割れたカップの簡単金継ぎ方法1/4~器の診察/素地調整/接着

簡易金継ぎ
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「合成接着剤」や「合成うるし」を使った【簡易(簡単)金継ぎ】のやり方を説明していきます。
本物の漆は使っていませんのでご注意ください。

今回は金継ぎの工程のうち、〈割れた部分の器の素地をやすりで削る~接着剤を削るまで〉のやり方を解説していきます。

 

 

【必要な道具・材料を見る】

‣簡易金継ぎで使う道具・材料ページ

 

新うるしの安全性について

 

画像元:Amazon

「新うるし」の安全性についてのメーカー側の説明:

・本品は毒性の強い物質ではありませんが念の為、食器等口に含む恐れの有る物に塗装しないでください

※ 新うるしの安全性について、詳しく知りたい方はこちらのページをご覧ください↓
‣新うるしって何?安全なの??

 

当図書館としては、新うるしなどの「合成うるし」の安全性について、「黒寄りのグレー」と考える立場をとっています。ので、下記の使い方をおススメします。

合成うるしで壊れた器を直してもOK!

ただし、「合成うるし」を使って直した器は直接、修理箇所に口を付けない使い方を強くおススメします。

 例えば 
・食器として使わない(大切な思い出の品として飾っておく・小物入れとして使う)
・食器として使う場合は「乾きもの」を入れる程度の使い方に限定する(菓子器として使うとか)

金継ぎ図書館ではこのような使い方を前提にして、「簡易金継ぎのやり方」を解説しています。

 

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STEP1 修理物件information

<器information>

  •  器の作家: 岡田直人さん
  •  器の特徴: 白の陶器、釉薬はガラス質
  •  修理箇所: 側面
  •  破損状態: 破片1つ、ひび1箇所

 

修理を始める前に
・傷の箇所
・「隠れた破損個所」がないか?
をチェックします。

 

白いカップ破損状態

 

器が「割れ」た場合よくあるパターンとしては、どこかに薄っすらと「ひび」が入っている場合があります。

今回の依頼品も本体の割れの下の方にひびが一箇所入っていました。

 

 

 

STEP 2  素地調整

 道具: 
① ダイヤモンドのヤスリ
② リューターのダイヤモンドビット 


※ 簡易金継ぎで使うおススメの道具・材料の一覧(購入先も)を↓こちらのページにまとめました。

‣簡易金継ぎで使う道具・材料ページ

 

ダイヤモンドビットのカスタマイズのやり方は↓こちらのページをご覧ください。

 

 

 

 

素地調整で使うダイヤモンドやすり

 

今回は「半丸の棒やすり」と「先っちょが球体のダイヤモンドビット」を使いました。

 

 

まずは割れた断面のエッジをやすっていきます。

この作業はダイヤモンドの「棒ヤスリ」を使った方が作業がやりやすいです。
が、今回は「ダイヤモンドビット」の方を使っています。(ちょっとやりづらかったです)

 

ダイヤモンドやすりで割れた断面のエッジを研ぐ

 

↑こんな感じに「棒ヤスリ」で斜めに当てます。

 

「口元にくる尖がった角」入念に研ぎます。

接着した時にここがズレると、修理後、使った時に口当たりが気になります。
ですので、もし、少しズレたとしてもあまり気にならないようにあらかじめ角を落としておきます。

 

↑こんな感じにゴリゴリとヤスって、削っておきます。

 

器本体のエッジもヤスっておきます。

器の外側/内側の両方ともエッジをやすります。

 

 

 

続いて「ひび」の箇所を「ダイヤモンドビット」を使って研いでいきます。

 

新うるしを塗ったときに食いつきがよくなるようにマグカップの表面に溝をつけます。

ひびの箇所をズリズリとなぞっていると少しずつ溝ができていきます。

 

最初の何往復かは「軽め」になぞります
最初から力を入れてなぞると、うっかりと手が滑った時に、器に深い傷が入って今うからです。

軽めになぞって、ある程度「筋」ができたら、今度は少し力を入れてなぞっていきます。

 

↑こんな感じに溝ができたらオッケーです。

器の表の作業ができたら、今度は器の内側も同様に作業をします。

 

始めの数回はやさしくひびをなぞります。

 次第にゴリゴリさせていきます。

 

溝が切れました◎

これで「素地調整」作業は終了です。

  ファイツ!!

STEP3  破片の接着

 

道具:
② 作業板(クリアファイルなど)
③ 付けベラ ‣作り方ページ ‣作り方の動画
④ 練りベラ ‣作り方ページ ‣作り方の動画

材料:
① マスキングテープ
⑤ テレピン
⑥ エポキシ接着剤


 

 

〈エポキシ接着剤について〉

硬化速度の違う接着剤がいろいろと売っていますが、30分~60分くらいのものが使いやすいと思います。
5分、10分硬化型はちょっと早すぎて焦りそうです。

 

 

 接着剤が2液に分かれていまして、それぞれを等量ずつ作業板に出して、ヘラでしっかりと混ぜ合わせます。

今回は画像で見えやすいように黒い顔料(松煙)を入れました。皆さんは入れなくて大丈夫です。

 

 

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ちょっとずつ接着剤を箆ですくい、それを接着する断面に置きます。

 

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それを少しずつ延ばしていきます。

薄く延ばすのがコツです。

 

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反対側も接着剤を塗っていきます。

 

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接着剤を少し乗せて、それを薄く延ばします。

 

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できました。
このくらい薄い方がいいです。

接着剤が厚ければ厚いほど、パーツ同士を接着した際に、その間に「異物」が挟まっている状態になりますので、ズレが大きくなります。

ですので、接着剤はなるべく薄くつけてください。

 

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本体の方の断面にも接着剤を塗ります。

 

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本体の方も塗り終わりました。

 

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塗り終わったら、接着剤が乾き始めるまで待ちます。
(すぐに接着しても特に問題はありませんが、直ぐに作業するとズレやすい気がします)

 

余った接着剤をいらない紙に付けておきます。
その接着剤をヘラの先やつまようじなどでつんつんしてみて、少し固まり始めてきたかなーという時まで待ちます。

 

壊れた破片が多い場合乾き待ちせずにマスキングテープにアシストしてもらってガンガン組み立てていってください。

 

 

指でギリギリ触れるくらいになったら、接着作業に入ります。
※ 「接着剤が乾いちゃったらどうしよう?」と不安な人はちょっと早めに接着作業に入ってください。

 

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接着します。

 

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ひとまず、おおよそでいいので、嵌め込んでみます。

一度、嵌め込んでから、微調整して、ズレをなくしていきますので、この段階で「めちゃくちゃ慎重」になる必要はありません。

 

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しっかりと押し込んで(圧力を加え)、なるべく隙間がないように合わせます。

 

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上下左右から見て、接着箇所をチェックし、ズレの微調整をおこないます。

 

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口元もきちんと噛み合っています

 

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はい、できました。

 

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今回は破片が一つだけだったので簡単でした。

破片が多いほどずれやすくなります。
多少はズレてもしょうがないと思います。

 

 

接着作業が終わったら、乾かします。

 

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器の本体と破片とが、重力で次第に圧着するような角度にしたまま置きます。

何を使っても構いませんので、器が安定するようにしてください。

 

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この状態で接着剤が完全に硬化するのを待ちます。

今回使ったエポキシ接着剤は「30分硬化」のものですが、最低1時間は放置してから次の作業をおこなってください。

 

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 〈次の作業を見る〉↓

 

 

 

簡易金継ぎの他の修理例を見る↓


 

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