欠けた上泉秀人さんカップの金継ぎ方法 5/5 完成まで

上泉秀人さんの欠けた器の金継ぎ修理が完了。

※ 口元が欠けたカップの金継ぎ修理のやり方を説明していきます。本物の漆を使った修理方法ですので「かぶれる」可能性があります。ご注意ください。

今回は金継ぎの工程のうち、〈蒔絵の漆固め~金粉の磨き・完成まで〉のやり方を解説していきます。

 

STEP 01 蒔絵の紛固め


金継ぎの蒔絵固めで使う道具と材料(▸ 蒔絵の固めで使う道具・材料の入手先・値段

  • 道具: 小筆、付け箆 
  • 材料: 生漆、テレピン、サラダ油、ティッシュペーパー

 

まずは使う前に筆をテレピンで洗って油を洗い出します。
 ▸ 使用前の詳しい筆の洗い方

 

蒔絵紛の固め作業ではテレピンで希釈した生漆を使います。

生漆 10 : 3 テレピン

くらいの割り合で希釈してください。

 

それでは紛固め作業に移ります。

前回おこなった蒔絵の金粉がしっかり乾いている。

 蒔いた金粉が上塗りした漆が乾いたら、金継ぎの蒔絵紛固めの作業をします。

金継ぎの蒔絵固め方法では希釈した漆をたっぷりと浸み込ませていく

 金継ぎの「紛固め」では蒔絵で蒔いた金粉の隙間にその上から漆を浸み込ませることでしっかりと固着させます。

蒔絵した金粉の隙間に漆を塗り込む

しっかりと固定されていない蒔絵紛もありますので、なるべくジョリジョリと摩擦を与えないようにします。金粉が動いたり取れたりしてしまいますので。

蒔絵の固め作業が終了

漆の塗り忘れのないようにしっかりとチェックします。
特に器のとのキワを気を付けてください。

続けて大きい方の欠けを作業します。

上泉秀人さんの器の欠けを修理する

 こちらも希釈した生漆で金粉を固めていきます。

筆にたっぷりと漆を浸み込ませてそれを蒔絵した金粉の上に塗布していく

 たっぷりと生漆を含ませた筆を置くようにして作業を進めます。

筆で金粉を擦らないように気を付ける

 なるべく摩擦を与えないように気をつけます。

金継ぎの蒔絵固め工程では生漆をたっぷりと塗っていく。

 器の縁の部分も忘れずに漆を塗布します。

欠けた器の固め作業が終了です

 金継ぎ蒔絵固めの漆の塗布作業が終了しました。

 

 

塗り終わったら筆をサラダ油で洗います。 ▸ 使用後の詳しい筆の洗い方

洗い終わったら筆にキャップをつけて保管します。
キャップがなかったらサランラップで優しく包んでください。

 

続いて漆の拭き取り作業です。

せっかく塗った漆ですが、蒔絵粉の隙間に吸い込まれて行かなかった余分な漆をティッシュで拭き取ります。

金継ぎの蒔絵した部分をティッシュを押し当てて漆を吸い取る

4回くらい折り畳んだティッシュを 蒔絵部分に優しくそっと押し当てます。

ティッシュには吸い取られた漆の跡がつく。この作業を繰り返しおこなう。

 蒔絵紛に吸い込まれて行かなかった漆がティッシュに吸収されます。
この拭き取り作業をティッシュの拭き取り面を替えながら漆がティッシュにつかなくなるまで繰り返します。
4~5回ティッシュで押さえれば漆がつかなくなると思います。

上泉秀人さんの器の小さな欠けも金継ぎの蒔絵固めの拭き取りを行う

 はい、しっかり余計な漆が拭き取れました。
この作業でしっかり漆を吸い取っておかないと金粉の発色が悪くなります(黒っぽくくすんだ感じになります)。

欠けた部分にティッシュを押し当てる

 大きい欠けの方もティッシュを優しく当てて、漆を吸い取ります。

蒔絵に吸い込まれなかった漆をティッシュでやさしく拭き取る

 ティッシュに漆がついています。
漆が付かなくなるまで繰り返します。

金継ぎの蒔絵固め作業が完了

漆の拭き取り作業が完了しました。

これでようやく金継ぎの蒔絵固め工程が終了です。
ご苦労様でした。

 固めた器は湿した場所(湿度65%~)に置いて2~3日乾かします。

 

 

STEP 02 蒔絵の紛磨き


金継ぎの蒔絵紛磨きで使う道具と材料

ネットで「メノー棒」というので検索してみたら、ホルベインというメーカーからいろいろな形状のメノー棒が出されていました。便利そうです。が、高い。価格が10,000円以上です。ちなみに私が今回の金継ぎ紛磨き工程で使ったメノウ棒はお値段1,000円くらいです。
1万円はちょっと高い気がしてしまいます。これなら鯛の牙で磨き棒を拵えてみようかな…と思いますよね。簡単ですのでそのうち作り方をご紹介します。

 

上泉秀人さんの欠けた器の金継ぎが完成

 しっかりとホールドされた金粉を磨いて光沢を出します。

蒔絵の磨き作業ではメノウ棒を使う

 今回の金継ぎの蒔絵紛磨きにはメノウ棒という道具を使いました。
東急ハンズで買った彫金用『めのうヘラ』。お値段¥1,080-くらいです。
先端にメノウという石がついています。

器の欠け部分を丁寧に磨いて金を光らせる

 コリコリと金粉をすり潰すように磨いていくだけです。特にコツはないような気がします。もし、何か気が付いたら加筆します。誰か蒔絵師の方にご教示願わないといけませんです。

金継ぎの蒔絵をした場所を磨いて光らせる

メノウ棒で磨いたところがテカテカ光っています。

金継ぎの蒔絵磨き作業が完了

 この器の依頼主の方は以前「内田剛一さんの懸け仏」の修理を依頼してくれた人です。その時、お話しした感じから判断して、金継ぎの仕上げを「きれい」にというよりは少し「素朴な感じ」の方が依頼主の感覚にフィットするだろうなと思いました。

器の小さい欠けた部分も金粉をメノウ棒で磨く

 小さな欠けもメノウ棒で金粉を磨いていきます。

丁寧に蒔絵部分を磨いていく。

 コリコリ磨いていきます。

磨いた場所は金色に輝きだす

 テカテカしてきます。器とのキワもしっかり磨いていきます。

上泉秀人さんの欠けた器の金継ぎが完成

 器の口元の縁もしっかり磨きます。

金継ぎが完成

 金継ぎの金紛磨き作業が終了しました。

完成です。

 

 

 欠けた器の金継ぎ完成


 今回は長々と詳しく金継ぎの工程を解説してきました。
ようやく完成です。

上泉秀人さんの欠けた器の金継ぎが完成

 

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上泉秀人さんの欠けた器の金継ぎが完成

 

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上泉秀人さんの欠けた器の金継ぎが完成

 

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上泉秀人さんの欠けた器の金継ぎが完成

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