今回はヘラの板厚を削って薄くしていきます。
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〈檜箆の作り方 05〉 箆の厚みを薄く削る
※ カッターナイフはかならず「大きい」ものを使ってください。
小さいカッターじゃ、無理だと思います。
ヘッドの先から100~110㎜程度の箇所から薄く削り始めます。
箆の板厚を薄くする手順としましては、まずはガシガシ大雑把に削って「量を落とす」。
ある程度の厚みになったところで今度は慎重に薄く削っていく…という2段構えです。
まずはヘラの右半分を削ります。
この要領は竹でヘラを作った時と同じです。
半分ずつ削った方が刃にかかる「抵抗」が少ないので削りやすいです。
薄く削っていく時のポイントとしては
①のように直線的に均一に薄くなるよう、削っていくのではなく
②のように削って、ヘラの先から50~60㎜あたりの箇所に「しなりの強い」ポイントがくるようにします。
②のラインを意識しながら板を削っていってください。
カッターの刃は進行方向に対して「斜め」に構えると削りやすくなります。
右側半分が削れました。
ヘッドの正面から見るとこのような台形になります。
次に左半分を削ります。
ヘッド正面から見ると三角形になります。
再び右半分を削ります。
今度は左半分です。
結構、板厚が薄くなってきました。
そろそろ慎重に削り始めます。
箆のしなり具合をチェックしながら少しずつ削っていきます。
箆の全体に刃を当てながら少しずつ削っていきます。
くれぐれも薄くし過ぎないように気を付けてください。
↑一般の方から「折れる」「割れる」という声を頂きました。
ということで、「ちょい厚目」の方がおススメです◎
薄くなると「腰」がなくなって、錆漆や麦漆、刻苧漆が作りづらくなります。
↑ここまで「しならない」段階でストップしてください!
初心者の方は、ヘラを扱うときに「力をいれてしまう」傾向があります。
なので薄いと折れてしまいます(涙)
しなり具合のチェックです。
しなり始めるポイントのチェックと、しなりの腰の強さをチェックします。
やや「腰」が強い段階でストップしておきます。
今回は「練り箆」ですので、腰は強めでいきましょう。
(↑つまり、「厚目」です)
錆漆を付ける用の「付け箆」の場合はもう少し腰が柔らかい方が使いやすいです。
横から見るとこんな具合のラインです。
箆の先っちょがまだ厚いですが、この後の作業でもう少し薄くしていきます。
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