【Web金継ぎ教室】 Lesson02 欠けた器/ 初心者・久恒さんの金継ぎ往復書簡

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ファイツ!!

インターネット上で初心者相手の金継ぎ教室

このページは金継ぎ図書館のコンテンツを使って「金継ぎ初心者・久恒さんのファースト・チャレンジ」をナビゲートしていく企画です。(がんばれ!ツネちゃん!)
早い話、「インターネット金継ぎ教室」をしちゃおう!ということです。
▸ インターネット金継ぎ教室のルールについての説明

久恒さんは「リアル」に本漆金継ぎ初心者です。
(「簡漆金継ぎ」ワークショップにご参加くださったので、簡単な金継ぎは体験しています◎)
ですので、久恒さんの金継ぎに関する素朴な疑問などが、皆さんのお役にたつのではと考えています。

今回は〈 欠けた箇所に漆のパテを充填する 〉までの工程を説明します。

 

 

前回の作業を見る

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▸ Page 01 素地に漆を浸み込ませる

 

久恒さんとは?


 

久恒さん?ってどなたですか?

大分県で家業である林業を営んでいる女性の方です◎

 

 

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【 profile 】

 

 久恒 まゆ

 

東京都生まれ、大分県育ち

2011年  武蔵野芸術大学 木工専攻 卒業

 

在学中は「日本のものづくりの文化」
「人の手によって生み出される木の魅力」
「息の長いものづくり」
などを研究

 

商業空間の内装設計を経て、
現在は、家業の
 
六月八日/久恒山林株式会社
 
で、森を育てるところから製品づくり販売まで一貫して行う、
林業の6次化に取り組んでいる

 

 

 

 久恒さんが直す器は友人の陶芸家・大渕由香利さんが作ったカップです。


あっ、きれいな方ですねー◎

 
【 profile 】
 
大渕 由香利 / OHBUCHI Yukari
 
2011年 武蔵野美術大学 陶磁専攻 卒業
2011年 宇賀和子氏に師事
2014年 独立
 
現在、焼き物の産地・愛知県の常滑にアトリエを構え、
「移ろい」をテーマに制作を行っています。
 
ものづくりのモチーフは今までみた景色やその時の記憶、時間、季節、温度など
移ろいゆく中の一瞬を色彩で表現されています。

 

 あら、作品もきれい◎

陶芸でもこんなにきれいな色が出るんですね~。

 

 

 

 

 

 

 

<ツネさん1stチャレンジ 工程 02> 欠けた箇所に刻苧漆こくそうるし(パテ)を充填する


 インターネット上で初心者相手の金継ぎ教室

本漆金継ぎの刻苧漆こくそうるし(パテ)充填作業で使う道具と材料
▸ 道具と材料の値段と売っているお店

  • 道具: ① サランラップ  ② 作業板 ▸作り方  ③ 刻苧ベラ ▸作り方  ④ 練りベラ ▸作り方
  • 材料: ⑤ 生漆  ⑥ 小麦粉  ⑦ 木粉 ▸作り方  ⑧ 水

 

↑ これらの材料を使って穴に埋めるパテ状のものを作ります。
  ▸ 刻苧漆こくそうるし(パテ)の詳しい作り方
はじめての方はしっかりと↑こちらのページをお読みください。
失敗をしなくて済みますよー◎

 

今回、久恒さんが直す器の「欠け」の深さが「2㎜」ほどだということなので、
刻苧漆こくそうるし(パテ)を充填することにしました。

傷が「浅い」場合は
 ▸ 錆漆さびうるし(ペースト) で充填してください。

刻苧を使うのか、それとも錆漆を使うかジャッジする際の
ご参考までに。

傷の深さ 使う充填材
深い(2㎜以上) 刻苧漆
※ 一回の盛り厚は3㎜程度まで
それ以上の深さに充填する場合は
数回に分けて充填する
どっちつかず(1~2㎜) どちらでもお好みで◎
※ 錆漆を使う場合は1回で厚盛しない。
一回の盛り厚は1㎜程度まで。
それ以上の深さに充填する場合は
数回に分けて充填する
浅い(1㎜未満) 錆漆

 

 

刻苧漆こくそうるし(パテ)を作る作業手順としては、
まずは麦漆むぎうるし(接着剤)を作ります。

 

初めのうちは失敗しないように、ちゃんと計量スプーンを使ってやってみてください◎

 

作った麦漆に木粉を入れていきます。

 

 

※ 木粉が少ない(麦漆の分量が多すぎる)と
いつまで経っても乾かない刻苧漆こくそうるし(パテ)
になってしまいます!

▸ 刻苧漆こくそうるし(パテ)の詳しい作り方
はじめての方はしっかりと↑こちらのページをお読みください。

 

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いい具合に刻苧がまとまるようになってきました。

※木粉を足して練っているとき、最初はすこしパサついていても
すこし時間が経つと(1~2分)漆や水分が木粉に浸みてきてベタベタして
きます。ので、木粉の混合量は少し待ってからジャッジしてください。

金継ぎで使う刻苧漆を作る

↑画像のように刻苧からパッと箆が離れました。
よさそうです。

金継ぎで使う刻苧漆を作る

簡単に団子状にまとめて作業板から剥がせます。このくらいがいいです。

金継ぎで使う刻苧漆を作る

竹串で作った刻苧箆をペタペタ押し当ててみます。

金継ぎで使う刻苧漆を作る

 パッと箆が離れます。竹の刻苧箆でペタペタ触っても
箆離れがよく、ギリギリべたつかないくらい

このくらいだと刻苧自体に接着力もあり、適度に
乾くスピードもあるので使い勝手がよいと今のところ思っています。

 

(↓久恒さん画像)

↑画像で見る限り、まだ「木粉」が少ないように見えるのです。
ちょっと「べちゃべちゃ」し過ぎているような…

金継ぎ図書館からの注意アナウンスが足りなかった
(分かりづらかった)のかもしれません~。
済みません。

 

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↑この状態のものを使うと…もしかしたら、刻苧漆こくそうるし(パテ)が
乾かないかもしれません(涙)

久恒さんには申し訳ありませんが
よい「失敗例」としてこの画像を使わせてくださいー。
(いや、でもちゃんと乾くかもしれませんよ!)

きっと多くの初心者の方の参考になります。
許してくださいね~。

 

 

ということで「刻苧漆こくそうるし(パテ)失敗防止策」のご提案です!

 

初心者の方は
まずは一度「あらやだ、ちょっとパサパサになっちゃったかしら?」
というくらい多目に木粉を入れて(入れ過ぎて)から、
余らせておいた麦漆むぎうるし(接着剤)を追加する方が
いいかもしれません。

 

 

 

作業手順


 

予め麦漆むぎうるし(接着剤)を1~2割とっておきます
(脇によけて置く)

 

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敢えて木粉を入れ過ぎます。

あうち!刻苧がボソボソです。

でも大丈夫◎

 

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あらかじめ最初に脇によけて取っておいた少量の麦漆
を使います。

 

ボソボソになった刻苧漆に予備の麦漆を混ぜていきます。

ちょっとずつ様子を見ながら麦漆を足していってください。

 

金継ぎで使う刻苧漆を作る

 

 オッケーです。刻苧漆が蘇りました!

 

 

麦漆むぎうるし(接着剤)にちょっとずつ木粉を入れていって「ジャスト」を狙おうとすると
「どのくらいの塩梅がジャストなの??」って、その感覚が分からないですよね。

なので、逆転の発想で「敢えて、行き過ぎて(木粉を入れ過ぎて)から、
戻ってくる(麦漆をいれる)」方式でやってみるのはいかがでしょうか?
この方法で感覚を掴んでから普通のやり方に移ればいいかと思います◎

 

 

 

 

 
プラスチック箆の代わりに「檜箆」を使ったのですが、 良かったのでしょうか…?
・・・檜箆の場合、 素地のままだったためか刻苧漆が箆に引っ付いてしまい、
刻苧漆の硬さを確かめるときに箆でつつくとお互いが引っ付きあっ てしまって
確認しにくかったので、 柄に近い漆のついていないところで確認しました。
 

 

 

そうですね、檜べらは木地が漆や水分を吸い込むので結構、べたつきますよね。

なので、「竹」のヘラで確認するのがおススメです◎

 

ギリギリ、竹のヘラが「ぱっ」と離れるくらいが目安です◎

 

 

 

 

 

 

作った刻苧漆こくそうるし(パテ)を充填していきます。

 

 

※ このページも刻苧漆の使い方を詳しく説明していますが、
もうちょい(くどいくらいに)説明したページを作りました。
ご興味のある方は覗いてみてください。

 ▸ 刻苧漆こくそうるし(パテ)のつけ方・使い方 

 

 

ここからは静止画でご説明していきます。

 

岡田直人のピッチャーの金繕い修理のやり方

充填箇所の後ろからサランラップを当てがって指で押さえます。
(←意味、伝わりますか??)

 

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 器の内側から見ると↑のようになります。
器の欠けた箇所に指をぴったりと付けてください。

 

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 ぴたりとついています。

 

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 刻苧漆こくそうるし(パテ)をしっかりと詰め込んでいきます。

 器の素地にしっかりと密着させるようにします。

 

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 サランラップをくるっと器の内側に回します。

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 今度は器の内側から指で抑えます。
サランラップの上から。

 

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 表側から刻苧を盛っていた時にちょっと油断していました。
しっかり押さえきれていなかったようです。でも大丈夫。

 

 こちらからも押し込んで、
器の欠け断面に密着させるようにします。

 

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 内側から当てていたサランラップを
そのまま器の外側にぐるっと回します。

 

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 刻苧漆がぐるっと巻いてあります。

 

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 サランラップの上から親指、人差し指で軽く抑え込んで形を整えます。

 

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親指、中指で刻苧を挟みつつ…
形を整えていきます。

 

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 刻苧漆こくそうるし(パテ)を
「押し込み(→密着させる)」つつ「成形」する
です◎

 

 

 

※ 皆さんはゴム手袋をしてくださいね。オフェンシブにいきたい方はもちろん素手でもオッケーです◎ でもオフェンシブに行く必要はないと思います。

 

 

 

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 刻苧をなるべく引っ張らないように気をつけながら
サランラップを引いて取ります。

 

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 気を付けて…取ります。

 

 

岡田直人のピッチャーの金繕い修理のやり方

刻苧漆の盛り厚は、
器のラインと「フラット」か、もしくは「ほんのちょい盛り目」です。

 

 これはちょい盛りです。
乾いたら彫刻刀で削りますので大丈夫です。

 

刻苧漆の乾きに2週間程度、待ってください。
(刻苧に含まれる漆の割合、木粉の割合、漆自体の活力、
気温などによって乾きのスピードが異なります)

※ 特に「漆風呂」などの湿度の高いところに置いておく必要はありません。
刻苧漆こくそうるし(パテ)自体に「水分」が含まれているので
どこに置いておいても乾きます。

いや、やっぱ漆は風呂に入れないと気分でないしね。

という方はもちろん、風呂に入れてダイジョブです◎

 

 
まだ手順を確認しながらなので 作業がゆっくりになってしまうのですが、
この材料を使うときは作業時間を特に気にした方がいいというもの などありますか。
 

 

 

そうですね、麦漆むぎうるし(接着剤)漆や刻苧漆こくそうるし(パテ)は

乾きが遅いのでゆっくり作業をしていて大丈夫なのですが、
錆漆さびうるし(ペースト)は乾きが早いので、

ある程度作業手順を頭に入れておいてから
作業をした方がいいと思います◎

 

 

 

 

(↓久恒さん画像)

3~4日程度経ったらひとまずヘラなどで突っついて、
乾きのチェックをしてみてください。

① そこそこ硬化している。だけどまだ緩い感じがする

その場合はの対処方法は ↓
▸ 刻苧の乾きが悪い時のリカバリー方法

 

② からっきしプニプニしていて硬化する気配が感じられない…

その症状の場合、その刻苧漆こくそうるし(パテ)はかなり乾きの悪いものです。
やり直します。ガーン…!(涙)

カッターナイフなどで剥がしたり、ほじったりして
乾かない刻苧を取り除きます。

最後にエタノールやテレピンで軽く汚れを拭き取って、
再度、刻苧の充填作業です◎ ガンバ◎

 

 (↓久恒さん画像)インターネット上で初心者相手の金継ぎ教室

 

 

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全ての作業が終わったら作業板を掃除します。
テレピン、エタノールなどを垂らして、
ウエス、ティッシュできれいに拭き取ってください。

厳密に言うと、作業板の上には「ごくごく薄っすら」と
漆の成分が残っています。
ですので、この作業が終わるまではしっかりとゴム手袋をして、
ゴム手袋を外したあとは作業板も含めて
漆の道具類を触らないようにした方がいいです。

 

 

 
今回使った道具(檜箆・刻苧箆・スプ-ン・作業台)は
全てテレピンとティッシュで掃除して良いでしょうか。

 

 

 

そうですね、作業が終わった時にはテレピン(又は灯油、アルコールなど)と
ティッシュで作業板や道具類を掃除して漆を拭き取ってください。

 

 

 

 

 

 

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