〈ひび〉金継ぎ/四角い花器を漆で直す方法 1/2

 

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※ ひびの入った四角い花器の金継ぎ修理のやり方を説明していきます。本物の漆を使った修理方法ですので「かぶれる」可能性があります。ご注意ください。

今回は金継ぎ工程の内の〈素地の調整~錆漆付け〉までの方法を解説していきます。

 

 

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金継ぎとは


金継ぎとは欠けたり、割れたりした器を漆で直す日本の伝統技法です。漆で接着し、漆で欠けや穴を埋め、漆を塗って、最後に金粉や銀粉を蒔いてお化粧をします。

 

 

金継ぎする器 information


  • 花器の作家: 鳩屋
  • 花器の特徴: 土はザラザラしていますが、釉薬はテカっています。
  • 花器のサイズ: 縦、横、高さ85㎜
  • 破損状態: 長さ42㎜

 

 

ひびの入った花器の修理前

この花器の作り手…鳩屋…?おっ!そうです。わたくしです。
どうでしょうか?
かれこれ15年ほど前に陶芸体験で作りました。
何を作ろうか悩んだあげく何もまとまらなかったので「四角」をつくりました。(頭、悪い?)

思い出しました。建築物のようなものを作ってみたかったんです。
ひびが入っているということは、構造的に欠陥があったのだと思います。

 

ひびの入った花器の修理前

ひびといってももともと花器を焼く時にできたできたものなので結構、深いです。
ですので今回は一度、錆漆で溝を埋めてから漆の塗りに入りたいと思います。

 

ひびの入った花器の修理前

 

 

 

 

〈金継ぎの手順 01〉 鑢で素地を研ぐ


金継ぎの素地調整工程で使う道具の画像

今回の素地調整で使う道具: 

②砲弾型のリューターのダイヤモンドビット (ホームセンター等で入手可能/価格 \200~)

▸ ダイヤモンドビットのカスタマイズの方法

 

 花器への漆の食いつきをよくするために軽くひび周りを鑢で傷つけます。

ひびの上をダイヤモンドビットで研ぐ

最初の何ストロークかは軽いタッチでなぞる感じで往復させます。
次第に力をいれていき、ゴリゴリ鑢ます。

 

ひびの上をダイヤモンドビットで研ぐ

ダイヤモンド鑢の研磨力はすごいです。

目視で確認できるひびの範囲よりも少し(数ミリ)長目に鑢ってください。
目では確認が出来なくても意外とひびは入っているものなのです。(嫌ですね~)

 

ひびの上をダイヤモンドビットで研ぐ

 

 

 

 

〈金継ぎの手順 02〉 生漆で素地を固める


金継ぎの素地固め工程で使う道具の画像

素地固めで使う道具と材料(▸ 素地固めで使う道具・材料の入手先・値段

  • 道具: ⑥小筆、⑤付け箆 
  • 材料: ⑦生漆、①テレピン、②サラダ油、②ティッシュペーパー、③作業板(クリアファイル)

 

まずは使う前に筆をテレピンで洗って油を洗い出します。 ▸ 詳しい筆の洗い方

 

毎回、作業が終わったときに筆を”油”で洗います。 ですので使うときにはまず筆の中の油を取り除きます。

  1. 作業板の上に数滴テレピンを垂らす。
  2. その上で筆を捻ったりしてテレピンをよく含ませる。
  3. ティッシュペーパーの上でヘラで筆を優しくしごく。

 

続いて漆を用意します。
ひびに浸み込んでいきやすくするために生漆にテレピンを混ぜて希釈してください。
作業板の上でヘラを使ってよく混ぜ合わせます。

生漆 10 : 3 テレピン
くらいの割合で生漆を希釈します。

それをひびの入った箇所に浸み込ませていきます。

 

花器にはいったひびに漆を浸み込ませる

なるべくはみださないように気を付けて漆を塗っていきます。

 

花器にはいったひびに漆を浸み込ませる

 

 

花器にはいったひびに漆を浸み込ませる

ティッシュを数回折り畳んだものを用意します。

 

花器にはいったひびに漆を浸み込ませる

漆を浸み込ませた箇所にそっとティッシュを押し当ててください。
押し当てたティッシュをずらさないように気を付けてください。
周りの素地にも漆がついてしまいますので。

 

花器にはいったひびに漆を浸み込ませる

ティッシュに漆がつかなくなるまでティッシュの面を変えて繰り返しひびの箇所を押さえます。

 

金継ぎの素地固めが完了

漆での素地固め作業が終了しました。

花器は湿した所(湿度65%~)に半日~1日置いてください。

 

 

油で筆を洗います。 ▸ 詳しい筆の洗い方

筆は付属のキャップを嵌めて保存します。キャップが無かったらサランラップを丁寧に巻いてください。
キャップがない、もしくはキャップを作りたいという方向けに ▸ 筆のキャップの作り方 ページを作りましたので、ご覧ください。

 

 

 

〈金継ぎの手順 03〉 錆漆付け


金継ぎの錆漆付け工程で使う道具の画像

金継ぎの錆付けで使う道具と材料(▸ 錆漆付けで使う道具・材料の入手先・値段

  • 道具: ①プラスチック箆、②付け箆(▸ 付け箆の作り方)、
  • 材料: ④生漆、⑤砥の粉、⑥水、③作業板(クリアファイル)

錆漆を作ります。 ▸ 詳しい錆漆の作り方

 

花器に入ったひびに錆漆を入れていく

このちょっとした溝に錆漆を詰め込んでいきます。

 

まずは錆漆をヘラ先で取ってください。

  1. 作業板の上で錆漆を薄く均一に広げる。
  2. ヘラを少し寝かしつつ、横から滑り込ませる。
  3. 右側から左側へ通す。
  4. そうするとヘラの先っちょだけに錆漆がつきます。

 

 

花器に入ったひびに錆漆を入れていく

ヘラ先に錆漆が乗っています。

 

花器に入ったひびに錆漆を入れていく

ヘラを横スライドさせながら錆漆をひびの上に置いていきます。
私が今回使っているヘラの幅がすごく狭かったので、3回にわけて錆漆を置いていきました。

 

花器に入ったひびに錆漆を入れていく

ひびの上に錆漆が乗ったら、今度はそれを溝の中に入れていきます。

溝に対して直角にヘラを小刻みに通します。

 

花器に入ったひびに錆漆を入れていく

次は反対方向にヘラを通します。

両方向からヘラを通すことでしっかりと錆漆を溝に入れていきます。

最後にひびの上をなぞるようにヘラを通して錆漆の表面を均します。

 

花器に入ったひびに錆漆を入れていく

ひびの周りについた錆漆を掃除します。
ひびには触れないように気をつけつつ、箆を通します。

 

花器に入ったひびに錆漆を入れていく

ひびの両側とも掃除します。

錆付け箇所がたくさんある場合は掃除をしている余裕もないと思いますので忘れてください。
どんどん錆を付けていってください。

 

花器に入ったひびに錆漆を入れていく

最後にテレピンまたはエタノールを付けた綿棒で周りに付いた錆漆を掃除をします。

錆を盛った箇所に触れると錆漆が取れてしまいますので気を付けてください。
あまりギリギリまではやらない方がよさそうです。

 

金継ぎの錆付け作業が完了

こんなところでいかがでしょうか?

 

金継ぎの錆付け作業が完了

錆漆が乾くまで1~2日ほど待ってください。

 

 

ひびの入った花器の金継ぎが完成

 

 

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