自分でできる!初めての漆の塗り方・蒔絵の方法を完全ガイド 03

   レッツ うるし塗り!

自作の木のスプーンに蒔絵をする手順

スプーンの漆塗り工程、「蒔絵」編です。

金継ぎでやっているのと同様の手順です。
「漆を塗る→金属粉を蒔く」です。
まさか、「金」を蒔くリッチな方はいらっしゃいませんよね?いたら…すごい。

漆屋さんで錫粉、真鍮粉、銅紛などが売っています。それらは金、銀粉に比べると雲泥の差でリーズナブルです。

木のスプーン、漆塗りのスプーンは作家さんで作っている方がよくいらっしゃいますが、蒔絵のスプーンって作っている方はほとんどいないと思います。
何ででしょうか?それほど手間がかかるわけでもないと思うのですが。

私は蒔絵をして金属っぽくなっているスプーンというのに結構、惹かれます。不思議な感じがするからでしょうか。
木に金属が継いである感じはちょっと「変」ですよね。しかも「金属」で作ったものとも少し違う雰囲気なのもいいですね。

ご興味がある方、ぜひチャレンジしてみてください。
意外と簡単にできちゃいます◎

 

 

前回の作業を見る

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漆の塗り方

 

 

 

〈スプーンの漆塗り方法 04〉 蒔絵


 

金継ぎの漆の上塗り作業で使う道具と材料
漆の塗りで使う道具と材料

  • 道具: ② ティッシュペーパー ③ 付け箆 (▸ 付け箆の作り方) ⑧ 平筆 ⑦ 作業板(クリアファイルなど)
  • 材料: ① サラダ油 ⑤ 精製漆(今回使ったのは呂色漆) ⑥ テレピン

↑画像の「小筆」の代わりに「平筆」を使ってください。

漆を塗る用の筆
平筆は幅9~12㎜くらいのものがスプーン塗りでは使いやすい大きさかと思います。
100均のナイロン筆です。ちょっと「腰」が弱いので、もしかしたら少し毛先をカッターなどで短く切った方がいいかもしれません。
もう少し検証してみてから、また情報を掲載します。

 

 

筆を使う前にテレピンで洗います。  ▸ 詳しい筆の洗い方

毎回、作業が終わったときに筆を”油”で洗っているので、使うときにはまず筆の中の油を取り除きます。

  1. 作業板の上に数滴テレピンを垂らす。
  2. その上で筆を捻ったりしてテレピンをよく含ませる。
  3. ティッシュペーパーの上でヘラで筆を優しくしごく。

 

 

自作の木のスプーンにまずは漆を塗る

耐水ペーパーの#800~#1000くらいで研いだ後、水洗いします。
水分はティッシュやきれいなウエスで拭き取ります。

塗る直前に「タッククロス」という少しベタベタした布でスプーンに付いている細かいゴミを拭き取ります。
タッククロスを持っていない場合はきれい目の筆や刷毛でサラサラごみを掃いたりすればよいかと思います。

 

自作の木のスプーンにまずは漆を塗る

まずは漆を塗っていきます。
詳しい漆を塗る手順は前回のページを参考にしてください。

▸ スプーンに漆を塗るやり方

 

自作の木のスプーンにまずは漆を塗る

基本的には薄目に漆を塗っていきます。

 

自作の木のスプーンにまずは漆を塗る

 

 

自作の木のスプーンにまずは漆を塗る

スプーン全体に漆を延ばしていきます。

 

自作の木のスプーンにまずは漆を塗る

最後に筆を通して、全体の漆の厚みがなるべく均一になるようにします。

 

自作の木のスプーンにまずは漆を塗る

塗り終わりましたら、しばし待ちます。

湿した場所(湿度65%~)に置いて、40~60分程度といったところでしょうか。

 

作業が終わりましたら油で筆を洗います。 ▸ もうちょい詳しい平筆の洗い方

 

平筆はサランラップで包んで保管します。 ▸ もうちょっと詳しい平筆の保存の仕方

 

 

 

 

蒔絵タイムです。
金属粉をバサバサ蒔いていきます。

「金」を使いたい方、どうぞやってください。その資金力、羨ましいです。
私はもっぱら、錫粉か真鍮粉でやります。

 

金継ぎの蒔絵作業で使う道具と材料
蒔絵で使う道具と材料

  • 道具: ① あしらい毛棒(柔らかい毛質の筆) ③ 重石
  • 材料: ④ 蒔絵紛(今回は真鍮粉を使用)

蒔絵で使う真鍮粉、錫粉などは漆屋さんで売っています。
「箕輪漆行」さんが品揃え豊富です。(外部リンクの張り方がわからないので検索してみてください。リンクの張り方…誰かに教わりたいと思います)

 

自作の木のスプーンに蒔絵を施すやり方

筆の穂先で真鍮粉大量に掬いとります。

 

自作の木のスプーンに蒔絵を施すやり方

漆を塗った上に真鍮粉を乗せ、ササッと軽いタッチで掃いていきます。

 

自作の木のスプーンに蒔絵を施すやり方

手早く真鍮粉を広げていきます。
手早く作業を行わないと真鍮粉の「付き」にムラがでます。

でも、その「ムラ」もいい味になります。ので私は好きです。
また後日、このムラ仕上げをご紹介しますね。なかなかイイですよ。

 

自作の木のスプーンに蒔絵を施すやり方

さっさっと蒔絵紛を掃いていきます。

 

自作の木のスプーンに蒔絵を施すやり方

柄の分部も。

 

自作の木のスプーンに蒔絵を施すやり方

ちょっとやりづらいですが、側面も。

スプーンに蒔絵をする時、大量に蒔絵紛が下に落ちます。
クッキングシートなどのすごくツルツルした紙を下に敷いておくと、下に落ちた蒔絵紛の回収が楽にできます。

 

自作の木のスプーンに蒔絵を施すやり方

スプーンヘッドの裏側。

スプーンヘッドの「先端」というかエッジの部分が一番、やりづらいですが抜かりなく蒔絵をおこなってください。

 

自作の木のスプーンに蒔絵を施すやり方

蒔おわりました。

 

自作の木のスプーンに蒔絵を施すやり方

どうでしょうか?
「黄金色」です。真鍮ですけど。

 

自作の木のスプーンに蒔絵を施すやり方

クリップに挟んで漆を乾かします。
3日以上は待った方がいいと思います。
私はだいたい1週間くらい様子をみます。

 

 

 

 

自作の木のスプーンに蒔絵を施すやり方

 蒔絵スプーン完成

 

自作の木のスプーンに蒔絵を施すやり方

 

自作の木のスプーンに蒔絵を施すやり方

スプーンヘッドの先っちょ半分だけとか、スプーンの柄だけ蒔絵をするとかいろいろなデザインが可能です。

 

自作の木のスプーンに蒔絵を施すやり方

自作の木のスプーンに蒔絵を施すやり方

自作の木のスプーンに蒔絵を施すやり方

鳩屋の構想としてはこれらのスプーンの「貸し出し」ができないかな?と考えています。

 

蒔絵をした漆塗りのスプーン

 

蒔絵をした漆塗りのスプーン

 

蒔絵をした漆塗りのスプーン

無償貸し出し。
封筒で送って、2~3週間くらいを目途に返却してもらう。返却の際に封筒内に送料分の切手を入れておいてもらう(多分¥120-でいけると思います)。

鳩屋はどうやってお金を稼ぐの?…そのビジネスモデルはまだからっきし思いついていません(苦笑)。

まず「贈与」から始める。
身銭を切って差し出すことから「気持ちのいい循環」を自分の周りに作り出す。その輪の中から僕に返礼をしてくれる人がいたら、その人と挨拶を交わす。「こんにちは。いつもありがとう。僕の方も何か君にお返しできることはないかな?」と言ってくれる人と出会えたら、僕も嬉しい。(というか、そういう人たちと繋がれなかったら僕は廃業に追い込まれる…お~、キビシイ!)

 

蒔絵をした漆塗りのスプーン

「貸し出し構想」。これは以前、とあるギャラリーに持ち掛けたんですが、却下されました。お金にならない余計な仕事、面倒な仕事はお断りしたいという雰囲気でした。
まぁ、当然ですよね(笑)

けど、僕はこの構想は結構いいのではないか…と思っています。
自分の家で実際にスプーンを使ってみてもらう。「いまいちね」かもしれないし、「これ、結構いいじゃん」かもしれない。
とにかく「実際」に使って、身体感覚で確認してもらう。お店では「視覚」と「手触り」しか確認できない。でも実際に使う時ってそれだけじゃないですよね。口の中での感覚。食べ物の掬いやすさ。自分の持っている器との相性。食卓や部屋の雰囲気と合うか。
なによりもしばらく一緒にいて居心地がいいかどうか。「自分との相性」これが一番重要な気がします。
仕事から帰ってきて、疲れたな~と思ったときに、なぜかこのスプーンにすっと手が伸びる。しばらくスリスリしていたら、自然と全身の細胞が緩んでいく…
「いいもの」って基本的にそういうものかな――と思います。いつの間にかディフェンシブになっている「私」の壁を緩めてくれるもの、解放してくれるようなもの、他との繋がりを再起動させてくれるもの。

 

蒔絵をした漆塗りのスプーン

 

蒔絵をした漆塗りのスプーン

もし気に入ってもらえたら、後日受注生産といったところでしょうか?そのへん、無計画です。

別に「買おう」という目的で借りなくても、全くもってオッケーです。
他の作家さんやギャラリーで「貸し出し」なんてやっているところがないから、「借りてみたい」で当然オッケーです。伏見眞樹さんやセツローさんのスプーンが気になっているんだけど…そのテストとして(笑)でもいいです。本当に。

もしくは自作でスプーンを作りたいので、「その参考に」でも構いません。

 

いずれにせよ、「何か愉しそう」「気持ちのいい人たちとの繋がりができそう」な気がします。

準備が整ったらアナウンスしますのでご興味のある方はチェックしてみてください。(いつになるかな~?なるべく早くですね。)

 

自作の木のスプーンに蒔絵を施すやり方

なんか、「ウルトラマン全員集合」みたいですね。

 

 

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漆の塗り方

 

 

 

 

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