簡易金継ぎで使うお薦めの道具や材料。それらを売っているお店、お値段をわかる限りご紹介していきます。
※〈簡易金継ぎ〉とは…「新うるし」など合成塗料と、合成接着剤などを使う「金継ぎもどき」のことです。(本物の漆は使わないやり方です)
「身体に有害なものは使いたくない」「本物の漆を使いたい」「“なんちゃって金継ぎ”なんてカッコ悪い」という方は下記のいずれかのやり方にしてください↓
簡易金継ぎで使う道具・材料の一覧
【必須のアイテム】
① アルコール ② サラダ油 ⑦ 合成うるし
⑨ 障子用カッター ⑮ 筆 ⑯ 耐水ペーパー
⑳ 粘土状パテ ㉑ エポキシ接着剤
◯ ティッシュペーパー
【購入おススメ】
⑫ ケガキ(またはダイヤモンドビット)
⑬ 半丸ダイヤモンドヤスリ ⑭ ヘラ
⑰ クリアファイル ⑱ マスキングテープ
⑲ ペースト状パテ
【あると便利】
③ 水桶 ④ スポンジ
⑤ ゴム手袋 ⑥ ウエス
⑧ 綿棒 ⑩ 平刃カッター ⑪ ハサミ
㉒ サランラップ ◯ ゲル板
道具・材料を一か所にまとめるとすごく多く感じますよね◎
もちろん、これらを全て揃えなくても作業はできます。
作業をより快適にするた、仕上がりをより美しくするために、これらの道具・材料類をおススメしている…と受け止めてください。
それでは一つ一つの道具・材料を詳しく解説していきます。
アイテム01
① エポキシ接着剤(30分硬化)
② エポキシパテ(木部用)
③ ペースト状パテ
④ 合成うるし
⑤ クリアファイル
道具/材料 |
値段/お店 |
① エポキシ接着剤 |
値段: お店: |
② エポキシパテ |
値段: お店: |
値段: お店: |
|
④ 合成うるし |
値段: お店: |
値段: お店: |
① 【エポキシ接着剤】
2液性の接着剤です。二種類の液体が入っていてそれを混ぜ合わせると硬化が始まります。
硬化時間は5分、30分、90分などがあるのですが、金継ぎの作業的には30分がよろしいのではないかと思います。
硬化時間5分だと、3パーツ以上に割れた器を接着するにはかなり厳しいタイムリミットかと思います。
② 【エポキシパテ】
エポキシパテは3種類しか試してみたことがないのですが、その中でこの「木部用」が一番削りやすかったです。
こちらのパテも2種類のパテを混ぜ込むことで硬化がスタートします。
(この商品は中心部と周辺部で違う種類のパテになっており、それを混ぜ合わせます)
③ 【ペースト状パテ】
最近になって(2020-03-31)、「おっ!こんなものが世の中にあったのか!」と気が付いた材料です。
プラモデルの世界だと昔からあった定番品のようです。
先述のエポキシパテが「粘土」っぽい固形の感じだとすると、これはもっと緩い「ペースト状」のものです。
細かい傷や凹みを埋めるのに適したパテで、簡易金継ぎでも固形のエポキシパテでは埋めづらかった箇所に充填することができます。
本漆金継ぎでいったら「錆漆」と同じ役割のものです。
④ 【合成うるし(新うるしなど)】
Amazonサイトだと「新うるし」よりも「特性うるし」のメーカーの方が品揃えがよかったので、こちらのリンクを貼っておきます。
「金色」や「銀色」を一本購入すればひとまず事足ります。
・黒色 ▸Amazonで見る・赤色 ▸Amazonで見る
・透明 ▸Amazonで見る
合成うるしは塗っている最中にどんどん粘り気が強くなってきて、描きづらくなります。
ですので、合成うるしを緩めるために混ぜる溶剤も用意しておいた方がいいです。
専用の溶剤が欲しいようでしたら↓こちらをご購入ください。
私は「テレピン」や「灯油」「アルコール」などを溶剤として使っています。
⑤ 【作業盤(クリアファイルなど)】
合成うるしと金属粉を混ぜたり、筆を洗ったりするときに「作業盤」があると便利です。
クリアファイル、プラスチック、さらにはポストカードでもひとまずの「作業盤」になります。
ちょっとこだわってみたい方はホームセンターなどに「10×10㎝のタイル」が売っていることが多いので、それを使ったら少しお洒落に見えます◎
100均で売っている「ガラスのフォトフレーム」を作業盤として仕立てることもできます。
簡単ですので、↓下記の動画またはWebページを参考に自作してみてください。
アイテム02
道具/材料 | 値段/お店 |
①~③ 竹べら |
値段: お店: |
④ 筆 |
※100均のナイロン製の細い筆(水彩用・アクリル画用)でも使えます◎ けど、個人的には下記のものが描きやすいのでお薦めです◎ 値段 お店: |
①【パテ用の竹べら】
市販のプラスチックベラは大きすぎる(小さいものが無い)ので、できればご自分で「小さなヘラ」を自作してみていただけたらと思います。
意外と簡単ですし、レクチャー動画もご用意してありますので、それを参考にチャレンジしてみてください。
竹べらは「塗布用/練り用/パテ用」の3種類用意すると金継ぎ作業がスムーズにできます。
竹製の割り箸または平竹串を使って自作します。
この「パテ用ベラ」は大きく欠けた箇所にエポキシパテを充填する際に使います。
↓下記の動画またはWebページを参考に自作してみてください。
②【塗布用の竹べら】
この「塗布用ベラ」はペースト系のパテを細い溝などに塗布するときに使います。
↓下記の動画またはWebページを参考に自作してみてください。
③【練り用竹べら】
この「練り用ベラ」は合成うるしと溶剤とを混ぜ合わせるときなどに使います。
「竹製の割り箸」を二つに割らずにそのまま削って作りると、丁度よい幅広のヘラが作れます。
↓下記の動画またはWebページを参考に自作してみてください。
④【インターロン筆】
安価な筆でおススメのものは「インターロン」という名前の筆です。
※ 「筆の良し悪しにこだわらない」という場合は、100均のナイロン筆(細めの小筆)でもオッケーです◎
【インターロン】の説明書きによりますと…
穂の毛質…ナイロン毛
ナイロン毛の内側にカールをつけてある。そのため穂先が外側にバラつかず、しなやかなうえに適度な腰の強さと抜群の耐久性がある。
…ということです。(ただし、筆の洗い方がよくないと劣化が早くなります)
亀先生(蒔絵師の先生)自身がいくつかの種類のナイロン筆を試してみた結果、この筆が漆には一番使い勝手が良かったとのことです◎
- (極細筆)インターロン 417 丸0号 ▸外部サイトで見る
- (小筆)インターロン 1026 丸2号 ▸Amazonで見る
ひとまずこの二本があると作業がやりやすくなります。
インターロン 417 丸0号…¥370-
すごく細い筆です。細い線描きなどに使います。
インターロン 1026 丸2号…¥450-
ちょっとふっくらとした小筆です。小さめの「面」を塗るときに使います。
世界堂(←大きな画材屋さん)などに売っています。小さい画材屋さんに売っているかは…わかりません。
アイテム03
① 障子用カッター(カーブ刃)
② 平刃カッター
③ 半丸ダイヤモンドヤスリ
④ ケガキ
⑤ 耐水ペーパー
道具/材料 | 値段/お店 |
値段: お店: |
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◯ 平刃カッター ◯ 普通のカッター(大) |
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値段: お店: |
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もしくは |
◯ケガキ ◯リューターのビット |
値段: お店: |
① 【障子用カッター(カーブ刃)】
刃先が少し曲線になっているので、器の内側でもある程度作業ができます。
刃先は「替刃式」です。
はみ出した錆漆さびうるし(ペースト)や麦漆むぎうるし(接着剤)漆を削ったり、刻苧漆こくそうるし(パテ)を彫ったりします。
「ベスト」の刃物ではないのですが(中級者以上の方には「平丸」の彫刻刀をおススメしています)、初心者の方にはベターな選択かと思っています。
※ 替刃だけ買って、市販の普通のカッター・ホルダーでも使えます。
※ オルファの「アートナイフプロ」にもカーブ刃が付いているのですが、カーブの曲がり具合が緩いので、器の内側はあまり削りやすくありません。
※ 「メス」にもカーブ刃のものがあるのですが、刃が薄くてヨレてしまい、削りづらいです。
② 【平刃カッター】
普通の直刃のカッター(大)でもいいのですが、こちらの刃の形状の方が力が伝わりやすく、削りやすいです。
刃先は替刃式です。
◯ 【普通のカッター(大)】
普通のカッター(直刃)の大きいやつもあると便利です◎
100均のものでもオッケーです。
ただし、この「直刃」カッターは器の内側の削り作業ができません(涙)
ですので、「カーブ刃」のカッターは必ず入手してください。
③ 【半丸ダイヤモンドヤスリ】
割れた器の「断面のエッジ」をダイヤモンドヤスリで軽くやすって角を落とします。(面取り)
④ 【ケガキ】
壊れた器の表面が「つるつる」していた場合、ヒビの入った箇所にそのまま合成うるしを塗っても剥がれやすくなります。
ですので、ヒビの入った箇所を少し「彫って」からペースト状のパテを充填し、その後に合成うるしを塗るのがよいと思います。
「溝を彫る道具」としておススメしているのがこの「ケガキ」という道具です。
ケガキの先は超硬の金属になっているので、陶器やガラス、金属にも傷を付けることができます。
ヒビの入った箇所を何度も何度も引っ掻くことによって浅くはありますが、「溝」を切ることができます。
ただし、人によっては「ケガキは使いづらい」という人もいるので、その場合は、この次にご紹介している「ダイヤモンドビット」を検討してみてください。
◯ 【リューターのビット(ダイヤモンド)】
「ケガキ」が扱いづらい…という方には「ダイヤモンドビット」でも代用できます。
木の棒に穴を空けて、そこに「ビット」を差し込めば、手道具としてカスタマイズできます。
↓のページを参考に自作してみてください。
⑤ 【耐水ペーパー】
アイテム04
① ウエス
② マスキングテープ
③ ハサミ
④ 綿棒
⑤ ゴム手袋
道具/材料 | 値段/お店 |
・使い古しの「綿製」のTシャツなど | |
値段: お店: |
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値段: お店: |
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値段: お店: |
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値段: お店: |
①【ウエス】
②【マスキングテープ】
- 金継ぎ作業時に器の修理箇所以外が汚れないように
養生ようじょうします。→汚れ防止です◎ - 割れた破片を接着する時、破片同士がズレないようにサポート
③【はさみ】
耐水ペーパーを小さく切るときに使います。
ですので、一度紙ヤスリを切ってしまうと、はさみが「バカ」になって、
他のモノがきれなくなります◎
「使い古しの切れ味の落ちたハサミ」や「100均で買ったハサミ」で十分です。
④【綿棒】
⑤【ゴム手袋】
合成うるしはほとんどの方は「かぶれ」ることはないのですが、ごくたまに相性が悪くてカブレる方がいます。
ですから「用心したい」という方は使用してください。
- サイズはSかⅯ…ゴムはよく伸びますので女性ならS、男性ならⅯでいけると思います。
アイテム05
① サラダ油
② サランラップ
③ ティッシュペーパー
④ 水桶
⑤ スポンジ
⑥ アルコール
〇 ゲル板
道具/材料 | 値段/お店 |
値段: お店: |
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値段: お店: |
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値段: お店: |
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値段: お店: |
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または |
◯ 化粧用スポンジ ◯ PVAスポンジ |
または |
◯ アルコール ◯ テレピン |
値段: お店: |
①【サラダ油】
以下の時に使います。
- 漆を使った筆を洗うとき
- 皮膚についた漆を洗う
②【サランラップ】
以下の時に使います。
- 刻苧漆こくそうるし(パテ)を充填する時のサポート
- 余った漆、錆漆、麦漆などを包んで保存するとき
サランラップ以外のラップを使うと、中に包んだ漆が徐々に乾いていってしまいます。
なので、必ずサランラップを購入してください。
③【ティッシュペーパー】
以下のことに使います。マルチに使います。
- 作業板の掃除
- 筆の掃除
- 漆の拭き取り(素地固め、蒔絵紛固めの時)
④【水桶】
錆漆や塗った漆を研ぐときに、研いだ泥水をスポンジでちょくちょく拭き取るわけですが、その際ほどよい大きさの「水桶」があると便利です◎
水が入れられれば何でもいいのですが、僕が使っている「ほどよい大きさ」のものは
直径14㎝×高さ5㎝ のものです。
※ ダイソーで買った琺瑯のボウル?(¥200-)です。
このくらい径と高さがあると、スポンジを洗う時、水の中に手を入れやすいし、スポンジを絞った際にも水が飛び散ることがありません。
⑤【スポンジ】
パテや塗った合成うるしを研いだ際に泥水が出てきますが、それを拭き取るのに適当な大きさのスポンジがあると作業がしやすくなります。
何を使ってもいいのですが、ひとまずのお薦めとしてはお化粧で使う「ブロックに切り分けられているスポンジ」が入手もしやすく便利かなと思います。
100均でも売っています。
上記のスポンジでも用は足りるのですが、もっと効率よく作業がしたいという方は…
こちらの「PVAスポンジ」がおススメです。
「吸水性のよいスポンジ」なので、拭き取り作業がはかどります。
研ぎの作業中は頻繁に「研いで⇆拭き取って」を繰り返すので、吸水性が高い方が作業がしやすくなります。
使い方:
この「でかいまま」だと使いづらいので、小さく切ります。
スポンジを乾かして硬くなってから、カッターで切ります。
お薦めカットサイズは 3×2×4.5㎝前後 です。
このくらいの大きさにカットすると、使いやすいと思います。
⑥【アルコール】
ドラッグストアで買った方が安いです。
Amazonで買うと何故かバカ高い!
使う用途:
- 器に付いた油分を拭き取る
- 漆を薄める(ことにも使える。けど、テレピンの方がおススメ)
- 筆に含まれた油を除去する
- 作業板やヘラについた漆を拭き取るとき(掃除)
に使います。「工業用」や「燃料用」でオッケーです。
(”灯油”やテレピンでも代用できます)
◯【テレピン】
私はテレピンを、「合成うるしの薄め液用」&「ヘラや作業盤の掃除用」として使っています。
アルコールよりも揮発が遅いので、合成うるしに混ぜると、比較的、緩い状態が続きます。
◯【ゲル板】(筆洗い用)
筆を洗う際に下に敷きます。
筆を使い終わった後、ヘラで軽くしごきながら筆を油で洗うのですが、その時なるべく筆にダメージを与えないように柔らかめのマットを敷くことをおススメしています。
本来、この「筆洗い」の作業は「人差し指の上」でおこないます。(なんと!!)
けど、やっぱり初心者さんにはカブレるリスクだったりのハードルが高いと思いますので、「指」の代用として「ゲル状の柔らかいマット」の使用をおススメしています。
※100均でも売っています。(ちょっと小さいですが)
ヘラを作る道具と材料
※ 付け箆と刻苧箆を作る道具と材料です。ぜひ作ってください。
▸ 付け箆の作り方 ▸ 刻苧箆の作り方
道具/材料 | 値段/お店 |
① カッター(大) |
価格\100~ 100均/ホームセンター |
② はさみ |
価格\100~ 100均/ホームセンター |
③ 書くもの |
なんでもオッケー |
④ 紙ヤスリ(#400) |
価格\80~ 東急ハンズ/ホームセンター |
⑤ ライター、ロウソク、 |
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⑥ 定規 |
価格\100~ 100均/ホームセンター |
⑦ ノコギリ |
価格¥500~ 東急ハンズ/ ホームセンターなど |
⑧ 削り台 |
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⑨ 竹串 |
価格¥100~/20本 ホームセンター |
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