暑い…。暑い。からアイスがすぐ溶ける…。
そんな季節になってきました。
夏休み特別企画、「アイス・スプーン(ヘラ)を作ろう!」です。
小学生のみなさん、ぜひ作ってみてください。(見てないと思いますが)
こんな感じのスプーンを作ります。いかがでしょうか?
アイス・スプーンはやはり「木製」がおススメです。
なぜかと言うと…使ってみてもらえると分かります。本当に。「アイスは金属じゃないわね。やっぱり木ねぇ」って思いますよ。
ちなみに「金継ぎ図書館」のくせにどうして「木工」コンテンツなんて作ってんのさ?と思われるかもしれません。
それはですねー、「木を削る」というのは単純に「気持ちのよいこと」だからなんです。それを皆さんもいかがですか?とおススメしているわけです。
小学校の図工の時間で嫌な想い出や苦手意識があるような方でも、あらためてやってみると、本当にフィジカルに心地いいものですよ。
これは日本人なら抗えない感覚なんじゃないでしょうか。
ぜひぜひ、「木」と「道具」と「私」の一体感を感じてみてください。
アイス・スプーン作りで使う道具と材料
アイス・スプーン作りで使う道具と材料
- 道具: ① 糸鋸 ② L字クランプ ③ もの差し ④ 糸鋸台(?) ⑤ 彫刻刀の丸刀(18㎜幅) ⑥ 彫刻刀の平刀(18㎜幅) ⑦ 作業台 ⑧ 筆記用具
- 材料: ⑨ 木材(朴)
それから彫刻刀を研ぐための砥石(ダイヤモンド砥石と仕上げ砥石)が必要です。
↓⑤⑥の彫刻刀
以下、新宿の東急ハンズに置いてあった彫刻刀です。
- 道刃物(という会社)…平刀(18㎜幅)/¥2,000-くらい、丸刀(18㎜幅)/¥2,000-くらい
- パワーグリップ(という商品名?)…平刀(9㎜幅、うる覚えですが)/¥500-くらい、丸刀(9㎜幅)/¥500、600-くらい
アイス・スプーン作りで使う道具の価格表
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値段¥1,200~ |
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値段¥2,000- |
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値段¥2,000- |
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値段¥500~で作れます |
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値段¥100~で 作れます |
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値段¥400~ |
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値段¥2,000~ |
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値段¥2,000~ |
何か書き落としたことがあったら後日、加筆します。
今回は「朴(ほう)の木」を使いました。比較的柔らかいので彫りやすいです。
大きなホームセンターやハンズに朴の板材が置いてあるので入手が楽です。
今回使った材の大きさは
横 100㎜ × 縦 150㎜ × 厚み 12㎜
価格は確か¥100-くらいだったかと思います。
【削り用の作業台】
彫刻刀で木を削るときに使う作業台です。
表面、裏面の端っこに一本、木を付けます。
(木工用ボンドでも釘でもなんでもオッケー)
この端っこに付けた木が「ストッパー」になります。
裏面のストッパーは
机に引っ掛けます。
表面のストッパーは
スプーンを彫るときの「当てる部分」になります。
【糸鋸用の作業台】
糸鋸を使う時に非常に便利な作業台です。
簡単に自作できます。
ただ「V字」に切っただけです。
この板の上に糸鋸で切るものを置き、V字の隙間で糸鋸を引くようにします。
01 アイス・スプーンのアウトラインを書く
今回、アイス・スプーン作りで使うサイズは
120㎜ × 25㎜
です。
今回、作るスプーンの寸法を↑のようにしてみました。
(※ 右利き用です)
もちろんお好みで数値を変えて構いません。
ですが、いきなり自分の中にあるイメージを掴もうと思っても、なかなかやりづらいのではないかと思うのです。
ですので、とりあえずこのデザイン、この数値で1本作ってみて、その後、「あたしならこうね」という具合に自分好みに変更した方がスムーズに事が運ぶと思います。
02 アイス・スプーンのアウトラインを糸鋸で切る
まずはスプーンの長さ分のサイズに切ります。
次にスプーンのアウトラインに沿って糸鋸で切っていきます。
すみません。先ほどとは違うラインを切り始めてしまいました(苦笑)
この作業台の「Ⅴ字」の隙間で糸鋸を引いています。
まずは向かって左側アウトラインが切れました。
次に反対側のラインを切っていくのですが、その前に注意点です。
↑画像の「水色線」の部分は切らないで残しておいてください。
この後の「削り作業」の時にここを作業台に押し当てて安定させます。
ですので残しておいてください。
板材を反対にして、引き続きアウトラインを切っていきます。
切り終わりました。
03 アイス・スプーンのヘッド表側に切れ込みを入れる
↑画像のようにスプーン表面に斜めに2か所ラインを引きます。
側面にも目印を付けます。
左側(ヘッドの先端側)のラインは表面から5㎜のところまで。
右側(ヘッドの首元側)のラインは表面から3㎜のところまでラインを引き伸ばします。
反対側の側面にも目印を書いておきます。
先ほど書いたライン上をその深さまで糸鋸で切れ込みをいれます。
2か所とも切れ込みが入りました。
↑画像の左側が深さ5㎜、右側が深さ3㎜です。
04 板の側面にアイス・スプーンのアウトラインを書き入れる
続いて板の側面にアイス・スプーンのアウトラインを書いていきます。
ひとまず3㎜の深さの場所A点から取ってのお尻部分のB点を線で繋ぎます。(A→B)
次に5㎜の深さのC点からヘッドの先端部分のD点を線でつなぎます。(C→D)
ほぼ直線のラインでつなぎます。
続いてC点(5㎜の所)からA点(3㎜の所)へ線を繋ぎます。
今回は少し曲線にします。
こんな感じです。
反対側の板の側面も同様にラインを書き入れてください。
05 アイス・スプーンのヘッド表側を削る
まずはヘッド表側を彫っていきます。
最初に大雑把にザクザクと彫り(量を落とし)、そのあと精密に削っていきます。
それではヘッドの表側を彫っていきます。
深さ5㎜のC点の方のライン(ヘッドの先端側のライン)を彫っていきます。
彫刻刀の平刀を使います。
平刀は刃を斜めに当てるようにします。5㎜溝の向かって右側を斜めに彫っていきます。
こんな感じです。
ひとまずだいたいの深さに彫っておきます。
このとき右側の3㎜溝の分部が彫れてしまっても全く構いません。
次に材料を反対にセットして彫っていきます。
5㎜溝の右側をV字になるように彫っていきます。
ザクザク彫っていってください。
だいたいの形が出来ました。
続いてもう少し丁寧に削りながら、面の精度を上げていきます。
今度は材を縦にセットします。
ヘッドを手前にします。
不安定でやりづらい方は柄の分部をクランプで固定してください。
まずは向かって右側を削っていきます。(白い斜線部分)
この時「斜め」に彫っていきます。
彫刻刀の刃の右側が「斜め下」になるように彫っていきます。
先ほど書いた板の側面のラインまで慎重に削っていきます。
次に左側を削っていきます。
クランプを使うな↑このように使ってください。
左側の白斜線の部分を削っていきます。
今度は彫刻刀の左側が「斜め下」になるように構えて削ります。
板の側面に書いたラインにくるまで、少しずつ注意しながら削っていきます。
きれいに削れました。
↑画像の赤ラインにくるまで、青斜線の部分を削った…という感じです。
伝わりますか?分かりづらいですか?
次に削り残しの「中央部分」を削っていきます。
ヘッドの表の面がフラットになるまで削っていってください。
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