2017-02-02
“器を自分で直す”
というライフスタイルの人が多くなると、器が売れなくなってくるのかもしれません。
「直し」を嫌がる生産者や器の作家さんもいると思います。
器ギャラリーの中にも「器の直し」を嫌がっている人もいます。
でも買わなくなるのは、安価に量産されるメーカーものだったり、
作家さんでも代り映えのないもの、想いのこもっていないものを作っている人の作品を
買わなくなるだけのような気がします。
「お茶碗に出せるお金は1000円以内かな~」となんとなく思っていた人が、
もし「自分でも直せそう!」と分かり、しかも「直すこと」がすごく魅力的に思えたとしたら、
もしかしたら3000,4000円くらいまで払ってもいいかな?と思うかもしれない。
だって、直せるのなら、今度買うお茶碗は「一生モノ」ということになります。
一生お付き合いするなら、少しくらい値が張ったって構わない。
値段が「ちょっと安い」よりかは、その器が「好きがどうか」
「自分に合うか合わないか」の方がずっと重要になってくる。
それはこの先にいる「未来の私」へのプレゼントになるわけですし。
そうしたらお茶碗を選ぶのがすごく楽しくなります。選べる範囲が広がる。
今までなら、「作家モノの器はちょっと高くて…。わたし、おっちょこちょいだから、割れたらもったいないし…」
と思っていた人でも「えいっ!買ったれ!!」って手が出せるかもしれない。
一生のお付き合いなら、その器の作り手さんやメーカーの「姿勢」や「想い」まで知りたくなるかもしれない。
「何かしら共感できるものがあったから、だからどうしても買いたくなったんです!」
というのが、器を買うときの普通のあり方になるかもしれない。
それって「イケてる消費」のあり方だなと思うのです。