箆先の丸みが削れてきます。内側に凹んできます。ですので時たまメンテナンスして丸みをつけてください。ペーパーでじょりじょりです。

へら先の平たい部分もぺーぱーをかけて綺麗にする

ヘラ先の平たい部分も綺麗にしちゃいましょう。

接着剤や錆漆などを使っているといつの間にかそれが箆にこびりついてきます。ですので時々ペーパーできれいにしてあげてください。キープクリーンです。
へらが綺麗にメンテナンスされていると「上手な人」に見えます。逆に箆が汚い人は「下手な人」に見えます。汚い箆を使い続けていると自分で自分のことを「この人は下手な人」だと無意識的に思い続けることになります。自分をその立場に縛り付けることになります。そうすると金継ぎが上達しません。いや、ほんと、そんなものです。
ですので道具はぜひぜひきれいにされてください。
私の道具は…きたない。きれいにします。

金継ぎで使うヘラの完成

できました!

※ この付け箆の薄くなった部分をロウソクの火で熱して曲げると「曲がり箆」が作れます。
お茶碗の内側などに錆付けする際に便利です。

「ヘラの作り方~1st edition」 よりかなり分かりやすくなったのではないでしょうか?あぁ、読んでませんと。
それでもいいです。

ぜひ、ヘラを自作して金継ぎライフをより良いものにしてください。

金継ぎで使うヘラの完成

 

 

刻苧漆こくそうるし(パテ)を付けるときに便利なヘラの作り方も見てみてください

 ▸ 刻苧箆の作り方

 

錆漆、麦漆等の「練り箆」としておススメなのが

幅広(12㎜幅)の”練りベラ”も竹割り箸で作れます!
こちらもおススメ

金継ぎで使う練る用のヘラ

▸ 「竹の割箸」で幅広(12㎜幅)の”練りベラ”を作るやり方

 

 

 

 

 

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【金継ぎ専用】 刻苧(パテ)箆の簡単な作り方/平竹串とカッターで作る ▸ 動画有

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ファイツ!

 

※ 多くのご要望に応えまして「刻苧箆の作り方 ~3rd edition」、作り直しました。
というか、「マイドマイド分かりにくいのね、金継ぎ図書館さんは」というご指摘に後押しされまして、全面的に改訂を施しました。

 

2016-12-15 動画を作成しました。

 

使う道具・材料

  • 平竹串
  • カッターナイフ(大)、ロウソク、ペンチ、ライター(火)

 

 

 

 

刻苧べらとは


以下の作業時に使います。

  • 刻苧漆やエポキシパテを充填する
  • 養生の時にマスキングテープの位置を微調整する
  • 「膿んだ」錆漆、刻苧を取り除く

刻苧箆を作りましょう。ぜひ。
みなさん、何を使って作業をやられているのですか?はて、便利な代用品ってあるかしら…?
このヘラを作れば細かい作業は断然、作業しやすくなります。作業に適したヘラを自作しましょう。何本か作っているとどんどん手際がよくなって、早く、きれいにつくれるようになります。

箆の曲がり具合は何種類か持っていると便利です。90度近くまで反った箆も時々必要になることがあります。作っているとだんだん愉しくなってきます。特に「曲げ」工程が◎

「道具作り」って実は工藝の醍醐味の一つです。ついつい道具作りに嵌まっちゃう人も多いです。そのくらい実は楽しいことですので、ぜひチャレンジしてみてください。

刻苧へら作りで使う道具と材料


へら作りで使う道具と材料

刻苧ヘラ作りで使う道具と材料

  • 道具: ①カッター(大) ③書くもの ④紙やすり(#400もしくは砥石#800) ⑤ライター、ロウソク、ロウソク立て ⑥定規 ⑧削る時の木の作業台 ●ペンチ(ヤットコなど)…箆先を曲げるとき使う ●バケツなどに入れた水
  • 材料: ⑨平竹ぐし(長さ18㎝ × 20本入りで¥120-くらい)

 

※ ⑨ 平竹串サイズ…長さ180㎜×厚み3㎜×6㎜ のものを使いました。長さは18㎝か21㎝のものがいいと思います。15㎝だと少し短くてやりづらそうです。幅は6㎜がベストだと考えています。

※ 「竹の割り箸」でも作ることができました!

↑ この割り箸でもオッケーです。

 

こんな感じで問題なく作れました。
けど、竹の「表皮側」を見極めたり、「折れないように曲げる」という点で
「平竹串」の方が作りやすいと思います。
(↑竹の表皮が残っているので折れにくいです)

でも、「竹の割り箸」は入手が楽ですよね◎

 

 

 

〈刻苧へら作り STEP 01〉 竹串をカッターで削って薄くする


まずは竹串を削って薄くしていきます。

ヘラ作り用の竹串のサイズを測る

削るのは竹の内側です(竹皮と反対側)。ご注意ください。

竹串の先っちょから30~35㎜くらいの位置から削ります。目印に線でも引いておいてください。

削り部分を少し長目に取っておきます。ロウソクの火で熱する時に長い方が都合がいいのです。最後に箆先を削って成形しますので、これよりはちょっと短くなります。

竹の右半分を削る

※ 図は分かりやすいように四角く製材した形で示します。

まずは竹串の右半分を削ります。

刻苧箆作りの工程

カッターの刃がグイッと食い込むようにします。竹は「削る」というよりは「割る」という感じですので、刃を一気に食い込ませた方が削りやすいです。

刻苧箆作りの工程。カッターで削る

右半分が削れました。

刻苧箆作りの工程

次に左半分です。

刻苧箆作りの工程

こちらも同様にカッターの刃を食い込ませて「割って」いくような感覚で削ります。
カッターの刃は進行方向に対して斜めにした方が削りやすいです。

刻苧箆作りの工程

左半分も削り終わりました。

刻苧箆作りの工程

正面から見たらホームベースのような形になっていると思います。

刻苧箆作りの工程

再び、竹串の右半分を削ります。

それだったら最初から、ガッツリ右側を削ればいいんじゃない?と思われますよね。
オッケーです。やれる人はやっちゃってください。ただ、一気にやろうとするとカッターの刃への抵抗が大きくなって削りづらいのと、形をきれいに整えるのに手間がかかりそうなので、2回に分けて(もしくは3、4回に分けて)、右→左→右→左と交互に削っていきます。

刻苧箆作りの工程

右側半分の2回目が削れました。

刻苧箆作りの工程

同様に、再び左半分を削ります。

へら先の尾根を残す

左側が削れました。

この後、好ましい薄さになるまで左右交互に削りを繰り返します。
ちなみにヘラの中央(Kb Line)を少し肉厚にしてください。山の尾根になるようにします。

Kb Line とは Kokuso-bera Line です。勝手に名付けました。無視して大丈夫です。
でもこの部分はちゃんと厚みをつけてください。この部分で箆先に「腰」を持たせています。ここが薄くなるとヘナヘナした刻苧ベラになってしまいますのでご注意ください。

好ましい薄さとは…人それぞれだと思いますが、目安としてはヘラの先っちょの厚みが1.2㎜くらい。中ほどが2.0㎜くらいというのはいかがでしょうか?

このへんは実際に使ってみて、そのしなり具合を確かめつつ自分の好みの薄さを探っていってください。ほんのちょっと「弾力」がつくような薄さがいいと思います。

へら先の厚み

箆を横から見ると↑こんな感じです。

 

 

(2016-03-04 補足 )

蝋燭の火で曲げるときにペンチ(またはヤットコ)を使うなら、ヘラ先が短くも大丈夫なので、この段階でヘラ先の形を成形してしまう方が楽だと現在は判断しています。

ヘラ先を砲弾型に削り、砥石#800で水研ぎして(もしくはペーパーの#400、#600くらい)、ヘラ先をほぼ完成させてしまいます。

ペンチなどを持っていない場合はこの段階でヘラ先を短くしてしまうと、火で炙るとき指がすごく熱いです。

 

 

〈刻苧へら作り STEP 02〉 ロウソクで箆先を曲げる


※ 水の中の中に暫く浸けておくと(20分くらいでしょうか)、火で焙った時に焦げにくいです。

箆先を熱して曲げます。これ、楽しいです。でも熱いですので気を付けてください。

ろうそくで箆先をあぶる

ロウソクの火に当てるのは竹の内側です。ご注意ください。
おお~、画像が仏教っぽいですね。

ヘラの先を右手の指で下に押す

ヘラを火に近づけすぎると焦げますので気を付けてください。
一点だけに火を当てているとやはり焦げてきますので、狙ったポイントとその周辺をゆらゆらとしながら熱します。

右手の指(ペンチヤットコなどを使ったら熱くなくてよかったです)で「軽く」下に押してください。これでゆっくりと曲げていきます。力を入れて一気に曲げようとすると折れます。折れるとかなり悲しいですのできをつけてください。

へら先をゆっくりと曲げていく

何度も火から離して曲がり具合をチェックします。一気に曲げない方がよいと思います。ちょっとずつ、ちょっとずつ。

へら先の厚みが薄い方が曲がりやすいです。ですが薄すぎると腰がなくなります。このへんの匙加減が難しいところです。

どうしても右手の指が熱くなりやすいので、あらかじめ箆先の削る長さを長目にとってあります。

画像ではヘラが焦げていますが、表面が少し焦げ色がついているだけですのでお気になさらず。

※ ロウソクの火の上で曲げた後、いきなり曲げていた力を抜いてしまうと、曲げ具合が少し元に戻ってしまいます。火から外した後20~30秒はそのままをキープするか、水の中に入れて冷やしてから力を抜いてください

 

と思っていたら

kokusobera02_a001

ペンチでヘラ先を挟んで曲げたら「熱さ」問題、解決しました。
ただ、曲げる力の加減が把握しづらいのと、熱くないからと言って火に近づけ過ぎると焦げますのでご注意ください。

↑画像の刻苧ヘラは90度近く曲げました。時々、どうしもてこのくらいのものが必要になる時があります。滅多にありませんが。

 

 

 

〈刻苧へら作り STEP 03〉 箆先を仕上げる


箆先を削って使いやすい形に仕上げます。

ヘラの先に丸みを付ける

ヘラの先っちょがとんがっています。これだとそんなに使いやすくないと思います。好みによりますが。
私は「砲弾型」をおススメしています。

ヘラの先をカッターで削る

へら先の側面を削っていきます。しなって削りづらいようでしたら、作業台の上で安定させながら削ります。

ヘラの先をカッターで削る

ちょくちょく形のチェックをしながら削っていきます。

ヘラの先をカッターで削る

なかなかよき砲弾となりました。

ヘラの先をカッターで削る

先っちょにまだ厚みがあります。しかもちょっとカッコ悪い。これを軽く削ります。

ヘラの先をカッターで削る

カッターだと削りづらいのですが、ここは頑張ってください。慎重にちょっとずつ削ります。

ヘラの先をに紙ヤスリをかける

削りに納得がいったら(もしくは飽きたら)、最後にペーパーをかけます。
#400くらいの紙ヤスリに当てて、ラインを整えます。きれいなラインになるようにします。

ヘラの先をに紙ヤスリをかける

削りでイマイチきれいなラインにならなかった人は、ここで頑張ってごまかしてください。

※ 私はこの作業を#800の砥石を使ってやっています。水研ぎします。
錆・刻苧削りに彫刻刀を使う方は砥石も購入することになると思いますが、ヘラの整形、メンテナンス(錆などがこびりついた時に研いで除去する)にも使えます。

金継ぎで使う刻苧箆の完成

できました!

「へい!金継ぎ図書館。玄人っぽく見えるポイントはないんかい?」「こう、なんかいかにも達人に見えるようなさ」
そうですねー。意味もなく150度くらい曲げたヘラを持っている人がいたら僕はビビります。「この人はいったい何者だ!?どうやって曲げたの?何に使うの?」と思います。どうでしょう?
刻苧箆を持っているだけでも「こやつ、素人ではないな!」と思われます。
ぜひ、作ってください。面白いです。

 

 

(2016-03-04 補足)

ごく最近のやり方は

  1. カッターでの削りの段階でヘラ先を砲弾型に削る(なるべく完成に近い形、薄さにしてしまう)
  2. 砥石#800で水研ぎして形を整える。
  3. 水に浸けておく(20~40分)
  4. 水を拭いて、火で炙りながらヤットコでヘラ先を曲げる
  5. 完成

 という手順でやっています。ヤットコを使うようになったので手順が少し入れ替わりました。
ヤットコを使うこの手順の方が早く、キレイにいっている感じがします。

 

調子にのって刻苧箆ギャラリー


金継ぎで使う刻苧箆の完成

金継ぎで使う刻苧箆の完成

金継ぎで使う刻苧箆の完成

金継ぎで使う刻苧箆の完成

 

 

接着剤、錆漆、エポキシペースト付けなどで使うヘラの作り方はこちらです。
 ▸ 付け箆の簡単な作り方

 

 

 

 

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割れた湯呑の簡易(簡単)金継ぎ方法 2/4 接着剤の削り・研ぎ/パテ埋め

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ファイツ!

 

※ 〈新うるし〉のメーカー側の説明です…

植物性のうるし系塗料です。
・本品は毒性の強い物質ではありませんが念の為、食器等口に含む恐れの有る物に塗装しないでください。

とのことですので、これをどう判断するか?ですよね。正直、難しいなぁーというのが私の感想です。
万全の安全性を考えるなら「菓子器」など口を付けたりしないもの、もしくはあまり食品が触れないような器の使い方をされた方がいいかもしれません。

それよりもみなさん、「本漆」、やってみませんか?(笑)

 

ご注意ください : このページでは合成うるし(※天然の漆ではありません)を使った簡単(簡易)金継ぎのやり方をご説明しています。

 

簡単金継ぎの工程が終わってそのカップを持っている図

 

PAGE 01  ‣ <BOOK k-02> 


〈 目次 〉

STEP 2.1 簡単金継ぎの接着剤削り・研ぎ

使う道具・材料・その他

道具 : 刃物(以下のいずれか)

  • オルファのアートナイフプロ(ハンズ、ホームセンターで売っています)…本体¥800~
  • メス(ハンズ、彫金専門店でとりあつかっています)…本体¥800~
  • カッターナイフ
  • 彫刻刀

刃物の選定の詳しいご案内はこちらです
金継ぎで使う刃物の選び方

簡単金継ぎの接着剤の削り

はみ出した接着剤を削っていきます。
黒く色付けしてあるので見やすいのです。

簡単金継ぎの接着剤削り。彫刻刀を使って削っていく。器の裏側

器の内側もきれいに削ってください。

簡単金継ぎの接着剤の削り

彫刻刀は表も裏も両方とも使います。
器の形に合わせて使いやすい方で作業してください。

※質問をいただくことなのですが、
「刃物で接着剤やパテを削っているとガリガリ音がします。
これって陶器が削れている音じゃないんですか?」
という質問です。

この音は陶器じゃなくて刃物の先の方が削れている音なんです。
陶器の硬さに負けて刃先がガリガリ削れていきます。
(いや、そんなにあからさまには削れないですよ)

なのでご心配なく。

簡単金継ぎの接着剤削り終了

削り終了です。

削り終了。内側もきれいに削りました。

内側もきれいに削りました。

簡単金継ぎの接着材削り終わりました

はい、終了です。
ご苦労様でした。

STEP 2.2 簡単金継ぎのパテ埋め

小さな欠けをパテで埋めます。

使う道具・材料・その他

道具 : 刻苧(こくそ)箆  [→コクソ箆の作り方] 、サランラップ
材料 : エポキシパテ(木工用、10分硬化)

掃除用・その他 : 作業板、ゴム手袋、テレピン、ウエス

エポキシパテはとにかくよく練り合わせてください。練りが足りないと硬化がスムーズにいかず、一週間くらいボソボソした感じになります(失敗したことがあります)
エポキシパテは素手で練ると手がベタついて嫌な感覚ですのでゴム手をおススメします。

エポキシパテの練り合わせ方の詳しいご説明はこちらです
エポキシパテの使い方

簡単金継ぎのパテ埋め作業。小さな欠けにエポキシパテを詰め込む

箆にパテを適量取り、欠けた部分に置きます。
少しずつ中の方に詰めるようにします。

エポキシパテ充填作業。刻苧箆で詰め込む

ジャストかほんの少し多目くらいの分量を目指します。

エポキ簡単金継ぎのパテ充填作業。表側からパテを充填すると内側からニョキっとパテが飛び出る

外側からパテを詰めると内側にパテが飛び出し、
内側からパテを押えようとすると今度は外側にパテが飛び出します。
ので…

簡単金継ぎのパテ埋め作業。内側からサランラップを当てる

小さくちぎったサランラップを使います。
内側にサランラップを当てます。

サランラップの上からパテを指でおさえる

それを指で押さえます。
サランラップの上からです。

 サランラップを使いながら刻苧箆でパテを押える

内側から指で押さえながら外側から箆を使って
パテをしっかり詰めていきます。

簡単金継ぎのパテ埋め作業。サランラップを表側に折ってパテの上に被せる。

だいたい隙間なくパテが詰まったらサランラップを表に折り返し、
パテを覆います。その上から指で押さえつつ形を整えます。

 サランラップを使いながら、その上から指で押さえ整形する

ほんの、ほんの少し多目に盛っておいて硬化してから刃物で削ります。
盛り過ぎると後で削るのが大変になります。

サランラップはこのまま放置しておいて大丈夫です。
硬化してくれます。

剥がしたい方は剥がすときにパテが引っ張られて
形がくずれやすいので気をつけてください。

 簡単金継ぎのエポキシパテ充填作業完了。硬化待ち

10分硬化のパテでももう少し硬化に時間がかかります。
特に厚く盛った箇所は時間がかかります。

1時間も待てば次の作業に移れます。

 

STEP 2.3 簡単金継ぎのエポキシペースト付け

市販のパテでは埋めづらい小さな欠け、
ほんのわずかな隙間、段差はどしたらいいですか?

市販のパテは少しパサパサしていて、
このままだとうまくできないのですが…

「エポキシペースト」

を作るのはどうでしょう?結構、上手くいきましたよ。

 

 エポキシパテ 10 : 2~4 エポキシ接着剤

 の割合で混ぜます。
パテ、接着剤ともにそれぞれ別個にA剤B剤としっかりと混ぜてから、
その二つを混ぜ合わせます。

 エポキシペーストの作り方、使い方はこちらです
エポキシペーストの作り方・つけ方

4割くらい接着剤を混ぜると「ネタ」がかなり緩みますので
付け箆で作業できます。

エポキシペーストを埋める箇所の周りには
ペーストが付いて汚れてしまいます。
ですので器の釉薬によっては作業前にマスキングをしておいてください。

マスキングのやり方はこちらです
マスキングの仕方

 

〈次の作業〉→簡易金継ぎ 白い湯呑 04 パテの削り・研ぎ

〈目次へ戻る〉→白い湯呑作業手順

 

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割れた湯呑の簡易(簡単)金継ぎ方法 1/4 診察/素地調整/接着

割れた白い湯呑の金継ぎ修理
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ファイツ!

 

※ 〈新うるし〉のメーカー側の説明です…

植物性のうるし系塗料です。
本品は毒性の強い物質ではありませんが念の為、食器等口に含む恐れの有る物に塗装しないでください

とのことですので、これをどう判断するか?ですよね。身体に”いいもの”ではない。正直、難しいなぁーというのが私の感想です。
万全の安全性を考えるなら「菓子器」など口を付けたりしないもの、もしくはあまり食品が触れないような器の使い方をされた方がいいかもしれません。

それよりもみなさん、「本漆」、やってみませんか?(笑)

 

簡単金継ぎが完了して器を持った絵

 

ご注意ください : このページでは合成うるし(※天然の漆ではありません)を使った簡単(簡易)金継ぎのやり方をご説明しています。

 

 

 

 

 

簡単(簡易)金継ぎとは


 器を修理する方法に漆を使った「金継ぎ」という日本独自の伝統技法があります。
この技法を現代において開発された素材(”新うるし”と呼ばれる「合成の塗料」や接着剤、パテ)で代用しておこなうのが「簡単(簡易)金継ぎ」です。

 「かぶれ」の心配がほとんどなく、素材の入手・扱いも漆に比べたら簡単です。
修理期間も1~3日程度でできてしまいます。
(ただし、食器として使うには安全上の保障がされていませんのでご注意ください)

 「とにかく器を直してみたい!」という方は、まずはこの簡単(簡易)金継ぎからっチャレンジしてみるのもいいかと思います。

器が直ったとき、とにかく嬉しいですよ◎

 

 

 

 

〈STEP 01〉 簡単金継ぎする器 information


  • 器の特徴 : 磁器
  • 器のサイズ : 直径50㎜、高さ65㎜
  • 器の釉薬 : ツルツル・ピカピカのガラス質
  • 破損状態 : 真っ二つに割れ / 口元に小さな欠け(幅3㎜×長さ5㎜)

 

 

以下2枚が破損状況です。

簡単金継ぎの作業をする前の器のチェック

真っ二つに割れてます。

この器は口元が広く、高さもあまりないので
器の内側に手が入りやすいです。
なので比較的修理がしやすそうです。

 

簡単金継ぎ修復前の破損の確認

↑ちょっとした「欠け」が口元部分にあります。

 

 

 

 

〈STEP 02〉 器の素地調整


金継ぎの素地調整で使う道具と材料

金継ぎの素地調整で使う道具: ②③ リューターのダイヤモンドビット (ホームセンター等で入手可能/価格 \200~)、① ダイヤモンドのやすり

▸ ダイヤモンドビットのカスタマイズの方法

 

 

まずは割れた各パーツ断面のエッジをやすりで軽く削ります。

 

 

ホームセンターなどで売っている
リューターの「ダイヤモンド・ビット」を使って
割れた断面の「エッジ」を軽く研ぎます。

「ダイヤモンド」だと
尖った角も削れるのです◎

 

 

 

 

〈STEP 03〉 割れたパーツの接着


簡単な金継ぎの接着作業で使う道具と材料 

エポキシ接着作業で使う道具と材料

  • 道具: ② 作業板(クリアファイルなど)) ③ 付け箆(▸ 付け箆の簡単な作り方
  • 材料: ① エポキシ接着剤 ④ テレピン

 硬化速度の違う接着剤がいろいろと売っていますが、30分~60分くらいのものが使いやすいと思います。5分、10分硬化型はちょっと早すぎて焦りそうです。

 

今回は30分硬化のものを使っています。

接着剤は60分硬化でもオッケーです。
複雑に割れてしまった器を修理するときなどは硬化時間がゆっくりな方がいいです。

5分硬化はおススメしません。早すぎて焦ります。

硬化時間が早いものほど接着の強度が低いようです。ゆっくりな方がいいのですね。

 

 

エポキシ接着剤のA剤、B剤を作業板の上に等量出して、よく混ぜ合わせます。

※ 今回は作業を見えやすくするために松煙(黒色の粉)を入れました。

 

 

簡単金継ぎの接着作業。付け箆で少しずつエポキシ接着材を付けていく

作業板にある接着剤を少しずつ箆で取って
器の接着する断面に塗っていきます

慣れるまでは
いっぺんに接着剤を多くとらないで
少量ずつ付けていった方が
きれいにいきます。

 

簡易金継ぎの接着作業。なるべく薄くエポキシ接着材を付けていく

練り箆を使ってなるべく薄く接着剤を塗布していきます。

接着剤が厚くなると器の破片同士を貼り合わせたとき
ズレが大きくなります。紙が一枚挟まったように

 

簡単金継ぎの接着作業。エポキシ接着材を塗布したら乾き初めのタイミングまで待つ

貼り合わせる破片の両方とも、接着剤を塗布します。

しばし放置して接着剤がある程度硬化し始めるのを待ちます。
(割れた破片が多い場合はこんな悠長なことは言っていられないので、
どんどん接着していきます)

硬化し始めたら接着です。隙間ができないように圧着してください。

今回はマスキングテープを使って仮止めしました。
(マスキングテープはあらかじめハサミで短冊状に切って
使いやすいように並べておきます)

マスキングテープの切り方

 

簡単金継ぎ接着作業。固定するためにマスキングテープを補助的に使う

上、下、横、斜めといろいろな方向からチェックして
なるべくズレがないようにしてください。

でもちょっとズレますが。

 簡単金継ぎのマスキングするやり方

仮止めにマスキングテープを貼っている最中にも
器の合わせ目がズレますので、
再度、チェックしてください。

 

簡易金継ぎの固定方法

内側もマスキングテープで仮止めしておいてください。

 平らで、安定するところに置いて
接着剤がしっかり硬化するのを待ちます。
30分硬化といっても30分で完全に硬化するわけではありません
のでしばらく待ってください。

 金継ぎの固定方法。器の裏側。

1時間も放置しておけば次の作業に入れます。

 

〈次の工程に進む〉→簡易(簡単)金継ぎ 白い湯呑 02 接着剤の削り・研ぎの方法

〈目次へ戻る〉→白い湯呑作業手順


 

 

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小さく欠けた白いマグカップの金継ぎの方法 3/3 ~蒔絵完成まで(岡田直人の器)

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※ 口元が一か所、小さく欠けたカップの金継ぎ修理のやり方を説明していきます。本物の漆を使った修理方法ですので「かぶれる」可能性があります。ご注意ください。

金継ぎした器を持つ絵

今回は金継ぎの工程のうち〈乾いた錆漆を彫刻刀で削る~蒔絵を施し完成させる〉までのやり方を解説していきます。
※かなり端折っています。すみません。

 

【前回の作業を見る】

欠けた部分錆漆を置く▸ Page02/ペースト付け

 

 

 

錆漆2回目の乾きチェック


 前回付けた錆漆がしっかり乾いているかどうか爪で軽く引っ掻いてチェックしてみてください。(直接触るのが嫌な人は爪楊枝などで引っ掻いてみてください)

 カリッとしていて、引っ掻いた跡が白く残ればしっかり乾いている証拠です。

乾いていなければ湿した場所(65%~)に置いて1,2日待機していてください。焦りは禁物です◎

 

 金継ぎのやり方。錆漆の乾きを確認する。

 マスキングテープを取った状態です。

マスキングテープ分の厚みが付いています

 

 

 

錆漆の削り・研ぎ作業


道具: ①彫刻刀(平丸刀) ②彫刻刀(平刀) ③障子紙用丸刃カッター ④カッターナイフ(大)
▸ 道具と材料の値段/販売店


上記の道具のいずれか、もしくは複数が用意できると作業がやりやすくなります。

おススメは 【 ①と②の彫刻刀 】ですが、「研ぐ」ことができないと、使い捨てになってしまいますので、現実的な初心者用の刃物チョイスとしては 【 ③と④のカッター 】を用意してもらえたらと思います。

 

③ の障子用丸刃カッターはホームセンターの「障子貼りコーナー」にありました。
刃先がRなので(丸味が付いている)、器の曲面部分、特に「器の内側」部分の削りにもある程度、対応できます。

 

 刃物の詳しいご紹介はこちらです
金継ぎで使う刃物の選ぶ方法

 

 

 錆漆を削ります。

 (金継ぎのやり方)錆漆を彫刻刀で削る

 私は彫刻刀を使います。

この形(刃先が丸まっている蛤型、平丸)が一番使いやすいです。

金継ぎではこれ一本でほとんど用が足りています。かなり便利です。

 

金継ぎのやり方。盛った錆漆を彫刻刀で削っていく。

 削ります。

あっちこっちの角度から見て少しずつ削っていきます。

 金継ぎのやり方。器の内側から錆漆を削る

 彫刻刀の刃の表も裏も使います。

錆漆で補填した箇所がその周りとフラット(段差がなくなり、滑らかにつながる)になるまで削っていきます。

一気に削ろうとすると削り過ぎて凹んでしまったりします。ので、ちょっとずつ、いろいろな角度からみてチェックしながら削っていってください。

 金継ぎのやり方。欠けた部分に盛った錆漆を削る

 錆漆を削ると刃の切れ味はどんどん悪くなります。土を削っているということですから。

切れ味が悪くなったら砥石で研ぎます。#800~#1000くらいの砥石を使います。金継ぎ専用の彫刻刀として使っていますので、仕上げ砥石は使いません。

 

削り終わりました。

 ※質問をいただくことなのですが、「刃物で麦漆やコクソ漆を削っているとガリガリ音がします。これって陶器が削れている音じゃないんですか?」という質問です。

この音は陶器じゃなくて刃物の先の方が削れている音なんです。陶器の硬さに負けて刃先がガリガリ削れていきます。(いや、そんなにあからさまには削れないですよ)

なのでご心配なく。

 金継ぎのやり方。錆漆を削り終わった

錆漆の削り完了です。

金継ぎのやり方。錆漆を削り終わった

刃物だけでこれくらいはきれいにできます。なるべく刃物で形が整えられるときれいな平滑面が作れます。

ペーパーに頼り過ぎない方がいいです。が、刃物に慣れていないと思いますので削りはそこそこにしておいてペーパーの力をお借りしましょう◎

 

 

道具  ②紙ヤスリ(耐水ペーパー) ③ウエス(布切れ) ④ハサミ(いらなくなったもの) ⑤豆皿(水受け)
 材料  ①水
▸ 道具と材料の値段/販売店


※ ハサミは紙ヤスリを切るのに使います。紙ヤスリを切るとハサミが「ばか」になります。他のものが切れなくなりますので、要らなくなったものか、100均で安いものを買ってきてください◎

※ 彫刻刀であまり削れていない(きれいなラインが出てない)場合は、まずは耐水ペーパーの#240くらい(←粗目)を使って研いでください。それで「形」を作ります。

形ができましたら、仕上げに#600~#800程度で軽く研いで、
表面の肌を整えてください。

 

  1. ペーパーを1㎝×1㎝くらいに切る
  2. 三つ折り(二つ折りでもオッケー)にする
  3. 水をちょっとつける

 

 

刃物での削りがあまりきれいにいっていない方は、この ペーパー研ぎでゴリゴリ削って形を作っていってください。その場合は#240くらいの粗さのペーパーを使ってください。

 

金継ぎのやり方。錆漆を削り終わった

 この後、耐水ペーパー#600で水をつけながら研ぎます。錆漆の表面を滑らかにします。

 

 

 

 

漆の下塗り


道具  ②ティッシュぺーパー ③面相筆 ④蒔絵筆(赤軸根朱替わり) ⑥練り竹ベラ ▸作り方 ⑦作業板 ▸作り方
 材料  ①エタノール(テレピン、灯油など) ⑤精製漆(今回は”呂色漆”…黒い色の漆) ⑧サラダ油

▸ 道具と材料の値段/販売店


 

 

 「生漆」しか持っていないのですが、どうしたらいいですか?
はい、それではこちらへどうぞ ↓

▸ 精製漆の作り方

 

↑ この茶色半透明の漆でも「漆塗り」はできるのですが、半透明だと「どこを塗ったのかわかりにくい」のです(涙)漆に色を付けたい方はこちらへ ↓

▸ 色漆の作り方

 

 

作業に入る前に、筆をテレピンで洗って筆の中の油を洗い出します。
 ▸ 詳しい作業前の筆の洗い方

※ 何で筆に「油」がついているの??かと言いますと、作業が終わった後に、油で筆を洗っているからなのです◎ヘンですね、漆って。

 

 【 作業前の筆の洗い方 】

  1. 作業板の上に数滴テレピンを垂らす。
  2. その上で筆を捻ったりしてテレピンをよく含ませる。
  3. ティッシュペーパーの上でヘラで筆を優しく押さえる。

 

 

 

 

 

筆の準備が済んだら、今度は漆の用意をします。

  1. 漆のチューブの蓋を開ける。
  2. 作業板の上に少量の漆を出す。
  3. 筆に漆を馴染ませる。
  4. 作業板の上に何本か線を引き、漆の量を調節しつつ、
    含み具合をチェックする。

 

漆の中にゴミがたくさん入っている場合などは濾し紙で漆を濾してきれいにします。必要な方はこちらをご覧ください ↓

urushiway ▸ 基本的な漆の扱い方・濾し方

 

 

 漆塗りの実践に入ります。

 

金継ぎのやり方。研ぎ終わった錆漆の上に漆を塗っていく。

 今回の金継ぎの下塗りには黒漆(呂色)を使っています。

黒漆を塗るときは厚塗り厳禁です。厚すぎると”ちぢみ”が生じます。しわしわになります。しかも中が乾きません。一か月くらい待てば乾きますが。

もし、漆を厚く塗りすぎた場合…

こんな感じになります。シワシワになるわけです。塗膜表面と塗膜の中の方との乾くスピードに「差」があり過ぎるとこうなるのだと思います。多分。

 

 

で、…済みません。これ以降、仕上げまで写真を撮っていませんでした(涙)

この後の作業は、

黒漆で塗り→研ぎ→黒漆で塗り→研ぎ…と3回くらい繰り返します。
「塗りは一回でいいじゃん」と思いますよね。だけど塗って、研いでみると結構デコボコしているのがわかるのです。なので塗り、研ぎを繰り返して平滑できれいなラインを作ります。

それからこちらも少しマニアックかも知れませんが、漆は3回くらい塗り重ねた方が柔らかい感じが出ます。塗り1回と塗り3回では微妙なのですが雰囲気が違います。(二つ並べて見比べるとその差はわかります)

 

 

 

作業が終わったら湿度の高い場所(65%~)に置いて漆を硬化させます。そう、漆は空気中の水分を取り込んで硬化するのです。不思議な樹液ですね◎

湿度が高い場所…って、お風呂場にでも置けばいいんですか??

風呂場…でもいいのですが、風呂場って湿度が100%近くにまでなるので、漆を乾かすにはちょっと「どぎつい」環境だと思います。(漆は急激に硬化すると「やけ」「縮み」といった厄介な現象が起こりやすくなります)

もうちょっとソフトな環境を用意してあげましょう◎そう、実は漆は”やさしさ”で乾くのです。よ◎

 

 【 簡易的な漆乾燥用の風呂 】

湿度が保てる空間を用意します。※ 水を固く絞った布を中に入れて湿度を高くしてください。

↑ こんな感じでいかがでしょうか?

え!段ボール…。こんなんでもいいんですか??

はい、大丈夫です◎「段ボールなんてダサくて嫌!」という方は↓のページを参考にバージョン・アップさせていってください。

▸ 段ボール漆風呂の作り方

 

 

 

塗り終わったら油で筆を洗います。
 ▸ 詳しい作業後の筆の洗い方 

※ 油で洗わないと筆の中に残った漆が硬化するので次第に筆がゴワゴワしてきてしまいます。

 

 【 終わった後の筆の洗い方 】

  1. 筆に油を含ませる
  2. 作業板の上で優しく捻ったり、クネクネ(?)させたりする
    (こんな表現でいいんでしょうか?)
  3. ティッシュの上で、ヘラを使って優しく押さえる
  4. 筆の中の漆分がほとんどなくなるまで、<1~3>の作業を繰り返しす
  5. 最後に綺麗な油を筆に軽く含ませてキャップを被せる

※ 極々、ソフトに押さえるようにして筆の中の漆と油を掻き出すようにしてください。強くしごいてしまうと、筆の毛先が痛んで「カール」してしまします。

 

 

筆は付属のキャップを嵌めて保存します。キャップが無かったらサランラップを丁寧に巻いてください。

キャップがない、もしくはキャップを作りたいという方はこちらを参考にしてください。
 ▸ 筆のキャップの作り方 

 

 

 【 お掃除、お掃除 】

インターネット上で初心者相手の金継ぎ教室全ての作業が終わったら作業板を掃除します。

 テレピン(又はエタノール、灯油など)を垂らして、ウエスやティッシュできれいに拭き取ってください。

 

   caution ! 

厳密に言うと、素地をし終わった後の作業板の上には「ごくごく薄っすら」と漆の成分が残っています。ですので、この作業が終わるまではしっかりとゴム手袋をして、ゴム手袋を外したあとは作業板を含めて漆の道具類を触らないようにした方がいいです。

 

 

 

 

 

 

漆の下塗り研ぎ


塗り→研ぎ→塗り…と3,4回繰り返し平滑な面を作ります。

 

道具  ②紙ヤスリ(耐水ペーパー) ③ウエス(布切れ) ④ハサミ(いらなくなったもの) ⑤豆皿(水受け)
 材料  ①水
▸ 道具と材料の値段/販売店


今回は耐水ペーパーの#800~1000くらいを用意してください。

 

  1. ペーパーを1㎝×1㎝くらいに切る
  2. 三つ折り(二つ折りでもオッケー)にする
  3. 水をちょっとつける

 

 

 
↑水を少量つけつつ、漆を研いでいきます。
どのくらい研ぐの??ん~、そうですね、「平滑面」になるまで…ですが、研ぎ過ぎると「錆漆さびうるし(ペースト)」が出てきます。

それじゃ漆を塗った意味がないじゃん…って思いますよね。そうですね。でも一度、漆を塗って、それを研いでみるとどのくらいの「平滑面」が出ているかが見やすくなります。
漆を塗った面を研いだ時に、どのくらい「デコボコ」しているかで次の作業を決めます。「ほんのちょっとデコボコ」だったら(つまり、漆をもう1,2度塗れば、そのデコボコが埋まりそうだったら)、漆の塗りを重ねていきます。
「結構なデコボコ具合」だったら(漆を1,2度塗ったくらいじゃ埋まりそうもなさそうだったら)、「錆漆さびうるし(ペースト)」付けに戻ります(!)

えー、やだー!!って思いますよね。だけど、そのほんのちょっとの凸凹を埋めるだけでいいので、簡単です◎ 薄っすらと錆を付けるだけでいいのです。つけるのも簡単だし、その後、研ぐのも簡単です◎

面倒臭がって漆を重ねていくより、錆漆で埋めた方がはるかに早く工程が進むことも多いです。よ◎

 

 

漆の上塗り


道具  ②ティッシュぺーパー ③面相筆 ④蒔絵筆(赤軸根朱替わり) ⑥練り竹ベラ ▸作り方 ⑦作業板 ▸作り方
 材料  ①エタノール(テレピン、灯油など) ⑤精製漆(今回は”弁柄漆”…赤茶色の漆) ⑧サラダ油

▸ 道具と材料の値段/販売店


 

使う道具・材料、作業手順は「漆の下塗り」(このページのちょっと上の方で説明しています)と一緒です。
そちらを参考にしてください。

 

 

金継ぎのやり方。漆の上塗り
金属粉を蒔く前に何色の漆を接着剤代わりに塗るかで仕上がりに影響します。

赤い色の漆を使えばその上に蒔いた金属粉はうっすら赤味を帯びて華やかな感じになりますし、黒い色の漆を使えば控えめの落ち着いたトーンになります。

二種類を並べて見比べるとよくわかります。

 

金継ぎのやり方。漆の上塗り

 金粉を蒔く前の漆はなるべく均一に薄く塗ります。縦、横、斜め…と何度か筆を通して均一になるように心がけます。

 

金継ぎのやり方。上塗り

 塗り終わりましたら、漆が乾き始めるまで待ちます。

乾き始めたかどうかの判断は漆の塗膜に湿度を込めた(!?)息を「はぁー」とかけて、塗膜がほんの一瞬青白い色合いを示せば乾き始めのサインです。

 でもわかりにくいので難しいです

 

 

 

金粉を蒔く


道具 ②ティッシュ ③真綿 ⑤重石(包み紙を押えるもの) ⑥あしらい毛棒(柔らかい毛質の筆) ⑦練り竹ベラ ▸作り方 ⑧作業板 ▸作り方 
材料 ①エタノール ④蒔絵紛(今回は金粉を使用)
▸ 道具と材料の値段/販売店


 

蒔絵の写真がないので、他の修理品の作業写真を使って説明します。

 

壊れた器の金継ぎ修理のやり方

真綿に「しっかり」と金粉を取ります。
ここはビビらずに「多目」に付けてください。

じゃないと、真綿の繊維で漆を引っ掻いてしまいます。

 

壊れた器の金継ぎ修理のやり方

金粉をつけた部分を漆を塗った箇所にソフトタッチで押さえていきます。

優しく優しく…

 

壊れた器の金継ぎ修理のやり方

 はい、「金」が付きました◎

作業が終わったら湿した所に置いて丸三日は乾かしてください。
※ 湿度65%~くらい(水気を固く絞った布を入れた段ボールの中とか)

 

 【 簡易的な漆乾燥用の風呂 】

湿度が保てる空間を用意します。※ 水を固く絞った布を中に入れて湿度を高くしてください。

↑ こんな感じでいかがでしょうか?

え!段ボール…。こんなんでもいいんですか??

はい、大丈夫です◎「段ボールなんてダサくて嫌!」という方は↓のページを参考にバージョン・アップさせていってください。

▸ 段ボール漆風呂の作り方

 

もうちょっと詳しい蒔絵のやり方はこちらを参考にしてください。
粉蒔きのやり方

 

 

 

蒔絵粉の固め作業


道具 ③小筆(面相筆など) ⑤練り竹ベラ ▸作り方 ⑥作業板 ▸作り方
材料 ①テレピン(またはエタノール) ②ティッシュ ④生漆 ⑦サラダ油
▸ 道具と材料の値段/販売店


 

作業を始める前に柔らかい穂先の小筆で定着しなかったり周りに付着した金粉を払います。
粉払いのやり方

 

 

それでは「粉固め」という作業に入ります。その前に、まずは…

 まずは筆をテレピンで洗って筆の中の油を洗い出します。
 ▸ 詳しい作業前の筆の洗い方

 【 作業前の筆の洗い方 】

  1. 作業板の上に数滴テレピンを垂らす。
  2. その上で筆を捻ったりしてテレピンをよく含ませる。
  3. ティッシュペーパーの上でヘラで筆を優しく押さえる。

 

 

 

 

次に、浸み込みやすくするために生漆をテレピンを混ぜて希釈してください。作業板の上でヘラを使ってよく混ぜ合わせます。

 

 【 生漆の希釈 】

【体積比/目分量】… 生漆 10:3 テレピン ※おおよそ

これを筆に含ませて浸み込ませていきます。
※ テレピンの代わりにアルコール、灯油でもオッケーです◎

 

では実践!

岡田直人の器の金継ぎ修理方法

筆を置くようにして金粉に漆を浸み込ませていきます。筆先でゴリゴリ擦っちゃダメです。

何でか?そもそもこの作業は何でやってんの??それはですね、金粉を蒔いたままだと、しっかりと定着していない金粉もあるからです。
ですので、金粉の上から漆をかけて金粉同士の隙間に漆を浸み込ませてがっちりとホールドします。がっちりゴールドです。

 

岡田直人の器の金継ぎ修理方法

ペタペタぺたです。

 

 

塗り終わったら筆をサラダ油で洗います。 ▸ 使用後の詳しい筆の洗い方

洗い終わったら筆にキャップをつけて保管します。
キャップがなかったらサランラップで優しく包んでください。

 

岡田直人の器の金継ぎ修理方法

生漆をたっぷりとかけたので、吸い込まなかった生漆が表面に溜まっています。

 

岡田直人の器の金継ぎ修理方法

その吸い込まなかった余分な生漆をティッシュで拭き取ります。

 

岡田直人の器の金継ぎ修理方法

拭き取る…といっても、ゴシゴシ拭き取ったらダメです◎金粉もゴシゴシ拭き取られてしまいます(微量だと思いますが)。

ティッシュはそっと置くようにします。鳩は挟まないように。

 

岡田直人の器の金継ぎ修理方法

余分な漆がティッシュに吸い取られます。

ティッシュの面を変えて、拭き取作業を繰り返します。ティッシュに漆が付かなくなるまで繰り返してください。

 

岡田直人の器の金継ぎ修理方法

こんな感じになります。

 

 

こちらもご参考にしてみてください。もうちょっと詳しいです。
粉固めのやり方
拭き取りのやり方

 

 

 

金粉の磨き作業


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左からメノウ棒・ガラス棒・鯛牙2本

  • メノウ棒…磨き部分が大きいので、ちょっと磨きづらいです。/価格¥1,200くらい 東急ハンズ
  • ガラス棒…さらにもうちょっと磨きづらい。球体になっている部分で磨くので、どこにあたっているのかややわかりにくい。けどリーズナブルに入手ができる。 /価格¥100~200 東急ハンズ/画材店
  • 鯛牙棒…すこぶる磨きやすい。ピンポイントで磨ける。身体にフィットする /手作り (▸ 鯛牙棒の作り方

▸ 道具と材料の値段/販売店


上記のどの道具でもオッケーです◎要するに「固くてツルツル」していればいいんじゃないでしょうか。きっと。

 

 

金継ぎの方法。固めた蒔絵紛を磨くのに鯛の牙を使う。

↑鯛の牙です。使いやすいです。ピンポイントで磨けます。

 

もうちょっと詳しく蒔絵紛の磨き方を知りたい方はこちらへどうぞ
 ▸ 金継ぎで使う粉磨きの道具と蒔絵磨きのやり方

 

岡田直人の器の金継ぎ修理方法

これから光らせます。驚くなかれ、鳩ぽっぽ。

 

岡田直人の器の金継ぎ修理方法

そうです。ヒカるんです◎黄土色の金属粉が磨くと光ります。びっくり。

 

岡田直人の器の金継ぎ修理方法

 

 

漆継ぎの金粉磨き

もうちょっと詳しい金属粉の磨き方ページへ
▸粉磨きの道具とやり方

 

 

 

金継ぎ完成


欠けたマグカップの金継ぎ完成

欠けたマグカップの金継ぎ完成

欠けたマグカップの金継ぎ完成

 欠けたマグカップの金継ぎ完成

 これで欠けた器の金継ぎが完了しました。

 

 

 

他の作業工程を見る

▸ ① 素地固めまで
▸ ② 錆付けまで

 

 

 

 

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小さく欠けた白いマグカップの金継ぎの方法 2/3 ~錆漆まで(岡田直人の器)

欠けた部分錆漆を置く
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※ 口元が一か所、小さく欠けたカップの金継ぎ修理のやり方を説明していきます。本物の漆を使った修理方法ですので「かぶれる」可能性があります。ご注意ください。

金継ぎ修理した器の絵

今回は金継ぎの工程のうち〈欠けた部分を錆漆で埋めるまで〉のやり方を解説していきます。

 

前回の作業工程を見たい方は
欠けた岡田直人のマグカップの金継ぎ修理▸ p01/素地固めまで

 

 

マスキングをするかどうかの判断


この次の金継ぎ作業工程(錆漆付け)では錆漆さびうるし(ペースト)が修理箇所のまわりにもついてしまいます。

錆漆が付いても取れやすい釉薬の場合(ツルツル・ピカピカのガラス質)は特にマスキング作業をしなくてもいいと思います。

ザラザラ・マットな釉薬、または釉薬がかかっていない場合(焼き締め)はマスキングをしておいた方が無難です。錆漆が付くときれいに取れなくなって、うっすら黒っぽくなります。

 

 

 

修理部分のマスキング作業


道具 : はさみ
材料 : マスキングテープ

 

金継ぎ修理の方法。まずは養生のために使うマスキングテープを切って、お碗の縁に並べて付けておく。

千切ったマスキングテープをあらかじめ用意しておきます。
▸マスキングテープの切り方・ちぎりるやり方

 

金継ぎ修理の方法。漆で修理する欠けた部分をマスキングしていく。

マスキングテープを欠けたラインに沿って一枚ずつ貼っていきます。

マスキングの詳しい貼り方はこちらを参照してください。
マスキングテープを貼る方法

 

金継ぎ修理の方法。欠けた箇所にマスキングテープを貼っていく

マスキングはマスキングテープを少しずつ指でちぎって貼っていた方が、ちょうどいいラインに整えられます。

マスキングテープ同士が重なってもオッケーです。

 

金継ぎ修理の方法。漆で直す部分にマスキングをする

器の内側のマスキングが終わりました。

 

金継ぎ修理の方法。漆で直す器の外側のマスキング

器の外側もしっかりマスキングしていきます。

マスキングは手間がかかります。このくらいの規模でしたらほとんど苦になりませんが、木っ端微塵系の修理の時はゲンナリします。

 

漆金継ぎする器のマスキングが完了

マスキング作業が完了しました◎

 

 

 

錆漆を付ける(一回目)


道具 ③作業板 ▸作り方  ④付けベラ ▸作り方  ⑤練りベラ ▸作り方
材料 ①水  ②生漆  ⑥砥の粉

▸ 道具と材料の値段と売っているお店


 

 

錆漆さびうるし(ペースト)を作ります。
この「錆漆」ですが、ペースト状のものなので、「小さい欠け」や「細かい隙間」などを埋めるのに適しています。

 

体積比(目分量)… 砥の粉 10 : 8 生漆  ※ 水は適量

 ▸ 詳しい錆漆の作り方ページ

 

  1. 砥の粉を潰す
  2. 水を少量ずつ足しつつ、練る。
    チューブ入りの練りからし」くらいの状態になるまで水を加えつつ練る
  3. 次に「漆」を少しずつ足しつつ、練る
  4. 完成

 

※ 錆漆の「作り置き」はおススメしません。「使うときに作る」が原則です。作ってから2~3日くらは乾きますが、どんどん乾きが悪くなっていきます。

とはいえ、「明日も他の器を直すので」という方は、残った錆漆さびうるし(ペースト)を保存してください◎
 ▸ 余った錆漆・麦漆・漆の保存方法

 

【錆漆の作り方動画】

 

錆漆さびうるしという細かいペースト状のものを付けていきます。

1回で欠けた箇所がうまく、綺麗に埋まればオッケーです。が、だいたいどこかしら凹んでいたりするので2回目も行うことが多いです。

 

 

金継ぎ修理のやり方。錆漆を付けていく。箆に少量の錆漆を取る。

 錆漆はちょっとずつ付けていきます。

まずは作業板の上にある錆漆さびうるし(ペースト)をヘラの先で少量取ります。

  1. 作業板の上で錆漆さびうるし(ペースト)を薄く均一に広げる。
  2. ヘラを少し寝かしつつ、横から滑り込ませる。
  3. 右側から左側へ通す。
  4. そうするとヘラの先っちょだけに錆漆がつきます。

 

 

錆漆を小さな箆を使って欠けた箇所に補填します。

定盤(作業台)の上に置いてある錆漆を適量すくって補填箇所にのせます。

 金継ぎ修理の方法。錆漆を箆で均す

陶器の欠けた部分に置いた錆漆を箆を使って均します。

 

金継ぎ修理のやり方。錆漆の置き方の説明。

器の陶器の部分と錆部分の接点・接地面(キワ)にきちんと錆漆が充填するように箆でならしてください。

錆漆は一回にどのくらい盛っていいのか?疑問ですよね。

錆漆は一度に厚盛すると中が乾かなくなってしまします。(1ヵ月くらい待てば乾いたりしますが、それじゃあね)

目安は2~3㎜といったところでしょうか。

ついつい面倒なので一度で済ませてしまおうと厚盛りしたくなりますが、そうするとなかなか乾かずにかえって痛い目に合います。

ご注意下さい。

 

金継ぎ修理のやり方。直す欠け部分に錆を置く

錆漆は生クリームのような、練りからしのような固さですので、慣れるまで扱いが難しいです。あまりきれいにいかなくても気にしないでください。私もこの程度です。

 金継ぎ修理のやり方。欠けた部分に錆漆を置いていく。

錆漆がはみ出してもマスキングしてあるから大丈夫なのです◎

 金継ぎ修理のやり方。箆で錆漆を置き、それから箆で平らに均す。

錆漆の充填が完了しました。

錆漆自体に水が含まれているので基本的にはムロ(漆風呂)に入れなくても乾くはずです。

が、すごく乾燥した季節ですとか、生漆が古くて乾きが悪い場合は湿したムロにいれてください。

 金継ぎ修理のやり方。錆漆を箆で均す。

ちょっと凹んでいますが、無理して厚盛りしないように気を付けてください。

厚くなり過ぎると、表面だけ乾いて、内側が全く乾かない「膿む」…という現象が起こってしまいます。よ◎

 金継ぎ修理のやり方。錆漆付けが完了。

 

 

 

錆漆1回目の乾きのチェックと研ぎ


金継ぎ修理のやり方。錆漆がしっかり乾いているかどうかをチェックする。

 錆漆1回目の乾きチェックです。

しっかり乾いている場合、爪で引っ掻くと白く線になります。乾きが甘いと引っ掻いても白くなりません。その場合はもう何日かしっかり湿した風呂に入れておいてください。

 

 万が一、錆漆が1,2日で乾かなかった場合…

【原因としては】

  • 作業中に錆漆の中の水分が飛んでしまった
    (直射日光が当たるような場所で作業をしていたとか)
  • 生漆が古い
  • 錆漆を厚く盛り過ぎた

あたりが考えられます。

対応策としましては、それぞれ

  1. 錆漆を作り直す
  2. 生漆を買い直す
  3. 錆漆を付け直す

です。

 
いずれにせよ、乾かない(乾きにくい)錆漆は取ってしまって、再度、錆漆を付けた方が時間的には早くいきます。

乾きにくい錆漆は本当に乾くのに時間がかかりますから。

 

錆漆を取る場合、竹串などを使って除去してください。

除去した後、錆漆の「カス」のようなものが残っていると思いますので、テレピン(またはアルコール)を染み込ませたウエスなどできれいに拭きとってください。

 

金継ぎ修理のやり方。錆漆1回目の乾きを見る

錆漆はカチカチに固まっています。

 金継ぎ修理のやり方。錆の乾きを確認する。

作業する前に1回目の錆漆がバリバリとがっているようですと、次の錆付け2回目がやりづらいので刃物で軽く(おおざっぱにササッと)削るか、粗目のペーパー(#240くらい)で軽くバリをはつります。

 

 

 

 

錆漆を付ける(2回目)


 

前回「錆漆 1回目」と同様の作業を行います。

 

では錆漆2回目を付けていきます。

錆漆の作り方です。
錆漆の作る方法はこちら

 

金継ぎ修理のやり方。錆漆を欠けた部分に載せる

錆漆を適量(少な目)、箆にのっけて器の欠けた箇所に置く。

 

金継ぎ修理のやり方。錆漆を箆で均す方法

そして錆漆を箆で均す。

 

金継ぎ修理のやり方。錆漆付け二回目が終了

ヘラの面で錆漆さびうるし(ペースト)を均していきます。けど、でもなかなかうまくいきませんよね。

まぁ、そこそこで。

 

金継ぎ修理のやり方。錆漆の工程が完了こんなもんで大丈夫です。

もし、ほんの少し凹んだり”ス”(小さな穴、ピンホールのような)があったら、乾いてからもう一度(錆漆3回目を)やればいいのです。

漆は気長にやるしかないのです。急いでもろくなことがないのです。本当に。

 

このときに「少し多めに錆漆を盛ってください」という方もいらっしゃいますが、
私は基本的にはジャストを目指して盛ります。

ほんの(本当に)わずか盛るくらい。それにマスキングをした場合、マスキングテープ分の”厚”みもありますから、なるべくジャストを目指してください。

 

 

次の作業工程を見る

  ▸ ③ 完成まで

 

 

他の作業工程を見る ▸ ① 素地固めまで

 

 

 

 

 

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小さく欠けた白いマグカップの金継ぎの方法 1/3 ~素地固めまで(岡田直人の器)

欠けた岡田直人のマグカップの金継ぎ修理
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※ 口元が一か所、小さく欠けたカップの金継ぎ修理のやり方を説明していきます。本物の漆を使った修理方法ですので「かぶれる」可能性があります。ご注意ください。

今回は金継ぎの工程のうち〈欠けた部分の器の素地をやすりで削る~欠けに漆を浸み込ませるまで〉のやり方を解説していきます。

 

 

金継ぎとは


欠けたり、割れたりした器を漆で直す日本の伝統技法です。漆で接着し、漆で欠けや穴を埋め、漆を塗って、最後に金粉や銀粉を蒔いてお化粧をします。

本漆金継ぎでは漆を使いますので「かぶれ」のリスクがあります。ですがそのリスクを引き受けてでもやるだけの価値があると思います。なんといっても「大切な想い」の詰まった器が直せるのですから。

そして金継ぎで器がよみがえった時にきっと不思議な感じがすると思います。「直った」というより、「生まれ変わったみたい」と。別もののようにも見えてしまう。

どうして日本人はこんな不思議な直し方をしたのでしょうか?
そんな不思議な感覚をぜひ味わってください。

 

 

ちょっと待ってください…私、金継ぎ初めてなんですけど、どんな道具とか材料を買えばいいんですか?どこで買えるんですか??という方へ

↓ こちらのページを参考にしてください◎

▸ 本漆金継ぎで必要な道具と材料/そのお値段と買えるお店のご紹介

 

 

 

作業を始める前に…

 金継ぎでは「本物の漆」を使うので、直接、漆に触れると「カブレる」可能性が高くなります。「ディフェンシブ」に行きましょう。ゴム手袋は必需品です◎

 

 

 

 

直す器 information


  information 

  • 器の作り手 : 岡田直人さん
  • 器 : 白い(乳白色)マグカップ
  • 釉薬 : ツルツル・ピカピカのガラス質
  • 破損個所 : 口元(ふちこぼれ) 1 箇所
  • 破損状態 : 欠け(大きさ 横10㎜×縦6㎜前後)
  • 仕上げ : 金粉仕上げ希望

 

いきなり金継ぎの作業に入る前に器を入念に診察します。

  • 釉薬
  • 破損個所
  • 破損状態

をチェックしてください。

 

今回の依頼品の損傷は「欠け」が一箇所ですが、特に気をつけないといけないのが欠けた場所の近辺に「ひび」がないか?です。

割れたり欠けたりした場合、それと同時にひびが入ることがよくあります。

このひびが特段、見えづらい場合があるのでいろいろな角度から見たり、光の当て方を変えたりしながら入念にチェックしてください。

あとはほんの小さな欠けも見落としがちなのでそれも気を付けて診察してください。

 金継ぎ修理の方法。欠けた部分のチェック。

このような口元の欠けはよくある修理依頼です。
この段階で欠けの「深さ・厚み」から判断して、欠けの充填に「錆漆さびうるし(ペースト)」でいくのか、それとも「刻苧漆こくそうるし(パテ)」でいくのかを決めます。

今回は欠けが浅いので錆漆さびうるし(ペースト)でいきます。(錆漆は「薄付け」する修理箇所に、刻苧漆は「厚付け」する修理箇所に…と憶えてください)

私の大体の目安は深さ・厚み3㎜くらいまでを錆漆さびうるし(ペースト)で充填します。2~3回に分けて少しづつ充填します。

それ以上の深さ・厚みの充填が必要な場合は刻苧漆こくそうるし(パテ)でやります。

 

金継ぎ修理の方法。欠けた部分の状況を確認する。

今回の器は、乳白色、ツルツル・ピカピカの釉薬です

ガラス質の釉薬の場合、器に麦漆むぎうるし(接着剤)や錆漆さびうるし(ペースト)がついて汚れてしまったとしても比較的簡単に落とせるので、マスキングの必要はないなと判断します。(ただ今回は参考のためにマスキングをおこないました)

 

 

 

01 器の素地調整 / 素地の削り


道具    ①リューターのダイヤモンドビット ▸ 作り方 ②ダイヤモンドやすり 〇マスク 〇水を固く絞ったウエス
▸ 道具・材料の値段/販売店


今回、使うダイヤモンドビットは先っちょが「球」ではなく、「円柱型」や「砲弾型」がおススメです。

ダイヤモンドビットは市販のものを購入したままだと使いづらいので、簡単なカスタマイズをすると使いやすくなります。
▸ ダイヤモンドビットのカスタマイズの方法 

 

 

 

 金継ぎ修理の方法。欠けた部分の周りをリューターのダイヤモンドビットで面取りしていく。

そしてそれを使った他の作業例です。
素地調整 エッジの面取る方法

まずはリュータ―で破損個所を少し削ります。

 金継ぎ修理の方法。リューターで欠けた部分を削っていく。(修理人によってはこの工程を行う人もいれば、行わない人もいますので、参考までに)

ガラス質の釉薬部分に傷をつけて漆の食いつきを良くするためと、ほんの少し面取りをおこないます。
※ 面取り…割れた器の断面のエッジを斜めに削ること

リュータ―のビットはダイヤモンドのビットを使います。
リューターのビットはホームセンターなどで¥300~で売っています。「ダイヤモンド」の粒子が付いたものを買ってください。これを使えば陶器も削れます◎

 

金継ぎ修理の方法。陶器の欠けのエッジを削る

軽くエッジを削っていきます。

ビンビンに立っているエッジ箇所はしっかり削ってしまいます。

 

金継ぎ修理の方法。欠けのエッジを削る

リュータ―での削り作業は粉塵が出ますので、マスクをする方がいいです。

削り作業が完了したら水を固く絞ったウエス(使い古しの布とか)で粉を拭き取ってください。

 

 

 

02 器の素地を漆で固める


 この作業は何のためにやるかというと、次の工程で行う「接着作業」の
接着力がより大きくなるようにです。

 …が、この「固め」作業に関しては職人さんによって意見の分かれるところでもあります。「やっちゃダメ」という方もいます。

 金継ぎ図書館の見解としては「どっちでもいいんじゃないでしょうか?」です。一応、「セオリー」として固めのやり方を載せておきます◎

 

  道具  ③小筆 ⑤練りべら(大き目のヘラ) ▸作り方 ⑥作業板(ガラス板) ▸作り方
  材料  ①テレピン ②ティッシュ ④生漆 ⑦サラダ油

▸ 道具・材料の値段/販売店


 ※ この作業で使う「小筆」は安価な筆にしてください。陶器の断面に擦り付けるので、毛先が痛みやすいのです。蒔絵筆だとモッタイナイです。

 

 まずは筆をテレピンで洗って筆の中の油を洗い出します。
 ▸ 詳しい作業前の筆の洗い方

 【 作業前の筆の洗い方 】

  1. 作業板の上に数滴テレピンを垂らす。
  2. その上で筆を捻ったりしてテレピンをよく含ませる。
  3. ティッシュペーパーの上でヘラで筆を優しく押さえる。

 

 

 

 

次に、浸み込みやすくするために生漆をテレピンを混ぜて希釈してください。作業板の上でヘラを使ってよく混ぜ合わせます。

 

 【 生漆の希釈 】

【体積比/目分量】… 生漆 10:3 テレピン ※おおよそ

 

それを欠けた場所に浸み込ませていきます。
※ テレピンの代わりにアルコール、灯油でもオッケーです◎

 

 

 

それでは作業スタートです◎

金継ぎ修理の方法。欠けた部分に生漆を筆で塗っていく。皆さんは漆が直接手につかないようにちゃんと「ゴム手袋」をしてください。

 

金継ぎ修理の方法。漆を筆で塗っていく。

 

このあと、ティッシュで優しく押えて余分な漆を取ります。

↓他の器修理の画像ですが、ご参考までに。

割れた湯呑茶碗の金継ぎ修理方法

断面すべてに塗り終わったら、表面に残った漆をティッシュで吸い取ります。

ティッシュを折り畳んでください。

 

割れた湯呑茶碗の金継ぎ修理方法

それを漆を塗った部分に優しく押し当てます。

 

割れた湯呑茶碗の金継ぎ修理方法ティッシュに漆がほとんどつかなくなるまで繰り返します。ティッシュの「当てる面」はどんどん換えていってください。

 

素地固めについての詳しい説明です。
素地固めのやり方

 

拭き取り作業が終わったら湿度の高い場所(65%~)に置いて漆を硬化させます。そう、漆は空気中の水分を取り込んで硬化するのです。不思議な樹液ですね◎

湿度が高い場所…って、お風呂場にでも置けばいいんですか??

 風呂場…でもいいのですが、風呂場って湿度が100%近くにまでなるので、漆を乾かすにはちょっと「どぎつい」環境だと思います。(漆は急激に硬化すると「やけ」「縮み」といった厄介な現象が起こりやすくなります)

もうちょっとソフトな環境を用意してあげましょう◎ そう、実は漆は”やさしさ”で乾くのです。よ◎

 

 【 簡易的な漆乾燥用の風呂 】

湿度が保てる空間を用意します。
※ 水を固く絞った布を中に入れて湿度を高くしてください。

↑ こんな感じでいかがでしょうか?

え!段ボール…。こんなんでもいいんですか??

 はい、大丈夫です◎「段ボールなんてダサくて嫌!」という方は↓のページを参考にバージョン・アップさせていってください。

▸ 段ボール漆風呂の作り方

 

湿度のある場所(65%~)に6時間くらい置いて漆を硬化させてください。

 理想的には「漆の乾きかけ」のタイミングで次の接着作業に入れたらステキです。けど、そのタイミングで次の作業に入るのが難しいようでしたら、なるべく1,2日後くらいに次の作業に取り掛かるようにしてください。

 とはいえ、↑これは「厳密に言うと」ということですので、1~2週間空いてしまっても「ヤバイ!」ってことにはなりませんのでご安心ください◎

 

 

塗り終わったら油で筆を洗います。
 ▸ 詳しい作業後の筆の洗い方 

※ 油で洗わないと筆の中に残った漆が硬化するので次第に筆がゴワゴワしてきてしまいます。

【 終わった後の筆の洗い方 】

  1. 筆に油を含ませる
  2. 作業板の上で優しく捻ったり、クネクネ(?)させたりする
    (こんな表現でいいんでしょうか?)
  3. ティッシュの上で、ヘラを使って優しく押さえる
  4. 筆の中の漆分がほとんどなくなるまで、<1~3>の作業を繰り返しす
  5. 最後に綺麗な油を筆に軽く含ませてキャップを被せる

※ 極々、ソフトに押さえるようにして筆の中の漆と油を掻き出すようにしてください。強くしごいてしまうと、筆の毛先が痛んで「カール」してしまします。

 

筆は付属のキャップを嵌めて保存します。キャップが無かったらサランラップを丁寧に巻いてください。

キャップがない、もしくはキャップを作りたいという方はこちらを参考にしてください。
 ▸ 筆のキャップの作り方 

 

 

 

インターネット上で初心者相手の金継ぎ教室全ての作業が終わったら作業板を掃除します。

 テレピン(又はエタノール、灯油など)を垂らして、ウエスやティッシュできれいに拭き取ってください。

 

   caution ! 

 厳密に言うと、素地をし終わった後の作業板の上には「ごくごく薄っすら」と漆の成分が残っています。ですので、この作業が終わるまではしっかりとゴム手袋をして、ゴム手袋を外したあとは作業板を含めて漆の道具類を触らないようにした方がいいです。

 

 

 

次の作業工程に進む

欠けた部分錆漆を置く  ▸ ② 錆漆付けまで

 

他の作業工程を見る  ▸ ③ 完成まで

 

 

 

 

 

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