※ 割れたカップの金継ぎ修理のやり方を説明していきます。本物の漆を使った修理方法ですので「かぶれる」可能性があります。ご注意ください。
刻苧漆の充填の方法
使う道具・材料(▸ 刻苧漆の充填で使う道具・材料の入手先・値段)
- 道具: プラスチック箆、刻苧(こくそ)箆(▸ 刻苧箆の作り方)
- 材料: 生漆、小麦粉、水、木粉
↑の材料を使って穴に埋めるパテ状のものを作ります。
▸ 刻苧漆の作り方
※ このページも刻苧漆の使い方を詳しく説明していますが、もうちょい(くどいくらいに)説明したページを作りました。ご興味のある方は覗いてみてください。
▸ 刻苧漆のつけ方・使い方
まずはちょっとした隙間を埋めていきます。
刻苧漆と錆漆の使い分けはどうゆう感じですか?--はい、それはですね、
どちらでも構いませんが、隙間が深い場合は刻苧漆を、
浅い場合は錆漆でという感じでしょうか。
隙間が器の内側まで貫通している場合は刻苧漆で充填することをお勧めします。
少量の刻苧漆を箆にとって、隙間にしっかり詰めていきます。
力を入れる必要はありませんが、ついつい入ってしまいます。
上画像の小さいほうの隙間部分を刻苧漆で成形します。
サランラップを左手に持ち、器の外側から当てます。
この後、内側から刻苧漆を詰めていくのですが、
その刻苧漆が表側に飛び出るのを防ぎつつ、外側からも「圧」を加えます。
念力。
刻苧箆に少量の刻苧漆をとります。
器外側からはサランラップで堰き止めつつ、
内側から刻苧箆で押し込んでいきます。
隙間ができないようにしっかり押し込みます。
刻苧漆がぜんぜん足りていません。
どんどん刻苧漆を詰めていきます。
箆で押し込む押し込む…
内側から見るとしっかり詰まっています。が…
器の外側はまだスカスカ隙間があります。
今度は内側からサランラップを当てて「圧」をかけます。
刻苧漆を充填します。
周りのピースとの隙間がなくなるように刻苧箆で詰めていきます。
でけました。
鳩屋さん、まだ刻苧漆がへこんでるじゃないですか。
はい、へこんでいます。これはですね、一回で刻苧漆を厚盛すると乾きが悪いのです。なので今回は2回に分けて盛ります。急がば回れであります。
一回の盛り厚は…5㎜くらいというところでしょうか?
こちらの欠けは刻苧漆で形を作っていきます。ちょい難易度が高くなります。
かのように見えますが、そうでもないのでチャレンジしてみてください。
こちらもサランラップにアシストしてもらいます。
器の外側からサランラップを当てます。
器の内側から刻苧漆を詰めていきます。
外側からはサランラップで押さえつつ、内側から刻苧箆で押し込んでいきます。
さらに刻苧漆を盛って、詰めます。
さらに盛ります。ただし厚盛しないように気を付けます。
今度は内側からサランラップで押さえます。
隙間ができないように、刻苧箆でしっかり詰めていきます。
もうちょい刻苧漆を盛りました。
最後の仕上げはサランラップを内側から外側へと巻いて、
指で押さえつつ形をつくります。
指でつまんで形を作ります。
ちょっと不格好ですが、盛りすぎ注意ということで
今回はこのくらいで許してあげましょう。
1~2週間置いて刻苧漆をしっかり乾かします。
特に湿した場所に置く必要はありません。
そのあともう一度刻苧漆を盛ります。
次の工程に進む ▸ ④ ~刻苧漆削りまで
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