修行のお時間!!
※鳩屋が蒔絵の技術を習いに蒔絵師さんのところに通い始めました。
そこで習ったことをひとまず備忘録的な感じでまとめ、その情報を多くの方とシェアしよう…というがこのシリーズです。
後日、「初心者でもできちゃうぜ蒔絵シリーズ」のようなコンテンツに落とし込むのが密かなる野望です◎(シクヨロです)
※作業工程や説明が間違っていたら、後日、師匠や同門の生徒さんからツッコミが入ると思います(苦笑) そうしたら訂正してきます。
かめばかむほど蒔絵の奥深さよ
金継ぎ図書館は現在、「漆工房 皎月こうげつ」の↑かめ師匠のところで修行中です◎
かめ師匠は蒔絵の本場・石川県の輪島で修行された方です。
漆工房皎月は東京の「駒込」「練馬」「青梅市」「あきる野市」で金継ぎ教室も開催しています。
輪島で蒔絵の修行をされたかめ師匠と、東京藝大出身の福田さん(女性、僕の先輩です)の二人体制で丁寧に教えてくれます。至れり尽くせり!
都内で金継ぎ教室をお探しの方、金継ぎ図書館が100%の自信をもっておススメします◎(はっきり言って、最強の金継ぎ教室だと思います。)
詳しくは皎月さんのHPでチェックしてください。
▸ 漆工房 皎月Facebookページ
次第しだいに、蒔絵教室のアップの速度が送れています(涙)。ここいらで踏ん張らないと、このシリーズが頓挫してしまう…ので、何とか食らいつきます!はい。
本日のメモ01/〈椿の高蒔絵〉炭粉の研ぎ1回目
【使った道具・材料】
道具 ・三和の砥石#600 ・金鋸かなのこ
今回は「空研ぎ」でいきます。これ間違えちゃダメです。水を付けないで研ぎます。
「三和」というメーカーの砥石を使います。漆屋さんで売っています。
↑のモノはその砥石をすごく小さく切りました。金鋸で切ります。
砥石は結構、値段が高いです(涙)。一般的な刃物を研ぐ砥石よりも断然、値が張ります。何ででしょうね?他のメーカーのものよりも粒子が揃っているのかもしれません。漆の場合、万が一、砥石の中に粗い粒子が入っていて、それで塗面を引っ掻いた場合、結構な致命傷になるのです。
三和砥石#600/販売価格: 1,728円 (税込:2017-10-19現在)/サイズ100×23×17mm
▸ 箕輪漆行の販売サイトへ
うーん、何でこんな小っちゃいのにこんな値段するんでしょうね?ま、しょうがないんですかね。
その長細い砥石を切ります。
切る…??「切る」って、砥石って切れるの??「石」でしょ!?
はいー、切れます。というか、強引に切ります◎
金属を切る用のノコギリがホームセンターなどで売っています。鋸の「刃」だけ用意すればオッケーです。安いものだと3枚/¥200~300くらいであります。
金鋸でズコズコと切っていきます。意外と切れます◎
三和の砥石は比較的、柔らかいので切りやすいのです。とはいえ、鋸の刃もだんだん擦り減って、切れなくなってきます(涙)。これはしょうがないです。
2~3㎜厚に切ります。
そうしてからさらに…
① 4×5×2㎜ ② 12×3.5×2㎜
このあたりのサイズ感は人それぞれだし、研ぐもの、研ぐ面積の大きさによって変えていいと思います。多分…(かめ先生に確認しておきます)。
用意した砥石は、「四角い」のが一個と、「長細い」のが一個です。
砥石が用意できたところで、研ぎ作業に入ります。
注意点は「空研ぎ(水は付けない)」「軽く研ぐ」「地面(漆の面)に当たらないように(傷付けないように)研ぐ」です。はい。難しいです(涙)
まずは「正方形」に近い形に切った砥石を使います。これで「広目」の面を研いでいきます。
↑砥石がかめ師匠の指先に隠れています。親指と人差し指で軽くつまんで研いでいきます。
↑この「炭粉の高上げ一回目」で盛った炭粉を研いでいくわけですが、どうゆうふうに研いでいるの???と言いますと、、僕もよく分かっていません◎ いや、これはコツを掴むまでは「何となく…」って感じになると思います。
一応ご説明しますと、「葉っぱ」の部分は葉の外側の方が高くて、葉の内側になるにしたがって低くしてあります。
※前回、炭粉上げの一回目の作業で、葉の外側の漆の塗り厚を厚目にし、内側になるにしたがって薄く塗ったからです。←この解説ページはまだ作っていません。すみません~(涙))
炭粉上げ一回目が終わった状態がⒶです。この状態だと炭粉を蒔いた面の中に「節」があったり、内側に向かって炭粉が終わる箇所にちょっとした「段差」が生じています。
それをⒷのような状態になるように研いでいきます。
砥石を摘まむような、炭の上に軽く乗っけているような…感じでしょうか。
ちなみに、この「炭研ぎ」作業は、一度、炭粉を漆で固めてから作業を行う人もいます。かめ師匠は固めません。固めると研ぎ面が硬くなって研ぎづらい感じがでるからです。
固めていないので、軽く研いだだけでも結構、ゴリゴリ削れて行きます。細心の注意を払いつつ作業を行います。
研いだ「炭の粉」が画面についていると(残っていると)、どのくらい研げているのか分かりづらくなります。それで「まだまだかな…」って研いでいると、研ぎ過ぎて地面まで彫ってしまったりします。
研いだ炭の粉は筆で払ったり、ウエス、ティッシュなどでちょくちょく拭き取りながら、画面の研ぎ具合が見やすい状態にしつつ、作業を進めます。
炭粉を蒔いた箇所で、「節」になっているところをはつり、あとは地面へランディングする箇所をなだらかになるように研ぎます。←ここを研ぐ時に「地面」を研がないように気をつけます。
地面に当たらないように、、と言われても…難しい~。「慣れ」でしょうかね。
ちなみに研ぐ時は、傾斜の低くしたい方の指にほんの少し力を入れ気味にします。
ほんの少しです。うっすらと力を入れます。うっすらです。本気で入れると、すぐに研ぎ過ぎてしまいますので気を付けてください。うっすらです◎
狭い面積を研ぐ場合は、もう一個の方の「長細い」砥石を使います。
↑こんなような狭い箇所を研ぐ時です。
先ほどは、研いでい面が広目だったので、砥石をピタっと乗っけて研ぐことができました。砥石自体の研ぎ面の「平面」を利用して、炭粉の成形ができました。
今回は面積が狭いので、先ほどのように幅広の砥石をピタッと乗せてしまうと…
炭粉上げした面から大きくはみ出してしまいます。砥石の方がでかいわけです。
こうなった状態で研ぐと…
砥石の下の炭粉上げした面が見えませんし、ちょっとした砥石の角度の誤差で地面を掘ってしまいます。
ということで、狭い面積の箇所はこちらを使います↓
おおー、なるほど。これ、使うんですね◎
でも、どうやって??長細くなっちゃって、余計使いづらそうに見えるんですが…。
↑こう、使います◎ よくわかりませんね。図説します。(今回は”図説”が多い!! 作るの大変よ~(涙))
おお~、分かりづらい図説だ!(涙)
分かりますか?わかりますね??分かってくださいね◎
砥石を摘まんでいる親指と人差し指に爪を画面に当てます。当てた状態をキープします。砥石を摘まむ高さと角度を調節します。そのままをキープします。そうすると一定の任意の角度で炭粉を研ぐことができます。
なるほど~◎という感じですね。
こうゆうのは独学だとなかなか気がつけませんよね。恐るべし、先人の智慧◎
あとは皆さん、実践です。
↑いつも作業の早い、L子先輩。
↑NN子先輩。
で、「研ぎ終わった状態」の写真を撮り忘れていました…(涙)
ま、写真で見せた所でほとんどその違いは分からなかったような気がします。はい。だから、写真が無くてもいいのです。「いい具合」に研いでおいてください◎
研ぎ終わったら、研いだ炭の粉を綺麗に払い落として、炭粉上げの2回目の作業を行います。
※ 炭粉を研いだ後、漆での固めはおこないません。
次回、ご説明します◎
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