欠けた斎藤裕美子さんブルーカップの金継ぎのやり方 4/4 蒔絵完成まで

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  ファイツ!!

※ 口周りが欠けてしまったカップの金継ぎ(金繕い)修理
やり方を説明していきます。
本物の漆を使った修理方法ですのでかぶれる」可能性があります
ご注意ください。

※ 万が一、漆が肌に付いた場合はすぐに
「油(サラダ油など)」でよく洗って下さい

油?? そうです。「油」をつけ、ゴシゴシ漆を洗い落としてください。
その後、その油を石けんや中性洗剤で洗い流してください。

 

 

 

【 前回の作業工程を見る 】


 

 

▸ Page 03 / 漆塗り後の錆漆やり直しまで

 

 

今回は金継ぎの工程のうち、
〈やり直した錆漆の研ぎ~蒔絵完成〉
までのやり方を解説していきます。

 

作業を始める前に…

 

私、初めてなんですけど、どんな道具とか材料を買えばいいんですか?
どこで買えるんですか??

 

↓ こちらのページを参考にしてください◎

 

 

▸ 本漆金継ぎで必要な道具と材料/そのお値段と買えるお店のご紹介

 

 

 

金継ぎでは本漆を使うので「ディフェンシブ」に行きましょう。
ゴム手袋は必需品です◎

 

 

 

 

STEP 01 追い錆の研ぎ



 【 錆研ぎ作業で使う道具と材料 】   ▸ 道具と材料の値段と売っているお店


  • 道具: ③ ウエス(ボロ布)  ④ はさみ(安物、使えなくなったものでオッケー)  ⑤ 豆皿(水を入れる容器)
  • 材料: ① 水  ② 耐水ペーパー (#600くらい) 

 

 

  1. ペーパー研ぎで使う道具たち
  2. ペーパーを1㎝×1㎝くらいの大きさにハサミで切る
  3. 三つに折る
  4. 少量の水を付ける

 

今回は何となく「木賊」という植物で研いでみました。
何となくです◎

 

金継ぎの錆漆のやり方では削ったものを研いでいく。

前回の錆漆のやり直しで凹みとピンホールは埋まりました。
その錆漆を木賊で研いでいきます。

すぐに終わります。

 

木賊や耐水ペーパーに水を浸けて錆漆を研いでいく。

前回付けた追い錆を中心に研いでいきます。

 

ウエスで研ぎ汁を時々拭き取って、錆漆の残り具合を確かめる

せっかく付けた追い錆を研ぎ過ぎないように気を付けます。
ちょこちょこウエスで研ぎ汁を拭き取り、研ぎ具合を確かめます。

 

金継ぎの追い錆研ぎが完了。

なかなかいい具合に研げています。
凹みとピンホール部分もしっかりと錆漆が残埋め込まれています。

あとは全体が平滑になるように周りとのライン、
面のレベルをチェックしながら研ぎます。

研ぎ終わったら再度、漆の下塗りです。

 

 

 

 

STEP 02 漆の下塗り(やり直し)



 【 漆の下塗りで使う道具・材料 】   ▸ 道具と材料の値段と売っているお店


  • 道具: ② ティッシュ  ③ 小筆  ④ 蒔絵筆  ⑥ 練り竹ベラ ▸ 作り方  ⑦ 作業板 ▸ 作り方
  • 材料: ① エタノール  ⑤ 精製漆  ⑧ サラダ油

 

 

まずは筆をテレピンで洗って筆の中の油を洗い出します。
 ▸ 詳しい作業前の筆の洗い方

 

【 作業前の筆の洗い方 】

 

 

  1. 作業板の上に数滴テレピンを垂らす。
  2. その上で筆を捻ったりしてテレピンをよく含ませる。
  3. ティッシュペーパーの上でヘラで筆を優しく押さえる

 

 

 

 

 

 

筆の準備が済んだら、今度は漆の用意をします。

 

 

  1. 漆のチューブの蓋を開ける。
  2. 作業板の上に少量の漆を出す。
  3. 筆に漆を馴染ませる。
  4. 作業板の上に何本か線を引き、漆の量を調節しつつ、
    含み具合をチェックする。

 

 

漆の中にゴミがたくさん入っている場合などは
濾し紙で漆を濾してきれいにします。
必要な方はこちらをご覧ください。
 ▸ 基本的な漆の扱い方・濾し方

 

 

金継ぎの下塗りこうていでは漆を薄目に塗っていく

漆が厚塗りにならないように注意します。
作業板の上で筆の中の漆の含み具合を調節してから、
錆漆に塗っていきます。

 

錆漆の上に漆を塗っていく。はみ出さないようにキワまでしっかりと塗っていく

錆漆をついている面はすべて覆うように漆を塗ってください。
塗り残しのないように気を付けます。
赤点線部分の器とのキワを特に注意してください。

 

金継ぎの下塗りでは漆は気持ち厚目に塗っていく

塗ります。塗ります。

 

錆漆が研ぎ終わったら、金継ぎの漆下塗りの作業に進む。下塗りは厚くなりすぎないように気を付ける。

 

 

器の外側の錆漆も漆を塗っていく

器の外側も漆の塗り残しがないように注意しながら塗っていきます。

 

器の外側の欠けも漆を塗っていく。

これで金継ぎの漆下塗り作業が完了です。

 

 

作業が終わったら湿度の高い場所(65%~)
2~3日、置いて漆を硬化させます。

そう、漆は空気中の水分を取り込んで硬化するのです。
不思議な樹液ですね◎

湿度が高い場所…って、お風呂場にでも置けばいいんですか??

風呂場…でもいいのですが、風呂場って湿度が100%近くにまでなるので、
漆を乾かすにはちょっと「どぎつい」環境だと思います。
(漆は急激に硬化すると「やけ」「縮み」といった厄介な現象が
起こりやすくなります)

もうちょっとソフトな環境を用意してあげましょう◎
そう、実は漆は”やさしさ”で乾くのです。よ◎

 

 

 【 簡易的な漆乾燥用の風呂 】

 

 

湿度が保てる空間を用意します。

※ 水を固く絞った布を中に入れて湿度を高くしてください。

 

 

↑ こんな感じでいかがでしょうか?

え!段ボール…。こんなんでもいいんですか??

はい、大丈夫です◎
「段ボールなんてダサくて嫌!」という方は
↓のページを参考にバージョン・アップさせていってください。


▸ 段ボール漆風呂の作り方

 

 

塗り作業が終わったら筆を洗います。
筆は油で洗います。(なんと!)

 

【 終わった後の筆の洗い方 】

 

 

  1. 筆に油を含ませる
  2. 作業板の上で優しく捻ったり、クネクネ(?)させたりする
    (こんな表現でいいんでしょうか?)
  3. ティッシュの上で、ヘラを使って優しく押さえる
  4. 筆の中の漆分がほとんどなくなるまで、<1~3>の作業を繰り返しす
  5. 最後に綺麗な油を筆に軽く含ませてキャップを被せる

 

※ 極々、ソフトに押さえるようにして筆の中の漆と油を
掻き出すようにしてください。
強くしごいてしまうと、筆の毛先が痛んで「カール」してしまします。

 

 

 

 

洗い終わった筆は付属のキャップを嵌めて保存します。
キャップが無かったらサランラップを丁寧に巻いてください。

キャップがない、もしくはキャップを作りたいという方は
こちらを参考にしてください。
 ▸ 筆のキャップの作り方 

 

 

 

インターネット上で初心者相手の金継ぎ教室

 

全ての作業が終わったら作業板を掃除します。

 

テレピン(又はエタノール、灯油など)を垂らして、
ウエスやティッシュできれいに拭き取ってください。

 

  caution ! 

厳密に言うと、素地をし終わった後の作業板の上には
「ごくごく薄っすら」と漆の成分が残っています。
ですので、この作業が終わるまではしっかりとゴム手袋をして、
ゴム手袋を外したあとは作業板を含めて
漆の道具類を触らないようにした方がいいです。

 

 

 

 

 

 

STEP 03 漆の下塗り研ぎ


 【 錆研ぎ作業で使う道具と材料 】   ▸ 道具と材料の値段と売っているお店


  • 道具: ③ ウエス(ボロ布)  ④ はさみ(安物、使えなくなったものでオッケー)  ⑤ 豆皿(水を入れる容器)
  • 材料: ① 水  ② 耐水ペーパー (#600くらい) 

 

 

  1. ペーパー研ぎで使う道具たち
  2. ペーパーを1㎝×1㎝くらいの大きさにハサミで切る
  3. 三つに折る
  4. 少量の水を付ける

 

今回は何となく「木賊」という植物で研いでみました。
何となくです◎

 

金継ぎの漆の塗った部分を研いでいきます

漆が乾いたら、再びペーパー(#400~600くらい)で水研ぎします。

 

木賊かペーパーで研ぎます。

私は木賊を使いました。
平面精度が高くなるように意識して研いでいきます。

 

漆を塗った部分をもう少し研ぎ込みます

まだペーパーが当たっていない(研がれていない)部分が多いですね。
もうちょっと研ぎます。

 

8,9割方漆が研げればオッケーです

90%くらいペーパーが当たり、そこそこ平滑な面になりましたので、
これで漆の研ぎは終了とします。

次は漆の上塗りです。

 

 

 

 

STEP 04 漆の上塗り


 【 漆の下塗りで使う道具・材料 】   ▸ 道具と材料の値段と売っているお店


  • 道具: ② ティッシュ  ③ 小筆  ④ 蒔絵筆  ⑥ 練り竹ベラ ▸ 作り方  ⑦ 作業板 ▸ 作り方
  • 材料: ① エタノール  ⑤ 精製漆 (今回は弁柄漆)  ⑧ サラダ油

 

まずは筆をテレピンで洗って筆の中の油を洗い出します。
 ▸ 詳しい作業前の筆の洗い方

 

【 作業前の筆の洗い方 】

 

 

  1. 作業板の上に数滴テレピンを垂らす。
  2. その上で筆を捻ったりしてテレピンをよく含ませる。
  3. ティッシュペーパーの上でヘラで筆を優しく押さえる

 

 

 

 

 

筆の準備が済んだら、今度は漆の用意をします。

 

 

  1. 漆のチューブの蓋を開ける。
  2. 作業板の上に少量の漆を出す。
  3. 筆に漆を馴染ませる。
  4. 作業板の上に何本か線を引き、漆の量を調節しつつ、
    含み具合をチェックする。

 

 

漆の中にゴミがたくさん入っている場合などは
濾し紙で漆を濾してきれいにします。
必要な方はこちらをご覧ください。
 ▸ 基本的な漆の扱い方・濾し方

 

 

 

それでは塗っていきます。

金継ぎの漆の上塗りの方法としては弁柄漆で薄く塗っていく。

今回は弁柄漆(赤茶色)を使っています。
上塗りはなるべく薄塗りを心がけます。

器とのキワに塗り残しががないように気を付けながら塗っていきます。

 

漆の上塗りでは弁柄漆をなるべく薄く均一に塗っていく。

もし厚目に漆を付けてしまったら、それを伸ばすか、
作業板で漆をよく切った筆でなでて吸い取ってください。

 

金継ぎの塗り工程のコツは、最後に筆を通して塗り厚を均一にすることです。

最後に筆を一方向に通します。

↑画像では奥側に筆を通しています。
筆でなぞるところをちょっとずつずらしながら筆を通します。
こうすることで漆がより均一な塗り厚になります。

向かって奥側に筆を通し終わったら、
今度は手前、右、左…と同様の作業をします。

 

器の外側の漆塗りも最後に筆を通して漆の厚みを均一にする

器の外側も漆を全体につけたら最後に筆を通します。

 

 

湿度の高い場所(60%~)に置いて少し乾かします。
(乾き始めるまで待ちます)

今回使った私の手持ちの漆は「遅く乾く漆」でしたので、
湿し風呂に2時間半くらい入れておきました。 

 

 【 簡易的な漆乾燥用の風呂 】

 

 

湿度が保てる空間を用意します。

※ 水を固く絞った布を中に入れて湿度を高くしてください。

 

 

もうちょっと詳しく知りたい方は


▸ 段ボール漆風呂の作り方

 

 

塗り作業が終わったら筆を洗います。
筆は油で洗います。(なんと!)

 

【 終わった後の筆の洗い方 】

 

 

  1. 筆に油を含ませる
  2. 作業板の上で優しく捻ったり、クネクネ(?)させたりする
    (こんな表現でいいんでしょうか?)
  3. ティッシュの上で、ヘラを使って優しく押さえる
  4. 筆の中の漆分がほとんどなくなるまで、<1~3>の作業を繰り返しす
  5. 最後に綺麗な油を筆に軽く含ませてキャップを被せる

 

※ 極々、ソフトに押さえるようにして筆の中の漆と油を
掻き出すようにしてください。
強くしごいてしまうと、筆の毛先が痛んで「カール」してしまします。

 

 

 

 

洗い終わった筆は付属のキャップを嵌めて保存します。
キャップが無かったらサランラップを丁寧に巻いてください。

キャップがない、もしくはキャップを作りたいという方は
こちらを参考にしてください。
 ▸ 筆のキャップの作り方 

 

 

 

インターネット上で初心者相手の金継ぎ教室

 

全ての作業が終わったら作業板を掃除します。

 

テレピン(又はエタノール、灯油など)を垂らして、
ウエスやティッシュできれいに拭き取ってください。

 

  caution ! 

厳密に言うと、素地をし終わった後の作業板の上には
「ごくごく薄っすら」と漆の成分が残っています。
ですので、この作業が終わるまではしっかりとゴム手袋をして、
ゴム手袋を外したあとは作業板を含めて
漆の道具類を触らないようにした方がいいです。

 

 

 

 

 

 

STEP 05 蒔絵



 【 蒔絵作業で使う道具・材料 】   ▸ 道具と材料の値段と売っているお店


  • 道具: ② ティッシュ  ③ 真綿  ⑤ 粉鎮  ⑥ あしらい毛棒  ⑦ 練り竹ベラ ▸ 作り方  ⑧ 作業板 ▸ 作り方
  • 材料: ① エタノール  ④ 蒔絵紛(今回は真鍮粉)

 

※ 金粉、銀粉を蒔くやり方のご説明はこちらを参考にしてください。
▸ 欠けた上泉秀人さんカップの金継ぎ方法 ④ 蒔絵

 

 

中の真鍮粉が入った包み紙を小石で押さえます。

金継ぎの蒔絵で使う真鍮粉を筆でで掬う

柔らかい毛足の筆で
真鍮粉を少量掬い取ります。

 

筆に絡ませた金継ぎで使う真鍮粉

とりあえずこんなもんでいかがでしょうか?

 

真鍮粉を漆の上塗りを行った場所に蒔いていく

さぁ、金継ぎの蒔絵作業です。
これはなかなか気持ちがいいです。

掬い取った真鍮粉を上塗りした漆の上にのせます。
バサッと。

 

真鍮粉を筆で掃くようにして漆の上に移動させていく。

バサッとのせた真鍮粉を筆で掃くようにして、
漆の上に広げていきます。

 

金継ぎの蒔絵では真鍮粉を使って漆の上にのせていく。

真鍮粉が足りなくなったら
包み紙に入った真鍮粉から掬って
補充してください。

 

蒔絵の作業では筆で金属粉を払いながら漆の上にのせていく。

ばさばさと掃いていって…こんな感じです。
オッケーです◎

 

金継ぎの蒔絵作業が完了です

イイです◎オッケーです。

 

器の外側も蒔絵を行う。真鍮粉を筆で掬う

器の外側も金継ぎの蒔絵の作業を行います。
包み紙から真鍮粉を筆で掬い取りまして…

 

真鍮粉を筆で漆の上にのせて蒔いていく

ばさっと上塗りした漆の上に置いて、
あとはサッサッサっと掃いていく。

 

金継ぎの蒔絵作業が完了

いんじゃないでしょうか?
なるべく包み紙の上で蒔絵作業をして
掃いた真鍮粉がそこに落ちるようにします。

 

金継ぎの蒔絵が終わった器を外側から眺める

オッケー。
金継ぎの蒔絵工程完了。

 

この後、湿した場所(湿度65%~)に置いて、
5~6日漆を乾かしました。

 

 

 【 簡易的な漆乾燥用の風呂 】

 

 

湿度が保てる空間を用意します。

※ 水を固く絞った布を中に入れて湿度を高くしてください。

 

 


▸ 段ボール漆風呂の作り方

 

 

蒔絵で使ったあしらい毛棒はエタノールで軽く洗います。
※ 油で洗わないでください!ご注意!!

 

【 作業後のあしらい毛棒の洗い方 】

 

 

  1. 作業板の上に数滴エタノールを垂らす。
  2. その上で筆を捻ったりしてエタノールをよく含ませる。
  3. ティッシュペーパーの上でヘラで筆を優しく押さえる

 

 

蒔絵作業時にほんの少し、毛棒の毛先に漆が付くことがあります。
1回、2回はほとんど影響がありませんが、繰り返し作業をしているうちに
毛先に「玉」のようなものが形成されてしまいます。
(「毛先が球」状態になります。歯ブラシの)

なので、作業後はエタノールで漆分を洗います。

 

 

 

 

 

欠けた器の金継ぎの完成



 

欠けた器の金継ぎ修理が完成しました。全体図

きれいな景色に仕上がりました。

欠けた器の金継ぎ修理が完成しました。

漆の<「漆黒」と「金」>ペアに引けをとらないくらい
<「釉薬のターコイズブルー」と「金」>ペアも魅力的です◎

 

欠けた器の金継ぎ修理が完成しました。上から見た写真。

お気づきのように今回の修理は
欠けた部分を「半丸」の形で覆って仕上げました。

 

欠けの金継ぎアップ

夜空に浮かぶ月のようなイメージです。

  欠けた器の金継ぎ修理。外側からアップ。

 

 

欠けた器の金継ぎ部分をカップに水を入れて鑑賞

依頼主の斎藤さんに許可を頂いて
カップに水を注ぎました。

 

カップに水を入れて金継ぎ部分を水に反射させている

 

 

金継ぎ修理部分を月に見立てて、カップに入った水を湖面に見立てる。

湖面に浮かぶ月です。

 

欠けた器の金継ぎ修理が完了

 

 

欠けた器の金継ぎ修理が完成しました。

 

 

青いカップの他の修理工程を見る

 

 

 

 
 

 

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