欠けた斎藤裕美子さんブルーカップの金継ぎのやり方 4/4 蒔絵完成まで

青い器の金継ぎ修理が完成

※ 口元が欠けたカップの金継ぎ修理の方法を説明していきます。本物の漆を使った修理方法ですので「かぶれる」可能性があります。ご注意ください。

今回は金継ぎの工程のうち、〈やり直した錆漆の研ぎ~蒔絵完成まで〉のやり方を解説していきます。

 

STEP 01 追い錆の研ぎ


金継ぎの追い錆研ぎで使う道具と材料(▸ 使う道具・材料の入手先・値段

  • 道具: はさみ、豆皿
  • 材料: 耐水ペーパー(400番)、水

 

私は耐水ペーパーを1㎝×1㎝くらいの小ささにはさみで切り、それを三つ折りにして使っています。豆皿に出した水を少しだけつけて錆漆を研いでいきます。

今回は何となく乾燥させた木賊を使います。(皆さんはペーパーで研いでください)

  • 道具: 豆皿
  • 材料: 木賊(とくさ)、水

 

金継ぎの錆漆のやり方では削ったものを研いでいく。

前回の錆漆のやり直しで凹みとピンホールは埋まりました。
その錆漆を木賊で研いでいきます。

すぐに終わります。

木賊や耐水ペーパーに水を浸けて錆漆を研いでいく。

前回付けた追い錆を中心に研いでいきます。

ウエスで研ぎ汁を時々拭き取って、錆漆の残り具合を確かめる

せっかく付けた追い錆を研ぎ過ぎないように気を付けます。ちょこちょこウエスで研ぎ汁を拭き取り、研ぎ具合を確かめます。

金継ぎの追い錆研ぎが完了。

なかなかいい具合に研げています。凹みとピンホール部分もしっかりと錆漆が残埋め込まれています。
あとは全体が平滑になるように周りとのライン、面のレベルをチェックしながら研ぎます。

研ぎ終わったら再度、漆の下塗りです。

 

STEP 02 漆の下塗り(やり直し)


錆漆が研ぎ終わったら、金継ぎの漆下塗りの作業に進む。下塗りは厚くなりすぎないように気を付ける。

前回と同じ工程( ▸ ③漆塗り後の錆漆やり直しまで )なので端折らせてもらいます。
呂色漆(黒色)を使って漆の下塗りを行いました。

器の外側の欠けも漆を塗っていく。

金継ぎの下塗り作業が終わったら湿した場所(65%~)に置いて2~3日硬化するのを待ちます。

 

STEP 03 漆の下塗り研ぎ


金継ぎの漆の塗った部分を研いでいきます

漆が乾いたら、再びペーパー(#400~600くらい)で水研ぎします。

木賊かペーパーで研ぎます。

私は木賊を使いました。
平面精度が高くなるように意識して研いでいきます。

漆を塗った部分をもう少し研ぎ込みます

まだペーパーが当たっていない(研がれていない)部分が多いですね。もうちょっと研ぎます。

8,9割方漆が研げればオッケーです

90%くらいペーパーが当たり、そこそこ平滑な面になりましたので、これで漆の研ぎは終了とします。

次は漆の上塗りです。

 

STEP 04 漆の上塗り


金継ぎの上塗りで使う道具と材料(▸ 漆の塗りで使う道具・材料の入手先・値段

  • 道具: 小筆、付け箆 ( ▸ 付け箆の作り方 )
  • 材料: 漆(今回は弁柄漆)、テレピン、サラダ油、ティッシュペーパー

 

まずは使う前に筆をテレピンで洗って油を洗い出します。
 ▸ 詳しい筆の洗い方

 

 

金継ぎの漆の上塗りの方法としては弁柄漆で薄く塗っていく。

今回は弁柄漆(赤茶色)を使っています。上塗りはなるべく薄塗りを心がけます。
器とのキワに塗り残しががないように気を付けながら塗っていきます。

漆の上塗りでは弁柄漆をなるべく薄く均一に塗っていく。

もし厚目に漆を付けてしまったら、それを伸ばすか、作業板で漆をよく切った筆でなでて吸い取ってください。

金継ぎの塗り工程のコツは、最後に筆を通して塗り厚を均一にすることです。

最後に筆を一方向に通します。↑画像では奥側に筆を通しています。筆でなぞるところをちょっとずつずらしながら筆を通します。こうすることで漆がより均一な塗り厚になります。
向かって奥側に筆を通し終わったら、今度は手前、右、左…と同様の作業をします。

器の外側の漆塗りも最後に筆を通して漆の厚みを均一にする

器の外側も漆を全体につけたら最後に筆を通します。

湿度の高い場所(60%~)に置いて少し乾かします。
(乾き始めるまで待ちます)

今回使った私の手持ちの漆は「遅く乾く漆」でしたので、
湿し風呂に2時間半くらい入れておきました。

塗り終わったら油で筆を洗います。 ▸ 詳しい筆の洗い方

洗い終わったら筆にキャップをつけて保管します。
キャップがなかったらサランラップで優しく包んでください。

 

STEP 05 蒔絵


金継ぎの蒔絵作業で使う道具と材料(▸ 蒔絵で使う道具・材料の入手先・値段

  • 道具: 毛棒(または柔らかい小筆)
  • 材料: 真鍮紛

※ 金粉、銀粉を蒔くやり方のご説明はこちらを参考にしてください。
▸ 欠けた上泉秀人さんカップの金継ぎ方法 ④ 蒔絵

中の真鍮粉が入った包み紙を小石で押さえます。

金継ぎの蒔絵で使う真鍮粉を筆でで掬う

柔らかい毛足の筆で真鍮粉を少量掬い取ります。

筆に絡ませた金継ぎで使う真鍮粉

とりあえずこんなもんでいかがでしょうか?

真鍮粉を漆の上塗りを行った場所に蒔いていく

さぁ、金継ぎの蒔絵作業です。これはなかなか気持ちがいいです。
掬い取った真鍮粉を上塗りした漆の上にのせます。バサッと。

真鍮粉を筆で掃くようにして漆の上に移動させていく。

バサッとのせた真鍮粉を筆で掃くようにして、漆の上に広げていきます。

金継ぎの蒔絵では真鍮粉を使って漆の上にのせていく。

真鍮粉が足りなくなったら包み紙に入った真鍮粉から掬って補充してください。

蒔絵の作業では筆で金属粉を払いながら漆の上にのせていく。

ばさばさと掃いていって…こんな感じです。いいでしょう。

金継ぎの蒔絵作業が完了です

オッケーです。

器の外側も蒔絵を行う。真鍮粉を筆で掬う

器の外側も金継ぎの蒔絵の作業を行います。
包み紙から真鍮粉を筆で掬い取りまして…

真鍮粉を筆で漆の上にのせて蒔いていく

ばさっと上塗りした漆の上に置いて、あとはサッサッサっと掃いていく。

金継ぎの蒔絵作業が完了

いんじゃないでしょうか?
なるべく包み紙の上で蒔絵作業をして掃いた真鍮粉がそこに落ちるようにします。

金継ぎの蒔絵が終わった器を外側から眺める

オッケー。
金継ぎの蒔絵工程完了。

この後、湿した場所に置いて、3~4日漆を乾かしました。

 

step 06 欠けた器の金継ぎの完成


欠けた器の金継ぎ修理が完成しました。全体図

きれいな景色に仕上がりました。

欠けた器の金継ぎ修理が完成しました。

漆の<「漆黒」と「金」>ペアに引けをとらないくらい<「釉薬のターコイズブルー」と「金」>ペアも魅力的です。

欠けた器の金継ぎ修理が完成しました。上から見た写真。

お気づきのように今回の修理は欠けた部分を「半丸」の形で覆って仕上げました。

欠けの金継ぎアップ

夜空に浮かぶ月のようなイメージです。

  欠けた器の金継ぎ修理。外側からアップ。

 

欠けた器の金継ぎ部分をカップに水を入れて鑑賞

依頼主の斎藤さんに許可を頂いてカップに水を注ぎました。

カップに水を入れて金継ぎ部分を水に反射させている

 

金継ぎ修理部分を月に見立てて、カップに入った水を湖面に見立てる。

湖面に浮かぶ月です。

欠けた器の金継ぎ修理が完了

 

欠けた器の金継ぎ修理が完成しました。

 

 

青いカップの他の修理工程を見る

 

 

 

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