平筆を洗いましょう。
漆で使った筆は油で洗わないと固まってしまいます。
あ…ぶら?で洗うの?
はい、油であらいます。Oilです。
漆は油と「相性」がすごく悪いのです。油があると漆が乾かなくなります。金継ぎでも、スプーンでも、漆を塗る箇所に油がついていると漆が乾かないか、もしくはそこだけ乾きが遅くなります。気を付けてください。
油と漆の相性の悪さを利用する形で、筆を洗います。
料理で使うサラダ油で結構です。「不乾性油」でしたらなんでもオッケーだと思います。オリーブ油でも。
漆を塗った平筆を油で洗う
平筆の洗いで使う道具と材料
- 道具: ① 小さめの箆 ② 作業板
- 材料: ③ サラダ油 ④ テレピン ⑤ ティッシュペーパー
テレピンとティッシュは平筆掃除が終わった後に作業板を綺麗にするとき使います。
少量の油を筆に含ませます。
油は小さい瓶に入れておくと使うのに便利です。
作業板の上で前後に動かしながら筆を返したり、優しく捻ったりします。
油を筆の中まで浸み込ませるようなイメージです。
小さめの箆でソフトに筆をしごいて筆の中の〈油+漆〉を掻き出します。
この時、箆は立てずに寝かし気味に使います。
箆を立てると筆の穂先を痛めます。ですので寝かせ気味に優しく使います。
筆の根元から油を掻き出します。
3,4回に分けて掻き出していくのですが、少しずつ掻き出す箇所をずらしていってください。
やさしく…
↑画像のように①→②→③とちょっとずつ箆をずらして、掻き出すポイントを変えていきます。
再び瓶の中のきれいな油を筆に含ませ、作業板の上で動かします。
〈 ① 綺麗な油を筆に含ませ→ ② 作業板の上で動かし→ ③ 箆でやさしく掻き出す 〉
の作業を繰り返します。
掻き出した油にほとんど漆が入らなくなるまで繰り返します。
(漆を完全に除去するのは至難ですので、そこそこでいいと思います)
最後に筆にきれいな油を少し含ませて置きます。
ティッシュにテレピンを少量含ませます。
軸の根元に付いた漆や油を綺麗に拭き取ります。
以上で平筆の掃除、完了です。
ですが、「この平筆はどうやって保存したらいいの?」と思いますよね。
以下、ご説明していきます。
平筆の保存の仕方
使う道具: サランラップ(幅 15cm もしくは 22cm)
サランラップを5,6㎝の長さで切り取ったものを用意します。
ラップの中央ラインに筆先が来るように置きます。
上の端っこから2,3㎝内側に置きます。
筆を包むようにしてラップの上端を折ります。
そのあと筆を横回転させて2巻きくらいします。
今度はラップを半分に降ります。
↑画像の Point A が Point A’ にくるように折ります。
その後はぐるぐると筆を横回転させてラップを巻いていきます。
ラップを巻き終わりました。
平筆はこのようにして保管してください。