欠けた上泉秀人さんカップの金継ぎ方法 2/5 ~錆漆の削りまで

錆漆が縮んでいる。

※ 口元が欠けたカップの金継ぎ修理のやり方を説明していきます。本物の漆を使った修理方法ですので「かぶれる」可能性があります。ご注意ください。

今回は金継ぎの工程のうち、〈錆漆のやり直し~錆漆を削るまで〉のやり方を解説していきます。

 

step 01 失敗した錆漆を削ってやり直す


錆漆除去に使う道具: 固めの棒やカッターなど(今回は竹箆を使いました)

 残念ながら前回の金継ぎ錆漆付け作業一回目が失敗しました…。うう。

漆分が多かったようで、「縮んで」しまいました。このまま半月~一か月くらい放っておけばしっかり固まると思いますが、あとあと仕上がった時に影響がでてきてしまうと思うのでやり直します。

金継ぎの錆漆作業が失敗して錆漆が縮んでしまった

げ!って感じでしわしわしています。嫌な感じですね。
まぁ、仕方ないです。失敗することもあります。

こういうふうになったら錆漆を取り除いた方が作業が断然早く進みます。

取っちゃいましょう。

金継ぎ作業の錆漆が縮んだのを刻苧箆を使って削り取る

竹で作った刻苧箆で錆漆を削っていきます。
乾いていないので、柔らかくてボロボロ取れます。

乾いた錆漆はそのまま残しておいて、乾かなかった錆漆を削り取る。

取れるだけ取っちゃいましょう。もう一度錆漆付けからやり直すので、錆漆が中途半場にくっついているとやりづらそうだったら完全に全部取っちゃってもいいです。

今回は薄く錆漆を盛った箇所はしっかり乾いていたので、取り除かずにしておきました。

削り取ったら、金継ぎの錆漆作業の1回目に戻る。

取り除いたら、↑錆漆の工程をもう一度行います。今度は漆分の量を気を付けました。錆漆の厚みも少し薄目にしました。(ちょいビビり気味です)

 

step 02 錆漆2回目


 金継ぎの錆漆工程で使う道具と材料(▸ 錆漆付けで使う道具・材料の入手先・値段

  • 道具: プラスチック箆、付け箆(▸ 付け箆の作り方)、綿棒、豆皿
  • 材料: 生漆、砥の粉、水、テレピン

錆漆を作ります。 ▸ 詳しい錆漆をつくる方法

金継ぎの錆漆付け一回目がしっかり乾いた。

↑やり直した金継ぎ一回目の錆漆がしっかり乾いています。よかった。
欠けた部分に充填した錆漆の厚みが足りないのでもう一回錆漆を付けていきます。

今回は1回目の錆漆を削ったり、研いだりせずに2回目を付けました。
錆漆が付けにくそうだったら軽く削り・研ぎをしてからにしてください。

器の欠けた部分に錆漆を乗せる。

錆漆を箆先に取って、それを付けます。

載せた錆漆を箆で広げていく。

付けた錆漆を箆で広げていきます。足りないようでしたら錆漆を付け足します。

箆で錆漆を左右に通してきれいに均していく。

器全体の形、ふくらみ具合、カーブに合わせながら箆を上下左右に通して錆漆を整えます。

金継ぎの錆漆付け2回目が完了

こんな感じでひとまずオッケーです。錆漆は盛りすぎに注意です。

続いて小さい方の欠けにも錆漆を盛っていきます。

器の小さい欠けの方も錆漆付けを行う。

こちらもしっかり金継ぎ一回目の錆漆が乾いています。よかったです。

器のヘリを利用して錆漆を乗せる

錆漆を付けるときのコツは「エッジを使う」です。(カドがある場合に限りますが)

金継ぎの錆漆付けを箆で行う。

器の口元の縁に沿って「擦りつける」ように箆を動かし、錆漆を置いていきます。

欠けた部分に置いた錆漆を箆で左右に広げて均す

その錆漆を上下左右と箆を通して均します。

金継ぎ作業の錆漆が完了

錆漆が少しガサガサしていますが大丈夫です。乾いたら削りますので。

※ 錆漆の滅茶苦茶詳しいつけ方(かなりしつこい)ページを作りました。
ご興味のある方はそちらもご覧ください。 ▸ 金継ぎで役立つ錆漆のつけ方

 

step 03 錆漆の削り


金継ぎの錆漆削りで使用する道具: 彫刻刀など(メス、カッターなどでもオッケー)

▸ 錆漆削りで使用する刃物の選び方

乾いた錆漆を削っていきます。

前回行った錆漆がしっかりと固まっている。

前回おこなった錆漆2回目がしっかり乾いています。

金継ぎの錆漆を刃物で削っていく。

器の口元の縁から削っていきます。
左手の親指を彫刻刀の横に当てて、その指で押し出すようにして錆漆を削っていきます。カッターナイフでも同じです。

彫刻刀の一部を器に押し当てながら錆漆を削っていく

錆漆を削るときのコツは「なるべく彫刻刀の一部を器の方に押し当てる」です。
↑の縁部分を削るときでしたら彫刻刀の刃裏の一部を器に当てて、それを面のレベルのガイドとします。

彫刻刀の刃裏の半分くらいを器に当てて、それをガイドにしながら錆漆を削っていく。

彫刻刀の刃の半分くらいを器の方にはみ出るようにして、当てながら錆漆を削ります。

この方法は彫刻刀だとやりやすいのですが、カッターなどではやりづらいです。刃が薄いので。

彫刻刀のエッジを使って器の彫り込みに合わせて彫っていく。

器の彫り込みに合わせて錆漆も彫ります。
彫刻刀のエッジを利用して彫っていきました。

彫り込まれた錆漆。三角形に削られている。

なかなかうまい具合に彫れました。あとはペーパー研ぎでごまかします。

器のラインに合わせてきれいに錆漆が削られている。

金継ぎの錆漆付けした部分と器の面とが滑らかに繋がっています。(のように見えます)

金継ぎの錆漆削り作業が完了。

口元の方もきれいなラインになっています。
よしとしましょう。

続いて小さい方の欠け部分も作業を行います。

小さい方の欠けも錆漆を削っていく。

錆漆がちょいと出っ張っています。

器の口元部分外側の錆漆は彫刻刀の刃裏を使って削る。

彫刻刀の刃裏を使って削っていきます。

彫刻刀の刃の半分くらいを器に当てて、それをガイドに錆漆を削っていく。

なるべく刃物の刃を器の方に当てながら作業を行います。
それからこれもコツと言えますが、刃を動かすときはちょい斜めに当ててそのままスライドしていく感じです。このやり方の方がきれいに削れる感じがします。削るときの抵抗が少ないような。

金継ぎの錆漆を削る作業ができた。きれいなラインがでている。

削り完了です。

器の口元の欠け錆漆がきれいに削られている。

口元のラインもきれいに繋がりました。

これで金継ぎの錆漆削り作業が完了です。
ご苦労様でした。

 

次の作業に進む ▸ ③ ~漆の中塗り研ぎまで

その他の作業を観る

 

 

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