【ダイジェスト版!】 割れた蕎麦猪口の金継ぎ修理

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ファイツ!!

 

口元が割れた蕎麦猪口の金繕い修理のやり方の「ダイジェスト版」を作ってみました。

  • 金継ぎ初心者さんにとっては金継ぎ作業の「全体の流れ」が分かります。
  • 中級者さんにとっては自分が知りたいコンテンツがどこのページに載っているのかが分かります。
  • 結構慣れているキンツギストにとっては度忘れしてしまった作業手順や配合比率を手っ取り早く調べることができます。

もっと詳しく(ややしつこく)やり方を知りたい方は各ページへのリンクが
途中途中に用意してありますので、そこから飛んでください◎

それぞれのページを詳しく調べたい方へ

 

※ 本物の漆を使った修理方法ですのでかぶれる」可能性があります。ご注意ください。

※ 万が一、漆が肌に付いた場合はすぐに「油(サラダ油など)」でよく洗って下さい。油?? そうです。「油」をつけ、ゴシゴシ漆を洗い落としてください。その後、その油を石けんや中性洗剤で洗い流してください。

 

 

 

「割れた器」の直す手順は…


  1. 割れた破片を漆の接着剤でくっつける
  2. 破片の接着時にできた隙間、段差を漆のペーストで埋める
  3. 漆を2~3回塗り重ねる
  4. 金属粉を蒔く(蒔絵) → 完成

です。意外とできちゃいそうですよね。

 

 

 

  Page 01      ▸ 破片の接着まで Page 01


器 information  ▸ 詳しいページへGo


口元の割れた蕎麦猪口

  • 器: 明治時代(?)の蕎麦猪口
  • 器の特徴: 磁器の絵付け、ややピカピカの釉薬
  • 器のサイズ: 直径77㎜、高さ63㎜
  • 破損状態: 口元 割れ2ピース+本体(割れの長さ 総計約850㎜)

 

 

口元の割れた蕎麦猪口の破片

 

こちらを直していきます。「本体+2ピースの破片」の【割れ】の修理です。このパターンはよくりますよね。

「割れ」た器はさらに「ひび」も入っている場合が多いので、チェックを怠りなく◎

 

 

 

01 漆で器の素地を固める  ▸ 詳しいページへGo


 道具  ・小筆 ・練りベラ ・作業板
 材料  ・生漆 ・テレピン(エタノールでも可) ・サラダ油 ・ティッシュペーパー  

 

生漆をテレピンで少し希釈します。
体積比(目分量)生漆 10:3 テレピン

作業を始める前にテレピンで筆の中の油分を洗い出します。
 ▸ 詳しい作業前の筆の洗い方

 

器の割れた断面に漆を塗っていく

 割れた断面全てに生漆を塗布してきます。

 

器の割れた断面に漆を塗っていく

ティッシュを押し当てて、ほぼほぼ拭き取ってしまいます。(でもほんの「僅か」に漆が残りますので大丈夫)

 

器の割れた断面に漆を塗っていく

 

 

作業後に筆を油で洗います。
 ▸ 詳しい作業後の筆の洗い方 

 

 漆風呂に入れます。6h~半日、湿度の高い状態(65%~)にします。

 

 

 

02 割れたピースを接着  ▸ 詳しいページへGo


 道具   ・練りベラ ・練りベラ ・作業板
 材料  ・生漆 ・小麦粉 ・水

 

体積比(目分量)小麦粉 1:1 生漆 ※水は適量
▸ 麦漆の詳しい作り方ページへ

 

器の割れた断面に麦漆を塗っていく

 薄く、均一に塗布していきます。

 

金繕いの麦漆接着作業

できたら「乾きかけ」を狙って接着作業をします。私は2~3時間、放っておいてから接着します。

 

金繕いの麦漆接着作業

しっかりと押し込んで、なるべく圧着させます。

破片が多い場合は接着する間に所々ズレが生じてしまいます。
全部のパーツがくっついたら、全体のズレを微調整して、なるべく「おおきくズレている」箇所がなくなるようにします。

 

金繕いの麦漆接着作業

 なるべく「自重」で圧着するポジションをとります。

麦漆の乾き待ち3~4週間
※ 乾きかけのグッドタイミングで接着できた場合は
1~2週間でしっかりと硬化します。

 

 ここまでの作業手順を詳しく知りたい方はこちらへGo↓

割れた器の金繕いの方法

▸ 破片の接着まで Page 01

 

 

 

  Page 02      ▸ ペースト削りまで Page 02


03 漆パテの充填   ▸ 詳しいページへGo


 道具  ・練りベラ ・刻苧こくそベラ ・作業板 ・サランラップ
 材料  ・生漆 ・木粉 ・小麦粉 ・水

 

麦漆むぎうるし(接着剤)漆に木粉を適量混ぜる。
ヘラが「ぱっ」と離れるくらい

▸ 刻苧漆こくそうるし(パテ)の詳しい作り方

 

割れた蕎麦猪口の隙間に刻苧漆を詰める

 大きな隙間、深い隙間に刻苧漆こくそうるし(パテ)を詰めていきます。

 

割れた蕎麦猪口の隙間に刻苧漆を詰める

少しずつ刻苧漆こくそうるし(パテ)を詰めていきます。

 

割れた蕎麦猪口の隙間に刻苧漆を詰める

周りの器のラインと滑らかに繋がるように(出っ張らないように)なるべく「ジャスト」の量を詰めていきます。

 

 漆風呂に入れます。(入れなくても大丈夫)1~2週間、硬化を待ちます。

 

 

 

04 漆パテの削り   ▸ 詳しいページへGo


 道具  ・彫刻刀(平丸刀、平刀) ・障子紙用丸刃カッター ・カッターナイフ(大)

↑これらの中の使いやすいものを使ってください。ベストは彫刻刀の2種をもっているといいです。が、「研げない」場合は、カッターナイフの2種を使うといいです。

 

 

詰めた刻苧漆を彫刻刀で削る

 

 

詰めた刻苧漆を彫刻刀で削る

器のラインから飛び出した部分を削ります。

 

 

 

05 漆ペースト付け   ▸ 詳しいページへGo


 道具  ・練りベラ ・付けベラ ・作業板
 材料  ・生漆 ・砥の粉 ・水 

 

体積比(目分量)… 砥の粉 10:8 生漆 ※水は適量
 ▸ 錆漆さびうるし(ペースト)の詳しい作り方ページへ

 

接着した箇所に錆漆を付けていく

小さな穴、細かい隙間にペーストを入れていきます。

 

接着した箇所に錆漆を付けていく

複数方向からヘラを通して、隙間に錆が入り込むようにします。

 

接着した箇所に錆漆を付けていく

 

接着した箇所に錆漆を付けていく

器の内側も錆を付けます。

 

 

 漆風呂に入れます。(入れなくても大丈夫)1~2日硬化を待ちます。

 

 

 

06 漆ペーストの削り・研ぎ   ▸ 詳しいページへGo


 道具  ・彫刻刀(平丸刀、平刀) ・障子紙用丸刃カッター ・カッターナイフ(大)

↑これらの中の使いやすいものを使ってください。

 

乾いた錆漆を彫刻刀で削る

 接着箇所の錆を削ります。

 

乾いた錆漆を彫刻刀で削る

「埋めた」箇所の錆も削ります。

 

 

 研ぎ


 道具  ・水入れよう容器 ・ ウエス ・ハサミ(ペーパー切り専用にしたもの)
 材料  ・耐水ペーパー(今回は#600) ・水

※ 耐水ペーパーとは「水を付けながら研げる紙ヤスリ」です。これの方が研ぎの効率が断然よいです◎

 

耐水ペーパーで研いで、錆漆の表面を平滑にする

1×1㎝にハサミで切ったペーパーをさらに三つ折りにして使います。

 

耐水ペーパーで研いで、錆漆の表面を平滑にする

器の内側も研ぎます。

 

金繕いの錆漆研ぎが完了

 

 もし、この時点でまだ凹んでいる箇所や小さなピンホールなどが見つかったら、もう一度「錆漆」を頑張ってください◎
私はだいたい2回、錆付け、錆研ぎをします。

 

 

 ここまでの作業手順を詳しく知りたい方はこちらへGo↓

 soba-choko06_ab006▸ ペースト削りまで Page 02

 

 

 

  Page 03      ▸ 蒔絵・完成まで Page 03


07 漆の下塗り   ▸ 詳しいページへGo


 道具  ・ティッシュペーパー ・練りベラ ・小筆 ・作業板
 材料  ・サラダ油 ・精製漆(今回使ったのは弁柄漆) ・テレピン

 

作業を始める前にテレピンで筆の中の油分を洗い出します。
 ▸ 詳しい作業前の筆の洗い方

 

割れた蕎麦猪口の金継ぎ修理方法。蒔絵のやり方

接着箇所、充填箇所の全てに漆を塗っていきます。

 

割れた蕎麦猪口の金継ぎ修理方法。蒔絵のやり方

 「厚塗り」にならないように気を付けます。

※ 厚く塗り過ぎると、塗膜に「縮み」というシワシワ現象が生じます。
ご用心ご用心。

 

割れた蕎麦猪口の金継ぎ修理方法。蒔絵のやり方

 

 

作業後に筆を油で洗います。
 ▸ 詳しい作業後の筆の洗い方 

 

 漆風呂に入れます。2~3日、湿度のある所(65%~)に置いてください。

 

 

 

08 下塗り研ぎ   ▸ 詳しいページへGo


 道具  ・水を入れる容器 ・ウエス ・ハサミ(ペーパー切り専用にしたもの)
 材料  ・耐水ペーパー(今回は#800) ・水

 

割れた蕎麦猪口の金継ぎ修理方法。蒔絵のやり方

 水を付けながら研ぎます。

 

割れた蕎麦猪口の金継ぎ修理方法。蒔絵のやり方

「平滑な面」がでるまで研ぎます。

 

この後、塗りをもう1,2回行うと「ふっくら」とした柔らかい漆の塗面になります。好みに依りますが、「ふっくら仕上がり」をご希望の方は「塗り→研ぎ」を繰り返してください。

 

 

09 漆の上塗り    ▸ 詳しいページへGo


 道具  ・ティッシュペーパー ・練りベラ ・小筆 ・作業板
 材料  ・サラダ油 ・精製漆(今回使ったのは弁柄漆) ・テレピン

 

 

作業を始める前にテレピンで筆の中の油分を洗い出します。
 ▸ 詳しい作業前の筆の洗い方

 

割れた蕎麦猪口の金継ぎ修理方法。蒔絵のやり方

 

 

割れた蕎麦猪口の金継ぎ修理方法。蒔絵のやり方

 接着箇所、充填箇所、それらすべてをカバーするように塗っていきます。

薄目、均一を心掛けてください。

 

割れた蕎麦猪口の金継ぎ修理方法。蒔絵のやり方

 

 

作業後に筆を油で洗います。
 ▸ 詳しい作業後の筆の洗い方 

 

漆風呂に入れます。30分程度、湿度のある所(65%~)に置いてください。

 

 

 

10 蒔絵    ▸ 詳しいページへGo


 道具  ・柔らかい毛質の筆 
 材料  ・蒔絵紛(今回は真鍮粉を使用)

 

割れた蕎麦猪口の金継ぎ修理方法。蒔絵のやり方

 

 

割れた蕎麦猪口の金継ぎ修理方法。蒔絵のやり方

十分な量の蒔絵紛を乗せます。

 

割れた蕎麦猪口の金継ぎ修理方法。蒔絵のやり方

ソフトタッチで蒔絵紛を掃いていきます。紛が少なくなって来たら、適宜足します。

 

割れた蕎麦猪口の金継ぎ修理方法。蒔絵のやり方

 

 

 

漆風呂に入れます。1週間ほど湿度のある所(65%~)に置いてください。

 

 

 ここまでの作業手順を詳しく知りたい方はこちらへGo↓

soba-choko11_aa010▸ 蒔絵・完成まで Page 03

 

 

金繕い完成


割れた蕎麦猪口の金継ぎ修理方法。蒔絵のやり方

 

 

割れた蕎麦猪口の金継ぎ修理方法。蒔絵のやり方

 

割れた蕎麦猪口の金継ぎ修理方法。蒔絵のやり方

 

 

 それぞれのページを詳しく調べたい方へ

割れた器の金繕いの方法Antique Soba Cup 2016-07-30 
Japan 蕎麦猪口


Page 01 素地の研ぎ~麦漆接着
Page 02 
刻苧飼い~錆漆研ぎ
Page 03 漆塗り~蒔絵・完成

 

 

 

 

 

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