ファイツ!カワチ!!
このページは金継ぎ図書館のコンテンツを使って「金継ぎ初心者・川地さんのファースト・チャレンジ」をナビゲートしていく企画です。(がんばれ!カワチ!)
早い話、「インターネット金継ぎ教室」をしちゃおう!ということです。
▸ インターネット金継ぎ教室のルールについての説明
川地さんは「本当」に金継ぎ初心者です。ですので、カワチさんの金継ぎに関する素朴な疑問などが、皆さんのお役にたつのではと考えています。
カワチ製菓とは?
カワチ製菓…??それはお菓子屋さんですか??
そです。お菓子屋さんです。それとカトラリー作家さんです。
二足の”わらじ”を履いている女性の方です。
【 profile 】
川地 あや香
岐阜県多治見市生まれ
在学中はフライパンやケーキ型、カトラリーなどを研究
|
↑カワチはけっこう、いいヤツです。(おっ!上から目線)
そうです。カワチへは上からもの申させていただきます。
なぜなら…カワチは大学の後輩だからです!(センパイは永遠にエライのです)
カワチ、よろしくなっ◎
カワチさんはですね、ちょっと「間」のズレた
可愛らしいカトラリーとおいしそうなお菓子を作ってます◎
そして意外とイイやつです。(←しつこいですか?)
↑このカトラリーなどはですね、多分ですが、メチャクチャ手間ひまかけています。(未確認ですが)
そして、作ることをすごく楽しんでいる。ように見えます。(これも未確認ですが、間違いないと思います)
こういった作り手さんって実は意外と稀有な存在だと思います。
「カワチ製菓さんとは誰ぞ?」ともっと知りたくなった方は
カワチさんのHPを覗いてみてください。
↓をクリック
カワチさんが初めて直す器をチョイス!
川地さんが送ってきた画像がこちら↓…!!
お~難易度・高い!
正直、ムズカシイ!かな。
1歳の息子さんがいらっしゃって、彼の「激しい」アクションの賜物とのことです(笑)
小さい子って「ミニゴジラ」みたいなもんなんでしょうね。
いかんせん、カワチさんは金継ぎ初心者なので
難易度の低いモノからチャレンジするのがおススメです。
ということで、金継ぎ図書館がおススメしたのは↑こちらです。
画像右下の「黒い四角皿」でいきましょう◎
カワチ製菓さんが直す器 information
- 器の作家: 作家モノか産地モノか…不明
- 器の特徴: 黒マットと白マットの釉薬
- 器のサイズ: 一辺 130㎜、高さ 15㎜
- 破損状態: 割れ (長さ 110㎜)
- 仕上げ: 真鍮粉仕上げ(金色)にしますか??
一人暮らし時代の初期に、まだ器とかを自分であまり買ってなかったときに知人にもらったもの。
よく見るとなかなか素敵な器です。
緑の葉物がよく映えそうですね~◎
【広告!】
作業に入るその前に宣伝させてください◎
カワチさんが大阪の【 Gallery&Cafe Wad 】さんでのカトラリー展に参加します。
2017.1.28~2.05
大阪にお住いの皆さま、たまたま大阪に用事のある皆さま、ぜひぜひ覗いてみてください◎
私、金継ぎ初めてなんですけど、どんな道具とか材料を買えばいいんですか?
どこで買えるんですか??という方へ
↓ こちらのページを参考にしてください◎
▸ 本漆金継ぎで必要な道具と材料/そのお値段と買えるお店のご紹介
<カワチさん1stチャレンジ 工程 01> 素地調整
※ ここからは図書館にある既存の画像を再利用して、
カワチさんにアドバイスしていきます。
ひと工程終わるたびにカワチさんから進行状況の画像が
送ってもらえると思います。(ね、カワチさん◎)
割れた器に「ひび」が入っていないか?しっかりとチェックしてください。
意外とびひが入っていることがあるのです。
↑ こんな感じで「薄っすら」と「こっそり」と入っていることがあります。(参考画像です)
いろいろな角度から見たり、光の当たる角度を変えてチェキします。
この「以外」なひびに気が付かないで作業を進めてしまい、完成に近づいた時に「ナヌっ!」って感じで見つけてしまうことがあります。
そこからでももちろん「ひび」の修理作業ができますが、やっぱり最初から見つけて、同時進行していった方が作業効率がいいです。ので、しっかりチェックです!
もし、ひびが入っていたら以下の作業をしてください。
金継ぎの素地調整で使う道具 ( ▸ 道具・材料の値段と売っているお店 info )
- 道具: ① リューターのダイヤモンドビット ▸ 手持ちビットの作り方 ② ダイヤモンドやすり
ダイヤモンドビットは市販のものを購入したままだと使いづらいので、
簡単なカスタマイズをすると使いやすくなります。
▸ ダイヤモンドビットのカスタマイズの方法
ひびの入っている部分を研いでいきます。
研いで「傷」をつけることで、漆の食いつきをよくします。
【ひび研ぎ】の動画
↑このな感じで薄っすら研いでください。
ひびの内側も外側も研ぎます。
作業を始める前に…
金継ぎでは「本物の漆」を使うので、
直接、漆に触れると「カブレる」可能性が高くなります。
「ディフェンシブ」に行きましょう。
ゴム手袋は必需品です◎
<カワチさん1stチャレンジ 工程 02> 割れた断面に漆を浸み込ませる
素地固め作業で使う道具・材料 ( ▸ 道具・材料の値段と売っているお店 info )
- 道具: ③ 小筆 ⑤ 練りべら(大き目のヘラ) ▸ 練りベラの作り方 ⑥ 作業板(ガラス板) ▸ 作業板の作り方
- 材料: ① テレピン ② ティッシュ ④ 生漆 ⑦ サラダ油
※ この作業で使う「小筆」は安価な筆にしてください。陶器の断面に擦り付けるので、毛先が痛みやすいのです。蒔絵筆だとモッタイナイです。
注意!
カワチくん、ゴム手袋しなくちゃ駄目だぜ◎
カワチ便り ▼
割れた断面を見るとガサガサしていて、結構、漆を吸い込みそうです。
なのであらかじめ漆を塗布して吸い込ませておきます。
この作業をおこなわないで、直接、麦漆むぎうるし(接着剤)を塗ってもいいと思いますが、器の断面が漆を吸い込みやすい場合は、麦漆の中の漆成分が器の中にとられてしまう可能性があります。ですので、あらかじめ器の断面に漆を浸み込ませておきます。
※ ↑これは一つの考え方です。一方で、この「吸い込ませ作業はやっちゃダメだ」という職人さんもいます。麦漆むぎうるし(接着剤)の中の漆が、器の断面にも少し浸み込むことによって接着剤の食いつきがよくなる…という考え方だからです。これもすごく納得がいきます。
まずは使う前に筆をテレピンで洗って油を洗い出します。
▸ 詳しい筆の洗い方
- 作業板の上に数滴テレピンを垂らす。
- その上で筆を捻ったりしてテレピンをよく含ませる。
- ティッシュペーパーの上でヘラで筆を優しく押さえる。
次に、浸み込みやすくするために生漆をテレピンを混ぜて希釈してください。
作業板の上でヘラを使ってよく混ぜ合わせます。
生漆 10 : 3 テレピン
くらいの割合で生漆を希釈します。
それを欠けた場所に浸み込ませていきます。
割れた断面に漆を塗布していきます。
特に注意するところは…ありません。
割れたピースの方の断面にも漆を塗って
浸み込ませていきます。
カワチ便り ▼
漆の塗布が完了したら、吸い込まなかった漆を
ティッシュで拭き取ります。
畳んだティッシュを優しく押し当てて漆を吸い取ります。
ティシュの拭き取る面を変えて、
漆がティッシュにあまりつかなくなるまで
拭き取りを繰り返します。
拭き取り作業が終わったら
湿度のある場所(65%~)に6~12時間くらい置いて
漆を硬化させてください。
理想的には「漆の乾きかけ」のタイミングで次の接着作業に入れたらステキです。
けど、なかなかそのタイミングを見計らうのは難しいので
上記の時間くらいを目安にしてください◎
カワチ便り ▼
「余った漆の処理」と、「作業板の掃除」はどうすればいいのですか?? |
【余った漆の処理】
【作業板の掃除】
|
塗り終わったら油で筆を洗います。 ▸ 詳しい筆の洗い方
- 筆に油を含ませる
- 作業板の上で優しく捻ったり、クネクネ(?)させたりする。(こんな表現でいいんでしょうか?)
- ティッシュの上で、ヘラを使って優しくしごく
- 筆の中の漆分がほとんどなくなるまで、<1~3>の作業を繰り返しす
- 綺麗な油を筆に軽く含ませてキャップを被せる
筆は付属のキャップを嵌めて保存します。
キャップが無かったらサランラップを丁寧に巻いてください。
キャップがない、もしくはキャップを作りたいという方向けに
▸ 筆のキャップの作り方 ページを作りましたので、ご覧ください。
ということで、【カワチさんの金継ぎファースト・チャレンジ1日目】は終了です。
どうでしょう?カワチ、わかった?
(↑済みません。自作自演しました。ヤラセです。
本人はそんなこと一言も言っていません)
はたして、この説明で初心者・カワチさんは無事、作業を終えることができるのか…?
↓カワチ製菓さんに興味が湧いた方は覗いてみてください◎
第二回インターネット金継ぎ教室へはこちらから▼