ちょんまげ?かんざしです◎
満を持して「簪かんざしProject」がスタートしました◎
何々?かんざしプロジェクトって??鳩屋さん、かんざしを作るわけ???
そです、かんざし、作ります◎ チャレンジします。
何でかんざしを作るの?
何ででしょうね?
何となく槍も作っているところを考えると、一本スッと立っているモノに対する興味があるんですかね。
そう言えば、草原にポツンと立つ木を見ると気分がいいです。この感覚、伝わりますか?
チベットで信者が祈りを捧げる柱なんかもすごく惹かれます。トーテムポールも格好いいと思います。
何なんでしょうね。天と地とを繋ぐ「結束点」って感じがします。人々の祈りが集積する「磁場」のようにも感じます。
「こちらの世界」と「あちらの世界」を繋ぐ「結び目」。「私の世界」と「あの人の世界」との境界面に立ち上がる「ささやかな徴」。
日常生活を送るなか、私たちは「自分とは違う世界」が併存していことを認識するのは難しい。どうしても「自分の世界観=世の中全て」というように思いこんでしまいます。そうゆう意識に慣れてしまうから、「異物」を感知するためのセンサーが働かない。
私たちは境界線を示す「徴」を見た時、初めてそこに立ち上がっている「別の世界」を意識できるのかもしれません。
実は簪を作ってみたいな…と十年前くらいから考えていたんです。
けど、男の僕にとってはハードルが高かった。髪は短いし、だいち、簪を使うことがないわけです。
そうなると、どういったものが使いやすいのか?どんなデザインだと洋服や、使われる場面(結婚式、パーティー、日常などなど)に相応しくなるのか?そういったことがイメージしづらかった。
そんな折、「WEB金継ぎ教室」の生徒さんをやってもらっている久恒さんが、学生時代の友人で陶芸家の大渕さんと「山」や「森」をテーマに商品の共同開発をしようとしているのを聞いて、「”かんざし”を作ることに興味はありませんか?」と提案してみたところ、「あっ!それいいですね。面白そう」という話になりました◎
Project Member
- 大渕 由香利 さん(通称:ブチコさん)…陶芸家 ▸ Instagram
- 久恒 まゆ さん…林業会社社員&木工家
- 深澤 勇人(鳩屋)…金継ぎ図書館館長
- 角谷 啓男 さん…陶芸家(たまにアドバイザー的な立ち位置で関与してもらう感じでしょうか)
プロジェクト・メンバーの紹介は後日また◎
陶芸家のブチコさんに、簪トップの「玉」部分の試作をお願いし、僕と久恒さんは簪の「軸」の部分の研究を進めています。
「目指す簪は?」というと、もちろんビジュアルのデザインを素敵にしたいですが、それと同時に「付けていてフィジカルに心地よい」ことを追求したいと考えています。
ゴムなどで髪を留めていると、頭皮が引っ張られて疲れる。簪だったら引っ張ることなく緩やかに留めることができる。それでいて緩みづらい…というようなものが作れたら、簪を付けた人はストレスなく一日中自然体でいられる。
そのあたりを目指して作っていきたいと思っているのです。
↑左4本は久恒さんが持っていた簪で、一番右は久恒さん自身が「クヌギ」の木から彫り出したものです。
左端の簪…素材:ステンレス(?)/軸:円柱、ストレート
左から二番目…素材:真鍮/軸:四角柱、ストレート
真ん中…素材:木/軸:円柱、ストレート
右から二番目…素材:木/軸:円柱、ストレート
右端…素材:クヌギの木/軸:円に近い多面体、湾曲
使ったこともないくせに、僕が勝手に想像していたのは「材質、表面塗装、形状、重さ」によって髪のまとまり具合(緩みやすさ)が変わるのではないか?ということです。
例えば材質が同じ「木」であったとしても軸の形状が「つるっとした円柱」だと、つるつる滑ってしまい、結った髪が緩みやい。「少しざらっとした多面体」の軸だと髪が軽く引っ掛かり、緩みづらい…などの差があるかもしれないと思ったわけです。
この辺りの「鳩の勘」は何処から来ているの?というと、それはお箸やスプーンなどなど、自分の手で作ってきた経験から導き出されたものです。当てずっぽだけど、意外と当たりそうな気もしているのです◎
↑Made by 鳩
【鳩屋の勝手な予想】
緩みやすい条件…
表面塗装がつるつる/円柱の軸/重量が軽い/軸がストレート
緩みにくい条件…
表面に少し抵抗感がある/多面体の軸/重量が重い/軸が緩やかに湾曲している
…ってことは、つまり「既製品」についていうと、そのほとんどが「緩みやすい条件」でしか作られていないと予想しています。
製造コストを下げるために行なわれている様々な加工が、デメリットになっているのではないかと考えています。
この「鳩の予想」を元に実証実験を行ったのですが…予想、大ハズレでした(涙)
次回、そのご報告をします◎
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