「ひび」の入った小さい平皿の新うるしを使った簡易金継ぎ修理

 

size19

 

※ ひびの入った小さめの平皿を修理します。合成樹脂(接着剤や新うるしなど)を使った金継ぎ修理のやり方の説明になります。本物の漆は使っていません。ご注意ください。

今回は金継ぎの工程のうち、〈ひびの入った部分の器の素地をやすりで削る~新うるしを塗るまで〉のやり方を解説していきます。というほどのこともなくすぐに終わってしまいます。作業時間が10~15分程度で終わると思います。

 

※ 〈新うるし〉のメーカー側の説明です…

植物性のうるし系塗料です。
・本品は毒性の強い物質ではありませんが念の為、食器等口に含む恐れの有る物に塗装しないでください。

とのことですので、これをどう判断するか?ですよね。正直、難しいなぁーというのが私の感想です。
万全の安全性を考えるなら「菓子器」など口を付けたりしないもの、もしくはあまり食品が触れないような器の使い方をされた方がいいかもしれません。

それよりもみなさん、「本漆」、やってみませんか?(笑)

 

 

簡単(簡易)金継ぎとは


金継ぎとは欠けたり、割れたりした器を漆で直す日本の伝統技法です。本来は漆で接着し、漆で欠けや穴を埋め、漆を塗って、最後に金粉や銀粉を蒔いてお化粧をします。
その伝統的な本漆金継ぎに対し現代、開発された素材である「新うるし」や合成樹脂の接着剤やパテなどを使うことで時間、手間を簡略化したものが「簡単(簡易)」金継ぎです。

※ 「新うるし」(合成うるし)は植物性の樹脂を主原料にした塗料です。ただし、食器用に使うには安全性が保障されているわけではありません。

 

 

金継ぎする器 information


  • 器: 明治くらいの平皿でしょうか。
  • 器の特徴: 半磁器のような。彫り物がしてあります。ピカピカの釉薬
  • 器のサイズ: 直径137㎜、高さ33㎜
  • 破損状態: 縁部分にひび2か所 ( mm、 mm)

 

「割れ」もある器ですが、このページでは「ひび」のみの修理をご説明します。
「割れ」部分の簡易金継ぎをご覧になりたい方はこちらへ ▸

金継ぎ修理する器のひびの上程を確認する

2ヵ所、ひびが入っています。
こういったときは「すぐにわかる」ひび以外にも「ほとんど見えないような」ひびも入っていることが多いですから、入念にチェックしてください。

ひびの入った器を修理する

ひびが「どこまで入っているか?」を判断するのも難しいところです。
目視で注意深くチェックしますが、限界もあるかと思います。
直している途中で「げ!もう少し先までひびが入っていた…」ということもしばしば起こります。そういったときは仕方がないのでやり直していますが、できれば未然に防ぎたいところです。

なので私は、あらかじめ「目視できるよりも長めにひびが入っている」という設定で修理をしています。

 

 

〈簡単金継ぎのやり方01〉 素地調整


簡単な金継ぎの素地調整作業で使う道具

簡単金継ぎの素地調整で使う道具: (※今回は②③のいずれかを使います)
① ダイヤモンドのやすり(ホームセンター等で入手 価格\600‐~) ②③ リューターのダイヤモンドビット (ホームセンター等で入手可能/価格 \200~)

▸ ダイヤモンドビットのカスタマイズの方法

 

素地調整で使うダイヤモンドやすり

ひびの修理では「リューターのダイヤモンドビット」が便利です。
「砲弾型」か、もしくは「球体型」が使いやすいと思います。

ひびの部分にやすりをかける

ひびの入っている個所をダイヤモンドビットでやすります。
いきなりゴリゴリと力を入れるのではなく、1回目はひびのラインを正確になぞるようにしてソフトにやすります。やするというより、ビットで線を描くような感覚です。2回目、3回目となぞるにしたがって少しずつ力も入れていきます。

「ひびの伸びている先」ですが、目視で確認できるその2~3ミリ先までを修理箇所としてやすります。

見えづらかったら、あらかじめ鉛筆やペンで目印を書いておきます。

ひびの部分にやすりをかける

器の縁の部分はやすりづらいですが、ここも慎重にやすってください。

器の裏側も同様にダイヤモンドビットでやすっていきます。

 

 

 

 

〈簡易金継ぎのやり方 02〉 新うるし塗り


簡単な金継ぎの新うるし塗り作業で使う道具と材料

新うるし(合成うるし)塗りで使う道具と材料

  • 道具: ③ 付け箆(▸ 付け箆の簡単な作り方) ④ 小筆 ⑤作業板(クリアファイルなど)
  • 材料: ① サラダ油 ⑥ テレピン ⑦ 新うるし(合成うるし。今回は「ゴールド色」)

 

 

いきなり「塗り」です。ひびの修理は早いです。すぐに終わります。

 

まずは使う前に筆をテレピンで洗って油を洗い出します。 ▸ 詳しい筆の洗い方

毎回、作業が終わったときに筆を”油”で洗います。 ですので使うときにはまず筆の中の油を取り除きます。

  1. 作業板の上に数滴テレピンを垂らす。
  2. その上で筆を捻ったりしてテレピンをよく含ませる。
  3. ティッシュペーパーの上でヘラで筆を優しくしごく。

 

 

続いて新うるしを塗る準備をします。

1⃣ 作業板の上に少量の金属粉をヘラで取り出します。
2⃣ 新うるしも少量だけ作業板の上に出します。
3⃣ ヘラでよく混ぜ合わせる。

 作業板の上で何本か線を引いて、筆に含まれる新うるしの量を調整します。

 

 

ひびの部分に新うるしを塗る

肉厚な線がお好みの方は筆に新うるしを多めに含ませてから塗ってください。
ただし、厚いほど乾きも遅くなります。

私も「特厚」で塗ってみたことがりました。表面は普通に乾いたのですが、中の方は5日経っても少し緩いままでした。

ですので厚い線を描きたい場合、時間に余裕のある方は、2~3回に分けて「乾いてから塗り重ねる」を繰り返したほうが結局は早く完成すると思います。

ひびの部分に新うるしを塗る

 

新うるしは硬化が速いので、描いている途中で粘り気が出てきます。
描きづらくなったらテレピンを混ぜて緩めてください。

 

  1. 新うるしのに1,2滴テレピンを垂らす。
  2. ヘラでテレピンを掬う(”濡らす”程度)。
  3. それを新うるしに混ぜる。

ただし、テレピンを何度も混ぜているとどんどん新うるしの濃度が低くなってきます。ということは塗膜の強度も下がってきてしまします。
「薄くなってきたかな…」と思ったら、新たに金属粉と新うるしを混ぜ合わせたものを作り直してください。その方がきれいな仕上がりになると思います。

ひびの部分に新うるしを塗る

器の縁部分は塗りづらいですが(常にこの「縁」部分は作業がやりづらいのです)丁寧に塗っていってください。

 

塗り終わったら油で筆を洗います。 ▸ 詳しい筆の洗い方

筆は付属のキャップを嵌めて保存します。キャップが無かったらサランラップを丁寧に巻いてください。

 

 

新うるしの表面は何時間かで硬化しますが、しっかりと固く「締まる」までには2~3日を見ておいた方がいいと思います。とくに「厚塗り」した時は乾きが遅くなります。1週間くらい待つ感じでしょうか。

使い出すまで、ちょっと辛抱してください。(新うるしの”匂い”が取れるのに数日かかりますので、どのみち待ちたくなると思います)

 

 

 

平皿の簡易金継ぎ修理完成


ひびの入った器を新うるしを使って金継ぎ修理

 

ひびの入った器を新うるしを使って金継ぎ修理する

 

ひびの入った器を新うるしを使って金継ぎ修理する

 

ひびの入った器を新うるしを使って金継ぎ修理する

 

ひびの入った器を新うるしを使って金継ぎ修理する

 

 

 

簡易金継ぎのページに戻る

 ▸ 簡易金継ぎ修理一覧ページに戻る

 

 

 

Pocket