【かんざしProject 02】 かんざし「軸」部分のデザインによって「キープ力」に差はあるの??

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待ち針?かんざしです◎

 

先日、初めて東京の「高円寺」に行きました。多分、初めてだったと思います。

台風が通り過ぎた直後だったので、空気が澄んでいた。だから空の青さがすごくクリアーで綺麗だったわけです。
だけど、高円寺を歩いていて感じたのは「東京の空は小っちゃいな」ということでした。(アーケード街を歩いていたので、そりゃ、空が小っちゃいわけですが)

 

現代に生きる私たちは、「かつてはあったはずの繋がり」をいつの間にか見失っている。
自身の生活を振りかえってみると、そう感じることがあるのです。

 

「もうちょっと」でいいから「木」や「森」「山」に近づいた方がよさそうだな…と思う。そうじゃないと「私」という「殻」がどんどん厚く、硬くなっていくような気がする。ソリッドな個体となり、孤独になり、息苦しくなる。

 

流動性を取り戻す。関係性を取り戻す。
「簪かんざしプロジェクト」もそんな試みの一つなのです◎ 多分。

 

↑Made by 鳩

 

 

 

簪の髪まとめキープ力、付け心地の実験


 

髪の長い久恒さんに実際に簪をつけてもらって「実験」をしました。

↓テストとして作った簪です。

↑Made by 鳩

  • 左端……【玉部分】 骨董ガラス/ちょい重め 【軸部分】 桜の木/六面体/無塗装
  • 真ん中…【玉部分】 鹿の角/ちょい軽め 【軸部分】 桜の木/六面体/漆塗り
  • 右端……【玉部分】 ヤクの骨/軽め 【軸部分】 鉄木/円柱/漆塗り

 

僕の予想(希望的)としては軸は「ツルツル」した漆塗りよりも、少し「ザラザラ」した木地のままの質感の方がキープ力がある。円柱の軸よりは多角形。細い軸よりは太い軸。軽めの玉部分よりかたは少し重めの玉……の方が「断然」キープ力があるのではないか?と密かに予想していました。

 

このあたりの予想が当たった場合、従来の一本簪の作り方を強烈に「否定」することができます。
そして「こういう理由で私たちの作る簪は優れているのです!」と、皆さんにその優位性を強くアピールできます。ブランディングがやりやすくなるな~フフフフ…と「ワルな目」をしながらニヤニヤしてました。

 

 

 

で、実際に使ってもらいました。

ガラスのトンボ玉+無塗装の木の軸(八角形)

 

左画像が簪を付けたばかりのものです。朝、仕事に出かける前。
右画像が仕事を終えて家に帰って来てから撮った写真です。(およそ8時間後)

今回は簪の「キープ力」を知りたかったので、「途中で髪をまとめ直す」ということを控えてもらいました。朝、セットしたらその後一切触らない…ということです。

ちょっと髪のセットが崩れていますね。髪の乱れは心の乱れ…

 

次に↓こちらの簪のテスト。

鹿の角の玉+漆塗りの木の軸(八角形)

 

はい、こんな感じです。

 

最後に↓こちら。

ヤクの骨の玉+漆塗りの軸(円柱)

 

 

結果としましては…一番最初の「トンボ玉+木の軸」が一番キープ力がありました!と言いたかったのですが、そんなことはありませんでした(笑)

「キープ力は全部、ほとんど同じ感じ」「大して差がない」
が結論となりました。

「鳩の勘」はからッきし冴えてなかった!ううう…ちょっと凹みますね。(うそ。全然凹んでない。ぜんぜん…うう)

 

それ以外にも久恒さん自身が持っている市販の簪を使った場合の感想も聞きました。

金属の簪、軸が「四角形」の簪、などなどテストしてもらいましたが、「そこに大きな差は無さそう」…と言うのが感想でした。

つまり「何でもいいから棒状のものを突っ込めば髪はまとまる!」ということなのかもしれません。(言い方が汚いかしら?)

となると、この結果をポジティブに捉えるなら、軸の形状のデザイン、表面塗装に関して、「何の制約も無い」と考えてよさそうです◎

ほほー。ナルホド。ん?ってことは今回の「実験」は何の意味も無かったってこと??

いやー、それを言われちゃうとですね~寂しくなりますね◎ (言っちゃ、ダメよ)

 

 

次回、ブチコさん(陶芸家さん)から送られてきた「玉」部分のテストピースをご紹介します◎

 

金継ぎのやり方