【割れの金継ぎ修理】 松模様の白い湯呑 Page 01 / 素地の漆固め

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ファイツ!!

割れた湯呑茶碗の金継ぎ修理方法

※ 口周りが割れてしまった湯飲み茶わんの金継ぎ(金繕い)修理
やり方を説明していきます。
本物の漆を使った修理方法ですのでかぶれる」可能性があります
ご注意ください。

※ 万が一、漆が肌に付いた場合はすぐに
「油(サラダ油など)」でよく洗って下さい

油?? そうです。「油」をつけ、ゴシゴシ漆を洗い落としてください。
その後、その油を石けんや中性洗剤で洗い流してください。

今回は金継ぎ工程の内の〈素地固め〉までのやり方を解説していきます。

 

 

私、金継ぎ初めてなんですけど、どんな道具とか材料を買えばいいんですか?
どこで買えるんですか??という方へ

↓ こちらのページを参考にしてください◎

▸ 本漆金継ぎで必要な道具と材料/そのお値段と買えるお店のご紹介

 

 

 

作業を始める前に…

 

 

金継ぎでは「本物の漆」を使うので、
直接、漆に触れると「カブレる」可能性が高くなります。
「ディフェンシブ」に行きましょう。
ゴム手袋は必需品です◎

 

 

 

 

金継ぎする器 information



割れた湯呑茶碗の金継ぎ修理方法

 information


  • 器の入手先: 京都の PASS THE BATON (←祇園でしたっけ?)
  • 器の特徴: ガラス質のツルツル釉薬
  • 器のサイズ: 直径 70㎜、高さ 50㎜
  • 破損状態: 割れ(本体+破片2パーツ) / ひび 
    割れの長さ合計 62㎜ / ひびの長さ 15㎜
  • 仕上げ希望:  

 

この模様は「松」でいいんですよね?違うかしら?

 

割れた湯呑茶碗の金継ぎ修理方法

 

 

割れた湯呑茶碗の金継ぎ修理方法

この「割れパターン」、よくありますよね。

 

割れた湯呑茶碗の金継ぎ修理方法

今回は「ひび」も入っています。

「欠け」のある所に「ひび」あり
…これ、金継ぎの格言です。

 

割れた湯呑茶碗の金継ぎ修理方法

器の内側にもひびが入っています。

この「ひび」を見落とさないように、
入念にチェックしてください。

初めは気が付かなかったんだけど、
修理しているうちに…とか、
修理し終わってから(!)とか、
ふとした時に目に飛び込んできます。
「う~、何でこんなところにひびが入っているんだ…(涙)」
ってならないように要チェックです◎

 

割れた湯呑茶碗の金継ぎ修理方法

割れの破片はこの2パーツです。

破片が小さいと麦漆むぎうるし(接着剤)が塗りづらいのですが、
このくらいでしたら問題なくできます。

もし、破片が「すごく小さい」の場合は、
「その破片を使わないで直す」でもオッケーです◎

  割れた湯呑茶碗の金継ぎ修理方法

器に使われている釉薬はガラス質のツルツルしたものです。

ですので、もし修理箇所以外に漆が付いてしまったとしても
簡単に除去することができます。

 

 

 

〈金継ぎ作業 01〉 素地調整



※ この部分のコンテンツを作るのを完全に忘れていました!写真がない!!
他の修理ページから画像を借りてきていますが、許してください◎

  【 金継ぎの素地調整で使う道具 】    ▸ 道具・材料の値段と売っているお店 info


  • 道具: ① リューターのダイヤモンドビット ▸ 作り方  ② ダイヤモンドやすり

 

ダイヤモンドビットは市販のものを購入したままだと使いづらいので、
簡単なカスタマイズをすると使いやすくなります。
▸ ダイヤモンドビットのカスタマイズの方法 

 

今回使うのは↑こちらです。
これで「ひび」の箇所を細くなぞって「傷」をつけます。

何で傷つけるのよ??

はい、ガラス質の釉薬の上に直接、漆を塗っても
ツルツルしているので剥がれやすいのです。
なので傷をつけて漆の食いつきをよくします。

 

 

 

ひびの入った器をやすりで研ぐ

いきなり力を入れてやするのではなく、
ゆっくりとなぞるように軽く2,3往復させてから
少し力を入れて研ぎます。

 

ひびの入った器をやすりで研ぐ

ひびが見えづらい場合は
目印として鉛筆や油性マジックで線を引いてください。
その上をゆっくりとダイヤモンドビットでなぞっていきます。

細い線で修理を仕上げたい場合は、
この「傷つけ作業」もなるべく「細い線」になるようにしてください。

 もし、「ぶっとい線で仕上げたいわ!」という場合は
それ相応のぶっとい線になるように傷をつけてください◎

 

ひびの入った器をやすりで研ぐ

内側も同様に作業を行います。

 

ひびの入った器をやすりで研ぐ

うっすらと白っぽく「傷」がついたら素地調整作業が完了です。

 

 

 

 

 

 

〈金継ぎ作業 02〉 素地固め



この作業は何のためにやるかというと、次の工程で行う「接着作業」の
接着力がより大きくなるようにです。

…が、この「固め」作業に関しては職人さんによって
意見の分かれるところでもあります。
「やっちゃダメ」という方もいます。

金継ぎ図書館の見解としては「どっちでもいいんじゃないでしょうか?」です。
一応、「セオリー」として固めのやり方を載せておきます◎

 

 【 素地固め作業で使う道具・材料 】  ▸ 道具・材料の値段と売っているお店 info 


  • 道具: ③ 小筆  ⑤ 練りべら(大き目のヘラ) ▸作り方  ⑥ 作業板(ガラス板) ▸作り方
  • 材料: ① テレピン  ② ティッシュ  ④ 生漆  ⑦ サラダ油

 ※ この作業で使う「小筆」は安価な筆にしてください。
陶器の断面に擦り付けるので、毛先が痛みやすいのです。蒔絵筆だとモッタイナイです。

 

 

まずは筆をテレピンで洗って筆の中の油を洗い出します。
 ▸ 詳しい作業前の筆の洗い方

 

【 作業前の筆の洗い方 】

 

  1. 作業板の上に数滴テレピンを垂らす。
  2. その上で筆を捻ったりしてテレピンをよく含ませる。
  3. ティッシュペーパーの上でヘラで筆を優しく押さえる

 

 

 

 

 

 

 

次に、浸み込みやすくするために生漆をテレピンを混ぜて希釈してください。
作業板の上でヘラを使ってよく混ぜ合わせます。

 

 

 【 生漆の希釈 】

 

 【 体積比(目分量) 】 

生漆 10 : 3 テレピン  ※ おおよそ

 

 

 

 

 

それを欠けた場所に浸み込ませていきます。

 ※ テレピンの代わりにアルコール、灯油でもオッケーです◎

 

 

 

 

 

割れた湯呑茶碗の金継ぎ修理方法

それでは固め作業に入ります。
実践 ◎

 

割れた湯呑茶碗の金継ぎ修理方法

割れたすべての断面に漆を塗っていきます。

 

割れた湯呑茶碗の金継ぎ修理方法

今回はツルツルしたガラス質の釉薬なので、
漆がはみ出しても大丈夫です。
乾いてから簡単に削り取ることができます。

もし、直す器が素焼きのものや焼き締めのものでしたら、
なるべくはみ出さないように塗ってください。

 

割れた湯呑茶碗の金継ぎ修理方法

ひびの箇所にも漆を浸み込ませます。
と言っても、ほとんど浸み込みませんが。

 

割れた湯呑茶碗の金継ぎ修理方法

断面すべてに塗り終わったら、
表面に残った漆をティッシュで吸い取ります。

ティッシュを折り畳んでください。

 

割れた湯呑茶碗の金継ぎ修理方法

それを漆を塗った部分に
優しく押し当てます。

 

割れた湯呑茶碗の金継ぎ修理方法

「念写」成功◎
器の「霊」が写し取られます。(うそ)

漆を吸い取ります。

この作業を3~4回繰り返します。
その際、毎回、ティッシュの吸い取る面を変えてください。
漆のついていない、新しい折り面を広げて
その面で押さえます。

 

割れた湯呑茶碗の金継ぎ修理方法

割れた小さな破片の方も同様の作業をおこないます。

 

 

拭き取り作業が終わったら湿度の高い場所(65%~)
に置いて漆を硬化させます。
そう、漆は空気中の水分を取り込んで硬化するのです。
不思議な樹液ですね◎

湿度が高い場所…って、お風呂場にでも置けばいいんですか??

風呂場…でもいいのですが、風呂場って湿度が100%近くにまでなるので、
漆を乾かすにはちょっと「どぎつい」環境だと思います。
(漆は急激に硬化すると「やけ」「縮み」といった厄介な現象が
起こりやすくなります)

もうちょっとソフトな環境を用意してあげましょう◎
そう、実は漆は”やさしさ”で乾くのです。よ◎

 

 

 【 簡易的な漆乾燥用の風呂 】

 

湿度が保てる空間を用意します。

※ 水を固く絞った布を中に入れて湿度を高くしてください。

 

 

 

↑ こんな感じでいかがでしょうか?

え!段ボール…。こんなんでもいいんですか??

はい、大丈夫です◎
「段ボールなんてダサくて嫌!」という方は
↓のページを参考にバージョン・アップさせていってください。


▸ 段ボール漆風呂の作り方

 

湿度のある場所(65%~)に6時間くらい置いて
漆を硬化させてください。

理想的には「漆の乾きかけ」のタイミングで
次の接着作業に入れたらステキです。
けど、そのタイミングで次の作業に入るのが難しいようでしたら、
なるべく1,2日後くらいに次の作業に取り掛かるようにしてください。

とはいえ、↑これは「厳密に言うと」ということですので、
1~2週間空いてしまっても「ヤバイ!」ってことにはなりませんので
ご安心ください◎

 

 

 

塗り終わったら油で筆を洗います。
 ▸ 詳しい作業後の筆の洗い方 

※ 油で洗わないと筆の中に残った漆が硬化するので
次第に筆がゴワゴワしてきてしまいます。

 

 

【 終わった後の筆の洗い方 】

 

  1. 筆に油を含ませる
  2. 作業板の上で優しく捻ったり、クネクネ(?)させたりする
    (こんな表現でいいんでしょうか?)
  3. ティッシュの上で、ヘラを使って優しく押さえる
  4. 筆の中の漆分がほとんどなくなるまで、<1~3>の作業を繰り返しす
  5. 最後に綺麗な油を筆に軽く含ませてキャップを被せる

 

※ 極々、ソフトに押さえるようにして筆の中の漆と油を
掻き出すようにしてください。
強くしごいてしまうと、筆の毛先が痛んで「カール」してしまします。

 

 

 

筆は付属のキャップを嵌めて保存します。
キャップが無かったらサランラップを丁寧に巻いてください。

キャップがない、もしくはキャップを作りたいという方は
こちらを参考にしてください。
 ▸ 筆のキャップの作り方 

 

 

 

インターネット上で初心者相手の金継ぎ教室

 

全ての作業が終わったら作業板を掃除します。

 

テレピン(又はエタノール、灯油など)を垂らして、
ウエスやティッシュできれいに拭き取ってください。

 

  caution ! 

厳密に言うと、素地をし終わった後の作業板の上には
「ごくごく薄っすら」と漆の成分が残っています。
ですので、この作業が終わるまではしっかりとゴム手袋をして、
ゴム手袋を外したあとは作業板を含めて
漆の道具類を触らないようにした方がいいです。

 

 

 

【 次の作業を見る 】

 

▸ page02 破片の接着作業

 

 

 

 

 
 
 
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