割れた角谷啓男さん竹筒カップの金継ぎ方法(極詳述) 4/6 ~刻苧漆削りまで

本漆金継ぎ

金継ぎの修理方法。一回目の刻苧漆が完全に硬化してから二回目にとりかかります。

※ 3ピースに割れたカップの金継ぎ修理のやり方を説明していきます。本物の漆を使った修理方法ですので「かぶれる」可能性があります。ご注意ください。

 

 

step 01 刻苧漆の充填2回目


前回おこなった刻苧漆の充填で埋まりきらなかったぶんを2回目できっちり埋めていきます。

使う道具・材料(▸  刻苧漆の充填で使う道具・材料の入手先・値段

  • 道具: プラスチック箆、刻苧(こくそ)箆(▸ 刻苧箆の作り方
  • 材料: 生漆、小麦粉、水、木粉

↑の材料を使って穴に埋めるパテ状のものを作ります。
  ▸ 刻苧漆の作り方

金継ぎの修理。一回目に埋めた刻苧漆の上から二回目の刻苧を詰めていきます。しっかり詰め込みます。

少量の刻苧漆を箆にとって、充填していきます。
しっかり押し込んで、隙間がないようにします。

割れた器の金継ぎ方法。充填する箇所の周りと同じレベルになるように(面位置になるように)いっぱいいっぱい刻苧を詰めます。

周りの面と同じレベルになるように、「摺り切りいっぱい」という感じで盛ります。

割れた器の金継ぎ方法。器の内側からも刻苧を詰めていきます。

器の内側からも刻苧漆を詰めていきます。

割れた器の金継ぎ方法。刻苧箆で刻苧を少しづつとって詰め込んでいきます。隙間がないように。

隙間なく押し込めます。

埋める穴のキワ部分は、箆の先っちょでしっかり押し込んでいきます。

箆先を使ってキワの部分もしっかり押し込んでいきます。

金継ぎの修理工程。きれいに刻苧漆が充填されました。

できました。

次は成形が必要な口周りの欠けの充填です。

割れた器の金継ぎ方法。成形の必要な口元の欠け部分に刻苧を盛っていきます。

刻苧漆を少量ずつ箆で盛っていきます。

割れた器の金継ぎ方法。少しづつ刻苧を盛っては詰め込んでを繰り返します。

箆でしっかり押し込みます。

割れた器の金継ぎ方法。器の外側からサランラップを当てます。

今回もサランラップにアシストしてもらいます。
器の外側からサランラップを当ててガイドとします。

器の内側からはさらに刻苧を盛っていきます。外側からはしっかりサランラップで押さえておきます。

器の内側からさらに刻苧漆を盛っていきます。

割れた器の金継ぎ方法。盛られた刻苧を箆で押し込んでいきます。

箆で押し込めます。

割れた器の金継ぎ方法。サランラップをぐるっと器の内側まで回して、その上から指で押さえます。

サランラップを外側から内側へぐるっと巻いて、その上から指で押さえます。

金継ぎの修理工程。刻苧漆を指で押さえて形を整えていきます。

指で形を作っていきます。

割れた器の金継ぎ方法。サランラップをゆっくりと剥がしていきます。

サランラップを広げると…あら、きれい!

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外側からも刻苧漆を盛って、押し込んで、
そしてその上からサランラップを当てます。

指で成形します。

外側からも口元部分に刻苧漆を盛って、箆で詰め込み、サランラップを当てて成形します。

器の口周りの形になるように成形します。

割れた器の金継ぎ方法。サランラップを丁寧に剥がします。

サランラップをはがすと…あら、きれい!!

刻苧で作った口元のピースもなかなかきれいなラインが出ています。

うむ、なかなかきれいであります。

金継ぎの修理工程。刻苧の充填作業が終了しました。

ちょっと出っ張っているところがありますけど、全然オッケーです。
乾いたら削れるので。

金継ぎの修理工程。刻苧漆の充填作業終了

刻苧漆の充填は「ちょい少な目」よりかは「ちょい多目」の方がいいです。
が、ジャストくらいがいいような気がしています。

割れた器の金継ぎ方法。刻苧漆の充填作業終了

今のところ私はジャスト狙いでやっています。

金継ぎの修理工程。刻苧漆の充填作業終了

このあと刻苧漆を乾かすのに1~2週間置いておきます。
特に湿した場所に置く必要はありません。

 

step 02 刻苧漆の削り


刻苧の削りで使用する道具: 彫刻刀など(メス、カッターなどでもオッケー)

▸ 刻苧削りで使用する刃物の選び方

乾いた刻苧漆を削っていきます。

刻苧漆が乾いたら彫刻刀で削っていきます。

他の削っている画像も見てもらえると気が付くかと思いますが、
できるだけ刃の半分くらいが器のほうに乗っかっています。

割れた器の金継ぎ方法。彫刻刀の刃裏の半分を器の方にあててガイドとします。

刃の裏側を器の方に乗せる(押し当てる)ことで、
間違いなく器と同じレベル(水準)まで削ることができます。
充填した刻苧漆が周りの器とフラットにつながっていきます。

割れた器の金継ぎ方法。口元部分に盛った刻苧漆を削ります。周りとのつながりを意識しながら削っていきます。

 カップの口元、縁部分の刻苧を削るときも、
なるべく周りの陶器本体に彫刻刀の裏を押し当ててガイドとします。

金継ぎの修理工程。口元部分を削る際も周りの器の方に刃裏を当てながら作業をします。

左手の親指で彫刻刀をコントロールします。

器の内側部分の刻苧も削ります。このとき彫刻刀の刃表を刻苧に当てて削っていきます。

器の内側も削ります。
まずは充填した刻苧漆と陶器との境目から削っていきます。
刃の半分くらいを器の方に当てつつ削ります。

金継ぎの修理方法。刻苧を削る。

充填した刻苧の中の方も削っていきます。
周りとラインがスムーズにつながるように気を付けて、少しづつ削ります。

金継ぎの修理方法。刻苧を削るやり方。

できました。
もし、少し削りすぎてへこんだとしてもこの後、錆漆を付けていきますので
それでへこみを埋めていきましょう。

金継ぎの修理方法。刻苧の削り作業の終了。

器の内側も削れました。
ちょっとした穴、隙間があってもそれは次の錆漆で埋めていきますので
大丈夫です。

金継ぎの修理方法。刻苧の削り作業の終了。

口元のラインもなかなかきれいにつながりました。

 

次の作業工程を見る ▸ ⑤ ~錆漆研ぎまで

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