ファイツ!
※ 〈新うるし〉のメーカー側の説明です…
植物性のうるし系塗料です。
・本品は毒性の強い物質ではありませんが念の為、食器等口に含む恐れの有る物に塗装しないでください。
とのことですので、これをどう判断するか?ですよね。正直、難しいなぁーというのが私の感想です。
万全の安全性を考えるなら「菓子器」など口を付けたりしないもの、もしくはあまり食品が触れないような器の使い方をされた方がいいかもしれません。
それよりもみなさん、「本漆」、やってみませんか?(笑)
ご注意ください : このページでは合成うるし(※天然の漆ではありません)を使った簡単(簡易)金継ぎのやり方をご説明しています。 |
PAGE 03 ‣ <BOOK k-01> 白い湯呑
〈 目次 〉
- STEP 3.1 簡単金継ぎのパテ削り・研ぎ
- STEP 3.2 簡単金継ぎの合成うるしの下塗り
STEP 3.1 簡単金継ぎのパテの削り・研ぎ |
使う道具・材料
道具 : 刃物(以下のいずれか)、耐水ペーパー#320と#800
- オルファのアートナイフプロ(ハンズ、ホームセンターで売っています)
- メス(ハンズ、彫金専門店でとりあつかっています)
- カッターナイフ
- 彫刻刀(自分で研げる人はおススメです。蛤型の刃先が万能です)
金継ぎで使いやすい刃物のご紹介です
→金継ぎで使う刃物の選び方
自分で研げない方(普通研げませんよね)には
アートナイフプロかメスがおススメです。
刃先がカーブしているものの方がとにかくいいです。
刃先が直線のカッターナイフはどうやって内側を削るのでしょう?
ちょっとわかりません。
器の外側
パテが硬化してサランラップを剥がしたところです。
器の内側
少し盛り上がっていますのでツラ位置になるまで削ります
少しずつ削ってください。
一気にやろうとすると削り過ぎることがままあります。
※何度か質問をいただきたことなのですが、
「刃物で接着剤やパテを削っているとガリガリ音がします。
これって陶器が削れている音じゃないんですか?」
という質問です。
この音は陶器じゃなくて刃物の先の方が削れている音なんです。
陶器の硬さに負けて刃先がガリガリ削れていきます。
(いや、そんなにあからさまには削れないですよ)
なのでご心配なく。
刃物の先に指を置かないようにと小学校で習いました
原則それを守ることをおススメします。
↑器の内側
削り終わりました
あとは耐水ペーパーの#320と#800で表面を滑らかになるように研ぎます
↑器の外側
STEP 3.2 簡単金継ぎの合成うるし下塗り |
合成うるしの塗り一回目です。
今回は下塗りを二回行い、それから仕上げの蒔絵(もどき)をしたいと思います。
使う道具・材料・その他
- 道具 : 小筆(細い筆が使いやすいです。面相筆やトールペインティングの筆)、付け箆(筆を洗うとき、合成うるしを練ったりまとめたりするときに使います)
- 材料 : 合成うるし(今回は黒)
- その他、掃除用 : 定盤、テレピン、サラダ油、ウエス、ティッシュ
筆を使い始めるときは毎回テレピンで洗ってください。
(作業終了時に油で筆を洗うので、
その油を除去するためにテレピンで洗います。
油が多く含まれていると合成うるしが乾きません。
たぶん。チェックしていませんが。)
テレピンを少量定盤に出して筆に含ませます。
それをティッシュで拭う。これを2~3回繰り返して油を取り除いてください。
→使う前の筆の洗い方
塗ります。
定盤に少量、合成うるし(新うるしなど)を出してください。
定盤の上でうるしの含み具合を調整します。
どこから線を引き始めても大丈夫です。
が、後々、器が持ちにくくならないように考えて
描きはじめてください。
少しくらいはみ出したって構いません。
大幅にはみ出したら…テレピンをティッシュに含ませて、
それで拭き取ってください。
ピンポイントで拭き取りたかったら
綿棒にテレピンを含ませて拭き取ってください。
最初はサラサラしている合成うるしなのですが、
乾きが早く、どんどん粘り気がでてきてしまいます。
ここが使いにくいところです。
粘りが強くなって来たら、
テレピンを1~2滴垂らして箆で混ぜてください。
緩みます。
接着したパーツが多くて、合成うるしを塗る箇所が多い場合、
どんどん合成うるしの粘りがでてきて塗りづらくなります。
テレピンを混ぜても描きにくいようでしたら
(テレピンばかり混ぜていてもどんどん合成うるしが薄まってきてしまいますし)
テレピンをティッシュかウエスに含ませて
定盤の上の合成うるしを拭き取ってしまいます。
それで改めて少量の新しい合成うるしを定盤を出して作業を続けます。
器の内側のうるしの塗りが完了しました
内側は塗りづらいです
今回は修理箇所の関係で直接、板の上に置くことができなかったので
割りばしを利用しました。
合成うるしを塗ったところが他に触れないように気を付けて置きます。
作業が終わったら筆を油で洗ったください。
そうすれば何度でも筆は使えます。
→使用後の筆の洗い方
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