Lesson02 接着!  【Web金継ぎ教室】割れた器/ 初心者・カワチ製菓さんとの金継ぎ往復書簡

本漆金継ぎ

 

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ファイツ!カワチ!!

 

※ 金継ぎ(金繕い)修理のやり方を説明していきます。本物の漆を使った修理方法ですのでかぶれる」可能性があります。ご注意ください。

※ 万が一、漆が肌に付いた場合はすぐに「油(サラダ油など)」でよく洗って下さい
油?? そうです。「油」をつけ、ゴシゴシ漆を洗い落としてください。その後、その油を石けんや中性洗剤で洗い流してください。

 

 

このページは金継ぎ図書館のコンテンツを使って「金継ぎ初心者・川地さんのファースト・チャレンジ」をナビゲートしていく企画です。(がんばれ!カワチ!)
早い話、「インターネット金継ぎ教室」をしちゃおう!ということです。
▸ インターネット金継ぎ教室のルールについての説明

川地さんは「本当」に金継ぎ初心者です。ですので、カワチさんの金継ぎに関する素朴な疑問などが、皆さんのお役にたつのではと考えています。

 

 前回の作業工程を見る

▸ 割れた断面を漆で固めるまで

 

 

カワチ製菓とは?


カワチ製菓…??それはお菓子屋さんですか??
そです。お菓子屋さんです。それと金属カトラリーを作る作家さんです。
二足の”わらじ”を履いている女性の方です。

 

 

 

【 profile 】

 

 川地 あや香

 

岐阜県多治見市生まれ
2009年  東京芸術大学 大学院 工芸科鍛金専攻 修了

 

在学中はフライパンやケーキ型、カトラリーなどを研究
自作の道具を使いながら、お菓子のケータリング活動などもする

 

 

 

 ▼ カワチさんのソフト・エッジなカトラリー

 

「カワチ製菓さんとは誰ぞ?」ともっと知りたくなった方は
カワチさんのHPを覗いてみてください。
↓をクリック

 

▸ カワチへGO !

 

 

 

 

↑カワチさんが直している器です。

※ ここからは図書館にある既存の画像を再利用して、カワチさんにアドバイスしていきます。

 

 

 

<カワチさん1stチャレンジ 工程 03> 破片の麦漆むぎうるしで接着




麦漆むぎうるし接着で使う道具・材料 ▸ 道具・材料の値段と売っているお店 info 

  • 道具: ② 作業板 ▸作り方  ③ 練りベラ ▸作り方   ④ 付けベラ ▸作り方  ⑦ マスキングテープ
  • 材料: ① 水  ⑤ 生漆  ⑥ 小麦粉

 

漆を使って接着剤を作ります。 ▸ 麦漆むぎうるし(接着剤)の詳しい作り方

※ 麦漆むぎうるし(接着剤)の”正味期限”は2~3日くらいと考えてください。
基本的に「使うときに作る」が原則です。保存があまり効かないので、「作り置き」は避けてください◎
作った時が一番「乾き」がよく、時間が経つほど、どんどん乾きが悪くなってきます。

 

 

体積比(目分量) … 小麦粉 1 : 1 生漆  ※ 水は適量

  1. 小麦粉、水を出します
  2. 水を少しずつ足しつつ、練っていきます
    (ガムみたいに粘るまで)
  3. 生漆を少しずつ足しつつ、練っていきます
  4. 完成です◎

 

麦漆むぎうるし(接着剤)の作り方動画

 

※ 割れたパーツが多い場合…

麦漆むぎうるし(接着剤)を塗布する前に
あらかじめどのパーツがどの部分に来るか確認しておきます。

 

  1. 接着する前に一度、組み立てます。
  2. そのまま「展開」します。(この置いたポジションをなるべくキープしてください)
  3. 混乱防止のために番号を書いたマスキングテープを貼っておきます。
    番号は何となく「隣合うパーツが連なっていくように」してください。
    ランダムにナンバーをふったら意味ないです。よ◎
  4. 接着剤を塗ったあと、元あった位置に順番通りに並べていきます。

↑これ、やっておかないと「カオス」になります(涙)

番号をふっておけば、万が一、「並び順」が崩れてしまった時も
どこにくる破片か予想がつきやすくなります。

 

 

 麦漆の扱い方

  1. ヘラで麦漆を均一に薄く伸ばす。
  2. 伸ばした麦漆の右側にヘラをスタンバイする(ヘラは少し寝かせる)。
  3. ヘラを左側にスライドさせる。
  4. ヘラの先っちょに麦漆が少しつく。

 

 

 

カワチ便り ▼

 

 

ちょっと怪しい気がするけど…大丈夫だと思います◎

もしかしたらちょっと水が多かったかも。

 

 

 

配合の加減が、大丈夫かな?と~

 

「うっすらと麦漆むぎうるし(接着剤)の表面に漆が滲んでくる感じ」がわからなかったのですが、あとでわかりました。

あ、でも「あとで、」てことは3秒じゃないから、遅すぎるのかな。。
でも、計量スプーンでやった場合は、漆を足さなくていいんですもんね。。

これって、配合をミスっても「接着剤として機能しない」っていうわけじゃ、ないんですかな???

 

 

 

そうだね。計量スプーンで計ってあればそれで大丈夫(なはず!)。
漆が「薄っすらと滲んでくる感じ」…は、経験していくうちにつかめてくると思います。
ので、しばらくは面倒だけど計量スプーンで計ってやることをおススメします。

配合をミスした場合ね。

  • 漆分が少ないと…漆が少ないほど接着力が下がります。あまり少なすぎると修理したはずの箇所が使っているうちに「ポキリ」と取れちゃうかも。
  • 漆分が多過ぎると…乾きがすごく遅くなります。いつかは乾くと思いますが、1~2ヶ月かかるかもしれません。でもきっと乾くはず◎

でも、大体はなんとかうまくいくものです。ちょっとくらい多くても、ちょっとくらい少なくても意外と大丈夫◎ 恐れずいきましょう。

 

 

 

器の割れた断面に麦漆を塗っていく

麦漆むぎうるし(接着剤)の乾き具合をチェックするためにいらない紙やハガキなどに
麦漆を薄く付けておきます。
作業始めと、終わりに付けておくといいかと思います。

 

 

接着の手順

 

麦漆むぎうるし(接着剤)はなるべく薄く塗っていきます。
カスカスじゃだめですが。

麦漆の厚みがあるほど
接着したときのズレがどんどん大きくなっていきます。

 

 

本体の断面に麦漆むぎうるし(接着剤)を塗り、
次は破片の断面にも塗っていきます。

 

 

カワチ便り ▼

 

うむ、ダイジョブそう◎

 

 

こう、つけた麦漆むぎうるし(接着剤)が「ムニュっ」と出るくらいのが、いかにも「つけたなあ~◎」という気分になれますが、
それじゃ塗り過ぎなんですもんね??

 

 

そう、それは塗り過ぎよね。
接着剤が厚いデメリットとしては

  • 間に「異物」が挟まっている状態になりますので、破片同士のズレが大きくなりやすい。
  • 接着剤が厚いほど、乾くのも遅くなる。

 

 

 

麦漆むぎうるし(接着剤)が乾き始めるのを待ちます。
麦漆の表面が乾いてきて、少しマットになってきます。

器の割れた断面に麦漆を塗っていく

40~90分といったところでしょうか。
(かなり時間の幅がありますね。これじゃ、参考にならないかな)

「乾き始めていない」状態で接着しても大丈夫なのですが、「乾き始め」のちょうどよいタイミングでくっつけると、接着作業がやりやすいですし、その後の麦漆むぎうるし(接着剤)の乾きも明らかに早いです。

ですが、ちょっと不安なのね、という方は少し早めに接着作業を行ってください。

 

 

 

 一つ嵌めるごとにぐりぐり押し込んでいきます。

できるだけ押し込めるようにしてピース同士の隙間をなくします

全てのピースを嵌めた後、改めて全体をいろいろな角度から見て
ズレを修正していきます

けど、やっぱり少しはズレます。これはしょうがないですよね。
ピースが多いほどズレやすくて難しいです。

 

麦漆で接着した器を立てて乾かす

重力を考えて圧着される置き方にします。
何を使ってもいいので安定するように置いてください。

このまま2週間くらいを目安に安置しておきます。

 

 カワチ便り ▼

 

 

ひとまず壁に立てかけて安定させてますが、2週間後、持ち上げたら、ポキッ となるのではないかという恐怖。。
絶対、触っちゃだめなんですもんね、2週間~~??

 

 

いやいや、意外とうまくくっついてくれるものですよ◎
むしろ滅多に失敗しない気がします。

それから「絶対に触っちゃダメ!」ってほど、厳密なものじゃないので、動かしても大丈夫です◎
ただし、接着箇所に常に重力がかかっている状態(圧着している状態)をキープしてください。

 

 

 

 

このあと、作業板や箆はテレピンとティッシュで拭き取り掃除ですか?
時間がたってからもテレピンなら落とせますか?

 

ヘラは普段は、ペン立てとかにいれて上を向いて刺さっている感じで保管されてますか?

 

 

 

時間が経つと、麦漆むぎうるし(接着剤)が取りづらくなるので、作業が終わったらなるべく速やかに掃除してください。

複雑な割れの器で、接着作業にすごく時間がかかってしまうときは、途中途中で作業板をきれいに掃除した方がいいです。作業板に麦漆や錆漆がガビガビついていると、ヘラがひっかかって作業がやりづらくなりますし、テンションも下がります。
レッツ・キープ・クリーンです◎

ヘラは、そうですね。僕もペン立てに入れて立てたり(箆の先を上に向けて)、あとは程よいサイズの箱に寝かして入れてます。

 

 

 

 

 

 

あと私、学生時代に漆をちょっとだけ触ったことがあったのですが、その時は「かぶれ」ませんでした。
なので、「カブレ」の恐怖を分かってなくて。

「掃除し終わった道具でも素手で触らない方が安全」…とありますが、痛い目を見たことがないので、けっこう「大丈夫だろ」みたいになってしまう気がします(笑)

 

これって個人差あるんですか?以前、漆を触ってもかぶれなかった人は、漆の取り扱いにすごく神経質にならなくてもいいのでしょうか?

 

 

(また後程お答えしますので、しばしお待ちください)

 

 

 

 

ということで、【カワチさんの金継ぎファースト・チャレンジ2日目】は終了です。
どうでしょう?カワチ、わかった?
ちょっと難しかったかな??

(↑済みません。本人はそんなこと一言も言っていません)

はたして、この説明で初心者・カワチさんは無事、接着までたどりつけるのか…?

 

↓カワチ製菓さんのお菓子です。
カワチ、なぜ、こんなに焼き印が押してあるんだ??

 

↓カワチ製菓さんに興味が湧いた方は覗いてみてください◎

▸ カワチへGO !

 

 

第三回インターネット金継ぎ教室を見る

▸ 刻苧漆こくそうるし(パテ)を埋める

 

 

 

 

 カワチのこと


 カワチとは大学が一緒だったのですが、カワチは僕の2つ下の学年。しかも専攻も違っていたので、在学中はお互い存在を知りませんでした。(僕は”漆”で、カワチは”鍛金”)
カワチと知り合ったのは名古屋の河合塾で教える”同僚”としてでした。
でも一緒に働いていたのは1年間だけ。その後はお互い何をやっているのかまったく知らないままでした。
それで約10年の月日が経ち…去年(2016年)の7月くらいに僕はご近所の本屋さんにぶらぶらと立ち読みに行ったんです。それで確か「nid」という雑誌だったと思うのですが、パラパラと流し読みしていたら…カ・ワ・チ…! おっ?カワチじゃん!!って、カワチが雑誌に載っていたのです。お菓子と金属カトラリーの作家さんということで取り上げられていました。

で、なんだか嬉しくなって、速足ですたこら家に帰ってネット検索。
カワチは素敵なHPを作っていまして、スゴイ―!!って感動しながら、コンタクトページから連絡したんです。そしたらすぐに反応してくれて…という具合に再びお付き合いが始まったわけなんです。

カワチのHP、見ましたか??あいつのHPは手仕事感があるんです。手仕事だし、「手触り」があるんです。こう、画面がフラットじゃなくて、ザラついているし、凹凸があるんです。これっておかしいですよね(笑)でもあいつのHPはそんな感じなんです。
歪んでたり、上手く収まっていなかったり。それを出せる人ってスゴイな~って思うのです。
綺麗でスタイリッシュなHPならいくらでもありますけど、こういった「触覚的」なHPってないよなーって、僕はこれを見て、「すごい、スゴイ」と連呼しながら、その感動を何通もカワチにメールしました。

カワチってこんな感じのやつなんです。このHPみたいなやつなんです◎
なかなかイイやつなんです。

なので、ぜいぜひカワチ製菓をよろしくお願いします。
そしてぜひHPを覗いてみてください。ザラついてますよ(笑)▼

▸ カワチへGO !