割れた小さい平皿の簡単金継ぎ方法 01 接着剤の削りまで

簡易的な金継ぎ方法で直す平皿

※ 縁の割れた小さめの平皿を修理します。合成樹脂(接着剤や新うるしなど)を使った金継ぎ修理のやり方の説明になります。本物の漆は使っていません。ご注意ください。

今回は金継ぎの工程のうち、〈割れた部分の器の素地をやすりで削る~接着剤を削るまで〉のやり方を解説していきます。

 

※ 〈新うるし〉のメーカー側の説明です…

植物性のうるし系塗料です。
・本品は毒性の強い物質ではありませんが念の為、食器等口に含む恐れの有る物に塗装しないでください。

とのことですので、これをどう判断するか?ですよね。正直、難しいなぁーというのが私の感想です。
万全の安全性を考えるなら「菓子器」など口を付けたりしないもの、もしくはあまり食品が触れないような器の使い方をされた方がいいかもしれません。

それよりもみなさん、どうせなら「本漆」、やってみませんか?(笑)

 

 

簡単(簡易)金継ぎとは


金継ぎとは欠けたり、割れたりした器を漆で直す日本の伝統技法です。本来は漆で接着し、漆で欠けや穴を埋め、漆を塗って、最後に金粉や銀粉を蒔いてお化粧をします。
その伝統的な本漆金継ぎに対し現代、開発された素材である「新うるし」や合成樹脂の接着剤やパテなどを使うことで時間、手間を簡略化したものが「簡単(簡易)」金継ぎです。

※ 「新うるし」(合成うるし)は植物性の樹脂を主原料にした塗料です。ただし、食器用に使うには安全性が保障されているわけではありません。

 

 

 

金継ぎする器 information


  • 器: 明治くらいの平皿でしょうか。
  • 器の特徴: 半磁器のような。彫り物がしてあります。ピカピカの釉薬
  • 器のサイズ: 直径137㎜、高さ33㎜
  • 破損状態: 縁部分 割れ5ピース+本体 

 

※ ひびも数か所入っていますが、これはまた他にページを作って修理のやり方をご説明します。

簡易的な金継ぎ方法で直す平皿

まずは傷のチェックです。
目立つ損傷の他に小さな傷などがないかをよく見ます。
よくあるのが「ひび」と「極小の欠け」です。
割れの周りにうっすらと入っている「ひび」がないか、よく注意して見てください。
私はよく見落とします。

割れた平皿の小さな破片

割れた破片は5ピース。小さい破片は接着剤が塗りづらいのでなかなか厄介です。

簡易的な金継ぎ方法で直す平皿

釉薬がピカピカのガラス質なので、錆漆の時マスキングをする必要はなさそうです。
ザラザラした器を修理するときはマスキングをやった方が、漆が汚れません。特に白色の器は。

 

 

〈簡単金継ぎのやり方01〉 素地調整


※ この作業はやらない直し手の方が多いと思います。一長一短だと思いますので、ご参考までに。

簡単な金継ぎの素地調整作業で使う道具

 

簡単金継ぎの素地調整で使う道具: 
① ダイヤモンドのやすり(ホームセンター等で入手 価格\600‐~) ②③ リューターのダイヤモンドビット (ホームセンター等で入手可能/価格 \200~)

▸ ダイヤモンドビットのカスタマイズの方法

 

素地調整で使うダイヤモンドやすり

今回は半丸のやすりをメインに使っていきます。

 割れた断面のエッジにほんの少しだけヤスリをかける

器の割れた断面のエッジに「うっすら」とやすりをかけます。

やすりで破片のエッジをやする

小さい破片をやする時は、破片の方を動かしたほうが楽です。

接着する器の断面にもリューターのダイヤモンドビットを使ってやする

一応、断面の「面」部分もやすって、接着剤の食いつきをよくします。

 

 

 

〈簡単金継ぎのやり方 02〉 エポキシ接着


簡単な金継ぎの接着作業で使う道具と材料 

簡単金継ぎのエポキシ接着作業で使う道具と材料

  • 道具: ② 作業板(クリアファイルなど)) ③ 付け箆(▸ 付け箆の簡単な作り方
  • 材料: ① エポキシ接着剤 ④ テレピン

 硬化速度の違う接着剤がいろいろと売っていますが、30分~60分くらいのものが使いやすいと思います。5分、10分硬化型はちょっと早すぎて焦りそうです。

 

まずは接着剤の準備です。

接着剤が2液に分かれていると思いますので、それぞれを等量ずつ作業板に出して、ヘラでしっかりと混ぜ合わせます。

今回は画像で見えやすいように黒い顔料(松煙)を入れました。皆さんは入れなくて大丈夫です。

 

接着する断面にエポキシ接着剤を塗る

ヘラの先に少量のエポキシ接着剤を取ります。

↓取り方、どうぞ。

  1. エポキシ接着剤を薄く均一に広げる。
  2. ヘラを少し寝かしつつ、横から滑り込ませる。
  3. 右側から左側へ通す。
  4. そうするとヘラの先っちょだけに接着剤がつきます。

 

接着する断面にエポキシ接着剤を塗る

割れた器の断面に接着剤をつけていきます。
ヘラを横にスライドさせながら接着剤を置いていきます。

接着する断面にエポキシ接着剤を塗る

置いた接着剤を今度はヘラの先で広げていきます。
なるべく薄く、均一に広がるようにします。

接着する断面にエポキシ接着剤を塗る

厚みはこんなもんです。よくわかりませんね。薄くです。はい。
接着剤が厚いと、その分だけ接着時にズレが大きくなります。

接着する断面にエポキシ接着剤を塗る

破片の方の断面にも接着剤をつけていきます。

接着する断面にエポキシ接着剤を塗る

接着する断面には全て接着剤を塗ってください。

接着する断面にエポキシ接着剤を塗る

破片の方は接着するときに「このパーツはどこに嵌るんだ?」って迷わないように、あらかじめ順番(嵌める位置)に並べておいたほうがいいです。

すぐに接着作業に入っても構いませんが、接着剤がまだヌルヌルしていてズレやすいです。
ですので、できればちょっと硬化してきたタイミングを狙って接着し始めたほうがうまくいきます。ただし、嵌めるパーツが多い時には(木っ端微塵系の修理)どんどん接着作業に入りましょう。

硬化してきたタイミングを見計らうために、余ったエポキシ接着剤をいらない紙などに付けておいて、それをヘラや爪楊枝などでつついてチェックします。

接着剤が少し硬化し始めてきたら接着作業に入ります。 

接着剤を塗った破片をくっつけていく

今回は小さなパーツを板の上であらかじめくっつけてみました。
が、いいような、そうでもないような。今のところ、はっきりとみなさんにおススメするところまではいっていません。

「小さなパーツ」って指で掴むのがなかなか大変なんですよね。みなさん、どうしてますか?私は未だに接着剤がついてしまい指は汚れるわ、器も汚れるわで困っています。ピンセットもこの作業ではイマイチ使い勝手が悪いですしね。

接着剤を塗った破片をくっつけていく

とりあえず全部のパーツをくっつけてしまってから、ちょっとしたズレの微調整を行います。
接着途中できれいにピタッとくっついていても、他のパーツをつけていくうちに必ずズレてしまいます。ですので、「全部つけてから修正」がいいと思います。

それから「微妙なズレ」は必ず生じてしまうと思います。接着剤という異物が間に挟まっているのでそれはしょうがないかなと思います。

接着剤を塗った破片をくっつけていく

ズレの微調整が終わりましたら(諦めましたら)、接着剤がしっかりと乾くまで待ちます。
接着し終わっても接着剤が硬化するまではまだズレる可能性があります。

重力を考慮した置き方をして、パーツがズレにくく、かつ重力で圧着されていくようにします。

 

 

〈簡単金継ぎのやり方 03〉 接着剤の削り


簡単な金継ぎの接着作業で出た接着剤を削る道具 

 エポキシ接着剤を削る道具: 次のいずれか、または複数。( ▸ 金継ぎで使うおすすめの刃物 )

  • ① メス(先丸の刃) ② オルファのアートナイフプロ(先丸の刃) ③ カッターナイフ(大) ④ 彫刻刀(平丸)

おススメは断然④の平丸彫刻刀です。研がないといけませんが。

おススメは平丸の彫刻刀です。かなり作業が楽にきれいに、さらには楽しくできます。(言い過ぎかしら) ▸ 金継ぎで使う彫刻刀のカスタマイズ方法

 

 

接着剤がしっかりと乾いたら、はみ出した接着剤を刃物で削ります。
この作業はあまり厳密にやる必要はありません。この後、エポキシペーストを付けますので、その作業をスムーズに行うための下拵えです。

接着作業ではみ出した接着剤を彫刻刀で削る

器の内側は彫刻刀の刃表を使って削ります。

接着作業ではみ出した接着剤を彫刻刀で削る

器の外側は刃裏を使います。
ササッとはみ出した接着剤を削ってください。

接着作業ではみ出した接着剤を彫刻刀で削る

接着剤の削り作業が終了しました。
周りについてしまった接着剤などはこの時点ではほっといてオッケーです。
エポキシペースト研ぎの時にキレイにします。

 

 

 

 

次の修理工程を見る ▸ ②新うるし塗り完成まで

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