
※ 口元が割れたカップの金継ぎ修理のやり方を説明していきます。本物の漆を使った修理方法ですので「かぶれる」可能性があります。ご注意ください。
今回は金継ぎの工程のうち、〈麦漆で接着~はみ出した接着剤を削るまで〉のやり方を解説していきます。
step 01 麦漆の接着
金継ぎの麦漆接着で使う道具・材料
- 道具: 付け箆 ( ▸ 付け箆を作り方 )
- 材料: 生漆、小麦粉、水
漆を使って接着剤を作ります。 ▸ 麦漆の詳しい作り方
金継ぎ工程の麦漆を塗布する前にあらかじめどのパーツがどの部分に来るか確認しておきます。
できれば接着する順番に並べておいた方が、
あとで「これどこだったっけ?」と焦らずに済みます。

麦漆はなるべく薄くつけていきます。

麦漆の厚み分、接着した時にズレが大きくなります。
ので薄目につけます。

接着する断面すべてに麦漆を付けていきます。

本体の麦漆の塗布が完了しました。
塗り残しがないかチェックします。

続いて割れた破片の方にも麦漆を付けていきます。

こちらも同様に麦漆は薄くつけていきます。

破片の方の麦漆塗布が終わりました。

持ち運びがしやすいように板の上に破片を乗せます。
このあと湿した(湿度65%~)場所に置いて麦漆に乾くきっかけを与えます。
「ほれ、乾け」とおしりを叩く感じです。
今回は30~40分くらい湿し風呂に入れておきました。

少し乾き始めた麦漆の表情です。

麦漆表面の艶が引けて、少しマットになっています。
金継ぎの接着工程です。

接着します。

しっかり押し込みます。少しぐりぐり動かして入り込むようにします。

次の小さい破片をくっつけていきます。

隙間がなくなるようにぐりぐり押し込みます。

全てのピースがくっついた段階で一つ一つの破片のズレを修正していきます。
ひとつのピースを修正するとその隣がズレてしまい、そのずれを直しているとまた別の破片がズレてしまい…ある程度うまく収まればよしとします。
この後、麦漆の乾きに2週間くらいを見ておきます。
step 02 麦漆の削り
麦漆の削りで使う道具と材料
- 道具: 彫刻刀など

接着したときにはみ出してきた麦漆を削っていきます。

彫刻刀の刃は進行方向に対して斜めに当てて使います。
なぜ?その方が抵抗が少ないから。(でいいのかしら?)

器の内側の麦漆も削ります。

ズリズリ削ります。削り忘れがないようにチェックします。
次の工程を見る ▸ ③ 刻苧漆の充填
その他の工程






