【漆のペースト】 意外とできちゃう!初めての錆漆の作り方 ▸ 動画有

 

size19

ファイツ!

 

※ 本物の漆を使いますので「かぶれる」可能性があります。ご注意ください。

 

【 錆漆さびうるし 】とは…生漆と細かい土を混ぜて作る「漆の”ペースト”」

金継ぎ作業の中で小さな欠けを埋めたり、小さな隙間・段差を埋めたり、
それから刻苧漆をした後に表面をきれいに整える(形やお肌)ために使います。
小細工に使うといった感じでしょうか。

※ 大きな欠け、穴、段差を埋める場合は刻苧漆で行います。
▸ 刻苧漆の作り方

※ 接着剤として使われることもありますが、接着力が弱い感があり私は金継ぎではやりません。

 

 

刻苧を使うのか、それとも錆漆を使うかジャッジする際の
ご参考までに。

傷の深さ 使う充填材
深い(2㎜以上) 刻苧漆こくそうるし(パテ)
※ 一回の盛り厚は3㎜程度まで
それ以上の深さに充填する場合は
数回に分けて充填する
どっちつかず(1~2㎜) どちらでもお好みで◎
※ 錆漆を使う場合は1回で厚盛しない。
一回の盛り厚は1㎜程度まで。
それ以上の深さに充填する場合は
数回に分けて充填する
浅い(1㎜未満) 錆漆さびうるし(ペースト)

 

 

(2016-12-05) 動画を作りました!

使う道具・材料

  • 砥の粉、水、生漆
  • ヘラ

 作業手順

  1. 砥の粉を細かく潰す
  2. 水を少しずつ砥の粉に足しながら、よく練る
  3. 生漆を少しずつ水練り砥の粉に足しながら、よく練る

 

 

 

使う道具・材料



金継ぎの錆漆付け工程で使う道具の画像


金継ぎの錆付けで使う道具と材料▸ 錆漆付けで使う道具・材料の入手先・値段

  • 道具: ①プラスチック箆※1(幅の小さいものの方が使いやすいです。25㎜か30㎜)
  • 材料: ④生漆 ⑤砥の粉 ⑥水 ③作業板(クリアファイル)

※1 ヘラ…できれば、檜や竹を使って幅10~15㎜程度のものを自作するといいと思います。

 

 

 

 

step 00 漆と砥の粉の分量比


とある師匠の錆漆レシピです。参考までに。

砥の粉(3.0):水(0.3~0.4):生漆(1.5~1.8)重量比

…と書いておいて申し訳ないのですが、これを本当にスケールで測って作ろうとすると大量に錆漆を作る羽目になってしまいます。
金継ぎで錆漆を使う時というのはほんの僅かあればいいだけだと思いますので、この「重量比」というのは正直、現実的なアドバイスになっていないと思います。すみません。

 

で、よく言われている見た目の体積比としては

水練り砥の粉(10):生漆(8)見た目の体積比

というのがあります。

ですが、この「見た目」というのがかなり曲者です。みなさん、うまくいってますか?漆の分量が多すぎて乾かない時がありませんか?
私も漆を始めたころはよく失敗していました。目分量ですとどうしても個人差がでてきてしまいます。そうすると失敗することも。

 

そこで、「なぜか失敗が多くなってしまう人」「きっちりと乾くベストな錆漆を作りたい人」へのご提案です。

ちょっと手間がかかってしまうのと、道具が2つ必要になってしまいますが、金継ぎ図書館が今のところご提案できるベストな方法です。

(目分量で問題なく錆漆が作れている方は step 01 へお進みください。)

 

 

step 000 誰でもデキル!漆と砥の粉の分量比


錆漆つくりで使う道具

  • 道具 : ②竹箆(丸い箆先) ③計量スプーン 1/4 (0.25㏄)
  • 材料 : ○漆(生漆) ①サラサラに細かく潰した砥の粉、

和田助製作所 極厚軽量スプーン 1/4 スプーン / 価格¥160~200

私は東京の河童橋道具街で買いました。ハンズでは多分、置いてなかったと思います。(2016.2月現在)

 

金継ぎ図書館のご提案として「極小の計量スプーン」を使うことをおススメさせていただきます。

「極小の計量スプーン 1/4 」を使うメリットとして

  • 漆と砥の粉の配合比を失敗しない
  • 金継ぎに適した分量だけ(ほんの少量の)錆漆が作れる
  • (いままでその大部分を廃棄していた)大量の錆漆を作らなくて済むので、生漆も砥の粉も少ない量だけ購入すればよい

 などが挙げられます。

 

大きさは「 1/4 (0.25㏄) 」がお薦めです。1/2(0.5㏄)や1/10(0.1㏄)の計量スプーンでももちろん構いません。が、実際にそれぞれのスプーンで錆漆を作ってみたのですが、できる錆漆がちょっと多かったり、ちょっと少なかったりする気がしました。
金継ぎで使うのに適量の錆漆を作るには「 1/4 」がお薦めです。

金継ぎで錆漆を使う時、本当に「少し」しか必要がない場合がほとんどだと思います。
ですが、みなさん、結構「大量に」作っていませんか?使う量の何倍も作ってしまい、そのほとんどを廃棄しているのが現状だと思います。
これだと漆も砥の粉も余計なロスばかりになってしまいますよね。(実際に使っている必要な量の何倍もの漆と砥の粉が必要になってしまいます)

ですが、それも無理のないことだと思います。実は「ほんの少量」の錆漆を作るのってコツを摑むまで難しいと思います。少ない分量の錆漆を作ろうとすればするほど、ちょっとした配合の誤差が大きく影響してきます。漆が少し多くなっただけで乾かない錆漆になってしまったりと、失敗しやすいのです。
(後は「ヘラ」がデカすぎて「少量」の錆漆を作るのが難しい…ってこともあると思います。金継ぎの錆漆練りで使うヘラは、幅が10~15㎜程度のものが使いやすいです。)

 

 

 

それでは砥の粉と漆の計り方をご説明していきます。

錆漆作りで使う漆と砥の粉の分量を正確に計る

あらかじめヘラなどで細かく潰した砥の粉をタッパーなどの容器に入れておきます。
手間ですが、これ大切なところなので手抜きなくやってください。

そのサラサラの砥の粉を計量スプーンでひと掬いします。
軽く山盛りになるように。

錆漆作りで使う漆と砥の粉の分量を正確に計る

ヘラで軽く上から押さえます

錆漆作りで使う漆と砥の粉の分量を正確に計る

ヘラで切って、「摺り切り一杯」にします。

そうしたらその砥の粉を作業板の上に出して、計量スプーンを空っぽにしてください。

錆漆作りで使う漆と砥の粉の分量を正確に計る

次に漆をチューブから計量スプーンに出します。
皆さんお使いなのはチューブですよね?お茶碗に漆を入れている方は小さなヘラで漆を掬って軽量スプーンに入れてください。

錆漆作りで使う漆と砥の粉の分量を正確に計る

で、ここもミソなのですが、生漆の量はスプーンの 7~8割り です。(おい!金継ぎ図書館!やっぱり「目分量」になってるじゃん!! …はっ!お~なるほど。ほほほほ…)

正しい突っ込みが入りそうですが、軽量スプーンを使った方が誤差が出づらいと思うのです。

スプーンの「7~8割」と書いているのですが、本当は8割5分くらいがベストだと思うのです。
が、そうするとうっかり漆の分量が多くなり過ぎることがあるので、それを防ぐ意味でちょっと少なめに表記させてもらいました。

ちなみに麦漆を作る際の漆の量は摺り切り一杯(100%)です。

 

錆漆作りで使う漆と砥の粉の分量を正確に計る

画像の上の錆漆は軽量スプーン9~10割の漆で作った時の錆漆です。
錆漆が少し厚くなったところは「縮んで」います。漆分がちょっと多いんですね。

画像下は8割くらいの漆で作った錆漆です。いいですね。

錆漆作りで使う漆と砥の粉の分量を正確に計る

軽量スプーンから作業板の上に漆を移します。

(※注意!! 見やすいようにガラスの作業板の下にグレーの布を敷いてあります。勘違いして「布」を作業板にしちゃダメですよ。漆が浸み込むだけです)

錆漆作りで使う漆と砥の粉の分量を正確に計る

計量スプーンは窪みが深いので、そこから綺麗に漆を掻き出すために「先丸の竹べら」を使います。

「先丸の竹べら」は通常の「付け箆」を作りまして、その先っちょを計量スプーンの丸みに合わせて削ります。丸みはアバウトで大丈夫です。

錆漆作りで使う漆と砥の粉の分量を正確に計る

先丸竹べらは厚みが薄くなるようにすると、よくしなって計量スプーンから掻き出しやすくなります。

 

 これで間違いのない分量比の砥の粉と漆が作業板の上に出たと思います。
今のことろこれが金継ぎ図書館のベストアンサーです。

 道具を揃えたり、手順が増えてちょっと手間なのですが、今までうまくいかなかった方のお悩み解決の一役になれたらこれ幸いです。

何度か計量スプーンを使って錆漆を作っているうちに、だんだんと分量の感覚が掴めてくると思います。そうしたらスプーンを使わずとも目分量や作っている最中の錆漆の表情を見て判断ができてくるようになります。

 

step 01 砥の粉+水 を練る(金継ぎで使う錆漆の作り方。)


まずは砥の粉と水を練り合わせます。

錆漆で使う砥の粉と水を練り合わせる

砥の粉を作業板の上に出します。

錆漆で使う砥の粉と水を練り合わせる

箆で砥の粉を細かく潰します。

 錆漆で使う砥の粉と水を練り合わせる

細かくなるまで丁寧に潰します。

錆漆で使う砥の粉と水を練り合わせる

水を加えます。

直接、砥の粉に水を加えようとすると水を加え過ぎて失敗する場合が多々あるので、砥の粉の横に水を出します。

錆漆で使う砥の粉と水を練り合わせる

ヘラ先に水を少しだけ付けます。

錆漆で使う砥の粉と水を練り合わせる

その水を砥の粉に加えて、ヘラで練ります。

ちょっとずつ水を足しては練り、また水を足しては練りを2,3回に分けて繰り返します。
その方が失敗しません。
水が多すぎると厄介なので、少な目に加えていってください。

水練り砥の粉の目標は「チューブ入りの練りからし」くらいの状態です

錆漆で使う砥の粉と水を練り合わせる

 はい、練りからし一丁できました◎
どでしょう?

※人によっては水を使わない(漆+砥の粉のみ)方もいますし、もっと水が少な目、多目の方もいます。

基本的には水が少ない方が錆の強度がでます。が、乾き(硬化)は遅くなります。
水が多すぎると”やけ”というものを起こしてしまい(急激に漆が反応してしまい)、弱く、脆くなります。

 

で、万が一、水を加えすぎてドロドロになってしまった!場合。

錆漆で使う砥の粉と水を練り合わせる

おう、ドロドロですね。大丈夫です。リカバリーできます。

錆漆で使う砥の粉と水を練り合わせる

折り畳んだティッシュ先生を優しく押し当てます。

錆漆で使う砥の粉と水を練り合わせる

水を吸い取ってもらいます。

錆漆で使う砥の粉と水を練り合わせる

 パンパースです。今もあるのかしら?

水分が多いようでしたらティッシュの面を変えて何度か繰り返してください。

錆漆で使う砥の粉と水を練り合わせる

ティッシュで水分を吸ってもらったらこんな感じになりました。

リカバリー成功です。

 

 

 

step 02 水練り砥の粉+漆 を練る(金継ぎで使う錆漆の作り方)


次に生漆を練り合わせていきます。

錆漆に漆を加えて箆で混ぜる

漆を作業板の上に出します。とりあえず体積比
水練り砥の粉 1 : 0.8~1 生漆

くらいを目安に出しておきます。

体積比…と言われても目分量じゃ不安だよという方は計量スプーンを使ったやり方をおススメします。(その場合は砥の粉を作業板に出すところからやり直してください。分量の比率が重要ですので)

錆漆に漆を加えて箆で混ぜる

少量の漆(1/3くらい)を箆で取ります。

錆漆に漆を加えて箆で混ぜる

ヘラでしっかりと混ぜ合わせます。

大量の漆を一気に混ぜないでください。だまができやすかったり、混ざりにくくなったりします。料理と一緒です。
(金継ぎでは少量しか錆漆を作らないので、実はここまで神経質になる必要はないと思いますが、大量に作るときはこうしないと漆が混ざりにくくなりますのでご注意ください)

錆漆に漆を加えて箆で混ぜる

さらに1/3の漆を取ります。

錆漆に漆を加えて箆で混ぜる

よく練り合わせます。

錆漆に漆を加えて箆で混ぜる

残りの漆を箆でとります。

錆漆に漆を加えて箆で混ぜる

しっかりと練っていきます。

 

錆漆に漆を加える

漆分が十分かどうかのチェックです。

ヘラで引っ張ったところの錆漆から、3秒くらい待って、じわっと表面から漆がうっすら滲んでくる…くらいがいいかと思います。
ジャスト飽和状態。

うっすら滲んでこないようでしたら、少し漆を足して、また混ぜます。

※ 計量スプーンであらかじめ漆の量を計った方は漆を足さないでください。

錆漆に漆を加える

漆を足して混ぜます。

金継ぎで使う錆漆が完成

できました。こんな感じです。
わかりますか?わからないですよね。私も分かりません。なぬ?!

金継ぎで使う錆漆が完成

でも経験を積んでいくと、錆漆に含まれている漆の微妙な差が分かってくる気がします。

はじめはなかなか勘所が掴みにくいので、計量スプーン作戦もおススメです。

 

 

注意事項です。

  • 漆が少ないと錆漆の強度が低くなります。”やけ”も起こりやすくなります。
  • 漆が多いと錆漆の強度は高くなります。けど、多いほど乾き(硬化)が遅くなります。何日もかかってしまったりします。
  • 漆が多すぎると”ちぢむ”ことがあります。ちぢんじゃダメです。ちぢみはまたご説明します。( ▸ 錆漆が縮んだ時の対処法 )

これで金継ぎで使う錆漆作りは終了です。

 

 

錆漆のつけ方・使い方テクニック
 ▸ 小さい欠けの錆漆のつけ方・使い方part 1
 ▸ 細い隙間の錆漆のつけ方・使い方TECHNIC

 

その他の材料の作り方
 ▸ 麦漆の作り方(接着剤)
 ▸ 刻苧漆の作り方(パテ状のもの)…大きい欠け、隙間用

 

 

▸ 錆漆が乾かない(ような気がする)ときの対象方法

 

 

 

 

Pocket