檜箆の作り方・完結編です。
前回の作業工程を見る ▸ 金継ぎ用ひのき箆・完全ガイド page 02
〈檜箆の作り方 06〉 箆の先端を切る
↑画像の赤ラインに沿ってヘラの先を切ります。
鉛筆で目印を書いておきます。
この時の注意点は「板の斜辺上にあるA(先端から5~7㎜の場所)」から「直角の点B」を結ぶということです。
木の繊維の方向も合わせてチェックして、間違わないようにしてください。
よくやってしまう間違えが↑画像です。(おっ!初めての図解だ!)
これでも問題なさそうに見えますよね。でもよろしくないんですよ。
ヘラの先っちょに行くにしたがって木の繊維がバツバツ分断されています。
そうするとヘラの先に力がうまく伝わりません。コントロールしづらいのです。
このくらい細い箆でしたら正直、間違えてしまってもほぼ問題はないと思います。
けれども大きなヘラを作るときはこれは「鉄板」ですので気を付けてください。
箆の先を切ります。
どうやって切るかというと、「カッターを数回通す」です。
こんなんで木が切れるの?と思いますよね。
ふふふふ、切れるのですよ。
箆の先っちょを切ります。
箆の先端ラインに対して直角になるように切ります。
えっと、↑画像では空中でカットしていますが、作業板の上に置いて、先ほどと同様に数回カッターを通しても切れます。その方がよさそうです。
切れました。オッケー◎
〈檜箆の作り方 07〉 箆厚の仕上げ削り
箆の厚みを微調整していきます。
まだ少し先端が厚いです。
作業板に少し押し付けるようにしながら削っていきます。
微調整ですので慎重にちょっとずつ薄くしていってください。
この作業が「うまくできない」もしくは「ちょっと自信がない」人はそこそこでやめておいて、最後の「ペーパー研ぎ」作業でゴリゴリ薄くしていってください。
できました。
薄くなりましたね~。
〈檜箆の作り方 08〉 持ち手部分の面を取る
面を取ります。
面を取る…?はい、面取りです。
エッジが尖っているところを削って「面」をつくる作業です。
こうすると手で持った時に痛くありません。
手で持つ辺りだけ、面取りをします。
4辺とも削ってください。
〈檜箆の作り方 09〉 ペーパーで研ぐ
空研ぎペーパー
- #320 …形を作る用
- #800 …仕上げ用
まずはペーパーの#320で研いで形を作ります。
先端ラインを研ぎます。
ほんの少し凸形に丸くなるように研ぎます。
薄っすら丸みをつけます。
このRはヘラを使っているうちに少しずつなくなっていきます。削れていっちゃうんですね。
それでいつの間にか凹みのRになってきます。
凹んだ形になっているときれいな錆付けができませんので、定期的にこの先端ラインをチェックしてください。凹んでいればペーパーで研いで凸Rにします。
一応、全部の側面にもペーパーをかけます。
意外と側面にささくれがあったりしますので、しっかりと綺麗な面ができるまでペーパーをかけます。
箆の表面、裏面もペーパーをかけます。
箆の厚みを薄く削れなかった人はこの作業を頑張ってください。
最後にペーパーの#800でさささっと全体を研いで仕上げます。
(2017-04-16 追記)
※ より初心者に使いやすいと思われる「竹の割り箸で作る”幅広の練りベラ”の作り方」が見つかったのでアップしました。そちらの方がおススメかもしれません。
▸ 竹の割り箸で作る”幅広の練りベラ”の作り方
ひのき |
メリット ・加工がすごく楽 デメリット ・ホームセンターで売っているヒノキだと、 |
竹 |
メリット ・ほとんど折れない ・弾力性がある デメリット ・幅広のものの入手が難しい ・加工がちょっと厄介(かも) |
〈檜箆の作り方〉 完成
できました!
これが自由自在に作れるようになったら「職人」っぽくなりますね。
ピシッとしたラインは出ていませんが、まぁ、カッターで作ったにしては上出来じゃないでしょうか。
錆付けする用の箆でしたら、箆の先を薄目に削る。
錆、麦漆、刻苧を練る用の箆でしたら厚目にする。
…など、用途に合わせて調整してみてください。