02 「竹の割箸」で幅広(12㎜幅)の”練りベラ”を作るやり方

金継ぎの道具・素材

 

size19
ファイツ!!

 

やや幅の広い「練りベラ」を作ります。

  • 麦漆むぎうるし(接着剤)を練ったり
  • 錆漆さびうるし(ペースト)を練ったり
  • 刻苧漆こくそうるし(パテ)を練ったり

これらの作業にすごく便利なヘラです。
前回からの続きで、今回で完成させます。

 

前回の作業を見る

▸ Page 01 

 

 

まだまだヘラの先に「厚み」が残っています。
これを薄くしていきます。

 

 

※ 今回使ったのは「セブンアンドアイ」で貰った竹のお箸です。
※ 買うなら、セブンアンドアイ・ホールディングスのスーパーで
「割りやすい 竹箸 元禄箸 」 ¥250-/50膳入(セブン・オリジナル商品)
数店舗、何十種類かの竹のお箸を見比べましたが、
今のところ、これが一番よさそうです。

この竹の割り箸があれば
▸ 付けベラ …錆漆さびうるし(ペースト)を付けるとき
▸ 刻苧ベラ …刻苧漆こくそうるし(パテ)を付けるとき
つまり全部のヘラをこれで作れてしまいます◎

 

STEP 04 表の面をフラットに削る


 

材の左半分くらいを斜めに削っていきます。

 

カッターの刃をグッと食い込ませてから
滑らせて行きます。

カッターの刃は進行方向に対して、斜めに構えます。

 

今度は右半分くらいを斜めに削ります。

 

刃を食い込ませて→滑らす。

 

 

 

結構、薄くなってきました。
山の形になっています。

 

残った「山」の部分を削っていきます。

 

 

 

おー、薄くなりました◎

最終的には先っちょはもっと薄くします。
けど、現段階ではこのくらいにしておいてください。

 

 

 

STEP 05 ヘラの先っちょを斜めに削る


 

先ほど薄く削っていった面(竹の内側の方)に
鉛筆で斜めにラインを引きます。

 

一気に先ほどのラインまで削ろうとすると
えらく大変ですので、
ちょっとずつ削っていきます。

 

ちょっと、ちょっと、ちょっとずつです◎

 

 

 

ヘラの先端を削る時にも
進行方向に対して、カッターの刃は斜めに構えます。

 

カッターの刃を斜めに構えたまま、
右側に滑らせるようにスライドさせていきます。

 

先っちょが斜めに削れました。

 

更に先っちょの尖がった部分を
90度に削ります。

何で直角なの??

えーっと、それはヒミツです◎
カッコいいから。

 

先端、カッツ!

 

直角っぽくなりました。
オッケーです◎

 

 

 

 

STEP 06 ヘラの先をさらに薄く削って仕上げる


 

 

で、実はまだヘラの先が「厚い」のです。
これを何とかしましょう。

 

厚っ!

 

これを薄くします。

 

 

ヘラの先が薄くなってきたので、ヘナヘナします。
ですので、台の上にヘラを置いて作業した方がやりやすいです。

 

カッターと指でヘラを抑え込むような感覚で
削っていきます。

 

カッターの刃を↑こんなふうに斜めに構えつつ、
右の方にスライドさせてください。

 

  薄くなり過ぎないように気を付けます。
机の上でしならせてチェックです。
シナリング・チェック

 

まだ厚いようだったら、
再度、慎重に薄く削っていきます。

 

 

 

 

STEP 07 ペーパーで研いで綺麗に仕上げる


 

最後、ペーパーの#320で研いで、ちょっとした凹凸などを消します。

  • #320 …形を作る用
  • #800 …仕上げ用 (←もし持っていれば使ってください)

 

(↓ 実はここからは「ヒノキべら」を作った時の画像を借りています~。許してくださいー)

金継ぎで使う檜箆の作り方

ペーパーの#320で研いで形を作ります。

先端ラインを研ぎます。
ほんの少し凸形に丸くなるように研ぎます。

 

金継ぎで使う檜箆の作り方

薄っすら丸みをつけます。

このRはヘラを使っているうちに少しずつなくなっていきます。
削れていっちゃうんですね。
それでいつの間にか凹みのRになってきます。

凹んだ形になっているときれいな錆付けができませんので、
定期的にこの先端ラインをチェックしてください。
凹んでいればペーパーで研いで凸Rにします。

 

金継ぎで使う檜箆の作り方

一応、全部の側面にもペーパーをかけます。

 

金継ぎで使う檜箆の作り方

意外と側面にささくれがあったりしますので、
しっかりと綺麗な面ができるまでペーパーをかけます。

 

金継ぎで使う檜箆の作り方

箆の表面、裏面もペーパーをかけます。
箆の厚みを薄く削れなかった人はこの作業を頑張ってください。

最後にペーパーの#800でさささっと全体を研いで仕上げます。

 

 

 

完成!

どうでしょうか??
なかなかじゃないでしょうか◎

 

ナイスなヘラの出来上がり◎

 

これで、「練り物」は何だってこなせます◎

 

 

(2017-04-16 追記)

幅広のヘラについては、このページの他に
「ヒノキで作る幅広のへら」ページがあります。
▸ ヒノキで作る幅広のへら

で、「ヒノキと竹とでは何がちがうのですか??」の疑問に
お答えしたいと思います。

ひのき

メリット

加工がすごく楽
・ヘラの先の形を簡単に変えられる

デメリット

・ホームセンターで売っているヒノキだと、
力を入れるとちょっと折れやすい
(→なので”ちょい厚目”に加工してください)

メリット

ほとんど折れない

・弾力性がある

デメリット

・幅広のものの入手が難しい

・加工がちょっと厄介(かも)

といことで私の結論としては、
ビギナー向けには「竹」をおススメします