割れた角谷啓男さん竹筒カップの金継ぎ方法(極詳述) 5/6 ~錆漆研ぎまで

金継ぎの方法。刻苧漆が乾いたところ

※ 3ピースに割れたカップの金継ぎ修理のやり方を説明していきます。本物の漆を使った修理方法ですので「かぶれる」可能性があります。ご注意ください。

 

 

step 01 錆漆の付け方


錆付けで使う道具・材料(▸ 使う道具・材料の入手先・値段

  • 道具: プラスチック箆、付け箆(▸ 付け箆の作り方)、綿棒、豆皿
  • 材料: 生漆、砥の粉、水、テレピン

錆漆を作ります。 ▸ 詳しい錆漆を作る方法

 

まずは接着した破片同士のわずかな隙間に錆漆を詰めていきます。
(大きな溝、深い穴は刻苧漆で埋めました。前回をご参照ください ▸ ④ ~刻苧漆削りまで

金継ぎの方法。錆漆を箆に付け、それを接着部分の溝に入れていく

少量の錆漆を箆にとります。

金継ぎの方法。錆漆は割れた破片同士の接着ラインに対して「直角気味」に付けて、隙間に入れていく。

接着したラインに対してやや直角気味に錆漆を付けます。
隙間に入れ込む感覚で。

金継ぎの方法。錆漆を直角に入れていく作業を繰り返す。

再び作業板の上の錆漆を箆で少量とって「直角気味に」隙間に入れ込みます。
これを何回か繰り返します。

金継ぎの方法。錆漆の直角付け作業が4~5㎝進んだら、今度は箆を接着ラインに対して平行に通す。これを「行って、帰って」と往復させる。

4~5㎝錆漆を盛っていったら、今度は接着ラインに沿って「平行に」箆を
通して錆漆を詰めていきます。「行って、帰って」で往復させます。

おう、鳩屋さん、何でそんなにめんどくせいことするんだい?一回詰め込めばいいじゃないかい。
いや、これには深い事情がございまして…
というほどのことではありませんが。上下左右と箆を通した方が錆漆が隙間にしっかり入り込むのであります。
これやらないと意外とちょっとした隙間ができてたりしてもう一回錆漆をやるはめになるんです。よ。

金継ぎの方法。豆皿に少量のテレピンを入れる

適度な範囲(例えば↑の画像で説明した4~5㎝の範囲)に錆漆を付けたら、
綿棒にテレピンをつけて、それで作業箇所周りについてしまった余計な錆漆を拭き取ります。

豆皿にテレピンを少量出しておきます。

豆皿に入れたテレピンに綿棒をつける

ちょちょっとそのテレピンに綿棒を漬けます。

金継ぎの方法。錆付けの際に周りについてしまった錆漆を綿棒できれいに拭き取っていく

特に回す必要はありませんが、さらさらと周りについてしまった錆漆を
拭き取っていきます。
綿棒の一つの面が汚れてきたら他の面に変えて拭き取っていきます。

金継ぎの方法。綿棒で錆漆をきれいに拭き取る。

綿棒で錆漆を拭き取ります。なるべく溝に埋めた錆漆には触れないように。

金継ぎの方法。周りについた錆漆を拭き取ったあとの画像

こんな感じです。完全には錆漆は取れませんが、それでもある程度この時点で拭き取っておくと、錆漆が乾いたときに研ぎ作業が楽になり、かつ器へのダメージも少なくなります。

が…この作業を繰り返そうとすると錆漆付けに手間がかかって、作業板の上の錆漆が乾いていったりでどうも効率がいいのかあまりよろしくないのか今のところちょっと判断できないところです。
もう少し検証していきます。

金継ぎの方法。続いてほかの接着ラインに錆漆を付けていく。はじめは直角気味に錆漆を付けていく。

再び錆漆付けです。錆漆を接着ラインに対して「直角気味」に付けつつ、
溝に入れていきます。

金継ぎの方法。錆漆の付け方。

錆漆が溝に入っています。はい。

金継ぎの方法。程よい範囲を直角に付けていったら、今度は接着ラインに対して平行に箆を通す

今度は箆を接着ラインに「平行」に通して、きちんと錆漆が溝に入るようにします。
それからはみ出て付いている周りの錆漆をある程度、箆で取っておきます。

金継ぎの方法。錆漆の箆付けが終わったら、今度は綿棒で周辺についた錆漆をきれいに拭き取っていく。

テレピンのついた綿棒で周りに残った錆漆を拭き取ります。

接着部分の隙間はこれを繰り返していきます。

↓欠け部分も錆漆を薄っすらと付けていきます。

金継ぎの方法。カップ口元の欠け部分にも錆漆を施す。

刻苧の段階でほとんど形はできているので、錆漆は薄っすらお化粧程度に付けていきます。あとは小さな隙間、穴ぼこ、へこみを埋めます。

金継ぎの方法。錆漆付けの工程が完了しました。

錆漆の作業が完了しました。

金継ぎの方法。錆付け工程が終了。器を内側から見る。

錆漆の乾燥に1日(~2日)あれば十分だと思います。

 

step 02 錆漆の研ぎのやり方


錆研ぎに必要な道具と材料: 耐水ペーパー(#400~#600)、はさみ、水、豆皿、ウエス

 

私は耐水ペーパーを1㎝×1㎝くらいの小ささにはさみで切り、それを三つ折りにして使っています。豆皿に出した水を少しだけつけて錆漆を研いでいきます。

 

金継ぎの方法。錆漆をペーパーで研ぐ。ペーパーは小さく畳んだもので研ぎを行う。

水を付けて研ぎます。なるべく錆付け範囲からはみ出さないようにして研いでいきます。でもはみ出してついている錆漆を研がないといけないですよね。そこはサササと最小限の研ぎで収まるように気を付けつつやってください。もしくは激落ち君に任せるか。

金継ぎの方法。器の外側も錆漆をペーパーで研いでいく。ペーパーは水を少量つけて研ぎを行う。

器の外側の欠け部分も研いでいきます。
研ぎ汁をウエスで拭き取って研いだ形をチェックしてください。
まだ研ぎ足りない部分を確認してそこを重点的に研いでいきます。

金継ぎの方法。破片の接着部分に付けた錆漆もペーパーで研いでいく。

接着部分に付けた錆漆も研いでいきます。

といでいったらところどころ錆漆の厚みが足りなくてへこんでいる箇所があったので、もう一度、錆漆の付けを行いました。

 

次の作業工程を見る ▸ ⑥ ~蒔絵完成まで

▸ 竹筒カップの目次に戻る

その他の工程

 

 

Pocket