蒔絵教室レポート13日目③/ 切金に灰をかけて湿す

 

 

※ 鳩屋が蒔絵の技術を習いに蒔絵師さんのところに通い始めました。
そこで習ったことをひとまず備忘録的な感じでまとめ、その情報を多くの方とシェアしよう…というがこのシリーズです。
後日、「初心者でもできちゃうぜ蒔絵シリーズ」のようなコンテンツに落とし込むのが密かなる野望です◎(シクヨロです)

※作業工程や説明が間違っていたら、後日、師匠や同門の生徒さんからツッコミが入ると思います(苦笑) そうしたら訂正してきます。

 

かめばかむほど蒔絵の奥深さよ

金継ぎ図書館は現在、「漆工房 皎月こうげつ」の↑かめ師匠のところで修行中です◎
かめ師匠は蒔絵の本場・石川県の輪島で修行された方です。

 

 

漆工房皎月は東京の「駒込」「練馬」「青梅市」金継ぎ教室も開催しています。
輪島で蒔絵の修行をされたかめ師匠と、東京藝大出身の福田さん(女性、僕の先輩です)の二人体制で丁寧に教えてくれます。至れり尽くせり!
都内で金継ぎ教室をお探しの方、金継ぎ図書館が100%の自信をもっておススメします◎(はっきり言って、最強の金継ぎ教室だと思います。)

詳しくは皎月さんのHPでチェックしてください。
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前回、漆を塗った部分に切金を置くまでの説明をしました。

今回はこの後の作業をご説明していきます。

 

 

 

本日のメモ01/〈富士と雲霞の肉合研出蒔絵〉パラフィン紙で押さえ、漆を吸い取る


【道具と材料】

 ・薬包紙(パラフィン紙)
 ・切出し刷毛
 

 

それでは今回の作業の説明に入ります。

 

前回の作業では漆の上に切金を置いただけなので、大袈裟にいうと、ものによっては漆の表面に乗っていたり、深く沈んでいたりします。

まずはこの「段差」を無くします。

 

切金を置いた上から薬包紙(パラフィン紙)をそっと被せます。

 

乗っかりました◎

 

置いた薬包紙(パラフィン紙)の上から「固くて平らなもの」を押し当てます。

先生が使っているのは黒檀という固い木で作ったオリジナルの「押さえ」です。
スタンプみたいに見えますが、「押さえ」の面は平面になっています。
これを先生は、結構、何かと使っているんですよね。
僕も作らなきゃですね~◎

 

グリグリと薬包紙の上から押し付けます。押さえを往復させます。

そうすると、イメージ的には↑こんな感じになります。
切金がしっかりと底(手板の面)まで沈んでいる感じです。

 

切金が底に押し込まれるので、切金の下にあった漆はそのわきに押し出されます。

 

 

次に余分な漆をとり除きます。

薬包紙の上から「切り出し刷毛」を通します。
やや強めに薬包紙を抑えつつ、通していきます。

使っているのは普通の「漆刷毛」です。ちょっと調子の悪くなった刷毛の先を短く切り揃えて、それを使う…というのでも大丈夫だと思います。(←これは漆をやっている人の話です◎)

漆刷毛を買う必要のない(もしくは何本も持っていない)一般の方でしたら、「ステンシル用の刷毛」「絵具擦り込み刷毛」で代用できそうな気がします。
百均で売っている毛質が固めの筆を使って、その先を少し短めに切りそろえたものでもイケるかもしれません◎

 

数回、刷毛を通して、薬包紙に漆を吸い取らせます。

 

 

そっと薬包紙をめくります。

 

 

 

薬包紙の方に漆が付いています◎

 

この作業をもう一度、繰り返します。

薬包紙を漆の上に置いて…

 

 

刷毛で押さえて…

 

はらりとめくります。

 

 

こんな具合に2枚ほどの薬包紙を使って、余分な漆を吸い取ります。

 

 

余分な漆が吸い取られました◎
だけど、まだうっすらと漆が残っています。

この残った漆をさらに取り除く作業をこの後、行います。

 

 

まとめ直しますと…

① 切金が浮いているので…

 

② 薬包紙を被せて、その上から固くて平たいもので押さえ、切金を鎮める。

 

③ 薬包紙の上から刷毛で押さえて、余計な漆を吸い取る。

 

 

 

 

 

本日のメモ02/〈富士と雲霞の肉合研出蒔絵〉灰を蒔く


【道具と材料】

 ・灰
 ・筆

 

灰って?あれ?
はい。…灰なんです。
燃え残った白い粉です。素材は何でもオッケーだと思います。多分◎
それを「適当な編み目のもの」で濾します。

「適当」といわれても困りますよね。確か「寒冷紗を二枚重ねて、振って濾した」と言っていたと思います。
「寒冷紗」というのは「目が粗く、薄地で、堅めの綿布、または麻布」です。寒冷紗といっても色々な粗さの編み目があるので、これまた「どの粗さ??」かというのは確認していないのですが、「おおよそ、粗い灰が取り除ければいい」のだと思います。きっと◎

この後、ページを読み進めてもらえたら分かるかと思うのですが、あまり厳密な作業ではないですし、灰の役割も「余計な漆をとり除く」ということですので、灰の細かさも「おおよそ」でいいと思います。
間違っていたら、先生か同門の先輩方から「するどいツッコミ」が入ると思います。「あれ、違うヨ!かんちょー」

 

 

 

作業に入ります。

灰の入った缶に筆を突っ込みます。

 

筆についた灰を漆を塗った箇所に乗っけます。

 

 

灰を広げていきます。

 

 

何往復か灰を動かしていきます。

 

 

軽いタッチで筆を動かしていきます。

ゴシゴシ筆を擦りつけない方がいいと思います。

筆は柔らかめの毛質なら何でもいいと思います。

 

何で「灰」を使うのでしょうね?

昔は竈や囲炉裏があって、灰が日常的に手元にあったから使ったんじゃないでしょうか?あと、水分、すごく吸いそうですしね◎(イメージですが)

 

 

何往復かさせたら、余った灰は缶の方に戻します。

 

 

銀の切金が見えてきました◎

 

 

できました◎

 

 

もうちょいズームで見てみると、こんな感じです。

 

現状としては↑このように余った漆を灰が吸い取っている状態です。きっと。

で、ここからが重要なのですが、このまま普通に漆風呂に入れて乾かしてしまいますと…きっととんでもないことになってしまいます。
この灰が強固に手板にくっついてしまい、取れなくなってしまいます。
「灰の層」ができてしまうわけです。(「蒔き地」という作業と同じことをしたことになります)

そうなるとマズいわけなので、次の作業を行なうのです◎

 

 

 

本日のメモ01/〈富士と雲霞の肉合研出蒔絵〉濡れ濡れティッシュで漆を焼く


【道具と材料】

 ・ティッシュ
 ・水

 

漆の上に灰を蒔いて、そのまま普通に乾かしてしまうと、灰が強力にくっついちゃいますので、そうではないことをします◎

 

なんと、「びしょ濡れのティッシュ」を灰を蒔いた上に被せます!
何と!

 

 

あらかじめ濡らし、折り畳んだティッシュを乗せます。

 

 

軽くティッシュの上から指で押さえて、密着させます。

 

 

折り畳んだティッシュの上半分めくり、そこにさらに水を垂らします。

水でひたひたにする感じでしょうか。

 

 

さらにティッシュの上から指で軽く押さえて、完全に密着させます。(水分に接しているようにします)

 

↑こんなイメージでしょうか。分かりづらいですね。
なんで「灰」と「ティッシュ」を同系色にしてしまったのでしょうか?

 

 

これで本日の作業は終了です◎

え!?このままでいいの??これ、どーゆうことですか??

はいー、意味分かりませんよね◎
これはですね、漆を「めちゃ早く」乾かして、「焼け」を起こさせる作業なのです。

漆はあまりにも湿度が高いと(100%近くの湿度だと)、漆が急激に乾き過ぎて、塗膜が「焼け」という現象を起こします。
漆の塗膜表面が「白っちゃけ」ます。(なったことありますか??)

「焼け」を起こした塗膜は極端に塗膜強度が下がります。爪で引っ掻くだけで簡単に取れたりします。
通常の漆作業ではこういった現象を起こしちゃアウトなのですが、今回はその現象を逆に利用するというわけです◎

手板に残った余計な漆を除去しやすくするために敢えて「濡れ濡れティッシュ」を被せ、「焼け」を起こさせます。

次回の授業で漆の除去作業をする予定です◎

 

 

 

 

 

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