〈金継ぎTECHNIQUEシリーズ〉 金継ぎで使う粉磨きの道具と蒔絵磨きのやり方

 

2016-08-23 大幅改訂しました。…というか、金継ぎ図書館を作った当初のコンテンツのままだったので、かなり情報量が足りていませんでした。済みませんでした。
これじゃ誰の役にもたたないような内容だったのに「タイトル」だけはいかにも役立ちそうなものだったので、「騙していた」ようなものですね。すみません。

 

 

それでは蒔絵紛磨きまでの工程を説明していきます。

粉蒔き→固め→磨き(完成)…の順で作業を進めます。

 

蒔絵


 

金継ぎ修理の工程。蒔絵を行う準備。銀粉の包み紙を開けて、その紙を小石二つで押さえる

銀粉の蒔絵で使う道具と材料

  • 道具: 小石2個(包み紙の押さえとして使用)、真綿(錫粉などを蒔く場合は「あしらい毛棒」の方が使いやすいです)
  • 材料: 今回は銀丸紛の2号

 

※ 銀粉の丸紛2号(という大きさの銀の粒)の手順です。

 

蒔絵紛の包み紙を重石で押さえます。

ビジュアルを考えると小石がベストです。やはり。(いや、そんなことはないと思います)

銀粉を真綿で掬い取る

真綿を千切って(ハサミで切らない方がいいです)、ミニトマトくらいの大きさにまとめたものを使います。

 

真綿にたっぷりと銀粉をつける

真綿で蒔絵紛を掬います。

 

ちなみに蒔絵を行う前の手順としては…

均一に薄く漆を塗り、湿した場所(湿度65%~)に30分~60分くらい置いておきます。
漆が乾き始めるタイミングを見計らいます。

 

真綿は優しく置いていく。ごしごし動かさないようにする。さささと銀粉を払う感じ

漆を塗ったところに蒔絵紛を置いていきます。

 

再び銀粉を真綿にとって上塗りした漆の上にポンポンと置いていく。

軽いタッチで優しくさするように蒔絵紛を置いていきます。

漆に触れるか、触れないかの感じです。

 

金継ぎの修理工程。器の内側の蒔絵完了。

金属粉を蒔き終わったら、湿した場所(湿度65%~)に3日~5日くらい置いて、漆がしっかりと硬化するのを待ちます。

 

 

 

蒔絵粉固め


 

金継ぎの漆の上塗り作業で使う道具と材料
蒔き地固めで使う道具と材料

  • 道具: ② ティッシュペーパー ③ 付け箆 (▸ 付け箆の作り方) ④ 小筆 ⑦ 作業板(クリアファイルなど)
  • 材料: ① サラダ油 ⑤ 生漆 ⑥ テレピン

蒔絵紛の固めに使う道具と材料

  • 道具: 小筆(価格¥300~)、付け箆( ▸ 付け箆を作る方法
  • 材料: 生漆、テレピン、サラダ油、ティッシュ

 

 

漆を扱う前に筆を洗います。
筆をテレピンで洗って油を洗い出します。 ▸ 詳しい筆の洗う方法

 

 

蒔いた銀粉をその上から漆を浸み込ませてしっかりと定着させる作業です。

使うのは< 生漆 + テレピン >です。

生漆 10 : 3 テレピン 

くらいの割合で漆を緩めてください。浸み込みやすくします。

 

金継ぎの修理工程。蒔絵紛を希釈した生漆で固めていく。

生漆を「置いていく」ような感じで塗布していきます。

 

金継ぎの修理工程。生漆を銀粉に浸み込ませていく。

擦るように筆を動かすと、定着が甘かった蒔絵紛が取れたり、動いてしまいます。
ですので、「置くように」筆を動かします。

 

金継ぎの修理工程。器の外側の固め、終了。

漆をたっぷりと浸み込ませて、塗布作業の完了です。

 

次に浸み込まなかった余計な漆をティッシュで吸い取ります。

金継ぎのやり方。固めのために塗布した漆をティッシュで拭き取る。ティッシュを優しく押し当てる。

ティッシュを折りたたんで、それを優しく押し当てます。
ティッシュは動かしちゃダメです。
動かすと銀粉も動いてしまう(かもしれない)ので。

ティッシュは「クリネックス」がいいとのことです。
ソフトさと吸い取り具合が今のところ一番、漆作業にマッチするようです。
私はいろんなティッシュを試したわけではないので「絶対、クリでしょ!」とは言えないのですが、確かにいいと思います◎

 

ティッシュで漆を吸い取る。蒔絵紛に浸み込まずに残った漆はほぼ完全に拭き取ってしまう。

ティッシュに漆が付きます。(当たり前ですね)

ティッシュの面を変えて、繰り返し漆を塗布したところに押し当てます。
ティッシュに漆がつかなくなるまで繰り返します。
3~4回くらいでしょうか。

 

金継ぎのやり方。蒔絵紛に浸み込ませた漆をティッシュで吸い取る。

漆の拭き取り作業が完了しました。

この「拭き取り作業」ですが、しっかりと漆を吸い取らないと…
黒っぽくなります!
漆がいっぱい残るからです。

ご注意くださいね。

 

湿度65%~くらいで湿した場所に置いて、漆を乾かします。
2~3日乾かします。

 

塗り終わったら筆を油で洗います。 ▸ 詳しい筆の洗う方法

 

 

 

 

蒔絵粉磨き


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左からメノウ棒・ガラス棒・鯛牙2本

 研磨する道具:下のどの道具でもいいです。

  • メノウ棒…磨き部分が大きいので、ちょっと磨きづらい。/価格¥1,200くらい 東急ハンズ
  • ガラス棒…さらにもうちょっと磨きづらい。球体になっている部分で磨くので、どこにあたっているのかややわかりにくい。けどリーズナブルに入手ができる。 /価格¥100~200 東急ハンズ/画材店
  • 鯛牙棒…すこぶる磨きやすい。ピンポイントで磨ける。身体にフィットする  /手作り (▸ 鯛牙棒の作り方

 

 

金継ぎの方法。固めた蒔絵紛を磨くのに鯛の牙を使う。

↑鯛の牙です。使いやすいです。ピンポイントで磨けます。

 

鯛牙棒を自作したいと思った方は↓をのぞいてください。

蒔絵紛を磨くときに使う鯛の牙の棒の作り方

▸ 鯛牙棒の作り方

 

 

漆でしっかり固まった銀粉を磨いていきます。

鯛牙で蒔絵紛をぐりぐり擦って磨いていく。

↑銀粉は「マット」です。
というか「これ、本当に銀ですか?」という感じですよね。

それでは「磨き」に入ります。
鯛牙をぐりぐり押し当てるだけです。

 

金継ぎの方法。蒔絵紛を磨いていく。

なっ?光った!はい、そうなんです。嘘っぽく光っていまね~。

 

金継ぎの紛磨きのやり方。銀粉を磨いていく。

光の加減でこんなに光ってしまいました。
嘘っぽく見えますけど、リアル画像です。

 

器の外側。鯛牙で蒔絵紛を磨いていく。

磨くと本当にキラキラ光ります。

 

器の外側。金継ぎの紛磨き、完了。

今回使っている蒔絵紛が「銀の”丸紛”」で、その形状は「球体」ということになります。その「球」のものを磨き棒で「潰して」いる感じです。

球体のツブツブの集合体である蒔絵部分に光が当たっても乱反射して「マット」なのですが、球体が潰れてフラットな面の連続になると光を一定方向に反射するので「キラキラ」光って見えるということです。

 

金継ぎのやり方。紛磨き工程終了。

 できました◎

 

割れた茶碗の金継ぎ修理完成。器全体の画像。

 

 

 

 

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こちらは金粉の丸2号を蒔きました

磨く前はこのくらいマットです。艶が全くありません。
土のようです。
本当に金ですか?と思うくらいです。

 

金継ぎ道具

でも磨くと光ります。
極小の金の球体を潰している感じです。

球体を潰して乱反射を抑える。
フラットな面になるので光がきれいに反射する…ということです。

 

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ひたすら磨きます。
これはなかなか楽しい作業なのです。

ただの土のようなマットな状態がいきなり
「黄金」の輝きを放つわけですから
「おおっ!」って思います。ほんとに。

 

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鯛の牙
使いやすいです。

いい具合に細くなっていたり曲がっていたりで
すこぶる使いやすいです

ピンポイントで狙って磨けます

 本当に身体にフィットする感覚です
メノウ棒、ガラス棒ではこの感覚はありませんでした。

ぜひ、おススメです。

今晩のおかずは鯛のおかしらですね◎

 

鯛牙棒を自作したいと思った方は↓をのぞいてください。意外と簡単です。

蒔絵紛を磨くときに使う鯛の牙の棒の作り方

▸ 鯛牙棒の作り方

 

 

 

 

 

 

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