〈金継ぎRECOVERYシリーズ〉01 錆漆付け失敗したときの復活方法

金継ぎの錆漆が膿んでいる

 本物の漆を使った修理方法ですので「かぶれる」可能性があります。ご注意ください。

 

「金継ぎ失敗したよ。どーすんの!?」という危機に瀕した際の復活方法を集めてシリーズ化していきます!(次回は未定)
今回は第一弾

錆漆の「縮んだ時」「膿んだ時」の対処方法

case 01


金継ぎの作業をしていて↑のような画像、見たことありますか?錆漆が「ちぢんだ」状態です。
錆漆の表面が皺しわになっています。ちょっと…引きますよね(苦笑)

↑のように縮んでいなくても、錆漆がいつまでたっても(2~3日たっても)乾かない場合があります。
それは「膿んで」います。残念ですが。

 

「縮む」「膿む」原因は次のいずれかが考えられます…
①漆分の割合が多すぎた(かつ湿度が高くて急激に乾きすぎた。今回はこれかな?)
②錆漆を厚くつけすぎた

また、似たような現象で③生漆が古くて「乾かない漆」になっており、そのせいで錆漆が乾かない…という場合があります。
その場合は漆自体に問題があるので新しい生漆を買い直さないと問題解決しません。
生漆は夏場(30℃以上)の時期、冷蔵庫に入れておけば2年間くらいは乾いてくれます。(徐々に元気がなくなってきますが)

金継ぎの工程で行った錆漆が膿んでしまった

上から見ても錆漆が縮んでいるのがわかります。

縮んだり、膿んだりすると錆漆の内側が乾きません。いつまでもぐずぐずしています。
(実は乾くのですが、すごく時間がかかります。何週間も)

縮んだ錆漆はなかなか乾かない。爪で押してみると簡単にへこんでしまう。

爪を立ててみると…

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簡単に錆漆が爪型にへこみます。(真似しないでね。かぶれますよー。)

この場合の対処方法は…
① ほっとく(そのうち乾きます)
② 乾いていない錆漆を取り除く
です。

急いでいない場合は「ほっとく」でもいいと思いますが、ちゃっちゃと進めたい場合は取り除きます。
残念ながらやり直した方が断然早いのです。非常に残念です。

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錆漆を取り除きます。竹串でも箆でもカッターでも何でも構いません。

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柔らかい錆漆はすべて取り除きます。
すでに硬化している錆漆は取らなくて大丈夫です。

「俺はきれいにしないと気が済まん」という人は取り除いてください。

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削っても錆漆のカスが残るようでしたら、テレピンを少量つけたウエスで拭き取ってください。

錆漆を付け直します。

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今回は少し薄目に錆漆を付けました。

 

case 02


もう一か所の失敗もご覧ください。

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こちらも爪で押すと

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へこみます。こころも

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刻苧箆でほじくり出します。

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硬化して乾いた錆漆はそのままにして、乾いていない錆漆だけ取り除きます。

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除去し終わりました。

それから錆漆を再度付け直します。

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今回はやや薄目に錆漆を付けました。

 

case 03


こちらも失敗した錆漆付けです。ご覧ください…うう…

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縮んでいます。

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爪で押すと

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へこみます。はい。

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箆で取り除きます。

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乾いていない部分の錆漆を取り除きます。
乾いている錆漆はそのままです。

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↑で残っている錆漆は乾いていました。
厚盛した箇所の錆漆が縮んでしまいました。うう…

 

錆漆を付け直します。

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ちょい薄目を心がけます。

この錆漆が乾いたあと繰り返し錆漆を重ねていきます。

 

今日のまとめ


  今回この金継ぎリカバリーシリーズ第一弾を書いてみた感想ですが、改めて資料として「失敗例」ってすごく重要だと思いました。
普通は「成功例」しか載せませんからね。
失敗した時にどうやったらリカバリーできるかが瞬時に判断つくというのが「経験者」ってところですよね。

実は…皆さんのお役に立ちたいという使命感から今回はわざと失敗をしました。(うそです)

以上、見てきましたように「縮む」「膿む」という現象は非常に精神をへこまされることになりますので、「厚盛り厳禁」で地道に作業してください。ね。

 

 

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